(4−2−II)
実績評価書
平成17年8月

政策体系 番号  
基本目標 経済・社会の変化に伴い多様な働き方が求められる労働市場において労働者の職業の安定を図ること
施策目標 雇用機会を創出するとともに雇用の安定を図ること
II 地域の実情に即した雇用機会の創出等を図ること
担当部局・課 主管部局・課 職業安定局地域雇用対策室


1.施策目標に関する実績の状況
実績目標1 雇用機会が不足している地域の雇用開発を促進すること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 雇用機会が不足している地域における雇用構造の改善を図るため、その地域内で事業所を設置又は整備し、その地域に居住する求職者等を、常用労働者として雇い入れる事業主に対して地域雇用開発促進助成金(地域雇用促進奨励金、地域雇用促進特別奨励金)を支給する。
 また、雇用機会が相当程度不足している地域において、市町村及び地元経済団体がともに協力して、地域の創意工夫により行う雇用創出のための事業を支援することを目的として、地域雇用機会増大促進支援事業を実施する。

(地域雇用促進奨励金)
 各地域において、事業所の設置・整備に伴い雇い入れた対象者に支払った6ヶ月間の賃金の6分の1(中小企業4分の1)を助成する。
(地域雇用促進特別奨励金)
 地域雇用促進奨励金の支給対象事業主に対し、事業所の設置・整備に係る費用及び雇い入れた対象者の人数に応じて一定額を助成する。
(地域雇用機会増大促進支援事業)
 地域内の市町村や経済団体等が実施する地域や産業の開発・振興の取組みと相まって、雇用機会増大効果を高める人材誘致、地域人材の育成、コンサルティング支援といった雇用対策面に係る事業を当該市町村、経済団体、その他学識経験者等からなる協議会に対して委託して実施する。
○関連する経費
・地域雇用開発促進助成金(地域雇用促進奨励金、地域雇用促進特別奨励金)(平成16年度予算額) 2,851百万円
・地域雇用機会増大促進支援事業(平成16年度予算額) 1,500百万円
(評価指標)
地域雇用開発促進助成金(地域雇用促進奨励金)支給決定人数 (人)
H12 H13 H14 H15 H16
676 2,210 3,925
2,311 2,787 4,213
(備考)
 平成13年10月に地域雇用開発助成金を整理統合し、地域雇用開発促進助成金を創設。評価指標の実績は、本助成金のうち、雇用機会が不足している地域分。
 本助成金のうち、地域雇用促進奨励金(対象労働者の雇入れに対して支給)は計画期間(最大18ヶ月)が終了してから6ヶ月後に支給されるため、平成13年度の実績はなく、平成14年度の支給決定人数は少ない。
 評価指標の上段は職業安定局集計による実績、下段は予算上の数字である。
(評価指標)
地域雇用開発促進助成金(地域雇用促進奨励金、地域雇用促進特別奨励金)支給決定金額 (百万円)
H12 H13 H14 H15 H16
1 449 1,579 2,942
0 1,944 2,812 2,851
(備考)
 平成13年10月に地域雇用開発助成金を整理統合し、地域雇用開発促進助成金を創設。評価指標の実績は、本助成金のうち、雇用機会が不足している地域分。
 本助成金のうち、地域雇用促進奨励金及び地域雇用促進特別奨励金(事業所の設置・整備及び雇入れに応じて支給)は計画期間(最大18ヶ月)が終了してから支給(地域雇用促進奨励金はさらに6か月後)されるため、平成14年度の支給決定金額は少なくなっている。
 なお、平成13年度実績は、本助成金のうち事業所の設置・整備及び雇入れ終了時に、事業所の設置・整備費用助成として支給される地域雇用促進特別奨励金によるものである。
 評価指標の上段は職業安定局集計による実績、下段は予算上の数字である。
 平成17年4月から、地域雇用促進奨励金については廃止し、地域雇用促進奨励金の支給金額を1.5倍に引き上げたところである。
(評価指標)
地域雇用機会増大促進支援事業による雇入数 (人)
H12 H13 H14 H15 H16
756
        626
(評価指標)
地域雇用機会増大促進支援事業による就職件数 (件)
H12 H13 H14 H15 H16
2,656
        2,420
(評価指標)
地域雇用機会増大促進支援事業利用企業等の数 (企業)
H12 H13 H14 H15 H16
9,532
        9,328
(評価指標)
地域雇用機会増大促進支援事業利用求職者等の数 (人)
H12 H13 H14 H15 H16
54,235
        18,351
