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(6−6−I)
総合評価
〔概要〕


施策目標
(法案等名)
施策目標6−6−I
 児童虐待の発生件数を減少させること
 (「児童福祉法の一部を改正する法律案」)
1 評価テーマの設定
評価の背景事情 〔背景事情〕
 児童虐待への対応については、児童虐待の防止等に関する法律(以下「児童虐待防止法」という。)の施行(平成12年11月20日)以来、様々な取り組みが進められてきたところである。児童虐待の一つの動向を示す全国の児童相談所に寄せられる虐待の相談処理件数は、ここ数年の間に急増し続け、その増加傾向に一定の落ち着きの兆しは見られるものの、平成14年度においては、児童虐待防止法が施行される直前の平成11年度の2倍を超える約2万4千件となっている。また、質的にも困難な事例が増加してきており、本問題は依然として早急に対応すべき社会的課題である。
 児童相談所における虐待に関する相談処理件数
  11年度 12年度 13年度 14年度
  11,631件  →  17,725件  →  23,274件  →  23,738件
〔契機等〕
 児童虐待防止法の附則において「法律の施行後3年を目処とした見直しの検討」が求められていることを一つの契機として、今後の「児童虐待防止」に向けた対応の在り方について検討することとなった。
担当局課  雇用均等・児童家庭局 総務課 虐待防止対策室
 評価の実施に当たっての設定条件、事前準備
 → 情報・データの収集、測定・分析の実施方法等
実施時期
評価期間
 児童虐待防止に向けた対応の在り方について「児童虐待の防止等に関する専門委員会」で議論を行った。また、児童虐待への対応という観点のみならず、広く要保護児童及び要支援家庭に対する支援も含めた観点からその在り方についてさらに議論を深めることとし、児童福祉施設の体系や里親の在り方について「社会的養護のあり方に関する専門委員会」で検討を行った。さらに、児童相談所の在り方や市町村の役割について「社会保障審議会児童部会」において検討を行った。
 (開催状況)
  ・ 「児童虐待の防止等に関する専門委員会」
 (平成14年12月3日から平成15年6月18日)
  ・ 「社会的養護のあり方に関する専門委員会」
 (平成15年5月23日から平成15年10月27日)
  ・ 「社会保障審議会児童部会」
 (平成15年5月30日から平成15年11月17日)
評価対象  児童虐待防止対策
評価項目  児童虐待への対応など要保護児童及び要支援家庭に対する支援の在り方に関する以下の項目について見直しを行う。
 (1)  発生予防における取組
 (2)  早期発見・早期対応における取組
 (3)  保護・支援等における取組
評価に際して収集した
情報・データ及び
各種の評価手法を
用いてこれらについて
行った分析・測定の
内容
(1) 発生予防
 虐待による身体発育や知的発達等への影響
 児童虐待発生件数
 児童虐待による死亡事例発生状況
 児童相談所における虐待に関する相談処理件数
 児童福祉法第28条による施設入所措置の家庭裁判所申立て件数
 虐待の要因
 主たる虐待者の状況
 虐待ハイリスク家庭に対する保健師の支援結果

(2) 早期発見・早期対応
 児童相談所における虐待に関する相談処理件数
 児童相談所における立入調査件数
 児童相談所における被虐待児の一時保護件数
 児童福祉法第28条による施設入所措置の家庭裁判所申し立て件数
 児童相談所の設置数
 児童虐待防止市町村ネットワークの設置状況
 ネットワークの参加機関の状況

(3) 保護・支援等
 入所施設の充足率等
 児童自立支援施設退所後の家庭裁判所係属の有無とケア形態
 児童養護施設退所者の高校への進学率
 児童福祉施設退所者の退職の有無
3 評価結果のとりまとめ
評価結果 (総論)
   虐待は子どもに対する重大な権利侵害であり、その防止は社会全体で取り組むべき課題である、との認識に立つ必要がある。そして、その取組を推進するに当たっては、常に「子どもの最善の利益」への配慮を基本理念とし、以下の項目を基本に据えて施策を展開することが必要である。

