○放射性物質等の運搬に関する基準
(平成十七年十一月二十四日)
(厚生労働省告示第四百九十一号)
放射性医薬品の製造及び取扱規則(昭和三十六年厚生省令第四号)第二条第六項第一号、第三号、第五号及び第九号並びに第二条第七項第一号の規定に基づき、放射性物質等の運搬に関する基準を次のように定め、平成十七年十二月一日より適用する。
放射性物質等の運搬に関する基準
目次
第一章 総則(第一条)
第二章 製造所等における運搬(第二条―第五条)
第三章 製造所等の外における運搬
第一節 放射性輸送物に関する基準(第六条―第十一条)
第二節 車両運搬に関する基準(第十二条―第二十九条)
第三節 簡易運搬に関する基準(第三十条)
第一章 総則
(用語)
第一条 この告示において、次に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 車両 鉄道、軌道若しくは無軌条電車の車両、索道の搬器、自動車又は軽車両をいう。
二 コンテナ 運搬途中において運搬する物自体の積替えを要せずに運搬するために作られた車両その他の機械又は器具であって、反復使用に耐える構造及び強度を有し、かつ、機械による積込み及び取卸しのための装置又は車両に固定するための装置を有するものをいう。
三 放射性輸送物 放射性医薬品の製造及び取扱規則(昭和三十六年厚生省令第四号。以下「規則」という。)第二条第七項第一号イに規定する放射性輸送物をいう。
四 専用積載 大型コンテナ(内容積が三・〇立方メートルを超えるコンテナをいう。以下同じ。)又は車両が一の荷送人によって専用され、かつ、運搬する物の積込み及び取卸しが荷送人又は荷受人の指示によって行われる積載の方法をいう。
五 タンク 気体、液体又は固体を収納する容器であって、運搬のために用いられるものをいう。
六 オーバーパック 荷送人によって放射性輸送物が箱又は袋等(運搬途中において運搬する物自体の積替えを要せずに運搬するために作られた器具であって、反復使用に耐える構造及び強度を有し、かつ、機械による積込み及び取卸しのための装置又は車両に固定するための装置を有するものを除く。)に収納され又は包装されているものをいう。
七 放射性輸送物等 放射性輸送物、オーバーパック又は放射性輸送物が収納されているコンテナをいう。
(平二六厚労告五〇〇・一部改正)
第二章 製造所等における運搬
(容器に封入することを要しない放射性物質によって汚染された物の放射性物質の濃度)
第二条 規則第二条第六項第一号の厚生労働大臣が定める濃度は、一グラム当たり、別表第一から別表第六までの第一欄に掲げる放射性物質の種類又は区分に応じ、それぞれ、別表第一から別表第六までの第二欄に掲げる数量(以下「A2値」という。)の一万分の一とする。
(運搬物及び車両等に係る線量率)
第三条 規則第二条第六項第三号の厚生労働大臣が定める線量率は、一センチメートル線量当量率について次のとおりとする。
一 運搬物(規則第二条第六項に規定する運搬物をいう。以下この章において同じ。)の表面における線量率については、二ミリシーベルト毎時
二 運搬物の表面から一メートル離れた位置における線量率については、百マイクロシーベルト毎時
三 車両の表面(開放型の車両にあっては、その外輪郭に接する垂直面及び車体の底面)における線量率については、二ミリシーベルト毎時
四 車両の表面(開放型の車両にあっては、その外輪郭に接する垂直面)から一メートル離れた位置における線量率については、百マイクロシーベルト毎時
五 コンテナの表面における線量率については、二ミリシーベルト毎時
六 コンテナの表面から一メートル離れた位置における線量率については、百マイクロシーベルト毎時
(危険物)
第四条 規則第二条第六項第五号の厚生労働大臣が定める危険物は、次に掲げるものとする。
一 火薬類取締法(昭和二十五年法律第百四十九号)第二条第一項に規定する火薬類及び同条第二項に規定するがん具煙火
二 高圧ガス保安法(昭和二十六年法律第二百四号)第二条に規定する高圧ガス(消火器に封入したものを除く。第十五条第二項第二号において同じ。)
三 揮発油、アルコール、二硫化炭素その他の引火性液体であって、引火点が摂氏八十五度以下のもの
四 塩酸、硫酸、硝酸その他の強酸類であって、酸の含有量が体積百分率で十パーセントを超えるもの
五 核燃料物質等の工場又は事業所の外における運搬に関する規則(昭和五十三年総理府令第五十七号。以下「外運搬規則」という。)第一条第三号に規定する核燃料輸送物(以下単に「核燃料輸送物」という。)
六 前各号に掲げるもののほか、放射性物質等の安全な運搬を損なうおそれのあるもの
(標識)
第五条 規則第二条第六項第九号の厚生労働大臣が定める標識は、様式第一によるものとする。
第三章 製造所等の外における運搬
第一節 放射性輸送物に関する基準
(放射性輸送物として運搬しなければならない放射性物質等)
第六条 規則第二条第七項第一号イ中(1)から(3)まで以外の部分の厚生労働大臣が定める放射性物質等は、次に掲げる放射性物質等以外のものとする。
一 規則第二条第七項第一号イ(3)に規定する低比放射性物質(第九条第一項第一号に掲げるものに限る。)であって、次に掲げる要件に適合するもの
イ 通常の運搬状態において、放射性物質が容易に飛散し、又は漏えいしないような措置が講じられていること。
ロ 専用積載で運搬すること。
二 規則第二条第七項第一号イ(3)に規定する表面汚染物(第九条第二項第一号に掲げるものに限る。)であって、次に掲げる要件に適合するもの
イ 前号イに掲げる要件に適合すること。
ロ 専用積載で運搬すること。ただし、表面の放射性物質の密度が、次の表の上欄に掲げる放射性物質の区分に応じ、それぞれ、同表の下欄に掲げる密度を超えないものは、この限りでない。
放射性物質の区分 |
密度 |
