各研究事業の概要及び新規課題採択方針等
第3次対がん総合戦略研究事業(仮称)平成15年7月に策定した「第3次対がん10か年総合戦略」(平成16年度からの10年間)においては、我が国の死亡原因の第1位であるがんについて研究、予防及び医療を総合的に推進することにより、がんの罹患率と死亡率の激減を目指してがん対策を強力に推進することとしている。そのために、がんの臨床的特性の分子基盤等の研究を行うことにより、がんのさらなる本態解明を進めるとともに、その成果を幅広く応用するトランスレーショナル・リサーチを推進する。また臨床研究・疫学研究の新たな展開により革新的な予防、診断、治療法の開発を進めるとともに、根拠に基づく医療の推進を図るため、効果的な医療技術の確立を目指し質の高い大規模な臨床研究を推進する。 |
(1)第3次対がん総合戦略研究事業(仮称)
研究分野1 発がんの分子基盤に関する研究
発がんの外的要因・宿主要因のもたらすジェネティック・エピジェネティックな遺伝子異常が、いかに遺伝子発現の異常を介してがんの多様な病理学的特性の決定に寄与するかを臨床材料を対象として詳細に検討し、ヒトの諸臓器における多段階発がん過程のシナリオの全貌を明らかにする。得られた知見のがん予防・診断・治療への応用を目指す。 |
(1) | 疾患モデルを用いた発がんの分子機構および感受性要因の解明とその臨床応用に関する研究(16270101) |
< | 新規課題採択指針> 課題採択にあたっては以下の点を考慮した総合的な研究を優先する。
研究費の規模:1課題当たり70,000千円程度(1年当たり) 研究期間:3年 新規採択予定課題数:1課題程度 |
(2) | ヒトがんで高頻度に変異の見られるがん関連遺伝子の発がんにおける意義の解明とその臨床応用に関する研究(16270201) |
< | 新規課題採択指針> 課題採択にあたっては以下の点を考慮した総合的な研究を優先する。
研究費の規模:1課題当たり70,000千円程度(1年当たり) 研究期間:3年 新規採択予定課題数:1課題程度 |
(3) | その他、発がんの分子基盤に関する特に重要な研究(16270301) 研究費の規模:1課題当たり10,000〜30,000千円程度(1年当たり) 研究期間:3年 新規採択予定課題数:2課題程度 |
研究分野2 がんの臨床的特性の分子基盤に関する研究
浸潤能・転移能・血管新生能などのがんの個性を規定する分子機構や、遺伝学的背景・がんに対する応答などの宿主の個性を解明し、個々の症例に最も適した治療法を選択する予知医療の実現につなげる。 |
(1) | がんの生物学的特性の分子基盤の解明とその臨床応用に関する研究(16270401) |
< | 新規課題採択指針> 課題採択にあたっては以下の点を考慮した総合的な研究を優先する。
研究費の規模:1課題当たり70,000千円程度(1年当たり) 研究期間:3年 新規採択予定課題数:1課題程度 |
(2) | がんの臨床的特性に関する分子情報に基づくがん診療法の開拓的研究(16270501) |
< | 新規課題採択指針> 課題採択にあたっては以下の点を考慮した総合的な研究を優先する。
研究費の規模:1課題当たり70,000千円程度(1年当たり) 研究期間:3年 新規採択予定課題数:1課題程度 |
(3) | その他、がんの臨床的特性の分子基盤に関する特に重要な研究(16270601) 研究費の規模:1課題当たり10,000〜30,000千円程度(1年当たり) 研究期間:3年 新規採択予定課題数:2課題程度 |
研究分野3 革新的ながん予防法の開発に関する研究
化学予防方法の確立・発がんに関与するウイルスに対するワクチンや持続感染阻害剤の開発・効果的な禁煙支援法の開発・がんを予防するために行うべき生活習慣の提示により、我が国のがん罹患率の減少を目指す。 |
(1) | がん化学予防剤の開発に関する基礎及び臨床研究(16270701) |
< | 新規課題採択指針> 課題採択にあたっては以下の点を考慮した総合的な研究を優先する。
