事業評価書( |
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・事後) |
評価対象(事務事業名) | 医薬品等医療技術リスク評価研究経費(仮称) | |
担当部局・課 | 主管課 | 医薬局総務課 |
関係課 | 大臣官房厚生科学課、医薬局審査管理課、安全対策課、監視指導・麻薬対策課、血液対策課 |
番号 | ||
基本目標 | 11 | 国民生活の向上に関わる科学技術の振興を図ること |
施策目標 | 2 | 研究を支援する体制を整備すること |
I | 厚生科学研究費補助金の適正かつ効果的な配分を確保すること |
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21世紀は、『生命の世紀』といわれ、ゲノム・遺伝子発現解析やタンパク質の構造・機能解析を応用した画期的な新薬の創製や新しい医療技術が開発されると期待されている。また、人又は動物の細胞、組織等に由来する原材料を用いて製造される「生物由来製品」による再生医療などについても、その高い有用性に期待が寄せられている。世界に例を見ない少子高齢社会を目前に控えた我が国にとっては、活力ある長寿社会実現のためにも、このような先端の研究成果を社会に効率よく還元することが求められている。 このような中、安全かつ有効な医薬品・医療機器を提供するために、開発段階、製造段階、及び、市販後段階において、科学的手法によるリスク評価・管理を行うことが不可欠であり、規格・基準の策定、評価法・試験法の開発等を行い、そして、科学技術の発展に対応できるようそれらを一層高度化させていく必要がある。特に、ヒト乾燥硬膜やHIV感染の発生に見られるように、「生物由来製品」には、原材料に由来する感染リスク等について、特段の注意を払う必要がある場合があり、「生物由来製品」に係るリスク評価法と管理技術の確立は、重要な課題となっている。 一方、平成14年通常国会に提出している「薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律案」においては、(1)リスクの低い医療機器について第三者認証制度を導入し国の審査をリスクの高い医療機器へ重点化するなどの医療機器に係る抜本的安全対策の見直し、(2)「生物由来製品」について製造から使用に至る一貫した品質管理・安全確保体制の導入、(3)製造業許可の見直しやマスターファイル制度の導入などの市販後安全対策の充実と承認・許可制度の見直し、の3つの柱に加え、医療機関が行う臨床研究に係る薬事法上の適用関係の明確化、科学的水準の向上等を踏まえた既承認製品の承認内容の見直し、日本薬局方に関する規定の見直し、などを行うこととしており、このような改正を実効あるものとするための研究を行う必要がある。 また、医薬品・医療機器の分野における評価法等については、国際調和を図ることが重要である。医薬品については日米EU医薬品規制調和国際会議(ICH)、医療機器については、日米EU加豪による医療機器規制国際整合化会議(GHTF)、国際標準化機構(ISO)及び国際電気標準会議(IEC)において、国際的整合性が図られてきており、今後これらを踏まえ、日本国民の保健衛生の確保を図りつつ、知的部分を含む資源の国際的な有効活用についての科学的議論を進めるための研究を行う必要がある。 以上により、医薬品・医療機器等に関して、(1)開発段階におけるリスク評価・有効性評価手法の開発と高度化、(2)製造段階における品質管理技術の近代化、(3)市販後における副作用情報等の収集、解析、及び、迅速な安全対策の実施、(4)規制の国際調和の推進、の観点から、関係省庁との連携の下に総合的かつ計画的な研究を推進する必要がある。 そのため、本事業においては、このような行政上必要な研究について公募を行い、専門家、行政官による事前評価等により採択された研究課題について補助金を交付する。なお、得られた研究成果については、適切に行政施策に反映させることを想定している。 |
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H11 | H12 | H13 | H14 | H15 | |||||
600 | 750 |
(1)現状分析 近年の科学技術の急速な進展に伴い、画期的な新薬の創製等が期待されており、品質・有効性・安全性の高い医薬品が迅速に提供され、それらが安全に使用されることが望まれている。また、血液製剤の国内自給を推進するとともに、安全性の向上を一層図ることが必要である。しかしながら、現状の承認審査体制、安全対策体制等では、そのような期待、必要性に今後必ずしも充分に対応できない可能性がある。 (2)原因分析 承認審査や安全対策については、これまでも充実強化を図ってきたところであるが、近年、科学技術が急速に進展したこと、医療の質に対する国民の関心が向上したこと等により、より高い水準が求められるようになった。 (3)問題点 科学技術の急速な進展に対応できるよう、医薬品、医療機器等の規格・基準の策定、評価法・試験法の開発等を行い、そして、それらを一層高度化させていく必要がある。特に、ヒト乾燥硬膜やHIV感染の発生に見られるように、「生物由来製品」には、原材料に由来する感染リスク等について、特段の注意を払う必要がある場合があり、「生物由来製品」に係るリスク評価法と管理技術の確立は、重要な課題となっている。 (4)事務事業の必要性 医薬品・医療機器等に関して、(1)開発段階におけるリスク評価・有効性評価手法の開発と高度化、(2)製造段階における品質管理技術の近代化、(3)市販後における副作用情報等の収集、解析、及び、迅速な安全対策の実施、(4)規制の国際調和の推進、の観点から、科学的手法による医薬品・医療機器のリスク評価・管理技術の高度化を図るため、必要な研究について公募を行い、研究を推進する。なお、得られた研究成果については、適切に行政施策に反映させることを想定している。 |
