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○「職域におけるがん検診に関するマニュアル」の策定について

(平成30年3月29日)

(/健が発0329第2号/保保発0329第2号/)

(全国健康保険協会理事長・健康保険組合理事長あて厚生労働省健康局がん・疾病対策課長、厚生労働省保険局保険課長通知)

(公印省略)

平素より健康保険制度の円滑な実施について、格段のご尽力を賜り厚く御礼申し上げます。

「がん対策推進基本計画」(平成30年3月9日閣議決定)において、「国は、職域におけるがん検診を支援するとともに、がん検診のあり方について検討する。また、科学的根拠に基づく検診が実施されるよう、職域におけるがん検診関係者の意見を踏まえつつ、「職域におけるがん検診に関するガイドライン(仮称)」を策定し、保険者による◆データヘルス◆等の実施の際の参考とする」旨が記載されています。

今般、別添のとおり、職域におけるがん検診をより効果的に行うことができるよう、その技術的な側面の参考として、「職域におけるがん検診に関するマニュアル」を策定し、本年3月29日付けで公表しましたので、その内容についてご理解をいただいた上で、保健事業を実施するに当たっての参考としてください。なお、職域におけるがん検診については、保険者や事業者が、福利厚生の一環として任意で実施するものであることを申し添えます。

[別添]

職域におけるがん検診に関するマニュアル

平成30年3月

厚生労働省

内容

Ⅰ.はじめに

Ⅱ.目的

Ⅲ.がん検診の種類

1.胃がん検診

2.子宮頸がん検診

3.肺がん検診

4.乳がん検診

5.大腸がん検診

(参考) がん検診の推奨のレベルについて

Ⅳ.がん検診の精度管理

Ⅴ.健康情報の取扱いについて、保険者及び事業者が留意すべき事項

Ⅵ.その他

Ⅶ.おわりに

(別添1)

精度管理のためのチェックリスト(厚生労働省が作成)

(別添2)

仕様書に明記すべき必要最低限の精度管理項目(国立がん研究センターが作成)

Ⅰ.はじめに

国は、第3期のがん対策推進基本計画(以下「基本計画」という。)においては、「がん予防」を、「がん医療の充実」や「がんとの共生」と並んで、計画の3本柱の1つとして位置付けている。がん検診については、がんの早期発見・早期治療につなげるため、また、がんの死亡率を更に減少させていくためには、がん検診の受診率向上及び精度管理の更なる充実が必要不可欠として、「がん検診の受診率の目標値を50%とすること」及び「精密検査受診率の目標値を90%とすること」を個別目標として掲げている。

平成28年国民生活基礎調査によれば、がん検診を受けた者の約30~60%が職域におけるがん検診を受けているとされており、職域におけるがん検診は、国民に受診機会を提供するという意味でも、我が国のがん対策において、非常に重要な役割を担っている。

しかしながら、職域におけるがん検診は、法的根拠がなく、保険者や事業者が、福利厚生の一環として任意で実施しているものであり、検査項目や対象年齢等、検診の実施方法は様々であるのが実態である。

一方、平成28年11月に、「がん検診のあり方に関する検討会」においてとりまとめられた「がん検診のあり方に関する検討会における議論の整理」においては、「職域におけるがん検診を効果的に行うためには、「職域におけるがん検診に対するガイドライン」を、職域におけるがん検診関係者の意見を踏まえつつ策定し、保険者や事業主はがん検診を任意で実施する際に、これを参考とすることが望ましい。」とされている。

また、基本計画においても、「「職域におけるがん検診に関するガイドライン(仮称)」を策定し、保険者による◆データヘルス◆等の実施の際の参考とする。」とされている。

こうしたことを踏まえ、平成29年7月から、「職域におけるがん検診に関するワーキンググループ」を設置し、職域におけるがん検診について、計4回の検討を行い、「職域におけるがん検診に関するマニュアル」のとりまとめを行ったので、ここに提示する。

Ⅱ.目的

本マニュアルは、がんが国民の生命及び健康にとって重大な問題となっている現状に鑑み、職域におけるがん検診の実施に関し参考となる事項を示し、がんの早期発見の推進を図ることにより、がんの死亡率を減少させること等を目的とする。

Ⅲ.がん検診の種類

がん検診の種類は、次に掲げる検診とする。

1.胃がん検診

2.子宮頸がん検診

3.肺がん検診

4.乳がん検診

5.大腸がん検診

1.胃がん検診

(1) 検査項目

問診に加え、胃部エックス線検査又は胃内視鏡検査のいずれかとする。胃部エックス線検査及び胃内視鏡検査を併せて提供しても差し支えないが、この場合、受診者は、胃部エックス線検査又は胃内視鏡検査のいずれかを選択するものとする。

