添付一覧
流量:毎分0.8mL
面積測定範囲:溶媒ピークの後から注入15分後までの範囲
システム適合性
検出の確認:フロルタウシピルをメタノール/水混液(9:1)で0.05μg/mLの濃度とし、検出の確認溶液とする。この液5μLにつき、上記の条件で操作するとき、フロルタウシピルのピークのSN比は10以上である。
システムの性能:フロルタウシピルをメタノール/水混液(9:1)で0.05mg/mLの濃度とし、システム適合性試験用溶液とする。この液5μLにつき、上記の条件で操作するとき、フロルタウシピルのピークのシンメトリー係数は1.5以下である。
システムの再現性:システム適合性試験用溶液5μLにつき、上記の条件で試験を5回繰り返すとき、フロルタウシピルのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である。
フロルベタピル C20H25FN2O3 白色~微黄白色又は灰白色の粉末である。
融点 78~84℃
確認試験
赤外吸収スペクトル 本品につき、日本薬局方の一般試験法の赤外吸収スペクトル測定法のATR法を準用して測定するとき、波数1604cm-1、1484cm-1、1278cm-1、1105cm-1及び829cm-1付近に吸収を認める。
純度試験
類縁物質 本品25mgにアセトニトリルを加えて正確に50mLとする。この液1mLを正確に量り、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液/アセトニトリル混液(3:1)を加えて正確に10mLとし、試料溶液とする。試料溶液10μLを正確に採り、次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行う。各々のピーク面積を自動積分法により測定し、面積百分率法によりそれらの量を求めるとき、フロルベタピルのピークの面積は98.0%以上であり、フロルベタピル以外のピークの総面積は1.0%以下である。
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:295nm)
カラム:内径4.6mm、長さ150mmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充填する。
カラム温度:30℃付近の一定温度
移動相A:0.1vol%トリフルオロ酢酸水溶液
移動相B:液体クロマトグラフィー用アセトニトリル
移動相の送液:移動相A及び移動相Bの混合比を次のように変えて濃度勾配制御する。
注入後の時間(分) |
移動相A(vol%) |
移動相B(vol%) |
0~15 |
75→60 |
25→40 |
15~20 |
60→10 |
40→90 |
20~25 |
10 |
90 |
25~25.1 |
10→75 |
90→25 |
25.1~30 |
75 |
25 |
流量:毎分1.0mL
面積測定範囲:溶媒ピークの後から注入30分後までの範囲
システム適合性
検出の確認:試料溶液1mLを正確に採り、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液/アセトニトリル混液(3:1)を加えて正確に100mLとする。この液1mLを正確に採り、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液/アセトニトリル混液(3:1)を加えて正確に10mLとする。この液10μLにつき、上記の条件で操作するとき、フロルベタピルのピークのSN比は8を上回る。
システムの再現性:試料溶液10μLにつき、上記の条件で試験を6回繰り返すとき、フロルベタピルのピーク面積及び保持時間の相対標準偏差はそれぞれ2.0%以下である。
水分 日本薬局方の一般試験法の水分測定法(カールフィッシャー)による。1.0%以下(50mg、電量滴定法)。
ヘキサクロロ白金(Ⅳ)酸六水和物 H2PtCl6・6H2O [K8153、特級]
1―ヘキサノール CH3(CH2)5OH 無色澄明の液体である。屈折率1.4157~1.420。比重0.816~0.821。
ベータ線スペクトル測定用イットリウム90標準液 含量99.999%以上の酸化イットリウム(89Y)を原料として、原子炉で中性子照射することにより生成したイットリウム90を溶解・希釈することにより、1mol/L硝酸溶液として製する。ストロンチウム90を含む他のベータ線放出核種をほとんど含有しない。検定日時における放射能は1mL当たり5MBqである。
ヘリウム He 99.995vol%以上。
ペンタフルオロフェニル化オクタデシルシリル化シリカゲル、液体クロマトグラフィー用 液体クロマトグラフィー用に製造したもの。
ホウ酸 H3BO3 [K8863、ほう酸、特級]
ポリジメチルシロキサン、ガスクロマトグラフィー用 ガスクロマトグラフィー用に製造したもの。
ポリリン酸 Hn+2PnO3n+1 無色~わずかに薄い黄色の液体である。含量P2O5として80.0%以上。
ポンソー3R C19H16N2Na2O7S2 暗赤色の粉末で、水に溶けやすい。本品の水溶液は、暗赤色を呈する。含量85%以上。
ポンソー3R試液 ポンソー3R0.8g及びトリクロロ酢酸6.0gを水に溶かし、100mLとする。
マグネシア試液 塩化マグネシウム六水和物5.5g及び塩化アンモニウム7gを水65mLに溶かし、アンモニア試液35mLを加え、瓶に入れて密栓し、数日間放置してろ過する。液が澄明でないときは使用前にろ過する。
マグネシウム粉末 Mg [K8876、特級]
マラカイトグリーン試液 マラカイトグリーンシュウ酸塩0.2gを水に溶かし、100mLとする。
マラカイトグリーンシュウ酸塩 C52H54N4O12 [K8878、マラカイトグリーン(しゅう酸塩)、特級]
無水エタノール C2H5OH [日本薬局方各条]
メタノール CH3OH [K8891、特級]
メタノール、液体クロマトグラフィー用 CH3OH 無色澄明の液で、水と混和する。
純度試験 紫外吸収物質 本品につき、水を対照とし、日本薬局方一般試験法の紫外可視吸光度測定法により試験を行うとき、波長210nm、220nm、230nm、240nm及び254nmにおける吸光度はそれぞれ0.70、0.30、0.15、0.07及び0.02以下である。
メチルレッド C15H15N3O2 [K8896、特級]
メチルレッド試液 メチルレッド0.1gをエタノール(95)100mLに溶かし、必要ならばろ過する。
UTEVA樹脂 ジペンチルペンチルホスホナートを被覆したキレート樹脂。六価のウラン並びに四価のトリウム、ネプツニウム及びプルトニウムのニトラト錯体に親和性を示す。粒径50~100μm。
UTEVA樹脂カラム UTEVA樹脂約0.1gに4mol/L硝酸試液約3mLを加えて緩やかにかき混ぜた後、容量2mLのカラムに充填する。
ヨウ化カリウム KI [K8913、よう化カリウム、特級]
ヨウ化白金(Ⅳ)酸カリウム試液 ヘキサクロロ白金(Ⅳ)酸六水和物0.2gに水2mL、ヨウ化カリウム溶液(1→25)25mL及び水を加えて正確に50mLとする。
ヨウ化ナトリウム NaI [K8918:1994、よう化ナトリウム、特級]
2―ヨウ化ヒプル酸 C9H8INO3 無色~白色の結晶である。融点171~174℃。
ヨウ化メチルノルコレステノール C27H45IO 白色のガラス状粉末で味及びにおいはなく、エタノール(95)、アセトン、ジエチルエーテル、n―ヘキサンに溶けやすく、水にほとんど溶けない。
ヨウ素 I [K8920、よう素、特級]
ヨウ素酸ナトリウム NaIO3 [K8923:1992、よう素酸ナトリウム、特級]
