(6−5−I)
実績評価書
平成17年8月

政策体系 番号  
基本目標  男女がともに能力を発揮し、安心して子供を産み育てることなどを可能にする社会づくりを推進すること
施策目標  子どもが健全に育成される社会を実現すること
I  地域における子育て支援の充実を図り、子育て家庭を支援すること
担当部局・課 主管部局・課  雇用均等・児童家庭局総務課(少子化対策企画室)
関係部局・課  雇用均等・児童家庭局育成環境課


1.施策目標に関する実績の状況
実績目標1 乳幼児などをもつ親の子育てへの負担感や育児不安の解消及び子どもの健全な育成を図ること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 主に乳幼児(0〜3歳)をもつ子育て中の親が気軽に集い、うち解けた雰囲気の中で語り合うことで、精神的な安心感をもたらし、問題解決への糸口となる機会を提供することが必要であることから、その機能を有する「つどいの広場」を、主に公共施設内のスペース、商店街の空き店舗、公民館、学校の余裕教室、子育て支援のための拠点施設、マンション・アパートの一室を利用し、実施するのに必要な経費を助成する。
関連する経費
つどいの広場事業(平成16年度予算額) 1,588百万円
(評価指標)
 つどいの広場設置数
H12 H13 H14 H15 H16
    28 76 154
(備考)
 平成14年度 創設
実績目標2 市町村における地域子育て支援体制の強化を図ること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 地域における多様な子育て支援サービス情報を一元的に把握し、利用者への情報提供等を行う「子育て支援総合コーディネート事業」(「子育て支援基盤整備事業」に含まれる事業のうち主要な事業)、乳幼児とその親が外出する際の遊び場、授乳コーナー、子ども連れにやさしいトイレ及び一時預かりの実施場所等を調査のうえ、マップ等を作成し、子育て家庭に配布する「子育てバリアフリー推進事業」、主任児童委員等を中心に、地域における子育て支援の具体的な事業の企画立案等を行う「子育て支援委員会事業」及び年長児童等が赤ちゃんと出会いふれあう場づくり、中・高校生の交流の場づくり、絵本の読み聞かせ、親と子の食事セミナー等を行う「児童ふれあい交流促進事業」などを市町村が実施するのに必要な経費を補助し、市町村における地域子育て支援体制の強化を図ることを目的とする。
関連する経費
子育て支援総合コーディネート事業・子育てバリアフリー推進事業・子育て支援委員会事業(平成16年度予算額) 2,252百万円
児童ふれあい交流促進事業(平成16年度予算額) 280百万円
(評価指標) H12 H13 H14 H15 H16
子育て支援基盤整備事業の実施か所数 54 99
子育てバリアフリー推進事業の実施か所数
子育て支援委員会の設置か所数(か所)
児童ふれあい交流促進事業の実施か所数(か所) 698 700
(備考)
 今般成立した「次世代育成支援対策推進法」では、政府、地方公共団体、企業に対し子育て支援対策に関する行動計画の策定が義務づけられ、社会全体で子育て支援の取組を進めることが掲げられたところ。また、「児童福祉法改正法」においては、すべての子育て家庭における児童の養育を支援し、子育てをしやすい環境の整備を図ることが喫緊の課題とされ、(1)保護者からの相談に応じ、情報提供及び助言を行う事業、(2)子育て支援事業に関し情報提供を行い、保護者から求めがあったときは希望等を勘案し、最も適切な利用ができるよう、相談に応じ必要な助言を行うとともに、必要に応じて利用についてのあっせん又は調整、子育て支援事業者に対する要請を行う事業が位置づけられ、地域における子育て支援の強化を図ることとされている。
 なお、子育て支援総合コーディネート事業については、平成15年改正児童福祉法において「市町村は、子育て支援事業に関し必要な情報の提供を行うとともに、保護者から求めがあったときは、当該保護者の希望、その児童の養育に必要な支援の内容その他の事情を勘案し、当該保護者が最も適切な支援事業の利用ができるよう、相談に応じ、必要な助言を行う。」こととする改正に合わせ、平成17年度においては、地方交付税により措置することとしている。