(2) 対象年齢

50歳以上の者。ただし、胃部エックス線検査については、当分の間、40歳以上の者を対象としても差し支えない。

(3) 受診間隔

原則として、2年に1回。胃部エックス線検査を年1回実施しても差し支えない。

2.子宮頸がん検診

(1) 検査項目

子宮頸がん検診の検診項目は、問診、視診、子宮頸部の細胞診及び内診とし、必要に応じて、コルポスコープ検査を行う。

(2) 対象年齢

20歳以上の女性。

(3) 受診間隔

原則として、2年に1回。

3.肺がん検診

(1) 検査項目

質問(医師が立ち会っており、かつ医師が自ら対面により行う場合において、「質問」とあるのは「問診」と読み替える。)、胸部エックス線検査及び喀痰細胞診とする。喀痰細胞診は、質問の結果、原則として50歳以上で喫煙指数(1日本数×年数)が600以上であることが判明した者(過去における喫煙者を含む。)に対して行う。

(2) 対象年齢

40歳以上の者。

(3) 受診間隔

原則として、1年に1回。

4.乳がん検診

(1) 検査項目

乳がん検診の検診項目は、問診及び乳房エックス線検査(マンモグラフィをいう。以下同じ。)とする。なお、視診及び触診(以下「視触診」という。)は推奨しないが、仮に実施する場合は、乳房エックス線検査と併せて実施すること。

(2) 対象年齢

40歳以上の女性。

(3) 受診間隔

原則として、2年に1回。

5.大腸がん検診

(1) 検査項目

問診及び便潜血検査とする。

(2) 対象年齢

40歳以上の者。

(3) 受診間隔

原則として、1年に1回。

(参考) がん検診の推奨のレベルについて

がん検診の推奨のレベルについては、AからD及びIの5段階の推奨度が用いられている(表1)。推奨A及びBは、死亡率減少効果を認め、かつ、不利益も比較的小さいことから、対策型がん検診でも任意型がん検診でも実施が推奨されている。推奨Cは、死亡率減少効果は認められるが、無視できない不利益があるため、対策型がん検診として実施することは推奨されていない。推奨Iは、現段階では死亡率減少効果が不明であることから、対策型検診として実施することは推奨されていない。

表1:がん検診の推奨のレベル1

推奨

表現

任意型がん検診

対策型がん検診

A

利益(死亡率減少効果)が不利益を確実に上回ることから、対策型検診・任意型検診の実施を勧める。

推奨する

推奨する

B

利益(死亡率減少効果)が不利益を上回るがその差は推奨Aに比し小さいことから、対策型検診・任意型検診の実施を勧める。

推奨する

推奨する

C

利益(死亡率減少効果)を示す証拠があるが、利益が不利益とほぼ同等か、その差は極めて小さいことから、対策型検診として勧めない。

任意型検診として実施する場合には、安全性を確保し、不利益に関する説明を十分に行う必要がある。その説明に基づく、個人の判断による受診は妨げない。

個人の判断に基づく受診は妨げない

推奨しない

D

利益(死亡率減少効果)のないことを示す科学的根拠があることから、対策型検診・任意型検診の実施を勧めない。

不利益が利益(死亡率減少効果)を上回ることから、対策型検診・任意型検診の実施を勧めない。

推奨しない

推奨しない

I

死亡率減少効果の有無を判断する証拠が不十分であるため、利益と不利益のバランスが判断できない。このため、対策型検診として実施することは勧められない。任意型検診として実施する場合には、効果が不明であることと不利益について十分説明する必要がある。その説明に基づく、個人の判断による受診は妨げない。

適切な説明に基づき、個人レベルで検討する

推奨しない

現在、我が国において、推奨のレベルがC、D、Iとされているがん検診については、以下の通りである。なお、推奨のレベルは、今後、国内外の知見を収集した結果、必要に応じて見直されるものであり、がん検診のあり方については、がん検診のあり方に関する検討会等の議論も踏まえ、検討されるものである。

胃がん検診(推奨のレベルI)2

ヘリコバクターピロリ抗体検査(単独法)

ペプシノゲン検査とヘリコバクターピロリ抗体検査の併用法

子宮頸がん検診(推奨のレベルI)3

HPV検査を含む検診方法

・HPV検査(単独法)

・HPV検査と細胞診の同時併用法

・HPV検査陽性者への細胞診トリアージ法

肺がん検診(推奨のレベルI)4

低線量CT

乳がん検診(推奨のレベルI)5

視触診単独法

超音波検査(単独法・マンモグラフィ併用法)

40歳未満(マンモグラフィ単独法及びマンモグラフィと視触診の併用法)

大腸がん検診(推奨のレベルC)6

S状結腸鏡検査

S状結腸鏡検査と便潜血検査化学法の併用法

全大腸内視鏡検査

注腸X線検査

大腸がん検診(推奨のレベルD)6

直腸指診

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1 平成16年度厚生労働省がん研究助成金 がん検診の適切な方法とその評価法の確立に関する研究班「有効性評価に基づくがん検診ガイドライン作成手順」を基に、国立がん研究センター社会と健康研究センター検診研究部検診評価研究室が作成

2 国立がん研究センターがん予防・検診研究センター「有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン2014年度版」