アルファ線を放出する放射性物質 |
〇・四ベクレル毎平方センチメートル |
アルファ線を放出しない放射性物質 |
四ベクレル毎平方センチメートル |
(L型輸送物として運搬できる放射性物質等)
第七条 規則第二条第七項第一号イ(1)の厚生労働大臣が定める放射性物質等は、次の各号のいずれかに該当する放射性物質等とする。
一 放射性物質等であって、次の表の上欄に掲げる放射性物質等の区分に応じ、それぞれ、同表の下欄に掲げる量を超えない放射能を有するもの
放射性物質等の区分 |
放射能の量 |
|
固体 |
A2値の千分の一 |
|
液体 |
A2値の一万分の一 |
|
気体 |
トリチウム |
〇・八テラベクレル |
|
その他のもの |
A2値の千分の一 |
二 放射性物質等が収納されたことのある空の容器の内表面に付着している放射性物質等であって、次に掲げる要件に適合するもの
イ 放射性物質の密度が輸送物表面密度限度(前条第二号ロの表の上欄に掲げる放射性物質の区分に応じ、それぞれ、同表の下欄に掲げる非固定性汚染(通常の取扱いにおいて、人が触れるおそれがある表面の汚染であって、はく離するおそれがあるものをいう。以下同じ。)に係る放射性物質の密度をいう。以下同じ。)の百倍を超えないこと。
ロ 当該容器に収納されていること。
ハ 容器は、き裂、破損等がないこと。
(A型輸送物として運搬できる放射性物質等の量の限度)
第八条 規則第二条第七項第一号イ(2)の厚生労働大臣が定める量は、A2値とする。
(IP―1型輸送物、IP―2型輸送物又はIP―3型輸送物として運搬できる放射性物質等)
第九条 規則第二条第七項第一号イ(3)の厚生労働大臣が定める低比放射性物質(以下単に「低比放射性物質」という。)は、次の各号のいずれかに該当する放射性物質等であって、当該放射性物質等を一箇所に集積した場合に、その表面から三メートル離れた位置における一センチメートル線量当量率が十ミリシーベルト毎時を超えないものとする。
一 次に掲げる要件に適合する放射性物質等(以下「LSA―Ⅰ」という。)
イ 放射能が当該放射性物質等の全体に分布していること。
ロ 当該放射性物質等の全体について平均した放射能濃度(以下「平均放射能濃度」という。)が、船舶による放射性物質等の運送基準の細目等を定める告示(昭和五十二年運輸省告示第五百八十五号)第一条の二第一項第一号に規定する免除濃度の三十倍を超えないもの
二 前号に掲げる放射性物質等以外の放射性物質等であって、次に掲げる要件に適合するもの(以下「LSA―Ⅱ」という。)
イ 放射能が当該放射性物質等の全体に分布していること。
ロ 次の表の上欄に掲げる放射性物質等の区分に応じ、それぞれ、同表の下欄に掲げる要件に適合すること。
放射性物質等の区分 |
要件 |
|
固体 |
可燃性のもの |
放射能の量がA2値の百倍を超えず、かつ、平均放射能濃度が一グラム当たりA2値の一万分の一を超えないこと。 |
|
可燃性でないもの |
平均放射能濃度が一グラム当たりA2値の一万分の一を超えないこと。 |
液体 |
トリチウム水 |
放射能の量がA2値の百倍を超えず、かつ、平均放射能濃度が一立方センチメートル当たり〇・八ギガベクレルを超えないこと。 |
|
トリチウム水以外のもの |
放射能の量がA2値の百倍を超えず、かつ、平均放射能濃度が一グラム当たりA2値の十万分の一を超えないこと。 |
気体 |
放射能の量がA2値の百倍を超えず、かつ、平均放射能濃度が一グラム当たりA2値の一万分の一を超えないこと。 |
三 前二号に掲げる放射性物質等以外の固体状の放射性物質等であって、次に掲げる要件に適合するもの(以下「LSA―Ⅲ」という。)
イ 放射能が当該放射性物質等の全体に均一に分布していること。
ロ 平均放射能濃度が一グラム当たりA2値の五百分の一を超えないこと。
ハ 別記第一に定める浸漬試験を行った場合に、水中への放射性物質の漏えい量がA2値の十分の一を超えないこと。
ニ 可燃性のものにあっては、放射能の量がA2値の百倍を超えないこと。
2 規則第二条第七項第一号イ(3)の厚生労働大臣が定める表面汚染物(以下単に「表面汚染物」という。)は、放射性物質等によって表面が汚染された物(以下この項において「汚染物」という。)であって、次の各号のいずれかに該当するもののうち、放射能の量がA2値の百倍を超えず、かつ、当該汚染物を一箇所に集積した場合に、その表面から三メートル離れた位置における一センチメートル線量当量率が十ミリシーベルト毎時を超えないものとする。
一 次の表の上欄に掲げる表面の汚染の区分に応じ、それぞれ、同表の下欄に掲げる密度を超えないもの(以下「SCO―Ⅰ」という。)
表面の汚染の区分 |
密度 |
|
非固定性汚染 |
表面に付着している放射性物質等(以下「汚染源」という。)がアルファ線を放出する低危険性の放射性物質(アルファ線を放出する物理的半減期が十日未満の放射性物質をいう。以下同じ。)以外のアルファ線を放出する放射性物質である場合 |
〇・四ベクレル毎平方センチメートル |
|
汚染源がアルファ線を放出しない放射性物質及びアルファ線を放出する低危険性の放射性物質である場合 |
四ベクレル毎平方センチメートル |
その他の汚染 |
汚染源がアルファ線を放出する低危険性の放射性物質以外のアルファ線を放出する放射性物質である場合 |
四キロベクレル毎平方センチメートル |
|
汚染源がアルファ線を放出しない放射性物質及びアルファ線を放出する低危険性の放射性物質である場合 |
四十キロベクレル毎平方センチメートル |
二 次の表の上欄に掲げる表面の汚染の区分に応じ、それぞれ、同表の下欄に掲げる密度を超えないもの(前号に定めるものを除く。以下「SCO―Ⅱ」という。)
表面の汚染の区分 |
密度 |
|
非固定性汚染 |
汚染源がアルファ線を放出する低危険性の放射性物質以外のアルファ線を放出する放射性物質である場合 |
