添付一覧
四 汚染され、又は汚染された疑いがある飲食物、衣類、寝具その他の物件を廃棄すること。
五 汚染され、又は汚染された疑いがある建物への立入りを制限し、若しくは禁止し、又は当該建物を封鎖すること。
六 汚染され、又は汚染された疑いがある場所の交通を制限し、又は遮断すること。
2 前項の規定は、前条第三項の規定により関係市町村長、関係消防組合の管理者若しくは長又は警視総監若しくは道府県警察本部長が汚染の拡大を防止するための措置を講ずる場合について準用する。
(土地等への立入り)
第百九条 指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長又は都道府県知事は、前二条の規定による措置を講ずるため必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、その職員に、他人の土地、建物その他の工作物又は船舶若しくは航空機(次項において「土地等」という。)に立ち入らせることができる。
2 前項の規定により他人の土地等に立ち入ろうとする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係人の請求があるときは、これを提示しなければならない。
3 前二項の規定は、第百七条第三項の規定により関係市町村長、関係消防組合の管理者若しくは長又は警視総監若しくは道府県警察本部長が汚染の拡大を防止するための措置を講ずる場合について準用する。
(協力の要請に係る安全の確保)
第百十条 内閣総理大臣及び都道府県知事は、第百七条第二項及び第三項の規定により関係都道府県知事並びに関係市町村長、関係消防組合の管理者又は長及び警視総監又は道府県警察本部長に対し必要な協力を要請するときは、都道府県、市町村及び消防組合の職員(警察官及び消防吏員を含む。)の安全の確保に関し十分に配慮し、危険が及ばないよう必要な措置を講じなければならない。
(市町村長の事前措置等)
第百十一条 市町村長は、武力攻撃災害が発生するおそれがあるときは、武力攻撃災害が発生した場合においてこれを拡大させるおそれがあると認められる設備又は物件の占有者、所有者又は管理者に対し、武力攻撃災害の拡大を防止するため必要な限度において、当該設備又は物件の除去、保安その他必要な措置を講ずべきことを指示することができる。
2 前項の場合において、都道府県知事は、武力攻撃災害の拡大を防止するため緊急の必要があると認めるときは、自ら同項の規定による指示をすることができる。この場合において、当該指示をしたときは、直ちに、その旨を市町村長に通知しなければならない。
3 警察署長又は海上保安部長等は、市町村長又は都道府県知事から要請があったときは、第一項の規定による指示をすることができる。この場合においては、前項後段の規定を準用する。
(市町村長の退避の指示等)
第百十二条 市町村長は、武力攻撃災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、当該武力攻撃災害から住民の生命、身体若しくは財産を保護し、又は当該武力攻撃災害の拡大を防止するため特に必要があると認めるときは、必要と認める地域の住民に対し、退避(屋内への退避を含む。第四項において同じ。)をすべき旨を指示することができる。
2 前項の規定による指示(以下この条において「退避の指示」という。)をする場合において、必要があると認めるときは、市町村長は、その退避先を指示することができる。
3 市町村長は、退避の指示をしたときは、速やかに、その旨を都道府県知事に通知しなければならない。
4 市町村長は、退避の必要がなくなったときは、直ちに、その旨を公示しなければならない。この場合においては、前項の規定を準用する。
5 第一項の場合において、都道府県知事は、当該武力攻撃災害から住民の生命、身体若しくは財産を保護し、又は当該武力攻撃災害の拡大を防止するため緊急の必要があると認めるときは、必要と認める地域の住民に対し、自ら退避の指示をすることができる。この場合においては、第二項及び前項前段の規定を準用する。
6 都道府県知事は、退避の指示をしたときは、直ちに、その旨を市町村長に通知しなければならない。
7 第一項の場合において、市町村長若しくは都道府県知事による退避の指示を待ついとまがないと認めるとき、又はこれらの者から要請があったときは、警察官又は海上保安官は、必要と認める地域の住民に対し、退避の指示をすることができる。この場合においては、第二項及び前項の規定を準用する。
8 第一項及び第二項の規定は、市町村長その他第一項に規定する市町村長の職権を行うことができる者が退避の指示をすることができないと認める場合に限り、出動等を命ぜられた自衛隊の部隊等の自衛官の職務の執行について準用する。この場合においては、第六項の規定を準用する。
9 第三項及び第四項の規定は、市町村長が前二項の規定による通知を受けた場合について準用する。
(応急公用負担等)
第百十三条 市町村長は、当該市町村の区域に係る武力攻撃災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、武力攻撃災害への対処に関する措置を講ずるため緊急の必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、当該市町村の区域内の他人の土地、建物その他の工作物を一時使用し、又は土石、竹木その他の物件を使用し、若しくは収用することができる。
2 市町村長は、当該市町村の区域に係る武力攻撃災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、武力攻撃災害への対処に関する措置を講ずるため緊急の必要があると認めるときは、武力攻撃災害を受けた現場の工作物又は物件で当該武力攻撃災害への対処に関する措置の実施の支障となるもの(以下この項及び次項において「工作物等」という。)の除去その他必要な措置を講ずることができる。この場合において、工作物等を除去したときは、当該工作物等を保管しなければならない。
3 都道府県知事は、当該都道府県の区域に係る武力攻撃災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、武力攻撃災害への対処に関する措置を講ずるため緊急の必要があると認めるときは、第一項及び前項前段の規定による措置を講ずることができる。この場合において、工作物等を除去したときは、当該工作物等を保管しなければならない。
4 災害対策基本法第六十四条第三項から第六項までの規定は、第二項後段及び前項後段の場合について準用する。この場合において、同条第三項、第四項及び第六項中「市町村長」とあるのは「市町村長又は都道府県知事」と、同項中「市町村に」とあるのは「市町村又は都道府県に」と読み替えるものとする。
5 災害対策基本法第六十四条第七項から第十項までの規定は、第一項及び第二項前段の場合について準用する。この場合において、同条第七項及び第九項中「前条第二項」とあるのは「災害対策基本法第六十三条第二項」と、同条第七項において準用する同法第六十三条第二項中「その委任を受けて同項に規定する市町村長の職権を行なう市町村の職員が現場にいないとき」とあるのは「都道府県知事による同項に規定する措置を待ついとまがないと認めるとき」と、「要求」とあるのは「要請」と、同法第六十四条第八項及び第九項中「災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官」とあるのは「出動等を命ぜられた自衛隊の部隊等の自衛官」と、同項及び同条第十項中「警察署長等」とあるのは「警察署長若しくは海上保安部長等」と、同条第九項中「内閣府令で定める」とあるのは「政令で定める」と、同条第十項中「政令で定める管区海上保安本部の事務所の長」とあるのは「海上保安部長等」と読み替えるものとする。
(平一八法五三・一部改正)
(警戒区域の設定)
第百十四条 市町村長は、武力攻撃災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、当該武力攻撃災害による住民の生命又は身体に対する危険を防止するため特に必要があると認めるときは、警戒区域を設定し、武力攻撃災害への対処に関する措置を講ずる者以外の者に対し、当該警戒区域への立入りを制限し、若しくは禁止し、又は当該警戒区域からの退去を命ずることができる。
2 前項の場合において、都道府県知事は、当該武力攻撃災害による住民の生命又は身体に対する危険を防止するため緊急の必要があると認めるときは、自ら同項に規定する措置を講ずることができる。この場合において、当該措置を講じたときは、直ちに、その旨を市町村長に通知しなければならない。
3 第一項の場合において、市町村長若しくは都道府県知事による同項に規定する措置を待ついとまがないと認めるとき、又はこれらの者から要請があったときは、警察官又は海上保安官は、同項に規定する措置を講ずることができる。この場合においては、前項後段の規定を準用する。
4 第一項の規定は、市町村長その他同項に規定する市町村長の職権を行うことができる者がその場にいない場合に限り、出動等を命ぜられた自衛隊の部隊等の自衛官の職務の執行について準用する。この場合においては、第二項後段の規定を準用する。
(消火、負傷者の搬送、被災者の救助等への協力)
第百十五条 市町村長若しくは消防吏員その他の市町村の職員、都道府県知事若しくは都道府県の職員又は警察官等は、当該市町村又は都道府県の区域に係る武力攻撃災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、消火、負傷者の搬送、被災者の救助その他の武力攻撃災害への対処に関する措置を講ずるため緊急の必要があると認めるときは、当該市町村又は都道府県の区域内の住民に対し、その実施に必要な援助について協力を要請することができる。