3 平成20年度厚生労働省がん研助成金 がん検診の適切な方法とその評価法の確立に関する研究班、平成21年度厚生労働省がん研究助成金 がん検診の評価とあり方に関する研究班「有効性評価に基づく子宮頸がん検診ガイドライン」

4 平成18年度厚生労働省がん研究助成金 がん検診の適切な方法とその評価法の確立に関する研究班「有効性評価に基づく肺がん検診ガイドライン」

5 国立がん研究センターがん予防・検診研究センター「有効性評価に基づく乳がん検診ガイドライン2013年度版」

6 平成16年度厚生労働省がん研究助成金 がん検診の適切な方法とその評価法の確立に関する研究班「有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン」

Ⅳ.がん検診の精度管理

がん検診の実施に当たっては、科学的根拠に基づく検診を、適切な精度管理の下で実施することが重要である。このため、検診実施機関、保険者及び事業者は、職域におけるがん検診の実態の把握に努めることが望ましい。

保険者及び事業者が、がん検診の精度管理を行う際には、別添の「精度管理のためのチェックリスト」等により、がん検診受診率、要精検率、精検受診率、がん発見率等の「がん検診の精度管理指標」(表2)7に基づく評価を行うことが望ましい。

検診実施機関においては、既に「事業評価のためのチェックリスト(検診実施機関用)」8を用いて市町村(特別区を含む。以下同じ。)が実施するがん検診の精度管理を行うこととされているため、職域におけるがん検診においてもこれに準拠し、がん検診受診率、要精検率、精検受診率、がん発見率等の精度管理指標の評価を行うことが望ましい。

なお、要精検率、がん発見率、陽性反応的中度は、受診者の年齢分布に大きく依存するため、市町村が実施するがん検診に比べて比較的若年層の受診者が多い職域におけるがん検診では、これらの値が「がん検診の精度管理指標」(表2)と乖離する可能性がある。こうしたことから、厚生労働省としては、今後、がん検診のあり方に関する検討会等の議論も踏まえ、職域におけるがん検診の実態に即した、精度管理指標を示す予定である。

表2:がん検診の精度管理指標7


乳がん

子宮頸がん

大腸がん

胃がん

肺がん

精検受診率

許容値

80%以上

70%以上

目標値

90%以上

未把握率

許容値

10%以下

目標値

5%以下

精検未受診率

許容値

10%以下

20%以下

目標値

5%以下

精検未受診・未把握率

許容値

20%以下

30%以下

20%以下

目標値

10%以下

要精検率(許容値)

11.0%以下

1.4%以下

7.0%以下

11.0%以下

3.0%以下

がん発見率(許容値)

0.23%以上

0.05%以上

0.13%以上

0.11%以上

0.03%以上

陽性反応的中度(許容値)

2.5%以上

4.0%以上

1.9%以上

1.0%以上

1.3%以上

(参考) がん検診の事業評価について9

市町村が実施するがん検診の事業評価については、平成20年3月に厚生労働省「がん検診事業の評価に関する委員会」がとりまとめた報告書である「今後の我が国におけるがん検診事業評価の在り方について」(以下「報告書」という。)において、その基本的な考え方が示されている。

報告書において、がん検診の事業評価は、一義的にはアウトカム指標としての死亡率により行われるべきであるが、死亡率減少効果が現れるまでに相当の時間を要すること等から、「技術・体制的指標」と「プロセス指標」による評価を徹底し、結果として死亡率減少を目指すことが適当とされた。この「技術・体制的指標」として、「事業評価のためのチェックリスト」及び「仕様書に明記すべき最低限の精度管理項目」が示されており、「プロセス指標」として、がん検診受診率、要精検率、精検受診率、陽性反応適中度、がん発見率等の許容値が示されている。

がん検診の事業評価を行うに当たっては、「事業評価のためのチェックリスト」等により実施状況を把握するとともに、がん検診受診率、要精検率、精検受診率等の「プロセス指標」に基づく評価を行うことが不可欠である。

──────────

7 がん検診事業の評価に関する委員会「今後の我が国におけるがん検診事業評価の在り方について 報告書(平成20年3月)」別添6を基に作成

8 国立がん研究センター「事業評価のためのチェックリスト(検診実施機関用)平成28年改訂版」

9 「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」(健発第0331058号平成20年3月31日厚生労働省健康局長通知別添)(以下「指針」という。)を基に記載

Ⅴ.健康情報の取扱いについて、保険者及び事業者が留意すべき事項

保険者や事業者が、受診者の個人情報を取り扱う際には、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号。以下「法」という。)や、各種ガイドライン等10、11、12、13に留意する必要がある。

例えば、疾病の予防及び早期発見のための健康診断その他の検査の結果は、法に規定する要配慮個人情報14に該当するため、保険者や事業者が、精度管理を行うためなどがん検診データを取得する際には、利用目的を特定した上であらかじめ受診者本人の同意を得る必要がある。

(参考) 個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)10

・ 「本人の同意」について(24ページより抜粋)

