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(6−5−III)
実績評価書
平成15年8月

政策体系 番号  
基本目標 男女がともに能力を発揮し、安心して子どもを産み育てることなどを可能にする社会づくりを推進すること
施策目標 子どもが健全に育成される社会を実現すること
III 子育て家庭の生活の安定を図ること
担当部局・課 主管部局・課 雇用均等・児童家庭局育成環境課児童手当管理室
関係部局・課  


1.施策目標に関する実績の状況

実績目標1 児童手当制度の適正な運営を図ること
実績目標を達成するための手段の概要)
 児童手当制度は、義務教育就学前の児童を養育する親等に対し、児童1人あたり月5千円(第3子以降月1万円)を支給することにより、児童養育家庭の生活の安定に寄与するとともに次代の社会を担う児童の健全育成及び資質の向上に資するものである。
(評価指標) H10 H11 H12 H13 H14
児童手当支給件数(万件) 221 241 578 677
(備考)平成14年度の支給件数については集計中。
評価指標は育成環境課調べによる。


2.評価

(1) 現状分析
現状分析
 若年層の意識実態調査(内閣府・2003年)によれば、理想よりも予定している子どもの数が少ない理由について、6割が子どもを育てるのにお金がかかると回答しており、また、平成14年国民生活基礎調査において6割の児童のいる世帯が生活が苦しいと回答している。
 児童手当制度に関しては、子育て家庭に対して行った調査によれば、子どものいる世帯のうち、70%以上が子育て支援策としての現金給付(児童手当制度)の妥当性について評価している。また、子どものいる世帯のうち、特に年収500万円未満の世帯にあっては、約85%が評価しているところである。「子育て家庭に対する支援策等に関する調査」(平成14年北場勉(日本社会事業大学助教授))

(2) 評価結果
政策手段の有効性の評価
 平成12年度において、支給対象年齢を3歳未満から義務教育就学前までに拡大したことにより、支給対象児童数が241万人から578万人となった。また、平成13年度には所得制限限度額を大幅に引き上げ、支給対象児童数は578万人から677万人となり、生活の安定を図るための支援が拡充されつつあるところである。
 また、「子育て家庭に対する支援策等に関する調査」(平成14年北場勉(日本社会事業大学助教授))において子育て支援策として子育て家庭の約半数が子育てへの経済的支援を求めており、また児童手当の妥当性について子どものいる世帯の約7割が支持するという結果が出ていること等から、制度の妥当性について評価されており、政策目標に対し有効である。
政策手段の効率性の評価
 児童手当は、現金給付方式であることから、児童を持つ家庭の生活の安定を図るための直接的な支援であり、効率的なものである。
 「子どものいる世帯に対する所得保障、税制、保育サービス等の対策に関する総合的研究」(平成14年勝又幸子(国立社会保障・人口問題研究所))において児童手当の受給経験者にその使途を調査したところ、月々の家計に足して使うもの、子どものための貯蓄、学費、衣類など子どもの特別な用途に限って使うものとする回答が大多数を占めたことから、制度趣旨に合致した効率的な制度であると評価できる。
総合的な評価
 児童手当制度は、児童養育家庭の生活の安定に寄与するとともに次代の社会を担う児童の健全育成及び資質の向上に資するという政策目的に対し有効かつ効率的な制度であり、また、児童手当の妥当性について子どものいる世帯の約7割が支持するという高い評価結果等から、目標達成に向けて進展していると考えられる。なお、経済的支援としての児童手当は、仕事と子育ての両立の推進、保育サービスの充実など各種施策が総合的に講じられることでより効果が発揮されるものと考えられる。
評価結果分類 分析分類
(3) (3)


3.政策への反映方針

 平成14年12月に与党三党で、平成15年度税制改正(配偶者特別控除の廃止)に関連して平成16年度に児童手当の支給対象年齢等を見直すことが合意されている。合意を踏まえ、制度のより一層の充実を図ることが必要である。
反映分類
(4)


4.特記事項

(1)学識経験を有する者の知見の活用に関する事項 なし
(2)各種政府決定との関係及び遵守状況
 (「地方分権推進計画」「国の行政組織等の減量、効率化等に関する基本計画」「第10次定員削減計画」「行政改革大綱」等) なし
(3)総務省による行政評価・監視等の状況 なし
(4)国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等)なし
(5)会計検査院による指摘 なし


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