2 前項の場合において、市町村長その他同項に規定する者は、その要請を受けて武力攻撃災害への対処に関する措置の実施に必要な援助について協力をする者の安全の確保に十分に配慮しなければならない。
(漂流物等の処理の特例)
第百十六条 武力攻撃災害が発生した場合において、水難救護法(明治三十二年法律第九十五号)第二十九条第一項に規定する漂流物又は沈没品を取り除いたときは、警察署長又は海上保安部長等は、同項の規定にかかわらず、当該物件を保管することができる。
2 水難救護法第二章の規定は、警察署長又は海上保安部長等が前項の規定により漂流物又は沈没品を保管する場合について準用する。
(武力攻撃災害が発生した場合等の都道府県知事等の指示)
第百十七条 都道府県知事は、武力攻撃災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、緊急の必要があると認めるときは、当該都道府県の区域内の市町村の長若しくは消防長又は水防管理者(水防法(昭和二十四年法律第百九十三号)第二条第三項の水防管理者をいう。)に対し、所要の武力攻撃災害の防御に関する措置を講ずべきことを指示することができる。
2 消防庁長官は、人命の救助等のために特に緊急を要し、前項の規定による都道府県知事の指示を待ついとまがないと認めるときは、当該都道府県の区域内の市町村の長に対し、武力攻撃災害を防御するための消防に関する措置を講ずべきことを自ら指示することができる。この場合において、消防庁長官は、当該都道府県知事に対し、速やかに、その旨を通知するものとする。
(平二七法二二・一部改正)
(武力攻撃災害を防御するための消防に関する消防庁長官の指示)
第百十八条 消防庁長官は、武力攻撃災害を防御するための消防に関する措置が的確かつ迅速に講じられるようにするため特に必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、当該措置について指示することができる。
(消防の応援等に関する消防庁長官等の指示)
第百十九条 消防庁長官は、武力攻撃災害が発生した市町村(武力攻撃災害がまさに発生しようとしている市町村を含む。以下この条において「被災市町村」という。)の消防の応援又は支援(以下この項及び次項において「消防の応援等」という。)に関し、当該被災市町村の属する都道府県の知事から要請があり、かつ、必要があると認めるときは、当該都道府県以外の都道府県の知事に対し、当該被災市町村の消防の応援等のため必要な措置を講ずべきことを指示することができる。
2 消防庁長官は、前項の場合において、武力攻撃災害の規模等に照らし緊急を要し、同項の要請を待ついとまがないと認められるときは、同項の要請を待たないで、緊急に消防の応援等を必要とすると認められる被災市町村のため、当該被災市町村の属する都道府県以外の都道府県の知事に対し、当該被災市町村の消防の応援等のため必要な措置を講ずべきことを指示することができる。この場合において、消防庁長官は、当該被災市町村の属する都道府県の知事に対し、速やかに、その旨を通知するものとする。
3 都道府県知事は、前二項の規定による消防庁長官の指示に応じ必要な措置を講ずる場合において、必要があると認めるときは、当該都道府県の区域内の市町村の長に対し、消防機関の職員の応援出動等の措置を講ずべきことを指示することができる。
4 消防庁長官は、第一項又は第二項の場合において、人命の救助等のために特に緊急を要し、かつ、広域的に消防機関の職員の応援出動等の措置を的確かつ迅速に講ずる必要があると認められるときは、緊急に当該応援出動等の措置を必要とすると認められる被災市町村のため、当該被災市町村以外の市町村の長に対し、当該応援出動等の措置を講ずべきことを自ら指示することができる。この場合において、消防庁長官は、第一項の場合にあっては当該応援出動等の措置を講ずべきことを指示した市町村の属する都道府県の知事に対し、第二項の場合にあっては当該都道府県の知事及び当該被災市町村の属する都道府県の知事に対し、速やかに、その旨を通知するものとする。
(消防等に関する安全の確保)
第百二十条 消防庁長官及び都道府県知事は、前三条の規定による指示をするときは、これらの規定に規定する措置を講ずるため出動する職員の安全の確保に関し十分に配慮し、危険が及ばないよう必要な措置を講じなければならない。
(感染症等の指定等の特例)
第百二十一条 厚生労働大臣は、武力攻撃事態等において、武力攻撃に伴って既に知られている感染性の疾病(一類感染症(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第六条第二項の一類感染症をいう。)を除く。)が発生し、又は発生するおそれがある場合において、当該疾病について、同法第三章から第七章までの規定の全部又は一部を準用しなければ国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認めるときは、同条第八項の規定にかかわらず、当該疾病を同項の指定感染症として指定することができる。この場合における同法第四十四条の九の規定の適用については、同条第一項及び第二項中「政令で定める期間」とあるのは「厚生労働大臣の定める期間」と、同条第一項中「政令で定めるところにより」とあるのは「厚生労働大臣の定めるところにより」と、同条第二項中「前項の政令で定められた期間」とあるのは「前項の厚生労働大臣の定める期間」と、「当該政令で定められた疾病」とあるのは「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律第百二十一条第一項の規定により厚生労働大臣が定めた疾病」と、「同項の政令により」とあるのは「前項の厚生労働大臣の定めるところにより」とする。
2 厚生労働大臣は、武力攻撃事態等において、武力攻撃に伴って検疫法(昭和二十六年法律第二百一号)第二条の検疫感染症以外の感染性の疾病(同法第三十四条の二第一項の新感染症を除く。)が発生し、又は発生するおそれがある場合において、当該疾病について、検疫を行わなければその病原体が国内に侵入し国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認めるときは、同法第三十四条の規定にかかわらず、当該疾病を感染症の種類として指定し、同法第二条の二、第二章及び第四章(第三十四条の二から第四十条までを除く。)の規定のうち厚生労働大臣が定めるものを適用することができる。この場合においては、同法第十六条第三項の規定にかかわらず、厚生労働大臣は、当該感染症の潜伏期間を考慮して、同条第一項の停留の期間を定めることができる。
3 厚生労働大臣は、武力攻撃事態等において、武力攻撃に伴って感染性の疾病(予防接種法(昭和二十三年法律第六十八号)第二条第二項のA類疾病(以下この項において「A類疾病」という。)及び同条第三項のB類疾病を除く。)が発生し、又は発生するおそれがある場合において、その発生及びまん延を予防するため特に予防接種を行う必要があると認めるときは、同条第二項第十二号及び第十三号の規定にかかわらず、当該疾病をA類疾病として指定することができる。
(平一八法一〇六・平二〇法三〇・平二五法八・令四法九六・一部改正)
(埋葬及び火葬の特例)
第百二十二条 厚生労働大臣は、大規模な武力攻撃災害の発生により埋葬又は火葬を円滑に行うことが困難となった場合において、公衆衛生上の危害の発生を防止するため緊急の必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、厚生労働大臣の定める期間に限り、墓地、埋葬等に関する法律(昭和二十三年法律第四十八号)第五条及び第十四条に規定する手続の特例を定めることができる。
(保健衛生の確保への協力)
第百二十三条 地方公共団体の長又はその職員は、武力攻撃災害の発生により当該地方公共団体の区域内における住民の健康の保持又は環境衛生の確保に関する措置を講ずるため緊急の必要があると認めるときは、当該地方公共団体の区域内の住民に対し、その実施に必要な援助について協力を要請することができる。
2 前項の場合において、地方公共団体の長及びその職員は、その要請を受けて住民の健康の保持又は環境衛生の確保に関する措置の実施に必要な援助について協力をする者の安全の確保に十分に配慮しなければならない。
(廃棄物処理の特例)
第百二十四条 環境大臣は、大規模な武力攻撃災害の発生による生活環境の悪化を防止することが特に必要であると認めるときは、期間を限り、廃棄物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号。次項及び第三項において「廃棄物処理法」という。)第二条第一項の廃棄物をいう。以下この条において同じ。)の処理を迅速に行わなければならない地域を特例地域として指定することができる。
2 環境大臣は、前項の特例地域(以下この条において単に「特例地域」という。)を指定したときは、特例地域において適用する廃棄物の収集、運搬及び処分に関する基準並びに廃棄物の収集、運搬又は処分を市町村以外の者に委託する場合の基準を定めるものとする。この場合において、これらの基準(以下この条において「特例基準」という。)は、廃棄物処理法第六条の二第二項及び第三項、第十二条第一項並びに第十二条の二第一項に規定する基準とみなす。
3 地方公共団体の長は、特例地域においては、廃棄物処理法第七条第一項本文若しくは第六項本文、第十四条第一項本文若しくは第六項本文又は第十四条の四第一項本文若しくは第六項本文の規定にかかわらず、これらの規定による許可を受けていない者に、特例基準で定めるところにより、廃棄物の収集、運搬又は処分を業として行わせることができる。