研究費の規模:1課題当たり100,000千円程度(1年当たり) 研究期間:3年 新規採択予定課題数:1課題程度 |
(2) | ウイルスを標的とするがん予防法の開発に関する研究(16270801) |
< | 新規課題採択指針> 課題採択にあたっては以下の点を考慮した総合的な研究を優先する。
研究費の規模:1課題当たり70,000千円程度(1年当たり) 研究期間:3年 新規採択予定課題数:1課題程度 |
(3) | 効果的な禁煙支援法の開発と普及のための制度化に関する研究(16270901) |
< | 新規課題採択指針> 課題採択にあたっては以下の点を考慮した総合的な研究を優先する。
研究費の規模:1課題当たり30,000千円程度(1年当たり) 研究期間:3年 新規採択予定課題数:1課題程度 |
(4) | その他、革新的ながん予防法の開発に関する特に重要な研究(16271001) 研究費の規模:1課題当たり10,000〜30,000千円程度(1年当たり) 研究期間:3年 新規採択予定課題数:2課題程度 |
研究分野4 革新的な診断技術の開発に関する研究
高速PET・カプセル内視鏡などの新しい診断機器の開発、がん画像自動診断装置・がん画像レファレンスデータベースなどの診断支援システムの構築、バイオテクノロジーの先端技術を用いた腫瘍マーカーの開発を通して、がん検診・がん診断の精度・効率の飛躍的向上を目指す。 |
(1) | 新しい診断機器開発による診断能精度向上に関する研究(16271101) |
< | 新規課題採択指針> 課題採択にあたっては以下の点を考慮した総合的な研究を優先する。
研究費の規模:1課題当たり100,000千円程度(1年当たり) 研究期間:3年 新規採択予定課題数:1課題程度 |
(2) | その他、革新的な診断技術の開発に関する特に重要な研究(16271201) 研究費の規模:1課題当たり10,000〜30,000千円程度(1年当たり) 研究期間:3年 新規採択予定課題数:2課題程度 |
研究分野5 革新的な治療法の開発に関する研究
ロボット技術・コンピュータ技術の導入によるがん外科手術の革新、陽子線治療の特性を生かした放射線治療の革新、がんの免疫・遺伝子・細胞療法や治療分子標的の同定によるテーラーメイド医療の確立などにより、がん治療成績の飛躍的向上を目指す。 |
(1) | 新しい薬物療法の導入とその最適化に関する研究(16271301) |
< | 新規課題採択指針> 課題採択にあたっては以下の点を考慮した総合的な研究を優先する。
研究費の規模:1課題当たり70,000千円程度(1年当たり) 研究期間:3年 新規採択予定課題数:1課題程度 |
(2) | 新戦略に基づく抗がん剤の開発に関する研究(16271401) |
< | 新規課題採択指針> 課題採択にあたっては以下の点を考慮した総合的な研究を優先する。
研究費の規模:1課題当たり70,000千円程度(1年当たり) 研究期間:3年 新規採択予定課題数:1課題程度 |
(3) | その他、革新的な治療法の開発に関する特に重要な研究(16271501) 研究費の規模:1課題当たり10,000〜30,000千円程度(1年当たり) 研究期間:3年 新規採択予定課題数:2課題程度 |
研究分野6 がん患者のQOLに関する研究
QOLの科学的評価法の確立・QOLへの障害を最小化した根治的がん治療体系の構築・再生医学を応用した治療後の機能再生法の開発・リハビリテーションならびに患者支援プログラムの開発・cancer survivorに対する医療資源の整備により、がん患者のQOLの飛躍的向上を目指す。 |
(1) | QOLの向上をめざしたがん治療法の開発研究(16271601) |
< | 新規課題採択指針> 課題採択にあたっては以下の点を考慮した総合的な研究を優先する。
研究費の規模:1課題当たり70,000千円程度(1年当たり) 研究期間:3年 新規採択予定課題数:1課題程度 |
(2) | QOL向上のための各種患者支援プログラムの開発研究(16271701) |
< | 新規課題採択指針> 課題採択にあたっては以下の点を考慮した総合的な研究を優先する。
