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○医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第四十一条第三項の規定により厚生労働大臣が定める医療機器の基準

(平成十七年三月二十九日)

(厚生労働省告示第百二十二号)

薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)第四十一条第三項の規定に基づき、薬事法第四十一条第三項の規定により厚生労働大臣が定める医療機器の基準を次のように定め、平成十七年四月一日より適用する。

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第四十一条第三項の規定により厚生労働大臣が定める医療機器の基準

(平二六厚労告四〇三・改称)

目次

第一章 一般的要求事項(第一条―第六条)

第二章 設計及び製造要求事項(第七条―第十六条)

附則

第一章 一般的要求事項

(設計)

第一条 医療機器(専ら動物のために使用されることが目的とされているものを除く。以下同じ。)は、当該医療機器の意図された使用条件及び用途に従い、また、必要に応じ、技術知識及び経験を有し、並びに教育及び訓練を受けた意図された使用者によって適正に使用された場合において、患者の臨床状態及び安全を損なわないよう、使用者(当該医療機器の使用に関して専門的知識を要する場合にあっては当該専門的知識を有する者に限る。以下同じ。)及び第三者(当該医療機器の使用に当たって安全や健康に影響を受ける者に限る。第四条において同じ。)の安全や健康を害すことがないよう、並びに使用の際に発生する危険性の程度が、その使用によって患者の得られる有用性に比して許容できる範囲内にあり、高水準の健康及び安全の確保が可能なように設計及び製造されていなければならない。

(平二六厚労告四〇三・一部改正)

(リスクマネジメント)

第二条 医療機器の設計及び製造に係る製造販売業者又は製造業者(以下「製造販売業者等」という。)は、最新の技術に立脚して医療機器の安全性を確保しなければならない。危険性の低減が要求される場合、製造販売業者等は各危害についての残存する危険性が許容される範囲内にあると判断されるように危険性を管理しなければならない。この場合において、製造販売業者等は次の各号に掲げる事項を当該各号の順序に従い、危険性の管理に適用しなければならない。

一 既知又は予見し得る危害を識別し、意図された使用方法及び予測し得る誤使用に起因する危険性を評価すること。

二 前号により評価された危険性を本質的な安全設計及び製造を通じて、合理的に実行可能な限り除去すること。

三 前号に基づく危険性の除去を行った後に残存する危険性を適切な防護手段(警報装置を含む。)により、合理的に実行可能な限り低減すること。

四 第二号に基づく危険性の除去を行った後に残存する危険性を示すこと。

(平二六厚労告四〇三・一部改正)

(医療機器の性能及び機能)

第三条 医療機器は、製造販売業者等の意図する性能を発揮できなければならず、医療機器としての機能を発揮できるよう設計及び製造されなければならない。

(平二六厚労告四〇三・一部改正)

(製品の有効期間又は耐用期間)

第四条 製造販売業者等が設定した医療機器の製品の有効期間又は耐用期間内において当該医療機器が製造販売業者等の指示に従って、通常の使用条件の下で発生しうる負荷を受け、かつ、製造販売業者等の指示に従って適切に保守された場合に、医療機器の特性及び性能は、患者、使用者及び第三者の健康及び安全を脅かす有害な影響を与える程度に劣化等による悪影響を受けるものであってはならない。

(平二六厚労告四〇三・一部改正)

(輸送及び保管等)

第五条 医療機器は、製造販売業者等の指示及び情報に従った条件の下で輸送及び保管され、かつ意図された使用方法で使用された場合において、その特性及び性能が低下しないよう設計、製造及び包装されていなければならない。

(医療機器の有効性)

第六条 医療機器の既知又は予測することができる全ての危険性及び不具合は、通常の使用条件の下で、合理的に実行可能な限り低減され、当該医療機器の意図された有効性と比較した場合に受容できるものでなければならない。

(平二六厚労告四〇三・一部改正)

第二章 設計及び製造要求事項

(医療機器の化学的特性等)

第七条 医療機器は、使用材料の選定について、必要に応じ、次の各号に掲げる事項について注意が払われた上で、設計及び製造されていなければならない。

一 毒性及び可燃性

二 使用材料と生体組織、細胞及び体液との間の適合性

三 硬度、摩耗及び疲労度等

2 分析機器等(専ら疾病の診断に使用されることが目的とされている医療機器のうち、人の身体に直接使用されることのないものをいう。以下同じ。)は、必要に応じ、当該分析機器等に使用材料と検体及び分析の対象となる物(生体組織、細胞、体液、微生物等を含む。)との間の不適合により生じる性能の低下を考慮し、設計及び製造されていなければならない。