4 前項の場合において、地方公共団体の長は、同項の規定により廃棄物の収集、運搬又は処分を業として行う者により特例基準に適合しない廃棄物の収集、運搬又は処分が行われたときは、その者に対し、期限を定めて、当該廃棄物の収集、運搬又は処分の方法の変更その他必要な措置を講ずべきことを指示することができる。
5 環境大臣は、第一項の規定により特例地域を指定し、又は第二項の規定により特例基準を定めたときは、その旨を公示しなければならない。
(文化財保護の特例)
第百二十五条 文化庁長官は、武力攻撃災害による重要文化財等(重要文化財(文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)第二十七条第一項の重要文化財をいう。)、重要有形民俗文化財(同法第七十八条第一項の重要有形民俗文化財をいう。)又は史跡名勝天然記念物(同法第百九条第一項の史跡名勝天然記念物をいう。)をいう。以下この項及び第三項において同じ。)の滅失、き損その他の被害を防止するため特に必要があると認めるときは、当該重要文化財等の所有者、管理責任者(同法第三十一条第二項(同法第八十条において準用する場合を含む。)及び同法第百十九条第二項の管理責任者をいう。)、管理団体(同法第三十二条の二第五項(同法第八十条において準用する場合を含む。)及び同法第百十五条第一項の管理団体をいう。)又は同法第百七十二条第一項の規定により重要文化財等を管理する地方公共団体その他の法人(以下この条において「所有者等」という。)に対し、当該重要文化財等について、所在の場所又は管理の方法の変更その他その保護に関し必要な措置を講ずべきことを命じ、又は勧告することができる。
2 文化財保護法第三十六条第二項及び第三項並びに第百八十八条第三項の規定は、前項の場合について準用する。
3 第一項の規定による命令又は勧告に従って必要な措置を講じようとする重要文化財等の所有者等は、文化庁長官に対し、当該重要文化財等の保護のため必要な支援を求めることができる。
4 第一項の場合において、国宝(文化財保護法第二十七条第二項の国宝をいう。以下この条及び第百九十二条第三号において同じ。)若しくは特別史跡名勝天然記念物(同法第百九条第二項の特別史跡名勝天然記念物をいう。以下この条及び第百九十二条第三号において同じ。)の所有者等が第一項の規定による命令に従わないとき、又は所有者等に国宝若しくは特別史跡名勝天然記念物の滅失、き損その他の被害を防止するための措置を講じさせることが適当でないと認めるときは、文化庁長官は、当該国宝又は特別史跡名勝天然記念物について、自ら滅失、き損その他の被害を防止するため必要な措置を講ずることができる。
5 文化財保護法第三十八条第二項、第三十九条第一項及び第二項並びに第百八十六条第一項の規定は、前項の場合について準用する。
6 文化財保護法第三十九条第一項及び第二項の規定は、都道府県の教育委員会(地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和三十一年法律第百六十二号)第二十三条第一項の条例の定めるところによりその長が文化財の保護に関する事務を管理し、及び執行することとされた都道府県にあっては、当該都道府県の知事。次項において同じ。)が前項において準用する文化財保護法第百八十六条第一項の規定による委託に基づいて第四項の措置を講ずる場合について準用する。
7 国宝又は特別史跡名勝天然記念物の所有者等は、正当な理由がなくて、第四項の規定に基づいて文化庁長官が講ずる措置又は第五項において準用する文化財保護法第百八十六条第一項の規定による委託に基づいて都道府県の教育委員会が講ずる措置を拒み、妨げ、又は忌避してはならない。
(平三〇法四二・一部改正)
第三節 被災情報の収集等
(被災情報の収集)
第百二十六条 指定行政機関の長等は、それぞれその国民の保護に関する計画又は国民の保護に関する業務計画で定めるところにより、武力攻撃災害による被害の状況に関する情報(以下「被災情報」という。)の収集に努めなければならない。
2 被災情報を保有する関係機関は、前項の規定による被災情報の収集に協力するよう努めなければならない。
(被災情報の報告)
第百二十七条 市町村長及び指定地方公共機関は、前条第一項の規定により収集した被災情報を、速やかに、都道府県知事に報告しなければならない。
2 都道府県知事は、前条第一項の規定により収集し、又は前項の規定により報告を受けた被災情報を、速やかに、総務大臣に報告しなければならない。
3 総務大臣は、前項の規定により報告を受けた被災情報を、速やかに、対策本部長に報告しなければならない。
4 指定地方行政機関の長及び指定公共機関は、前条第一項の規定により収集した被災情報を、速やかに、当該指定地方行政機関を管轄し、又は当該指定公共機関を所管する指定行政機関の長に報告しなければならない。
5 第三項に規定するもののほか、指定行政機関の長は、前条第一項の規定により収集し、又は前項の規定により報告を受けた被災情報を、速やかに、対策本部長に報告しなければならない。
(被災情報の公表等)
第百二十八条 対策本部長は、前条第三項及び第五項の規定により報告を受けた被災情報を取りまとめ、適時に、当該被災情報を内閣総理大臣に報告するとともに、その内容を国民に公表しなければならない。
2 内閣総理大臣は、前項の規定により報告を受けたときは、速やかに、その内容を国会に報告しなければならない。
第五章 国民生活の安定に関する措置等
第一節 国民生活の安定に関する措置
(生活関連物資等の価格の安定等)
第百二十九条 指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長並びに地方公共団体の長は、武力攻撃事態等において、国民生活との関連性が高い物資若しくは役務又は国民経済上重要な物資若しくは役務の価格の高騰又は供給不足が生じ、又は生ずるおそれがあるときは、それぞれその国民の保護に関する計画で定めるところにより、生活関連物資等の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律(昭和四十八年法律第四十八号)、国民生活安定緊急措置法(昭和四十八年法律第百二十一号)、物価統制令(昭和二十一年勅令第百十八号)その他法令の規定に基づく措置その他適切な措置を講じなければならない。
(金銭債務の支払猶予等)
第百三十条 内閣は、著しく大規模な武力攻撃災害が発生し、国の経済の秩序を維持し及び公共の福祉を確保するため緊急の必要がある場合において、国会が閉会中又は衆議院が解散中であり、かつ、臨時会の召集を決定し、又は参議院の緊急集会を求めてその措置を待ついとまがないときは、金銭債務の支払(賃金その他の労働関係に基づく金銭債務の支払及びその支払のためにする銀行その他の金融機関の預金等の支払を除く。)の延期及び権利の保存期間の延長について必要な措置を講ずるため、政令を制定することができる。
2 災害対策基本法第百九条第三項から第七項までの規定は、前項の場合について準用する。
(特定武力攻撃災害の被害者の権利利益の保全等)
第百三十一条 特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律(平成八年法律第八十五号)第二条から第八条までの規定は、著しく異常かつ激甚な武力攻撃災害が発生した場合について準用する。この場合において、同法第二条の見出し及び第八条中「特定非常災害」とあるのは「特定武力攻撃災害」と、同法第二条第一項中「当該非常災害」とあるのは「当該武力攻撃災害」と、「特定非常災害と」とあるのは「特定武力攻撃災害と」と、「特定非常災害が」とあるのは「特定武力攻撃災害が」と、同項、同法第三条第一項、第四条第一項、第五条第一項及び第五項、第六条並びに第七条中「特定非常災害発生日」とあるのは「特定武力攻撃災害発生日」と、同法第二条第二項、第四条第一項及び第二項、第五条第一項、第六条並びに第七条中「特定非常災害に」とあるのは「特定武力攻撃災害に」と、同法第三条第一項及び第三項中「特定非常災害の」とあるのは「特定武力攻撃災害の」と読み替えるものとする。
(平二五法五四・令四法四四・一部改正)
(武力攻撃災害に関する融資)
第百三十二条 政府関係金融機関は、大規模な武力攻撃災害が発生したときは、当該大規模な武力攻撃災害に関する特別な金融を行い、償還期限又は据置期間の延長、旧債の借換え、必要がある場合における利率の低減その他実情に応じ適切な措置を講ずるよう努めるものとする。
(通貨及び金融の安定)
第百三十三条 日本銀行は、武力攻撃事態等において、その国民の保護に関する業務計画で定めるところにより、銀行券の発行並びに通貨及び金融の調節を行うとともに、銀行その他の金融機関の間で行われる資金決済の円滑の確保を通じ、信用秩序の維持に資するため必要な措置を講じなければならない。
第二節 生活基盤等の確保に関する措置
(電気及びガス並びに水の安定的な供給)
第百三十四条 電気事業者(電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第二条第一項第十七号の電気事業者をいう。)及びガス事業者(ガス事業法(昭和二十九年法律第五十一号)第二条第十二項のガス事業者をいう。)である指定公共機関及び指定地方公共機関は、武力攻撃事態等において、それぞれその国民の保護に関する業務計画で定めるところにより、電気及びガスを安定的かつ適切に供給するため必要な措置を講じなければならない。
2 水道事業者(水道法(昭和三十二年法律第百七十七号)第三条第五項の水道事業者をいう。)、水道用水供給事業者(同項の水道用水供給事業者をいう。)及び工業用水道事業者(工業用水道事業法(昭和三十三年法律第八十四号)第二条第五項の工業用水道事業者をいう。)である地方公共団体及び指定地方公共機関は、武力攻撃事態等において、それぞれその国民の保護に関する計画又は国民の保護に関する業務計画で定めるところにより、水を安定的かつ適切に供給するため必要な措置を講じなければならない。