15―(4―ヨードフェニル)―3(R,S)―メチルペンタデカン酸標準液 精製した15―(4―ヨードフェニル)―3(R,S)―メチルペンタデカン酸1gを正確に量り、エタノール(95)を加えて溶かし、正確に100mLとする。
ライセート試液 ライセート試薬をエンドトキシン試験用水又は適当な緩衝液を用いて、穏やかにかき混ぜて溶かす。
ライセート試薬 本品はカブトガニ(Limulus polyphemus又はTachypleus tridentatus)の血球抽出成分から調製された凍結乾燥品である。本試薬にはβ―グルカンに反応するG因子を除去、又はG因子系の反応を抑制したものもある。
硫化水素 H2S 無色の有毒ガスで空気より重く、水に溶ける。硫化鉄(Ⅱ)に希硫酸又は希塩酸を作用させて製する。希酸を作用させるとき、硫化水素を発生するものであれば、硫化鉄(Ⅱ)以外の硫化物を代用してもよい。
硫化鉄(Ⅱ) FeS [K8948、硫化水素発生用]
硫化ナトリウム九水和物 Na2S・9H2O [K8949、特級]
硫化ナトリウム試液 硫化ナトリウム九水和物5gを水10mL及びグリセリン30mLの混液に溶かす。または、水酸化ナトリウム5gを水30mL及びグリセリン90mLの混液に溶かし、その半容量に冷時硫化水素を飽和し、それに残りの半容量を混和する。遮光した瓶にほとんど全満して保存する。調製後3箇月以内に用いる。
硫化ナトリウム試液、亜鉛試験用 硫化ナトリウム九水和物50mgを水に溶かし、100mLとする(0.05%)。
硫酸 H2SO4 [K8951、特級]
硫酸、0.25mol/L 硫酸15mLを水1000mL中にかき混ぜながら徐々に加え、放冷し、次の標定を行う。
標定 炭酸ナトリウム(標準試薬)を500~650℃で40~50分間加熱した後、デシケーター(シリカゲル)中で放冷し、その約0.4gを精密に量り、水50mLに溶かし、調製した硫酸で滴定し、ファクターを計算する(指示薬法:メチルレッド試液3滴又は電位差滴定法)。ただし、指示薬法の滴定の終点は液を注意して煮沸し、緩く栓をして冷却するとき、持続するだいだい色~だいだい赤色を呈するときとする。電位差滴定法は、被滴定液を激しくかき混ぜながら行い、煮沸しない。
0.25mol/L硫酸1mL=26.50mgNa2CO3
硫酸、希 硫酸5.7mLを水10mLに注意しながら加え、冷後、水を加えて100mLとする(10%)。
硫酸カリウムアルミニウム十二水和物 AlK(SO4)2・12H2O [K8255、硫酸カリウムアルミニウム・12水、特級]
硫酸銅(Ⅱ)五水和物 CuSO4・5H2O [K8983、特級]
硫酸ナトリウム、無水 Na2SO4 [K8987、硫酸ナトリウム、特級]
硫酸・メタノール試液、10vol% 硫酸2mLにメタノールを加え、正確に20mLとする。
硫酸3―ヨードベンジルグアニジン (C8H10IN3)2・H2SO4 白色の、結晶又は結晶性の粉末である。105℃で4時間乾燥したものに対し、含量98.0%以上。
確認試験
赤外吸収スペクトル 本品をメタノールに溶かした後、メタノールを蒸発し、残留物につき赤外吸収スペクトル測定法のATR法により測定するとき、波数1672cm-1、1628cm-1、1592cm-1、1567cm-1、1456cm-1、1421cm-1、1348cm-1、1208cm-1、1065cm-1、772cm-1及び614cm-1付近に吸収を認める。
リン酸 H3PO [K9005、りん酸、特級]
リン酸塩緩衝液、0.02mol/L、pH6.0 リン酸二水素カリウム13.61gを量り、水を加えて正確に500mLとした液100mLに水適量と0.2mol/L水酸化ナトリウム試液を加えてpH5.9~6.1に調整した後、水を加えて1000mLとする。
リン酸二水素カリウム KH2PO4 [K9007、りん酸二水素カリウム、特級]
リンモリブデン酸n水和物 P2O5・24MoO3・xH2O 黄色の、結晶又は結晶性の粉末である。
確認試験
(1) 本品の水溶液(1→10)10mLに、アンモニア試液0.5mLを加えるとき、黄色の沈殿を生じ、アンモニア試液2mLを加えるとき、沈殿は溶ける。更に硝酸(1→2)5mLを加えるとき、黄色の沈殿を生じる。
(2) 本品の水溶液(1→10)5mLに、アンモニア試液1mL及びマグネシア試液1mLを加えるとき、白色の沈殿を生じる。
リンモリブデン酸試液 リンモリブデン酸n水和物1.0gをエタノール(95)に溶かし、10mLとする。用時製する。
ルテチウムオキソドトレオチドトリフルオロ酢酸塩 C65H87LuN14O19S2・xCF3COOH 白色~微黄白色又は灰白色の粉末である。
確認試験
本品につき、α―シアノ―4―ヒドロキシケイ皮酸をマトリックスとして、日本薬局方の一般試験法の質量分析法のマトリックス支援レーザー脱離イオン化法により試験を行うとき、1607.5m/z付近にピークを認める。
第4 医薬品各条
1 フルシクロビン(18F)注射液
本品は、水性の注射剤で、フッ素18をフルシクロビンの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、フッ素18の表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、フルシクロビン(18F)を精製した後、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 「フルデオキシグルコース(18F)注射液」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験(1)により確認する。
pH
2.8~4.8
純度試験
(1) 放射化学的異物 アセトニトリル/水/酢酸(100)混液(4:1:1)を展開溶媒として、薄層クロマトグラフィーにより約10cm展開して試験を行うとき、フルシクロビン(18F)のスポット以外の放射能は薄層上の総放射能の2.5%以下である。
なお、放射能の主スポットの位置が、フルシクロビン塩酸塩約1mgを水1mLに溶かした溶液を同様に展開し、0.5%ニンヒドリンの1―ブタノール溶液を噴霧した後、160~200℃で2~5分間加熱したときの呈色スポットの位置と一致することを確認する。また、薄層板は、薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製する。
(2) 異核種 「フルデオキシグルコース(18F)注射液」の純度試験(2)を準用する。
定量法
「フルデオキシグルコース(18F)注射液」の定量法を準用する。
2 フルデオキシグルコース(18F)注射液
本品は、水性の注射剤で、フッ素18をフルデオキシグルコースの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、フッ素18の表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、フッ素18を、1,3,4,6―テトラ―O―アセチル―2―O―トリフルオロメタンスルホニル―β―D―マンノピラノースのトリフルオロメタンスルホニル基と置換させ、加水分解し精製した後、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色~微黄色澄明の液である。
確認試験
(1) 本品について、ガンマ線測定法のGe半導体検出器による測定法により試験を行うとき、0.511MeVにピークを認める。また、定量法の項により適当な時間間隔をあけて2回試験を行い、測定時間間隔と2回の放射能の測定値から半減期を測定するとき、その値は105~115分である。
(2) 純度試験(1)により確認する。
pH
5.0~7.5
純度試験
(1) 放射化学的異物 アセトニトリル/水混液(19:1)を展開溶媒として、薄層クロマトグラフィーにより約10cm展開して試験を行うとき、フルデオキシグルコース(18F)のスポット以外の放射能は薄層上の総放射能の5%以下である。