3 医療機器は、その使用目的に応じ、当該医療機器の輸送、保管及び使用に携わる者及び患者に対して汚染物質及び残留物質(以下「汚染物質等」という。)が及ぼす危険性を最小限に抑えるように設計、製造及び包装されていなければならず、また、汚染物質等に接触する生体組織、接触時間及び接触頻度について注意が払われていなければならない。

4 医療機器は、通常の使用手順の中で当該医療機器と同時に使用される物質又はガスと安全に併用できるよう設計及び製造されていなければならず、また、医療機器の用途が医薬品の投与である場合、当該医療機器は、当該医薬品の承認内容及び関連する基準に照らして適切な投与が可能であり、その用途に沿って当該医療機器の性能が維持されるよう、設計及び製造されていなければならない。

5 医療機器がある物質を必須な要素として含有し、当該物質が単独で用いられる場合に医薬品に該当し、かつ、当該医療機器の性能を補助する目的で人体に作用を及ぼす場合、当該医療機器(当該物質を含む。)の安全性、品質及び性能は、当該医療機器の使用目的に照らし、適正に検証されなければならない。

6 医療機器は、当該医療機器から溶出又は漏出する物質が及ぼす危険性が合理的に実行可能な限り、適切に低減するよう設計及び製造されていなければならない。特に発がん性、変異原性又は生殖毒性を有する物質には特別な注意を払わなければならない。

7 医療機器は、当該医療機器自体及びその目的とする使用環境に照らして、偶発的にある種の物質がその医療機器へ侵入する危険性又はその医療機器から浸出することにより発生する危険性を、合理的に実行可能な限り、適切に低減できるよう設計及び製造されていなければならない。

(平二六厚労告四〇三・一部改正)

(微生物汚染等の防止)

第八条 医療機器及び当該医療機器の製造工程は、患者、使用者及び第三者(当該医療機器の使用に当たって感染の危険性がある者に限る。以下この条において同じ。)に対する感染の危険性がある場合、これらの危険性を、合理的に実行可能な限り、適切に除去又は低減するよう、次の各号を考慮して設計されていなければならない。

一 取扱いを容易にすること。

二 必要に応じ、使用中の医療機器からの微生物漏出又はばく露を、合理的に実行可能な限り、適切に低減すること。

三 必要に応じ、患者、使用者及び第三者による医療機器又は検体への微生物汚染を防止すること。

2 医療機器に組み込まれた動物由来の組織、細胞及び物質(以下「動物由来組織等」という。)は、当該動物由来組織等の使用目的に応じて獣医学的に管理及び監視された動物から採取されなければならない。製造販売業者等は、動物由来組織等を採取した動物の原産地に関する情報を保持し、動物由来組織等の処理、保存、試験及び取扱いにおいて、患者、使用者及び第三者に対する最適な安全性を確保し、かつ、ウイルスその他の感染性病原体対策のため、妥当性が確認されている方法を用いて、当該医療機器の製造工程においてそれらの除去又は不活化を図ることにより安全性を確保しなければならない。ただし、分析機器等であって、使用に当たりウイルスその他の感染性病原体が必要なもの又はそれらの除去若しくは不活化により性能が低下するものについては、この限りでない。

3 医療機器に組み込まれたヒト由来の組織、細胞及び物質(以下「ヒト由来組織等」という。)は、適切な入手先から入手されたものでなければならない。製造販売業者等は、ドナー又はヒト由来の物質の選択、ヒト由来組織等の処理、保存、試験及び取扱いにおいて、患者、使用者及び第三者に対する最適な安全性を確保し、かつ、ウイルスその他の感染性病原体対策のため、妥当性が確認されている方法を用いて、当該医療機器の製造工程においてそれらの除去又は不活化を図ることにより安全性を確保しなければならない。ただし、分析機器等であって、使用に当たりウイルスその他の感染性病原体が必要なもの又はそれらの除去若しくは不活化により性能が低下するものについては、この限りでない。