(平二六法七二・平二七法四七・一部改正)
(運送、通信及び郵便等の確保)
第百三十五条 運送事業者である指定公共機関及び指定地方公共機関は、武力攻撃事態等において、それぞれその国民の保護に関する業務計画で定めるところにより、旅客及び貨物の運送を確保するため必要な措置を講じなければならない。
2 電気通信事業者である指定公共機関及び指定地方公共機関は、武力攻撃事態等において、それぞれその国民の保護に関する業務計画で定めるところにより、通信を確保し、及び国民の保護のための措置の実施に必要な通信を優先的に取り扱うため必要な措置を講じなければならない。
3 郵便事業を営む者及び一般信書便事業者(民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項の一般信書便事業者をいう。)である指定公共機関及び指定地方公共機関は、武力攻撃事態等において、それぞれその国民の保護に関する業務計画で定めるところにより、郵便及び信書便を確保するため必要な措置を講じなければならない。
(平一七法一〇二・一部改正)
(医療の確保)
第百三十六条 病院その他の医療機関である指定公共機関及び指定地方公共機関は、武力攻撃事態等において、それぞれその国民の保護に関する業務計画で定めるところにより、医療を確保するため必要な措置を講じなければならない。
(公共的施設の適切な管理)
第百三十七条 河川管理施設(河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第三条第二項の河川管理施設をいう。以下この条において同じ。)、道路(道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第二条第一項の道路及び道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)第二条第八項の自動車道をいう。以下この条において同じ。)、港湾(港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)の規定による港湾をいう。以下この条において同じ。)及び空港(空港法(昭和三十一年法律第八十号)第四条第一項各号に掲げる空港及び同法第五条第一項に規定する地方管理空港をいう。以下この条において同じ。)の管理者である指定公共機関及び指定地方公共機関は、武力攻撃事態等において、それぞれその国民の保護に関する業務計画で定めるところにより、河川管理施設、道路、港湾及び空港を適切に管理しなければならない。
(平二〇法七五・一部改正)
(武力攻撃災害に関する指導、助言等)
第百三十八条 災害に関する研究を業務として行う指定公共機関は、その国民の保護に関する業務計画で定めるところにより、国、地方公共団体及び他の指定公共機関に対し、武力攻撃災害の防除、軽減及び復旧に関する指導、助言その他の援助を行うよう努めなければならない。
第三節 応急の復旧
(応急の復旧)
第百三十九条 指定行政機関の長等は、その管理する施設及び設備について武力攻撃災害による被害が発生したときは、それぞれその国民の保護に関する計画又は国民の保護に関する業務計画で定めるところにより、当該施設及び設備について、応急の復旧のため必要な措置を講じなければならない。
(応急の復旧に関する支援の求め)
第百四十条 前条の場合において、都道府県知事等又は指定公共機関は指定行政機関の長又は指定地方行政機関の長に対し、市町村長等又は指定地方公共機関は都道府県知事等に対し、応急の復旧のため必要な措置に関し支援を求めることができる。
第六章 復旧、備蓄その他の措置
(武力攻撃災害の復旧)
第百四十一条 指定行政機関の長等は、それぞれその国民の保護に関する計画又は国民の保護に関する業務計画で定めるところにより、武力攻撃災害の復旧を行わなければならない。
(避難及び救援に必要な物資及び資材の備蓄等)
第百四十二条 指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長並びに地方公共団体の長等は、それぞれその国民の保護に関する計画で定めるところにより、住民の避難及び避難住民等の救援に必要な物資及び資材を備蓄し、整備し、若しくは点検し、又は住民の避難及び避難住民等の救援に必要なその管理に属する施設及び設備を整備し、若しくは点検しなければならない。
(避難住民を受け入れた場合の備蓄物資等の供給)
第百四十三条 都道府県知事及び市町村長は、他の都道府県及び市町村から避難住民等を受け入れたときは、避難住民等の救援のため、その備蓄する物資又は資材を、必要に応じ供給しなければならない。
(物資及び資材の供給の要請)
第百四十四条 都道府県知事又は市町村長は、住民の避難及び避難住民等の救援に当たって、その備蓄する物資又は資材が不足し、国民の保護のための措置を的確かつ迅速に実施することが困難であると認めるときは、都道府県知事にあっては指定行政機関の長又は指定地方行政機関の長に対し、市町村長にあっては都道府県知事に対し、それぞれ必要な物資又は資材の供給について必要な措置を講ずるよう要請することができる。
(国民の保護のための措置に必要な物資及び資材の備蓄等)
第百四十五条 指定行政機関の長等は、第百四十二条に規定するもののほか、それぞれその国民の保護に関する計画又は国民の保護に関する業務計画で定めるところにより、その所掌事務又は業務に係る国民の保護のための措置の実施に必要な物資及び資材を備蓄し、整備し、若しくは点検し、又は当該国民の保護のための措置の実施に必要なその管理に属する施設及び設備を整備し、若しくは点検しなければならない。
(災害対策基本法の規定による備蓄との関係)
第百四十六条 第百四十二条及び前条の規定による物資及び資材の備蓄と、災害対策基本法第四十九条の規定による物資及び資材の備蓄とは、相互に兼ねることができる。
(備蓄物資等の供給に関する相互協力)
第百四十七条 指定行政機関の長等は、武力攻撃事態等において、その備蓄する物資及び資材の供給に関し、相互に協力するよう努めなければならない。
(避難施設の指定)
第百四十八条 都道府県知事は、住民を避難させ、又は避難住民等の救援を行うため、あらかじめ、政令で定める基準を満たす施設を避難施設として指定しなければならない。
2 都道府県知事は、前項の規定により避難施設を指定しようとするときは、当該施設の管理者の同意を得なければならない。
(避難施設に関する届出)
第百四十九条 前条第一項の避難施設として指定を受けた施設の管理者は、当該施設を廃止し、又は用途の変更、改築その他の事由により当該施設の現状に政令で定める重要な変更を加えようとするときは、同項の規定による指定をした都道府県知事に届け出なければならない。
(避難施設に関する調査及び研究)
第百五十条 政府は、武力攻撃災害から人の生命及び身体を保護するために必要な機能を備えた避難施設に関する調査及び研究を行うとともに、その整備の促進に努めなければならない。
(職員の派遣の要請)
第百五十一条 地方公共団体の長等は、国民の保護のための措置の実施のため必要があるときは、政令で定めるところにより、指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長又は特定指定公共機関(指定公共機関である行政執行法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第四項の行政執行法人をいう。)をいう。以下この項及び第百五十三条において同じ。)に対し、当該指定行政機関若しくは指定地方行政機関又は特定指定公共機関の職員の派遣を要請することができる。
2 地方公共団体の委員会及び委員は、前項の規定により職員の派遣を要請しようとするときは、あらかじめ、当該地方公共団体の長に協議しなければならない。
3 市町村長等が第一項の規定による職員の派遣を要請するときは、都道府県知事等を経由してするものとする。ただし、人命の救助等のために特に緊急を要する場合については、この限りでない。
(平一七法一〇二・平二六法六七・一部改正)
(職員の派遣のあっせん)
第百五十二条 都道府県知事等又は市町村長等は、政令で定めるところにより、総務大臣又は都道府県知事に対し、前条第一項の職員の派遣について、あっせんを求めることができる。
2 都道府県知事等又は市町村長等は、国民の保護のための措置の実施のため必要があるときは、政令で定めるところにより、総務大臣又は都道府県知事に対し、都道府県知事等にあっては地方自治法第二百五十二条の十七第一項の職員の派遣について、市町村長等にあっては同項の職員又は地方独立行政法人法第百二十四条第一項の職員(指定地方公共機関である同法第二条第二項の特定地方独立行政法人(次条において「特定指定地方公共機関」という。)の職員に限る。)の派遣について、あっせんを求めることができる。
3 前条第二項及び第三項の規定は、前二項の規定によりあっせんを求める場合について準用する。
(平二五法四四・一部改正)
(職員の派遣義務)
第百五十三条 指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長、地方公共団体の長等並びに特定指定公共機関及び特定指定地方公共機関は、前二条の規定による要請又はあっせんがあったときは、その所掌事務又は業務の遂行に著しい支障のない限り、適任と認める職員を派遣しなければならない。
(職員の身分取扱い)
第百五十四条 災害対策基本法第三十二条の規定は、前条又は他の法律の規定により国民の保護のための措置の実施のため派遣された職員の身分取扱いについて準用する。この場合において、同法第三十二条第一項中「災害派遣手当」とあるのは、「武力攻撃災害等派遣手当」と読み替えるものとする。