四十ベクレル毎平方センチメートル |
|
汚染源がアルファ線を放出しない放射性物質及びアルファ線を放出する低危険性の放射性物質である場合 |
四百ベクレル毎平方センチメートル |
その他の汚染 |
汚染源がアルファ線を放出する低危険性の放射性物質以外のアルファ線を放出する放射性物質である場合 |
八十キロベクレル毎平方センチメートル |
|
汚染源がアルファ線を放出しない放射性物質及びアルファ線を放出する低危険性の放射性物質である場合 |
八百キロベクレル毎平方センチメートル |
3 低比放射性物質又は表面汚染物をIP―1型輸送物、IP―2型輸送物又はIP―3型輸送物とする場合においては、次の表の上欄に掲げる低比放射性物質又は表面汚染物の区分に応じ、それぞれ、同表の下欄に掲げる放射性輸送物とする。
低比放射性物質又は表面汚染物の区分 |
放射性輸送物 |
||
専用積載で運搬する場合 |
専用積載以外で運搬する場合 |
||
LSA―Ⅰ |
固体 |
IP―1型輸送物 |
IP―1型輸送物 |
|
液体又は気体 |
IP―1型輸送物 |
IP―2型輸送物 |
LSA―Ⅱ |
固体 |
IP―2型輸送物 |
IP―2型輸送物 |
|
液体又は気体 |
IP―2型輸送物 |
IP―3型輸送物 |
LSA―Ⅲ |
IP―2型輸送物 |
IP―3型輸送物 |
|
SCO―Ⅰ |
IP―1型輸送物 |
IP―1型輸送物 |
|
SCO―Ⅱ |
IP―2型輸送物 |
IP―2型輸送物 |
(放射性輸送物に関する技術上の基準)
第十条 規則第二条第七項第一号ロの厚生労働大臣が定める放射性輸送物に関する技術上の基準は、次の各号に掲げる放射性輸送物ごとに、それぞれ、当該各号に定めるとおりとする。
一 L型輸送物 次のイからリまでに掲げる要件に適合すること。
イ 容易に、かつ、安全に取り扱うことができること。
ロ 運搬中に予想される温度及び内圧の変化、振動等により、き裂、破損等の生じるおそれがないこと。
ハ 表面に不要な突起物がなく、かつ、表面の汚染の除去が容易であること。
ニ 容器の材料相互の間及び材料と収納され又は包装される放射性物質等との間で、危険な物理的作用又は化学反応の生じるおそれがないこと。
ホ 容器の弁が誤って操作されないような措置が講じられていること。
ヘ 容器又は包装が開封されたときに見やすい位置(当該位置に表示を有することが困難である場合は、輸送物の表面)に「放射性」又は「RADIOACTIVE」の表示がされていること。ただし、第七条第二号に規定する放射性物質等を運搬する場合は、この限りでない。
ト 表面における一センチメートル線量当量率が、五マイクロシーベルト毎時を超えないこと。
チ 表面の放射性物質の密度が輸送物表面密度限度を超えないこと。
リ 放射性物質の使用等に必要な書類その他の物品(放射性輸送物の安全性を損なうおそれのないものに限る。)以外のものが収納され又は包装されていないこと。
二 A型輸送物 次のイからヌまでに掲げる要件に適合すること。
イ 前号イからホまで、チ及びリに掲げる要件に適合すること。
ロ 外接する直方体の各辺が十センチメートル以上であること。
ハ みだりに開封されないように、かつ、開封された場合に開封されたことが明らかになるように、容易に破れないシールのはり付け等の措置が講じられていること。
ニ 容器の構成部品は、摂氏零下四十度から摂氏七十度までの温度の範囲において、き裂、破損等の生じるおそれがないこと。ただし、運搬中に予想される温度の範囲が特定できる場合は、この限りでない。
ホ 周囲の圧力を六十キロパスカルとした場合に、放射性物質の漏えいがないこと。
ヘ 液体状の放射性物質等が収納されている場合には、次に掲げる要件に適合すること。
(1) 容器に収納することができる放射性物質等の量の二倍以上の量の放射性物質等を吸収することができる吸収材又は二重の密封部分から成る密封装置(容器の構成部品のうち、放射性物質の漏えいを防止するための装置をいう。)を備えること。
(2) 容器は、放射性物質等の温度による変化並びに運搬時及び注入時の挙動に対処し得る適切な空間を有していること。
ト 表面における一センチメートル線量当量率が、二ミリシーベルト毎時を超えないこと。ただし、専用積載で運搬する放射性輸送物であって、第十四条第二項並びに第二十九条第三項第一号及び第二号に掲げる基準に従うもののうち、安全上支障がない旨の厚生労働大臣の承認を受けたものは、表面における一センチメートル線量当量率が十ミリシーベルト毎時を超えないこと。
チ 表面から一メートル離れた位置における一センチメートル線量当量率(コンテナ又はタンクを容器として使用する放射性輸送物であって、専用積載以外で運搬するものについては、表面から一メートル離れた位置における一センチメートル線量当量率に、次の表の上欄に掲げるコンテナ又はタンクの最大断面積の区分に応じ、それぞれ、同表の下欄に掲げる係数を乗じて得た値)が百マイクロシーベルト毎時を超えないこと。ただし、放射性輸送物を専用積載で運搬する場合であって、安全上支障がない旨の厚生労働大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
最大断面積の区分 |
係数 |
一平方メートル以下 |
一 |
一平方メートル超五平方メートル以下 |
二 |
五平方メートル超二十平方メートル以下 |
三 |
二十平方メートル超 |
十 |
リ 別記第二第一号に定める条件の下に置くこととした場合に、次に掲げる要件に適合すること。
(1) 放射性物質の漏えいがないこと。
(2) 表面における一センチメートル線量当量率が著しく増加せず、かつ、二ミリシーベルト毎時(トただし書に該当する場合は、十ミリシーベルト毎時)を超えないこと。