なお、放射能の主スポットの位置が、フルデオキシグルコース溶液(1→100)を同様に展開し、10vol%硫酸・メタノール試液を噴霧した後、加熱したときの呈色スポットの位置と一致することを確認する。また、薄層板は薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製する。
(2) 異核種 本品について、ガンマ線測定法のGe半導体検出器による測定法の放射能の定量により放射能を測定するとき、異核種を認めない。
(3) アルミニウムイオン 本品及び比較液をそれぞれアルミニウムイオン試験紙に滴下するとき本品の試験紙の呈する色は、比較液の呈する色より濃くない(2ppm以下)。
比較液:硝酸アルミニウム13.9gを正確に量り、0.5mol/L硝酸溶液に溶かし、正確に1000mLとする。この液0.2mLを正確に量り、水を加えて正確に100mLとする。この液1mLはアルミニウム(Al)0.002mgを含む。
(4) クリプトフィックス222 本品を試料溶液とし、クリプトフィックス222生理食塩液溶液(1→50000、20ppm)を標準溶液とする。これらの液につき、薄層クロマトグラフィーにより試験を行う。試料溶液及び標準溶液のそれぞれ5μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする。次に、メタノール/アセトン/0.5mol/L硝酸カリウム溶液混液(7:2:1)を展開溶媒として、約5cm展開した後、風乾する。この薄層板をヨウ素蒸気中に放置するとき、試料溶液から得た標準溶液と等しいRf値のスポットは、標準溶液から得たスポットより濃くない(20ppm以下)。
(5) アセトニトリル 本品及び定量用標準溶液の0.5μLにつき、次の条件でガスクロマトグラフィーにより試験を行い、それぞれの液のアセトニトリルのピーク面積AT及びASを測定し、本品中のアセトニトリルの残留量を求めるとき、110ppm以下である。
アセトニトリルの残留量(ppm)=AT/AS×1000
定量用標準溶液の調製 あらかじめ水50mLを入れた容器にアセトニトリル1.00gを正確に量り、水を加えて正確に100mLとする。この液10mLを正確に量り、水を加えて正確に100mLとし、定量用標準溶液とする。
試験条件
検出器:水素炎イオン化検出器
カラム:内径0.53mm、長さ30mのフューズドシリカ管の内面にガスクロマトグラフィー用ポリジメチルシロキサンを厚さ3μmで被覆する。
カラム温度:40℃を3.3分間保った後、その後、毎分20℃ずつ90℃まで昇温し、90℃を0.5分間保持する。
注入口温度:250℃付近の一定温度
検出器温度:220℃付近の一定温度
キャリヤーガス:ヘリウム
流量:アセトニトリルの保持時間が約2.8分となるように調整する。
スプリット比:1:10
システム適合性
システムの性能 定量用標準溶液2mLを正確に量り、水を加えて正確に100mLとし、システム適合性試験用溶液とする。システム適合性試験用溶液0.5μLにつき、上記の条件で試験するとき、アセトニトリルのシンメトリー係数は0.8以上1.5以下である。
システムの再現性 定量用標準溶液0.5μLにつき上記の条件で試験を3回繰り返すとき、アセトニトリルのピーク面積の相対標準偏差が5.0%以内、保持時間の相対標準偏差が2.0%以内であることを確認する。
定量法
本品の適当量について、ガンマ線測定法の放射能の定量により放射能を測定する。
3 フルテメタモル(18F)注射液
本品は、水性の注射剤で、フッ素18をフルテメタモルの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、フッ素18の表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、フッ素18をN―[4―(6―エトキシメトキシ―ベンゾチアゾール―2―イル)―2―ニトロフェニル]―N―メチルホルムアミドのニトロ基と置換させ、脱保護した後、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色~微黄色澄明の液である。
確認試験
(1) 「フルデオキシグルコース(18F)注射液」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験(1)により確認する。
pH
6.0~8.5
純度試験
(1) 放射化学的異物 本品を試料溶液とする。適当量の試料溶液及び標準溶液20μLにつき、次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行う。シンチレーション検出器を用いて試料溶液の各々のピーク面積(0.3%以上のピーク)を自動積分法により測定し、面積百分率法によりそれらの量を求めるとき、フルテメタモル(18F)以外のピークの量はそれぞれ3.0%以下である。また、フルテメタモル(18F)以外のピークの合計量は10.0%以下である。
なお、紫外吸光光度計を用いて標準溶液の測定を行うとき、フルテメタモルの保持時間と放射能の主ピークの保持時間が一致することを確認する。
標準溶液の調製 フルテメタモル約5mgを精密に量り、エタノール(99.5)を加えて正確に250mLとした後、この液5mLを正確に量り、水を加えて正確に20mLとする。
試験条件
検出器:シンチレーション検出器、紫外吸光光度計(測定波長:330nm)
カラム:内径4.6mm、長さ15cmのステンレス管に3μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充填する。
カラム温度:25℃付近の一定温度
移動相A:酢酸アンモニウム15.4gを水に溶かし、200mLとする。この液20mLを水900mLに加え、ギ酸を加えてpH6.0に調整した後、更に水を加えて正確に1000mLとする。
移動相B:液体クロマトグラフィー用アセトニトリル
移動相の送液:移動相A及び移動相Bの混合比を次のように変えて濃度勾配制御する。
注入後の時間(分) |
移動相A(vol%) |
移動相B(vol%) |
0~9.0 |
62→40 |
38→60 |
9.0~10.0 |
40→10 |
60→90 |
10.0~20.0 |
10 |
90 |
流量:毎分1.0mL
面積測定範囲:試料溶液注入後20分間
システム適合性
検出の確認:標準溶液1mLを正確に量り、水を加えて正確に100mLとする。この液20μLから得たフルテメタモルのピーク面積が、標準溶液のフルテメタモルのピーク面積の0.7~1.3%になることを確認する。
システムの性能:標準溶液20μLにつき、上記の条件で操作するとき、フルテメタモルのピークの理論段数及びシンメトリー係数は、それぞれ20000段以上、0.7~1.5である。
システムの再現性:標準溶液20μLにつき、上記の条件で試験を3回繰り返すとき、フルテメタモルのピーク面積の相対標準偏差は0.95%以下である。
(2) 異核種 「フルデオキシグルコース(18F)注射液」の純度試験(2)を準用する。
定量法
「フルデオキシグルコース(18F)注射液」の定量法を準用する。
4 フロルタウシピル(18F)注射液
本品は、水性の注射剤で、フッ素18をフロルタウシピルの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、フッ素18の表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、フッ素18を、5―[5―(tert―ブトキシカルボニル)―5H―ピリド[4,3―b]インドール―7―イル]―N,N,N―トリメチルピリジン―2―アミニウム―4―メチルベンゼンスルホネートのトリメチルアンモニウム基と置換させ、脱保護し精製した後、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 「フルデオキシグルコース(18F)注射液」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験(1)により確認する。