目標達成年度(又は政策効果発現時期) | 平成16年度以降 | |||||
アウトプット指標 | H15 | H16 | H17 | H18 | H19 | 目標値/基準値 |
研究課題採択数 | ||||||
(説明) 実際に採択された課題の数をアウトプット指標とする。なお、採択課題数が多いほど、行政上適切であるとは限らない。また、研究成果については、事後評価委員会を設置し、専門家及び行政官による事後評価を行う。 |
(モニタリングの方法) |
公益性の有無(主に官民の役割分担の観点から) |
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(理由) 品質・有効性・安全性の高い医薬品・医療機器を国民が適切に利用できるようにするためには、行政が適正な規制を行う必要がある。 |
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国で行う必要性の有無(主に国と地方の役割分担の観点から) |
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(理由) 医薬品・医療機器は日本国内を流通するものであり、原則として国が統一した規制を設ける必要がある。 |
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民営化や外部委託の可否 |
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(理由) 本事業は、行政上必要な研究課題について公募を行い、採択課題に対し補助金を交付し、その研究成果を施策に反映させることを想定しているものである。従って、本事業そのものを民営化、外部委託することは困難であるが、事務的な手続きを外部に委託することは可能である。また、補助金を受けた研究者が、調査や資料の解析を外部に委託することは現状でも行っている。 |
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緊要性の有無 |
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(理由) 科学技術の進展に伴って開発が期待される画期的な医薬品・医療機器を、迅速かつ安全に提供するため、規格・基準の策定、評価法・試験法の開発や高度化等を迅速に行う必要がある。また、平成14年通常国会に提出している薬事法等の改正案においては、「生物由来製品」について製造から使用に至る一貫した品質管理・安全確保体制を導入することとしているが、当初、施行期日を公布後3年以内と規定していたが、参議院における修正により、「生物由来製品」に関する規定については公布後1年以内に施行することとされたため、リスク評価・管理に関する研究を特に重点的に行う必要がある。 |
政策効果が発現する経路 | |||||||
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これまで達成された効果、今後見込まれる効果 | |||||||
厚生科学研究においては、これまでも、医薬品、医療用具等の有効性・安全性を評価する上で基礎となる毒性発現メカニズムの解明、薬物間相互作用機序の解明、簡便で制度・信頼度の高い安全性試験法の開発、毒性評価・臨床評価方法等に関する研究を行ってきたところである。 今後も、近年の科学技術の発展に対応したより高度な試験法、評価法の開発等が必要とされており、今後も、これらの研究を引き続き行うことは、有効かつ安全な医薬品・医療機器の提供に資すると考えられる。 |
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政策の有効性の評価に特に留意が必要な事項 | |||||||
手段の適正性 | ||||||||
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効果と費用との関係に関する分析 | ||||||||
定量的な評価は困難だが、研究の成果を反映させて科学技術の進歩に対応した適正な規制を行うことにより、先端の技術を利用した画期的な医薬品・医療機器を迅速に提供し、かつ、安全対策を充実させることにより、医薬品による副作用等の発現を減少させることが出来、国民の保健衛生の向上に資すると考えられる。 | ||||||||
他の類似施策(他省庁分を含む)がある場合の重複の有無 |
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(有の場合の整理の考え方) |
なし |
(1)学識経験を有する者の知見の活用に関する事項 なし (2)各種政府決定との関係及び遵守状況 なし (3)総務省による行政評価・監視等の状況 なし (4)国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等) なし (5)会計検査院による指摘 なし |