(4−2−I)
実績評価書
平成17年8月

政策体系 番号  
基本目標 経済・社会の変化に伴い多様な働き方が求められる労働市場において労働者の職業の安定を図ること
施策目標 雇用機会を創出するとともに雇用の安定を図ること
I 中小企業、新規・成長分野企業等における雇用機会を創出するとともに労働力の確保等を図ること
担当部局・課 主管部局・課 職業安定局雇用開発課
関係部局・課 職業安定局需給調整事業課


1.施策目標に関する実績の状況
実績目標1 中小企業労働力確保法に基づく各種助成措置等の積極的な活用により、中小企業における雇用機会の創出、雇用管理の改善を図ること
(○ 中小企業人材確保推進事業助成金については雇用管理改善事業実施前と比較して、本助成金の支給を受けた事業協同組合等における雇用管理の改善が図られたとする構成中小企業者の割合の平均80%以上
中小企業基盤人材確保助成金については「新分野進出等基盤人材確保実施計画」開始日から最終の第2期支給申請日の1年経過後までの1事業所当たりの雇用増加数(基盤人材を除く。)が2人以上
中小企業雇用管理改善助成金については支給に係る環境整備事業又は職業相談者配置事業に取り組む事業所の自己都合による離職率の平均11%以下
雇用創出セミナー及び出会いの場については参加者に対してアンケート調査を実施し80%以上の者から役立った旨の評価が得られることを目指す。)
(実績目標を達成するための手段の概要)
(1)中小企業雇用創出人材確保助成金(平成15年5月末で廃止)
 新分野進出等に伴い、新たに雇い入れた労働者の賃金の1/4を半年間助成する。
(2)中小企業基盤人材確保助成金
 新分野進出等に伴い、経営基盤の強化に資する労働者(基盤人材)を新たに雇い入れた場合に、当該基盤人材1人当たり140万円(当該基盤人材の雇入れに伴い雇い入れられた当該基盤人材以外の労働者(一般労働者)1人当たり30万円)を助成する(基盤人材5人を上限。一般労働者は基盤人材と同数まで)。
(3)中小企業雇用創出雇用管理助成金(平成15年5月末で廃止)
 新分野進出等に伴うソフト面の雇用管理改善に要した費用の1/3を助成する。(限度額100万円)。
(4)中小企業雇用環境整備奨励金(平成15年5月末で廃止)
 労働環境改善又は福祉施設の設置・整備に要した費用及び雇入れ数に応じ、75〜1,500万円を助成する。
(5)中小企業高度人材確保助成金(平成15年5月末で廃止)
 新分野展開等に伴い、新たに受け入れた経営管理者・技術者など高度な人材の受け入れに要した費用の1/3を1年間助成する。
(6)中小企業雇用創出等能力開発助成金
 事業所内外で事業の高度化等又は新分野進出等若しくは経営革新に必要な職業訓練等に要した費用及び賃金の1/2を助成する。
(7)中小企業人材確保推進事業助成金
 事業協同組合等の構成員たる中小企業者の雇用管理の改善を図るため、雇用管理の改善に関する調査研究等の事業を行った当該組合等に対して、当該事業の実施に要した経費の2/3相当額を、3年間で集中的に助成する。平成15年5月末までの旧制度においては、雇用管理の改善に関する調査研究等の事業を行った事業協同組合等に対して、当該事業の実施に要した経費の2/3相当額を3年間にわたり助成(第1種助成金)した後、個別事業所への定着状況のフォローアップ事業を行った事業協同組合等に対して、当該事業の実施に要した費用の1/2相当額を2年間にわたり助成(第2種助成金)していた。
(8)中小企業雇用管理改善助成金
 職業相談室の設置・整備(環境整備事業)に要した費用の1/2又は職業相談者の配置(職業相談者配置事業)に要した費用の1/3(1年間)を助成する。
(9)雇用創出セミナー
 独立行政法人雇用・能力開発機構において、創業・異業種進出を行う者に対し、創業・異業種進出の際に必要となる人材の確保、育成等雇用管理に関する情報・ノウハウの提供を実施する。
(10)出会いの場
 独立行政法人雇用・能力開発機構及び職業安定機関が主体となって、新規・成長分野企業等を対象とした各種情報提供を行うとともに、当該企業等への就業を希望する求職者との面接会を開催する。