「本人の同意」とは、本人の個人情報が、個人情報取扱事業者によって示された取扱方法で取り扱われることを承諾する旨の当該本人の意思表示をいう(当該本人であることを確認できていることが前提となる。)。また、「本人の同意を得る」とは、本人の承諾する旨の意思表示を当該個人情報取扱事業者が認識することをいい、事業の性質及び個人情報の取扱状況に応じ、本人が同意に係る判断を行うために必要と考えられる合理的かつ適切な方法によらなければならない。

・ 本人の同意を得ている事例について(24ページより抜粋)

事例1) 本人からの同意する旨の口頭による意思表示

事例2) 本人からの同意する旨の書面(電磁的記録を含む。)の受領

事例3) 本人からの同意する旨のメールの受信

事例4) 本人による同意する旨の確認欄へのチェック

事例5) 本人による同意する旨のホームページ上のボタンのクリック

事例6) 本人による同意する旨の音声入力、タッチパネルへのタッチボタンやスイッチ等による入力

・ 要配慮個人情報の取得や第3者提供について(12ページ、35ページより抜粋)

要配慮個人情報の取得や第3者提供には、原則として本人の同意が必要であり、法第23条第2項の規定による第3者提供(オプトアウトによる第3者提供)は認められていないので、注意が必要である。

要配慮個人情報を、法第23条第5項各号に定める委託、事業承継又は共同利用により取得する場合は、あらかじめ本人の同意を得る必要はない。

・ 第3者に該当しない場合について(51ページより抜粋)

次の①から③までの場合については、個人データの提供先は個人情報取扱事業者とは別の主体として形式的には第3者に該当するものの、本人との関係において提供主体である個人情報取扱事業者と一体のものとして取り扱うことに合理性があるため、第3者に該当しないものとする。

①個人情報取扱事業者が利用目的の達成に必要な範囲内において個人データの取扱いの全部又は一部を委託することに伴って当該個人データが提供される場合

②合併その他の事由による事業の承継に伴って個人データが提供される場合

③特定の者との間で共同して利用される個人データが当該特定の者に提供される場合であって、その旨並びに共同して利用される個人データの項目、共同して利用する者の範囲、利用する者の利用目的及び当該個人データの管理について責任を有する者の氏名又は名称について、あらかじめ、本人に通知し、又は本人が容易に知り得る状態に置いているとき

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10 個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)(平成28年11月個人情報保護委員会。平成29年3月一部改正)

11 医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス(平成29年4月14日付個情第534号個人情報保護委員会事務局長・医政発0414第6号厚生労働省医政局長・薬生発0414第1号厚生労働省医薬・生活衛生局長・老発0414第1号厚生労働省老健局長通知)

12 健康保険組合等における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス(平成29年4月14日個人情報保護委員会、厚生労働省)

13 雇用管理分野における個人情報のうち健康情報を取り扱うに当たっての留意事項(個情第749号/基発0529第3号平成29年5月29日個人情報保護委員会事務局長・厚生労働省労働基準局長通知)

14 法第2条第3項及び、個人情報の保護に関する法律施行令第2条

Ⅵ.その他

1.適切ながん予防の促進

(1) がんの1次予防・2次予防の推進

生涯のうちに、日本人の約2人に1人ががんに罹患し15、年間約86万人が新たにがんと診断されており、このうち約30%が就労世代(20―64歳)であると推計されている16。一方、我が国のがん検診の受診率は、胃がん(男性)46.4%、胃がん(女性)35.6%、肺がん(男性)51%、肺がん(女性)41.7%、大腸がん(男性)44.5%、大腸がん(女性)38.5%、子宮頸がん(過去2年)42.4%、乳がん(過去2年)44.9%であり17、50%に届いていない。

がんの罹患者や死亡者の減少を実現するためには、避けられるがんを防ぐことが重要であり、喫煙、過剰飲酒等の生活習慣、ウイルスや細菌の感染等のがんのリスクの減少(1次予防)及び、がん検診(2次予防)の推進を図ることが必要である。

(2) 事業者と産業医、検診実施機関の連携

事業者が産業医を選任している場合においては、労働者の健康管理等を行うために、事業者は産業医と連携することが考えられる。一方、産業医が選任されていない場合においては、健康情報の取扱いに留意した上で、精密検査が必要と判定された受診者が実際に精密検査を受けるよう、事業者や検診実施機関が当該受診者を促す等、事業者と検診実施機関が連携することが考えられる。

(3) がんに関する知識の普及啓発

がんの死亡率を減少させるには、がんに関する正しい知識を持つことが重要であり、職域においても、がんの教育や普及啓発に一層取り組む必要がある。市町村においては、指針9にも示されている通り、がん検診を受診することの重要性について普及啓発を図るよう努めることとされているが、保険者、事業者及び検診実施機関においても、がん検診を受診することの重要性についての普及啓発を行い、がん検診の受診率を高める等の取組を行うことが望ましい。また、国及び地方公共団体が講ずるがん検診に関する正しい知識の普及啓発等の施策に協力することが求められる18

