(2−1−IV)
実績評価書
平成17年8月

政策体系 番号  
基本目標 安心・快適な生活環境作りを衛生的観点から推進すること
施策目標 食品の安全性を確保すること
IV いわゆる健康食品等について、広告・表示の適正化を図り、適切な情報の下で消費者がこれを選択できるようにすること
担当部局・課 主管部局・課 医薬食品局食品安全部基準審査課新開発食品保健対策室
関係部局・課  


1.施策目標に関する実績の状況
実績目標1 いわゆる健康食品等の健康保持増進効果等について、著しく事実に相違する又は著しく人を誤認させるような表示を禁止することにより、表示・広告の適正化を図り、健康被害発生を未然に防止すること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 平成15年度に健康の保持増進に役立つものとして販売される食品について虚偽誇大な広告等の表示を取り締まるため健康増進法の改正を行ったところであり、これらの適正な運用を図るため、地方自治法に基づく技術的な助言として、地方厚生局、都道府県等に対し広告適正化の指針(以下単に「指針」という。)を示すとともに研修を実施し、協働で不適正広告を行う事業者の監視・指導等に当たる。

 ○ 関連する経費(平成16年度予算額)
 ・ 誇大広告等不適正表示監視等指導費 5,830千円
(評価指標) H12 H13 H14 H15 H16
健康増進法第32条の2(虚偽誇大広告)違反に対する勧告数(件) 0 0
健康食品等に関する健康被害報告数(件) 193 89 45
(備考)


2.評価

(1) 現状分析
現状分析
 いわゆる健康食品と称して販売されているものの中には、広告等において、健康の保持増進効果を期待させる虚偽又は誇大と思われる表示が行われているものが存在し、こうした虚偽又は誇大な広告等がなされた食品を購入・摂取することにより、適切な診療機会を逸してしまうおそれがある。そのため、消費者や製造業者等に対して虚偽誇大広告等禁止制度や不適正表示の改善指導のための啓発指導を行う必要があり、平成15年度には健康増進法の改正を実施した。
 平成14年度の中国製ダイエット健康食品事件を契機として設けられた健康被害報告制度は、制度の浸透とともに、全国の自治体から広く報告が寄せられるようになってきており、当該報告により安全性についての情報を収集し、消費者に適切なフィードバックを行っている。
 なお、平成16年6月には、「「健康食品」にかかる制度の在り方に関する検討会」において、「条件付き特定保健用食品」の導入、「規格基準型特定保健用食品」の創設及び「疾病リスク低減表示」の容認等について提言がまとめられ、平成17年2月等に省令改正を行った。

(2) 評価結果
政策手段の有効性の評価
 自治体等に対する研修等を通じ指針内容の啓発指導に努め、適正な制度運用を図ることにより、広告表示に自ら懸念を抱く事業者からの事前相談を促し、不適正広告の改善が図られるとともに事例の集積が図られ、より良い監視体制を築いて行くことができ、これにより健康食品等の広告・表示の適正化を効果的に推進することができる。なお、平成16年度からは、集積した事例を活用しパンフレット、事例集を作成し、事業者のみならず消費者への普及啓発を積極的に図ることとした。
政策手段の効率性の評価
 虚偽誇大広告等に関する監視については、行政指導を行うことにより不適正広告が事前に排除される結果となっており、効率的に広告の適正化が図られている。
 健康被害情報の収集については、自治体と本省で役割分担し、保健所が医師からの報告を受けると都道府県を経由して本省に情報提供する仕組みとしており、迅速な情報収集ができている。
総合的な評価
 15年度に健康の保持増進効果等に係る虚偽誇大広告等を禁止する法改正を行い、これらの適正な運用を図るために行った指導実績に照らすと、健康の保持増進効果について表示の適正化が図られており、安全性及び健康被害情報についての情報収集も行われていることから、施策目標の推進に向け進展があった。引き続き、集積した事例をもとに、監視指導のノウハウを蓄積していくとともに、パンフレット、事例集を作成し、事業者のみならず消費者への普及啓発を積極的に図り、不適正広告を一掃していく必要があり、今後の適正化の推進が期待される。
評価結果分類 分析分類
(2) (2)


3.特記事項
(1) 学識経験を有する者の知見の活用に関する事項
 「健康食品」にかかる制度のあり方に関する検討会の開催
 (平成15年4月〜平成16年6月。研究者、業界関係者等。)
(2) 各種政府決定との関係及び遵守状況
 なし。
(3) 総務省による行政評価・監視等の状況
 なし。
(4) 国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等)
 なし。
(5) 会計検査院による指摘
 なし。

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