添付一覧
「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の定量法を準用する。
20 テクネチウム人血清アルブミン(99mTc)注射液
本品は、水性の注射剤で、テクネチウム99mをテクネチウム人血清アルブミンの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、テクネチウム99mの表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」と、別に注射剤の製法により製した注射用の塩化スズ(Ⅱ)又は塩化スズ(Ⅱ)二水和物及び人血清アルブミンとを混ぜ、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色~淡黄色澄明の液である。
確認試験
(1) 「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の確認試験(1)を準用する。
(2) 本品及び人血清アルブミン溶液(1→20)をそれぞれバルビタール緩衝液(pH8.6、イオン強度0.075)を用いて適当な条件下でセルロースアセテート膜を用いる電気泳動法により試験を行った後、ニンヒドリンのエタノール(95)溶液(1→1000)を噴霧して呈色させるとき、本品のスポットは人血清アルブミンのスポットと一致する。
pH
2.0~3.0
純度試験(放射化学的異物)
75vol%メタノールを展開溶媒として、ろ紙クロマトグラフィーにより約15cm展開して試験を行うとき、原点付近以外の放射能はろ紙上の総放射能の10%以下である。
定量法
「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の定量法を準用する。
21 テトロホスミンテクネチウム(99mTc)注射液
本品は、水性の注射剤で、テクネチウム99mをテトロホスミンテクネチウムの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、テクネチウム99mの表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」と、別に注射剤の製法により製した注射用の塩化スズ(Ⅱ)又は塩化スズ(Ⅱ)二水和物及びテトロホスミンスルホサリチル酸とを混ぜ、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験により確認する。
pH
7.5~9.0
純度試験(放射化学的異物)
テトラヒドロフラン/0.01mol/Lチオ硫酸ナトリウム試液混液(7:3)を展開溶媒として、薄層クロマトグラフィーにより約10cm展開して試験を行うとき、テトロホスミンテクネチウム(99mTc)以外の放射能は薄層上の総放射能の10%以下であり、薄層上の総放射能に対する原点付近の放射能の比率と、溶媒先端付近の放射能の比率の和は5%以下である(Rf=0.2~0.6)。
なお、薄層板は薄層クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを用いて調製する。
定量法
「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の定量法を準用する。
22 人血清アルブミンジエチレントリアミン五酢酸テクネチウム(99mTc)注射液
本品は、水性の注射剤で、テクネチウム99mを人血清アルブミンジエチレントリアミン五酢酸テクネチウムの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、テクネチウム99mの表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」と、別に注射剤の製法により製した注射用の塩化スズ(Ⅱ)又は塩化スズ(Ⅱ)二水和物及び人血清アルブミンジエチレントリアミン五酢酸とを混ぜ、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験により確認する。
pH
4.0~6.0
純度試験(放射化学的異物)
本品をバルビタール緩衝液(pH8.6、イオン強度0.06)を用いて適当な条件下でのセルロースアセテート膜を用いる電気泳動法により試験を行うとき、人血清アルブミンジエチレントリアミン五酢酸テクネチウム(99mTc)以外の放射能は、泳動膜上の総放射能の10%以下である。
なお、人血清アルブミンジエチレントリアミン五酢酸テクネチウム(99mTc)のスポットは、人血清アルブミン溶液(1→20)を同様に泳動し、ポンソー3R試液を噴霧したときの呈色により確認する。
定量法
「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の定量法を準用する。
23 ヒドロキシメチレンジホスホン酸テクネチウム(99mTc)注射液
本品は、水性の注射剤で、テクネチウム99mをヒドロキシメチレンジホスホン酸テクネチウムの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、テクネチウム99mの表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」と、別に注射剤の製法により製した注射用の塩化スズ(Ⅱ)又は塩化スズ(Ⅱ)二水和物及びヒドロキシメチレンジホスホン酸とを混ぜ、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験により確認する。
pH
4.0~6.0
純度試験(放射化学的異物)
ポリリン酸0.5gを塩化アンモニウム試液3mLと10mol/L尿素試液1mLの混液に溶かし、無水亜硫酸ナトリウム0.1gを加えた後、水16mLを加えて溶かした液を展開溶媒として、あらかじめ展開溶媒を原線上に塗布した後、薄層クロマトグラフィーにより約10cm展開して試験を行うとき、ヒドロキシメチレンジホスホン酸テクネチウム(99mTc)のスポット以外の放射能は薄層上の総放射能の5%以下である(Rf=0.90~1.00)。
なお、薄層板は薄層クロマトグラフィー用セルロースを用いて調製する。
定量法
「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の定量法を準用する。
24 N―ピリドキシル―5―メチルトリプトファンテクネチウム(99mTc)注射液
本品は、水性の注射剤で、テクネチウム99mをN―ピリドキシル―5―メチルトリプトファンテクネチウムの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、テクネチウム99mの表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」と、別に注射剤の製法により製した注射用の塩化スズ(Ⅱ)又は塩化スズ(Ⅱ)二水和物及びN―ピリドキシル―5―メチルトリプトファンとを混ぜて加熱し、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、微黄色澄明の液である。