関連する経費(平成16年度予算額)
中小企業雇用創出人材確保助成金  2,760百万円
中小企業基盤人材確保助成金  16,558百万円
中小企業雇用創出雇用管理助成金  95百万円
中小企業雇用環境整備奨励金  61百万円
中小企業高度人材確保助成金  400百万円
中小企業雇用創出等能力開発助成金  554百万円
中小企業人材確保推進事業助成金  2,441百万円
中小企業雇用管理改善助成金  1,760百万円
雇用創出セミナー  243百万円
出会いの場  497百万円
(評価指標) H12 H13 H14 H15 H16
中小企業雇用創出人材確保助成金支給決定人数 (人) 89,772 136,670 68,171 10,832 3,264
105,452 183,281 121,144 35,231 7,350
中小企業雇用創出人材確保助成金支給決定金額 (百万円) 73,190 98,176 28,629 4,205 1,246
75,820 107,887 55,669 14,446 2,760
(備考)
 評価指標の上段は独立行政法人雇用・能力開発機構の調べによる実績、下段は予算上の数値である。
 中小企業雇用創出人材確保助成金は平成15年5月末で廃止。平成16年度は経過措置分も含む。
(評価指標) H12 H13 H14 H15 H16
中小企業基盤人材確保助成金支給決定人数 (人) 16 3,347
      (26) (5,092)
3,788 20,697
      (6,314) (34,495)
中小企業基盤人材確保助成金支給決定金額 (百万円) 12 2,548
3,030 16,558
中小企業基盤人材確保助成金利用事業所平均雇用増加数(人) 未集計
2人
(備考)
 中小企業基盤人材確保助成金は、平成15年6月からの事業である。
 支給決定人数は、助成対象となる基盤人材の数。括弧内は基盤人材と一般労働者の合計人数。
 評価指標の支給決定人数及び支給決定金額の上段は独立行政法人雇用・能力開発機構の調べによる実績、下段は予算上の数値である。
 評価指標の利用事業所平均雇用増加数は、「新分野進出等基盤人材確保実施計画」開始日から最終の第2期支給申請日の1年経過後までの1事業所当たりの雇用増加数(上段は実績であり、下段は目標値。)。
(評価指標) H12 H13 H14 H15 H16
中小企業雇用創出雇用管理助成金支給決定件数 (件) 2,517 2,641 898 252 78
5,750 12,091 12,770 2,083 253
中小企業雇用創出雇用管理助成金支給決定金額 (百万円) 915 919 322 65 25
2,875 3,821 3,103 748 95
(備考)
 評価指標の上段は独立行政法人雇用・能力開発機構の調べによる実績、下段は予算上の数値である。
 中小企業雇用創出雇用管理助成金は平成15年5月末で廃止。平成16年度は経過措置。
(評価指標) H12 H13 H14 H15 H16
中小企業雇用環境整備奨励金支給決定件数 (件) 363 330 209 176 63
628 594 502 231 17
中小企業雇用環境整備奨励金支給決定金額 (百万円) 1,287 1,255 788 651 275
2,828 2,158 1,775 878 61
(備考)
 評価指標の上段は独立行政法人雇用・能力開発機構の調べによる実績、下段は予算上の数値である。
 中小企業雇用環境整備奨励金は平成15年5月末で廃止。平成16年度は経過措置。
(評価指標) H12 H13 H14 H15 H16
中小企業高度人材確保助成金支給決定人数 (人) 1,108 860 1,599 2,865 1,476
2,598 1,550 4,795 6,034 390
中小企業高度人材確保助成金支給決定金額 (百万円) 1,355 942 1,633 2,977 1,523
2,912 1,743 3,903 6,173 400
(備考)
 評価指標の上段は独立行政法人雇用・能力開発機構の調べによる実績、下段は予算上の数値である。
 中小企業高度人材確保助成金は平成15年5月末で廃止。平成16年度は経過措置。
(評価指標) H12 H13 H14 H15 H16
中小企業雇用創出等能力開発助成金支給決定人数 (人) 35,934 25,434 16,203 7,754 5,596
75,427 91,838 100,744 33,849 18,351
中小企業雇用創出等能力開発助成金支給決定金額 (百万円) 1,251 1,055 553 237 223
3,104 3,699 1,768 740 554
(備考)
 評価指標の上段は独立行政法人雇用・能力開発機構の調べによる実績、下段は予算上の数値である。
 平成13年9月に中小企業雇用創出等能力開発給付金を廃止し、平成13年10月に中小企業雇用創出等能力開発助成金を創設したが、その支給は平成14年度以降となるため、平成14年度以降の実績は中小企業雇用創出等能力開発助成金によるもの、平成13年度以前の実績は中小企業雇用創出等能力開発給付金によるものである。
(評価指標) H12 H13 H14 H15 H16
中小企業人材確保推進事業助成金支給決定団体数 (団体) 482 475 444 441 428
517 517 517 517 517
中小企業人材確保推進事業助成金支給決定金額 (百万円) 2,048 1,971 1,784 1,701 1,671
2,820 2,820 2,355 2,560 2,441
中小企業人材確保推進事業助成金利用事
業協同組合等のアンケート集計結果 (%)
96%
80%
(備考)
 評価指標の支給決定団体数及び支給決定金額の上段は独立行政法人雇用・能力開発機構の調べによる実績、下段は予算上の数値である。
 平成15年度及び平成16年度は、平成15年度における見直し後の助成金と見直し前の第1種助成金及び第2種助成金との合計である。
 評価指標の利用事業協同組合等のアンケート集計結果については、平成16年度は雇用管理改善事業実施前と比較して雇用管理の改善が図られたとする構成中小企業者が半数以上である事業協同組合等の割合が80%以上となることを目標と設定し、事業を実施した(平成17年度以降は実績目標1欄の目標にて評価を行う)。上段は独立行政法人雇用・能力開発機構の調べによる実績、下段は目標値(80%以上)。
(評価指標) H12 H13 H14 H15 H16
中小企業雇用管理改善助成金支給決定件数 (件) 5 35
1,035 1,236
中小企業雇用管理改善助成金支給決定件数 (人) 0 9
1,183 6,476
中小企業雇用管理改善助成金支給決定金額 (百万円) 3 28
608 1,760
中小企業雇用管理改善助成金利用事業所の自己都合による平均離職率 (%) 未集計
11%
(備考)
 中小企業雇用管理改善助成金は、平成15年6月からの事業である。
 評価指標の支給決定件数及び支給決定金額の上段は独立行政法人雇用・能力開発 機構の調べによる実績、下段は予算上の数値である。
 評価指標の利用事業所の自己都合による平均離職率は、本事業に取り組んだ1年経過後の事業所の自己都合による離職率。上段は独立行政法人雇用・能力開発機構の調べによる実績、下段は目標値。
(評価指標)
雇用創出セミナー参加者アンケート集計結果 (%)
H12 H13 H14 H15 H16
95%
80%
(備考)
 評価指標は、本事業の参加者に対して行ったアンケート調査による、役立った旨の評価。
 上段は独立行政法人雇用・能力開発機構の調べによる実績、下段は目標値(80%以上)。
(評価指標)
出会いの場参加者アンケート集計結果 (%)
H12 H13 H14 H15 H16
89%
80%
(備考)
 評価指標は、本事業の参加者に対して行ったアンケート調査による、役立った旨の評価。
 上段は独立行政法人雇用・能力開発機構の調べによる実績、下段は目標値(80%以上)。
実績目標2 中小企業の経営基盤の強化に資する人材ニーズを求人情報として「しごと情報ネット」に登録し、求職者に情報提供することにより、中小企業の経営基盤の強化に資する人材の確保を促進すること(対象となる求人情報の登録期間が終了した際(その後継続して登録する場合を除く。)に、アンケート調査を実施し、80%以上の者から基盤人材の確保に役立った旨の評価が得られることを目指す。)
(実績目標を達成するための手段の概要)
 中小企業労働力確保法に基づく助成措置に係る実施計画の申請等の際に収集した中小企業の経営基盤の強化に資する人材ニーズを、求人情報として「しごと情報ネット」に登録し、求職者に情報提供する事業を実施することにより、中小企業の経営基盤の強化に資する人材の確保を促進する。