pH
6.0~8.0
純度試験
(1) 放射化学的異物 本品を試料溶液とする。試料溶液及び標準溶液25μLにつき、次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行う。シンチレーション検出器を用いて試料溶液の各々のピーク面積を自動積分法により測定し、面積百分率法によりそれらの量を求めるとき、フロルタウシピル(18F)以外のピークの面積はそれぞれ5%以下であり、フロルタウシピル(18F)以外のピークの総面積は10%以下である。なお、試料溶液の放射能の主ピークの位置が、標準溶液を同様に測定したときの紫外吸光光度計の主ピークの位置と一致することを確認する。
標準溶液の調製 フロルタウシピル約20mgを精密に量り、ジメチルスルホキシド/メタノール混液(3:1)を加えて溶かし、正確に20mLとする。この液0.1mLに生理食塩液/無水エタノール混液(9:1)を加えて正確に100mLとし、標準溶液とする。
試験条件
検出器:シンチレーション検出器、紫外吸光光度計(測定波長:260nm)
カラム:内径4.6mm、長さ10cmのステンレス管に3.5μmの液体クロマトグラフィー用フェニルヘキシルシリル化シリカゲルを充填する。
カラム温度:25℃付近の一定温度
移動相:酢酸アンモニウム0.9gを水450mLに溶かした液に液体クロマトグラフィー用メタノール550mLを加える。
流量:毎分1.2mL
面積測定範囲:溶媒ピークの後から注入後15分まで
システム適合性
システムの性能:標準溶液25μLにつき、上記の条件で操作するとき、フロルタウシピルのピークの理論段数及びシンメトリー係数は、それぞれ5000段以上、2.0以下である。
システムの再現性:標準溶液25μLにつき、上記の条件で試験を3回繰り返すとき、フロルタウシピルのピーク面積及び保持時間の相対標準偏差は、それぞれ2.0%以下である。
(2) クリプトフィックス 222 本品適量をあらかじめヨウ化白金(IV)酸カリウム試液適量をスポットして乾燥させた薄層板にスポットする。薄層板を2分間放置した後、スポットの呈色を比較するとき、本品のスポットは同時に試験する比較液のスポットよりも濃くない(50μg/mL以下)。
なお、薄層板は薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製する。
比較液の調製 クリプトフィックス222 50mgに無水エタノールを加えて正確に10mLとする。この液0.1mLを正確に量り、生理食塩液/無水エタノール混液(9:1)を加えて正確に10mLとし、比較液とする。
(3) 異核種 「フルデオキシグルコース(18F)注射液」の純度試験(2)を準用する。
定量法
「フルデオキシグルコース(18F)注射液」の定量法を準用する。
5 フロルベタピル(18F)注射液
本品は、水性の注射剤で、フッ素18をフロルベタピルの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、フッ素18の表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、フッ素18を、(E)―2―(2―(2―(5―(4―(tert―ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)スチリル)ピリジン―2―イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エチル4―メチルベンゼンスルホネートの4―メチルベンゼンスルホニル基と置換させ、加水分解し精製した後、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 「フルデオキシグルコース(18F)注射液」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験(1)により確認する。
pH
5.5~8.0
純度試験
(1) 放射化学的異物 本品を試料溶液とする。試料溶液及び標準溶液20μLずつを正確に採り、次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行う。シンチレーション検出器を用いて試料溶液の各々のピーク面積を自動積分法により測定し、面積百分率法によりそれらの量を求めるとき、フロルベタピル(18F)以外のピークの面積はそれぞれ5%以下であり、フロルベタピル(18F)以外のピークの総面積は10%以下である。
なお、試料溶液の放射能の主ピークの位置が、標準溶液を同様に測定したときの紫外吸光光度計の主ピークの位置と一致することを確認する。
標準溶液の調製 アスコルビン酸ナトリウム0.45gに生理食塩液90mLを加えて溶かし、さらに無水エタノール10mLを加えてかき混ぜ、溶解液とする。別にフロルベタピルの無水エタノール溶液(1→1000)0.1mLを正確に量り、溶解液を加えて正確に10mLとする。この液2mLに溶解液を加えて正確に10mLとし、標準溶液とする。
試験条件
検出器:シンチレーション検出器、紫外吸光光度計(測定波長:320nm)
カラム:内径4.6mm、長さ150mmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充填する。
カラム温度:25℃付近の一定温度
移動相:フッ化カリウム1.00gを水250mLに溶かした液に、メタノール750mL及び酢酸(100)1.0mLを加える。
流量:毎分1mL
面積測定範囲:溶媒のピークの後から注入後20分まで
システム適合性
システムの性能:標準溶液20μLにつき、上記の条件で操作するとき、フロルベタピル(19F)のピークの理論段数及びシンメトリー係数は、それぞれ4000段以上、1.5以下である。
システムの再現性:標準溶液20μLにつき、上記の条件で試験を3回繰り返すとき、フロルベタピル(19F)のピーク面積及び保持時間の相対標準偏差はそれぞれ2%以下、3%以下である。
(2) クリプトフィックス222 本品適量をあらかじめヨウ化白金(Ⅳ)酸カリウム試液適量をスポットして乾燥させた薄層板にスポットする。薄層板を2分間放置した後、スポットの呈色を比較するとき、本品のスポットは同時に試験する比較液のスポットよりも濃くない。(50μg/mL以下)
比較液の調製 アスコルビン酸ナトリウム0.45gに生理食塩液90mLを加えて溶かし、さらに無水エタノール10mLを加えてかき混ぜ、溶解液とする。別に、クリプトフィックス222 50mgに無水エタノールを加えて正確に10mLとする。この液0.1mLを正確に量り、溶解液を加えて正確に10mLとし、比較液とする。
(3) 異核種 「フルデオキシグルコース(18F)注射液」の純度試験(2)を準用する。
定量法
「フルデオキシグルコース(18F)注射液」の定量法を準用する。
6 クロム酸ナトリウム(51Cr)注射液
本品は、水性の注射剤で、クロム51をクロム酸ナトリウムの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、クロム51の表示された放射能の90~110%を含む。本品の比放射能は、クロム酸ナトリウム1mgに対し370MBq以上である。
製法