(項目別)
(1)  発生予防における取組 
@  虐待は身体発育や知的発達の阻害、情緒面の問題、更に世代間連鎖なども引き起こすと言われている。
 児童虐待の発生件数は、1年間で約3万5千件と推定されるところであり、虐待の予防としては、様々な取組が行われてきたところである。
 しかしながら、虐待に関する相談処理件数は増加の一途を辿っており、質的にも困難な事例が増加してきている。
 そのため、児童虐待の発生を未然に防止するための対応が必要となるところである。

 ○  虐待は身体発育や知的発達の阻害、情緒面の問題、更に世代間連鎖なども引き起こすと言われている。
(資料出所:「子どもの虐待予防のための保健師活動マニュアル」子ども虐待予防地域保健研究会)
 ○  児童虐待の発生は年間3万5千件(児童人口:千人対1.54)程度
(資料出所:平成13年度厚生科学研究「児童虐待および対策の実態把握に関する研究」による推計)
 ○  児童相談所における虐待に関する相談処理件数
   平成11年度  11,631件
   平成14年度  23,738件
   (資料出所:福祉行政報告例)
 ○ 児童福祉法28条による施設入所措置の家庭裁判所に申立て件数
   平成11年度 88件
   平成14年度  117件
   (資料出所:福祉行政報告例)

A  虐待の要因としては、経済的困難や家庭関係のストレス、孤立した育児環境、親の社会的未成熟等が指摘されているところである。一般の子育て支援(育児学級、地域保健における子育て支援、定期乳幼児検診等)において、こうした虐待の要因を有する家庭を把握し、これらの家庭における虐待のリスクの低減を図る必要がある。また、これらの子育て支援は、市町村において実施していることから、一義的な虐待予防を含めた児童相談に関する市町村の役割を強化する必要がある。

 ○  虐待の要因
 児童虐待は、家族の抱える社会的、経済的、心理的、精神医学的な様々な要因の複合的な相互作用によって生じるものと考えられており、次のような指摘がされている
 ・ 家族の要因として、経済的困難や家庭関係のストレス、孤立した育児環境など
 ・ 親の要因として、子どもの甘えや依存を受け止められない情緒的、社会的な未成熟など
 ・ 子どもの要因として、親が否定的な感情や大きな負担感を抱いてしまうようないわゆる「育てにくい子」など
 ○  児童虐待による死亡事例の約40%は0歳児。うち70%強は6か月未満児。
(資料出所:児童虐待への対応と課題−死亡事例に学ぶII−(厚生労働省資料 児童虐待防止法施行後の事例より把握)
 ○  主たる虐待者割合(平成14年度)
 実母(63.2%)  実父(22.4%)
   実父母以外(8.3%)  その他祖父母等(6.0%)
  (資料出所:福祉行政報告例)

B  また、大阪児童虐待研究会の研究結果によれば、虐待ハイリスク家庭(6歳未満児)に対して保健師が1年間継続支援した結果、リスク低下は1割、現状維持が7割、虐待発生は2割であった。このことから、いったん特段の援助が必要な状態にまで至ってしまうと、その改善は容易ではなく、相当手厚い支援が必要となる。

 ○  虐待ハイリスク家庭(6歳未満児)に対して保健師が1年間継続支援した結果、リスク低下は1割、現状維持が7割、虐待発生は2割
(資料出所:大阪児童虐待研究会:1998年3月)

(2)  早期発見・早期対応における取組
@  虐待防止対策の中心である児童相談所に寄せられる虐待の相談処理件数は、ここ数年の間に急増し続け、平成14年度には、児童虐待防止法施行前である平成11年度の約2倍となる約2万4千件となっている。また、児童相談所による立入調査実施件数ついても、平成11年度では42件だったのが平成14年度には約5倍の192件、同様に被虐待児の一時保護件数も、平成11年度の4,319件から平成14年度には約2倍の8,369件へと増加している。
 このような状況下にあって、児童相談所の現行体制は限界に至っている。

 ○  児童相談所における虐待に関する相談処理件数(再掲)
平成11年度  11,631件
  平成14年度  23,738件
 (資料出所:福祉行政報告例)
 ○  児童相談所における立入調査件数
平成11年度 42件
  平成14年度  194件
 (資料出所:福祉行政報告例)
 ○  児童相談所における被虐待児の一時保護件数
平成11年度  4,319件
  平成14年度  8,369件
 (資料出所:福祉行政報告例)
 ○  児童福祉法第28条による施設入所措置の家庭裁判所申立て件数(再掲)
平成11年度 88件
  平成14年度  117件
 (資料出所:福祉行政報告例)
 ○  児童相談所の設置数
   平成15年度 182か所
 (資料出所:児童相談所業務報告)