関連する経費(平成16年度予算額) 213百万円
(評価指標) H12 H13 H14 H15 H16
「しごと情報ネット」に提供した求人数 (人) 838 10,617
求人情報へのアクセス件数 (件) 4,390 39,318
利用事業主へのアンケート集計結果 (%) 87%
80%
(備考)
 当該求人情報のしごと情報ネットへの提供は、平成15年度から開始。
 評価指標は、独立行政法人雇用・能力開発機構の調べによる。
 評価指標の利用事業主へのアンケート集計結果は、アンケート調査による役立った旨の評価。上段は独立行政法人雇用・能力開発機構の調べによる実績、下段は目標値(80%以上)。
実績目標3 新規・成長分野雇用創出特別奨励金の積極的な活用により、新規・成長分野企業等における雇用機会の創出を図ること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 新規・成長分野雇用創出特別奨励金は、新規・成長分野の事業を行う事業主が、中高年齢者の非自発的離職者等を、雇入れ時期を前倒しして常用労働者として雇い入れた場合又はOJTを中心として実践的な職業訓練を行う場合に、それぞれ一定額(雇入れの場合70万円、職業訓練の場合9万円等)の新規・成長分野雇用創出特別奨励金を支給する。

関連する経費(平成14年度補正予算により、基金事業を拡充した時点の基金総額) 109、000百万円
(評価指標) H12 H13 H14 H15 H16
新規・成長分野雇用創出特別奨励金の支給決定人数 (人) 20,292 47,903 36,920 24,040 14,195
新規・成長分野雇用創出特別奨励金の支給決定金額 (百万円) 13,659 29,246 20,155 15,776 9,578
(備考)
 評価指標は、(財)高年齢者雇用開発協会の調べによる。
 新規・成長分野雇用創出特別奨励金は平成11年8月からの事業であり、平成16年度末で終了。
 支給見込人数については、当初基金を創設した平成11年度から平成13年度末までで15万人を見込んでいた。その後、平成13年度補正予算で基金を増額したことにより、平成11年度から平成16年度末までで16万8千人を見込んでいた。
 制度創設当時は、平成11年度から平成13年度末までの事業として900億円の基金を計上した。平成13年度補正予算で、平成16年度末までの事業として190億円増額した。
実績目標4 介護労働者法に基づく助成措置等により、雇用管理の改善等を図ること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 介護労働者の雇用管理の改善等を図るため、雇用管理の改善等に関する専門的相談等を行う「介護労働者雇用管理改善等援助事業」や、民営職業紹介事業者の団体と企業等との介護クーポン制度に関する提携を促進することにより在宅介護分野の労働力需給調整システムの確立を図る「介護労働者需給サービス事業」を行うほか、以下の助成事業を行う。
(1)  介護基盤人材確保助成金(平成15年6月に介護人材確保助成金を見直し)
 介護分野における新サービスの提供等に伴い、介護労働者の雇用管理改善計画を作成し、都道府県知事の認定を受けた事業主が、雇用管理の改善等において中核的な役割を担う者である特定労働者※1を雇い入れた場合に、雇い入れた労働者の賃金の一部(特定労働者1人当たり上限140万円。併せて一般労働者※2を雇い入れる場合には、一般労働者1人当たり上限30万円(短時間労働者の場合は上限9万円)。)を助成する。
※1  特定労働者: 社会福祉士等の資格を有し、1年以上の実務経験を有する者
※2  一般労働者: 特定労働者以外の介護業務に従事する労働者
(2)  介護雇用管理助成金
 介護分野における新サービスの提供等に伴い、介護労働者の雇用管理改善計画を作成し、都道府県知事の認定を受けた事業主が、雇用管理改善事業(健康診断の実施等)を実施した場合に、その経費の1/2(上限100万円)を助成する。
(3)  介護能力開発給付金
 介護分野における新サービスの提供等に伴い、介護労働者の雇用管理改善計画を作成し、都道府県知事の認定を受けた事業主が、新たに雇い入れた労働者等に対して教育訓練やキャリア・コンサルティングを受けさせた場合及び有給教育訓練休暇の付与を行う場合に、その経費の1/2(教育訓練の場合は上限10万円。キャリア・コンサルティングの場合は上限25万円。)及び対象期間中の賃金の1/2を助成する。
(4)  介護労働者福祉助成金
 ケア・ワーカーを対象とする福祉共済制度の運営事務に当たる職業紹介事業者等に対し、その事務経費の一部を助成する。
(5)  介護労働環境改善事業助成金
介護労働者の労働環境の改善に関する研究調査を行う者に対し、その経費の一部を助成する。