研究費の規模:1課題当たり30,000千円程度(1年当たり) 研究期間:3年 新規採択予定課題数:1課題程度 |
(3) | がん生存者(Cancer survivor)のQOL向上に有効な医療資源の構築研究(16271801) |
< | 新規課題採択指針> 課題採択にあたっては以下の点を考慮した総合的な研究を優先する。
研究費の規模:1課題当たり30,000千円程度(1年当たり) 研究期間:3年 新規採択予定課題数:1課題程度 |
(4) | その他、がん患者のQOLに関する特に重要な研究(16271901) 研究費の規模:1課題当たり10,000〜30,000千円程度(1年当たり) 研究期間:3年 新規採択予定課題数:2課題程度 |
研究分野7 がんの実態把握とがん情報の発信に関する研究
標準化された院内がん登録・地域がん登録システムを全国レベルでのがん死亡・罹患情報の一元管理につなげ、迅速で的確な動向分析・がん対策策定を可能にする。最新ネットワーク技術に基づくがんカンファレンスシステム構築により、全国的ながん診療支援をはかる。対話型情報提供システムを構築して、国民への情報発信を展開する。 |
(1) | 効果的ながん情報提供システムに関する研究(16272001) |
< | 新規課題採択指針> 課題採択にあたっては以下の点を考慮した総合的な研究を優先する。
研究費の規模:1課題当たり70,000千円程度(1年当たり) 研究期間:3年 新規採択予定課題数:1課題程度 |
(2) | その他、がんの実態把握とがん情報の発信に関する特に重要な研究(16272101) 研究費の規模:1課題当たり10,000〜30,000千円程度(1年当たり) 研究期間:3年 新規採択予定課題数:2課題程度 |
(2)がん臨床研究事業(仮称)
<新規課題採択指針> 我が国におけるエビデンスの確立に資するよう、必要な症例数の集積が可能な班構成により実施される、がんのより効果的かつ効率的な予防、診断、治療等を確立するための質の高い臨床研究並びに全国的に質の高いがん医療の均てん化に資するための臨床研究。 研究費の規模:1課題当たり10,000〜40,000千円程度(1年当たり) 研究期間:1〜3年 新規採択予定課題数:17課題程度 |
<公募研究課題>
研究分野1(政策分野に関する研究)
(1) | がん臨床研究の戦略的推進及び効率的均てん化のための研究(16280101) |
(2) | 地域がん診療拠点病院の機能向上に関する研究(16280201) |
(3) | 効果的かつ効率的ながん専門医の育成方法に関する研究(16280301) |
(4) | がん患者の心のケア及び医療相談等のあり方に関する研究(16280401) |
研究分野2(診断・治療分野に関する研究)
(1) | 局所限局小細胞肺がんの集学的治療に関する研究(16280501) |
(2) | 局所限局非小細胞肺がんの集学的治療に関する研究(16280601) |
(3) | 高度進行胃がんの治療に関する研究(16280701) |
(4) | 膵がんに対する補助化学療法に関する研究(16280801) |
(5) | 切除不能膵がんに対する治療法の確立に関する研究(16280901) |
(6) | 再発高危険群の大腸がんに対する術後補助化学療法に関する研究(16281001) |
(7) | 大腸がん肝転移症例の術後補助化学療法に関する研究(16281101) |
(8) | 大腸ポリープ切除が大腸がん予防に及ぼす効果の評価並びに術後の検査間隔の適正化に関する研究(16281201) |
(9) | 消化管悪性腫瘍に対するリンパ節郭清に関する研究(16281301) |
(10) | 進行卵巣がんの集学的治療に関する研究(16281401) |
(11) | 浸潤性膀胱がんの集学的治療に関する研究(16281501) |
(12) | 難治性悪性リンパ腫の治療に関する研究(16281601) |
(13) | その他、重要性及び緊急性が特に高い臨床研究(16281701) |
公募研究事業計画表![]() |