A  一方、児童虐待への対応は、児童相談所を中心に保健所、福祉事務所、市町村保健センター、医療機関、警察等が連携した取組が重要であるが、市町村単位での行政の福祉窓口、保健センター、保育所、病院、警察、学校等による「児童虐待防止市町村ネットワーク」の更なる設置を進めることが必要である。

 ○  児童虐待防止市町村ネットワークの設置状況(平成15年6月)
 設置済み 967か所(3,209市町村中 30.1%)
(資料出所:児童虐待防止を目的とする市町村域でのネットワークの設置状況調査結果)
 ○  ネットワークの参加機関の状況(平成15年6月)  
教育委員会(87.6%)、保育所(85.2%)、児童相談所(78.0%)、警察署(71.7%)、小・中学校(77.7%・71.3%)の参加が高い。
(資料出所:児童虐待防止を目的とする市町村域でのネットワークの設置状況調査結果)

B  今後の虐待相談の在り方としては、実効ある虐待防止市町村ネットワークの整備を促進するとともに、児童相談は一義的には市町村が行うこととし、児童相談所は専門性の確保・向上等その機能を強化し、困難ケースや市町村支援を中心に対応する専門的機関と位置付けることとする。また、児童相談所は専門的機関として、司法関与による「介入的」機能の強化を図ることが必要である。

(3)  保護・支援等における取組
@  近年の虐待の相談処理件数の増加からも分かるように、虐待を受けた子どものその後のアフターケアも重要である。その中心となる児童養護施設に入所する児童はここ数年急増しており、入所施設の充足率をみると、児童養護施設では、平成9年度に83.0%であったものが、平成13年度は90.3%であり、乳児院では平成9年度に74.4%であったものが、平成13年度は85.5%となっており、施設は満杯状態に近い状況になっているところである。

 ○  入所施設の充足率等
  (平成9年度)   (平成13年度)
   乳児院 74.4%  → 85.5%  
   児童養護施設 83.0%  → 90.3%  
   里親委託児童数 2,155人  →  2,517人 (14年度)
   自立援助ホーム 15か所  → 21か所  
  (資料出所:福祉行政報告例)  

A  虐待を受けた児童の多くは、心身に傷を負い、情緒面・行動面の問題を抱え、家庭的な環境において、きめ細かなケアや治療が必要となっている。
 このため、子どもの個々の状況に応じてきめ細やかなケア等を行えるよう、施設におけるケア形態の小規模化、里親制度の普及・促進、各施設への個別対応職員の配置等により、虐待を受けた児童のケアの向上を図る必要がある。

 ○  児童自立支援施設退所後の家庭裁判所係属について
小舎制 23.4%
中舎制 30.8%
(資料出所:「児童自立支援施設入所児童の自立支援に関する研究」・国立武蔵野・きぬ川学院)
 ※  小舎制とは、一寮舎の児童数が15名以下の小規模なもの
 中舎制とは、一寮舎の児童数が16〜25名の中規模なもの
 より小規模な寮舎で生活した者の方が、施設退所後、問題を起こす割合が低くなっており、小規模な形態によるケアの有効性が示唆される結果となっている。

B  また、施設入所者の高等学校への進学率は86.5%と全国平均より10ポイント以上低く、退所後の就労者についても、43%の者が就職先を1年6か月以内で退職し、そのうち 6か月以内で退職したものが79%を占めている。施設退所後の生活環境の確保は困難になっており、児童自立生活援助事業(自立援助ホーム)の充実など、施設退所後の子どもの社会的自立に向けた取組が求められている。