確認試験
(1) 「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験により確認する。
pH
8.0~9.5
純度試験(放射化学的異物)
2―ブタノン/メタノール/2mol/L塩化カリウム試液混液(10:9:1)を展開溶媒として、薄層クロマトグラフィーにより約10cm展開して試験を行うとき、N―ピリドキシル―5―メチルトリプトファンテクネチウム(99mTc)のスポット以外の放射能は、薄層上の総放射能の5%以下である(Rf=0.65~0.80)。
なお、薄層板は薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製する。
定量法
「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の定量法を準用する。
25 ピロリン酸テクネチウム(99mTc)注射液
本品は、水性の注射剤で、テクネチウム99mをピロリン酸テクネチウムの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、テクネチウム99mの表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」と、別に注射剤の製法により製した注射用の塩化スズ(Ⅱ)又は塩化スズ(Ⅱ)二水和物及びピロリン酸ナトリウムとを混ぜ、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験により確認する。
pH
4.5~5.5
純度試験(放射化学的異物)
メタノール/アンモニア試液混液(17:3)を展開溶媒として、ろ紙クロマトグラフィーにより約15cm展開して試験を行うとき、原点付近以外の放射能はろ紙上の総放射能の5%以下である。
定量法
「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の定量法を準用する。
26 フィチン酸テクネチウム(99mTc)注射液
本品は、水性の注射剤で、テクネチウム99mをフィチン酸テクネチウムの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、テクネチウム99mの表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」と、別に注射剤の製法により製した注射用の塩化スズ(Ⅱ)又は塩化スズ(Ⅱ)二水和物及びフィチン酸ナトリウムとを混ぜ、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験により確認する。
pH
6.0~7.0
純度試験(放射化学的異物)
85vol%メタノールを展開溶媒として、ろ紙クロマトグラフィーにより約15cm展開して試験を行うとき、原点付近以外の放射能はろ紙上の総放射能の5%以下である。
定量法
「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の定量法を準用する。
27 ヘキサキス(2―メトキシイソブチルイソニトリル)テクネチウム(99mTc)注射液
本品は、水性の注射剤で、テクネチウム99mをヘキサキス(2―メトキシイソブチルイソニトリル)テクネチウムの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、テクネチウム99mの表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」と、別に注射剤の製法により製した注射用の塩化スズ(Ⅱ)又は塩化スズ(Ⅱ)二水和物及びテトラキス(2―メトキシイソブチルイソニトリル)銅(Ⅰ)四フッ化ホウ酸とを混ぜて加熱し、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験により確認する。
pH
5.0~6.0
純度試験(放射化学的異物)
アセトニトリル/メタノール/0.5mol/L酢酸アンモニウム試液/テトラヒドロフラン混液(4:3:2:1)を展開溶媒として、薄層クロマトグラフィーにより約10cm展開して試験を行うとき、ヘキサキス(2―メトキシイソブチルイソニトリル)テクネチウム(99mTc)のスポット以外の放射能は、薄層上の総放射能の10%以下である(Rf=0.35~0.55)。
なお、薄層板は薄層クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを用いて調製する。
定量法
「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の定量法を準用する。
28 メチレンジホスホン酸テクネチウム(99mTc)注射液
本品は、水性の注射剤で、テクネチウム99mをメチレンジホスホン酸テクネチウムの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、テクネチウム99mの表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」と、別に注射剤の製法により製した注射用の塩化スズ(Ⅱ)又は塩化スズ(Ⅱ)二水和物及びメチレンジホスホン酸とを混ぜ、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験により確認する。
pH
5.0~7.5
純度試験(放射化学的異物)
2―ブタノンを展開溶媒として、薄層クロマトグラフィーにより約10cm展開して試験を行うとき、原点付近以外の放射能は薄層上の総放射能の5%以下である。
なお、薄層板は薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製する。
定量法
「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の定量法を準用する。
29 メルカプトアセチルグリシルグリシルグリシンテクネチウム(99mTc)注射液
本品は、水性の注射剤で、テクネチウム99mをメルカプトアセチルグリシルグリシルグリシンテクネチウムの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、テクネチウム99mの表示された放射能の90~110%を含む。
製法
次のいずれかの方法による。
