規制影響分析書(設定・改廃)


規制の名称 雇用管理改善計画の認定を受けた中小企業者が行う委託募集についての特例制度の創設
担当部局等 厚生労働省職業安定局雇用開発課  電話番号:03−3502-6776 
公表日 平成18年3月27日
規制の内容・目的 【目的】
中小企業における労働力確保等に向け、その雇用管理の改善を促進するため。
【現行の規制】
職業安定法においては、労働者の募集を自己の労働者以外の者に委託しようとする場合、有償ならば委託者である個々の事業主が厚生労働大臣の許可を受けること、無償ならば委託者である個々の事業主が厚生労働大臣に届け出る必要がある。
【現行の特例】
事業協同組合等が雇用管理改善計画の認定を受けており、その構成員である中小企業者が当該事業協同組合等に労働者募集を委託する場合、委託募集の特例が適用され、募集の受託者である事業協同組合等が厚生労働大臣に届け出ればよい。
【本改正により委託募集の特例が適用される対象・要件】
都道府県知事の認定を受けた雇用管理改善計画(以下「改善計画」という。)に従って雇用管理の改善に関する事業を実施する中小企業者が、その所属する事業協同組合等(一定の基準を満たすものとして厚生労働大臣の承認を受けている組合等に限る。)に労働者の募集を委託する場合
【委託募集の特例の効果】
当該事業協同組合等が計画の厚生労働大臣の認定を受けていない場合であっても委託募集に係る規制の特例を認めることとし、募集の受託者である事業協同組合等から厚生労働大臣への届出で足りることとする。
根拠条文等: 改正後の中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の改善の促進に関する法律第13条
想定され得る選択肢 ◆選択肢1: 改善計画の認定を受けた中小企業者が、その所属する事業協同組合等であって認定計画に係る改善事業の実施に関する相談及び援助を行うものとして当該事業協同組合等の申請に基づき厚生労働大臣がその定める基準により適当であると承認したものに当該募集を委託する場合には、委託募集に係る規制の特例を認める。
◆選択肢2: 事業協同組合等が選択肢1の厚生労働大臣の承認を受けていなくても、委託募集に係る規制の特例を認める。
◆選択肢3: 現状維持(所属する事業協同組合等が改善計画の認定を受けていない場合には、認定を受けた中小企業者に対して委託募集の特例措置を認めない。)
◆選択肢4:  
期待される効果(望ましい影響) 効果の要素 選択肢1の場合 選択肢2の場合 選択肢3の場合 選択肢4の場合
国民への便益 ・委託募集を行うのに適当でないものを排除することができ、中間搾取等の被害の発生が防止される。(効果分類:B)
・事業協同組合等による共同募集が実施されることにより、求職者にとって求人者に関する情報が得やすくなる。(効果分類:A)
・委託募集を行うのに適当でないものを排除することができず、中間搾取等の被害が発生する。(効果分類:C)
・事業協同組合等による共同募集が実施されることにより、求職者にとって求人者に関する情報が得やすくなる。(効果分類:A)
・現状維持で便益は変わらない。(効果分類:B)  
関連業界への便益 ・認定を受けた中小企業者における労働力の確保が容易となる。
(効果分類:A)
・認定を受けた中小企業者における労働力の確保が容易となる。(効果分類:A) ・現状維持で便益は変わらない。(効果分類:B)  
社会的便益 ・中小企業における労働力需給のミスマッチの解消に資する。(効果分類:A) ・中小企業における労働力需給のミスマッチの解消に資する。(効果分類:A) ・現状維持で便益は変わらない。(効果分類:B)  
想定される負担(望ましくない影響) 負担の要素 選択肢1の場合 選択肢2の場合 選択肢3の場合 選択肢4の場合
実施に要する負担(行政コスト) ・承認に係る手続き、審査が発生するが、許可申請に係る審査が不要になり、全体として負担は増加しない。(負担分類:B) ・許可申請に係る審査が不要になり、負担は減少する。(負担分類:A) ・現状維持で負担は変わらない。(負担分類:B)  
実施により生ずる負担(遵守コスト) ・承認に係る手続き・審査が発生するが、承認を受けるかどうかは各事業協同組合等の任意である。(負担分類:B)
・届出義務は受託者(事業協同組合等)にあるため、個々の中小企業者の負担は減少する。(通常の委託募集の許可等申請者は委託者(中小企業者))(負担分類:A)
・届出義務は受託者(事業協同組合等)にあるため、個々の中小企業者の負担は減少する。(通常の委託募集の許可等申請者は委託者(中小企業者))(負担分類:A) ・現状維持で負担は変わらない。(負担分類:B)  
その他の負担(社会コスト) ・委託募集を行うのに適当でないものを排除することができ、中間搾取等の弊害の発生を防止することができる。(負担分類:B) ・委託募集を行うのに適当でないものを排除することができず、中間搾取等の弊害の発生を防止することができない。(負担分類:C) ・現状維持で負担は変わらない。(負担分類:B)  
各選択肢間の比較(分析結果) 以上の選択肢について比較検討を行った結果、選択肢1が、選択肢2よりも便益において優っており、また選択肢3よりも便益・負担の両面において優っているため、中小企業における雇用管理の改善の促進という政策目的を達成するために適切な手段であるとの結論に達した。
備考 労働政策審議会建議「中小企業における技能の受け手となる人材の確保に係る支援について」(平成18年1月27日)において「委託募集の活用による効果的な採用に向けたシステムの確立」として「中小企業単独では採用に向けたノウハウや取組が不十分な実態がある中で、円滑な人材の確保を図っていくためには、ノウハウ等を有する事業協同組合等の団体が、これら個々の中小企業に代わり、採用に向けた取組を積極的に推進していくことが適当であり、これを促進するために必要な措置を講ずる。」とされている。
レビュー時期 平成23年9月末までの施行の状況を踏まえ行うものとする。

(注1)効果分類については、「A:現状より望ましい影響が増進する場合」、「B:現状と変わらない場合」、「C:現状より望ましい影響が減少する場合」として、A〜Cのいずれかを記入する。
(注2)負担分類については、「A:現状より望ましくない影響が軽減される場合」、「B:現状と変わらない場合」、「C:現状より望ましくない影響が増加する場合」として、A〜Cのいずれかを記入する。
(注3)本分析書は、「厚生労働省における規制影響分析の試行的実施に関する実施要領」に沿って試行的に作成したものであり、計測指標等について今後変更される可能性がある。

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