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(11−3−I)
実績評価書
平成14年9月

政策体系 番号  
基本目標 11 国民生活の向上に関わる科学技術の振興を図ること
施策目標 研究の適正実施のための倫理面の整備を行うこと
I 倫理的な観点からの行政指針の策定等を推進すること
担当部局・課 主管課 大臣官房厚生科学課
関係課  


1.施策目標に関する実績の状況

実績目標1 疫学研究の分野について、平成13年度中に個人情報の保護等の観点から指針を策定すること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 関係審議会における指針策定のための議論を着実に進める。
(評価指標)
 指針の策定状況
H9 H10 H11 H12 H13
(備考)
 指針は、平成14年6月に文部科学省・厚生労働省告示第2号として策定された。


2.評価

(1) 実績目標の達成状況の評価
実績目標1 疫学研究の分野について、平成13年度中に個人情報の保護等の観点から指針を策定すること
有効性  疫学研究に当たっては、資料として人体由来試料、カルテに記載された診療情報等が用いられ得るが、個人情報保護法案の国会提出や、先端医療分野における倫理指針の策定といった状況の中、疫学研究についても、個人情報保護への十分な配慮等、倫理的な観点から研究者が遵守すべき規範の必要性が認識されつつある。
 こうした中で、行政指導のガイドラインを策定するすることにより、個人情報保護等を図りながら、疫学研究を円滑に推進することができる。なお、平成13年度においては、厚生科学審議会の専門委員会で検討を行い、概ね合意を得たところである。
効率性  標準的ガイドラインを公的に作成することにより、低コストで効率的に研究者や研究機関が個人情報保護と有益な研究の推進との調和を判断し、確保することが容易となる。

(2) 施策目標の達成状況と総合的な評価
現状分析  厚生労働省の科学研究においては、たとえば個人のプライバシーに深く関係する遺伝子情報を取り扱う研究など、個人情報の保護やインフォームド・コンセントの受領などについて研究者が遵守すべき規範づくりが求められている研究分野がある。これまでも、疫学研究に関する倫理指針のほか、ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針を策定するなど、研究の適正な推進を図ってきたところである。
施策手段の適正性の評価  倫理的な観点からの行政指針の策定は、科学研究の適正な推進を図るために必要な施策手段の一つである。
 また、科学技術基本計画(平成13年3月30日閣議決定)においても指摘されているように、今後、科学技術が一層発展し、社会と個人に大きな影響を及ぼすことが予想されるので、社会的コンセンサスの形成に努めることや倫理面でのルール作りを行うことが不可欠である。
総合的な評価  平成13年度までにおける目標は概ね達成されているが、今後、臨床研究の分野など、行政指針の策定が求められている分野について、検討を進めることが必要である。


3.政策への反映方針

 臨床研究の分野について、倫理指針の策定に係る検討を進める。


4.特記事項

(1)学識経験を有する者の知見の活用に関する事項
 厚生科学審議会科学技術部会「疫学的手法を用いた研究等の適正な推進の在り方に関する専門委員会」において検討を行った。

(2)各種政府決定との関係及び遵守状況
(「地方分権推進計画」「国の行政組織等の減量、効率化等に関する基本計画」「第10次定員削減計画」「行政改革大綱」等)
 ・科学技術基本計画(平成13年3月30日閣議決定)において、「科学技術が一層発展し、社会と個人に大きな影響を及ぼすことが予想されるので、社会的コンセンサスの形成に努めることや倫理面でのルール作りを行うことが不可欠である」等とされている。
 ・規制改革推進3か年計画(平成13年3月30日閣議決定)において、「疫学研究等について、医学全体の発展を通じた公衆衛生の向上等の公益の実現を図る観点から、個人情報の保護を図りながら、情報の適正な利活用を可能にする仕組みについて検討し、早急に整備する」こととされた。

(3)総務省による行政評価・監視等の状況
なし

(4)国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等)
なし

(5)会計検査院による指摘
なし


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