(備考)
地域雇用機会増大促進支援事業については、平成16年度新規事業であり、かつ平成16年度限りの事業である。
評価指標の上段は職業安定局集計による実績、下段は事業計画時の目標数である。
実績目標2 地域求職者に関する情報が適切に提供されていない地域の雇用開発を促進すること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 地域求職活動援助計画に係る地域において、求職者に対して求人に関する情報を適切に提供するため、人材受入情報の収集・提供、企業合同説明会、職業講習の実施等の事業を実施し、求職者の安定した職業への就業を援助する。
 ○関連するコスト
・地域求職活動援助事業委託費(平成16年度予算額 1,991百万円)
(評価指標)
地域求職活動援助事業による人材受入情報収集件数(うち充足数)
H12 H13 H14 H15 H16
71,936 94,026
(−) (−) (−) (22,362) (37,036)
(備考)
 人材受入情報収集件数は、当該事業において把握した求人数。
 括弧内は、充足数。
 評価指標は、職業安定局集計による。
 評価指標の集計は、平成15年度から集計を開始。
(評価指標) H12 H13 H14 H15 H16
地域求職活動援助事業に係る企業合同説明会等の実施回数 (回) 41 260 233 240
47 360 360 360
地域求職活動援助事業に係る企業合同説明会等の参加者数 (人) 15,293 72,957 71,929 48,189
地域求職活動援助事業に係る企業合同説明会等の参加者数の就職割合 (%) 7.4 11.4
(備考)
 評価指標の上段は職業安定局集計による実績、下段は予算上の数字である。
 地域求職活動援助事業に係る企業合同説明会等参加者の就職割合は、平成15年度から集計を開始。
 平成13年10月1日に創設。
 地域求職活動援助事業については、平成16年度は46都道府県60地域で実施。
実績目標3 高度技能労働者を活用する事業所が集積している地域の雇用開発を促進すること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 高度技能労働者を活用する事業所が集積している地域の雇用開発を促進するために、当該地域に所在する事業所であって、高度技能労働者を受け入れ、又はそれに伴い地域求職者を雇い入れる事業主に対して、地域雇用開発促進助成金(地域高度人材確保奨励金)を支給する。
○関連する経費
・地域雇用開発促進助成金(地域高度人材確保奨励金)(平成16年度予算額) 84百万円
(評価指標)
地域雇用開発促進助成金(地域高度人材確保奨励金)の支給決定人数 (人)
H12 H13 H14 H15 H16
53
    (19) (22) (19)
180
    (270) (172) (18)
(備考)
 平成13年10月に地域雇用開発助成金を整理統合し、地域雇用開発促進助成金を創設。評価指標の実績は、本助成金のうち、高度技能労働者を活用する事業所が集積している地域分。
 本助成金のうち、地域雇用促進奨励金(高度技能労働者等の受入れに係るものに限る。)については、支給実績等を勘案し平成15年5月末で廃止(経過措置有)し、平成15年6月から高度技能労働者の受入れに重点を置いた地域高度人材確保奨励金を創設。なお、当該助成金については、計画期間(最大12ヶ月)が終了してから6ヶ月後に支給されるため、平成15年度の支給決定人数は少なくなっている。(7人)
 評価指標の上段は職業安定局集計による実績、下段は予算上の数字である。また、括弧内は平成15年5月末で廃止された助成金に係る数字である。
(評価指標)
地域雇用開発促進助成金(地域高度人材確保奨励金)の支給決定金額 (百万円)
H12 H13 H14 H15 H16
4 28
    (11) (17) (9)
0 84
    (397) (267) (14)
(備考)
 平成13年10月に地域雇用開発助成金を整理統合し、地域雇用開発促進助成金を創設。評価指標の実績は、本助成金のうち、高度技能労働者を活用する事業所が集積している地域分。
 本助成金のうち、地域雇用促進奨励金(高度技能労働者等の受入れに係るものに限る。)及び地域雇用促進環境整備奨励金(労働環境改善に資する設備等を設置・整備して対象労働者を雇い入れる場合に支給)については、支給実績等を勘案し平成15年5月末で廃止(経過措置有)し、平成15年6月から高度技能労働者の受入れに重点を置いた地域高度人材確保奨励金を創設。当該助成金については、計画期間(最大12ヶ月)が終了してから6ヶ月後に支給されるため、平成15年度の支給決定金額は少なくなってる(4百万円)。
