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(5−2−II)
実績評価書
平成14年9月

政策体系 番号  
基本目標 労働者の職業能力の開発及び向上を図るとともに、その能力を十分に発揮できるような環境を整備すること
施策目標 労働力需給の動向に対応した職業能力開発を展開すること
II 介護分野、環境分野その他の新規・成長分野における職業能力開発を推進すること
担当部局・課 主管課 職業能力開発局能力開発課
関係課 職業能力開発局育成支援課、職業能力開発局特別訓練対策室


1.施策目標に関する実績の状況

実績目標1 新規・成長15分野を中心に実践的な職業訓練コースの設定、実施を図ること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 地域の産学官の関係者が参集する地域人材育成推進協議会、公共職業安定所との連携による地域の求人・求職状況、未充足求人内容等の把握により、地域の人材ニーズに応じて情報通信関連分野、介護福祉分野等の新規・成長分野を中心に実践的な訓練コースを設定・実施する。
(評価指標)
該当分野の離職者訓練受講者数
離職者訓練受講者数合計(万人)
(コース設定数)
H9 H10 H11 H12 H13


13
(約6千コース)
24
(約8千コース)
52
(約27万コース)
うち介護・福祉分野訓練受講者数(万人)
(うちコース設定数)


1.2
(約0.5千コース)
1.5
(約0.5千コース)
1.9
(約1千コース)
うち情報通信分野訓練受講者数(万人)
(うちコース設定数)

2.1
(約1千コース)
5.6
(約2千コース
12.2
(約6千コース)
(備考)
平成13年度の「訓練受講者数合計」は見込み。
平成10年度以前の分野別受講者数及びコース設定数についてはデータなし。
介護・福祉分野と情報通信分野のコース設定数は、分野訓練受講者数/1コース当たりの受講者で表したもの。
評価指標は厚生労働省「職業能力開発定例業務統計報告」による。
実績目標2 中小企業発展基盤人材育成助成金を通して、中小企業における新たな事業の発展等の基盤となる人材の育成を支援すること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 中小企業事業主が、その新たな事業展開等の発展の基盤となる高度な人材を育成するために、その雇用する労働者を海外留学、大学院等の高等教育の受講、研究機関における共同研究等に従事させた場合に、当該中小企業事業主に対し経費及び賃金の一部を助成する。
(評価指標)
中小企業発展基盤人材育成助成金支給事業所数 (件)
H9 H10 H11 H12 H13
34 191
(備考)
 21世紀人材立国計画推進事業の見直しに伴い本事業は、平成13年度をもって廃止したが、助成対象期間が2年間であることから、平成15年度まで経過措置を実施。
実績目標3 介護労働安定センターにおけるホームヘルパーの養成等を通じて、必要な人材の育成を図ること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 急速な高齢化の進展に伴う介護サービス需要の増大に対応するため、介護労働安定センターにおいて、離転職者等を対象にホームヘルパー養成研修等の介護サービス分野の教育訓練を実施する。(平成13年度計画人員 36,550人)
(評価指標)
受講者数(人)
(計画達成率)(%)
H9 H10 H11 H12 H13
20,911
(72.6)
28,975
(91.7)
30,357
(89.4)
27,190
(82.4)
25,312
(69.3)
(備考)
評価指標は(財)介護労働安定センター事業報告による。