また、がん検診により、がんが存在しないのに陽性と判断されて不必要な検査を受ける場合(偽陽性に対して精密検査を受ける場合)や、寿命を全うするまでには症状を呈しないがんを診断し不必要な治療を受ける場合(過剰診断や過剰治療を受ける場合)等があることから、受診者ががん検診の不利益についても理解することが望まれる。

2.市町村が実施するがん検診と職域におけるがん検診との連携

保険者や事業者は、国及び地方公共団体が講じるがん対策に協力するよう努めるものとする19とされており、保険者や事業者は、職域でがん検診を受ける機会のない者に対し、市町村と保険者、事業者が連携することで、市町村のがん検診受診につながることが期待される。

連携の具体例としては、以下が挙げられる。

(1) 保険者が、市町村と連携・包括協定を締結している場合は、特定健康診査20と市町村が実施するがん検診(集団検診)との同時実施21を行う。

(2) 保険者や事業者は、受診者の同意を得る等した上で、市町村と職域におけるがん検診の受診状況を共有する。市町村は、職域でがん検診を受ける機会のない者に対して、市町村が実施するがん検診の受診勧奨を行う。

(3) 保険者や事業者が、職域でがん検診を受ける機会のない者に対し、市町村におけるがん検診を受診するよう情報を提供し、受診機会を設ける。

──────────

15 国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」

16 平成28年度厚生労働科学研究費補助金「全国がん登録、院内がん登録および既存がん統計情報の活用によるがん及びがん診療動向把握に関する包括的研究」班 分担研究報告書「目標モニタリング項目収集による2013年(平成25年)全国がん罹患数・罹患率の推計」

17 平成28年「国民生活基礎調査」

18 がん対策基本法(平成18年法律第98号)第5条、第7条、第8条

19 がん対策基本法第5条、第8条

20 高齢者の医療の確保に関する法律(昭和57年法律第80号)に基づく「特定健康診査」のことをいう。

21 全国健康保険協会「平成28年度事業報告書(協会けんぽ2016)」によると、特定健康診査とがん検診を同時に実施している市町村の数は1,423である。

Ⅶ.おわりに

市町村が実施するがん検診が健康増進法(平成14年法律第103号)に基づいて実施されているのに対し、職域におけるがん検診は、法的な位置づけがなく、保険者や事業者が任意で実施しているものであり、検査項目や対象年齢等実施方法は様々である。

がん対策基本法(平成18年法律第98号)及び、基本計画では、がん対策は科学的知見に基づくものとされている。本マニュアルは、その基本理念に基づき、がん検診の項目等を設定し、職域におけるがん検診において参考となることを目指すものである。なお、現在職域で特定の目的をもって行われている既存の任意型検診を妨げるものではない。

がん検診の実施に当たっては、科学的根拠に基づく検診を、適切な精度管理の下で実施することが重要であることから、適切に収集されたデータを基に、職域におけるがん検診の実態に即した精度管理の評価を行うため、国は、職域におけるがん検診の対象者数、受診者数、要精検率、精検受診率、陽性反応的中度、がん発見率、感度、特異度等のデータの収集等に向けた体制構築を検討していく必要がある。

がん検診に従事する関係者においては、国民が希望する「有効性のあるがん検診」の実施に向けて、本マニュアルを参考に積極的に取り組むことを期待する。さらに、本マニュアルを契機として、国民一人ひとりが、がん検診についての正しい認識を持ち、正しい行動を取ることを願うものである。

(別添1) 精度管理のためのチェックリスト

胃がん検診(保険者・事業者用)

子宮頸がん検診(保険者・事業者用)

肺がん検診(保険者・事業者用)

乳がん検診(保険者・事業者用)

大腸がん検診(保険者・事業者用)

(別添2) 仕様書に明記すべき必要最低限の精度管理項目22

胃がん検診(平成28年4月改定)

子宮頸がん検診(平成29年3月改定)

肺がん検診(平成29年3月改定)

乳がん検診(平成29年3月改定)

大腸がん検診(平成28年4月改定)

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22 国立がん研究センターが作成

「職域におけるがん検診に関するワーキンググループ」開催要綱

1.趣旨

国民生活基礎調査(平成25年)では、がん検診を受けた者の40~70%程度が職域におけるがん検診を受けており、職域におけるがん検診は我が国のがん対策において、受診機会を提供する重要な役割を担っている。また、平成28年11月に「がん検診のあり方に関する検討会」における議論をとりまとめた「がん検診のあり方に関する検討会における議論の整理」においては、「職域におけるがん検診を効果的に行うためには、「職域におけるがん検診に対するガイドライン」を、職域におけるがん検診関係者の意見を踏まえつつ策定し、保険者や事業主はがん検診を任意で実施する際に、これを参考とすることが望ましい。」とされている。

これらを受けて、職域におけるがん検診に関するガイドライン等について検討するため、「職域におけるがん検診に関するワーキンググループ」を設置し、ここでの議論を検討会に報告することとする。

