アクセシビリティ閲覧支援ツール

添付一覧

添付画像はありません

○相◆互接続防止コネクタに係る国際規格◆(ISO(IEC)80369シリーズ)の導入について

(平成29年10月4日)

(/医政総発1004第1号/薬生薬審発1004第1号/薬生機審発1004第1号/薬生安発1004第1号/)

(各都道府県・各保健所設置市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省医政局総務課長、厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長、厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課長、厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課長通知)

(公印省略)

我が国では、「医療事故を防止するための医療用具に関する基準の制定等について(注射筒型手動式医薬品注入器基準等)」(平成12年8月31日付け医薬発第888号厚生省医薬安全局長通知)に基づき、経腸栄養ラインを通じて内服投与される液剤を血管内に誤注入する等のリスクを防止する観点から、内服投与する投与ラインと血管内に薬液を注入する輸液ラインのコネクタは物理的に誤接続できないよう対応を図ってきたところです。

近年、製品分野間の相互接続を防止するコネクタに係る国際規格注)(ISO(IEC)80369シリーズ。以下「新規格」という。)の制定が進められており、我が国においても医療事故防止対策の推進や、国際的な整合による製品の安定供給のため、新規格の導入に向けた施策を検討しております。

今後、新規格に基づく製品が順次上市される見込みですが、製品分野によっては新規格製品と既存規格製品との間で、非かん合となる場合(別紙参照)があり、各医療機関における医療安全に関する管理上の影響が懸念されます。そのため、新規格製品の導入に際しては下記の点について留意いただくよう、貴管下の関係業者及び医療機関等への周知方お願いします。また、介護施設等を所管する介護保険担当主管部(局)への周知につきましても併せてお願いします。

なお、各製品分野の既存規格製品から新規格製品への切替え期間等については、必要に応じて別途お知らせする予定です。

1.関係する製造販売業者等(販売業者を含む。)は、市場における新規格製品と既存規格製品が相互で非嵌合となり医療現場で使用不能となるリスクを検証し、切替えに関してあらかじめ医療機関等と十分に調整を図り、必要な情報提供を行うこと。また、自社の既存規格製品の供給を終了する時期について適時必要な情報提供を行うこと。

2.医療機関等は、関係する製造販売業者等より十分な情報提供を受け、施設内の適切な在庫管理等、医療安全の確保を行うこと。

3.誤接続防止の観点から、既存規格製品と新規格製品を接続するためのコネクタ(以下「変換コネクタ」という。)は、原則として、使用しないこと。

なお、必要に応じて、変換コネクタを限定的に使用する際の取扱いについて、製品分野ごとに別途通知する場合があること。

注)医療機器(医薬品たるコンビネーション製品(プレフィルドシリンジ等)の機械器具部分も含む。)の接続に使用される小口径(コネクタ内部の直径が8.5mm以下のもの)のルアーコネクタについて、異なる製品分野で使用されるそれぞれのコネクタ同士の相互接続を不可能として誤接続を防止することを目的に、国際標準化機構(International Organization for Standardization:ISO)と国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission:IEC)とが合同で新たなコネクタの規格(ISO(IEC)80369シリーズ)の制定を進めています。当該規格の一般要求事項であるISO 80369―1は平成22年12月に制定されており、ISOとIECは現時点では次の6種類の製品分野に係る製品群の新規格制定を進めています。

規格番号

製品分野

ISO 80369―2

呼吸器システム及び気体移送

ISO 80369―3

経腸栄養

ISO 80369―4

泌尿器

IEC 80369―5

四肢のカフ拡張

ISO 80369―6

神経麻酔注3)(脊椎麻酔、硬膜外麻酔及び神経ブロック)

ISO 80369―7

皮下注射及び血管系等

注1)枝番は規格制定の順ではない。

注2)※の規格は既に制定済み。

注3)皮下用の注射針等を使用する一部の神経麻酔を除く。

別紙

◆互接続防止コネクタに係る国際規格◆(ISO(IEC)80369シリーズ)の概要

国際規格のISO(IEC)80369シリーズでは、ベッドサイドで起こりうるコネクタ接続を下図の6種のアプリケーションに分類し、医療事故を防止するため、相互の非嵌合性を規定しています。

図提供:一般社団法人日本医療機器テクノロジー協会

未だISO規格の制定が行われていないものもありますが、ISO(IEC)80369シリーズ準拠品(新規格製品)は、既存規格製品との間で非嵌合が発生し、そのままでは両製品を同時に使用することが出来なくなる場合があります。

ただし、新規格は、皮下注射及び血管系等のコネクタ規格を起点に他製品分野との相互接続防止が検討されたことから、皮下注射及び血管系等のコネクタは、新規格製品となっても既存製品コネクタとの非嵌合が発生しません。

各製品分野の切替え期間やコネクタ概要等については、平成29年秋以降に神経麻酔分野から順次お知らせする予定です。