本品は、クロム酸ナトリウム(51Cr)を精製した後、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色~淡黄色澄明の液である。
確認試験
(1) 本品について、ガンマ線測定法のGe半導体検出器による測定法により試験を行うとき、0.320MeVにピークを認める。
(2) 純度試験により確認する。
pH
5.5~8.0
純度試験
放射化学的異物 クロム酸ナトリウム溶液(1→10)1滴を担体として、水/エタノール(95)/アンモニア水(28)混液(5:2:1)を展開溶媒として、ろ紙クロマトグラフィーにより、約10cm展開して試験を行うとき、クロム酸ナトリウム(51Cr)のスポット以外の放射能はろ紙上の総放射能の10%以下である。
なお、クロム酸ナトリウム(51Cr)のスポットは、その色調で確認する。
定量法
(1) 本品の適当量について、ガンマ線測定法の放射能の定量により放射能を測定する。
(2) 本品の一定量を精密に量り、1,5―ジフェニルカルボノヒドラジドの8vol%硫酸溶液(2→5)1.0mL、希硫酸0.4mL及び水を加えて正確に10mLとし、よく振り混ぜ、約20分間放置した液を試料溶液とする。別にクロム酸カリウム標準液1.0~6.0mLを正確に量り、同様に標準溶液とする。これらの液について、紫外可視吸光度測定法により試験を行い、波長550nmにおける吸光度を測定する。ただし、対照液は水を用いる。試料溶液及び標準溶液の吸光度を比較することにより求めた本品中のクロム酸ナトリウムの量と(1)で求めた放射能から、比放射能を算出する。
7 クエン酸ガリウム(67Ga)注射液
本品は、水性の注射剤で、ガリウム67をクエン酸ガリウムの形で含む。
本品は、定量するとき、検定日時において、ガリウム67の表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、塩化ガリウム(67Ga)とクエン酸ナトリウム溶液を反応させてクエン酸ガリウム(67Ga)を生成させた後、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色~淡赤色澄明の液である。
確認試験
(1) 本品について、ガンマ線測定法のGe半導体検出器による測定法により試験を行うとき、0.093、0.185、0.300及び0.394MeVにピークを認める。
(2) 純度試験(1)により確認する。
pH
6.0~8.0
純度試験
(1) 放射化学的異物 0.1mol/Lクエン酸三ナトリウム試液/エタノール(95)混液(5:3)を展開溶媒として、ろ紙クロマトグラフィーにより約10cm展開して試験を行うとき、クエン酸ガリウム(67Ga)のスポット以外の放射能はろ紙上の総放射能の2%以下である(Rf=0.7~0.9)。
(2) 亜鉛 本品50μLに水0.75mL及び0.1mol/Lアンモニア試液50μLを加え混和する。次にジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム試液50μL及びジチゾン・イソプロピルエーテル試液1mLを順次加えてその都度激しく振り混ぜ、更に亜鉛試験用硫化ナトリウム試液1mLを加えて激しく振り混ぜる。数分間静置するとき、イソプロピルエーテル層の呈する色は、次の比較液より濃くない(5ppm以下)。
比較液:亜鉛標準溶液50μLを試験管に採り、本品と同様に操作する。
(3) 鉄 本品0.5mLを採り、6mol/L塩酸試液0.5mL及び0.03%過酸化水素試液0.1mLを加えて激しく振り混ぜた後、5%チオシアン酸カリウム試液0.5mLを加えて激しく振り混ぜるとき、液の色は次の比較液より濃くない(20ppm以下)。
比較液:20μg/mL鉄標準液0.5mLを採り、本品と同様に操作する。
(4) 重金属 本品2.0mLを採り、希酢酸0.2mL及び硫化ナトリウム試液1滴を加えて混和し、5分間放置するとき、液の色は、次の比較液より濃くない(0.5ppm以下)。
比較液:0.5μg/mL鉛標準液2.0mLを採り、本品と同様に操作する。
定量法
本品の適当量について、ガンマ線測定法の放射能の定量により放射能を測定する。
8 クリプトン(81mKr)ジェネレータ
本品は、ジェネレータ剤で、ルビジウム81を水酸化ルビジウムの形で、適当なカラムに充填した強酸性の陽イオン交換樹脂に吸着させ、これにクリプトン(81mKr)吸入用ガスを溶出させるために必要な装置及び不必要な被ばくを避けるための十分な遮へい装置を合わせたものである。
本品のカラムに加湿した酸素又は空気を通じることによりクリプトン(81mKr)吸入用ガスを溶出することができる。
本品中に含まれるルビジウム81とクリプトン81mが放射平衡にあるとき、本品の使用方法により本品から溶出されるクリプトン(81mKr)吸入用ガスは、定量するとき、検定日時において、ルビジウム81の表示された放射能の80~120%を含む。
製法
本品は、適当なカラムに適当量の陽イオン交換樹脂を充填し、精製した水酸化ルビジウム(81Rb)液を加えて吸着させ、注射用水でよく洗った後、その他の装置と合わせ、ジェネレータ剤の製法により製する。
溶出ガス試験
本品の使用方法により、本品から溶出されるクリプトン(81mKr)吸入用ガスは、次に掲げる性状、確認試験及び純度試験に適合する。
(1) 性状 無色の気体である。
(2) 確認試験 ガンマ線測定法のGe半導体検出器による測定法により試験を行うとき、0.190MeVにピークを認める。
(3) 純度試験 (異核種) 定量法で定量したクリプトン(81mKr)吸入用ガスを5分間放置したものについて、ガンマ線測定法のGe半導体検出器による測定法の放射能の定量により放射線を測定するとき、検定日時において、クリプトン81m以外の放射能は総放射能の0.1%以下である。
(4) 定量法 クリプトン(81mKr)吸入用ガスについて、ガンマ線測定法の電離箱による測定法の放射能の定量により、放射能を測定する。溶出放射能は、一定に達した際の測定値に補正係数を乗じて算出する。
λ:クリプトン81mの崩壊定数(0.0533/秒)
υ:「クリプトン(81mKr)ジェネレータ」のルビジウム81吸着部位からクリプトン81mの放射能測定部位までの通過空間容積(mL)
α:クリプトン81m溶出剤の注入速度(mL/秒)
9 塩化ストロンチウム(89Sr)注射液
本品は、水性の注射剤で、ストロンチウム89を塩化ストロンチウムの形で含む。本品は、定量するとき、検定日において、ストロンチウム89の表示された放射能の90~110%を含む。本品の比放射能は、検定日において、ストロンチウム1mgに対し2.96~6.17MBqである。
製法
本品は、ストロンチウム88に中性子を照射して生成するストロンチウム89を塩化ストロンチウム(89Sr)とし、精製した後、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 本品について、ガンマ線測定法のGe半導体検出器による測定法により試験を行うとき、0.909MeV(イットリウム89mのガンマ線)にピークを認める。
(2) 本品0.1mLを正確に量り、0.5w/v%クロム酸カリウム液0.1mL及び水0.25mLを加え、0.05mol/L硝酸銀液で液が持続する褐色を呈するまで滴定し、次の式に従い本品中の塩素含量を求めるとき、塩素に対する定量法(2)により求めたストロンチウムの含量比は1.12~1.36である。
本品の塩素含量(mg/mL)={(W-B)×A/S}
W:硝酸銀液の消費量(g)
B:空試験を行うときの硝酸銀液の消費量(g)
A:塩素の原子量(35.45)×硝酸銀液のモル濃度(mol/L)
S:検体量(mL)×硝酸銀液の密度(1.007g/mL)
pH
4.0~7.5
純度試験
