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(1−6−III)
実績評価書
平成15年8月

政策体系 番号  
基本目標 安心・信頼してかかれる医療の確保と国民の健康づくりを推進すること
施策目標 品質・有効性・安全性の高い医薬品・医療用具を国民が適切に利用できるようにすること
III 医薬分業を推進すること
担当部局・課 主管部局・課 医薬食品局総務課
関係部局・課  


1.施策目標に関する実績の状況
実績目標1 地域単位での医薬分業を推進すること
(実績目標を達成するための手段の概要)
(1)医薬分業計画策定事業
 各都道府県の二次医療圏において医薬分業計画を策定する。
(2)未就業薬剤師就業促進事業
 医薬分業の進展に伴う薬剤師不足に対処し、薬局薬剤師の安定的な確保を図るために、その就業促進策の検討及び養成講座の開催等を行う。
(3)医薬分業推進協議会支援事業
 各都道府県が医薬分業計画を実施するため、市町村、三師会、地域の医療機関、薬局等の代表者からなる協議会を設け、計画に盛り込まれた施策の円滑な実施を図る。
(4)医薬分業推進支援センターの施設・設備整備
 使用頻度の低い医薬品の備蓄と薬局への譲渡、医薬品情報の収集・提供、休日夜間時の調剤などの業務を行う薬剤師会(法人)が設置する医薬分業推進支援センターの施設及び設備を整備する。
(5)薬局機能評価検討事業
 医薬分業の質の向上を目指すとともに、国民がそのメリットを十分享受できる理想的な薬局像について検討を行う。また、質の高い医療を効率的に提供するために薬局機能を評価する仕組みの導入に向けた検討を行う。
主に上記事業に対する補助を行ってきた。
(評価指標) H10 H11 H12 H13 H14
地域ごとの分業計画整備率          
(備考)
現在調査計画中。
(評価指標) H10 H11 H12 H13 H14
地域別分業率 30.5 34.8 39.5 44.5 48.8
(備考)
 評価指標は、(社)日本薬剤師会調べによる。
 数値は全国平均。地域別については別添参照。


2.評価

(1) 現状分析
現状分析
 医薬分業は、「かかりつけ薬局」において薬歴が管理されることにより、複数診療科受診による重複投薬や相互作用の有無の確認を行うことができること、薬剤師による十分な服薬指導により、医師の処方どおりの服用が期待されること等の利点があり、医薬品の適正使用には大きな利点がある。
 医薬分業は、地域格差の問題はあるが、関係者の理解と協力もあり、全体としては順調に進展してきている。

(2) 評価結果
政策手段の有効性の評価
 厚生労働省が行った各種施策は、医薬分業を推進するために必要な事項を、各地域の必要性に応じて総合的に行うものであり、分業率の上昇に見られるように、医薬分業の推進に寄与してきていると考えられる。
政策手段の効率性の評価
 医薬分業については、地域格差が大きいことから、各地域の医薬分業の進展状況もふまえつつ支援を行い、効率的に行っているといえる。
総合的な評価
 平成14年度における医薬分業率は、前年度に比べ全国平均で4%以上上昇しているなど、全国的にみても地域的に見ても医薬分業が着実に推進されていると評価できる。
評価結果分類 分析分類
(2) (2)


3.政策への反映方針

 医薬分業の推進については一定の成果が得られた地域も見られることから、医薬分業計画策定事業未就業薬剤師就業促進事業、医薬分業推進協議会支援事業については、平成15年度からは国庫補助を廃止している。今後は、医薬分業のメリットがさらに広く国民に受け入れられるよう、その質の向上を図るため、理想的なかかりつけ薬局像の検討や薬局機能を評価できる仕組みの作成・導入など、必要な施策を充実させる。
反映分類
(2)