ヌ 別記第二第二号に定める条件の下に置くこととした場合に、放射性物質の漏えいがないこと。
三 IP―1型輸送物 前号イ、ロ、ト及びチに掲げる要件に適合すること。
四 IP―2型輸送物 次のイからハまでに掲げる要件に適合すること。
イ 前号に掲げる要件に適合すること。
ロ 別記第三に定める条件の下に置くこととした場合に、第二号ヌ(1)及び(2)に掲げる要件に適合すること。
ハ ロの規定にかかわらず、コンテナ(収納する放射性物質等が固体の場合に限る。)、タンク又は金属製中型容器(金属製の容器であって、運搬中に生じる応力に耐える構造及び強度を有し、かつ、内容積が三立方メートル以下のもののうち、船舶による危険物の運送基準等を定める告示(昭和五十四年運輸省告示第五百四十九号)第二十五条の五第二項第一号に規定するものであって、容器等級がⅠ又はⅡの危険物を収納する金属製IBC容器の基準に適合するものをいう。以下同じ。)を容器として使用する場合においては、ロに掲げる要件又はこれと同等と厚生労働大臣の認める基準に適合すること。
五 IP―3型輸送物 次のイからハまでに掲げる要件に適合すること。
イ 第二号イからチまで(同号ヘ(1)を除く。)に掲げる要件に適合すること。
ロ 別記第四に定める条件の下に置くこととした場合に、第二号ヌ(1)及び(2)に掲げる要件に適合すること。
ハ イ及びロの規定にかかわらず、コンテナ(収納する放射性物質等が固体の場合に限る。)、タンク又は金属製中型容器を容器として使用する場合においては、次の(1)及び(2)に掲げる要件に適合すること。
(1) 第二号ハからホまで及びヘ(2)並びに第三号に掲げる要件に適合すること。
(2) ロに掲げる要件又はこれと同等と厚生労働大臣の認める基準に適合すること。
(平二六厚労告五〇〇・一部改正)
(特別措置)
第十一条 規則第二条第七項第一号イの厚生労働大臣の承認は、次に掲げる要件に適合する場合に行うものとする。
一 第六条第一号及び第二号並びに第七条から第九条までの規定に従って運搬することが著しく困難であること。
二 安全な運搬を確保するために必要な措置を採り、かつ、第六条第一号及び第二号並びに第七条から第九条までの規定によらないで運搬しても安全上支障がないこと。
三 当該運搬する放射性輸送物の一センチメートル線量当量率が、表面において十ミリシーベルト毎時を超えないこと。
第二節 車両運搬に関する基準
(車両運搬に関する基準)
第十二条 規則第二条第七項第一号ロの厚生労働大臣が定める基準(車両運搬(製造所の外における車両による運搬をいう。以下同じ。)により運搬する放射性物質等(容器に収納され又は包装されているものを含む。)に係るものに限る。)は、前節に定めるもののほか、この節に定めるところによる。
(取扱場所)
第十三条 放射性輸送物等(L型輸送物、L型輸送物のみが収納され又は包装されているオーバーパック及びL型輸送物のみが収納されているコンテナ(以下「L型輸送物等」という。)を除く。第十八条第一項及び第二十一条から第二十四条までにおいて同じ。)は、関係者以外の者が通常立ち入る場所で積込み、取卸し等の取扱いをしてはならない。ただし、縄張、標識の設置等の措置を講じた場合は、この限りでない。
(積載方法等)
第十四条 放射性輸送物等の積込み又は取卸しは、放射性輸送物の安全性が損なわれないように行わなければならない。
2 放射性輸送物等は、運搬中において移動、転倒、転落等により放射性輸送物の安全性が損なわれないように積載しなければならない。
3 放射性輸送物等は、関係者以外の者が通常立ち入る場所に積載してはならない。
(混載制限)
第十五条 表面からの平均熱放出率が十五ワット毎平方メートルを超える放射性輸送物等は、熱を除去する装置の設置その他の特別な措置を講じない限り他の貨物と混載してはならない。
2 放射性輸送物等は、次に掲げる物と混載してはならない。
一 火薬類取締法第二条第一項に規定する火薬類及び同条第二項に規定するがん具煙火
二 高圧ガス保安法第二条に規定する高圧ガス
三 揮発油、アルコール、二硫化炭素その他の引火性液体であって、引火点が摂氏五十度(専用積載の場合にあっては、摂氏八十五度)以下のもの
四 塩酸、硫酸、硝酸その他の強酸類であって、酸の含有量が体積百分率で十パーセントを超えるもの
五 核燃料輸送物
六 前各号に掲げるもののほか、放射性輸送物の安全な運搬を損なうおそれのあるもの
(コンテナ又はオーバーパックに係る線量率等)
第十六条 放射性輸送物が収納されているコンテナ又はオーバーパックの線量率は、次の各号に掲げる場所ごとに、それぞれ、当該各号に定める値を超えてはならない。
一 表面 一センチメートル線量当量率が二ミリシーベルト毎時
二 表面から一メートル離れた位置 一センチメートル線量当量率が百マイクロシーベルト毎時
2 放射性輸送物が収納されているコンテナ又はオーバーパックの表面の放射性物質の密度は、輸送物表面密度限度を超えてはならない。
(輸送指数)
第十七条 放射性輸送物(放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行規則(昭和三十五年総理府令第五十六号。以下「放射線障害防止法施行規則」という。)第十八条の三第一項及び第二項に規定する放射性輸送物を含む。以下この条、第十九条第三項並びに第二十八条第五項、第十項及び第十三項において同じ。)、オーバーパック(放射線障害防止法施行規則第十八条の三第一項及び第二項に規定する放射性輸送物が収納され又は包装されているものを含む。以下この条、第十九条第三項並びに第二十八条第五項及び第十項において同じ。)及び放射性輸送物が収納されているコンテナ(第二十八条第四項に規定する汚染物等が収納されているものを除く。)については、輸送指数を定めるものとする。ただし、L型輸送物(放射線障害防止法施行規則第十八条の三第一項第一号に掲げるL型輸送物を含む。以下この項及び第二十八条第十三項において同じ。)、L型輸送物のみが収納され又は包装されているオーバーパック及びL型輸送物のみが収納されているコンテナについては、この限りでない。