(1) ガンマ線放出異核種 本品について、ガンマ線測定法のGe半導体検出器による測定法の放射能の定量により放射能を測定するとき、ストロンチウム89以外の放射能は、総放射能の0.4%以下である。
(2) ベータ線放出異核種 本品0.1mLを蒸発乾固し、臭化水素酸2mLを加えて再び蒸発乾固した後、0.1mol/L臭化水素酸2mLに溶かし、試料溶液とする。陽イオン交換樹脂(粒子サイズ100~250μm)約2mLを直径5~6mmのカラムに充填し、0.1mol/L臭化水素酸で調製する。試料溶液をカラムに入れ、0.1mol/L臭化水素酸で溶出し、無水硫酸ナトリウムの1mol/L塩酸試液溶液(3→200)0.05mLを加えた容器に溶出液10mLを採る。シンチレータ試液適量に水1mL、無水硫酸ナトリウムの1mol/L塩酸試液溶液(3→200)0.1mL及び溶出液0.1mLを加え、ベータ線測定法の液体シンチレーション計数器による定量法により、0~167keV(チャネル1)及び167~2000keV(チャネル2)で放射能を測定し、次の式に従い本品の硫黄35及びリン32の放射能濃度を求める。硫黄35及びリン32の放射能は、総放射能の0.2%以下である。
本品中の硫黄35の放射能濃度(kBq/mL)=[{A-(E1/E2)×B}×採集した溶出液の全量(mL)×{(1/60)×10-3}]/(試料とした本品の量(mL)×放射能の計数に用いた溶出液の量(mL)×E3×R)
本品中のリン32の放射能濃度(kBq/mL)=[B×採集した溶出液の全量(mL)×{(1/60)×10-3}]/(試料とした本品の量(mL)×放射能の計数に用いた溶出液の量(mL)×E2×R)
A:チャネル1における計数率(カウント/分)
B:チャネル2における計数率(カウント/分)
E1:チャネル1におけるリン32の計数効率
E2:チャネル2におけるリン32の計数効率
E3:チャネル1における硫黄35の計数効率
R:分離の際の回収率
定量法
(1) 本品30μLを採り、2mol/L塩酸試液10mLを加えて薄め、試料溶液とする。シンチレータ試液10mLに水1mL、塩化ストロンチウム溶液(3→100)0.1mL及び試料溶液30μLを加え、ベータ線測定法の液体シンチレーション計数器による定量法により、ストロンチウム89の測定に適しているエネルギー領域(0~2000keV)で放射能を測定し、次の式に従い本品の放射能濃度を求める。
本品の放射能濃度(MBq/mL)=[C×D×{(1/60)×10-3}]/F
C:計数率(カウント/分)
D:希釈倍数
F:計数効率
(2) 本品0.05mLに、カリウム・塩酸溶液2.5mLを加え、試料溶液とする。別に、ストロンチウム標準溶液適量を正確に量り、10vol%塩酸を加えて40mLとし、次に1w/v%塩化カリウム溶液10mLを加えた後、水を加えて正確に100mLとし、1mL中にストロンチウム100~400μgを含む標準溶液とする。試料溶液、カリウム・塩酸溶液及び標準溶液につき、次の条件で原子吸光光度法により試験を行い、カリウム・塩酸溶液及び標準溶液の吸光度から得た検量線を用いて試料溶液のストロンチウム含量を求め、次の式に従い本品のストロンチウム含量を求める。
本品のストロンチウム含量(mg/mL)={2.55/(1000×0.05)}×試料溶液のストロンチウム含量(μg/mL)
使用ガス:
可燃性ガス アセチレン
支燃性ガス 亜酸化窒素
ランプ:ストロンチウム中空陰極ランプ
波長:407.8nm
10 塩化イットリウム(90Y)溶液
本品は、イブリツモマブ チウキセタンを放射性核種で標識するための水溶液で、イットリウム90を塩化イットリウムの形で含む。本品は定量するとき、検定日時において、イットリウム90の表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、硝酸ストロンチウム(90Sr)から壊変して得られたイットリウム(90Y)を抽出、精製して塩化イットリウム(90Y)原液とした後、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 本品を水で希釈し、約5MBq/mLとした液から5kBqに相当する量を採り、親水性のシンチレータ15mLを加えてよく振り混ぜる。この液につき、下記の条件で液体シンチレーション計数装置を用いてベータ線スペクトルを測定し、あらかじめベータ線スペクトル測定用イットリウム90標準液を用いて得られた参照スペクトルと比較するとき、両者のスペクトルの形状は同等である。ただし、測定機種、測定機器又は測定条件を変更する場合は、ベータ線スペクトル測定用イットリウム90標準液の5kBq相当量を用いて同様に操作し、参照スペクトルを得ておく。
測定条件
計測時間:1分
クエンチング補正:クエンチングの影響が無視できるように参照スペクトル測定時と同一条件で測定し、クエンチング補正は行わない。
(2) 純度試験=(1)により確認する。
純度試験
(1) 放射化学的異物 ジクロロメタン/テトラヒドロフラン混液(4:1)を展開溶媒として薄層クロマトグラフィーにより約8cm展開して試験を行うとき、塩化イットリウム(90Y)のスポット以外の放射能は、薄層上の総放射能の3%以下である。
なお、薄層板は、薄層クロマトグラフィー用セルロースを用いて調製する。
(2) ガンマ線異核種 本品について、ガンマ線測定法のGe半導体検出器による測定法の放射能の定量により放射能を測定するとき、検定日時において、イットリウム90以外の放射能は、総放射能の0.001%以下である。
(3) ストロンチウム90 本品50μLに塩化ストロンチウム試液0.1mL、塩化ランタン溶液0.2mL及び水酸化ナトリウム試液0.1mLを加え、共沈させた後、ろ過する。ろ液125μLをイミノ二酢酸キレート樹脂カラムに通し、更に1mol/L酢酸アンモニウム試液36mLを通す。この溶離液の初めの15mLを除き、次の21mLを集めることにより、本品中に混在するストロンチウム90を溶離する。この液を3個のシンチレーションバイアルに3mLずつ分取し、親水性のシンチレータ15mLずつをそれぞれに加えてよく振り混ぜ、試料溶液とする。別にストロンチウム90標準液の適量を正確に量り、0.04mol/L塩酸試液を加え、ストロンチウム90の放射能濃度が37MBq/L(本品の放射能濃度の0.002%に相当)となるように希釈して調製する。この液50μLを採り、以下試料溶液と同様の操作をしてストロンチウム90を溶離し、同様に調製した液を標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液につき、下記の条件でベータ線測定法の液体シンチレーション計数装置による測定法により、低エネルギー領域及び高エネルギー領域の計数率を測定する。次の式により試料溶液及び標準溶液のストロンチウム90の計数率を求め、それぞれの平均値を比較するとき、試料溶液の計数率は標準溶液の計数率以下である(本品の放射能濃度の0.002%以下)。なお、液体シンチレーション計数装置による測定は、試料溶液又は標準溶液中のストロンチウム90から子孫核種として生成するイットリウム90の影響を無視できるよう、速やかに行う。
AT=CLT-CHT×K
AS=CLS-CHS×K
AT:試料溶液のストロンチウム90の計数率
AS:標準溶液のストロンチウム90の計数率
CLT:低エネルギー領域における試料溶液の正味計数率
CHT:高エネルギー領域における試料溶液の正味計数率
CLS:低エネルギー領域における標準溶液の正味計数率
CHS:高エネルギー領域における標準溶液の正味計数率
K:補正係数
測定条件
計測時間:2分
クエンチング補正:クエンチングの影響が無視できるように試料溶液と標準溶液を同一条件で測定し、クエンチング補正は行わない。
低エネルギー領域及び高エネルギー領域について