(1) 本品は、「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」と、別に注射剤の製法により製した注射用の塩化スズ(Ⅱ)又は塩化スズ(Ⅱ)二水和物及びベンゾイルメルカプトアセチルグリシルグリシルグリシンとを混ぜて加熱し、注射剤の製法により製する。
(2) 本品は、「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」と、別に注射剤の製法により製した注射用の塩化スズ(Ⅱ)又は塩化スズ(Ⅱ)二水和物及びメルカプトアセチルグリシルグリシルグリシンとを混ぜ、注射剤の製法により製する。
性状
製法(1)で製した本品は、無色澄明の液である。
製法(2)で製した本品は、微黄色澄明の液である。
確認試験
(1) 「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験により確認する。
pH
製法(1)で製した本品は、5.5~7.0
製法(2)で製した本品は、7.0~10.5
純度試験(放射化学的異物)
製法(1)で製した本品については(1)の試験を、製法(2)で製した本品については(2)の試験を行う。
(1) 0.9w/v%塩化ナトリウム溶液/メタノール/酢酸(100)混液(60:40:1)を展開溶媒として、薄層クロマトグラフィーにより約10cm展開して試験を行うとき、メルカプトアセチルグリシルグリシルグリシンテクネチウム(99mTc)のスポット以外の放射能は、薄層上の総放射能の10%以下である(Rf=0.35~0.50)。
なお、薄層板は薄層クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを用いて調製する。
(2) アセトニトリル/0.9w/v%塩化ナトリウム溶液/酢酸(100)混液(80:20:1)を展開溶媒として、薄層クロマトグラフィーにより約10cm展開して試験を行うとき、メルカプトアセチルグリシルグリシルグリシンテクネチウム(99mTc)のスポット以外の放射能は、薄層上の総放射能の6%以下である(Rf=0.55~0.85)。
なお、薄層板は薄層クロマトグラフィー用セルロースを用いて調製する。
定量法
「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の定量法を準用する。
30 インジウム(111In)オキシキノリン液
本品は、水性の液剤で、インジウム111をインジウムオキシキノリンの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、インジウム111の表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、塩化インジウム(111In)溶液に8―ヒドロキシキノリン溶液を加えてインジウム(111In)オキシキノリンを生成させた後、液剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 「塩化インジウム(111In)注射液」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験(1)により確認する。
pH
6.5~7.5
純度試験
(1) 放射化学的異物 本品0.1mLと生理食塩液3mLを分液漏斗に採り、よく振り混ぜる。これに1―オクタノール6mLを加えて激しく振り混ぜた後、15分間放置する。この水層を試料溶液1とする。分液漏斗を1―オクタノール1mLで洗い、その洗液と先の1―オクタノール層を合わせ、試料溶液2とする。さらに、分液漏斗を2mol/L塩酸試液5mLで洗い、その洗液を試料溶液3とする。試料溶液1、2及び3について、ガンマ線測定法の放射能の定量法により放射能を測定するとき、試料溶液1及び3の放射能の和は試料溶液1、2及び3の放射能の和の10%以下である。
(2) 異核種 本品について、ガンマ線測定法のGe半導体検出器による測定法によりガンマ線スペクトルを測定するとき、インジウム114mの他に異核種を認めない。
なお、インジウム114mは次の方法によりインジウム114mと放射平衡にあるインジウム114のベータ線から定量する。
本品の一定量に、塩化インジウム・塩酸液を加え、試料溶液とする。別に、インジウム111標準品及びインジウム114m標準品の一定量に、塩化インジウム・塩酸液を加え、それぞれインジウム111標準溶液及びインジウム114m標準溶液とする。各液及び塩化インジウム・塩酸液1.1mLについて、シンチレータ試液10mLを加え、それぞれの放射能をベータ線測定法の液体シンチレーション計数装置による測定法の放射能の定量により、インジウム111の測定に適しているエネルギー領域(チャネル1)及びインジウム114mの測定に適しているエネルギー領域(チャネル2)で計数し、次の式により試料の一定量中のインジウム111の放射能及びインジウム114mの放射能を求める。検定日において、試料の一定量中のインジウム111及びインジウム114mの放射能の和に対するインジウム114mの放射能は0.1%以下である。
SA:インジウム111標準品の一定量中の放射能
SB:インジウム114m標準品の一定量中の放射能
A:チャネル1におけるインジウム111標準溶液の計数率
B:チャネル2におけるインジウム114m標準溶液の計数率
C1:チャネル1における試料溶液の計数率
C2:チャネル2における試料溶液の計数率
D1:チャネル1における塩化インジウム・塩酸液の計数率
D2:チャネル2における塩化インジウム・塩酸液の計数率
E:試料の希釈倍数
EA:インジウム111標準品の希釈倍数
EB:インジウム114m標準品の希釈倍数
定量法
「塩化インジウム(111In)注射液」の定量法を準用する。
31 塩化インジウム(111In)注射液
本品は、水性の注射剤で、インジウム111を塩化インジウムの形で含む。
本品は、定量するとき、検定日時において、インジウム111の表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、塩化インジウム(111In)を精製した後、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 本品について、ガンマ線測定法のGe半導体検出器による測定法により試験を行うとき、0.171及び0.245MeVにピークを認める。
(2) 薄めたメタノール(17→20)を展開溶媒として、薄層クロマトグラフィーにより約10cm展開して試験を行うとき、主放射能ピークは原点上にある。
なお、薄層板は薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製する。
(3) 純度試験(1)により確認する。
pH
1.0~2.5
純度試験
(1) 放射化学的異物 0.5mol/L塩化ナトリウム溶液を展開溶媒として、薄層クロマトグラフィーにより約10cm展開して試験を行うとき、塩化インジウム(111In)のスポット以外の放射能は薄層上の総放射能の1%以下である。