2.検討事項

(1) 職域におけるがん検診に関するガイドラインについて

(2) その他

3.その他

(1) 本ワーキンググループは健康局長が別紙の構成員の参集を求めて開催する。

(2) 本ワーキンググループには、構成員の互選により座長をおき、ワーキンググループを統括する。

(3) 本ワーキンググループには、必要に応じ、別紙構成員以外の有識者等の参集を依頼することができるものとする。

(4) 本ワーキンググループの庶務は、厚生労働省健康局がん・疾病対策課が行う。

(5) この要綱に定めるもののほか、本ワーキンググループの開催に必要な事項は、座長が健康局長と協議の上、定める。

(6) ワーキンググループで得られた成果は、「がん検診のあり方に関する検討会」に報告する。

「職域におけるがん検診に関するワーキンググループ」構成員名簿

漆原肇 日本労働組合総連合会 雇用対策局長

○ 大内憲明 国立大学法人東北大学 客員教授・名誉教授 登米市病院事業管理者

小林信 全国中小企業団体中央会 事務局次長

小松原祐介 健康保険組合連合会 保健部長

祖父江友孝 国立大学法人大阪大学医学系研究科環境医学 教授

立道昌幸 東海大学医学部基盤診療学系衛生学公衆衛生学 教授

中川恵一 国立大学法人東京大学医学部附属病院放射線科 准教授

那須繁 特定非営利活動法人日本人間ドック健診協会 理事長

羽鳥裕 公益社団法人日本医師会 常任理事

福田崇典 公益社団法人全国労働衛生団体連合会 副会長

松下敏幸 全国健康保険協会 保健部 部長

松田一夫 公益財団法人福井県健康管理協会 副理事長

○・・・座長

(五十音順・敬称略)

[別添1]

胃がん検診のためのチェックリスト(保険者・事業者用)

平成30年3月

脚注:

① このチェックリストにおける「検診実施機関」は、委託形態にかかわらず、実際の検診を行う個々の検診実施機関(医療機関)を指す

② 事業者・保険者が単独で実施できない項目については、検診実施機関等と連携して行うこと

③ ◆は、検診結果を受け取っている場合、保険者や事業者も実施することが望ましいと考えられる項目である

1.検診対象者の情報管理

(1) 対象者全員の氏名を記載した名簿を作成しているか

※ 前年度受診者や希望者のみを名簿化するのは不適切である

(2) 対象者全員に、個別に受診勧奨を行っているか

(3) 対象者数(推計でも可)を把握しているか

2.受診者の情報管理

(1) 個人別の受診(記録)台帳またはデータベースを作成しているか

(2) 過去5年間の受診歴を記録しているか

3.受診者への説明、及び要精検者への説明

(1) 受診勧奨時に、下記の項目が全項目記載された資料を、全員に個別配布しているか

・ 要精密検査となった場合には、必ず精密検査を受ける必要があることを明確に説明しているか

・ 精密検査の方法について説明しているか(胃部エックス線検査の精密検査としては胃内視鏡検査を行うこと、及び胃内視鏡検査の概要など。胃内視鏡検査の精密検査としては生検または胃内視鏡検査の再検査を行うこと、及び生検の概要など)

・ 他の医療機関に精密検査を依頼した場合は、検診実施機関がその結果を共有することを説明しているか

・ 検診の有効性(胃部エックス線検査及び胃内視鏡検査による胃がん検診は、死亡率減少効果があること)に加えて、がん検診で必ずがんを見つけられるわけではないこと(偽陰性)、がんがなくてもがん検診の結果が「陽性」となる場合もあること(偽陽性)など、がん検診の限界について説明しているか