2 前項の輸送指数は、次の各号に定めるところにより決定される数値とする。
一 放射性輸送物にあっては、当該放射性輸送物の表面から一メートル離れた位置における一センチメートル線量当量率をミリシーベルト毎時単位で表した値に百を乗じて得た値(コンテナ又はタンクが容器として使用されている放射性輸送物にあっては、当該百を乗じて得た値に、第十条第二号チの表の上欄に掲げるコンテナ又はタンクの最大断面積の区分に応じ、それぞれ、同表の下欄に掲げる係数を乗じて得た値)。この場合において、当該値が〇・〇五以下であるときは、当該値を〇とすることができる。
二 オーバーパックにあっては、当該オーバーパックに収納され又は包装されている放射性輸送物ごとに前号による値を合計して得た値。ただし、外形が容易に変形しない構造を有するオーバーパックにあっては、当該オーバーパックの表面から一メートル離れた位置における一センチメートル線量当量率をミリシーベルト毎時単位で表した値に百を乗じて得た値に、第十条第二号チの表の上欄に掲げるオーバーパックの最大断面積の区分に応じ、それぞれ、同表の下欄に掲げる係数を乗じて得た値。この場合において、当該値が〇・〇五以下の場合にあっては、当該値を〇とすることができる。
三 放射性輸送物が収納されているコンテナにあっては、当該コンテナに収納されている放射性輸送物及びオーバーパックについて前二号による値を合計して得た値又は当該コンテナの表面から一メートル離れた位置における一センチメートル線量当量率をミリシーベルト毎時単位で表した値に百を乗じて得た値に、第十条第二号チの表の上欄に掲げるコンテナの最大断面積の区分に応じ、それぞれ、同表の下欄に掲げる係数を乗じて得た値。ただし、当該係数を乗じて得た値が〇・〇五以下の場合にあっては、当該値を〇とすることができる。
(標識又は表示)
第十八条 放射性輸送物等には、次の表の上欄に掲げる放射性輸送物等の区分に応じ、それぞれ、同表の中欄に掲げる標識を同表の下欄に掲げる箇所に付さなければならない。
放射性輸送物等の区分 |
標識 |
箇所 |
一 放射性輸送物(コンテナ又はタンクが容器として使用されているものを除く。次号及び第三号において同じ。)又はオーバーパックであって、表面における一センチメートル線量当量率が五マイクロシーベルト毎時以下であり、かつ、輸送指数が〇であるもの |
様式第二による標識(以下「第一類白標識」という。) |
放射性輸送物又はオーバーパックの表面の二箇所 |
二 前号に掲げるもの以外の放射性輸送物又はオーバーパックであって、表面における一センチメートル線量当量率が五百マイクロシーベルト毎時以下であり、かつ、輸送指数が一を超えないもの |
様式第三による標識(以下「第二類黄標識」という。) |
放射性輸送物又はオーバーパックの表面の二箇所 |
三 前二号に掲げるもの以外の放射性輸送物又はオーバーパック |
様式第四による標識(以下「第三類黄標識」という。) |
放射性輸送物又はオーバーパックの表面の二箇所 |
四 放射性輸送物の容器として使用されているコンテナ若しくはタンク(第二十八条第一項に規定する場合に容器として使用されているコンテナ又はタンクを除く。以下この号から第六号までにおいて同じ。)又は放射性輸送物が収納されているコンテナであって、表面における一センチメートル線量当量率が五マイクロシーベルト毎時以下であり、かつ、輸送指数が〇であるもの |
第一類白標識 |
コンテナの四側面又はタンクの表面の四箇所 |
五 前号に掲げるもの以外の放射性輸送物の容器として使用されているコンテナ若しくはタンク又は放射性輸送物が収納されているコンテナであって、表面における一センチメートル線量当量率が五百マイクロシーベルト毎時以下であり、かつ、輸送指数が一を超えないもの |
第二類黄標識 |
コンテナの四側面又はタンクの表面の四箇所 |
六 前二号に掲げるもの以外のコンテナ又はタンク |
第三類黄標識 |
コンテナの四側面又はタンクの表面の四箇所 |
2 次の各号に掲げる放射性輸送物には、その表面の見やすい箇所に、それぞれ、当該各号に定める事項を鮮明に表示しておかなければならない。
一 すべての放射性輸送物 荷送人又は荷受人の氏名又は名称及び住所並びに「UN」の文字に続けて当該放射性輸送物に収納され又は包装されている放射性物質等(本邦内のみを運搬されるものを除く。)の第五項の表の上欄に掲げる放射性物質等の区分に応じ、それぞれ、同表の下欄に掲げる国連番号
二 放射性輸送物(L型輸送物を除く。) 当該放射性輸送物に収納され又は包装されている放射性物質等の第五項の表の放射性物質等の区分の該当する欄に掲げる日本語表記(ただし、「に収納され又は包装されている放射性物質等」の表記の部分を除く。)又は英語表記
三 総重量が五十キログラムを超える放射性輸送物 総重量
四 A型輸送物 「A型」の文字又は「TYPE A」の文字
五 IP―1型輸送物 「IP―1型」の文字又は「TYPE IP―1」の文字
六 IP―2型輸送物 「IP―2型」の文字又は「TYPE IP―2」の文字
七 IP―3型輸送物 「IP―3型」の文字又は「TYPE IP―3」の文字
八 第四号、第六号及び第七号に掲げる放射性輸送物 当該放射性輸送物の容器の設計された国の名称及び当該容器の製造業者名
3 放射性輸送物(L型輸送物を除く。)の容器として使用されている大型コンテナ若しくはタンク又は放射性輸送物が収納されている大型コンテナ(L型輸送物のみが収納されているものを除く。第五項において同じ。)には、様式第五による標識(以下「コンテナ標識」という。)を当該大型コンテナの四側面又は当該タンクの表面の四箇所に付さなければならない。