なお、薄層板は薄層クロマトグラフィー用セルロースを用いて調製し、水を入れた展開槽に入れ、下端から15cm以上の高さまで展開した後、風乾して使用する。
(2) 異核種 本品について、ガンマ線測定法のGe半導体検出器による測定法の放射能の定量により放射能を測定するとき、検定日時において、インジウム111以外の放射能は総放射能の0.5%以下である。
定量法
本品の適当量について、ガンマ線測定法の放射能の定量により放射能を測定する。
32 塩化インジウム(111In)溶液(イブリツモマブ チウキセタン用)
本品は、イブリツモマブ チウキセタンを放射性核種で標識するための水溶液で、インジウム111を塩化インジウムの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、インジウム111の表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、塩化インジウム(111In)を精製した後、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 「塩化インジウム(111In)注射液」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験(1)により確認する。
純度試験
(1) 放射化学的異物 薄層板をアンモニア水(28)の上方に5秒間置き、次に塩化ナトリウム溶液(9→1000)を展開溶媒として、薄層クロマトグラフィーにより約15cm展開して試験を行うとき、塩化インジウム(111In)のスポット以外の放射能は、薄層上の総放射能の3%以下である。
なお、薄層板は薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製する。
(2) 異核種 本品について、ガンマ線測定法のGe半導体検出器による測定法の放射能の定量により放射線を測定するとき、検定日時において、インジウム111以外の放射能は総放射能の0.1%未満である。
定量法
本品の適当量について、ガンマ線測定法の放射能の定量により放射能を測定する。
33 塩化インジウム(111In)溶液(ペンテトレオチド用)
本品は、ペンテトレオチドを放射性核種で標識するための水溶液で、インジウム111を塩化インジウムの形で含む。
本品は、定量するとき、検定日時において、インジウム111の表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、塩化インジウム(111In)を精製した後、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 「塩化インジウム(111In)注射液」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験(1)により確認する。
pH
1.5~1.9
純度試験
(1) 放射化学的異物 薄層板をアンモニア水(28)の上方に5秒間置き、次に塩化ナトリウム溶液(9→1000)を展開溶媒として、薄層クロマトグラフィーにより約15cm展開して試験を行うとき、塩化インジウム(111In)のスポット以外の放射能は、薄層上の総放射能の1%以下である。
なお、薄層板は薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製する。
(2) 異核種 本品について、ガンマ線測定法のGe半導体検出器による測定法の放射能の定量により放射能を測定するとき、検定日時において、インジウム111以外の放射能は総放射能の0.3%未満である。
定量法
「塩化インジウム(111In)注射液」の定量法を準用する。
34 ジエチレントリアミン五酢酸インジウム(111In)注射液
本品は、水性の注射剤で、インジウム111をジエチレントリアミン五酢酸インジウムの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、インジウム111の表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、塩化インジウム(111In)溶液にジエチレントリアミン五酢酸塩溶液を加えてジエチレントリアミン五酢酸インジウム(111In)を生成させた後、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 「塩化インジウム(111In)注射液」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験(1)により確認する。
pH
6.0~8.0
純度試験
(1) 放射化学的異物 水/アセトン混液(1:1)を展開溶媒として、ろ紙クロマトグラフィーにより約10cm展開して試験を行うとき、ジエチレントリアミン五酢酸インジウム(111In)のスポット以外の放射能はろ紙上の総放射能の5%以下である。
なお、ジエチレントリアミン五酢酸インジウム(111In)のスポットは、ジエチレントリアミン五酢酸溶液を同様に展開し、ブロモクレゾールグリーン溶液を噴霧したときの呈色により確認する。
(2) 異核種 「塩化インジウム(111In)注射液」の純度試験(2)を準用する。
定量法
「塩化インジウム(111In)注射液」の定量法を準用する。
35 イオフルパン(123I)注射液
本品は、水性の注射剤で、ヨウ素123をイオフルパンの形で含む。本品は定量するとき、検定日時において、ヨウ素123の表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、キセノン124に陽子を照射して生成するセシウム123及びキセノン123の壊変によって得られるヨウ素123をN―ω―フルオロプロピル―2β―カルボメトキシ―3β―(4―トリメチルスタンニルフェニル)ノルトロパンのトリメチルスズ基と置換させた後、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 「ヨウ化ナトリウム(123I)カプセル」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験(1)により確認する。
pH
4.5~5.8
純度試験
(1) 放射化学的異物 本品及びイオフルパン標準液を1:1で混合した試料溶液の適量について、酢酸エチル/アセトン/トリエチルアミン混液(57:43:1)を展開溶媒として、薄層板の下端から約30mmの高さの位置を原線とし、薄層クロマトグラフィーにより約10cm展開して試験を行うとき、イオフルパン(123I)のスポット以外の放射能は薄層上の総放射能の6%以下であり、原線付近の放射能は2%以下である。