関連する経費(平成16年度予算額・支出計画額)
介護基盤人材確保助成金  5,073百万円
介護雇用管理助成金  215百万円
介護能力開発給付金  108百万円
介護労働者福祉助成金  124百万円
介護労働環境改善事業助成金  50百万円
(評価指標) H12 H13 H14 H15 H16
介護基盤人材確保助成金支給決定人数 (人) 355 9,152
(7,758) (7,205) (8,217) (8,384) (2,273)
901 5,533
(7,371) (9,461) (7,448) (8,231) (1,027)
介護基盤人材確保助成金支給決定金額 (百万円) 143 4,974
(4,627) (8,292) (8,530) (6,477) (3,543)
865 5,073
(4,831) (6,145) (4,477) (6,158) (851)
(備考)
 介護基盤人材確保助成金は、平成15年6月に介護人材確保助成金(平成12月4月創設)を見直したものであり、その支給は平成16年1月以降である。また、括弧内は、介護人材確保助成金に係る数である。
 評価指標上段の実数は、職業安定局の調べによる介護基盤人材確保助成金の実績、上段の括弧内は(財)介護労働安定センターの調べによる介護人材確保助成金の実績。評価指標の下段は予算上の数値である。
(評価指標) H12 H13 H14 H15 H16
介護雇用管理助成金支給決定件数 (件) 666 2,018 2,020 2,156 2,329
1,236 2,336 1,423 1,798 1,182
介護雇用管理助成金支給決定金額 (百万円) 108 176 148 142 138
237 389 259 235 215
(備考)
 評価指標の上段は(財)介護労働安定センターの調べによる実績値、下段は予算上の数値である。
(評価指標) H12 H13 H14 H15 H16
介護能力開発給付金支給決定件数 (件) 428 1,287 975 864 1,362
400 1,514 1,419 559 797
介護能力開発給付金支給決定金額 (百万円) 15 49 28 22 26
62 296 269 248 108
(備考)
 評価指標の上段は(財)介護労働安定センターの調べによる実績値、下段は予算上の数値である。
(評価指標) H12 H13 H14 H15 H16
介護労働者福祉助成金支給決定件数 (件) 839 844 836 816 801
1,249 1,249 1,249 1,249 1,249
介護労働者福祉助成金支給決定金額 (百万円) 74 72 72 70 69
124 124 124 124 124
(備考)
 評価指標の上段は独立行政法人雇用・能力開発機構の調べによる実績値、下段は介護労働者福祉基金の支出計画上の数値である。
(評価指標) H12 H13 H14 H15 H16
介護労働環境改善事業助成金支給決定件数 (件) 14 15 17 15 10
10 10 10 10 10
介護労働環境改善事業助成金支給決定金額 (百万円) 65 72 76 75 46
50 50 50 50 50
(備考)
 評価指標の上段は独立行政法人雇用・能力開発機構の調べによる実績値、下段は介護労働者福祉基金の支出計画上の数値である。
実績目標5 雇用保険の受給資格者自らが事業を開始した場合の支援措置を設けることにより、失業者の自立を積極的に促進すること(受給資格者創業支援助成金の支給を受けた事業主が、法人等の設立から1年経過後に、雇用している労働者数が平均2人以上であり、かつ、事業を継続している割合が90%以上であることを目指す。)
(実績目標を達成するための手段の概要)
 雇用保険の受給資格者自らが事業を起こし、事業開始後1年以内に雇用保険の適用事業主となった場合に、その創業に要した費用の一部を助成する。

関連する経費(平成16年度予算額) 3,084百万円
(評価指標) H12 H13 H14 H15 H16
受給資格者創業支援助成金支給決定件数 (件) 577 1,641
1,822 3,084
受給資格者創業支援助成金支給決定金額 (百万円) 592 2,224
1,822 3,084
(備考)
 受給資格者創業支援助成金は、平成15年2月からの事業であるが、雇用保険の適用事業主となった日の翌日から起算して3か月後に1回目の支給申請が行われることから、平成15年度からの支給となる。
 評価指標の支給決定件数及び支給決定金額の上段は職業安定局の調べによる実績、下段は予算上の数値である。
 支給申請は2回に分けて行われるが、件数は助成対象となる事業所数、金額は第1回と第2回の支給金額の合計。
 利用事業所の平均雇用労働者数及び事業継続率については、平成17年度から集計開始。
実績目標6 緊急対応型ワークシェアリング等の積極的な活用により、既存の雇用を維持しつつ、中高年の非自発的失業者等の雇用機会の創出を図ること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 雇用失業情勢が悪化し、完全失業率に基づく発動要件を満たした地域内に所在する事業主が中高年齢者の非自発的離職者等を雇い入れる場合に、以下により緊急雇用創出特別奨励金を支給する。
(1)  中高年齢者の非自発的離職者等を常用労働者として雇い入れた場合、30万円を支給する。
(2)  労使の合意により、ワークシェアリング制度を導入し、中高年齢者の非自発的離職者等を常用労働者等として雇い入れた場合、雇入れについて30万円等、制度導入について120万円等を支給。

