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(2−2−I)
実績評価書
平成16年8月

政策体系 番号  
基本目標 安心・快適な生活環境づくりを衛生的観点から推進すること
施策目標 麻薬・覚せい剤等の乱用を防止すること
I 国民、特に青少年に対し、薬物乱用の危険性を啓発し、薬物乱用を未然に防止すること
担当部局・課 主管部局・課 関係部局・課
関係部局・課  

1.施策目標に関する実績の状況
実績目標1 薬物乱用防止キャラバンカー、マス・メディア等を活用し、啓発を行うこと
(実績目標を達成するための手段の概要)
 薬物乱用防止キャラバンカー(全国8台)を学校や地域に派遣するとともに、「『ダメ。ゼッタイ。』普及運動」、「麻薬・覚せい剤乱用防止運動」など、各運動期間等において、各種啓発教材の配布等広報啓発活動を行っている。
(評価指標)
 薬物乱用経験者数 (生涯経験率(%))
H11 H12 H13 H14 H15
1.3 1.3 0.8
(備考)
 評価指標は、「薬物使用に関する全国住民調査」(厚生労働科学研究(医薬安全総合研究)、15歳以上の一般国民を対象)における生涯経験率。なお、当該調査は隔年で実施している。
(評価指標)
 啓発資材の配布実績(万部)
H11 H12 H13 H14 H15
233 860 168 184 403
(備考)
 ポスター・パンフレット等主な啓発資材の配布部数(万部)であり、平成10・12年度は、補正予算事業も含む。
 その他、ラジオ・テレビ等スポット放送、Jリーグ・プロ野球スタジアムでの啓発メッセージ放映、インターネット・ホームページ運営等を実施している。
(評価指標)
 薬物乱用防止キャラバンカーの稼働実績(運行箇所数)
H11 H12 H13 H14 H15
1,018 1,197 1,273 1,378 1,380
(備考)
 全国8ブロックに配備したキャラバンカーの合計運行箇所数である。
(評価指標)
 学校における薬物乱用防止教育への協力実績(回数)
H11 H12 H13 H14 H15
584 489 577 562 619
(備考)
 中学・高校などにおける薬物乱用防止教室への麻薬取締官OB等の派遣(講演)回数である。

2.評価
(1) 現状分析
現状分析
 平成15年の未成年者の覚せい剤事犯による検挙者数は、528人(平成14年は749人)と減少したが、覚せい剤全体の押収量は増加しており、憂慮すべき事態は続いている。
 また、未成年者の大麻事犯による検挙者数は約200人と減少傾向が見られず、MDMA等錠剤型合成麻薬事犯に至っては大幅に増加しているほか、これらの全体の押収量は過去最高を記録するなど、青少年を取り巻く環境は深刻な状況にある。

(2) 評価結果
政策手段の有効性の評価
 薬物乱用防止キャラバンカーについては、学校からの訪問要請が年々増加しているとともに、各種運動期間中における街頭キャンペーン(平成15年度:610カ所、約2万9千人参加)や地区大会(平成15年度:7カ所、3,900人参加)などの機会を活用し、各種啓発資材の集中的配布を行い、また、様々な媒体を通じて広報啓発を行っている。
 これらの施策を講じることにより、青少年を中心とする一般国民の薬物乱用の危険性に対する認知度の高まり等については一定の効果が得られた。
政策手段の効率性の評価
 薬物乱用対策推進本部が策定した「薬物乱用防止新五か年戦略」や犯罪対策閣僚会議が策定した「犯罪に強い社会の実現のための行動計画」の下、青少年の薬物乱用の根絶という統一目標の達成に向け、関係省庁、関係機関との緊密な連携の下に政府広報の活用、薬物乱用防止キャラバンカーによる広報等、協力体制の確立を図りつつ啓発活動を推進しており、これの施策により薬物乱用の危険性の啓発については効率的に推進されている。
総合的な評価
 青少年の薬物乱用については、平成15年の未成年者の覚せい剤事犯による検挙者数が528人(平成14年は749人)と減少するとともに、薬物乱用防止キャラバンカーの学校訪問が年々増加している他、各種運動期間中の街頭キャンペーンや大会の実施及びこれを利用した各種啓発資材の集中的配布等、様々な媒体を通じて広報啓発を行っており、これまで講じてきた啓発活動に一定の効果がみられ、施策目標の達成に向けて進展があったものと評価できる。
 しかし、覚せい剤全体の押収量は増加しているとともに、大麻やMDMA等錠剤型合成麻薬等、新たな薬物の乱用が拡大傾向にあることから、今後とも、青少年に対する啓発活動を一層充実し、薬物乱用の未然防止に取り組んでいく必要がある。
評価結果分類 分析分類
(3) (2)


3.特記事項

(1) 学識経験を有する者の知見の活用に関する事項
 なし。

(2) 各種政府決定との関係及び遵守状況
 平成15年7月に薬物乱用対策推進本部が決定した「薬物乱用防止新五か年戦略」、12月に犯罪対策閣僚会議が決定した「犯罪に強い社会の実現のための行動計画」等に基づき、以下のとおり、青少年を中心に薬物乱用防止のための各種啓発活動を推進している。
「薬物乱用防止新五か年戦略」(目標1より抜粋)
 中・高校生を中心に薬物乱用の危険性の啓発を継続するとともに、児童生徒以外の青少年に対する啓発を一層工夫充実し、青少年による薬物乱用の根絶を目指す。
「犯罪に強い社会の実現のための行動計画」
(「第4-2(1)啓発の充実等による青少年の薬物乱用の根絶」より抜粋)
 薬物乱用防止教室の開催及び地域や家庭における啓発活動の推進等により、児童・生徒を始めとする青少年に対する薬物乱用防止教育を充実するとともに、各種啓発活動の全国展開等薬物乱用の根絶等を訴える広報啓発活動を効果的に推進する。

(3) 総務省による行政評価・監視等の状況
 なし。

(4) 国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等)
衆議院青少年問題に関する特別委員会決議(平成14年12月(「青少年の薬物乱用の防止に関する件」より抜粋)
 青少年の薬物乱用の未然防止を図る予防・啓発活動については、より一層の効果を発揮するため、民間団体等との連携・協力を密接にして、広く国民各層の理解と協力を得て推進し、早期に薬物乱用を許さない社会環境を醸成すること。
 薬物に対する誤った考え方や価値観を持った青少年に対し、その偏りを正すための指導・教育をすること。

(5) 会計検査院による指摘
 なし。


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