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(8−2−I)
実績評価書
平成14年9月

政策体系 番号  
基本目標 障害のある人も障害のない人も地域でともに生活し、活動する社会づくりを推進すること
施策目標 必要な保健福祉サービスが的確に提供される体制を整備すること
I 地域における療育システムや社会復帰支援、相談支援体制を整備すること
担当部局・課 主管課 社会・援護局障害保健福祉部精神保健福祉課
関係課 社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課


1.施策目標に関する実績の状況

実績目標1 平成14年度末までに市町村障害者生活支援事業、障害児(者)地域療育等支援事業、精神障害者地域生活支援センターを人口30万人当たり概ね各2ヶ所ずつ整備すること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 市町村障害者生活支援事業、障害児(者)地域療育等支援事業については、都道府県や市町村が当該事業を実施する場合に事業費の国庫補助を行っている。
 精神障害者地域生活支援センターについては、施設整備費を補助するとともに、運営費を補助している。
(評価指標)
(1)市町村障害者生活支援事業の実施箇所数
(2)障害児(者)地域療育等支援事業の実施箇所数
(3)精神障害者地域生活支援センターの設置箇所数
  H9 H10 H11 H12 H13
(1) 42 73 109 160 調査中
(2) 132 185 234 302 調査中
(3) 53 101 188 215 調査中
(備考)
 障害者プランの実績について、毎年度調査を実施。平成13年度実績については、調査中。
実績目標2 平成14年度末までに重症心身障害児(者)等の通園事業を約1,300ヶ所整備すること
(実績目標を達成するための手段の概要)
障害児通園(デイサービス)事業については、利用者が通いやすいよう公民館等身近な場所で実施し、市町村が当該事業を実施する場合に事業費の国庫補助を行っている。
また、重症心身障害児(者)通園事業については、重症心身障害児施設・肢体不自由児施設等医療機能がある施設、障害児施設・知的障害者援護施設等において、医療機関との緊密な連携を通じ実施し、都道府県・指定都市・中核市が当該事業を実施する場合に事業費の国庫補助を行っている。
(評価指標)
重症心身障害児(者)等の通園事業の実施か所数
H9 H10 H11 H12 H13
393 458 517 582 調査中
(備考)
 障害者プランの実績について、毎年度調査を実施。平成13年度実績については、調査中。
実績目標3 平成14年度末までに精神障害者生活訓練施設を約6千人分、精神障害者社会適応訓練事業を約5千人分整備すること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 精神障害者生活訓練施設については、施設整備費を補助するとともに、運営費を補助。
 精神障害者社会適応訓練事業については、都道府県に対し補助。
(評価指標)
精神障害者生活訓練施設の整備量(人分)、精神障害者社会適応訓練事業の実施量(人分)
  H9 H10 H11 H12 H13
施設 3,073 3,579 4,089 4,499 調査中
事業 3,537 3,542 3,652 4,404 調査中
(備考)
 障害者プランの実績について、毎年度調査を実施。平成13年度実績については、調査中。
実績目標4 精神障害者の長期入院を是正すること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 精神障害者社会復帰施設の整備促進、精神障害者居宅生活支援事業の法定化など社会復帰を推進するとともに、精神科救急医療体制の拡充などの地域精神医療の充実を図っている。
(評価指標)
平均在院日数、10年以上長期入院患者率
  H9 H10 H11 H12 H13
日数 424 406 390 377 調査中
35.9% 31.1% 30.5% 29.6% 調査中
(備考)
 平均在院日数については「病院報告」より、長期入院患者率については精神保健福祉課調べ
実績目標5 平成14年度末までに精神科デイ・ケア施設を約1,000ヶ所整備すること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 地方公共団体、非営利法人に対して施設整備費を補助。
(評価指標)
精神科デイ・ケア施設の整備箇所数
H9 H10 H11 H12 H13
658 758 864 968 調査中
(備考)
 整備箇所数は、精神保健福祉課調べによる。平成13年度実績については、調査中。
実績目標6 精神保健福祉士の着実な養成を図ること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 精神保健福祉士国家試験を毎年度実施するとともに、受験資格を得る方法の一つである精神保健福祉士養成施設等を指定。
(評価指標)
精神保健福祉士登録者数
H9 H10 H11 H12 H13
4,169 6,655 9,332
(備考)
 試験は平成10年から実施。登録は平成11年から実施。
 登録者数は指定登録機関(社会福祉振興・試験センター)からの報告による。