 評価指標の上段は職業安定局集計による実績、下段は予算上の数字である。また、括弧内は平成15年5月末で廃止された助成金に係る数字である。
実績目標4 緊急地域雇用創出特別交付金を活用して、各地域のニーズを踏まえた事業を実施し、公的サービス部門において緊急かつ臨時的な雇用・就業機会の創出を図ること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 緊急地域雇用創出特別交付金は、構造改革の集中調整期間における臨時応急の措置として、地方公共団体が地域の実情に応じて、創意工夫に基づく事業を実施し、緊急かつ臨時的な雇用・就業機会を創出するもの(平成16年度末まで)。
(参考)
平成13年度補正予算額 3,500億円
平成14年度補正予算額 400億円
(評価指標)
緊急地域雇用創出特別交付金(一般事業分)の事業費(支出額) (百万円)
H12 H13 H14 H15 H16
8,900 133,900 136,300 108,400
10,700 139,600 137,300 105,800
(備考)
 評価指標の上段は職業安定局集計の「緊急地域雇用創出特別基金事業実績報告書」による実績(平成13年度実績は、第4四半期分のみ)、下段は職業安定局集計の「緊急地域雇用創出特別基金事業計画書」による計画上の数値である。
平成16年度の実績は速報値である。
(評価指標)
新規雇用・就業者数 (千人)
H12 H13 H14 H15 H16
23 185 173 146
18 140 140 110
(備考)
 評価指標の上段は職業安定局集計の「緊急地域雇用創出特別基金事業実績報告書」による実績(平成13年度実績は、第4四半期分のみ)、下段は職業安定局集計の「緊急地域雇用創出特別基金事業計画書」による計画上の数値である。
平成16年度の実績は速報値である。
実績目標5 緊急地域雇用創出特別交付金を活用して、小規模企業への事業委託を積極的に推進し、雇用創出・維持を図ること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 平成14年度補正予算において、従来の緊急地域雇用創出交付金を拡充し、中小企業の雇用の安定や雇用機会の創出を目的として、小規模の企業への事業委託を積極的に推進する(平成16年度末まで)。
(参考)
平成14年度補正予算額(中小企業特別委託事業分) 400億円
(評価指標)
緊急地域雇用創出特別交付金(中小企業特別委託事業分)の事業費(支出額) (百万円)
H12 H13 H14 H15 H16
6,650 24,580
2,640 16,390
(備考)
評価指標の上段は職業安定局集計の「緊急地域雇用創出特別基金事業実績報告書」による実績、下段は職業安定局集計の「緊急地域雇用創出特別基金事業計画書」による計画上の数値である。
平成16年度の実績は速報値である。
(評価指標)
H12 H13 H14 H15 H16
事業に従事する全労働者数 (人) 10,600 38,000
2,600 17,300
事業に従事する全労働者数のうち新規雇用・就業者数 (人) 3,400 15,700
1,100 6,400
(備考)
評価指標の上段は職業安定局集計の「緊急地域雇用創出特別基金事業実績報告書」による実績、下段は職業安定局集計の「緊急地域雇用創出特別基金事業計画書」による計画上の数値である。
平成16年度の実績は速報値である。
実績目標6 地域雇用受皿事業特別奨励金の積極的な活用により、地域に貢献する事業分野における雇用機会の創出を図ること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 地域に貢献する事業を行う法人を新たに設立し、非自発的離職者を3人以上(うち1人以上は雇用調整方針対象者又は再就職援助計画対象者)雇い入れた事業主に対して、新規創業経費及び雇入れに係る費用を支援する地域雇用受皿事業特別奨励金を支給する。
(評価指標) H12 H13 H14 H15 H16
地域雇用受皿事業特別奨励金の支給決定法人数 (法人) 2 51
地域雇用受皿事業特別奨励金の支給決定金額 (百万円) 5 130
地域雇用受皿事業特別奨励金の支給決定労働者数 (人) 6 96
(備考)
 平成14年度補正予算により創設(平成15年2月10日事業開始)。
 本奨励金は法人設立後6か月経過後に支給申請を行うため、平成15年度からの支給となる。