4 製造販売業者等は、医療機器に組み込まれた微生物由来組織等(微生物由来の細胞及び物質をいう。)の処理、保存、試験及び取扱いにおいて、患者、使用者及び第三者に対する最適な安全性を確保し、かつ、ウイルス及びその他の感染性病原体対策のため、妥当性が確認されている方法を用いて、当該医療機器の製造工程においてそれらの除去又は不活化を図ることにより安全性を確保しなければならない。ただし、分析機器等であって、使用に当たりウイルスその他の感染性病原体が必要なもの又はそれらの除去若しくは不活化により性能が低下するものについては、この限りでない。

5 特別な微生物学的状態にあることを表示した医療機器は、販売時及び製造販売業者等により指示された条件で輸送及び保管する時に当該医療機器の特別な微生物学的状態を維持できるように設計、製造及び包装されていなければならない。

6 滅菌状態で出荷される医療機器は、再使用が不可能である包装がなされるよう設計及び製造されなければならない。当該医療機器の包装は適切な手順に従って、包装の破損又は開封がなされない限り、販売された時点で無菌であり、製造販売業者によって指示された輸送及び保管条件の下で無菌状態が維持され、かつ、再使用が不可能であるようにされてなければならない。

7 滅菌又は特別な微生物学的状態にあることを表示した医療機器は、妥当性が確認されている適切な方法により滅菌又は特別な微生物学的状態にするための処理が行われた上で製造され、必要に応じて滅菌されていなければならない。

8 滅菌を施さなければならない医療機器は、適切に管理された状態で製造されなければならない。

9 非滅菌医療機器の包装は、当該医療機器の品質を落とさないよう所定の清浄度を維持するものでなければならない。使用前に滅菌を施さなければならない医療機器の包装は、微生物汚染の危険性を最小限に抑え得るようなものでなければならない。この場合の包装は、滅菌方法を考慮した適切なものでなければならない。

10 同一又は類似製品が、滅菌及び非滅菌の両方の状態で販売される場合、両者は、包装及びラベルによってそれぞれが区別できるようにしなければならない。

(平二六厚労告四〇三(平二六厚労告四三九)・一部改正)

(使用環境に対する配慮)

第九条 医療機器が、他の医療機器、体外診断用医薬品その他の装置等と併用される場合は、当該医療機器と当該装置等が安全に接続され、かつ、当該併用により当該医療機器及び当該装置等の性能が損なわれないようにしなければならない。

2 前項の場合の使用上の制限事項は、注意事項等情報として公表され、又は医療機器に添付する文書若しくはその容器若しくは被包(第十七条において「添付文書等」という。)に記載されていなければならない。

3 医療機器は、使用者が操作する液体又はガスの移送のための接続部又は機械的に結合される接続部について、不適切な接続から生じる危険性を最小限に抑えられるよう、設計及び製造されていなければならない。

4 医療機器は、その使用に当たって患者、使用者及び第三者(医療機器の使用に当たって次の各号に掲げる危険性がある者に限る。)に生じる次の各号に掲げる危険性が、合理的かつ適切に除去又は低減されるように設計及び製造されなければならない。

一 物理的及び人間工学的特性に関連した傷害の危険性

二 医療機器の意図された使用目的における人間工学的特性、人的要因及びその使用環境に起因した誤使用の危険性

三 通常の状態で使用中に接触する可能性のある原材料、物質及びガスとの同時使用に関連する危険性

四 通常の使用条件の下で、ばく露された物質、液体又はガスと接触して使用することに関連する危険性

五 プログラムと当該プログラムの実行環境との間で発生しうる干渉に関連する危険性

六 物質が偶然に医療機器に侵入する危険性

七 検体を誤認する危険性

八 研究又は治療のために通常使用される他の医療機器又は体外診断用医薬品と相互干渉する危険性

九 保守又は較正が不可能な場合、使用材料が劣化する場合又は測定若しくは制御の機構の精度が低下する場合などに発生する危険性

5 医療機器は、通常の使用及び単一の故障状態において、火災又は爆発の危険性を最小限度に抑えるよう設計及び製造されていなければならない。可燃性物質又は爆発誘因物質とともに使用される(これらの物質にばく露し、又はこれらの物質と併用される場合を含む。)ことが意図されている医療機器については、細心の注意を払って設計及び製造しなければならない。