2.評価

(1) 実績目標の達成状況の評価
実績目標1 新規・成長15分野を中心に実践的な職業訓練コースの設定、実施を図ること
有効性  新規・成長分野のうち情報通信分野、介護・福祉分野における離職者訓練全体に占める割合は、平成13年度で27%を占めており、同分野の受講人数は平成11年度の3.3万人から平成13年度は14.1万人へと拡大している。
 訓練コースの設定については、人材ニーズ、産業動向等に応じ設定していることから、該当分野の受講機会が増加することは訓練受講者にとって就職に資するものである。
効率性  新規・成長分野を中心とした訓練コースの設定・実施に当たっては、就職に資する効率的な訓練とするため、地域の人材ニーズに応じ設定しているところである。また、その実施に当たっても、公共職業能力開発施設での訓練の実施に加え、民間教育訓練機関を活用できる場合には、民間への委託訓練として実施することにより民間を活用しているところである(介護・福祉分野及び情報通信分野の平成13年度民間委託割合74%)。これらより当該訓練コースの設定・実施は効率的に実施されているものであると言える。
実績目標2 中小企業発展基盤人材育成助成金を通して、中小企業における新たな事業の発展等の基盤となる人材の育成を支援すること
有効性  本助成金は、中小企業における事業の中核となる人材の育成を目的としており、新たな事業展開や事業の高度化等を計画している事業主に対しては有効性が高いものであると思料される。
効率性  21世紀人材立国計画推進事業の見直しに伴い、本制度は平成14年3月31日をもって廃止した。(平成15年度までは経過措置が残る。)
実績目標3 介護労働安定センターにおけるホームヘルパーの養成等を通じて、必要な人材の育成を図ること
有効性  平成13年度は47都道府県において、計763回の講習を実施し、25,312人の受講者があり、介護分野に必要な人材の育成に有効であったといえる。
 達成状況については、予算の計画数36,550人に対して、69.3%の達成率となっている。
(参考)
 平成13年度ホームヘルプサービス見込量(人員換算)
  25万人(対前年度3万人増)
 資料出所:介護サービス量等の見込み(厚生労働省老健局調べ)
効率性  ホームヘルパー3級課程について、介護分野での養成ニーズが2級中心となっていることから平成13年度限りで廃止するなど、効率化を図っている。

(2) 施策目標の達成状況と総合的な評価
現状分析  有効求人倍率は0.5倍台前半を推移(厚生労働省「職業安定業務統計」)し、完全失業率も5%台後半を推移(総務省「労働力調査」)する厳しい雇用失業情勢の中、今後成長が見込まれる分野については、人材ニーズが高く、また、現状においては十分に必要とされる職業能力が普及されていないと考えられることから、職業訓練の受講による就職促進の効果が高いと見込まれるものである。
 なお、新規・成長分野の一つである情報通信関連分野に関しては、「IT普及国民運動」の一環として人材育成を求められているところでもある。
施策手段の適正性の評価  新規・成長分野を中心とした訓練コースの設定・実施については、(1)の効率性でも記したとおり人材ニーズに応じたコース設定を行うとともに、その実施については民間教育訓練機関も活用し実施しているところであり、施策手段は適正と言えるものである。
 なお、今後においては、訓練の受講をより多くの就職に結びつけるため、民間教育訓練機関を活用し委託訓練として訓練コースを実施する場合には、就職率等を踏まえた委託先の選定等の対応を実施することとしている。さらには、これまで以上に地域の人材ニーズを適切・的確に把握することも必要となる。
 中小企業発展基盤人材育成助成金については、21世紀人材立国計画推進事業の見直しに伴い、平成13年度にて廃止とした。
 介護労働安定センターにおけるホームヘルパーの養成等の施策手段については、ホームヘルパー2級の養成に重点を置くなど、介護分野の養成ニーズに対応した教育訓練を実施していることから、介護サービス分野に必要な人材の養成に一定の効果が期待できる。
総合的な評価  新規・成長分野を中心とした職業訓練コースの設定・実施については、最近の厳しい雇用失業情勢の中、離職者訓練を中心に年々その対象者数を拡大しているところである。このため人材ニーズの発生する新規・成長分野における離職者訓練コースにおいてもその実施数が年々拡大しているところである。
 これにより、新規・成長分野における職業能力開発の推進については、概ね適切に実施されているところである。今後においては、厳しい雇用失業情勢を踏まえ、より一層就職に資する訓練の実施を図ることとする。
 介護労働安定センターにおけるホームヘルパーの養成等については、事業の実施について効率化を図り、より一層達成率を上げるよう努めるものとする。
 また、介護分野の養成ニーズの動向及び講習受講者の就職状況の把握を行い、所要の見直しを図ることとする。


3.政策への反映方針

 今後の実施状況等を見極めた上で、必要に応じ事業の見直しを図る。


4.特記事項

(1)学識経験を有する者の知見の活用に関する事項
なし

(2)各種政府決定との関係及び遵守状況
 平成13年12月19日に閣議決定された「特殊法人等整理合理化計画」において、雇用・能力開発機構の助成金事業につき講ずべき措置として、「国が明確な政策目標を定め、併せて当該目標が達成された場合又は一定期間経過後には助成措置を終了することを明記する。さらに、事後評価を行い、その評価結果を踏まえて助成の在り方を適宜見直す」こととされている。

(3)総務省による行政評価・監視等の状況
なし

(4)国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等)
なし

(5)会計検査院による指摘
なし


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