なお、イオフルパン(123I)のスポットは、紫外線(主波長254nm)を照射したときの呈色スポット位置により確認する。
また、薄層板は薄層クロマトグラフィー用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製する。
(2) 異核種 「ヨウ化ナトリウム(123I)カプセル」の純度試験(2)を準用する。
定量法
本品の適当量について、ガンマ線測定法の電離箱による測定法の放射能の定量により放射能を測定する。
36 イオマゼニル(123I)注射液
本品は、水性の注射剤で、ヨウ素123をイオマゼニルの形で含む。本品は、担体として、イオマゼニルを含む。本品は、定量するとき、検定日時において、ヨウ素123の表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、キセノン124に陽子を照射して生成するセシウム123及びキセノン123の壊変によって得られるヨウ素123をイオマゼニルのヨウ素原子と置換させた後、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 「ヨウ化ナトリウム(123I)カプセル」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験(1)により確認する。
pH
4.8~5.2
純度試験
(1) 放射化学的異物 酢酸エチル/アセトン/アンモニア水(28)混液(90:10:1)を展開溶媒として、薄層クロマトグラフィーにより約10cm展開して試験を行うとき、イオマゼニル(123I)のスポット以外の放射能は、薄層上の総放射能の6%以下である。
なお、イオマゼニル(123I)のスポットは、イオマゼニルのメタノール溶液(1→250)を同様に展開し、薄層板をヨウ素蒸気にさらしたときの呈色により確認する。また、薄層板は薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製する。
(2) 異核種 「ヨウ化ナトリウム(123I)カプセル」の純度試験(2)を準用する。
定量法
本品の適当量について、ガンマ線測定法の電離箱による測定法の放射能の定量により放射能を測定する。
37 塩酸N―イソプロピル―4―ヨードアンフェタミン(123I)注射液
本品は、水性の注射剤で、ヨウ素123を塩酸N―イソプロピル―4―ヨードアンフェタミンの形で含む。本品は、担体として、塩酸N―イソプロピル―4―ヨードアンフェタミンを含む。本品は、定量するとき、検定日時において、ヨウ素123の表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、キセノン124に陽子を照射して生成するセシウム123及びキセノン123の壊変によって得られるヨウ素123を塩酸N―イソプロピル―4―ヨードアンフェタミンのヨウ素原子と置換させた後、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 「ヨウ化ナトリウム(123I)カプセル」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験(1)により確認する。
pH
4.0~7.0
純度試験
(1) 放射化学的異物 メタノール/水/酢酸(100)混液(800:200:1)を展開溶媒として、薄層クロマトグラフィーにより約10cm展開して試験を行うとき、塩酸N―イソプロピル―4―ヨードアンフェタミン(123I)のスポット以外の放射能は、薄層上の総放射能の5%以下である。
なお、塩酸N―イソプロピル―4―ヨードアンフェタミン(123I)のスポットは、塩酸N―イソプロピル―4―ヨードアンフェタミン溶液(1→100)を同様に展開し、薄層板をヨウ素蒸気にさらしたときの呈色により確認する。また、薄層板は薄層クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを用いて調製する。
(2) 異核種 「ヨウ化ナトリウム(123I)カプセル」の純度試験(2)を準用する。
(3) ギ酸 本品0.1mLに2mol/L塩酸0.1mL及び約10mgのマグネシウム粉末を加える。水素の発生が終わった後、薄めた硫酸(1→2)2.0mLで完全にマグネシウム粉末を溶解し、クロモトロープ酸試液1.0mLを加え、加熱することにより呈する濃紫色は次の比較液より濃くない(1mg/mL以下)。
比較液:ギ酸約1.0gを量り、注射用水で1mg/mLの濃度にする。この液0.1mLを採り、同様に操作する。
(4) 銅 本品0.5mLにクエン酸水素二アンモニウム溶液(1→10)0.5mL、塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液(1→10)0.5mL及び0.1mol/Lクエン酸三ナトリウム試液50μLを加える。バソクプロイン・エタノール試液0.3mLを加え、振り混ぜた後、1―ヘキサノール0.5mLを加え、15秒間振り混ぜる。このとき、1―ヘキサノール層の呈する淡橙黄色は、次の比較液より濃くない(1ppm以下)。
比較液:硫酸銅(Ⅱ)五水和物0.157gを正確に量り、水及び硫酸70μLを加えて溶かし、正確に200mLとする。この液1.0mLを正確に採り、水及び硫酸30μLを加えて正確に200mLとする。この液0.5mLを正確に採り、同様に操作する。
定量法
本品の適当量について、ガンマ線測定法の電離箱による測定法の放射能の定量により放射能を測定する。
38 3―ヨードベンジルグアニジン(123I)注射液
本品は、水性の注射剤で、ヨウ素123を3―ヨードベンジルグアニジンの形で含む。本品は、担体として、3―ヨードベンジルグアニジンを含む。本品は、定量するとき、検定日時において、ヨウ素123の表示された放射能の90~110%を含む。本品の比放射能は、検定日時において、3―ヨードベンジルグアニジン1mgに対し1.11~3.7GBqである。
製法
本品は、キセノン124に陽子を照射して生成するセシウム123及びキセノン123の壊変によって得られるヨウ素123を3―ヨードベンジルグアニジンのヨウ素原子と置換させ、未反応のヨウ素123及び遊離したヨウ素を除いて精製した後、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 「ヨウ化ナトリウム(123I)カプセル」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験(1)により確認する。
pH
4.0~5.0
純度試験
(1) 放射化学的異物 ヨウ化ナトリウム0.5g、ヨウ素酸ナトリウム1.0g及び炭酸水素ナトリウム5.0gに水を加えて溶かして1000mLとした液の適量を担体として、80vol%メタノール溶液を展開溶媒として、薄層クロマトグラフィーにより約10cm展開して試験を行うとき、3―ヨードベンジルグアニジン(123I)のスポット以外の放射能は、薄層上の総放射能の10%以下である。