関連する経費(平成14年度補正予算により、基金事業を拡充した時点の基金総額)

緊急雇用創出特別奨励金(一般分)  20、000百万円
緊急雇用創出特別奨励金(緊急対応型ワークシェアリング分)  7,100百万円
(評価指標) H12 H13 H14 H15 H16
緊急雇用創出特別奨励金の支給決定人数 (人) 4,596 8,206 12,661 13,694 6,611
緊急雇用創出特別奨励金の支給決定金額 (百万円) 1,379 2,462 3,798 4,108 1,983
(備考)
 評価指標は、(財)高年齢者雇用開発協会の調べによる。
 緊急雇用創出特別奨励金は平成11年1月からの事業であり、平成16年度末で終了。
 支給見込人数は、当初基金を創設した平成10年度から平成13年度末までで20万人を見込んでいた。その後、基金の見直しに伴い、平成10年度から平成16年度末までで6万3千人を見込んでいた。
 制度創設当初は、平成10年度から平成13年度末までの事業として600億円を計上した。その後、平成14年度の基金の見直しに伴い、平成10年度から平成16年度末までの事業として200億円に減額した。
(評価指標) H12 H13 H14 H15 H16
緊急雇用創出特別奨励金(うち、緊急対応型ワークシェアリング分)支給決定件数 (件) - - 1 1 2
緊急雇用創出特別奨励金(うち、緊急対応型ワークシェアリング分)支給決定金額 (百万円) - - 0.6 0.8 1.6
(備考)
 評価指標は、(財)高年齢者雇用開発協会の調べによる。
 緊急雇用創出特別奨励金(緊急対応型ワークシェアリング分)は、平成14年6月からの事業であり、平成16年度末で終了。
 支給見込人数は、平成15年2月に制度改正を行い、平成15年3月から平成16年度末までで対象者数10,000人を見込んでいた。
 予算額については、平成14年6月の創設時には、平成16年度末までで約70億円を見込んでいたが、平成14年度の緊急雇用創出特別基金の見直しに伴い、基金から50億円、平成14年度補正予算で21億円を緊急対応型ワークシェアリング分として計上した。


2.評価

(1) 現状分析
現状分析
 平成16年の中小企業政策審議会の答申(「新しい中小企業支援の在り方」)において、「大企業が大幅な人員削減を進める中で、中小企業は雇用創出の中核的機能を果たし、また、高齢化、環境意識の高まりなどを捉えて新しいサービス市場を切り開いてきている。」中小企業は「魅力ある就業機会創出の担い手」として、雇用創出における重要な役割を果たしているとされている。また、「経済社会全体の創造的挑戦の雰囲気を醸成し、個人が自己実現出来る雇用機会を提供するとともに、公正な競争環境の実現にとっての大前提となる新たなプレーヤーを創出する創業について、国が必要な政策支援を行うことが重要である。」との指摘があるなど、中小企業の活力を活かした雇用機会の創出への取組や創業への支援が、我が国の重要な課題となっている。
 また、平成16年度の完全失業率は4.6%と、平成15年度の5.1%と比べて、厳しさは残るものの改善の兆しが見えるところであり、中高年齢者の非自発的離職者等についても平成15年度の83万人から、平成16年度は68万人に減少しており、中高年齢者の雇用情勢も改善傾向にある。
 介護分野については、我が国の急速な高齢化の進展等を背景として、今後も労働需要の拡大が見込まれる分野であり(介護保険法に基づく要介護又は要支援とされる高齢者等は、平成15年度は380万人程度であるが、平成20年度には500万人から520万人程度に達すると見込まれている。)、介護分野を労働者にとって魅力ある職場とするために、介護労働者の雇用管理の改善等を図っていく必要がある。

(2) 評価結果
政策手段の有効性の評価
実績目標1について
 中小企業基盤人材確保助成金については、平成16年度の実績と予算が乖離しているところであるが、これは本助成金が平成15年6月に創設されたものであり、(1)平成16年度当初は前年に引き続き事業主への新制度の理解の浸透が進まなかったこと、(2)事業主は、あらかじめ実施計画に雇入れ労働者数を申請することとなっているが、求人・求職のミスマッチ等から、支給対象となっている基盤人材を雇いにくい状況にある中で、実際には、この計画どおりに雇入れが進まず、支給にまで結びつかなかったこと、(3)平成16年度予算の積算時点においては、創設間もない制度のため、旧制度(中小企業雇用創出人材確保助成金)の実績を参考にしつつ、助成金の実績は雇用失業情勢の変化の影響を受けるため、年度途中で不足しないよう予算を計上したことによるものである。このため、予算要求に当たっては、積算方法の見直しを検討する必要がある。
 しかしながら、評価指標である利用事業所平均雇用増加数の目標値2人以上に対し、実績(参考値:15年度中及び16年度4、5月に第1期を支給申請した事業所のうち、「新分野進出等基盤人材確保実施計画」開始日から17年3月末までの1事業所当たりの雇用増加数)は、2.3人となっており、平成16年度は実績も上昇傾向にあり、5,000人(一般人材を含む)以上の雇用創出を実現し、着実にその成果を上げていることから、新分野進出等に際して資金不足や雇用管理に十分な取組を行う余裕がない中小企業に対し人材確保を支援する手段として有効である。

