規制影響分析書(改廃)


規制の名称 日本脳炎ワクチンの第3期予防接種の廃止
担当部局等
厚生労働省健康局結核感染症課   電話番号: 03-3595-2257   e-mail: yobousesshu@mhlw.go.jp
(関係部局等)なし
公表日 平成17年6月3日
規制の内容・目的 予防接種法に基づく日本脳炎の定期の予防接種は、現在第1期(生後6月〜生後90月)、第2期(9歳〜12歳)及び第3期(14歳、15歳)と行われているが、今般、我が国における日本脳炎の流行状況、第3期予防接種の効果等にかんがみ、第3期予防接種のみ廃止し、予防接種による発症予防効果を保ちながらも、行政コスト・社会コストの軽減及び副反応による健康被害のリスクの減少させることとする。
  予防接種法第2条第2項及び第3条第1項、予防接種施行令第1条の2
想定され得る選択肢 ◆選択肢1: 日本脳炎ワクチン第3期予防接種の廃止
◆選択肢2: 日本脳炎ワクチン第3期予防接種の維持
◆選択肢3:  
◆選択肢4:  
期待される効果(望ましい影響) 効果の要素 選択肢1の場合 選択肢2の場合 選択肢3の場合 選択肢4の場合
国民への便益 第3期予防接種の接種率が50%と低いにもかかわらず、その対象者である10歳台後半の発症者がほとんどいない(22年間で1名)ことから、個人の発症予防効果が下がらない中で、接種機会コストが減少する。(効果分類:A) 個人の発症予防効果は変わらない。(効果分類:B)    
関連業界への便益 (1)ワクチン製造業者:ワクチンの使用量全体としては減少する(約65万件分)と考えられる。(効果分類:C)
(2)接種医療機関:接種のための受診者数は減少する。(効果分類:C)
(1)ワクチン製造業者:ワクチンの使用量全体に変化はない。(効果分類:B)
(2)接種医療機関:接種のための受診者数に変化はない。(効果分類:B)
   
社会的便益 (1)予防接種による発症予防効果が保たれると考えられることから、変化はない。(効果分類:B)
(2)予防接種の副反応による健康被害が減少することによる医療費等の社会コストが減少する。(効果分類:A)
変化なし。(効果分類:B)    
想定される負担(望ましくない影響) 負担の要素 選択肢1の場合 選択肢2の場合 選択肢3の場合 選択肢4の場合
実施に要する負担(行政コスト) 日本脳炎ワクチンの接種数は減少し、ワクチン及び接種体制を整備・確保するための行政コストが減少する。(負担分類:A) 変化なし。(負担分類:B)    
実施により生ずる負担(遵守コスト) (1)ワクチン製造業界:日本脳炎ワクチン接種数が減少するため、導入後、一時的には在庫・流通コストが増大する。(負担分類:C)
(2)接種医療機関:全体として大きな変化はないと考えられる。(負担分類:B)
(1)ワクチン製造業界:変化なし。(負担分類:B)
(2)接種医療機関:変化なし。(負担分類:B)
   
その他の負担(社会コスト) 個人の発症予防効果が下がらない中で、副反応による健康被害のリスクが減少する。(負担分類:A) 個人の発症予防効果が下がらないのに接種機会コスト及び副反応による健康被害のリスクを残置させる。(負担分類:B)    
各選択肢間の比較(分析結果) 以上の選択肢について比較分析を行った結果、第3期予防接種を廃止しても個人の発症予防効果は下がらず、むしろ、予防接種に必要なコストを削減し、予防接種の副反応による健康被害及びこれにかかる医療費等を減少させることができることから、日本脳炎ワクチン第3期予防接種の廃止が政策目的を達成する上で適切な手段であるとの結論に達した。
備考 予防接種に関する検討会中間報告書(平成17年3月)において、全国一律に第3期の接種を継続する必要性は必ずしも高くなく、定期の予防接種の対象から第3期を除外しても差し支えないとする意見が多数を占めた旨の報告がされている。
レビュー時期  平成22年3月末までに行うものとする。

(注1)効果分類については、「A:現状より望ましい影響が増進する場合」、「B:現状と変わらない場合」、「C:現状より望ましい影響が減少する場合」として、A〜Cのいずれかを記入する。
(注2)負担分類については、「A:現状より望ましくない影響が軽減される場合」、「B:現状と変わらない場合」、「C:現状より望ましくない影響が増加する場合」として、A〜Cのいずれかを記入する。
(注3)本分析書は、「厚生労働省における規制影響分析の試行的実施に関する実施要領」に沿って試行的に作成したものであり、計測指標等について今後変更される可能性がある。

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