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(1−2−II)
実績評価書
平成15年10月

政策体系 番号  
基本目標 安心・信頼してかかれる医療の確保と国民の健康づくりを推進すること
施策目標 必要な医療従事者を確保するとともに、資質の向上を図ること
II 医療従事者の資質の向上を図ること
担当部局・課 主管部局・課 医政局医事課
関係部局・課 医政局指導課・歯科保健課・看護課、医薬局総務課


1.施策目標に関する実績の状況

実績目標1 医師、歯科医師の臨床研修の履修促進と内容充実を図ること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 医師の臨床研修について、研修に必要な運営経費・施設整備費の補助、臨床研修指導医養成講習会の実施などにより、その推進を図った。
 歯科医師の臨床研修について、研修に必要な運営経費・施設整備費の補助、歯科医師臨床研修指導医講習会の実施などにより、その推進を図った。
 臨床研修の必修化(医師:平成16年度から、歯科医師:平成18年度から)に向けての検討や準備を行った。
(評価指標)
医師の臨床研修の履修率
H10 H11 H12 H13 H14
86.7% 87.0% 90.2% 87.4%
(備考)
 「臨床研修病院ガイドブック2003」及び平成13年8月厚生労働省・文部科学省調べによる。平成14年度以降は未把握。
(評価指標)
歯科医師の臨床研修の履修率
H10 H11 H12 H13 H14
58.7% 61.1% 57.8%
(備考)
 医政局歯科保健課調べによるが、平成13年度以降は未実施。
実績目標2 医療従事者に対する研修等を充実すること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 がん看護や感染管理などの専門性の高い看護師の育成を促進するため、看護職員専門分野研修を実施。
 看護教育の質の向上を図るため、看護師等養成所の看護教員を対象にした看護教員養成講習会及び専任教員再教育研修を実施。
 看護師等養成カリキュラムにおける看護実習を効果的に行うため、病院、訪問看護ステーション、老人保健施設、社会福祉施設等の実習指導者を対象にした実習指導者講習会を実施。
 看護研修研究センターにおいて、看護教育の基盤の充実強化を図るための看護師等養成所の幹部教員を対象にした幹部看護教員養成課程等の研修を実施。
 看護師等の養成、資質の向上等を内容とする総合的な看護職員確保対策の一環として、訪問看護の実践者及び指導者として必要な専門的知識・技術の修得を目的とした訪問看護師指導者研修会等を実施。
 診療放射線技師、臨床検査技師、視能訓練士及び歯科技工士の養成カリキュラムにおける実習を効果的に行うため、実習施設の実習指導者を対象とした実習指導者講習会を実施。
 理学療法士・作業療法士養成所の教員や実習施設の実習指導者を対象とした教員等講習会を実施。
(評価指標)
看護職員に対する研修会等の実施回数
(回)
H10 H11 H12 H13 H14
108 132 213 317 310
(備考)医政局看護課調べ。
(評価指標) H10 H11 H12 H13 H14
 診療放射線技師実習指導者に対する講習会修了者数 (人)
84 83 85 78 78
 臨床検査技師実習指導者に対する講習会修了者数 (人)
92 78 99 138 117
 視能訓練士実習指導者に対する講習会修了者数 (人)
81 95 58 52 64
 歯科技工士実習指導者に対する講習会修了者数 (人)
15 16 14 16 26
 理学療法士・作業療法士養成所の教員等に対する講習会修了者数 (人)
127 129 128 127 126
(備考)医政局医事課調べ。
実績目標3 薬剤師の資質の向上を図ること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 医薬分業の進展や薬剤師業務の多様化に伴い、卒前教育とともに、生涯教育とりわけ実務研修の充実が必要であるため、経験豊かで適切な指導者の下で、薬剤師業務全般についての幅広い基本的な研修を行っている。
(評価指標)
 薬剤師実務研修修了者数 (人)
H10 H11 H12 H13 H14
89 95 80 56 71
(備考)当該事業は、(財)日本薬剤師研修センターが行っている研修業務への補助事業である。