2.評価

(1) 実績目標の達成状況の評価
実績目標1 平成14年度末までに市町村障害者生活支援事業、障害児(者)地域療育等支援事業、精神障害者地域生活支援センターを人口30万人当たり概ね各2ヶ所ずつ整備すること
有効性  市町村障害者生活支援事業については、障害保健福祉圏域(概ね人口30万人)数に2を乗じることによって導かれる目標値690か所に対し、平成12年度までの実施割合は23.2%と低調ではあるが、近年相談支援事業が持つ役割の重要性が見直されており、残り2か年(平成13年度・14年度)の新規実施か所数は大幅に増加することが見込まれている。
 障害児(者)地域療育等支援事業については、障害保健福祉圏域(概ね人口30万人)数に2を乗じることによって導かれる目標値690か所に対し、平成12年度までにその44%を実施しており、残り2か年(平成13年度・14年度)での伸びを考慮すると、実績目標を達成するために講じた手段は有効であると考えられる。
 また、精神障害者地域生活支援センターについても、施設数は事業開始以降着実に増加しているところであり、事業の有効性は認められるものと考える。
 なお、1つの障害保健福祉圏域(概ね人口30万人)に2か所実施箇所を配置することにより、地域における相談支援や療育システム、社会復帰支援が有効に実施されるものと考えられる。
効率性  市町村障害者生活支援事業、障害児(者)地域療育等支援事業及び精神障害者地域生活支援センターは、都道府県や市町村が要した事業費について、国が補助をしているものであり、都道府県は事業、配置の適正性等について審査した上で補助し、国はそれを財政的にバックアップするという形で、役割分担により効率的に事業が実施されているものと考えられる。
実績目標2 平成14年度末までに重症心身障害児(者)等の通園事業を約1,300か所整備すること
有効性  障害児通園(デイサービス)事業については、当初目標値1,002か所(20人規模型302か所、5人規模型700か所)であったが、効率的な運営を図る観点から、10人規模型でも運営できるようにしてほしいとの要望が地方自治体から多かったため、平成10年度から、新たに10人規模型の運営費補助を予算措置し、5人規模型を計画的に10人規模型へ移行した結果、当初目標値に相当するか所数は652か所(20人規模型302か所、10人規模型350か所)となった。重症心身障害児(者)通園事業の目標値236か所と合わせると修正後の目標値は888か所となり、これに対する実施率は平成12年度現在で66%である。残り2か年(13年度・14年度)での伸びを考慮すると、実績目標を達成するために講じた手段は有効であると考えられる。
効率性  障害児通園(デイサービス)事業及び重症心身障害児(者)通園事業は、都道府県や市町村が要した事業費について、国が補助をしているものであり、都道府県は事業の適正性等について審査した上で補助し、国はそれを財政的にバックアップするという形で、役割分担により効率的に事業が実施されているものと考えられる。
実績目標3 平成14年度末までに精神障害者生活訓練施設を約6千人分、精神障害者社会適応訓練事業を約5千人分整備すること
有効性  精神障害者生活訓練施設の整備事業については、昭和54年より実施し、施設数は事業開始以降着実に増加しているところであり、事業の有効性は認められるものと考えられる。
 精神障害者社会適応訓練事業についても、昭和57年より助成を行い、事業の実施量は着実に増加しており、事業の有効性は認められるものと考えられる。
効率性  精神障害者生活訓練施設の整備事業及び精神障害者社会適応訓練事業は、都道府県や市町村が要した事業費について、国が補助をしているものであり、都道府県は事業、配置の適正性等について審査した上で補助し、国はそれを財政的にバックアップするという形で、役割分担により効率的に事業が実施されているものと考えられる。
実績目標4 精神障害者の長期入院を是正すること
有効性  社会復帰の促進と地域医療の充実を図ることにより、平均在院日数及び10年以上長期入院患者率は着実に減少しているところであり、事業の有効性は認められるものと考えられる。
 なお、平均在院日数及び長期入院率は未だ高い状況にあり、社会的入院の解消を含めた更なる施策の推進が必要である。
効率性  長期入院の要因について分析した上で事業を実施しており、効率的に実施されているものと考えられる。
実績目標5 平成14年度末までに精神科デイ・ケア施設を約1,000ヶ所整備すること
有効性  精神科デイ・ケアの施設整備事業は、昭和45年より実施し、施設数は事業開始以降着実に増加しているところであり、事業の有効性は認められるものと考えられる。
効率性  精神科デイ・ケアについて、施設整備費用に対し補助を行っているが、その運営費用は診療報酬でまかなわれており、役割分担が明確な実施体制に応じた的確な支援がなされていることから、効率的に事業が実施されているものと考えられる。
実績目標6 精神保健福祉士の着実な養成を図ること
有効性  精神保健福祉士国家試験は平成10年度から実施し、試験に合格して登録した者は毎年着実に増加しているところであり、事業の有効性は認められるものと考えられる。
効率性  精神保健福祉士養成施設の指定等は厚生労働省で実施し、国家試験の事務及び合格者の登録に関する事務は(財)社会福祉振興・試験センターが実施する体制をとっており、効率的に事業が実施されているものと考えられる。