(交通の規制等)
第百五十五条 都道府県公安委員会は、住民の避難、緊急物資の運送その他の国民の保護のための措置が的確かつ迅速に実施されるようにするため緊急の必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、区域又は道路の区間を指定して、緊急通行車両(道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第三十九条第一項の緊急自動車その他の車両で国民の保護のための措置の的確かつ迅速な実施のためその通行を確保することが特に必要なものとして政令で定めるものをいう。)以外の車両の道路における通行を禁止し、又は制限することができる。
2 災害対策基本法第七十六条第二項、第七十六条の二、第七十六条の三及び第七十六条の五の規定は、前項の規定による通行の禁止又は制限について準用する。この場合において、同法第七十六条の二第五項中「前条第一項」とあり、同法第七十六条の三第五項中「第七十六条第一項」とあるのは「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律第百五十五条第一項」と、同条第一項、第三項及び第四項並びに同法第七十六条の五中「災害応急対策」とあるのは「国民の保護のための措置」と、同法第七十六条の三第三項及び第六項中「災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官」とあるのは「出動等を命ぜられた自衛隊の部隊等の自衛官」と読み替えるものとする。
(平二六法一一四・一部改正)
(電気通信設備の優先利用等)
第百五十六条 指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長又は地方公共団体の長は、国民の保護のための措置の実施に必要な通信のため緊急かつ特別の必要があるときは、電気通信事業者がその事業の用に供する電気通信設備を優先的に利用し、又は有線電気通信法(昭和二十八年法律第九十六号)第三条第四項第四号に掲げる者が設置する有線電気通信設備若しくは無線設備を使用することができる。
(平二二法六五・一部改正)
(赤十字標章等の交付等)
第百五十七条 何人も、武力攻撃事態等において、特殊信号(第一追加議定書(千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ諸条約の国際的な武力紛争の犠牲者の保護に関する追加議定書(議定書Ⅰ)をいう。以下この項及び次条第一項において同じ。)第八条(m)の特殊信号をいう。次項及び第三項において同じ。)又は身分証明書(第一追加議定書第十八条3の身分証明書をいう。次項及び第三項において同じ。)をみだりに使用してはならない。
2 指定行政機関の長又は都道府県知事は、武力攻撃事態等においては、赤十字の標章及び名称等の使用の制限に関する法律(昭和二十二年法律第百五十九号。次項及び第四項において「赤十字標章法」という。)第一条及び前項の規定にかかわらず、指定行政機関の長にあっては避難住民等の救援の支援を行う当該指定行政機関の長が所管する医療機関又は当該指定行政機関の職員(その管轄する指定地方行政機関の職員を含む。次条第二項第一号において同じ。)である医療関係者(第八十五条第一項の政令で定める医療関係者をいう。以下この項及び次項において同じ。)に対し、都道府県知事にあってはその管理の下に避難住民等の救援を行う医療機関若しくは医療関係者又は当該避難住民等の救援に必要な援助について協力をする医療機関若しくは医療関係者に対し、これらの者(これらの者の委託により医療に係る業務を行う者を含む。以下この項において同じ。)又はこれらの者が行う医療のために使用される場所若しくは車両、船舶、航空機等(次項及び次条において「場所等」という。)を識別させるため、赤十字標章等(白地に赤十字、赤新月又は赤のライオン及び太陽の標章をいう。次項及び第四項において同じ。)、特殊信号又は身分証明書を交付し、又は使用させることができる。
3 前項に規定する医療機関及び医療関係者以外の医療機関及び医療関係者は、武力攻撃事態等においては、赤十字標章法第一条及び第一項の規定にかかわらず、これらの者(これらの者の委託により医療に係る業務を行う者を含む。以下この項において同じ。)又はこれらの者が行う医療のために使用される場所等を識別させるため、あらかじめ、医療機関である指定公共機関にあっては当該指定公共機関を所管する指定行政機関の長の、医療機関である指定地方公共機関にあっては当該指定地方公共機関を指定した都道府県知事の、その他の医療機関及び医療関係者にあっては当該者が医療を行う地域を管轄する都道府県知事の許可を受けて、赤十字標章等、特殊信号又は身分証明書を使用することができる。
4 赤十字標章法第三条の規定は、武力攻撃事態等においては、適用しない。ただし、対処基本方針が定められる前に同条の許可を受けた者は、武力攻撃事態等においても、同条に規定する傷者又は病者の無料看護を引き続き行う場合に限り、前項の規定にかかわらず、赤十字標章等を使用することができる。
(特殊標章等の交付等)
第百五十八条 何人も、武力攻撃事態等において、特殊標章(第一追加議定書第六十六条3の国際的な特殊標章をいう。次項及び第三項において同じ。)又は身分証明書(同条3の身分証明書をいう。次項及び第三項において同じ。)をみだりに使用してはならない。
2 次の各号に掲げる者(以下この項において「指定行政機関長等」という。)は、武力攻撃事態等においては、前項の規定にかかわらず、それぞれ当該各号に定める職員で国民の保護のための措置に係る職務を行うもの(指定行政機関長等の委託により国民の保護のための措置に係る業務を行う者を含む。)又は指定行政機関長等が実施する国民の保護のための措置の実施に必要な援助について協力をする者に対し、これらの者又は当該国民の保護のための措置に係るこれらの者が行う職務、業務若しくは協力のために使用される場所等を識別させるため、特殊標章又は身分証明書を交付し、又は使用させることができる。
一 指定行政機関の長 当該指定行政機関の職員
二 都道府県知事 当該都道府県の職員(次号及び第五号に定める職員を除く。)
三 警視総監及び道府県警察本部長 当該都道府県警察の職員
四 市町村長 当該市町村の職員(次号及び第六号に定める職員を除く。)
五 消防長 その所轄の消防職員
六 水防管理者 その所轄の水防団長及び水防団員
3 指定公共機関又は指定地方公共機関は、武力攻撃事態等においては、第一項の規定にかかわらず、当該指定公共機関若しくは指定地方公共機関が実施する国民の保護のための措置に係る業務を行う者(当該指定公共機関又は指定地方公共機関の委託により国民の保護のための措置に係る業務を行う者を含む。)若しくは当該指定公共機関若しくは指定地方公共機関が実施する国民の保護のための措置の実施に必要な援助について協力をする者又は当該国民の保護のための措置に係るこれらの者が行う業務若しくは協力のために使用される場所等を識別させるため、あらかじめ、指定公共機関にあっては当該指定公共機関を所管する指定行政機関の長の、指定地方公共機関にあっては当該指定地方公共機関を指定した都道府県知事の許可を受けて、特殊標章又は身分証明書を使用することができる。
第七章 財政上の措置等
(損失補償等)
第百五十九条 国及び地方公共団体は、第八十一条第二項、第三項若しくは第四項(同条第一項に係る部分を除く。)、第八十二条、第百十三条第一項若しくは第三項(同条第一項に係る部分に限る。)、同条第五項(同条第一項に係る部分に限る。)において準用する災害対策基本法第六十四条第七項若しくは第八項、第百二十五条第四項又は第百五十五条第二項において準用する同法第七十六条の三第二項後段(同条第三項又は第四項において準用する場合を含む。)の規定による処分が行われたときは、それぞれ、当該処分により通常生ずべき損失を補償しなければならない。
2 都道府県は、第八十五条第一項の規定による要請に応じ、又は同条第二項の規定による指示に従って医療を行う医療関係者に対して、政令で定める基準に従い、その実費を弁償しなければならない。
3 前二項の規定の実施に関し必要な手続は、政令で定める。
(損害補償)
第百六十条 国及び地方公共団体は、第七十条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)、第八十条第一項、第百十五条第一項又は第百二十三条第一項の規定による要請を受けて国民の保護のための措置の実施に必要な援助について協力をした者が、そのため死亡し、負傷し、若しくは疾病にかかり、又は障害の状態となったときは、政令で定めるところにより、その者又はその者の遺族若しくは被扶養者がこれらの原因によって受ける損害を補償しなければならない。
2 都道府県は、第八十五条第一項の規定による要請に応じ、又は同条第二項の規定による指示に従って医療を行う医療関係者が、そのため死亡し、負傷し、若しくは疾病にかかり、又は障害の状態となったときは、政令で定めるところにより、その者又はその者の遺族若しくは被扶養者がこれらの原因によって受ける損害を補償しなければならない。
3 前二項の規定の実施に関し必要な手続は、政令で定める。
(総合調整及び指示に係る損失の補てん)
