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              hMG・hCGの適正使用の推進について
                                                            平成8年4月12日

hMG・hCGの適正使用の推進について

1.経緯
 hMG(下垂体性性腺刺激ホルモン)は間脳性(視床下部性)無月経、下垂体性無月
経の排卵誘発等、hCG(胎盤性性腺刺激ホルモン)は無排卵症、機能性子宮出血、妊
娠初期の切迫流産等に使用されるホルモン製剤である。副作用としては、血栓症・脳梗
塞等が報告されており、従来より添付文書の改訂を行い、使用中は患者の観察を十分に
行うこと等の注意を喚起してきたところであるが、昨年末、hMG、hCG療法による
排卵誘発により血栓症等の副作用及び結果的に死亡に至った症例があるとの報道があっ
た。
 厚生省は、これらの医薬品の一層の安全対策を図るため関係企業に対して、hMG、
hCG製剤を納入している医療機関における、当該医薬品の使用された症例の副作用の
発現状況について、改めて調査し報告するように指示していた。同調査は平成8年3月
にまとまり、4月12日に中央薬事審議会の副作用調査会において検討したところ、次
のような安全対策をとることとされた。

2.調査結果
 過去3年間について症例調査の結果は、副作用との因果関係等を否定できない症例と
して、死亡例1例を含む20例が厚生省に報告され、その内訳はOHSS(卵巣過剰刺激症
候群)20件、血栓症関連5件、卵巣茎捻転関連3件等である。
(副作用重複症例が有り症例数と副作用件数の合計は一致しない)
また、これ以外にも、過去3年間に発生している血栓症関連の副作用が9例当局に報告
されている。なお、この他に、死亡症例が1例報告されている。
3.対応
(1)(社)日本産科婦人科学会、(社)日本母性保護産婦人科医会:
 会員向けの情報誌を活用し、会員医師に対して、hMG、hCG療法による排卵誘発
の安全で適正な使用のための周知徹底を図る。
(2)関係製薬企業  :
卵巣過剰刺激により重篤な副作用を伴った症例がある旨を警告欄に記載する。
緊急安全性情報を医療機関に配布し、hMG、hCG療法による排卵誘発の安全で適正
な使用のための注意の周知徹底を図る。
(3)厚生省:
副作用情報137号に症例を紹介し、再度医療関係者に注意を喚起する。


本件照会先

 1 社団法人 日本産婦人科学会 事務局
        電話 03-3260-2296

 2 社団法人 日本母性保護産婦人科医会 事務局
        電話 03-3269-4739

 3 三共株式会社 広報部
        電話 03-5255-7111

 4 持田製薬株式会社 広報室
        電話 03-3225-6303

 5 セローノ・ジャパン株式会社 薬制部
        電話 03-3469-1871

 6 厚生省薬務局安全課医薬品適正使用推進室
        担当 山本、網岡 (内 2756)
        電話 (代) [現在ご利用いただけません]
           (直) 03-3501-4507



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