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                            ベビーフード指針について

1  平成4年10月から「乳幼児用食品規格基準検討会」を設置し、検討を進めてきた
 ところであるが、今般、「ベビーフード指針報告書」が別添のとおりとりまとめられ
 た。

2  厚生省では、この報告に基づき、別添の通知によりベビーフード協議会をはじめ関
 係団体や自治体等に周知を図ったところである。

3  指針の内容のポイントとしては、本指針の対象、ベビーフードのナトリウムや糖類
 等の栄養組成等、さらに表示事項及び表示方法について示したものである。

4  ベビーフードは、市場に出回っている種類は約350種余り、生産量は平成6年
  7,285t、輸入量は 158t 合わせて7,443tと年々増加の傾向を示している。

(別添)                 ベビーフード指針報告書

  ベビーフードは主に乳児を対象に栄養素等を補給し、母乳やミルクから一般の固形食
品に慣れさせ、食事習慣を確立させるために用いる食品である。
  現在市場に出回っているベビーフードの種類は350種余り、生産量は平成6年7,285
t、輸入量は158t、合わせて7,443tであり、金額に換算すると標準価格ベースで約227億
円となっている。
  近年の食品加工技術の進歩、外食産業の目覚ましい発展、母親の就業率の増加等とあ
いまって食生活を取り巻く環境や食生活に対する意識は大きく変化してきている。ベビ
ーフードについても、主食副食ともに種類が豊富で利便性が高いものが開発され、生産
量はこの5年間で約倍増、利用の形態も従来の旅行時などに限らず、日常的なものへと
変化している。このような状況の下、ベビーフードに対する栄養組成・物性面での配慮
の必要は一層高まってきている。
  このため、平成4年10月に乳幼児用食品(ベビーフード)規格基準検討会を設置し
、市販のベビーフードの実態を調査するとともに専門的見地から検討を重ね、ベビーフ
ードの望ましい栄養組成・物性等を指針としてとりまとめたので報告する。
  なお、固さ及び浸透圧については、試験方法等更に科学的な研究を重ねる必要がある
ことから、具体的な数値については今回は参考としての記載にとどめた。また、保健指
導者からは特に離乳後期の咀しゃく能力獲得に資する製品開発の必要性が指摘されたと
ころであり、今後、更に専門家、業界関係者等による研究が進められることが期待され
る。

     乳幼児用食品(ベビ−フ−ド)規格基準検討会委員名簿


    氏     名                所                    属

      赤坂  守人       日本大学歯学部教授
      江指  隆年       国立健康・栄養研究所応用食品部長
      川端  晶子       東京農業大学教授
      坂田たかし       (前)日本赤十字社医療センタ−付属乳児院院長
    ◎細谷  憲政       茨城県健康科学センタ−長
      水野  清子       日本総合愛育研究所部長
      山城雄一郎       順天堂大学医学部教授
      渡井  正俊       (財)日本食品分析センタ−課長
      横山    勇       (財)日本健康・栄養食品協会理事
                         キュ−ピ−株式会社常務取締役

  ◎は座長

〔参考〕
    ベビーフード類別生産量・輸入量の推移
                                                                    単位;トン

               瓶詰め          乾燥品  レトルト食品                供給量
   年次                                               生産量計
             生産量  輸入量    生産量     生産量               (生産+輸入量)

 1994 (H6)    3,685     158     1,196         2,404      7,285           7,443

 1993 (H5)    3,258     194     1,034         1,974      6,479           6,673

 1992 (H4)    3,450     178     1,248         1,768      6,466           6,644

 1991 (H3)    2,736     199     1,166         1,405      5,307           5,506

 1990 (H2)    2,424     461     1,166         1,011      4,551           5,012

 1989(H元)    2,340   1,059     1,177  NA(瓶詰め      3,517           4,576
                                             含む)
 1988 (S63)   2,483   1,125     1,146    (缶詰生産      3,629           4,754
                                           ↓  量)
 1987 (S62)   2,497   1,137     1,141             0      3,638           4,775

