規制影響分析書(設定・改廃)


規制の名称 毒物及び劇物指定令等の改正(劇物の指定及び除外)
担当部局等 厚生労働省医薬食品局審査管理課化学物質安全対策室
電話番号:  03-5253-1111(内線2798)
公表日 平成17年11月30日
規制の内容・目的  毒物及び劇物取締法においては、人や動物が飲んだ入り、吸い込んだり、あるいは皮膚や粘膜に付着した際に、生理的危害を加えるものについて毒物又は劇物に指定し、保健衛生上の危害防止の観点から、その製造、輸入、販売について登録を義務づける等の規制がかけられている。前回の毒物及び劇物指定令の一部改正(平成17年3月24日)以降、OECDのSIDS文書等から新たに国において得られた知見について、同法第23条の2の規定により平成17年9月22日に開催された薬事・食品衛生審議会分科会毒物劇物部会において意見を聴取したところ、同審議会の基準(http://www.nihs.go.jp/law/dokugeki/kijun.pdfに公開)に基づき劇物に指定すること等が適当との回答を得たことから、(1)劇物として取締りを行う必要が認められるものを劇物に指定するとともに、(2)劇物として取締りを行う必要性が認められないものについて、劇物の指定を解除することとした。
劇物の指定等の根拠となる知見については、薬事・食品衛生審議会分科会毒物劇物部会(公開審議)の会議資料を参照のこと。
根拠条文 毒物及び劇物取締法別表2第94号、毒物及び劇物指定令第2条第1項
想定され得る選択肢 ◆選択肢1: 劇物の指定及び除外を行う
◆選択肢2: 劇物の指定及び除外を行わない(現状維持)
◆選択肢3:  
◆選択肢4:  
期待される効果(望ましい影響) 効果の要素 選択肢1の場合 選択肢2の場合 選択肢3の場合 選択肢4の場合
国民への便益 (1) 毒性があると判明した化学物質を規制することで当該物質の適正な流通が確保され、健康被害の防止が図られる。
(2) 毒性が無いと判明した化学物質を規制対象から除外することで、当該物質の販売等について、規制遵守に係るコストが削減され、当該化学物質を含有する化学商品が安価に購入できるようになることが考えられる。
(効果分類:A)
(1) 毒性があると判明した化学物質を規制しない場合、当該物質の適正な流通が確保されず、健康被害の防止が図られない。
(2) 毒性の無いと判明した化学物質を規制対象から除外しない場合、当該物質の販売等について、規制遵守に係るコストが削減されず、当該化学物質を含有する化学商品が安価に購入できない。
(効果分類:B)
   
関連業界への便益 (1) 毒性があると判明した化学物質を規制することで、末端に至るまで毒性物質の適正な流通が図られ、製造者等が予期しない健康被害等の発生の恐れが減少する。
(2) 毒性が無いと判明した化学物質を規制対象から除外することで、当該物質の販売等について、規制遵守に係るコストが削減される。
(効果分類:A)
(1) 毒性のあると判明した化学物質を規制しない場合、末端に至るまで毒性物質の適正な流通が図られず、製造者等が予期しない健康被害等の発生の恐れがある。
(2) 毒性の無いと判明した化学物質を規制対象から除外しない場合、当該物質の販売等について、規制遵守に係るコストが残る。
(効果分類:B)
   
社会的便益 (1) 毒性があると判明した化学物質を規制することで、毒物及び劇物取締法の適正な制度運用を確保できる。
(2) 毒性が無いと判明した化学物質を規制対象から除外することで、毒物及び劇物取締法の適正な制度運用を確保できる。
(効果分類:A)
(1) 毒性があると判明した化学物質を規制しない場合、毒物及び劇物取締法の適正な制度運用を確保できない。
(2) 毒性が無いと判明した化学物質を規制対象から除外しない場合、毒物及び劇物取締法の適正な制度運用を確保できない。
(効果分類:C)
   
想定される負担(望ましくない影響) 負担の要素 選択肢1の場合 選択肢2の場合 選択肢3の場合 選択肢4の場合
実施に要する負担(行政コスト) (1) 今般指定される化学物質の登録、登録の更新等の審査を行うに当たっての事務コストが発生する。
(2) 除外される化学物質に係る登録等事務コストが今後不要になる。
(負担分類:B)
(1) 毒性のあると判明した化学物質の規制を行わないため、事務コストは変わらない。
(2) 除外される化学物質に係る登録等不要な事務コストは、引き続き必要となる。
(負担分類:B)
   
実施により生ずる負担(遵守コスト) (1) 今般指定される化学物質の販売等について登録等の義務が課される。
(2) 除外される化学物質に係る遵守コストは、今後不要になる。
(負担分類B)
(1) 毒性のあると判明した化学物質の規制を行わないため、変わらない。
(2) 毒性のないと判明した化学物質に係る遵守コストは、引き続き必要となる。
(負担分類:B)
   
その他の負担(社会コスト) (1) 毒性があると判明した化学物質の適正な流通が図られ、事故や健康被害の可能性を低下させることにつながり、それらが発生した場合の事故対応や治癒に要するコストが軽減される。
(2) 除外される化学物質に係る不必要な規制遵守や管理に係るコストが不要になる。
(負担分類:A)
(1) 毒性があると判明した化学物質の適正な流通が図られず、事故や健康被害の可能性が残り、それらが発生した場合の事故対応や治癒に要するコストが生ずる可能性が残る。
(2) 毒性がないと判明した化学物質に係る規制遵守や管理に係るコストが、引き続き必要となる。
(負担分類:B)
   
各選択肢間の比較(分析結果)  以上の選択肢について比較分析を行った結果、毒性のある化学物質を規制することで、国民等の保健衛生上の危害を防止でき、かつ毒性のある化学物質により発生する事故等の処理に係るコスト等を軽減できるため、毒物及び劇物指定令等の改正(劇物の指定及び除外)が、政策目的を達成する上で最も適切な手段であるとの結論に達した。
備考  薬事・食品衛生審議会答申(平成17年9月30日)において劇物の指定及び除外について適当とされている。
レビュー時期 おおよそ1年を目処に、それまでに国において得られた新たな知見に基づき、毒物及び劇物取締法第23条の2の規定により薬事・食品衛生審議会の意見を聴取し、毒物又は劇物の指定等を行う。前回の薬事・食品衛生審議会分科会毒物劇物部会は、平成16年10月5日に開催され、毒物及び劇物指定令の一部改正は、平成17年3月24日に行われた。

(注1) 効果分類については、「A:現状より望ましい影響が増進する場合」、「B:現状と変わらない場合」、「C:現状より望ましい影響が減少する場合」として、A〜Cのいずれかを記入する。

(注2) 負担分類については、「A:現状より望ましくない影響が軽減される場合」、「B:現状と変わらない場合」、「C:現状より望ましくない影響が増加する場合」として、A〜Cのいずれかを記入する。

(注3) 本分析書は、「厚生労働省における規制影響分析の試行的実施に関する実施要領」に沿って試行的に作成したものであり、計測指標等について今後変更される可能性がある。

トップへ