(整理番号5)
事業評価書( |
| ・事後) |
平成17年8月
評価対象(事業名) | 女性医師バンク(仮称) | ||
担当部局・課 |
主管部局・課 | 医政局 医事課 | |
関係部局・課 |
1.事業の内容
(1) 関連する政策体系の施策目標
番号 | ||
基本目標 | 1 | 安心・信頼してかかれる医療の確保と国民の健康づくりを推進すること |
施策目標 | 2 | 必要な医療従事者を確保するとともに、資質の向上を図ること |
I | 今後の医療需要に見合った医療従事者の確保を図ること |
(2) 事業の概要
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女性医師がライフステージに応じて働くことのできる柔軟な勤務形態の促進を図り、パートタイム勤務等の職業斡旋事業を実施するため、女性医師バンク(仮称)の設立・運営を公的性格をもつ団体に委託する。 | ||||||||
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H14 | H15 | H16 | H17 | H18 | ||||
- | - | - | - | 121 |
(3) 問題分析
(1)現状分析 臨床医に占める女性医師の割合は約15%であるが、国家試験合格者では女性の占める割合は3分の1となっており、今後女性医師の割合は増加していくと予想される。また、女性医師は一般的に、出産・育児等により、一時的に臨床の場から退く機会が多い。 (2)問題点 一時的に臨床の場から退いた女性医師が、子供に手が掛からなくなったから、という理由等で臨床の場に復帰しようとしても、その間のブランク(通常1~2年)を埋めることは容易ではなく、また復帰しようとした時にフルタイムで勤務できるとは限らず、パートタイムでの勤務を希望する女性医師が多い。しかしながら、実際の求人はフルタイム勤務のものが殆どであるので、復帰を断念する女性医師も少なくない。その結果、臨床の場での医師不足感が増し、また、現場での医師不足が続くことによる激務を避けるために、勤務医の開業志向に拍車をかける結果となっている。 (3)問題分析 現状でも、民間等による「ドクターバンク」事業が行われているが、これらは採算ベースの性格が強く、加えて男女両性の医師を対象としている為、例えばフルタイムではなくパートタイム勤務等と言った、いわゆる「女性医師」特有のライフステージに応じた、きめ細かい対応を行うには限界がある。 (4)事業の必要性 以上のような問題状況を踏まえ、女性医師がライフステージに応じて働くことのできる柔軟な勤務形態の促進を図り、パートタイム勤務等の職業斡旋事業を実施するため、女性医師バンク(仮称)の設立・運営が必要である。なお、『医師の需給に関する検討会中間報告書』においても、「女性医師がライフステージに応じて働くことのできる柔軟な勤務形態の促進を図る必要がある」と記されているところである。 |
(4) 事業の目標
目標達成年度 | |||||||
政策効果が発現する時期 | 平成18年度 | ||||||
アウトカム指標 | H18 | H19 | H20 | H21 | H22 | 目標値/基準値 | |
再就業件数 |
初年度の状況により、次年度以降、数値目標を設定する。 | ||||||
(説明) 臨床の現場から離れていた女性医師の再就業件数が指標となる |
(モニタリングの方法) 再就業件数を毎年報告してもらう |
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アウトプット指標 | H18 | H19 | H20 | H21 | H22 | 目標値/基準値 | |
女性医師バンク(仮称)登録者数 | 2500人 | ||||||
再就業支援件数 | 200件 | ||||||
(説明) 臨床の現場から離れていた女性医師の女性医師バンク(仮称)登録者数及び、再就業支援件数が指標となる |
(モニタリングの方法) 登録者数及び再就業支援件数を毎年報告してもらう |
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参考指標(過去数年度の推移を含む) | H12 | H13 | H14 | H15 | H16 | ||
(説明) |
(モニタリングの方法) |
2.評価
(1) 必要性
行政関与の必要性の有無(主に官民の役割分担の観点から) |
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(理由) 民間にも医師紹介バンクはあるが、採算性を追求する性格が強く、採算性のない分野(例えば女医に特化した事業)は事業の対象としていない。このような、採算性のない分野については、国が主導的立場に立って、事業を推進することが重要である。 |
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国で行う必要性の有無(主に国と地方の役割分担の観点から) |
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(理由) 地方でのバンクもあるが、地域限定であり、全国的な医師の需要と供給のミスマッチを解消するには至っていない。また、女性医師等に特化したバンクはないことから、国が全国的な観点から、事業を推進することが重要である。 |
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民営化や外部委託の可否 |
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(理由) 情報を集めたり、適切に提供する、といったノウハウを持ったふさわしい団体に委託する予定である。 |
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緊要性の有無 |
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(理由) 医師の偏在による特定の地域や小児科、産科等の特定の診療科における医師不足は深刻な課題となっており、早急に解決する必要がある。その一方で、一時的に臨床の場から退いた女性医師は、一般的にパートタイムでの勤務を希望するも、医療機関の実際の求人はフルタイム勤務が殆どであるため、復帰を断念する女性医師が少なくない。この需要と供給のミスマッチを効率的に解消するために、女性医師バンクは必要である。 |
(2) 有効性
政策効果が発現する経路 |
女性医師バンク(仮称)を通じた紹介事業によって、女性医師への就業場所の提供が可能となり、需要と供給のミスマッチが解消される。 |
これまで達成された効果、今後見込まれる効果 |
女性医師の社会復帰が促されることにより、適材適所の人材配置が可能となり、臨床の現場での、医師不足感の解消につながる。 |
政策の有効性の評価に特に留意が必要な事項 |
平成12年12月に閣議決定された男女共同参画基本計画における、「労働者が、その価値観、ライフスタイル等に応じて、多様でかつ柔軟な働き方を選択でき、それぞれの働き方に応じた適正な処遇・労働条件が確保されることは、女性の能力発揮の促進を図る上での重要な課題となっている」という考えに合致している。 |
(3) 効率性
手段の適正性 | |||||
女性医師バンク(仮称)という形態をとることにより、多様な勤務形態を有する医療機関と女性医師の要求を効率的にマッチングすることができるため、手段として適正である。 | |||||
費用と効果の関係に関する評価 | |||||
就業希望者や受け入れ先の情報等を集約することにより、最小限の費用で十分な効果の発現が見込まれる。 | |||||
他の類似事業(他省庁分を含む)がある場合の重複の有無 |
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(有の場合の整理の考え方) |
(4) その他
(5) 反映の方向性
評価結果を踏まえ、平成18年度予算概算要求において所要の予算を要求する。 |
3.特記事項
(1)学識経験を有する者の知見の活用に関する事項 「医師の需給に関する検討会」(座長:矢崎義雄 独立行政法人国立病院機構理事長)の中間報告書(平成17年7月) (2)各種政府決定との関係及び遵守状況 (3)総務省による行政評価・監視等の状況 (4)国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等) (5)会計検査院による指摘 |