第百六十一条 国は、国民の保護のための措置(第百四十一条に規定する武力攻撃災害の復旧に関する措置を除く。)の実施に関し、都道府県又は指定公共機関に対し、事態対処法第十四条第一項の規定により対策本部長が総合調整を行い、又は第五十六条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)、第六十条第一項、第六十八条、第七十三条第一項(第七十九条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第八十八条第一項の規定により内閣総理大臣が指示をした場合において、当該総合調整又は指示に基づく措置の実施に当たって当該都道府県又は指定公共機関が損失を受けたときは、それぞれ、当該都道府県又は指定公共機関に対し、政令で定めるところにより、その損失を補てんしなければならない。ただし、当該都道府県又は指定公共機関の責めに帰すべき事由により損失が生じたときは、この限りでない。
2 都道府県は、国民の保護のための措置の実施に関し、市町村又は指定公共機関若しくは指定地方公共機関に対し、第二十九条第一項の規定により都道府県対策本部長が総合調整を行い、又は第六十七条第二項(第六十九条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第七十三条第二項(第七十九条第二項において準用する場合を含む。)の規定により都道府県知事が指示をした場合において、当該総合調整又は指示に基づく措置の実施に当たって当該市町村又は指定公共機関若しくは指定地方公共機関が損失を受けたときは、それぞれ、当該市町村又は指定公共機関若しくは指定地方公共機関に対し、政令で定めるところにより、その損失を補てんしなければならない。ただし、当該市町村又は指定公共機関若しくは指定地方公共機関の責めに帰すべき事由により損失が生じたときは、この限りでない。
3 前二項の規定の実施に関し必要な手続は、政令で定める。
(被災者の公的徴収金の減免等)
第百六十二条 国は、別に法律で定めるところにより、武力攻撃災害による被災者の国税その他国の徴収金について、軽減若しくは免除又は徴収猶予その他必要な措置を講ずることができる。
2 地方公共団体は、別に法律で定めるところにより、又は当該地方公共団体の条例で定めるところにより、武力攻撃災害による被災者の地方税その他地方公共団体の徴収金について、軽減若しくは免除又は徴収猶予その他必要な措置を講ずることができる。
(国有財産等の貸付け等の特例)
第百六十三条 国は、国民の保護のための措置を実施するため必要があると認める場合において、国有財産又は国有の物品を貸し付け、又は使用させるときは、別に法律で定めるところにより、その貸付け又は使用の対価を無償とし、又は時価より低く定めることができる。
2 地方公共団体は、国民の保護のための措置を実施するため必要があると認める場合において、その所有に属する財産又は物品を貸し付け、又は使用させるときは、別に法律で定めるところにより、その貸付け又は使用の対価を無償とし、又は時価より低く定めることができる。
(国民の保護のための措置等に要する費用の支弁)
第百六十四条 法令に特別の定めがある場合を除き、国民の保護のための措置その他この法律の規定に基づいて実施する措置に要する費用は、その実施について責任を有する者が支弁する。
(他の地方公共団体の長等の応援に要する費用の支弁)
第百六十五条 第十二条第一項、第十七条第一項、第十八条第一項、第八十六条又は第百十九条の規定により他の地方公共団体の長等の応援を受けた地方公共団体の長等の属する地方公共団体は、当該応援に要した費用を支弁しなければならない。
2 前項の場合において、当該応援を受けた地方公共団体の長等の属する地方公共団体が当該費用を支弁するいとまがないときは、当該地方公共団体は、当該応援をする他の地方公共団体の長等の属する地方公共団体に対し、当該費用を一時的に立て替えて支弁するよう求めることができる。
(都道府県知事が市町村長の措置を代行した場合の費用の支弁)
第百六十六条 第十四条第一項に規定する市町村がその全部又は大部分の事務を行うことができなくなる前に当該市町村の長が実施した国民の保護のための措置又は当該市町村に対して他の市町村の長が実施した応援のために通常要する費用で、同項に規定する市町村に支弁させることが困難であると認められるものについては、当該市町村の属する都道府県が支弁する。
(市町村長が救援の事務を行う場合の費用の支弁)
第百六十七条 都道府県は、都道府県知事が第七十六条第一項の規定によりその権限に属する救援の実施に関する事務の一部を市町村長が行うこととしたときは、当該市町村長による救援の実施に要する費用を支弁しなければならない。
2 都道府県知事は、第七十六条第一項の規定によりその権限に属する救援の実施に関する事務の一部を市町村長が行うこととしたとき、又は都道府県が救援の実施に要する費用を支弁するいとまがないときは、救援を必要とする避難住民等の現在地の市町村に救援の実施に要する費用を一時的に立て替えて支弁させることができる。
(国及び地方公共団体の費用の負担)
第百六十八条 次に掲げる費用のうち、第百六十四条から前条まで(第百六十五条第二項及び前条第二項を除く。第三項において同じ。)の規定により地方公共団体が支弁したもので政令で定めるものについては、政令で定めるところにより、国が負担する。ただし、地方公共団体の職員の給料及び扶養手当その他政令で定める手当、地方公共団体の管理及び行政事務の執行に要する費用で政令で定めるもの並びに地方公共団体が施設の管理者として行う事務に要する費用で政令で定めるものについては、地方公共団体が負担する。
一 第二章に規定する住民の避難に関する措置に要する費用
二 第三章に規定する避難住民等の救援に関する措置に要する費用
三 第四章に規定する武力攻撃災害への対処に関する措置に要する費用
四 第百五十九条から第百六十一条までに規定する損失の補償若しくは実費の弁償、損害の補償又は損失の補てんに要する費用(地方公共団体に故意又は重大な過失がある場合を除く。)
2 第四十二条第一項の規定により指定行政機関の長又は指定地方行政機関の長が地方公共団体の長等と共同して行う訓練に係る費用で第百六十四条の規定により地方公共団体が支弁したものについては、政令で定めるものを除き、国が負担する。
3 前二項の規定により国が負担する費用を除き、第百六十四条から前条までの規定により地方公共団体が支弁する費用については、地方公共団体が負担する。
(国の補助)
第百六十九条 国は、地方公共団体が国民の保護のための措置その他この法律の規定に基づいて実施する措置に要する費用で前条第三項の規定により当該地方公共団体が負担するものについて、予算の範囲内において、その一部を補助することができる。
(起債の特例)
第百七十条 次に掲げる場合においては、政令で定める地方公共団体は、政令で定める年度に限り、地方財政法(昭和二十三年法律第百九号)第五条の規定にかかわらず、地方債をもってその財源とすることができる。
一 地方税、使用料、手数料その他の徴収金で総務省令で定めるものの武力攻撃災害のための減免で、その程度及び範囲が被害の状況に照らし相当と認められるものによって生ずる財政収入の不足を補う場合
二 国民の保護のための措置その他この法律の規定に基づいて実施する措置で総務省令で定めるものに通常要する費用で、当該地方公共団体の負担に属するものの財源とする場合
2 前項の地方債は、国が、その資金事情の許す限り、財政融資資金をもって引き受けるものとする。
3 第一項の規定による地方債を財政融資資金で引き受けた場合における当該地方債の利息の定率、償還の方法その他地方債に関し必要な事項は、政令で定める。
(平一七法一〇二・一部改正)
(武力攻撃災害の復旧に係る財政上の措置)
第百七十一条 前三条の規定にかかわらず、第百四十一条に規定する武力攻撃災害の復旧に関する措置に係る財政上の措置については、別に法律で定めるところによる。
2 前項の法律においては、武力攻撃災害の復旧に関する措置が的確かつ迅速に実施されるよう国費による必要な財政上の措置を講ずるものとする。
3 政府は、第一項の法律が施行されるまでの間においては、武力攻撃災害の復旧に関する措置が的確かつ迅速に実施されるよう必要な財政上の措置を講ずるものとする。
第八章 緊急対処事態に対処するための措置
(国、地方公共団体等の責務)
第百七十二条 国は、国民の安全を確保するため、緊急対処事態(事態対処法第二十二条第一項の緊急対処事態をいう。以下同じ。)においては、その組織及び機能の全てを挙げて自ら緊急対処保護措置(緊急対処事態対処方針(同項の緊急対処事態対処方針をいう。以下同じ。)が定められてから廃止されるまでの間に、指定行政機関、地方公共団体又は指定公共機関若しくは指定地方公共機関が第百八十三条において準用するこの法律の規定に基づいて実施する事態対処法第二十二条第三項第二号に掲げる措置(緊急対処事態対処方針が廃止された後これらの者が法律の規定に基づいて実施する被害の復旧に関する措置を含む。)その他これらの者が当該措置に関し国民の保護のための措置に準じて法律の規定に基づいて実施する措置をいう。以下同じ。)を的確かつ迅速に実施し、又は地方公共団体及び指定公共機関が実施する緊急対処保護措置を的確かつ迅速に支援し、並びに緊急対処保護措置に関し国費による適切な措置を講ずること等により、国全体として万全の態勢を整備する責務を有する。
2 地方公共団体は、緊急対処事態においては、緊急対処事態対処方針に基づき、自ら緊急対処保護措置を的確かつ迅速に実施し、及び当該地方公共団体の区域において関係機関が実施する緊急対処保護措置を総合的に推進する責務を有する。
3 指定公共機関及び指定地方公共機関は、緊急対処事態においては、この法律で定めるところにより、その業務について、緊急対処保護措置を実施する責務を有する。
4 国、地方公共団体並びに指定公共機関及び指定地方公共機関は、緊急対処保護措置を実施するに当たっては、相互に連携協力し、その的確かつ迅速な実施に万全を期さなければならない。
(平二七法七六・一部改正)
(国民の協力等)
第百七十三条 国民は、この法律の規定により緊急対処保護措置の実施に関し協力を要請されたときは、必要な協力をするよう努めるものとする。