4.特記事項

(1)学識経験を有する者の知見の活用に関する事項

(2)各種政府決定との関係及び遵守状況
(「地方分権推進計画」「国の行政組織等の減量、効率化等に関する基本計画」「第10次定員削減計画」「行政改革大綱」等)
(3)総務省による行政評価・監視等の状況
平成13年6月の総務省勧告において、医薬分業に関し、
@ 医薬分業の実地状況を把握して分業本来の目的が達成されているかどうかを評価し、その結果、必要な場合には、医薬分業及びその推進に係る施策の在り方を検討すること
A 診療や調剤に関する国民の意識・行動の実態等を踏まえ、適正かつ効果的な薬歴管理等を担保するシステムの構築を促進すること
B 医薬分業推進支援センターの設備に係る国庫補助事業については、補助の対象を、施設・設備の整備から、薬局間における医薬品の備蓄情報の共有等を目的としたネットワークシステムの構築に転換することを含め、その在り方を見直すこと
との指摘がなされたところであり、厚生労働省としては適切な措置を既に講じたところである。

(4)国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等)
 昭和54年6月5日衆議院社会労働委員会、同年9月6日参議院社会労働委員会、平成6年6月22日参議院厚生委員会、同年6月17日衆議院厚生委員会、平成8年6月17日参議院厚生委員会において、「医薬分業の推進を図ること」との旨の付帯決議が行われている。

(5)会計検査院による指摘
医薬分業の進捗状況等について、平成14年3月にヒアリングが行われている。




○都道府県別医薬分業率推移

全保険(社保・国保・老人)(単位:%)

10年度 11年度 12年度 13年度 14年度
北海道 35.9 41.8 46.5 52.1 56.3
青森 40.2 44.5 48.2 53.2 57.1
岩手 25.2 29.9 35.7 46.0 53.7
宮城 37.7 43.2 49.0 54.7 60.2
秋田 49.0 56.1 62.9 67.6 70.8
山形 28.9 33.4 39.1 45.3 48.9
福島 31.0 37.5 43.0 47.4 52.0
茨城 33.1 38.1 43.0 48.2 53.3
栃木 19.0 24 28.1 32.7 37.1
群馬 23.6 26.7 29.5 32.5 35.4
埼玉 32.4 36.7 41.9 47.4 52.4
千葉 37.3 41.5 47.5 53.0 56.6
東京 45.4 49.3 53.3 57.9 61.7
神奈川 45.4 50.1 56.2 61.7 65.9
新潟 32.5 38.7 44.5 51.6 57.8
富山 8.7 13.3 19.1 24.7 30.1
石川 6.4 8.7 12.2 17.0 23.3
福井 8.4 9.1 10.8 13.8 15.0
山梨 30.7 36 42.7 48.7 51.9
長野 25.3 30.6 37.0 43.4 48.4
岐阜 20.2 25.1 30.2 35.7 41.4
静岡 30.0 35.5 40.9 46.6 51.6
愛知 17.5 22.7 27.2 31.9 36.6
三重 19.4 23.2 28.2 34.8 38.6
滋賀 20.2 24.1 28.2 33.4 39.7
京都 10.8 15.1 19.2 22.4 25.7
大阪 15.6 18.9 23.2 28.0 32.0
兵庫 29.5 33.6 38.4 43.1 46.9
奈良 17.2 21.9 24.9 28.9 32.6
和歌山 9.0 10.7 12.9 16.3 21.8
鳥取 33.0 36.9 43.0 49.0 53.5
島根 23.5 29 32.9 37.4 40.9
岡山 24.6 28.8 33.2 38.0 41.4
広島 34.0 37.4 40.9 46.1 50.5
山口 40.3 42.9 45.7 49.5 53.3
徳島 10.0 14.7 20.7 25.3 29.9
香川 20.7 24.9 30.3 35.9 41.8
愛媛 16.2 19.2 24.2 29.4 32.0
高知 15.4 21 26.6 34.5 41.2
福岡 43.1 45.9 49.4 53.5 56.8
佐賀 53.0 56.4 58.9 63.8 67.2
長崎 39.6 44.8 48.7 52.5 57.3
熊本 34.1 38 41.1 44.7 48.4
大分 31.7 36.9 42.8 48.8 52.2
宮崎 41.9 44.8 48.4 52.1 56.8
鹿児島 38.0 42.9 46.9 50.9 54.0
沖縄 39.7 45.1 50.8 56.7 61.1
全国 30.5 34.8 39.5 44.5 48.8
 ※日本薬剤師会調べ


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