6 医療機器は、意図する性能を発揮するために必要な調整、較正及び保守が安全に実施できるよう設計及び製造されていなければならない。

7 医療機器は、すべての廃棄物の安全な処理を容易にできるように設計及び製造されていなければならない。

(平二六厚労告四〇三・令三厚労告二六七・一部改正)

(測定又は診断機能に対する配慮)

第十条 測定機能を有する医療機器及び診断用医療機器(専ら疾病の診断に使用されることが目的とされている医療機器をいう。)は、当該医療機器の使用目的に照らし、適切な科学的及び技術的方法に基づいて、十分な正確性、精度及び安定性を有するよう、設計及び製造されていなければならない。正確性の限界は、製造販売業者等によって示されなければならない。

2 分析機器等は、適切な科学的及び技術的方法に基づいて、その性能が使用目的に合致するように、設計及び製造されていなければならない。設計に当たっては、感度、特異性、正確性に係る真度及び精度(反復性及び再現性を含む。)並びに既知の干渉要因の管理及び検出限界に適切な注意を払わなければならない。また、その性能は、製造販売業者等が設定する当該医療機器の有効期間又は耐用期間内において維持されなければならない。

3 分析機器等の性能が較正器又は標準物質の使用に依存している場合、これらの較正器又は標準物質に割り当てられている値の遡及性は、利用可能な標準的な測定方法又は高次の標準物質を用いて保証されなければならない。

4 測定装置、モニタリング装置又は表示装置の目盛りは、当該医療機器の使用目的に応じ、人間工学的な観点から設計されなければならない。

5 数値で表現された値については、可能な限り標準化された一般的な単位を使用し、医療機器の使用者に理解されるものでなければならない。

(平二六厚労告四〇三(平二六厚労告四三九)・一部改正)

(放射線に対する防御)

第十一条 医療機器(分析機器等を除く。)は、その使用目的に沿って、治療及び診断のために適正な水準の放射線の照射を妨げることなく、患者、使用者及び第三者(医療機器の使用に当たって放射線被ばくの危険性がある者に限る。第六項において同じ。)への放射線被ばくが、合理的に実行可能な限り適切に低減するよう、設計、製造及び包装されていなければならない。

2 分析機器等は、その使用目的に沿って、測定等のために、適正な水準の放射線の放射を妨げることなく、患者、使用者及び第三者(分析機器等の使用に当たって放射線被ばくの危険性がある者に限る。)への放射線被ばくが、合理的に実行可能な限り適切に低減するよう、設計、製造及び包装されていなければならない。

3 医療機器の放射線出力について、医療上その有用性が放射線の照射に伴う危険性を上回ると判断される特定の医療目的のために、障害発生の恐れ又は潜在的な危害が生じる水準の可視又は不可視の放射線が照射されるよう設計されている場合においては、線量が使用者によって制御できるように設計されていなければならない。当該医療機器は、関連する可変パラメータの許容される公差内で再現性が保証されるよう設計及び製造されていなければならない。

4 医療機器が、障害発生のおそれがある水準又は潜在的な危害が生じる水準の可視又は不可視の放射線を照射する場合には、照射を確認するための視覚的表示又は聴覚的警報を、合理的に実行可能な限り具備していなければならない。

5 分析機器等は、照射する放射線の特性及び線量を合理的に実行可能な限り適切に制御又は調整できるよう、設計及び製造されていなければならない。

6 医療機器は、意図しない二次放射線又は散乱線による患者、使用者及び第三者への被ばくを、合理的に実行可能な限り低減するよう設計及び製造されていなければならない。

7 放射線を照射する医療機器の取扱説明書には、照射する放射線の性質、患者及び使用者に対する防護手段、誤使用の防止法並びに据付中の固有の危険性の排除方法について、詳細な情報が記載されていなければならない。

8 電離放射線を照射する医療機器は、合理的に実行可能な限り、その使用目的に照らして、照射する放射線の線量、幾何学的及びエネルギー分布又は線質を変更及び制御できるよう、設計及び製造されなければならない。

9 電離放射線を照射する診断用医療機器は、患者及び使用者の電離放射線の被曝を最小限に抑え、所定の診断目的を達成するため、適切な画像又は出力信号の質を高めるよう設計及び製造されていなければならない。