 ○  児童養護施設退所者の高校への進学率
  全国平均  97.0%
(資料出所:平成14年度 文部科学省「学校基本調査」)
  施設入所児童 86.5%
(資料出所:平成13年度 厚生労働省家庭福祉課調べ)
 ○  平成13年度 児童福祉施設から就労自立した児童の状況
  (調査対象) 142人
  ・ 退職の有無(平成14年10月1日時点)
「続けている」  77人(54.2%)
「続いていない」  61人(43.0%) 6か月以内で48人(79%)が退職
(資料出所:東京都社会福祉協議会調べ「平成13年度就労で退所した児童の追跡調査結果」)
結果の取りまとめに
当たって講じた措置
 児童虐待防止法の附則において「法律の施行後3年を目処とした見直しの検討」が求められていることを一つの契機として、同法の施行状況等を勘案しながら、今後の「児童虐待防止」に向けた対応の在り方について、社会保障審議会児童部会等において議論を行った。
 ○  「児童虐待の防止等に関する専門委員会」
 (検討チームにおける議論を含め計14回)
 ○  「社会的養護のあり方に関する専門委員会」(計8回)
 ○  「社会保障審議会児童部会」(計6回)
4 評価結果の公表
報告書等  2つの専門委員会及び社会保障審議会児童部会における議論を踏まえ、「児童虐待への対応など要保護児童及び要支援家庭に対する支援のあり方に関する当面の見直しの方向性について」を取りまとめた。
 ○  社会保障審議会児童部会「児童虐待の防止等に関する専門委員会」報告書(平成15年6月18日取りまとめ)
 ○  社会保障審議会児童部会「社会的養護のあり方に関する専門委員会」報告書(平成15年10月27日取りまとめ)
 ○  社会保障審議会児童部会報告書「児童虐待への対応など要保護児童及び要支援家庭に対する支援のあり方に関する当面の見直しの方向性について」(平成15年11月17日取りまとめ)
5 評価結果を受けて講じようとする措置
措置内容  平成15年11月17日に取りまとめられた社会保障審議会児童部会報告書を踏まえ、次世代育成支援対策を推進するため、児童虐待などの児童と家庭をめぐる諸問題に適切に対応できるよう児童相談に関する体制の充実及び児童福祉施設・里親の在り方等の見直しを内容とする「児童福祉法の一部を改正する法律案」(要綱は別紙1)を第159国会に提出しているところである。
6 その他
評価の実施体制
 ○  「社会保障審議会児童部会」委員名簿(別紙2
 ○  「児童虐待の防止等に関する専門委員会」委員名簿(別紙3
 ○  「社会的養護のあり方に関する専門委員会」委員名簿(別紙4



