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(1−7−III)
実績評価書
平成14年9月

政策体系 番号  
基本目標 安心・信頼してかかれる医療の確保と国民の健康づくりを推進すること
施策目標 血液製剤の国内自給を推進するとともに、安全性の向上を図ること
III 血液製剤の安全性の向上を図ること
担当部局・課 主管課 医薬局血液対策課
関係課  


1.施策目標に関する実績の状況

実績目標1 各種抗体検査等を実施すること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 安全かつ良質な血液製剤を供給するため、各種抗原・抗体検査、核酸増幅検査(NAT)等が実施されている。
(評価指標)
検査項目数
H9 H10 H11 H12 H13
3項目 3項目 4項目 4項目 4項目
(備考)
 血液型検査、抗原・抗体検査、生化学検査、核酸増幅検査(平成11年度より核酸増幅検査を追加)
(評価指標)
検査実施率 (%)
H9 H10 H11 H12 H13
100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
(備考)
 血液型検査、抗原・抗体検査及び生化学検査は、全ての献血血液について実施されており、これらの検査に合格した血液について核酸増幅検査が実施されている。
実績目標2 複数回献血を推進すること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 血液製剤の一層の安全性を図る観点から、個々の献血者に係る複数回献血を推進するため、「複数回献血検討会」における関係者の議論を通じ、我が国に相応しい複数回献血の推進のための環境整備方策を検討している。
(評価指標)
平均献血回数
H9 H10 H11 H12 H13
(備考)
 複数回献血検討会における検討は平成13年度から開始している。


2.評価

(1) 実績目標の達成状況の評価
実績目標1 各種抗体検査等を実施すること
有効性  輸血後肝炎(HBV、HCV)の発症率を見ると、20年前(14.3%)や10年前(2.1%)と比較し、NAT等の新たな検査法を導入した後は、0.48%未満と大幅に減少している。
実績目標2 複数回献血を推進すること
有効性  献血後に一定期間経過した時点で、同一者に再度献血してもらうという複数回献血は、献血血液の安全性を確認した上で、前回の献血血液を血漿分画製剤の原料血漿として利用する(クアランティン(検疫保管)機能を活用)ことができることから、ウインドウ・ピリオド対策として有効である。
※「ウインドウ・ピリオド」:感染直後であってウイルスへの感染を検出できない期間

(2) 施策目標の達成状況と総合的な評価
現状分析  NAT等新たな検査法の導入により、一層安全性の高い血液製剤が提供されている。また、複数回献血の推進方策等について、現在、「複数回献血検討会」において検討中。
施策手段の適正性の評価  現在実施されている各種抗体検査等は、血液製剤の安全性確保に有効であり、今後、複数回献血と組み合わせることにより、一層の安全性が確保される。
総合的な評価  NAT等新たな検査の導入によりウインドウ・ピリオドの短縮は可能となったが、それでも血液を介した感染の危険性をゼロにすることはできないことから、今後、複数回献血を推進するとともに、最新の技術を導入すること等により、一層の血液製剤の安全性の向上に努めていく必要がある。


3.政策への反映方針

 血液製剤によるHIV感染という悲惨な被害の発生について、重大な責任を深く自覚、反省し、医薬品等による悲惨な健康被害を再び発生させることがないよう各種施策に取り組んでいるところである。
 さらに、「採血及び供血あつせん業取締法」改正により、血液製剤の安全性の向上に係る各般の規定を設けるとともに、薬事法改正により、血液製剤を含む生物由来製品について所要の安全対策を講じることとしている。


4.特記事項

(1)学識経験を有する者の知見の活用に関する事項
特になし

(2)各種政府決定との関係及び遵守状況
(「地方分権推進計画」「国の行政組織等の減量、効率化等に関する基本計画」「第10次定員削減計画」「行政改革大綱」等)
特になし

(3)総務省による行政評価・監視等の状況
特になし

(4)国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等)
特になし

(5)会計検査院による指摘
特になし


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