10 電離放射線を照射する治療用医療機器は、照射すべき線量、ビームの種類及びエネルギー並びに必要に応じ放射線ビームのエネルギー分布を確実にモニタリングし、かつ制御できるよう設計及び製造されていなければならない。

(平二六厚労告四〇三・一部改正)

(プログラムを用いた医療機器に対する配慮)

第十二条 プログラムを用いた医療機器(医療機器プログラム又はこれを記録した記録媒体たる医療機器を含む。以下同じ。)は、その使用目的に照らし、システムの再現性、信頼性及び性能が確保されるよう設計されていなければならない。また、システムに一つでも故障が発生した場合、当該故障から生じる可能性がある危険性を、合理的に実行可能な限り除去又は低減できるよう、適切な手段が講じられていなければならない。

2 プログラムを用いた医療機器については、最新の技術に基づく開発のライフサイクル、リスクマネジメント並びに当該医療機器を適切に動作させるための確認及び検証の方法を考慮し、その品質及び性能についての検証が実施されていなければならない。

3 プログラムを用いた医療機器のうち、他の機器及びネットワーク等と接続して使用する医療機器又は外部からの不正アクセス及び攻撃アクセス等が想定される医療機器については、当該医療機器における動作環境及びネットワークの使用環境等を踏まえて適切な要件を特定し、当該医療機器の機能に支障が生じる又は安全性の懸念が生じるサイバーセキュリティに係る危険性を特定及び評価するとともに、当該危険性が低減する管理が行われていなければならない。また、当該医療機器は、当該医療機器のライフサイクルの全てにおいて、サイバーセキュリティを確保するための計画に基づいて設計及び製造されていなければならない。

(平二六厚労告四〇三・追加、令五厚労告六七・一部改正)

(能動型医療機器及び当該能動型医療機器に接続された医療機器に対する配慮)

第十三条 能動型医療機器は、当該能動型医療機器に一つでも故障が発生した場合、当該故障から生じる可能性がある危険性を、合理的に実行可能な限り適切に除去又は低減できるよう、適切な手段が講じられていなければならない。

2 内部電源医療機器の電圧等の変動が、患者の安全に直接影響を及ぼす場合、電力供給状況を判別する手段が講じられていなければならない。

3 外部電源医療機器で、停電が患者の安全に直接影響を及ぼす場合、停電による電力供給不能を知らせる警報システムが内蔵されていなければならない。

4 患者の臨床パラメータの一つ以上をモニタに表示する医療機器は、患者が死亡又は重篤な健康障害につながる状態に陥った場合、それを使用者に知らせる適切な警報システムが具備されていなければならない。

5 医療機器は、通常の使用環境において、当該医療機器又は他の製品の作動を損なうおそれのある電磁的干渉の発生リスクを合理的に実行可能な限り低減するよう、設計及び製造されていなければならない。

6 医療機器は、意図された方法で操作できるために、電磁的妨害に対する十分な内在的耐性を維持するように設計及び製造されていなければならない。

7 医療機器は、製造販売業者等の指示に基づき正常に据付けられ、及び保守され、かつ、通常の使用条件下又は当該医療機器に一つでも故障が発生した状態で使用される場合において、患者、使用者及び第三者(医療機器の使用に当たって偶発的に感電するおそれがある者に限る。)が偶発的に感電するおそれを合理的に実行可能な限り防止できるよう、設計及び製造されていなければならない。

(平二六厚労告四〇三・旧第十二条繰下・一部改正)

(機械的危険性に対する配慮)

第十四条 医療機器は、動作抵抗、不安定性及び可動部分に関連する機械的危険性から、患者、使用者及び第三者(医療機器の使用に当たって機械的危険性がある者に限る。以下この条において同じ。)を防護するよう設計及び製造されていなければならない。

2 分析機器等は、可動部分に起因する危険性又は破壊、分離若しくは物質の漏出に起因する危険性がある場合には、その危険を防止するための、適切な仕組みが組み込まれていなければならない。

3 医療機器は、振動発生が仕様上の性能の一つである場合を除き、特に発生源における振動抑制のための技術進歩や既存の技術に照らして、医療機器自体から発生する振動に起因する危険性を合理的に実行可能な限り最も低い水準に抑えられるよう設計及び製造されていなければならない。