(2) 施策目標の達成状況と総合的な評価
現状分析  施設や事業実施数、精神保健福祉士の登録者数等は着実に増加しており、障害者が地域で生活するにあたって利用できるサービスは着実に増えている。一方で、計画で示された整備数と自治体における実際の整備数に乖離がある事業もある。
施策手段の適正性の評価  事業の実施等についての役割分担や的確な支援等がなされ、効率的な実施が図られており、適正な体制で事業が実施されているものと考えられる。
総合的な評価  精神障害者施策については、実績目標に掲げられたそれぞれの事業を効率的・効果的に実施し、施策目標を概ね達成している。
 重症心身障害児(者)等の通園事業については、事業実施か所数が順調に増加傾向にあり、また、障害児(者)地域療育等支援事業については、実施場所に関する制限緩和など、促進に向けての見直しが行われてきており、施策目標の達成に向けて前進している。
 今後も当該事業の促進に向けて地方自治体への要請等を行っていくことにより、地域における相談支援体制や療育システムの整備を図ることが必要であると考えている。


3.政策への反映方針

 今後とも、地方公共団体の整備計画に基づき、必要な整備の推進を図っていくことにする。


4.特記事項

(1)学識経験を有する者の知見の活用に関する事項
なし

(2)各種政府決定との関係及び遵守状況
(「地方分権推進計画」「国の行政組織等の減量、効率化等に関する基本計画」「第10次定員削減計画」「行政改革大綱」等)

障害者対策に関する新長期計画(平成5年3月 障害者対策推進本部決定)(抄)
2 教育・育成
 (1) 地域における療育体制の整備
 在宅対策、施設対策の両者を有機的関連の下に推進し、地域における療育体制の整備を図るため、次のように施策の推進を図る。
 各種障害児関連施設、心身障害児通園事業(デイサービス)、相談機関等を、地域の障害児がその必要に応じ利用できるよう、これら施設等の適正配置、施設等の間の連携等地域における療育体制の整備を進める。特に、心身に障害がある幼児のための心身障害児通園事業(デイサービス)の整備を引き続き推進する。

障害者プラン〜ノーマライゼーション7か年戦略〜(平成7年12月 障害者  推進本部)(抄)
地域で共に生活するために
2 地域における障害児療育システムの構築
 ○ 各都道府県域において、療育に関する専門的指導等を行うことのできる、障害児療育の拠点となる施設の機能の充実を図るとともに、市町村が行う心身障害児通園事業等の地域療育に対し、障害児通園施設等が指導・支援する事業を、概ね人口30万人当たり概ね2か所ずつを目標として実施する。
 ○ 在宅の障害児が身近な場所に通うことができるよう、保育所等を活用した小規模の心身障害児通園事業及び重症心身障害児(者)のための通園事業を約1,300か所を目標として計画期間内に整備する。
5 総合的な支援体制の整備
 ○ 身近な地域において、障害者に対し総合的な相談・生活支援・情報提供を行う事業を、概ね人口30万人当たり概ね2か所ずつを目標として実施する。

(3)総務省による行政評価・監視等の状況
なし

(4)国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等)
なし

(5)会計検査院による指摘
なし


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