 中小企業雇用創出等能力開発助成金は、事業の高度化、新分野進出等又は経営革新に伴い必要な労働者の能力や技術を開発させるのに有効であり、平成16年度においては、5,596人の能力や技術が開発された。
 なお、平成16年度においては、予算を平成13年9月まで実施していた旧制度(中小企業雇用創出等能力開発給付金)の実績に基づき積算していたため、支給実績と予算の乖離が生じているところであるが、平成17年度予算では、新制度(中小企業雇用創出等能力開発助成金)の実績(平成15年度)に基づく積算方式に改めたため、今後は予算と実績の乖離は解消できるものと考える。

 中小企業人材確保推進事業助成金については、中小企業の労働力の確保を目的に、事業協同組合等による構成事業所の雇用管理の改善を図るものであり、平成16年度には428団体において雇用管理改善に係る取組が行われており、中小企業における雇用管理の改善に向け進展があった。さらに、本事業に取り組む以前と比較して雇用管理の改善が図られたとする傘下事業所が半数以上を占める事業協同組合等が96%となって有効に活用された。

 中小企業雇用管理改善助成金については、労働者が求める労働者の職業適性等を的確にアドバイスできる環境整備が不十分な中小企業に対し、労働者に対する職業相談体制の整備や職業相談を行うことができる者の配置を支援するものであるが、平成16年度の実績と予算が乖離しているところである。これは本助成金が平成15年6月に創設されたものであり、(1)平成16年度当初は前年に引き続き事業主への新制度の理解の浸透が進まなかったこと、(2)平成16年度予算の積算時点においては、創設間もない制度のため、参考とする実績が十分でなかったこと、(3)本助成金の実績は雇用失業情勢の変化の影響を受けるため、年度途中で不足しないよう予算を計上したことによるものである。このため、予算要求に当たっては、積算方法の見直しを検討する必要がある。
 しかしながら、評価指標である利用事業所の自己都合による平均離職率の目標値11%以下に対し、実績(参考値:15年度中及び16年度中に支給した全事業所のうち、中小企業雇用管理改善助成金の支給に係る環境整備事業又は職業相談者配置事業に取り組む事業所の自己都合による離職率の平均(17年3月末現在))は10.5%となっており、平成15年度に比べ実績も増加していることから、中小企業における労働者の職場定着に有効であると考えられる。

 雇用創出セミナーについては、利用者のうち約9割以上の者から役に立ったとの回答を得ており、情報提供事業として有効に機能している。

 出会いの場については、利用者のうち役に立ったと回答した求職者、求人者の割合が約9割となっていることから、効果的な情報提供がなされている。

実績目標2について
 中小企業の経営基盤の強化に資する人材ニーズを求人情報として「しごと情報ネット」に登録し、求職者に情報提供することは、求職者への幅広くかつ効果的な情報提供を可能とするものであり、中小企業の経営基盤強化に資する人材の確保に有効である。平成16年度においては、事業主から2,966件、10,617人分の求人があり、この求人情報に対して39,318件のアクセスがあったことは、事業主が提供する1件の求人情報当たり求職者から約13回のアクセスがあったことになり、中小企業の経営基盤強化に資する人材の確保に寄与したものと考える。
 また、利用事業主のうち約9割の事業主から役に立ったとの回答を得ており、効果的に活用されている。

実績目標3について
 新規・成長分野雇用創出特別奨励金については、平成16年度において、雇用失業情勢の改善に伴い、本奨励金の支給対象となる中高年齢者の非自発的離職者等が大幅に減少したため、実績は前年度を下回ることとなったものの、制度創設以降平成16年度末までの支給決定人数は144,464人となっており、新規・成長分野の事業主の前倒し雇用の意欲の促進及び中高年齢者の非自発的離職者等の雇用機会の創出に一定の役割を果たしてきた。
 なお、本奨励金は、構造改革の集中調整期間に対応するものとされていたことから、当該期間の末である平成16年度末をもって終了した。

実績目標4について
 介護労働者の雇用管理の改善等を図るための措置は、直接収益に結びつくものではないこと、事業の開始時又は拡充時には様々な初期投資費用を負担しなければならず財政的に厳しいこと等から、自ら雇用管理の改善等の取組を開始する事業主は少ない。このため、雇用管理の改善等に関心を有する事業主に対して必要な経費を助成することは、事業主が雇用管理の改善等に取り組むきっかけを与えるものとして有効であると考えられる。
また、助成措置の実績を見ると、
 介護基盤人材確保助成金及び介護人材確保助成金は、平成16年度に約11,000人の雇用増を実現させており、介護分野における雇用創出に一定程度寄与
 介護雇用管理助成金は、平成16年度に約2,300事業所における雇用管理改善事業を実現させており、介護分野における雇用管理の改善に一定程度寄与
 介護能力開発給付金は、平成16年度に約1,300人の教育訓練等を実現しており、介護分野における職業能力の開発に一定程度寄与
 介護労働者福祉助成金は、平成16年度に約800の職業紹介事業者等における福祉共済制度の運営を支援しており、介護分野における福祉共済制度の普及に寄与
 介護労働者環境改善事業助成金は、平成16年度に介護労働者の労働環境の改善に関する研究調査の実施を10件支援しており、介護労働者の労働環境の改善に寄与しているなど、介護労働者の雇用管理の改善等に有効に機能していると考えられる。
 なお、介護雇用管理助成金及び介護能力開発給付金については、予算額と実績額が乖離していたため、介護雇用管理助成金は平成17年度の予算額を190百万円に削減し、介護能力開発給付金は支給要件の見直し(新サービスの提供等から「1年以内」に教育訓練等を実施する旨の要件を、「3年以内」に見直し)を行った。

