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(1−13−I)
実績評価書
平成15年8月

政策体系 番号  
基本目標 安心・信頼してかかれる医療の確保と国民の健康づくりを推進すること
施策目標 13 健康危機管理を推進すること
I 健康危機が発生した際に迅速に対応すること
担当部局・課 主管部局・課 大臣官房厚生科学課
関係部局・課  


1.施策目標に関する実績の状況

実績目標1  危機管理に対応するための組織を整備すること
 (実績目標を達成するための手段の概要)
 厚生労働省の健康危機管理の基本的な枠組みを定めた厚生労働省健康危機管理基本指針等に基づき、関係部局における健康危機管理についての情報交換、迅速かつ適切な健康危機管理を行うための円滑な調整を行うため、健康危機管理調整会議及び幹事会を定期及び随時に適切に開催する。
(評価指標) H10 H11 H12 H13 H14
危機管理調整会議(幹事会)の開催回数 月2+随時 月2+随時 月2+随時 月2+随時 月2+随時
(備考)
 重大な健康危機が生じた場合等において、緊急に招集し開催することとしている。
実績目標2 教育・訓練を充実すること
 (実績目標を達成するための手段の概要)
 健康危機の発生に迅速・的確に対応できるよう、地方厚生局や都道府県等の職員に対する講習会を開催する。
(評価指標) H10 H11 H12 H13 H14
 省内及び都道府県等を対象とする講習会の開催 11.2.15
開催
12.3.6
開催
12.3.14
開催
13.1.21
開催
14.1.20
開催
(備考)
 平成10年度より全都道府県の職員等を対象に年1回開催。地方厚生局は平成13年度から対象。平成13年度から2日間実施(12年度までは3日間)。
実績目標3 マニュアル、設備を整備すること
 (実績目標を達成するための手段の概要)
 平成13年から発足した地方厚生(支)局においても確実に健康危機管理業務が行えるよう、必要なマニュアルの検討等を行い、体制整備を図る。
(評価指標) H10 H11 H12 H13 H14
 地方厚生局等における健康危機管理マニュアルの策定 策定 実施
(備考)
 地方厚生(支)局における健康危機管理実施要領(平成14年1月23日厚生労働省大臣官房厚生科学課長決定)を策定し、要領に基づいた運営が実施されている。


2.評価
(1) 現状分析
現状分析
 すべての国民の生命や健康の安全を守るために、感染症、食中毒、医薬品や飲料水その他何らかの原因により生じる事態に対して、生物・化学テロへの対応を含めて、迅速かつ適切に行うことための危機管理が強く求められている。
 そのような中で、健康危機管理調整会議等を通じて、省内における健康危機に関する迅速な情報交換や、分担を定めた上での必要な対応を講じることができている。
 また、都道府県等においても、近年の危機管理への国民の関心の高まりを反映して、健康危機管理のためのマニュアルの整備等の健康危機管理に関する体制整備が進展するなど、健康危機管理の意識が徹底してきており、概ね、迅速な情報収集や対応が可能となっている。一方で、今春発生した重症急性呼吸器症候群(SARS)等の他国横断的な新興感染症やバイオテロへの対処するにはため、関係各国や国際機関と密接に連携した情報収集体制を更に強化することが必要である。

 さらに、平成13年9月の米国同時多発テロの発生を受けて、化学テロ、生物テロ等を想定した講義を重点的に実施しており、平成14年度においても、防護服の着用、除染の実演など、実践的な訓練を交えた効果的な講習の実施に努めている。

(2) 評価結果
政策手段の有効性の評価
 厚生労働省における健康危機管理の組織体制については、厚生労働省健康危機管理調整会議に関する訓令等に基づき、公衆衛生上の緊急事態等に迅速かつ適切に対処することができるよう、関係部局による健康危機管理調整会議及び幹事会を組織し、それぞれ月1回ずつ定期的に、また必要に応じて随時に開催し、関係部局を明確にしつつ必要な情報交換を行っており、組織体制は整備されてきている。
 また、教育訓練については、平成10年度から、都道府県等の職員に対する講習会を開催し、毎年120名前後の参加を得ており、平成13年度からは地方厚生局の職員も研修の対象に追加している。また、講習内容も、平成11年度は東海村JCOの臨界事故、平成13年度は米国の炭疽菌事件等を踏まえた生物・化学テロ対策の講習を実施するなど、直近の事件等を踏まえた内容としており、効果的な講習となっている。
 さらに、平成13年から発足した地方厚生(支)局における健康危機管理業務の適切かつ迅速な実施を図るため、マニュアルを整備したところであり、現在これに基づいた運用が推進されているところである。
政策手段の効率性の評価
 医薬品、食中毒、感染症、飲料水による健康被害など、各部局にわたる健康危機管理業務を適切に実施するためには、関係部局をあらかじめ明確にし、その担当官等による会議を定期及び随時に開催することが、効率性及び迅速性の観点から適当である。
 教育訓練については、地方厚生局や都道府県等の職員が一堂に会する場において、質疑を交えた講習を行うことにより、健康危機管理に必要な知識等を効率的に伝えることができている。また、マニュアル整備については、本省において、地方厚生(支)局の意見を聴きながら、効率的に有効なマニュアルを作成し、現在これに基づき効率的な業務運営がなされているところである。
総合的な評価
 健康危機管理調整会議等を通じて、省内における健康危機に関する迅速な情報交換や、分担を定めた上での必要な対応を講じており、また、都道府県等においても、近年の危機管理への国民の関心の高まりを反映して、健康危機管理のためのマニュアルの整備等の健康危機管理に関する体制整備が進展するなど、目標達成に向けて進展があった。一方で、国内のみならず、新興感染症やバイオテロへの対処するための関係各国や国際機関と密接に連携した情報収集体制の一層の強化が今後の課題として挙げられる。
評価結果分類 分析分類
(3) (3)


3.政策への反映方針

 今後とも、必要に応じ構成員を見直しながら、健康危機管理調整会議及び幹事会を適時適切に開催する。また、食品の安全性の確保に係る新たな組織の設置状況等を踏まえ、食品等の分野における安全情報の収集体制を充実・強化する。また、今春発生した重症急性呼吸器症候群(SARS)等の他国横断的な新興感染症やバイオテロへの対処するため、関係各国や国際機関と密接に連携した情報収集体制を構築する。
 さらに、講習会の開催や、健康危機管理に係る情報提供を進めるとともに、必要に応じマニュアルの充実を図るなど、継続的に取り組むこととする。
反映分類
(4)


4.特記事項

(1)学識経験を有する者の知見の活用に関する事項
 健康危機管理調整会議には、国立試験研究機関等の専門家も参加している。また、都道府県職員等に対する講習会は、国立試験研究機関等において、各分野の専門家を講師として招くなどにより実施している。

(2)各種政府決定との関係及び遵守状況
(「地方分権推進計画」「国の行政組織等の減量、効率化等に関する基本計画」「第10次定員削減計画」「行政改革大綱」等)

(3)総務省による行政評価・監視等の状況
なし

(4)国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等)
なし

(5)会計検査院による指摘
なし


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