 1986 (S61)   2,293     977     1,119             7      3,419           4,396

 1985 (S60)   2,113   1,396     1,036            69      3,218           4,614


  注:1  NAは不明      2  レトルト食品は瓶詰めに含む

〔参考〕日本のベビーフード指針とコーデックス ベビーフード 缶詰の規格等との比較表

                                           コーデックス ベビーフード コーデックス乳幼児用加
     品      質       日本のベビーフード指針  缶詰の規格        工用穀物食品規格

 ナトリウム           200 mg/100g 以下     200 mg/100g 以下  ○そのまま食べら
                      (調製時)           (調製時)        れる形態のものは
                                                             100 mg/100g を超
                                                             えてはならない
                                                             ○ビスケットなど
                                                             は300 mg/100g を
                                                             超えてはならない

 糖類の含有量         同種の食品より高く   なし              なし
                                ないこと

 香辛料等との原材料   刺激性が少ないもの   認められている又  なし
                                           は販売されている
                                           ものから調製する
                                           ことができる

 食品添加物           必要不可欠な場合に   上限を設定        上限を設定
                      使用

 でんぷんの糊化度     80% 以上             なし              なし

 栄養成分の表示       エネルギー、たんぱ   栄養成分の表示    栄養成分の表示
                      く質、脂質、糖質、   熱量 (キロカロリー) 、  熱量 (キロカロリー) 、
                      ナトリウム、栄養表   たんぱく質、脂質  たんぱく質、脂質
                      示された栄養成分、   、糖質のg 数(販  、糖質のg 数(販
                      栄養強化した栄養成   売時の食品100g及  売時の食品100g及
                      分                   び指示されている  び指示されている
                                           1食分の食品量に  1食分の食品量に
                                           従って表示)      従って表示)

 堅さ及び大きさ       調製時の物性の目安   粘稠度と粒子の    粘稠度と粒子の
                      あり                           大きさ            大きさ
                                           ○  均質又は粉砕  柔らかく滑らかな
                                           されていること    テクスチャーを持
                                           ○  裏ごし等で十  ち、固まりや噛み
                                           分均一な微粒子状  砕く粒子を含まず
                                           の食品であること  匙で与えるのに適
                                                             するもの

                                                                  衛新第56号

                                                            平成8年6月24日

        都道府県知事
各      政令市市長       殿
        特別区区長

                                                  厚生省生活衛生局長


                            ベビーフード指針について

  近年の食品工業技術の進歩、外食産業の目覚ましい発展、母親の就業率の増加等とあ
いまって食生活を取り巻く環境や食生活に対する意識は大きく変化してきている。これ
らに伴って市販のベビーフードについても、種類が豊富で利便性が高いものが開発され
、利用の形態も日常的なものへと改良し、栄養面・物性面での配慮の必要性が高まって
きた。
  このため、今般、ベビーフードの栄養組成・物性等を中心に別添のとおり「ベビーフ
ード指針」を作成したので、この指針に沿った適正な製造、販売が行われるよう関係者
に対する周知方よろしくお願いする。
                                                            衛新第57号
                                                            平成8年6月24日


    ベビーフード協議会会長    殿


                                                  厚生省生活衛生局長


                            ベビーフード指針について

  近年の食品工業技術の進歩、外食産業の目覚ましい発展、母親の就業率の増加等とあ
いまって食生活を取り巻く環境や食生活に対する意識は大きく変化してきている。これ
らに伴って市販のベビーフードについても、種類が豊富で利便性が高いものが開発され
、利用の形態も日常的なものへと改良し、栄養面・物性面での配慮の必要性が高まって
きた。
  このため、今般、ベビーフードの栄養組成・物性等を中心に別添のとおり「ベビーフ
ード指針」を作成し、別紙のとおり各都道府県等へ送付したので、貴傘下会員に対し周
知徹底方よろしくお願いする。


