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         牛海綿状脳症(BSE)に関する医薬品等の当面の安全性
          確保策についての中央薬事審議会常任部会見解について

 本日、 牛海綿状脳症(BSE)に関する医薬品、医療用具、医薬部外品、化粧品に
ついての当面の安全性確保策を審議するため、中央薬事審議会常任部会を開催した。
 審議には、常任部会委員の他、食品衛生調査会臨時委員である我が国の牛海綿状脳症
(BSE)の専門家3名及び疫学の専門家1名にも加わって頂いた。

1.議題

(1)WHOにおいて開催(本年4月2日〜3日)された「人及び動物の伝達性海綿状
    脳症に関する公衆衛生専門家会議」について

(2)牛海綿状脳症(BSE)に関する医薬品、医療用具、医薬部外品、化粧品につい
    ての当面の安全性確保策について

2.審議の結果

 別添のとおり、中央薬事審議会常任部会の見解がとりまとめられた。
 また、今般、海綿状脳症対策に関する特別部会(仮称)を設置し、今後の調査審議は
同特別部会で行うことを決議した。

3.厚生省の対応
 厚生省としては、常任部会見解に沿って、今後、必要な措置を行うとともに、我が国
の医薬品等における反芻動物由来物質の実態の把握、国際的な対応状況、科学的知見な
どについての情報収集等を進める。

 (別添)

(中央薬事審議会常任部会見解)

                                                    平成8年4月16日

                      中央薬事審議会常任部会
                      部会長  南原 利夫

  牛海綿状脳症(BSE)に関する医薬品等の当面の安全性確保策について
                           (常任部会見解)

 本年4月2日及び3日に世界保健機関(WHO)において開催された「人及び動物の
伝達性(伝染性)海綿状脳症に関する専門家会議」では「牛海綿状脳症(BSE)の蔓
延防止と人の疾病の危険性を最低限度に下げるための提案」が公表されたところである
。中央薬事審議会では、平成8年4月16日常任部会を開催し、専門家も加えて牛海綿
状脳症に関する医薬品、医療用具、医薬部外品(専ら動物のために使用されることが目
的とされるものを含む)及び化粧品(以下、「医薬品等」という。)における当面の安
全性確保策について審議を行い、その審議結果に基づき、下記のとおりの見解をとりま
とめた。

                                  記

1.英国産反芻動物由来の物質は、医薬品等の製造原料としては使用しないこと。従っ
  て、英国産反芻動物由来の物質を含む医薬品等の製造又は輸入の実績について引き続
  いて調査を行うとともに、仮に該当品目が存在した場合には、廃棄又は回収等行い、
  人及び動物、特に反芻動物へ投与されることのないよう、適切な措置をとるよう指導
  することが適当である。

2.英国以外の伝達性(伝染性)海綿状脳症(TSE)発生国産反芻動物由来の物質を
  医薬品等の製造原料として使用するときは、TSE発生群と関係のない動物から製造
  される物質を使用すること。

3.反芻動物由来の物質を医薬品等の製造原料として使用するときは、その反芻動物由
  来物質の製造元、当該反芻動物由来物質の製造のために使用される反芻動物の原産国
  、使用部位を含めて記録し保管すること。

4.今後、WHO専門家会議の最終報告、EUを含む諸外国の対応状況、TSE及びT
  SEと人の新種のクロイツフェルト・ヤコブ病との関連などに関する科学的知見等に
  ついて、更に情報収集に努めたうえ、具体的に検知、不活化等の研究を進め、状況に
  応じて速やかな対策を講じることができるよう、十分な準備を行っておく必要がある
  。

5.医薬品等を介してのTSE因子の伝播の危険性を少なくするため、今後とも基礎的
  な研究も含めTSEのデータの集積に努めること。

     問い合わせ先 厚生省薬務局安全課
                    医薬品適正使用推進室
         担当 山本・尾崎(内2756)
          電話 (代)[現在ご利用いただけません]


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