・ 検診受診の継続(隔年)が重要であること、また、症状がある場合は医療機関の受診が重要であることを説明しているか

・ 胃がんがわが国のがん死亡の上位に位置することを説明しているか

※ 検診実施機関が資料を作成し、配布している場合:事業者・保険者は資料内容をあらかじめ確認し、全項目が記載されていれば配布を省いてもよい

(2) ◆要精検者全員に対し、受診可能な精密検査機関名(医療機関名)の一覧を提示する等、精密検査受診を促すよう努めているか

4.受診率の集計

脚注:過去の検診受診歴別とは、初回受診者(初回の定義は過去3年間に受診歴がない者)及び非初回受診者の別を指す

(1) 受診率を集計しているか

・ 受診率を性別・年齢5歳階級別に集計しているか

・ 受診率を過去の検診受診歴別に集計しているか

5.◆要精検率の集計

脚注:過去の検診受診歴別とは、初回受診者(初回の定義は過去3年間に受診歴がない者)及び非初回受診者の別を指す

(1) 要精検率を集計しているか

・ 要精検率を性別・年齢5歳階級別に集計しているか

・ 要精検率を検診実施機関別に集計しているか

・ 要精検率を過去の検診受診歴別に集計しているか

6.◆精密検査結果の把握、精密検査未受診者の特定と受診勧奨

(1) 精密検査方法及び、精密検査(治療)結果(内視鏡診断や生検結果、内視鏡的治療または外科手術所見と病理組織検査結果など)を把握しているか

(2) 精密検査方法及び、精密検査(治療)結果が不明の者については、本人もしくは精密検査機関への照会等により、結果を確認しているか

※ 本人に確認する場合は、精密検査受診日・受診機関・精密検査方法・精密検査結果の4つ全てが本人から申告される必要がある

(3) 過去5年間の精密検査方法及び、精密検査(治療)結果を記録しているか

(4) 精密検査未受診と精密検査結果未把握を定義aに従って区別し、精密検査未受診者を特定しているか

(5) 精密検査未受診者に精密検査の受診勧奨を行っているか

7.◆精検受診率、がん発見率、早期がん割合、陽性反応適中度の集計

脚注:

・ いずれも、胃部エックス線検査の受診者または胃内視鏡検査の受診者/総受診者別に集計すること

・ 過去の検診受診歴別とは、初回受診者(初回の定義は過去3年間に受診歴がない者)及び非初回受診者の別を指す

(1) 精検受診率を集計しているか

・ 精検受診率を性別・年齢5歳階級別に集計しているか

・ 精検受診率を検診実施機関別に集計しているか

・ 精検受診率を過去の検診受診歴別に集計しているか

・ 精検未受診率と未把握率を定義aに従って区別し、集計しているか

(2) がん発見率を集計しているか

・ がん発見率を性別・年齢5歳階級別に集計しているか

・ がん発見率を検診実施機関別に集計しているか

・ がん発見率を過去の検診受診歴別に集計しているか

(3) 早期がん割合(原発性のがん数に対する早期がん数)を集計しているか

・ 早期がん割合を性別・年齢5歳階級別に集計しているか

・ 早期がん割合を検診実施機関別に集計しているか

・ 早期がん割合を過去の検診受診歴別に集計しているか

・ 早期がんのうち、粘膜内がん数を区別して集計しているか

(4) 陽性反応適中度を集計しているか

・ 陽性反応適中度を性別・年齢5歳階級別に集計しているか

・ 陽性反応適中度を検診実施機関別に集計しているか

・ 陽性反応適中度を過去の検診受診歴別に集計しているか

8.検診実施機関(医療機関)の質の担保

(1) 委託先検診実施機関(医療機関)を、仕様書に明記すべき必要最低限の精度管理項目b(胃がん検診)(以下「精度管理項目」という。)の内容を参考に選定しているか

(2) 検診終了後に、委託先検診実施機関(医療機関)で精度管理項目の内容が遵守されたことを確認しているか

(3) 検診実施機関(医療機関)に精度管理評価を個別にフィードバックしているか

※ 冒頭の脚注のとおり、事業者・保険者が単独で実施できない場合は、検診実施機関等と連携して行うこと。下記も同様

・ ◆(検診実施機関(医療機関)毎のプロセス指標値を集計してフィードバックしているか

・ ◆上記の結果をふまえ、課題のある検診実施機関(医療機関)に改善策をフィードバックしているか

子宮頸がん検診のためのチェックリスト(保険者・事業者用)

平成30年3月

脚注:

① このチェックリストにおける「検診実施機関」は、委託形態にかかわらず、実際の検診を行う個々の検診実施機関(医療機関)を指す

② 事業者・保険者が単独で実施できない項目については、検診実施機関等と連携して行うこと

③ ◆は、検診結果を受け取っている場合、保険者や事業者も実施することが望ましいと考えられる項目である

1.検診対象者の情報管理

(1) 対象者全員の氏名を記載した名簿を作成しているか

※ 前年度受診者や希望者のみを名簿化するのは不適切である

(2) 対象者全員に、個別に受診勧奨を行っているか

(3) 対象者数(推計でも可)を把握しているか

2.受診者の情報管理

(1) 個人別の受診(記録)台帳またはデータベースを作成しているか

(2) 過去5年間の受診歴を記録しているか

3.受診者への説明、及び要精検者への説明

(1) 受診勧奨時に、下記の項目が全項目記載された資料を、全員に個別配布しているか

・ 要精密検査となった場合には、必ず精密検査を受ける必要があることを明確に説明しているか

・ 精密検査の方法について説明しているか(精密検査としては、検診結果に基づいてコルポスコープ下の組織診や細胞診、HPV検査などを組み合わせたものを実施すること、及びこれらの検査の概要など)

・ 他の医療機関に精密検査を依頼した場合は、検診実施機関がその結果を共有することを説明しているか

・ 検診の有効性(細胞診による子宮頸がん検診は、子宮頸がんの死亡率・罹患率を減少させること)に加えて、がん検診で必ずがんを見つけられるわけではないこと(偽陰性)、がんがなくてもがん検診の結果が「陽性」となる場合もあること(偽陽性)など、がん検診の限界について説明しているか