別紙1

  児童福祉法の一部を改正する法律案要綱
第一 改正の趣旨
 次世代育成支援対策を推進するため、児童虐待等の問題に適切に対応できるよう児童相談に関する体制の充実、児童福祉施設の在り方の見直し等を行うとともに、慢性疾患にかかっている児童に対する医療の給付を創設する等の措置を講ずるほか、保育料の収納事務の私人への委託及び児童の売買、児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利に関する条約の選択議定書の締結を行うために必要な規定の整備を行うこと。
第ニ 児童相談に関する体制の充実
 市町村の業務等
 市町村の業務として、児童の福祉に関し、必要な実情の把握及び情報の提供を行うとともに、家庭その他からの相談に応じ、必要な調査及び指導を行うことを規定すること。(第十条第一項関係)
 市町村長は、児童の福祉に関する相談に応じる業務のうち専門的な知識及び技術を必要とするものについては、児童相談所の技術的援助及び助言を求めなければならないものとすること。(第十条第二項関係)
 政令で定める市は児童相談所を設置できることとすること。(第五十九条の四第一項関係)
 都道府県の業務等
 都道府県又はその設置する児童相談所の業務として、市町村に対する必要な援助を行うこと、児童に関する家庭その他からの相談のうち、専門的な知識及び技術を必要とするものに応ずること等を規定すること。(第十一条及び第十二条関係)
 児童相談所長は、厚生労働大臣が定める基準に適合する研修を受けなければならないものとすること。(第十二条の三第三項関係)
 大学において心理学等を専修する学科等を修めて卒業した者を児童福祉司として任用するときは、厚生労働省令で定める施設において一年以上福祉に関する相談等の業務に従事したものでなければならないこととすること。(第十三条第二項第二号関係)
 要保護児童対策地域協議会
 地方公共団体は、要保護児童の適切な保護を図るため、必要な情報の交換を行うとともに要保護児童等に対する支援の内容に関する協議を行う要保護児童対策地域協議会(以下「協議会」という。)を置くことができるものとすること。(第二十五条の二第一項及び第二項関係)
 協議会を設置した地方公共団体の長は、協議会を構成する関係機関等のうちから、協議会に関する事務を総括するとともに、要保護児童等に対する支援の実施状況を的確に把握し、関係機関等との連絡調整を行う要保護児童対策調整機関を指定するものとすること。(第二十五条の二第四項及び第五項関係)
 協議会は、1の情報の交換及び協議を行うため必要があると認めるときは、関係機関等に対し、情報の提供その他必要な協力を求めることができるものとすること。(第二十五条の三関係)
 協議会を構成する関係機関等の役職員等は、正当な理由がなく、協議会の職務に関して知り得た秘密を漏らしてはならないものとすること。(第二十五条の五関係)
第三 児童福祉施設、里親等の在り方の見直し
 乳児院及び児童養護施設の入所児童に関する年齢要件の見直し
 安定した生活環境の確保等の理由により特に必要がある場合には、乳児院に幼児を、児童養護施設に乳児を入所させることができるものとすること。(第三十七条及び第四十一条関係)
 児童自立生活援助事業における就業の支援等
 児童自立生活援助事業の目的として、当該事業の対象者に対する就業の支援を行うことを規定するとともに、当該事業の対象であった者に対する相談その他の援助を行うことを規定すること。(第六条の二第十一項関係)
 児童福祉施設を退所した者に対する援助
 児童養護施設等の児童福祉施設の目的として、当該施設を退所した者に対する相談その他の援助を行うことを規定すること。(第四十一条等関係)
 里親の定義規定を設けること。(第六条の三関係)
 監護、教育及び懲戒に関する里親の権限の明確化
 受託中の児童に対する里親の監護、教育及び懲戒に関する権限を明確化すること。(第四十七条第二項関係)
第四 要保護児童に係る措置に関する司法関与の見直し
 家庭裁判所の承認を得て行う措置の有期限化
 家庭裁判所の承認を得て都道府県が行う児童福祉施設への入所措置の期間は二年を超えてはならないものとすること。ただし、当該措置を継続しなければ著しく児童の福祉を害するおそれがあると認めるときは、家庭裁判所の承認を得て、当該期間を更新することができるものとすること。(第二十八条第二項関係)
 保護者の指導に関する家庭裁判所の勧告等
 家庭裁判所は、一の措置に関する承認の申立てがあった場合は、都道府県に対し、期限を定めて、当該申立てに係る保護者に対する指導の措置に関し報告及び意見を求めることができるものとするとともに、当該承認の審判をする場合において、当該措置の終了後の家庭その他の環境の調整を行うため当該保護者に対し指導の措置を採ることが相当であると認めるときは、当該保護者に対し指導の措置を採るべき旨を都道府県に勧告することができるものとすること。(第二十八条第五項及び第六項関係)
 児童相談所長が親権喪失の宣告を請求できる者の拡大
 児童相談所長は児童以外の満二十歳に満たない者についても、親権喪失の宣告の請求を行うことができるものとすること。(第三十三条の六関係)
第五 慢性疾患児童の健全な育成を図るための措置
 都道府県は、慢性疾患にかかっている児童等の健全な育成を図るため、当該疾患の治療方法等に関する研究に資する医療の給付を行うことができるものとすること。(第二十一条の九の二関係))
 国は、都道府県が支弁する一の給付に要する費用を補助することができるものとするとともに、都道府県知事は、患者等に対してその負担能力に応じた費用の支払いを命ずることができるものとすること。(第五十三条の二及び第五十六条第四項関係)
第六 保育料の収納事務の私人委託
 都道府県又は市町村の長は、収入の確保及び本人又はその扶養義務者の便益の増進に寄与すると認める場合に限り、保育料の収納事務を私人に委託することができるものとすること。(第五十六条第四項関係)
第七 児童の売買、児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利に関する条約の選択議定書の締結に必要な規定の整備
 児童の売買、児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利に関する条約の選択議定書(以下「議定書」という。)を締結するため、児童の心身に有害な影響を与える目的をもって、これを自己の支配下に置く行為等について、国外犯処罰規定を整備すること。(第三十四条第一項第九号及び第六十条第五項関係)
第八 その他
 罰則について必要な規定を整備すること。
 その他必要な規定を整備すること。
第九 施行期日等
 施行期日
 この法律は、平成十六年十月一日から施行すること。ただし、次に掲げる事項は、それぞれに定める日から施行すること。(附則第一条関係)
 第三の一 公布の日
 第七 議定書が日本国について効力を生ずる日
 第二(一の3を除く。)、第四及び第六 平成十七年四月一日
 第二の一の3 平成十八年四月一日
 経過措置等
 この法律の施行に関し、必要な経過措置を定めるとともに、関係法律について所要の規定の整備を行うこと。(附則第二条から第十条まで関係)