2.評価

(1) 現状分析
現状分析
 現在、雇用情勢は改善傾向にあるものの、地域差の拡大が見られる。総務省統計局の「労働力調査」により完全失業率(平成17年1月〜3月)を地域ブロックごとに見ると、東海(3.2%)、北関東・甲信(3.8%)、中国(3.6%)などが比較的低水準であるのに対し、北海道(5.9%)、東北(5.6%)、近畿(5.7%)などは高水準となっており、地域の実情に応じた雇用機会の創出を図るためには、地方自治体の産業政策、地域振興策と連携した雇用対策の推進が必要であるとともに、各地域の実情に応じて、公的部門における緊急かつ臨時的な雇用・就業機会の創出を図る必要がある。
 また、雇用の場の確保を図るためには、今後の雇用創出が見込まれる分野における創業が増加することが重要であるが、総務省「事業所・企業統計調査」を基に算出した最近の開業率は減少傾向(1996年から1999年の平均4.1%から1999年から2001年平均3.8%へと減少。)にあり、同分野における創業を支援することが必要である。

(2) 評価結果
政策手段の有効性の評価
実績目標1について
 雇用機会が不足している地域における地域雇用開発促進助成金については、支給実績が平成15年度の2,210人から平成16年度には3,925人と大幅に増え、予算上の支給人数4,213人と比べても9割以上の達成率となっていることから、地域における雇用創出の施策として有効であると考えられる。なお、計画届によると、同地域において平成17年度は9,000人以上の雇用増が見込まれるなど、さらに地域における雇用創出の促進に資する見込みである。
 また、雇用機会増大促進支援事業については、当事業の利用によりもたらされた企業の雇い入れ数、求職者等の就職件数及び事業利用企業数、事業利用求職者数のいずれも当初計画されていた目標数を超えており、同事業の実施により平成16年度において3,412人の雇用増がもたらされていることなどから、こちらも地域の雇用創出の施策として有効であると考えられる。

実績目標2について
 地域求職活動援助事業については、平成16年度は46都道府県60地域において実施され、約9万4千人の人材受入情報を収集し、求職者に提供した結果、約3万7千人の就職につながった。また、計240回の企業合同説明会を開催し、約4万8千人が参加し、約5千5百人(11.4%)の就職が図られており、地域の雇用創出の施策として有効であったと考えられる。
 
実績目標3について
 高度技能労働者を活用する事業所が集積している地域の地域雇用開発促進助成金(地域高度人材確保奨励金)については、平成16年度の支給実績は53人と予算上の数値(180人)と比べ少ないが、計画受理人数は、相当数(625人)にのぼっており、今後、支給件数が増加することが見込まれるところであり、地域における雇用創出の施策として、有効であると考えられる。
 なお、地域高度人材確保奨励金については平成15年6月に創設されたものであるが、同奨励金は、計画期間(最大12ヶ月)が終了してから、6ヶ月後に支給がなされるものである。この計画期間については、当初平均3ヶ月程度と見込んでいたが、実際にはそれより長く計画期間を取る場合が多く、支給時期が当初見込んでいた時期より遅れたため、実績と予算に乖離が生じている。

(参考)
 平成16年度地域雇用開発促進助成金(雇用機会が不足している地域)計画受理人数 8,947人
 平成15年度地域雇用開発促進助成金のうち、高度技能労働者を活用する事業所が集積している地域分(地域高度人材確保奨励金)の計画受理人数 625人

実績目標4について
 緊急地域雇用創出特別交付金については、平成16年度における新規雇用・就業者数は、各都道府県で策定した事業計画を約36,000人上回る約146,000人となっており、地域ニーズに応じた臨時・応急的な雇用創出が図られており、有効であったと考えられる。

実績目標5について
 中小企業特別委託事業については、平成16年度における雇用維持・新規雇用就業者数は、各都道府県で策定した事業計画を約21,000人上回る約28,000人となっており、地域のニーズに応じた緊急・応急的な雇用維持・創出が図られており、有効であったと考えられる。

実績目標6について
 地域雇用受皿事業特別奨励金については、平成16年4月1日から要件緩和(非自発的離職者を3人以上雇い入れる要件を1人以上とする等)を行ったところであり、また、キャンペーン等の積極的な周知広報による効果も相まって、平成15年度に比べ実績は増加した。しかしながら、対象となる地域貢献事業がサービス分野に限定されていたこと等、創業者等にとって利用しづらい面が依然としてあったことにより、活用は十分でなかったところである。
 このため、平成17年4月1日より、従来からのサービス分野に加え、市町村等が自ら選択する重点産業分野を助成対象分野に加え、法人の設立だけでなく個人事業の開業も助成対象として加えるなど、創業の実態に応じた要件の大幅な見直しを行い、名称も利用者にとってわかりやすい「地域創業助成金」と改めたところであり、今後大幅な支給件数が期待できるところである。
政策手段の効率性の評価