なお、3―ヨードベンジルグアニジン(123I)のスポットは、硫酸3―ヨードベンジルグアニジンの生理食塩液溶液(1→200)の適量を同様に展開し、チミン・1―ナフトール試液を噴霧して乾燥させ、もう一度噴霧して乾燥させた後、薄めた次亜塩素酸ナトリウム試液(1→5)を噴霧したときの呈色により確認する。また、薄層板は薄層クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを用いて調製する。
(2) 異核種 「ヨウ化ナトリウム(123I)カプセル」の純度試験(2)を準用する。
定量法
本品の適当量について、ガンマ線測定法の電離箱による測定法の放射能の定量により放射能を測定する。
39 ヨウ化ナトリウム(123I)カプセル
本品は、カプセル剤で、ヨウ素123をヨウ化ナトリウムの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、ヨウ素123の表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、キセノン124に陽子を照射して生成するセシウム123及びキセノン123の壊変によって得られるヨウ素123をヨウ化ナトリウム(123I)として分離精製した後、カプセル剤の製法により製する。
確認試験
(1) 本品1個又は本品1個を適量の温湯に溶かした液について、ガンマ線測定法のGe半導体検出器による測定法により試験を行うとき、0.159MeVにピークを認める。
(2) 純度試験(1)により確認する。
純度試験
(1) 放射化学的異物 本品1個を適量の温湯に溶かした液について、ヨウ化ナトリウム0.5g、ヨウ素酸ナトリウム1.0g及び炭酸水素ナトリウム5.0gに水を加えて溶かして100mLとした液1滴を担体として、75vol%メタノールを展開溶媒として、ろ紙クロマトグラフィーにより約10cm展開して試験を行うとき、ヨウ化ナトリウム(123I)のスポット以外の放射能は、ろ紙上の総放射能の5%以下である。
なお、ヨウ化ナトリウム(123I)のスポットは、デンプン試液、希酢酸及び亜硝酸カリウム試液をそれぞれ均等に噴霧したときの呈色により確認する。
(2) 異核種 本品について、ガンマ線測定法のGe半導体検出器による測定法の放射能の定量により放射能を測定するとき、検定日時において、ヨウ素123以外の放射能は総放射能の0.3%以下である。
定量法
本品1個又は本品1個を適量の温湯に溶かした液について、ガンマ線測定法の放射能の定量により放射能を測定する。
40 15―(4―ヨードフェニル)―3(R,S)メチルペンタデカン酸(123I)注射液
本品は、水性の注射剤で、ヨウ素123を15―(4―ヨードフェニル)―3(R,S)―メチルペンタデカン酸の形で含む。本品は、担体として、15―(4―ヨードフェニル)―3(R,S)―メチルペンタデカン酸を含む。本品は、定量するとき、検定日時において、ヨウ素123の表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、キセノン124に陽子を照射して生成するセシウム123及びキセノン123の壊変によって得られるヨウ素123を15―(4―ヨードフェニル)―3(R,S)―メチルペンタデカン酸のヨウ素原子と置換させた後、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 「ヨウ化ナトリウム(123I)カプセル」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験(1)により確認する。
pH
8.2~9.2
純度試験
(1) 放射化学的異物 ヨウ化ナトリウム0.5g、ヨウ素酸ナトリウム1.0g及び炭酸水素ナトリウム5.0gに水を加えて溶かして100mLとしたこの液の適量を担体として、メタノール/酢酸(100)混液(40:1)を展開溶媒として、薄層クロマトグラフィーにより約10cm展開して試験を行うとき、15―(4―ヨードフェニル)―3(R,S)―メチルペンタデカン酸(123I)のスポット以外の放射能は、薄層上の総放射能の5%以下である。
なお、15―(4―ヨードフェニル)―3(R,S)―メチルペンタデカン酸(123I)のスポットは、15―(4―ヨードフェニル)―3(R,S)―メチルペンタデカン酸標準液を担体を用いずに同様に展開し、薄層板をヨウ素蒸気にさらしたときの呈色により確認する。また、薄層板は薄層クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを用いて調製する。
(2) 異核種 「ヨウ化ナトリウム(123I)カプセル」の純度試験(2)を準用する。
(3) 銅 本品0.5mLにクエン酸水素二アンモニウム溶液(1→10)0.5mL、塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液(1→10)0.5mL及び0.1mol/Lクエン酸三ナトリウム試液50μLを加える。バソクプロイン・エタノール試液0.3mLを加え、振り混ぜた後、1―ヘキサノール0.5mLを加え、15秒間振り混ぜる。このとき、1―ヘキサノール層の呈する淡橙黄色は、次の比較液より濃くない(1ppm以下)。
比較液:硫酸銅(Ⅱ)五水和物0.157gを正確に量り、水及び硫酸70μLを加えて溶かし、正確に200mLとする。この液1.0mLを正確に採り、水及び硫酸30μLを加えて正確に200mLとする。この液0.5mLを正確に採り、同様に操作する。
定量法
本品の適当量について、ガンマ線測定法の電離箱による測定法の放射能の定量により放射能を測定する。
41 3―ヨードベンジルグアニジン(131I)注射液
本品は、水性の注射剤で、ヨウ素131を3―ヨードベンジルグアニジンの形で含む。本品は、担体として、3―ヨードベンジルグアニジンを含む。本品は、定量するとき、検定日時において、ヨウ素131の表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、3―ヨードベンジルグアニジンのヨウ素原子をヨウ素131で置換させ、未反応のヨウ素131及び遊離したヨウ素を除いて精製した後、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色~淡黄色澄明の液である。
確認試験
(1) 「ヨウ化ナトリウム(131I)液」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験により確認する。
pH
4.0~6.0
純度試験(放射化学的異物)
