政策体系 | 番号 | |
基本目標 | 1 | 安心・信頼してかかれる医療の確保と国民の健康づくりを推進すること |
施策目標 | 9 | 新医薬品・医療用具の開発を促進するとともに、医薬品産業等の振興を図ること |
III | バイオ技術、ナノ技術等の先端技術を活用し、画期的な医薬品、医療用具等の研究開発を推進すること | |
担当部局・課 | 主管課 | 医政局研究開発振興課 |
関係課 |
1.施策目標に関する実績の状況
実績目標1 | 画期的な医薬品、医療用具等の開発の促進による治癒率の向上、患者のQOLの向上を図ること | |||||
(実績目標を達成するための手段の概要) 画期的医薬品や医療用具等のシーズ開発研究費の確保、治験等の臨床研究実施に 必要なCRCの養成や治験活性化のモデル事業の実施等の基盤整備事業等を実施している。 |
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(評価指標) 新医薬品・医療用具の承認取得数(件) |
H9 | H10 | H11 | H12 | H13 | |
82 | 55 | 72 | 52 | 29 | ||
(備考) 新薬及び新医療用具の集計数。 |
2.評価
(1) 実績目標の達成状況の評価
実績目標1 | 画期的な医薬品、医療用具等の開発の促進による治癒率の向上、患者のQOLの向上を図ること | |
有効性 | 最近の科学技術研究のうち、ライフサイエンス分野に関しては、先進各国とも経済発展の牽引分野として位置づけ、重点領域化して取組みを強化しており、特に研究開発費の絶対額の差は日米で拡大し、例えば、画期的な医薬品開発技術のイノベーションに期待の高い「ゲノム創薬」関連の研究開発水準は欧米に遅れている点は否めない。これに対し、我が国におけるミレニアム・ゲノム・プロジェクト等の集中的予算配分によるライフサイエンスの充実に関しては、海外との競争力強化等の観点から一定の効果が認められる。また、「ゲノム創薬」においては、研究者が取り扱う生命関連データ(SNPs、疾患関連遺伝子、タンパク質データ等)の量が飛躍的に増加しているため、ITとバイオ技術を融合させて新薬に結びつける情報を引き出す技術を駆使して、研究スピードを引き上げることが必要となっており、そのような研究分野への重点的配分の実施も、今後一定の効果が期待されているところである。 さらに、治癒率やQOLの向上させるための画期的医薬品の実用化に向けては、治験を含む臨床研究が不可欠であるが、治験の空洞化等の問題を抱える我が国において、企業単独では実施の困難な、CRCの養成等の臨床研究の推進に向けた基盤整備の実施についての政策的有効は高いと考えられる。 |
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効率性 | 我が国のミレニアム・ゲノム・プロジェクト等のライフサイエンス分野への集中的予算配分を行う科学技術政策は、効率的な研究資源配分がなされるべく、総合科学技術会議を頂点として、その研究に関して多角的視点から分析・評価の実施により、政府間での効率的な運営を実施しているところである。また、厚生労働省においては、さらに個別の研究分野に係る評価について、「厚生科学研究に係る評価の実施方法に関する指針」に基づき、外部評価委員からなる評価を実施し、研究の一層の活性化を図るため、画一的、短期的な視点のみにとらわれないよう留意しつつ、評価結果を研究費等の研究開発資源の重点的・効率的配分、研究開発計画の見直し等の研究企画に適切に反映している。 |
(2) 施策目標の達成状況と総合的な評価
現状分析 | 21世紀に入って、ヒトの遺伝子が解読され、ゲノム科学やタンパク質科学等を応用した新しい創薬手法(「ゲノム創薬」と呼ばれている)による新薬開発競争が激化しており、その成果が本格的に現れる10年後の2010年頃には、「新薬黄金時代」を迎えることが予想され、急速な高齢化が進展する我が国においても、活力ある長寿社会の実現のための実用化が期待されている。しかしながら、医薬品・医療機器が開発され医療の現場に流通するまでには、膨大な研究費用と長い研究期間を要するとともに、国民の生命・健康を守るために必要不可欠な安全確保に資する厳しい薬事規制等のハードルを越えなくてはならない。 また、近年は、医薬品の研究開発を巡って製薬企業間によるグローバルな競争が激化しているが、残念ながら、創薬環境として我が国の市場は国際的に魅力的なものとはなっておらず、このままでは、我が国の医薬品等産業の国際競争力は将来弱体化していく可能性が高い。 |
施策手段の適正性の評価 | 我が国の医薬品産業の活性化を図ることによって最終的に目指そうとするしていることは、「治療方法のない難病に有効であったり、肉体的に負担の大きい手術を回避してQOLを向上させるなど質の高い医療が国民にできるだけ早く合理的な価格で提供されること」の実現である。その実現に向けては、国際競争力を有するための研究開発の重点的推進が不可欠である。 施策の適正性等を含めた評価については、これまで「厚生科学研究に係る評価の実施方法に関する指針」に基づき、事前評価、中間評価、事後評価として、適時に適切に実施してきたところであるが、今後さらに、旧「国の研究開発全般に共通する評価の実施のあり方についての大綱的指針」(内閣総理大臣決定)が平成13年11月に改定されたことを踏まえ、「厚生労働省の科学研究開発評価に関する指針」の改定を実施したところであり、本指針に基づいて、さらなる評価における公正さと透明性の向上を図るべく、例えば、第三者評価・外部評価の推進、評価者の専任等に関するルールの明確化、評価結果の公開方法の明確化等の実施を通じ、施策の手段の適正な評価に努めることとしている。 |
総合的な評価 | 現在、ミレニアム・ゲノム・プロジェクト(H12〜16年の5ヶ年プロジェクト)等の国家的事業により、研究資源を集中的・重点的に配分した施策を展開しており、今後の成果に期待するところであるが、今後さらに、ポストゲノム研究及びその産業応用で巻き返しを図るため、創薬に直結する可能性の高い疾患関連たんぱく質の解析研究やSNPs(遺伝子多型))の研究等「医薬品産業ビジョン」で記載されるアクションプランの着実な実施が必要である。 |
3.政策への反映方針
「生命の世紀」とも言われる21世紀において、重点分野の一つであるライフサイエンス分野の柱となる医薬品・医療機器産業は、国民の保健医療水準の向上に資するだけでなく、我が国を担うリーディング産業として、国民経済の発展にも大きく貢献することが期待される。医薬品・医療機器産業の発展により、国民には最先端医療へのアクセスが約束され、生活習慣病への対処、大手術の回避等により、社会的・経済的損失や物理的・精神的負荷の軽減がもらたされるとともに医療の効率化が図られる。また、国内の自然科学分野のレベルの向上や、新事業の創出等を通じてGDPの増加や雇用の発展をもたらすことができることから、厚生労働科学研究費補助金、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構基礎研究費補助金等の施策を平成15年度概算要求において、対前年度比100億円強の増額要求のうえ、重点4分野の一つであるライフサイエンス関係の「人間力の向上・発揮−科学技術」に位置づけている。 |
4.特記事項
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