4 前項のコンテナ標識に代えて、第一項の表第四号、第五号若しくは第六号又は第二十九条第四項の標識を、コンテナ標識の寸法に拡大して付すことができる。この場合において、第一項又は第二十九条第四項の規定にかかわらず、同表第四号、第五号若しくは第六号又は第二十九条第四項の標識を付すことを要しない。
5 放射性輸送物が収納されている大型コンテナであって、次の表の上欄に掲げる放射性物質等の区分のうち、同一の区分に属する放射性物質等のみが当該放射性輸送物に収納されているもの(本邦内のみを運搬されるものを除く。)を専用積載で運搬する場合には、同表の上欄に掲げる放射性物質等の区分に応じ、それぞれ、同表の下欄に掲げる国連番号を六十五ミリメートル以上の大きさの黒色の数字で、当該大型コンテナのコンテナ標識上又はコンテナ標識(前項の規定により拡大して付されたものを含む。以下この項において同じ。)に近接して付された様式第六による標識(以下「国連番号用副標識」という。)上に表示しなければならない。
放射性物質等の区分 |
国連番号 |
|
日本語表記 |
英語表記 |
|
L型輸送物(空容器)に収納され又は包装されている放射性物質等 |
RADIOACTIVE MATERIAL,EXCEPTED PACKAGE―EMPTY PACKAGING |
2908 |
L型輸送物に収納され又は包装されている放射性物質等(少量の放射性物質等) |
RADIOACTIVE MATERIAL,EXCEPTED PACKAGE―LIMITED QUANTITY OF MATERIAL |
2910 |
低比放射性物質(LSA―Ⅰ) |
RADIOACTIVE MATERIAL,LOW SPECIFIC ACTIVITY(LSA―Ⅰ) |
2912 |
表面汚染物(SCO―Ⅰ又はSCO―Ⅱ) |
RADIOACTIVE MATERIAL,SURFACE CONTAMINATED OBJECTS(SCO―Ⅰ or SCO―Ⅱ) |
2913 |
A型輸送物に収納され又は包装されている放射性物質等 |
RADIOACTIVE MATERIAL,TYPE A PACKAGE |
2915 |
特別措置により運搬される放射性輸送物に収納され又は包装されている放射性物質等 |
RADIOACTIVE MATERIAL,TRANSPORTED UNDER SPECIAL ARRANGEMENT |
2919 |
低比放射性物質(LSA―Ⅱ) |
RADIOACTIVE MATERIAL,LOW SPECIFIC ACTIVITY(LSA―Ⅱ) |
3321 |
低比放射性物質(LSA―Ⅲ) |
RADIOACTIVE MATERIAL,LOW SPECIFIC ACTIVITY(LSA―Ⅲ) |
3322 |
6 放射性輸送物が収納又は包装されているオーバーパックには、その表面の見やすい箇所に、次の各号に掲げる事項を鮮明に表示し、かつ、耐久性を有しているものでなければならない。ただし、収納又は包装されている放射性輸送物の全ての表示が容易に確認できる場合は、この限りでない。
一 第二項第一号に掲げる事項及び品名
二 「オーバーパック」又は「OVERPACK」の文字
(平二六厚労告五〇〇・一部改正)
(積載限度)
第十九条 オーバーパックであって、輸送指数が十を超えるものは、車両に積載してはならない。ただし、専用積載で運搬する場合は、この限りでない。
2 放射性輸送物が収納されているコンテナであって、輸送指数が五十を超えるものは、車両に積載してはならない。ただし、専用積載(車両を専用して行う専用積載に限る。次項並びに第二十八条第十項及び第十二項において同じ。)で運搬する場合は、この限りでない。
3 放射性輸送物等を積載する場合において、一の車両(二以上の自動車又は軽車両が連結されている場合にあっては、当該二以上の自動車又は軽車両。以下同じ。)に積載する放射性輸送物(オーバーパックに収納され又は包装されているもの及びコンテナに収納されているものを除く。)、オーバーパック(コンテナに収納されているものを除く。)及び放射性輸送物が収納されているコンテナの輸送指数を合計して得た値は、五十を超えてはならない。ただし、専用積載で運搬する場合は、この限りでない。
4 IP―1型輸送物、IP―2型輸送物又はIP―3型輸送物を積載する場合において、一の車両に積載するIP―1型輸送物、IP―2型輸送物及びIP―3型輸送物並びに放射線障害防止法施行規則第十八条の三第二項に規定するIP―1型輸送物、IP―2型輸送物及びIP―3型輸送物(以下「IP型輸送物」という。)に収納されている汚染物等(低比放射性物質及び表面汚染物並びに放射線障害防止法施行規則第十八条の三第二項に規定する低比放射性同位元素及び表面汚染物をいう。以下この項及び第二十八条第十一項において同じ。)の放射能の量の合計は、次の表の上欄に掲げる汚染物等の区分に応じ、それぞれ、同表の下欄に掲げる放射能の量を超えてはならない。
汚染物等の区分 |
放射能の量 |
一 LSA―Ⅰ又は放射性同位元素等の工場又は事業所の外における運搬に関する技術上の基準に係る細目等を定める告示(平成二年科学技術庁告示第七号。以下「放射性同位元素科学技術庁告示」という。)第五条第一項第一号に規定するLSA―Ⅰ |
制限なし |
二 LSA―Ⅱ等(LSA―Ⅱ又は放射性同位元素科学技術庁告示第五条第一項第二号に規定するLSA―Ⅱをいう。以下同じ。)又はLSA―Ⅲ等(LSA―Ⅲ又は放射性同位元素科学技術庁告示第五条第一項第三号に規定するLSA―Ⅲをいう。以下同じ。)のうち可燃物以外の固体 |
制限なし |
三 LSA―Ⅱ等又はLSA―Ⅲ等のうち前号に掲げるもの以外のもの |
A2値の百倍 |