2.評価

(1) 現状分析
現状分析
 国民から信頼される安全な医療を提供するため、医療技術の進歩等に伴い、医療従事者の資質の一層の向上が求められている。

(2) 評価結果
政策手段の有効性の評価
 医師及び歯科医師の臨床研修について、研修に必要な運営費等の補助、臨床研修指導医養成講習会の実施等により、内容の充実が図られている。臨床研修の履修については、医師は平成16年度から、歯科医師は平成18年度から必修化されることとなっている。
 医療従事者に対する研修等の充実という目標に対し、毎年度、着実に一定レベルの研修会等の実施回数及び講習会修了者数の実績を重ねており、概ね目標に沿った事業効果を上げているものと考える。
 薬剤師に対して研修を実施することにより、医療現場において必要とされる知識・技能・態度が改善され、薬剤師の資質の向上が図られている。
政策手段の効率性の評価
 医療従事者、養成所教員等に対して研修を実施することにより、医療現場における医療従事者の技術の向上と、基礎教育を通じての医療従事者の質の向上が相乗的に果たされている。
総合的な評価
 各種研修の実施、臨床研修の補助等、現在講じている施策により、医療従事者の資質の向上が図られ、施策目標の達成に向けて進展があったと考えられるものの、医療技術の進歩等に伴い、医療従事者の質の一層の向上を図る必要がある。
評価結果分類 分析分類
(3) (2)


3.政策への反映方針

 医師及び歯科医師の質の向上を図るため、医師及び歯科医師の臨床研修の必修化に向けた準備を引き続き進め、平成16年度から始まる医師の臨床研修必修化の円滑な実施に向けて、教育指導体制の充実を図るとともに、研修医の処遇改善を含めた環境整備を推進する。
 看護職員等医療従事者の質の向上を図るため、既存の事業内容を改善しつつ、専門性の高い看護師の育成を促進する研修等を充実させる施策を引き続き推進する必要がある。
 薬剤師が医療の担い手として、また、創薬を担う研究者として、その責務を果たしていくため、その資質を一層向上させる必要がある。薬剤師全体の資質の向上を図るためには、実務研修修了者数を増加させること、薬剤師国家試験の受験資格要件の見直しを検討すること、生涯教育の観点から卒後の研修を充実させること等が必要である。
反映分類
(2)、(4)


4.特記事項

(1)学識経験を有する者の知見の活用に関する事項
 「医道審議会医師分科会医師臨床研修検討部会」(平成14年5月)、「医療関係者審議会歯科医師臨床研修部会」(平成11年2月)、「薬剤師問題検討会」(平成14年6月)、「新医師臨床研修制度ワーキンググループ」(平成14年6月))

(2)各種政府決定との関係及び遵守状況
 なし

(3)総務省による行政評価・監視等の状況
 なし

(4)国会による決議等の状況
 平成12年11月30日参議院国民福祉委員会において、「医師及び歯科医師の臨床研修については、インフォームドコンセントなどの取組や人権教育を通じて医療倫理の確立を図るとともに、精神障害や感染症への理解を進め、更にプライマリーケアやへき地医療への理解を深めることなど全人的、総合的な制度へと充実すること。その際、臨床研修を効果的に進めるために指導体制の充実、研修医の身分の安定及び労働条件の向上に努めること。」との附帯決議がなされている。
 平成8年6月17日参議院厚生委員会において、「薬学教育や研修の充実に努めること。」との付帯決議がなされている。また、平成14年7月24日衆議院厚生労働委員会において、「医薬品技術の高度化をはじめとする保健医療を取り巻く環境の変化に対応し、薬学に関する高度な知識及び保健医療の重要な担い手としての必要な資質を有する薬剤師が求められていることを踏まえ、薬剤師の生涯研修の拡充、薬剤師国家試験の受験資格の見直し、薬学を履修する教育課程の在り方等について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすること。」との委員会決議がなされている。

(5)会計検査院による指摘
 なし


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