実績目標5について
 景気が回復を続けている中で、こうした景気回復の動きを創業を通じた雇用機会の創出へ確実に結びつけていくことが重要であり、創業支援策をより一層積極的に展開していく必要がある。こうした中で、本事業により雇用保険の受給資格者の創業を支援することは、失業者本人の自立促進はもとより、新たな雇用機会の創出を促進する観点からも有効な手段である。
 平成16年度においては、予算に対し実績が7割以上となり、昨年度に比べ著しく実績があがっており、今後も着実に実績があがると想定され、有効に機能していると考えられる。

実績目標6について
 緊急雇用創出特別奨励金については、雇用失業情勢の改善により、完全失業率が低下したため、平成16年8月末に全国発動が停止したこと等により実績は前年度を下回ることとなったものの、制度創設以降平成16年度末までの支給決定人数は46,996人となっており、事業主の雇入れ意欲の促進及び中高年齢者の非自発的離職者等の雇用機会の創出に一定の役割を果たしてきた。
 なお、本奨励金(緊急対応型ワークシェアリング分を含む。)は、構造改革の集中調整期間に対応するものとされていたことから、当該期間の末である平成16年度末をもって終了した。
政策手段の効率性の評価
実績目標1について
 雇用保険三事業各種助成金の整理・合理化の一環として、中小企業労働力確保法に基づく助成金を見直し、平成15年5月末で中小企業雇用創出人材確保助成金、中小企業雇用創出雇用管理助成金、中小企業雇用環境整備奨励金及び中小企業高度人材確保助成金を廃止し、中小企業基盤人材確保助成金及び中小企業雇用管理改善助成金を創設したところである。この見直しにより創設された中小企業基盤人材確保助成金により、雇入れの助成対象者を経営基盤の強化に資する労働者(基盤人材)へと重点化を図ったところである。企業が基盤人材を雇い入れることにより事業が拡大し、雇用の場が一層拡大することが見込まれるものであり、助成金の支給によって効果的に雇用機会を創出できる制度となった。

 中小企業雇用創出等能力開発助成金は、中小企業労働力確保法に基づく改善計画等を作成し、当該計画に基づいて実施する改善事業(事業の高度化又は新分野進出等又は経営革新)に伴い必要となる職業訓練等を雇用する労働者又は計画に基づき雇い入れた労働者に受けさせる事業主に対して助成を行うものであり、当該助成金を活用することにより、事業の拡大、雇用機会の創出及び雇用の安定が図られることから、効率的である。

 中小企業人材確保推進事業助成金については、平成15年6月に第1種助成金と第2種助成金を統合し、調査研究等からフォローアップまでの一環した雇用管理改善の取組に対して集中的に助成することとし、助成期間を最長5年間から3年間に短縮する見直しを行い、より一層の効率化が図られた。

 雇用創出セミナーについては、既存の設備を利用し全国均一的に最新の経営・雇用に関する情報を同時に配信しており、効率的であると考える。

 出会いの場については、新規・成長分野企業等とこれら企業に関心を有する求職者が一堂に会し、職業安定機関等との連携の下、両者の円滑なマッチングを図ることから、効率的に実施できているものと考えられる。

実績目標2について
 本事業は、(1)中小企業労働力確保法に基づく助成措置の相談等の際に、あわせて中小企業の求人情報の収集が可能であること、(2)この情報を既存の「しごと情報ネット」を活用してインターネットで提供できるため、効率的と考えられる。

実績目標3及び6について
 新規・成長分野雇用創出特別奨励金、緊急雇用創出特別奨励金等に係る取扱いを希望する有料・無料職業紹介事業者が提出する「雇用関係給付金の取扱いに係る同意書」について、平成16年3月から「再就職支援給付金及び再就職支援会社活用給付金の取扱いに係る同意書」と統合するとともに、事業所単位から事業主単位で都道府県労働局長あて提出できるようにしたことにより、職業紹介事業者の利便性の向上及び同意書の受理に係る事務の簡素化が行われたこと等から、効率的な事務運営がなされているといえる。

実績目標4について
 雇用管理の改善等に関心を有する事業主であっても、新サービスの提供等の際は、財政的に厳しいこと等から、自ら雇用管理の改善等の取組を開始する事業主は少ないと考えられる。新サービスの提供等の際の雇用管理の改善等に必要な経費の一部助成については、事業主が雇用管理の改善等に取り組むきっかけを与えるものとして効率的であると考えられる。