四 SCO―Ⅰ若しくは放射性同位元素科学技術庁告示第五条第二項第一号に規定するSCO―Ⅰ又はSCO―Ⅱ若しくは放射性同位元素科学技術庁告示第五条第二項第二号に規定するSCO―Ⅱ |
A2値の百倍 |
(令二厚労告三九五・一部改正)
(車両に係る線量率等)
第二十条 放射性輸送物等を車両に積載した状態における線量率は、次の各号に掲げる場所ごとに、それぞれ、当該各号に定める値を超えてはならない。
一 車両の表面(開放型の車両にあっては、その外輪郭に接する垂直面及び車体の底面) 一センチメートル線量当量率が二ミリシーベルト毎時
二 車両の表面(開放型の車両にあっては、その外輪郭に接する垂直面)から一メートル離れた位置 一センチメートル線量当量率が百マイクロシーベルト毎時
三 車両による運搬に従事する者が通常乗車する場所 一センチメートル線量当量率が二十マイクロシーベルト毎時
2 放射性輸送物等を運搬する車両については、積込み又は取卸しを終了した場合には、放射性物質等による当該車両の表面の汚染の程度が、次の各号に掲げる汚染の種類ごとに、それぞれ、当該各号に定める基準を超えないようにしなければならない。
一 非固定性汚染 車両の表面の放射性物質の密度が、輸送物表面密度限度を超えないこと。
二 その他の汚染 取卸しを終了した場合に、車両の表面における一センチメートル線量当量率が五マイクロシーベルト毎時を超えないこと。
(連結制限)
第二十一条 放射性輸送物等を積載した鉄道又は軌道の車両は、第四条第一号から第三号までに掲げるもの(第三号に掲げるものにあっては、引火点が摂氏二十五度以下のものに限る。)を積載した車両と三両以上離して連結しなければならない。この場合において、ボギー車一両は、二両とみなす。
2 放射性輸送物等を積載した鉄道又は軌道の車両は、放射性輸送物等、放射性同位元素等車両運搬規則(昭和五十二年運輸省令第三十三号)第三条に規定する放射性輸送物等又は核燃料物質等車両運搬規則(昭和五十三年運輸省令第七十二号)第十二条第一項に規定する核燃料輸送物等を積載した他の車両と一両以上離して連結しなければならない。
(取扱方法等を記載した書類の携行)
第二十二条 放射性輸送物等を運搬する場合には、当該放射性輸送物等に係る放射性輸送物の種類、量、取扱方法その他の運搬に関し留意すべき事項及び事故が発生した場合の措置について記載した書類を、当該放射性輸送物等の運搬に従事する者に携行させなければならない。
(交替運転者等)
第二十三条 放射性輸送物等を自動車により長距離にわたり、又は夜間に運搬する場合であって、運転者が疲労等により安全な運転を継続することができないおそれがあるときは、交替するための運転者の配置その他の当該自動車の安全な運転の確保のため必要な措置を講じなければならない。
(見張人)
第二十四条 放射性輸送物等を積載した併用軌道若しくは無軌条電車の車両、自動車又は軽車両を道路その他一般公衆が当該車両に容易に近づくことができる場所において、駐車(道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第二条第一項第十八号に規定する駐車をいう。)する場合には、見張人を配置しなければならない。ただし、コンテナ又は非開放型の車両に施錠等の措置がなされており、関係者以外の者が当該放射性輸送物等に係る放射性輸送物に容易に近づけない場合を除く。
(同乗制限)
第二十五条 第十八条第一項の表第二号、第三号、第五号又は第六号に掲げる放射性輸送物等を運搬する場合には、当該放射性輸送物等を積載した自動車又は軽車両において運搬に従事する者が通常乗車する場所に、関係者以外の者を同乗させてはならない。
(放射線防護計画)
第二十六条 荷送人又は荷受人は、放射性輸送物等の運搬に際して適切に放射線障害を防止することができるように、次に掲げる事項について記載した放射線防護計画を定めなければならない。
一 輸送実施体制に関する事項
二 放射線の線量の測定方法及び放射線の線量評価に関する事項
三 放射性輸送物等の表面の汚染に関する事項
四 放射性輸送物等からの隔離及び防護に関する事項
五 緊急時の対応に関する事項
六 緊急時のための訓練に関する事項
七 放射線防護計画の品質保証に関する事項
八 その他必要な事項
(教育及び訓練)
第二十七条 荷送人又は荷受人は、運搬に従事する者に対し、次の各号に掲げる事項について、運搬に従事するのに必要な知識及び技能を保有するよう、教育及び訓練を行わなければならない。
一 放射性輸送物等の取扱方法に関する事項
二 職務に応じた特定の訓練に関する事項
三 放射線障害を想定した安全訓練に関する事項
四 その他必要な事項
(放射性輸送物としないで運搬できる低比放射性物質等の運搬)
第二十八条 第六条第一号に掲げる低比放射性物質及び同条第二号に掲げる表面汚染物を放射性輸送物としないで運搬する場合には、次項から第十四項までの規定によらなければならない。
2 第六条第一号に掲げる低比放射性物質又は同条第二号に掲げる表面汚染物(以下この条、次条第四項及び第三十条第六号において「低比放射性物質等」という。)が収納されているコンテナ又はタンクの線量率は、次の各号に掲げる場所ごとに、それぞれ、当該各号に定める値を超えてはならない。
一 表面 一センチメートル線量当量率が二ミリシーベルト毎時
二 表面から一メートル離れた位置 一センチメートル線量当量率が百マイクロシーベルト毎時
3 低比放射性物質等が収納されているコンテナ又はタンクの表面の放射性物質の密度は、輸送物表面密度限度を超えてはならない。
4 汚染物等(第六条第一号に掲げる低比放射性物質及び同条第二号に掲げる表面汚染物並びに放射線障害防止法施行規則第十八条の十一第一号に掲げる低比放射性同位元素及び同条第二号に掲げる表面汚染物をいう。以下この条(第十一項を除く。)において同じ。)及び汚染物等が収納されているコンテナ又はタンクについては、輸送指数を定めるものとする。