実績目標1について
 雇用機会が不足している地域における地域雇用開発促進助成金については、地域雇用開発促進法に基づき都道府県が策定する地域雇用機会増大計画に盛り込まれた地域を対象とすることにより、都道府県と連携した形で効率的な助成を行うことが可能となっている。
 また、前述の雇用機会が不足している地域及び地域再生計画に認定された地域における地域雇用機会増大促進支援事業については、地域が提案した創意工夫による雇用創出のための事業を支援することとしているため、地域の実情に応じた的確な支援が実施でき、これにより効率的な事業の実施が可能となっている。
 なお、地域雇用機会増大計画が策定できる要件が満たされているのであれば、計画に盛り込まれた地域について、当該地域の産業連携に応じた地域設定が可能であるので、これにより地域の実情に応じた施策を図ることができるという効率的な制度にもなっている。

実績目標2について
 地域求職活動援助事業については、地域雇用開発促進法に基づき都道府県が策定する地域求職活動援助計画に盛り込まれた事業主団体等に事業を委託することにより、効率的かつ効果的に地域の雇用情勢の改善を図るものであり、都道府県の企画・立案に基づく実施方式、事業については、国が直接実施する事業を質的に補完するものに限ることにより、効率的な実施に努めているところである。

実績目標3について
 地域雇用開発促進助成金(地域高度人材確保奨励金)については、地域雇用開発促進法に基づき都道府県が策定する地域高度技能活用雇用安定計画に盛り込まれた地域を対象とすることにより、当該助成金の趣旨に則した効率的な助成を行うことが可能となっている。
 なお、当初計画が策定できる要件が満たされているのであれば、計画に盛り込まれた地域について、当該地域の産業連携に応じた地域設定が可能であるので、これにより地域の実情に応じた施策を図ることができるという効率的な制度にもなっている。

実績目標4について
 緊急地域雇用創出特別交付金については、都道府県が事業主体となることにより、地域の実情に応じた効率的な雇用・就業機会の創出が図られた。

実績目標5について
 中小企業特別委託事業については、都道府県が事業主体となることにより、地域の実情に応じた効率的な雇用の維持及び雇用・就業機会の創出が図られている。また、平成16年4月から、従来の要件を見直し、より雇用創出効果の高い事業類型を新たに設けて、対象を重点化し、これに取り組む中小企業を支援することにより、地域における雇用創出を図ることとした。

実績目標6について
 地域雇用受皿事業特別奨励金を見直した地域創業助成金については、市町村の自発的な地域振興策に向けた取組が活発になりつつある状況や、創業の実態に応じたものとするため、市町村等が自ら重点産業として選択する分野等において個人事業の開業を行う者等を支援するものである。全国及び地域のそれぞれにおいて将来的に雇用の創出・拡大が期待される分野を重点的に支援対象とすることにより、効率的な実施が可能となったところである。
総合的な評価
 地域雇用開発促進助成金、地域雇用機会増大促進支援事業、地域求職活動援助事業、緊急地域雇用創出特別交付金の活用により、地域の実情に即した雇用機会の創出等が図られ、目標をほぼ達成したと考えられる。
 地域雇用受皿事業特別奨励金については、平成16年4月からの見直しにより実績が増加したが、依然として活用が十分でなかったため、平成17年4月より大幅に要件を見直し、名称も「地域創業助成金」に改めた。
評価結果分類 分析分類
(2) (2)


3.特記事項
(1) 学識経験を有する者の知見の活用に関する事項
 なし

(2) 各種政府決定との関係及び遵守状況
 地域雇用受皿事業特別奨励金は、「改革加速プログラム」(平成14年12月12日、経済対策閣僚会議)において「「地域雇用受皿事業特別奨励金(仮称)」を創設し、地域でのサービス分野における新設法人が3人以上の者を常用雇用した場合に支援を行う。」、「当面の雇用・中小企業対策」(平成14年12月12日、産業再生・雇用対策戦略本部)において、「地域に貢献する事業を行う法人を設立し、3人以上の者を常用雇用した場合に、新規創業及び雇入れについて助成する制度を創設する。」とされたことを受けて創設された。また、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」(平成15年6月27日閣議決定)において「地域雇用受皿事業特別奨励金の活用」、「地域再生推進のためのプログラム」(平成16年2月27日地域再生本部決定)において「地域雇用受皿事業特別奨励金(新規創業経費及び雇入れに係る費用を支援)を活用することにより、地域における雇用機会の創出を推進する」とされている。

(3) 総務省による行政評価・監視等の状況
 なし

(4) 国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等)
 なし

(5) 会計検査院による指摘
 なし

(6) その他
 なし

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