本品/ヨウ化ナトリウム溶液(1→10)混液(9:1)10μLを薄層板に塗布し、メタノール/生理食塩液/アンモニア水(28)混液(36:4:1)を展開溶媒として、薄層クロマトグラフィーにより約10cm展開して試験を行うとき、3―ヨードベンジルグアニジン(131I)のスポット以外の放射能は、薄層上の総放射能の7%以下である。
なお、3―ヨードベンジルグアニジン(131I)のスポットは、硫酸3―ヨードベンジルグアニジンの生理食塩液溶液(1→200)の適量を同様に展開し、紫外線(主に254nm)を照射したときのスポットにより確認する。また、薄層板は薄層クロマトグラフィー用オクチルシリル化シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製する。
定量法
「ヨウ化ナトリウム(131I)液」の定量法を準用する。
42 ヨウ化ナトリウム(131I)液
本品は、水性の液剤で、ヨウ素131をヨウ化ナトリウムの形で含む。本品は、担体として、ヨウ化ナトリウムの微量を含むことがある。本品は、定量するとき、検定日時において、ヨウ素131の表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、ヨウ化ナトリウム(131I)を精製した後、液剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 本品について、ガンマ線測定法のGe半導体検出器による測定法により試験を行うとき、0.364MeVにピークを認める。
(2) 純度試験(2)により確認する。
pH
7.0~10.0
純度試験
(1) 担体 本品0.1mLに水6mLを加え、塩化鉄(Ⅲ)試液2~3滴及びトルエン1mLを加えて振り混ぜた後放置するとき、トルエン層は無色である。
(2) 放射化学的異物 ヨウ化ナトリウム0.5g、ヨウ素酸ナトリウム1.0g及び炭酸水素ナトリウム5.0gに水を加えて溶かして100mLとした液1滴を担体として、75vol%メタノールを展開溶媒として、ろ紙クロマトグラフィーにより約15cm展開して試験を行うとき、ヨウ素酸塩のスポットの放射能はヨウ化物のスポットの総放射能の5%以下であり、ヨウ化物及びヨウ素酸塩のスポット以外の部分に放射能を認めない。
なお、ヨウ化物及びヨウ素酸塩のスポットは、担体を試料として同様に展開を行い、次の操作により確認する。
展開したろ紙を乾燥し、ガラス管に入れて1~2分間硫化水素を通じた後、フルオレセインナトリウム溶液(1→1000)を噴霧し、更に塩素試液を噴霧するとき、ヨウ化物及びヨウ素酸が呈色する。展開したろ紙に硫化水素を通じないでフルオレセインナトリウム溶液(1→1000)を噴霧し、更に塩素試液を噴霧するとき、ヨウ化物のみが呈色する。
定量法
本品の適当量について、ガンマ線測定法の放射能の定量により放射能を測定する。
43 ヨウ化ナトリウム(131I)カプセル
本品は、カプセル剤で、ヨウ素131をヨウ化ナトリウムの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、ヨウ素131の表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、「ヨウ化ナトリウム(131I)液」を採り、カプセル剤の製法により製する。
確認試験
(1) 本品1個又は本品1個を適量の温湯に溶かした液について、「ヨウ化ナトリウム(131I)液」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験(2)により確認する。
純度試験
(1) 担体 本品1個を温湯6mLに溶かした液について、「ヨウ化ナトリウム(131I)液」の純度試験(1)を準用する。
(2) 放射化学的異物 本品1個を適量の温湯に溶かした液について、「ヨウ化ナトリウム(131I)液」の純度試験(2)を準用する。この場合において、「ヨウ素酸塩のスポット以外の部分に」とあるのは、「ヨウ素酸塩のスポット以外の部分については、原点にわずかに放射能を認めることがあっても、その他の部分に」と読み替えるものとする。
定量法
本品1個又は本品1個を適量の温湯に溶かした液について、ガンマ線測定法の放射能の定量により放射能を測定する。
44 ヨウ化人血清アルブミン(131I)注射液
本品は、水性の注射剤で、ヨウ素131をヨウ素化された人血清アルブミンの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、ヨウ素131の表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、人血清アルブミン1グラム分子(約69000g)当たりヨウ素1グラム原子以上を入れないように、人血清アルブミンをヨウ素131を用いて、穏やかにヨウ素化し、未反応のヨウ素131を除いて精製した後、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色~淡黄色澄明の液である。
確認試験
(1) 「ヨウ化ナトリウム(131I)液」の確認試験(1)を準用する。
(2) 本品及び人血清アルブミン溶液(1→100)をそれぞれバルビタール緩衝液(pH8.6、イオン強度0.075)を用いて、適当な条件下でろ紙を用いる電気泳動法により試験を行う。ニンヒドリンのエタノール溶液(1→1000)を噴霧して呈色させ、また、放射能を計数するとき、本品の放射能のスポットは人血清アルブミンと同様の泳動像を示す。
pH
7.0~8.5
純度試験(放射化学的異物)
ヨウ化ナトリウム0.5g、ヨウ素酸ナトリウム1.0g及び炭酸水素ナトリウム5.0gに水を加えて溶かして100mLとした液1滴を担体として、75vol%メタノールを展開溶媒として、ろ紙クロマトグラフィーにより約15cm展開して試験を行うとき、原点付近の放射能はろ紙上の総放射能の95%以上であり、ヨウ化物のスポットの放射能はろ紙上の総放射能の3%以下である。
なお、ヨウ化物のスポットは、デンプン試液、希酢酸及び亜硝酸カリウム試液をそれぞれ均等に噴霧したときの呈色により確認する。
定量法
「ヨウ化ナトリウム(131I)液」の定量法を準用する。
45 ヨウ化ヒプル酸ナトリウム(131I)注射液
本品は、水性の注射剤で、ヨウ素131を2―ヨウ化ヒプル酸ナトリウムの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、ヨウ素131の表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、2―ヨウ化ヒプル酸のヨウ素原子をヨウ素131で置換させ、未反応のヨウ素131及び遊離したヨウ素を除いて精製した後、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 「ヨウ化ナトリウム(131I)液」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験により確認する。
