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         医薬品副作用情報No.137(概要)

1、パニペネム・ベタミプロン及びメロペネムとバルプロ酸ナトリウムの
  相互作用によるてんかんの発作
該当商品名:
パニペネム・ベタミプロン カルベニン(三共)
    年間推定出荷額  約125億円(薬価ベース)
メロペネム        メロペン (住友製薬)
       年間推定出荷額  約 12億円(薬価ベース)
バルプロ酸ナトリウム       デパケン  (協和発酵)他
       年間推定出荷額  約147億円(薬価ベース)
 パニペネム・ベタミプロン及びメロペネムは、いずれもカルバペネム系抗生物質であ
り、平成5年(1993年)10月と平成7年(1995年)6月に承認されている医薬品である
。また、バルプロ酸ナトリウムは、昭和49年(1974年)5月に承認され、広く使用され
ている抗てんかん剤である。
 最近、バルプロ酸ナトリウム投与によりてんかんの発作が抑えられている症例に、パ
ニペネム・ベタミプロン又はメロペネムを併用したところ、てんかんの発作が再発し、
パニペネム・ベタミプロン及びメロペネムの投与中止により、てんかんの発作は消失し
たとの報告があった。この患者のパニペネム・ベタミプロン及びメロペネム併用中の患
者のバルプロ酸の血中濃度を測定したところ、大きく低下しており、パニペネム・ベタ
ミプロン及びメロペネム中止と共に治療域まで上昇した。
 バルプロ酸の血中濃度の維持はてんかんの発作の抑制に重要な医薬品であり、他剤と
の相互作用による血中濃度の低下は臨床上重要であるので、添付文書を改訂し注意を喚
起する。
 なお、パニペネム・ベタミプロンを用いてサルによる動物実験が行われており、パニ
ペネム・ベタミプロン及びパニペネムがバルプロ酸の血中濃度を低下させることが確認
された。
●[解説]医薬品の適正使用のために
  輸血用血液製剤とGVHDについて
 輸血は、生命の危機に臨んで、ほかに代替する方法がないため、緊急にとらざるを得
ない医療である。
 今般、厚生省薬務局安全課医薬品適正使用推進室に、マイクロサテライト診断法が確
立された1993年以降より1996年3月までに、同診断法により確認された29例の輸血後GV
HD(graft‐versus‐host disease)症例が報告されその全例が死亡している。これら
の報告には担癌患者の手術や心臓手術などで輸血が必要と思われる状況において発生し
た症例が25例あるが、担癌患者手術後の貧血の是正のために大量の輸血が行われた例も
あった。輸血を行う場合は適応を十分に考慮し、必要不可欠な場合にのみ、必要な量に
限って使用するよう医療関係者に注意を促し、また、輸血後GVHDの予防手段として血液
製剤に対する放射線の照射が有効であり、可能な場合には実施すべきこと、また、併せ
て自己血輸血の採用をできる限り考慮するべきことを医薬品緊急安全性情報(ファック
ス同報システム)により注意喚起した(平成8年4月12日)。 なお、今回の措置は、
出血により生命の危機に瀕するなどの特別な輸血の適応状況での未照射輸血用血液の使
用については、言及するものではない。
●[解説]医薬品の適正使用のために
  小柴胡湯の投与による重篤な副作用「間質性肺炎」について
 小柴胡湯は慢性肝炎における肝機能障害の改善の目的で、主にC型慢性肝炎の患者等
に処方されている。小柴胡湯による間質性肺炎の副作用については、平成3年4月に使
用上の注意の「副作用」の項に初めて記載し、平成4年12月には更に「一般的注意」に
記載した。また、平成3年春よりインターフェロンの適応がC型慢性活動性肝炎に拡大
されたことに伴い、インターフェロンと小柴胡湯の併用例でも間質性肺炎が報告された
ことから、平成6年1月にはインターフェロンとの併用が禁忌とされた。
 小柴胡湯による間質性肺炎については、本情報No.107(平成3年3月号)、No.118
(平成5年1月号)及びNo.125(平成6年3月号)に記載して注意喚起を行っている。
 しかし、平成6年1月の改訂以降も、小柴胡湯使用中の慢性肝炎患者において、間質
性肺炎が発症し重篤な転帰に至った症例もあることから、一層の注意喚起を図るため、
使用上の注意に「警告」欄を設けるとともに、関係企業に対し、緊急安全性情報を配布
するよう指導を行った。

【 医 療 用 具 安 全 性 情 報 】
● 不要電波問題対策協議会の作成した「医療機器への電波の影響を防止するための携
    帯電話等の使用に関する暫定指針」について

  平成7年度末に不要電波問題対策協議会(学識経験者、電気通信事業者、医療機器関
係工業会、郵政省・厚生省等の関係行政機関等から構成される団体。事務局;郵政省電
気通信局電波部電磁環境対策室)より「医療機器への電波の影響を防止するための携帯
電話等の使用に関する暫定指針」が公表されたことに伴い、関係各方面で当該暫定指針
を容易に活用できるようにするため、その内容について紹介する。

    問い合わせ先 厚生省薬務局安全課医薬品適正使用推進室
     担 当 山本、網岡(内2756)
                 医療機器開発課
         木下(内2774)
          電 話  (代)[現在ご利用いただけません]


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