別紙2
社会保障審議会児童部会名簿


15.6.24 現在
区分 氏名 役職
本委 ◎岩男 壽美子 武蔵工業大学環境情報学部教授
慶應義塾大学名誉教授
本委 ○阿藤 誠 国立社会保障・人口問題研究所長
臨委  網野 武博 上智大学文学部教授
臨委  遠藤 俊子 山梨大学大学院医学工学総合研究部教授、医学部看護学科併任
臨委  大日向 雅美 恵泉女学園大学人文学部教授
臨委  柏女 霊峰 淑徳大学社会学部教授
臨委  津崎 哲郎 大阪市中央児童相談所長
臨委  服部 祥子 大阪人間科学大学人間科学部教授
本委  堀 勝洋 上智大学法学部教授
臨委  松原 康雄 明治学院大学社会学部社会福祉学科教授
臨委  無藤 隆 お茶の水女子大学子ども発達教育研究センター教授
臨委  山ア 高哉 佛教大学教育学部教育学科教授
臨委  渡辺 久子 慶應義塾大学医学部小児科学教室専任講師
  ◎:部会長 ○:部会長代理



別紙3
児童虐待の防止等に関する専門委員会
  委員名 役職
   
柏女 霊峰 淑徳大学 社会学部 社会福祉学科 教授
   
   (虐待の発生予防に関する検討チーム)
  川名 紀美 朝日新聞 論説委員
佐藤 拓代 大阪府健康福祉部 地域保健福祉室長
  田中 康雄 国立精神・神経センター精神保健研究所
児童・思春期精神保健部 児童期精神保健研究室長
  柳田 喜美子 日本医師会 常任理事
  山田 和子 国立保健医療科学院 公衆衛生看護部
看護マネジメント室長
   
   (虐待の早期発見・早期対応に関する検討チーム)
  青木 晋 東京家庭裁判所 判事
  影山 秀人 横浜みらい法律事務所 弁護士
  才村 純 日本子ども家庭総合研究所
ソーシャルワーク研究担当部長
津崎 哲郎 大阪市中央児童相談所長
  吉田 恒雄 駿河台大学 法学部 教授
   
   (被虐待児童に対する保護・支援等に関する検討チーム)
  奥山 真紀子 国立成育医療センター こころの診療部長
  加賀美 尤祥 日本社会事業大学 社会福祉学部 教授
  高橋 利一 法政大学 現代福祉学部 教授
  西澤 哲 大阪大学 大学院人間科学研究科 助教授

松原 康雄 明治学院大学 社会学部社会福祉学科 教授
  ( ◎:委員長  ○:副委員長  ※:座長 )



別紙4
社会的養護のあり方に関する専門委員会委員名簿

  委員名 役職
  安達 孝彦 松江赤十字乳児院 院長
  奥山 眞紀子 国立成育医療センター こころの診療部 部長
  加賀美 尤祥 児童養護施設山梨立正光生園 常務理事
日本社会事業大学 社会福祉学部 教授
  兜森 和夫 母子生活支援施設 白百合ホーム 施設長
  才村 眞理 帝塚山大学 人文科学部 教授
  坂本 正子 大阪府健康福祉部児童家庭室家庭支援課課長補佐
庄司 順一 青山学院大学 文学部 教授
  高橋 利一 児童養護施設至誠学園 統括学園長
法政大学 現代福祉学部 教授
  武田 陽一 自立援助ホーム 憩いの家 施設長
  徳地 昭男 児童自立支援施設 国立武蔵野学院 院長
  中田 浩 児童養護施設 聖家族の家 施設長
  西澤 哲 大阪大学大学院 人間科学研究科 助教授
  野田 正人 立命館大学 産業社会学部 教授
松原 康雄 明治学院大学社会学部 教授
  四方 燿子 子どもの虹情報研修センター 顧問
  ◎は委員長、○は委員長代理


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