5 前項の輸送指数は、次の各号に定めるところにより決定される数値とする。
一 汚染物等(コンテナ又はタンクに収納されているものを除く。)及び汚染物等が収納されているタンクにあっては、当該汚染物等又は当該タンクの表面から一メートル離れた位置における一センチメートル線量当量率をミリシーベルト毎時単位で表した値に百を乗じて得た値に、第十条第二号チの表の上欄に掲げる汚染物等又はタンクの最大断面積の区分に応じ、それぞれ、同表の下欄に掲げる係数を乗じて得た値。ただし、当該値が〇・〇五以下の場合にあっては、当該値を〇とすることができる。
二 汚染物等が収納されているコンテナにあっては、当該コンテナに収納されている汚染物等及び汚染物等が収納されているタンクについて前号による値を合計して得た値(当該コンテナに放射性輸送物が収納されている場合にあっては、当該値と、当該コンテナに収納されている放射性輸送物(オーバーパックに収納され又は包装されているものを除く。)及びオーバーパックについて第十七条第二項第一号及び第二号による値とを合計して得た値)又は当該コンテナの表面から一メートル離れた位置における一センチメートル線量当量率をミリシーベルト毎時単位で表した値に百を乗じて得た値に、第十条第二号チの表の上欄に掲げるコンテナの最大断面積の区分に応じ、それぞれ、同表の下欄に掲げる係数を乗じて得た値。ただし、当該係数を乗じて得た値が〇・〇五以下の場合にあっては、当該値を〇とすることができる。
6 低比放射性物質等が収納されているコンテナ又はタンクには、次の各号に掲げる放射性輸送物等ごとに、それぞれ、当該各号に掲げる標識を当該コンテナの四側面又は当該タンクの表面の四箇所に付さなければならない。
一 低比放射性物質等が収納されているコンテナ又はタンクであって、輸送指数が〇であるもの 第一類白標識
二 低比放射性物質等が収納されているコンテナ又はタンクであって、輸送指数が〇を超え、かつ、一を超えないもの 第二類黄標識
三 低比放射性物質等が収納されているコンテナ又はタンクであって、輸送指数が一を超えるもの 第三類黄標識
7 低比放射性物質等が収納されている大型コンテナ又はタンクには、コンテナ標識を当該大型コンテナの四側面又は当該タンクの表面の四箇所に付さなければならない。
8 前項の規定にかかわらず、コンテナ標識に代えて、第六項又は次条第四項の標識を、コンテナ標識の寸法に拡大して付すことができる。この場合において、第六項又は次条第四項の規定にかかわらず、第六項又は次条第四項の標識を付すことを要しない。
9 第十八条第五項の表の上欄に掲げる低比放射性物質等のうち、同一の区分に属する放射性物質等のみが収納されている大型コンテナ又はタンク(本邦内のみを運搬されるものを除く。)を運搬する場合には、同表の上欄に掲げる放射性物質等の区分に応じ、それぞれ、同表の下欄に掲げる国連番号を六十五ミリメートル以上の大きさの黒色の数字で、当該大型コンテナ又はタンクに付されたコンテナ標識上若しくはコンテナ標識(第八項又は第十八条第四項の規定により拡大して付された標識を含む。)に近接して付された国連番号用副標識上に表示しなければならない。
10 低比放射性物質等又は低比放射性物質等が収納されているコンテナ若しくはタンクを積載する場合において、一の車両に積載する汚染物等(コンテナ又はタンクに収納されているものを除く。)、汚染物等が収納されているタンク及びこれらのものが収納されているコンテナの輸送指数を合計して得た値(当該車両に放射性輸送物を積載する場合にあっては、当該値と、当該車両に積載する放射性輸送物(オーバーパックに収納され又は包装されているもの及びコンテナに収納されているものを除く。)、オーバーパック(コンテナに収納されているものを除く。)及び放射性輸送物が収納されているコンテナの輸送指数とを合計して得た値)は、五十を超えてはならない。ただし、専用積載で運搬する場合は、この限りでない。
11 第六条第二号に掲げる表面汚染物を積載する場合において、一の車両に積載する当該表面汚染物及び放射線障害防止法施行規則第十八条の十一第二号に掲げる表面汚染物の放射能の量を合計した量(当該車両にIP型輸送物を積載する場合にあっては、当該量と、当該車両に積載するIP型輸送物に収納されている汚染物等の放射能の量とを合計した量)は、第十九条第四項の表の上欄に掲げる汚染物等の区分に応じ、それぞれ、同表の下欄に掲げる放射能の量を超えてはならない。
12 低比放射性物質等又は低比放射性物質等が収納されているコンテナ若しくはタンクを運搬する車両については、積込み又は取卸しを終了した場合には、放射性物質等による当該車両の表面の汚染の程度が第二十条第二項各号に掲げる基準を超えないようにしなければならない。
13 低比放射性物質等又は低比放射性物質等が収納されているコンテナ若しくはタンクを積載した鉄道又は軌道の車両は、放射性輸送物(L型輸送物を除く。以下この項において同じ。)、放射性輸送物が収納され若しくは包装されているオーバーパック、核燃料輸送物(外運搬規則第三条第一項第一号に掲げるL型輸送物を除く。以下この項において同じ。)、核燃料輸送物が収納され若しくは包装されているオーバーパック、汚染物等(外運搬規則第十二条第一号に掲げる低比放射性物質及び同条第二号に掲げる表面汚染物を含む。以下この項において同じ。)、汚染物等が収納されているタンク又はこれらのものが収納されているコンテナを積載した他の車両と一両以上離して連結しなければならない。
14 第十三条から第十五条まで、第十九条第二項、第二十条第一項、第二十一条第一項及び第二十二条から第二十五条までの規定は、低比放射性物質等を運搬する場合に準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句にそれぞれ読み替えるものとする。