ストロンチウム90及びイットリウム90のベータ線スペクトルを境界線で二分し、低エネルギー領域(ストロンチウム90の計数領域に相当)と高エネルギー領域(イットリウム90の計数領域に相当)とに分割する。この境界線は、ストロンチウム90の計数効率ができるだけ大きく、かつ、イットリウム90の計数効率ができるだけ小さくなるように設定する。
補正係数の求め方
ベータ線スペクトル測定用イットリウム90標準液を用いて、低エネルギー領域及び高エネルギー領域におけるそれぞれの計数率CL及びCHを5回ずつ計数し、CL/CHを算出し、その平均値を補正係数とする。
定量法
本品の適当量について、ベータ線測定法の電離箱による定量法により放射能を測定する。
11 エキサメタジムテクネチウム(99mTc)注射液
本品は、水性の注射剤で、テクネチウム99mをエキサメタジムテクネチウムの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、テクネチウム99mの表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」と、別に注射剤の製法により製した注射用の塩化スズ(Ⅱ)又は塩化スズ(Ⅱ)二水和物及びエキサメタジムとを混ぜ、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験により確認する。
pH
9.0~9.8
純度試験(放射化学的異物)
2―ブタノン及び生理食塩液をそれぞれ展開溶媒として、薄層クロマトグラフィーにより約15cm展開して試験を行う(それぞれ試験系1及び試験系2とする)。また、50vol%アセトニトリルを展開溶媒として、ろ紙クロマトグラフィーにより約15cm展開して試験を行う(試験系3とする)。試験系1における薄層上の総放射能に対する原点付近の放射能の比率と、試験系2における薄層上の総放射能に対する溶媒先端付近の放射能の比率の和は20%以下であり、試験系2における薄層上の総放射能に対する溶媒先端付近の放射能の比率と、試験系3におけるろ紙上の総放射能に対する原点付近の放射能の比率の和は10%以下であり、試験系3における原点付近の放射能はろ紙上の総放射能の5%以下である(試験系1;Rf=0.8~1.0、試験系2;Rf=0.0~0.2、試験系3;Rf=0.8~1.0)。
なお、薄層板は薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製する。
定量法
「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の定量法を準用する。
12 [N,N'―エチレンジ―L―システイネート(3―)]オキソテクネチウム(99mTc),ジエチルエステル注射液
本品は、水性の注射剤で、テクネチウム99mを[N,N'―エチレンジ―L―システイネート(3―)]オキソテクネチウム、ジエチルエステルの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、テクネチウム99mの表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」と、別に注射剤の製法により製した注射用の塩化スズ(Ⅱ)又は塩化スズ(Ⅱ)二水和物及びN,N'―(1,2―エチレン)ビス―L―システインジエチルエステル二塩酸塩とを混ぜ、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験により確認する。
pH
6.5~7.5
純度試験(放射化学的異物)
アセトン/0.5mol/L酢酸アンモニウム試液混液(3:2)を展開溶媒として、薄層クロマトグラフィーにより約10cm展開して試験を行うとき、[N,N'―エチレンジ―L―システイネート(3―)]オキソテクネチウム(99mTc)、ジエチルエステルのスポット以外の放射能は薄層上の総放射能の10%以下である(Rf=0.30~0.55)。
なお、薄層板は薄層クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シルカゲルを用いて調製する。
定量法
「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の定量法を準用する。
13 過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液
本品は、水性の注射剤で、テクネチウム99mを過テクネチウム酸ナトリウムの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、テクネチウム99mの表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液ジェネレータ」又はこれに準じて製したジェネレータから生理食塩液で過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)を溶出させ、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 本品について、ガンマ線測定法のGe半導体検出器による測定法により試験を行うとき、0.141MeVにピークを認める。
(2) 純度試験(1)により確認する。
pH
4.5~7.0
純度試験
(1) 放射化学的異物 75vol%メタノールを展開溶媒として、ろ紙クロマトグラフィーにより約10cm展開して試験を行うとき、過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)のスポット以外の放射能はろ紙上の総放射能の5%以下である(Rf=0.6~0.7)。
(2) モリブデン99 本品の一定量をバイアルに精密に量り、特定の厚みの鉛容器に入れ、ガンマ線測定法の放射能の定量により、モリブデン99の放射能を算出する。ガンマ線測定法のGe半導体検出器による測定法の放射能の定量により放射能を測定する場合は、0.739MeVの放射能ピークを計数し、モリブデン99の放射能を算出する。このとき、モリブデン99の放射能は本品の総放射能の0.015%以下である。
(3) アルミニウム 本品及び比較液をそれぞれ等量の酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.7)と混和したのちアルミニウムイオン試験紙に滴下するとき、本品の試験紙の呈する色は、比較液の呈する色より薄い(10ppm以下)。
比較液:硝酸アルミニウムの生理食塩液溶液(139→1000000)を比較液とする。この液1mLはアルミニウム(Al)10μgを含む。
定量法
本品の適当量について、ガンマ線測定法の放射線の定量により放射能を測定する。
14 過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液ジェネレータ
本品は、ジェネレータ剤で、モリブデン99を七モリブデン酸六アンモニウム又はモリブデン(Ⅵ)酸二ナトリウムの形で、適当なカラムに充填したアルミナに吸着させ、これに「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」を溶出させるために必要な装置及び不必要な被ばくを避けるための十分な遮へい装置を合わせたものである。
本品のカラムに生理食塩液を通じることにより「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」を溶出することができる。
本品中に含まれるモリブデン99とテクネチウム99mが放射平衡にあるとき、本品の使用方法により本品から溶出される「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」は、定量するとき、検定日時において、モリブデン99の表示された放射能の60~110%を含む。