2 前項の協力は国民の自発的な意思にゆだねられるものであって、その要請に当たって強制にわたることがあってはならない。
3 国及び地方公共団体は、自主防災組織及びボランティアにより行われる緊急対処保護措置に資するための自発的な活動に対し、必要な支援を行うよう努めなければならない。
(基本的人権の尊重)
第百七十四条 緊急対処保護措置を実施するに当たっては、日本国憲法の保障する国民の自由と権利が尊重されなければならない。
2 前項に規定する緊急対処保護措置を実施する場合において、国民の自由と権利に制限が加えられるときであっても、その制限は当該緊急対処保護措置を実施するため必要最小限のものに限られ、かつ、公正かつ適正な手続の下に行われるものとし、いやしくも国民を差別的に取り扱い、並びに思想及び良心の自由並びに表現の自由を侵すものであってはならない。
(国民の権利利益の迅速な救済)
第百七十五条 国及び地方公共団体は、緊急対処保護措置の実施に伴う損失補償、緊急対処保護措置に係る不服申立て又は訴訟その他の国民の権利利益の救済に係る手続について、できる限り迅速に処理するよう努めなければならない。
(指定行政機関及び指定地方行政機関の実施する緊急対処保護措置)
第百七十六条 指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長は、緊急対処事態対処方針が定められたときは、この法律その他法令の規定に基づき、その国民の保護に関する計画で定めるところにより、その所掌事務に係る緊急対処保護措置を実施しなければならない。
(都道府県の実施する緊急対処保護措置)
第百七十七条 都道府県知事は、緊急対処事態対処方針が定められたときは、この法律その他法令の規定に基づき、その国民の保護に関する計画で定めるところにより、当該都道府県の区域に係る緊急対処保護措置を実施しなければならない。
2 都道府県の委員会及び委員は、緊急対処事態対処方針が定められたときは、この法律その他法令の規定に基づき、その国民の保護に関する計画で定めるところにより、都道府県知事の所轄の下にその所掌事務に係る緊急対処保護措置を実施しなければならない。
3 第十一条第三項及び第四項の規定は、都道府県知事等が前二項の規定により緊急対処保護措置を実施する場合について準用する。この場合において、同条第三項中「対処基本方針」とあるのは、「緊急対処事態対処方針」と読み替えるものとする。
(市町村の実施する緊急対処保護措置)
第百七十八条 市町村長は、緊急対処事態対処方針が定められたときは、この法律その他法令の規定に基づき、その国民の保護に関する計画で定めるところにより、当該市町村の区域に係る緊急対処保護措置を実施しなければならない。
2 市町村の委員会及び委員は、緊急対処事態対処方針が定められたときは、この法律その他法令の規定に基づき、その国民の保護に関する計画で定めるところにより、市町村長の所轄の下にその所掌事務に係る緊急対処保護措置を実施しなければならない。
3 第十六条第三項から第五項までの規定は、市町村長等が前二項の規定により緊急対処保護措置を実施する場合について準用する。この場合において、同条第三項中「対処基本方針」とあるのは「緊急対処事態対処方針」と、同条第五項中「第十一条第四項」とあるのは「第百七十七条第三項において準用する第十一条第四項」と読み替えるものとする。
(指定公共機関及び指定地方公共機関の実施する緊急対処保護措置)
第百七十九条 指定公共機関及び指定地方公共機関は、緊急対処事態対処方針が定められたときは、この法律その他法令の規定に基づき、それぞれその国民の保護に関する業務計画で定めるところにより、その業務に係る緊急対処保護措置を実施しなければならない。
2 第二十一条第二項及び第三項の規定は、指定公共機関及び指定地方公共機関が前項の規定により緊急対処保護措置を実施する場合について準用する。
(安全の確保)
第百八十条 国は指定行政機関、地方公共団体及び指定公共機関が実施する緊急対処保護措置について、都道府県は当該都道府県、市町村並びに指定公共機関及び指定地方公共機関が実施する当該都道府県の区域に係る緊急対処保護措置について、市町村は当該市町村が実施する当該市町村の区域に係る緊急対処保護措置について、その内容に応じ、安全の確保に配慮しなければならない。
(緊急対処事態対策本部の所掌事務等)
第百八十一条 緊急対処事態対策本部(事態対処法第二十三条第一項の緊急対処事態対策本部をいう。次項において同じ。)は、事態対処法第二十四条において準用する事態対処法第十二条第一号に掲げるもののほか、次に掲げる事務をつかさどる。
一 指定行政機関、地方公共団体及び指定公共機関が実施する緊急対処保護措置の総合的な推進に関すること。
二 前号に掲げるもののほか、この法律の規定によりその権限に属する事務
2 第二十四条第二項から第七項までの規定は、緊急対処事態対策本部について準用する。この場合において、同条第二項中「国民の保護のための措置」とあるのは、「緊急対処保護措置」と読み替えるものとする。
(平二七法七六・一部改正)
(基本指針等の必要記載事項)
第百八十二条 政府は、緊急対処事態に備えて、基本指針において、第三十二条第二項各号に掲げる事項のほか、緊急対処保護措置の実施に関し必要な事項を定めなければならない。
2 指定行政機関の長、都道府県知事、市町村長並びに指定公共機関及び指定地方公共機関は、それぞれその国民の保護に関する計画又は国民の保護に関する業務計画において、第三十三条第二項各号、第三十四条第二項各号、第三十五条第二項各号及び第三十六条第三項各号に掲げる事項のほか、緊急対処保護措置の実施に関し必要な事項を定めなければならない。
3 都道府県知事及び市町村長が前項の規定により緊急対処保護措置の実施に関し必要な事項を定める場合における第三十七条第二項及び第三十九条第二項の規定の適用については、第三十七条第二項第一号及び第三十九条第二項第一号中「国民の保護のための措置」とあるのは、「国民の保護のための措置(緊急対処保護措置を含む。)」とする。
(準用)
第百八十三条 第七条、第八条及び第九条第一項、第一章第二節(第十条、第十一条、第十六条、第二十一条及び第二十二条を除く。)及び第三節(第二十四条並びに第二十九条第四項及び第七項を除く。)、第四十二条、第二章(第五十六条、第六十条、第六十八条及び第七十三条第一項を除く。)、第三章(第八十八条及び第九十三条を除く。)、第四章、第五章第二節及び第三節、第百四十一条、第百四十三条、第百四十四条、第百四十七条及び第百五十一条から第百五十六条まで並びに第七章(第百六十一条第一項を除く。)の規定は、緊急対処事態及び緊急対処保護措置について準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
第十四条第一項 |
武力攻撃災害 |
緊急対処事態における災害(武力攻撃に準ずる攻撃により直接又は間接に生ずる人の死亡又は負傷、火事、爆発、放射性物質の放出その他の人的又は物的災害をいう。以下同じ。) |
第十五条第一項 |
第二十条 |
第百八十三条において準用する第二十条 |
第十五条第二項及び第三項、第二十条第二項、第二十三条、第四十四条第一項、第四十五条第一項、第五十一条、第五十二条第一項から第四項まで、第五十三条、第五十四条第八項、第七十三条第三項、第七十四条、第九十七条第三項から第五項まで、第百条第三項、第百五条第二項、第七項から第十項まで及び第十二項、第百二十七条第三項及び第五項並びに第百二十八条第一項 |
対策本部長 |
緊急対処事態対策本部長 |
第十八条第二項 |
第十二条第一項後段 |
第百八十三条において準用する第十二条第一項後段 |
第二十条第一項 |
第十五条第一項 |
第百八十三条において準用する第十五条第一項 |
第二十三条の見出し |
武力攻撃等 |
緊急対処事態における攻撃等 |
第二十三条、第四十四条第一項及び第七十三条第四項 |
、武力攻撃 |
、緊急対処事態における攻撃 |
第二十三条、第七十四条第二項、第七十五条第一項、第八十五条第一項、第九十一条第一項、第九十四条第一項、第九十七条(見出しを含む。)、第九十八条第一項及び第三項、第九十九条第二項第一号、第百二条第一項から第三項まで、第五項及び第八項、第百三条の見出し並びに同条第一項、第三項及び第五項、第百四条の見出し、第百六条(見出しを含む。)、第百十一条第一項及び第二項、第百十二条第一項及び第五項、第百十三条第一項から第三項まで、第百十四条第一項及び第二項、第百十五条、第百十六条第一項、第百十七条(見出しを含む。)、第百十八条(見出しを含む。)、第百十九条第一項及び第二項、第百二十二条、第百二十三条第一項、第百二十四条第一項、第百二十五条第一項、第百二十六条第一項、第百三十八条(見出しを含む。)、第百三十九条、第百四十一条(見出しを含む。)、第百六十二条、第百六十八条第一項第三号、第百七十条第一項第一号並びに第百七十一条(見出しを含む。) |
武力攻撃災害 |
緊急対処事態における災害 |
第二十五条第一項 |
事態対処法第九条第六項(同条第十三項において準用する場合を含む。)の規定により対処基本方針の案又は対処基本方針の変更の案 |
事態対処法第二十二条第四項(同条第十項において準用する場合を含む。)の規定により緊急対処事態対処方針の案又は緊急対処事態対処方針の変更の案 |
|
第二十七条第一項 |
第百八十三条において準用する第二十七条第一項 |
第二十五条第一項及び第二十七条第一項 |
都道府県国民保護対策本部 |
都道府県緊急対処事態対策本部 |
|
市町村国民保護対策本部 |
市町村緊急対処事態対策本部 |
第二十六条、第四十五条第一項、第六十三条第一項及び第二項、第六十七条第五項、第七十条第三項、第七十二条、第百条第一項及び第三項、第百一条、第百八条第一項、第百二十七条第一項、第二項、第四項及び第五項並びに第百五十二条第一項 |