pH
7.0~9.0
純度試験(放射化学的異物)
1―ブタノール/酢酸(100)/水混液(4:1:1)を展開溶媒として、薄層クロマトグラフィーにより約8cm展開して試験を行うとき、2―ヨウ化ヒプル酸(131I)のスポット以外の放射能は薄層上の総放射能の5%以下である。
なお、2―ヨウ化ヒプル酸(131I)のスポットは、2―ヨウ化ヒプル酸のメタノール溶液(1→100)を同様に展開し、紫外線(主波長254nm)を照射したときのスポットにより確認する。
また、薄層板は薄層クロマトグラフィー用セルロースを用いて調製する。
定量法
「ヨウ化ナトリウム(131I)液」の定量法を準用する。
46 ヨウ化メチルノルコレステノール(131I)注射液
本品は、水性の注射剤で、ヨウ素131をヨウ化メチルノルコレステノールの形で含む。本品は、担体として、ヨウ化メチルノルコレステノールを含む。本品は、定量するとき、検定日時において、ヨウ素131の表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、ヨウ化メチルノルコレステノールのヨウ素原子をヨウ素131で置換させ、未反応のヨウ素131及び遊離したヨウ素を除いて精製した後、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 「ヨウ化ナトリウム(131I)液」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験により確認する。
pH
5.5~7.0
純度試験(放射化学的異物)
ヨウ化ナトリウム0.5g、ヨウ素酸ナトリウム1.0g及び炭酸水素ナトリウム5.0gに水を加えて溶かし1000mLとする。この液の適量を担体として、エタノール/水混液(9:1)を展開溶媒として、薄層クロマトグラフィーにより約10cm展開して試験を行うとき、ヨウ化メチルノルコレステノール(131I)のスポット以外の放射能は薄層上の総放射能の10%以下である。
なお、ヨウ化メチルノルコレステノール(131I)のスポットは、ヨウ化メチルノルコレステノールのアセトン溶液(1→100)を同様に展開し、紫外線(主波長254nm)を照射したときのスポットにより確認する。また、薄層板は薄層クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製する。
定量法
「ヨウ化ナトリウム(131I)液」の定量法を準用する。
47 キセノン(133Xe)吸入用ガス
本品は、ガス剤で、キセノン133を気体の形で含む。本品は、希釈剤としての空気を含む。本品は、定量するとき、検定日時において、キセノン133の表示された放射能の80~120%を含む。
製法
本品は、キセノン133を適当な容器に充填した後、密封して、ガス剤の製法により製する。
性状
本品は、無色の気体である。
確認試験
本品について、ガンマ線測定法のGe半導体検出器による測定法により試験を行うとき、0.031(セシウム133のX線)及び0.081MeVにピークを認める。
純度試験(異核種)
本品について、ガンマ線測定法のGe半導体検出器による測定法の放射能の定量により放射能を測定するとき、検定日時において、キセノン133及びキセノン133m以外の放射能は総放射能の0.01%以下である。
定量法
本品の適当量について、ガンマ線測定法の放射能の定量により放射能を測定する。
48 ルテチウムオキソドトレオチド(177Lu)注射液
本品は、水性の注射剤で、ルテチウム177をルテチウムオキソドトレオチドの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、ルテチウム177の表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、塩化ルテチウム(177Lu)溶液をオキソドトレオチドトリフルオロ酢酸塩と反応させてルテチウムオキソドトレオチド(177Lu)を生成させた後、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色~淡黄色透明の液である。
確認試験
(1) 本品について、ガンマ線測定法のGe半導体検出器による測定法により試験を行うとき、0.113及び0.208MeVにピークを認める。
(2) 純度試験により確認する。
pH
4.5~6.0
純度試験
放射化学的異物 本品の適量を試料溶液とする。別にゲンチジン酸80±0.5mgを量り、トリフルオロ酢酸溶液(1→1000)を加えて正確に100mLとし、ゲンチジン酸溶液とする。オキソドトレオチドとして約500μgのオキソドトレオチドトリフルオロ酢酸塩に対し、トリフルオロ酢酸溶液(1→1000)を1mL加えてかき混ぜ、オキソドトレオチド溶液とする。ルテチウムオキソドトレオチドとして約500μgのルテチウムオキソドトレオチドトリフルオロ酢酸塩に対し、トリフルオロ酢酸溶液(1→1000)を1mL加えてかき混ぜ、ルテチウムオキソドトレオチド溶液とする。ゲンチジン酸溶液2800μL、オキソドトレオチド溶液50μL、ルテチウムオキソドトレオチド溶液50μL及びトリフルオロ酢酸溶液(1→1000)660μLを混合し、標準溶液とする。
試料溶液及び標準溶液20μLずつを正確にとり、次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行う。シンチレーション検出器を用いて試料溶液の各々のピーク面積を自動積分法により測定し、面積百分率法によりそれらの量を求めるとき、ルテチウムオキソドトレオチド(177Lu)のピークの面積は95.0%以上、ルテチウムイオン(177Lu)及びジエチレントリアミン五酢酸ルテチウム(177Lu)のピークの面積の合計は3.0%以下、ルテチウムオキソドトレオチド(177Lu)、ルテチウムイオン(177Lu)及びジエチレントリアミン五酢酸ルテチウム(177Lu)以外のピークの面積の合計は5.0%以下である。
なお、試料溶液の放射能の主ピークの位置が、標準溶液を同様に測定したときの紫外吸光光度計の主ピークの位置と一致することを確認する。
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:220nm)及びシンチレーション
検出器
カラム:内径4.6mm、長さ25cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充填する。
カラム温度:25℃付近の一定温度
移動相A:トリフルオロ酢酸溶液(1→1000)
移動相B:トリフルオロ酢酸のアセトニトリル溶液(1→1000)
移動相の送液:移動相の送液条件:移動相A及び移動相Bの混合比を次のように変えて濃度勾配制御する。