                                                             衛新第58号
                                                             平成8年6月24日


    財団法人日本健康・栄養食品協会理事長  殿


                                                  厚生省生活衛生局長


                            ベビーフード指針について

  近年の食品工業技術の進歩、外食産業の目覚ましい発展、母親の就業率の増加等とあ
いまって食生活を取り巻く環境や食生活に対する意識は大きく変化してきている。これ
らに伴って市販のベビーフードについても、種類が豊富で利便性が高いものが開発され
、利用の形態も日常的なものへと改良し、栄養面・物性面での配慮の必要性が高まって
きた。
  このため、今般、ベビーフードの栄養組成・物性等を中心に別添のとおり「ベビーフ
ード指針」を作成し、別紙のとおり各都道府県等へ送付したので、貴傘下会員に対し周
知徹底方よろしくお願いする。

(別添)                    ベビーフード指針
1  本指針の対象
    本指針は、販売に供するベビーフードを対象とする。

2  栄養組成等

  (1)  調製時の栄養組成等は、次のとおりであること。
      ア  ナトリウム含量は、200mg/100g以下であること。ただし、離乳完了期を対象
        発育時期とするもの(タイプ5)については、同種の食品よりも高くなければ
        よい。
      イ  糖類の含有量は、同種の食品よりも高くないこと。

  (2)  使用する原材料は、次のようなものであること。
      ア  香辛料等の原材料は、刺激性の少ない乳幼児に適するものであること。
      イ  食品添加物は、必要不可欠な場合に限り使用とする。

  (3)  でんぷんに富む製品の糊化度は、80%以上であること。

  (4)  物性
          調整時の物性の目安は、対象発育時期ごとに次のとおりとする。


タイプ            1          2            3          4          5

対象発育時期  離乳開始前    離乳初期    離乳中期    離乳後期    離乳完了期

調製時の物性  均一な液状  ドロドロ状若  舌でつぶせ  歯ぐきでつ  歯ぐきで噛め
の目安                    しくは均一な  る適度な固  ぶせる適度  る適度な固さ
                          ペースト状の  さを有する  な固さを有  を有するもの
                          もの又は十分  もの又はそ  するもの又  又はそのよう
                          均一な微粒子  のような塊  はそのよう  な塊を含むも
                          状でかみくだ  を含むもの  な塊を含む  の
                          く必要のある              もの
                          粒子を含まな
                          いもの


  (5)  その他
      ア  医学・栄養学的見地からみて、乳幼児が摂取するのに適した食品であるこ
        と。
      イ  使用方法が簡便であること。
      ウ  品質が通常の製品に劣らないものであること。
      エ  適正な試験方法によって特性及び成分が確認されるものであること。
      オ  内容量は、摂取量、摂取回数等からみて適切な量であること。

3  表示
    次のような表示を行うこと。
    ア  商品名
    イ  品質保持期限
    ウ  製造所所在地
    エ  製造者の氏名(法人の場合は、その名称)
    オ  エネルギー量及び栄養成分(たんぱく質、脂質、糖質、ナトリウム、栄養
      表示された栄養成分及び栄養強化した栄養成分)の含有量
    カ  原材料の名称
    キ  調製方法、食べさせ方、保存方法及び開封後の取扱い
    ク  内容量及び1回分の目安量
    ケ  対象発育時期
    コ  物性(液状、流動状、舌でつぶせる固さ、歯ぐきでつぶせる固さ又は歯ぐ
      きで噛める固さなどを表現する用語。)
    サ  消費者からの商品に関する照会先

(参考)ベビーフードの試験方法については省略
    試験方法が必要の場合は最寄りの保健所にご相談ください。

    問い合わせ先 厚生省生活衛生局食品保健課
         新開発食品保健対策室
     担 当 大江、滝本、浅沼(内2458)
          電 話 (代)[現在ご利用いただけません]

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