2.評価

(1) 現状分析
現状分析
 近年の少子化、核家族化の進行に伴う家族形態の変化や、都市化の進展に伴う近隣との人間関係の希薄化により、子育て中の親が、子育て育児について気軽に相談できる相手や仲間が身近な地域にいないなど、家庭や地域における子育て支援機能の低下が問題となっている。また、子育てに悩む父母等にとって、相談やサービスをどこで受けられるのかを把握することが困難な状況になっている。

(2) 評価結果
政策手段の有効性の評価
 「密室育児」による孤立感、閉塞感が強くなっている中で、その解消や精神的な安心感をもたらすために、つどいの広場を設置しており、その設置数は、平成14年度28か所、平成15年度76か所、平成16年度154か所と年々2倍増強の実績の伸びを示し、平成17年度においても437か所の実施が見込まれている。つどいの広場において、身近な場所で子育て中の親子の交流、子育てアドバイザーによる子育て・悩み相談や地域の子育て関連の情報の提供が受けられることは目標の達成に有効である。
 また、子育てに悩む父母等にとって、相談やサービスをどこで受けられるのかを把握することが困難な状況になっている中で、子育て支援基盤整備事業等の地域における各種の子育て支援サービスの実施箇所は、平成16年度には前年度と比較して着実に増加しているが、子育て支援総合コーディネート事業の実施により、地域における各種の子育て支援サービスの利用がさらに促進され、また子育てバリアフリー基本計画の策定及び児童ふれあい交流促進事業実施と合わせて、地域子育て支援体制が強化されるため、これらの事業は目標の達成に有効である。
政策手段の効率性の評価
 つどいの広場事業の実施にあたっては、主に公共施設内のスペース、商店街の空き店舗、公民館、学校の余裕教室、子育て支援のための拠点施設、マンション・アパートの一室など、社会資源を有効に利用し、また、子育て中の親子のほか、サービス提供者側として、子育てから引退した経験豊かな者や社会全体で子育てを支援することに積極的な者などの協力を得ることにより、効率的に実施している。また、子育て支援基盤整備事業や子育てバリアフリー基本計画の策定並びに児童ふれあい交流促進事業の実施についても、その実施主体である市町村が、地域の実情に応じ、民間活力の活用等を図りつつ、多様な子育て支援サービスの推進により様々な子育て支援ニーズに応えるとともに、子育て支援総合コーディネート事業により、各種の子育て支援サービスの利用の促進が図られ、効率的であると言える。
総合的な評価
 つどいの広場の設置数が着実に増加していることなどから、乳幼児などをもつ親の子育てへの負担感や育児不安の解消及び子どもの健全育成を図るための事業は着実に進展している。また、地域における子育て支援体制の強化についても着実に図っているところから、目標達成に向け進展していると考えられる。
 なお、平成16年6月に閣議決定された「少子化社会対策大綱」においても、「子育て中の親子が集まって相談・情報交換・交流ができる「つどいの広場」の身近な場所での設置を推進する」「地域における子育て支援のネットワークづくりを導入する」ことが掲げられており、今後も、つどいの広場の設置数、子育て支援総合コーディネーターの配置数、子育て支援委員会の設立数、児童ふれあい交流促進事業の実施か所数等の増加を推し進めることとしている。
評価結果分類 分析分類
(2) (2)


3.特記事項
(1) 学識経験を有する者の知見の活用に関する事項

(2) 各種政府決定との関係及び遵守状況
 「次世代育成支援に関する当面の取組方針」(平成15年3月14日少子化対策推進関係閣僚会議)
 「少子化社会対策大綱」(平成16年6月4日 閣議決定)
(3) 総務省による行政評価・監視等の状況
 平成15年度総務省の政策評価
(4) 国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等)
 「次世代育成支援対策推進法案及び児童福祉法の一部を改正する法律案に対する附帯決議」(平成15年7月8日 参議院厚生労働委員会)
 「少子化社会対策基本法案に対する附帯決議」(平成15年7月22日 参議院内閣委員会)
(5) 会計検査院による指摘
 なし

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