前条第一項 |
第百八十三条において準用する前条第一項 |
第二十七条第一項 |
第二十五条第二項 |
第百八十三条において準用する第二十五条第二項 |
第二十八条第一項 |
都道府県国民保護対策本部長 |
都道府県緊急対処事態対策本部長 |
|
市町村国民保護対策本部長 |
市町村緊急対処事態対策本部長 |
第二十九条第八項 |
、対策本部長 |
、緊急対処事態対策本部長 |
第三十条 |
第二十五条第四項 |
第百八十三条において準用する第二十五条第四項 |
第三十一条 |
第二十七条から前条まで |
第百八十三条において準用する第二十七条から前条まで(第二十九条第四項及び第七項を除く。) |
第四十四条第一項、第九十七条第五項、第百二条第八項、第百五条第九項及び第百七条第一項 |
対処基本方針 |
緊急対処事態対処方針 |
第四十四条第二項第二号 |
武力攻撃が |
緊急対処事態における攻撃が |
第四十五条の見出し |
対策本部長等 |
緊急対処事態対策本部長等 |
第四十六条、第百八条第二項、第百二十八条第一項及び第百六十九条 |
前条第三項 |
第百八十三条において準用する前条第三項 |
第四十七条第一項、第四十九条、第七十五条第一項、第百四十条及び第百五十四条 |
前条 |
第百八十三条において準用する前条 |
第四十八条及び第百五条第八項 |
第四十五条 |
第百八十三条において準用する第四十五条 |
第四十九条 |
第四十五条第一項 |
第百八十三条において準用する第四十五条第一項 |
第五十条 |
第四十五条第二項 |
第百八十三条において準用する第四十五条第二項 |
第五十一条第二項 |
第四十五条から前条まで |
第百八十三条において準用する第四十五条から前条まで |
第五十二条第一項及び第七十三条第三項 |
第四十四条第一項 |
第百八十三条において準用する第四十四条第一項 |
第五十二条第三項 |
第五十四条第一項 |
第百八十三条において準用する第五十四条第一項 |
第五十二条第七項 |
第四十六条 |
第百八十三条において準用する第四十六条 |
第五十二条第八項 |
第四十九条 |
第百八十三条において準用する第四十九条 |
第五十三条第三項 |
前条第四項から第八項まで |
第百八十三条において準用する前条第四項から第八項まで |
第五十四条第二項 |
第五十二条第二項各号 |
第百八十三条において準用する第五十二条第二項各号 |
第五十四条第四項及び第六十一条第四項 |
第四十七条第二項 |
第百八十三条において準用する第四十七条第二項 |
第五十五条第一項 |
第五十三条第一項 |
第百八十三条において準用する第五十三条第一項 |
第五十五条第二項 |
前条第一項後段 |
第百八十三条において準用する前条第一項後段 |
第五十五条第三項 |
前条第七項 |
第百八十三条において準用する前条第七項 |
第五十七条及び第百一条 |
第五十条 |
第百八十三条において準用する第五十条 |
第五十七条並びに第五十八条第七項及び第九項 |
第五十四条第七項 |
第百八十三条において準用する第五十四条第七項 |
第五十七条 |
第五十五条第三項 |
第百八十三条において準用する第五十五条第三項 |
第五十八条第四項 |
第五十四条第三項 |
第百八十三条において準用する第五十四条第三項 |
第五十八条第六項 |
第五十四条第六項 |
第百八十三条において準用する第五十四条第六項 |
第五十八条第八項及び第六十九条第一項 |
第五十五条第一項 |
第百八十三条において準用する第五十五条第一項 |
第六十三条第一項 |
第七十六条第一項、第七十八条第一項 |
第七十八条第一項 |
|
第七十七条の四第一項 |
第七十七条の四第二項 |
第六十四条第一項、第六十六条第一項、第六十七条第二項、第六十九条第二項及び第七十条第一項 |
第六十二条第一項 |
第百八十三条において準用する第六十二条第一項 |
第六十九条第二項 |
第六十二条及び |
第百八十三条において準用する第六十二条及び |
第七十一条第一項 |
第七十三条第二項から第四項まで |
第百八十三条において準用する第七十三条第二項から第四項まで |
第七十二条 |
指定公共機関又は指定地方公共機関 |
指定地方公共機関 |
|
指定公共機関にあっては対策本部長に対し、指定地方公共機関にあっては都道府県対策本部長 |
都道府県対策本部長 |
第七十三条の見出し |
内閣総理大臣等 |
都道府県知事 |
第七十三条第三項及び第四項 |
内閣総理大臣及び都道府県知事 |
都道府県知事 |
|
指定公共機関及び指定地方公共機関 |
指定地方公共機関 |
第七十三条第三項及び第百六十一条第三項 |
前二項 |
前項 |
第七十三条第四項 |
第一項及び第二項 |
第二項 |
第七十四条第一項 |
第五十二条第一項 |
第百八十三条において準用する第五十二条第一項 |
第七十五条第一項第一号及び第八十四条第一項 |
第八十二条 |
第百八十三条において準用する第八十二条 |
第七十七条第二項 |
第八十条第一項 |
第百八十三条において準用する第八十条第一項 |
第七十八条 |
第百三十五条第二項 |
第百八十三条において準用する第百三十五条第二項 |
第七十九条第一項 |
第百五十五条第一項 |
第百八十三条において準用する第百五十五条第一項 |
第七十九条第二項 |
第七十一条第二項 |
第百八十三条において準用する第七十一条第二項 |
|
第七十三条 |
第七十三条第二項から第四項まで |
第八十一条第一項 |
次条第一項 |
第百八十三条において準用する次条第一項 |
第八十二条第一項 |
第八十四条第一項 |
第百八十三条において準用する第八十四条第一項 |
第八十三条第一項、第八十四条第一項及び第百五十九条第一項 |
第八十一条第二項 |
第百八十三条において準用する第八十一条第二項 |
第八十四条第二項 |
第八十一条第三項 |
第百八十三条において準用する第八十一条第三項 |
第九十六条第三項及び第百五十二条第三項 |
前条第二項 |
第百八十三条において準用する前条第二項 |
第九十七条第七項、第百四条、第百五条第一項及び第七項、第百七条第一項並びに第百二十一条 |
武力攻撃に |
緊急対処事態における攻撃に |
第九十九条第一項 |
武力攻撃災害が |
緊急対処事態における災害が |
|
武力攻撃災害による |
緊急対処事態における災害による |
|
武力攻撃災害緊急通報 |
緊急対処事態における災害に係る緊急通報 |
第百条第二項 |
第四十七条 |
第百八十三条において準用する第四十七条 |
第百二条第四項 |
第百十九条第三項 |
第百八十三条において準用する第百十九条第三項 |
第百三条第一項 |
第百七条 |
第百八十三条において準用する第百七条 |
第百五条の見出し並びに同条第七項第一号及び第二号、第十一項、第十三項並びに第十四項 |
武力攻撃原子力災害 |
緊急対処事態における攻撃による原子力災害 |
第百九条第一項及び第百五十三条 |
前二条 |
第百八十三条において準用する前二条 |
第百九条第三項 |
第百七条第三項 |
第百八十三条において準用する第百七条第三項 |
第百十条 |
第百七条第二項 |
第百八十三条において準用する第百七条第二項 |
第百二十条及び第百七十一条第一項 |
前三条 |
第百八十三条において準用する前三条 |
第百二十一条第一項 |
第百二十一条第一項 |
第百八十三条において準用する同法第百二十一条第一項 |
第百五十一条第一項 |
第百五十三条 |
第百八十三条において準用する第百五十三条 |
第百五十二条第二項 |
次条 |
第百八十三条において準用する次条 |
第百五十五条第二項 |
第百五十五条第一項 |
第百八十三条において準用する同法第百五十五条第一項 |
第百五十九条第二項及び第百六十条第二項 |
第八十五条第一項 |
第百八十三条において準用する第八十五条第一項 |
第百六十条第一項 |
第七十条第一項 |
第百八十三条において準用する第七十条第一項 |
第百六十一条第二項 |
第二十九条第一項 |
第百八十三条において準用する第二十九条第一項 |
|
第六十七条第二項 |
第百八十三条において準用する第六十七条第二項 |
|
第六十九条第二項 |
第百八十三条において準用する第六十九条第二項 |
|
第七十九条第二項 |
第百八十三条において準用する第七十九条第二項 |
第百六十五条第一項 |
第十二条第一項 |
第百八十三条において準用する第十二条第一項 |
第百六十六条 |
第十四条第一項 |
第百八十三条において準用する第十四条第一項 |
第百六十七条 |
第七十六条第一項 |
第百八十三条において準用する第七十六条第一項 |
第百六十八条第一項及び第三項 |
第百六十四条から前条まで |
第百八十三条において準用する第百六十四条から前条まで |
第百六十八条第一項 |
第百六十五条第二項 |
第百八十三条において準用する第百六十五条第二項 |
|
第二章 |
第百八十三条において準用する第二章(第五十六条、第六十条、第六十八条及び第七十三条第一項を除く。) |
|
第三章 |
第百八十三条において準用する第三章(第八十八条及び第九十三条を除く。) |
|
第四章 |
第百八十三条において準用する第四章 |
|
第百五十九条から第百六十一条まで |
第百八十三条において準用する第百五十九条、第百六十条並びに第百六十一条第二項及び第三項 |
第百六十八条第二項 |
第四十二条第一項 |
第百八十三条において準用する第四十二条第一項 |
|
第百六十四条 |
第百八十三条において準用する第百六十四条 |
第百七十一条第一項 |
第百四十一条 |
第百八十三条において準用する第百四十一条 |