製法
本品は、適当なカラムに適当量のアルミナを充填し、このアルミナにモリブデン酸塩(99Mo)液を加えて吸着させ、洗浄液でよく洗い、滅菌した後、その他の装置と、ジェネレータ剤の製法により製する。
溶出液試験
本品の使用方法により、本品から溶出される液は、「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の性状、確認試験、pH及び純度試験に適合する。
15 ガラクトシル人血清アルブミンジエチレントリアミン五酢酸テクネチウム(99mTc)注射液
本品は、水性の注射剤で、テクネチウム99mをガラクトシル人血清アルブミンジエチレントリアミン五酢酸テクネチウムの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、テクネチウム99mの表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」と、別に注射剤の製法により製した注射用の塩化スズ(Ⅱ)又は塩化スズ(Ⅱ)二水和物及びガラクトシル人血清アルブミンジエチレントリアミン五酢酸とを混ぜ、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験により確認する。
pH
2.5~4.0
純度試験(放射化学的異物)
本品をバルビタール緩衝液(pH8.6、イオン強度0.06)を用いて適当な条件下でセルロースアセテート膜を用いる電気泳動法により試験を行うとき、ガラクトシル人血清アルブミンジエチレントリアミン五酢酸テクネチウム(99mTc)以外の放射能は泳動膜上の総放射能の12%以下である。
なお、ガラクトシル人血清アルブミンジエチレントリアミン五酢酸テクネチウム(99mTc)の位置は、ポンソー3R試液を噴霧したときの発色により確認する(原線から陽極側1.5~3.5cm)。
定量法
「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の定量法を準用する。
16 ジエチレントリアミン五酢酸テクネチウム(99mTc)注射液
本品は、水性の注射剤で、テクネチウム99mをジエチレントリアミン五酢酸テクネチウムの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、テクネチウム99mの表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」と、別に注射剤の製法により製した注射用の塩化スズ(Ⅱ)又は塩化スズ(Ⅱ)二水和物及びジエチレントリアミン五酢酸とを混ぜ、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験により確認する。
pH
4.0~5.0
純度試験(放射化学的異物)
水/アセトン混液(1:1)を展開溶媒として、ろ紙クロマトグラフィーにより約10cm展開して試験を行うとき、ジエチレントリアミン五酢酸テクネチウム(99mTc)のスポット以外の放射能はろ紙上の総放射能の5%以下である。
なお、ジエチレントリアミン五酢酸テクネチウム(99mTc)のスポットは、ジエチレントリアミン五酢酸の水酸化ナトリウム試液溶液(1→20)に塩酸を加えてpHを2.5に調整した溶液を同様に展開し、硫酸銅(Ⅱ)五水和物溶液(1→20)を噴射したときの呈色により確認する。
定量法
「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の定量法を準用する。
17 ジメルカプトコハク酸テクネチウム(99mTc)注射液
本品は、水性の注射剤で、テクネチウム99mをジメルカプトコハク酸テクネチウムの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、テクネチウム99mの表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」と、別に注射剤の製法により製した注射用の塩化スズ(Ⅱ)又は塩化スズ(Ⅱ)二水和物及びジメルカプトコハク酸とを混ぜ、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験により確認する。
pH
2.0~3.5
純度試験(放射化学的異物)
アセトンを展開溶媒として、薄層クロマトグラフィーにより約10cm展開して試験を行うとき、原点付近以外の放射能は、薄層上の総放射能の5%以下である。
なお、薄層板は酸化アルミニウムを用いて調製する。
定量法
「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の定量法を準用する。
18 テクネチウムスズコロイド(99mTc)注射液
本品は、水性の注射剤で、テクネチウム99mをテクネチウムスズコロイドの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、テクネチウム99mの表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」と、別に注射剤の製法により製した注射用の塩化スズ(Ⅱ)又は塩化スズ(Ⅱ)二水和物とを混ぜ、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験により確認する。
pH
2.5~3.5
純度試験(放射化学的異物)
2―ブタノンを展開溶媒として、薄層クロマトグラフィーにより約10cm展開して試験を行うとき、原点付近以外の放射能は薄層上の総放射能の1%以下である。
なお、薄層板は薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製する。
粒度試験
本品0.1mLを採り、孔径が0.2μm及び12μmのポリカーボネートフィルムフィルターでろ過するとき、12μmフィルターを通過して0.2μmフィルターに残留する放射能は全放射能の87%以上である。
定量法
「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の定量法を準用する。
19 テクネチウム大凝集人血清アルブミン(99mTc)注射液
本品は、水性の注射剤で、テクネチウム99mをテクネチウム大凝集人血清アルブミンの形で含む。
本品は、定量するとき、検定日時において、テクネチウム99mの表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」と、別に注射剤の製法により製した注射用の塩化スズ(Ⅱ)又は塩化スズ(Ⅱ)二水和物及び大凝集人血清アルブミン懸濁液とを混ぜ、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、白色~淡黄色の懸濁液である。
確認試験
(1) 「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験により確認する。
pH
4.5~6.0
純度試験(放射化学的異物)
75vol%メタノールを展開溶媒として、ろ紙クロマトグラフィーにより約10cm展開して試験を行うとき、原点付近以外の放射能はろ紙上の総放射能の5%以下である。
粒度試験
本品を十分振とうし、粒子を均一に分散させ、屈折率2.00―0.20i、分散媒に水を用いて日本薬局方一般試験法のレーザー回折・散乱法による粒子径測定法を準用して、粒度分布を確認するとき、90%以上の粒子が10~60μmの範囲にあり、長径100μm以上の粒子を認めない。なお、試料として標識前の大凝集人血清アルブミンを用いることの妥当性が確認されている場合は、本品に代えて当該試料を用いることができる。
定量法