・ 検診受診の継続(隔年)が重要であること、また、症状がある場合は医療機関の受診が重要であることを説明しているか

・ 子宮頸がんの罹患は、わが国の女性のがんの中で比較的多く、また近年増加傾向にあることなどを説明しているか

※ 検診実施機関が資料を作成し、配布している場合:事業者・保険者は資料内容をあらかじめ確認し、全項目が記載されていれば配布を省いてもよい

(2) ◆要精検者全員に対し、受診可能な精密検査機関名(医療機関名)の一覧を提示する等、精密検査受診を促すよう努めているか

4.受診率の集計

脚注:過去の検診受診歴別とは、初回受診者(初回の定義は過去3年間に受診歴がない者)及び非初回受診者の別を指す

(1) 受診率を集計しているか

・ 受診率を年齢5歳階級別に集計しているか

・ 受診率を過去の検診受診歴別に集計しているか

5.◆要精検率の集計

脚注:過去の検診受診歴別とは、初回受診者(初回の定義は過去3年間に受診歴がない者)及び非初回受診者の別を指す

(1) 要精検率を集計しているか

・ 要精検率を年齢5歳階級別に集計しているか

・ 要精検率を検診実施機関別に集計しているか

・ 要精検率を過去の検診受診歴別に集計しているか

6.◆精密検査結果の把握、精密検査未受診者の特定と受診勧奨

(1) 精密検査方法及び、精密検査(治療)結果(精密検査の際に行った組織診やコルポ診、細胞診、HPV検査の結果などや、手術によって判明した組織診断や臨床進行期のこと)を把握しているか

(2) 精密検査方法及び、精密検査(治療)結果が不明の者については、本人もしくは精密検査機関への照会等により、結果を確認しているか

※ 本人に確認する場合は、精密検査受診日・受診機関・精密検査方法・精密検査結果の4つ全てが本人から申告される必要がある

(3) 過去5年間の精密検査方法及び、精密検査(治療)結果を記録しているか

(4) 精密検査未受診と精密検査結果未把握を定義aに従って区別し、精密検査未受診者を特定しているか

(5) 精密検査未受診者に精密検査の受診勧奨を行っているか

7.◆精検受診率、がん発見率、上皮内病変(CINなど)、微小浸潤がん割合、陽性反応適中度の集計

脚注:

・ 過去の検診受診歴別とは、初回受診者(初回の定義は過去3年間に受診歴がない者)及び非初回受診者の別を指す

・ 上皮内病変とは、「CIN3/上皮内腺がん(AIS)/CIN2/CIN1」のいずれかの区分に含まれるものを指す。上皮内病変の数の集計とは、上記の4つの区分に分けて、全て集計することを指す

・ 微小浸潤がんは、臨床進行期IA1及びIA2期のもの

(1) 精検受診率を集計しているか

・ 精検受診率を年齢5歳階級別に集計しているか

・ 精検受診率を検診実施機関別に集計しているか

・ 精検受診率を過去の検診受診歴別に集計しているか

・ 精検未受診率と未把握率を定義aに従って区別し、集計しているか

(2) がん発見率を集計しているか

・ がん発見率を年齢5歳階級別に集計しているか

・ がん発見率を検診実施機関別に集計しているか

・ がん発見率を過去の検診受診歴別に集計しているか

(3) 上皮内病変(CINなど)の数を集計しているか(区分毎)

・ 上皮内病変(CINなど)の数を年齢5歳階級別に集計しているか(区分毎)

・ 上皮内病変(CINなど)の数を検診実施機関別に集計しているか(区分毎)

・ 上皮内病変(CINなど)の数を過去の検診受診歴別に集計しているか(区分毎)

(4) 微小浸潤がん割合(原発性のがん数に対する微小浸潤がん数)を集計しているか

・ 微小浸潤がん割合を年齢5歳階級別に集計しているか

・ 微小浸潤がん割合を検診実施機関別に集計しているか

・ 微小浸潤がん割合を過去の検診受診歴別に集計しているか

(5) 陽性反応適中度を集計しているか

・ 陽性反応適中度を年齢5歳階級別に集計しているか

・ 陽性反応適中度を検診実施機関別に集計しているか

・ 陽性反応適中度を過去の検診受診歴別に集計しているか

8.検診実施機関(医療機関)の質の担保

(1) 委託先検診実施機関(医療機関)を、仕様書に明記すべき必要最低限の精度管理項目b(子宮頸がん)(以下「精度管理項目」という。)の内容を参考に選定しているか

(2) 検診終了後に、委託先検診実施機関(医療機関)で精度管理項目の内容が遵守されたことを確認しているか

(3) 検診実施機関(医療機関)に精度管理評価を個別にフィードバックしているか

※ 冒頭の脚注のとおり、事業者・保険者が単独で実施できない場合は、検診実施機関等と連携して行うこと。下記も同様

・ ◆検診実施機関(医療機関)毎のプロセス指標値を集計してフィードバックしているか

・ ◆上記の結果をふまえ、課題のある検診実施機関(医療機関)に改善策をフィードバックしているか

肺がん検診のためのチェックリスト(保険者・事業者用)

平成30年3月