実績目標5について
 本事業は、(1)受給資格者の開始した事業及び雇い入れた労働者の雇用の継続性を担保する必要がある一方、(2)創業に係る立ち上げの支援のため、迅速な資金供給が求められることから、支給を事業開始3か月後及び6か月後の2回に分けて半額ずつ支給する方式を採っており、効率的と考えられる。
総合的な評価
 中小企業労働力確保法に基づく助成金については、雇用保険三事業各種助成金の整理・合理化の一環として見直しを行い、雇入れ助成対象者を経営基盤の強化に資する労働者へと重点化し、効率化を図ったところであり、中小企業における雇用機会の創出、雇用管理改善の達成に向けて進展があったと考えられる。しかしながら、一部の助成金で上述のとおり実績があがっていないことから、中小企業のニーズを踏まえたより実態にそった支援とするべく、見直しの検討を行うとともに、適正な予算要求額とする必要がある。

 中小企業の経営基盤の強化に資する人材ニーズを求人情報として「しごと情報ネット」に登録し、求職者に情報提供することについては、これにより、経営基盤の強化に資する求職者が、当該求人情報へのアクセスを通じて当該求人をした事業所に求職することが可能となり、中小企業の経営基盤の強化に資する人材確保の促進に向けて進展があったと考えられる。

 新規・成長分野雇用創出特別奨励金については、
平成16年度において、雇用失業情勢の改善に伴い、本奨励金の支給対象となる中高年齢者の非自発的離職者等が大幅に減少したため、実績は前年度を下回ることとなったものの、制度創設以来14万人以上の支給実績があり、新規・成長分野企業等における雇用機会の創出に向けて進展があったと考えられる。

 介護労働者の雇用管理の改善等については、介護基盤人材確保助成金及び介護人材確保助成金により平成16年度に約11,000人の雇用増が実現され、また、介護雇用管理助成金により平成16年度に約2,300事業所において雇用管理改善事業が行われるなど、平成16年度においては、介護労働者の雇用管理の改善等が図られたと判断でき、新規・成長分野企業等における雇用機会を創出するとともに労働力の確保等を図るという施策目標の達成に向けて進展があったと考えられる。
 さらに効果的に介護労働者の雇用管理の改善等を図るため、平成18年度に向けて、介護基盤人材確保助成金、介護雇用管理助成金及び介護能力開発給付金について、必要な見直しを行う。

 受給資格者創業支援助成金については、上述のとおり、順調に利用実績が伸び、今後も実績が出ることが想定されることから、失業者の自立の促進を図る目標達成に向けて進展があったと考えられる。

 緊急雇用創出特別奨励金については、雇用失業情勢の改善により、完全失業率が低下したため、平成16年8月末に全国発動が停止したこと等により実績は前年度を下回ることとなったものの、制度創設以来約4万7千人の支給実績があり、中高年齢者の非自発的離職者等の雇用機会の創出に向けて進展があったと考えられる。

以上のとおり、施策目標達成に向けて進展があった。
評価結果分類 分析分類
(2) (2)


3.特記事項
(1) 学識経験を有する者の知見の活用に関する事項

(2) 各種政府決定との関係及び遵守状況
 平成13年12月19日に閣議決定された「特殊法人等整理合理化計画」において、雇用・能力開発機構の各種助成金業務につき講ずべき措置として、「国が明確な政策目標を定め、併せて当該目標が達成された場合又は一定期間経過後には助成措置を終了することを明記する。さらに、事後評価を行い、その評価結果を踏まえて助成の在り方を適宜見直す」こととされている。当該計画を踏まえ、中小企業労働力確保法に基づく各種助成措置については、本施策目標が達成された場合には終了するものとする。
 また、平成14年12月18日にまとめられた「労働政策審議会職業安定分科会「雇用保険制度の見直しについて」」において、「雇入れ助成については経営基盤等の強化に資する人材の確保への重点化や失業者の創業支援の充実等を行う必要がある。」とされている。
 平成14年10月30日に財政諮問会議で決定された「改革加速のための総合対応策」において、民間企業による中高年齢者等の新たな雇用機会を創出するための「新規・成長分野雇用創出特別奨励金を積極的に活用する」こととされている。
 平成14年12月12日に経済対策閣僚会議で決定された「改革加速プログラム」において、「緊急対応型ワークシェアリングを導入する企業が新たに雇い入れる場合の助成要件の見直し、助成額の増額を行う」こととされている。

(3) 総務省による行政評価・監視等の状況

(4) 国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等)
 「雇用保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議」(平成15年4月15日衆議院厚生労働委員会)において「雇用保険三事業の各種給付金等について、政策評価を適切に行い、今後とも必要な見直しを行うよう努めるとともに、中小企業の利用に配慮しつつ、不正受給の防止に万全を期すこと」とされている。
 「雇用保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議」(平成15年4月24日参議院厚生労働委員会)において「雇用保険三事業の各種給付金等については、政策評価を適切に行い、真に失業予防や再就職の促進に有用であると認められるものを実施するよう、不断の見直しを行うとともに、中小企業の利用促進に配慮しつつ、不正受給の防止にも万全を期すこと」とされている。

(5) 会計検査院による指摘
 新規・成長分野雇用創出特別奨励金について、「奨励金の適正な支給を期するため、財団法人高年齢者雇用開発協会を通じて事業主に対する指導を徹底するとともに、協会及び労働局に対し、調査確認の一層の充実強化について指導する必要があると認められる。」と指摘されている(平成16年8月27日会計検査院事務総局)。

トップへ