4 医療機器は、雑音発生が仕様上の性能の一つである場合を除き、特に発生源における雑音抑制のための技術進歩や既存の技術に照らして、医療機器自体から発生する雑音に起因する危険性を、合理的に実行可能な限り最も低い水準に抑えるよう設計及び製造されていなければならない。

5 使用者又は第三者が操作しなければならない電気、ガス又は水圧式若しくは空圧式のエネルギー源に接続する端末及び接続部は、可能性のある全ての危険性が最小限に抑えられるよう、設計及び製造されていなければならない。

6 医療機器は、使用前又は使用中に接続することが意図されている特定部分の誤接続の危険性について、合理的に実行可能な限り最も低い水準に抑えられるよう設計及び製造されていなければならない。

7 医療機器のうち容易に触れることのできる部分(意図的に加熱又は一定温度を維持する部分を除く。)及びその周辺部は、通常の使用において、潜在的に危険な温度に達することのないようにしなければならない。

(平二六厚労告四〇三(平二六厚労告四三九)・旧第十三条繰下・一部改正)

(エネルギー又は物質を供給する医療機器に対する配慮)

第十五条 患者にエネルギー又は物質を供給する医療機器は、患者及び使用者の安全を保証するため、供給量の設定及び維持ができるよう設計及び製造されていなければならない。

2 医療機器には、危険が及ぶ恐れのある不適正なエネルギー又は物質の供給を防止又は警告する手段が具備され、エネルギー源又は物質の供給源からの危険量のエネルギーや物質の偶発的な放出を可能な限り防止する適切な手段が講じられていなければならない。

3 医療機器には、制御器及び表示器の機能が明確に記されていなければならない。操作に必要な指示を医療機器に表示する場合、或いは操作又は調整用のパラメータを視覚的に示す場合、これらの情報は、使用者(医療機器の使用にあたって患者の安全及び健康等に影響を及ぼす場合に限り、患者も含む。)にとって、容易に理解できるものでなければならない。

(平二六厚労告四〇三・旧第十四条繰下・一部改正)

(一般使用者が使用することを意図した医療機器に対する配慮)

第十六条 一般使用者が使用することを意図した医療機器(医療機器のうち、自己検査医療機器又は自己投薬医療機器その他のその使用に当たり専門的な知識を必ずしも有しない者が使用することを意図したものをいう。以下同じ。)は、当該医療機器の使用者が利用可能な技能及び手段並びに通常生じ得る使用者の技術及び環境の変化の影響に配慮し、用途に沿って適正に操作できるように設計及び製造されていなければならない。

2 一般使用者が使用することを意図した医療機器は、当該医療機器の使用、検体の使用(検体を使用する当該医療機器に限る。)及び検査結果の解釈に当たって、使用者が誤使用する危険性を合理的に実行可能な限り低減するように設計及び製造されていなければならない。

3 一般使用者が使用することを意図した医療機器については、合理的に実行可能な限り、製造販売業者等が意図したように機能することを使用者が検証できる手順を定めておかなければならない。

(平二六厚労告四〇三・旧第十五条繰下・一部改正)

(注意事項等情報の公表又は添付文書等への記載による使用者への情報提供)

第十七条 製造販売業者等は、医療機器が製造販売される際に、使用者の医療機器に関する訓練及び知識の程度を考慮し、当該医療機器の注意事項等情報の公表又は添付文書等への記載により、製造販売業者名、安全な使用方法及びその性能を確認するために必要な情報を、使用者が容易に理解できるように提供しなければならない。

(平二六厚労告四〇三・追加、令三厚労告二六七・一部改正)

(性能評価及び臨床試験)

第十八条 医療機器の性能評価を行うために収集されるすべてのデータは、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)その他関係法令の定めるところに従って収集されなければならない。

2 臨床試験は、医療機器の臨床試験の実施の基準に関する省令(平成十七年厚生労働省令第三十六号)に従って実行されなければならない。

3 医療機器は、第一項及び第二項に定めるもののほか、医療機器の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令(平成十七年厚生労働省令第三十八号)及び医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の製造販売後安全管理の基準に関する省令(平成十六年厚生労働省令第百三十五号)に基づき、当該医療機器に応じて必要とされる試験成績及びデータその他の記録により継続的に評価されなければならない。

(平二六厚労告四〇三・旧第十六条繰下・一部改正)

附 則

第二章の規定については、平成二十年三月三十一日まで適用しない。

改正文 (平成二六年一一月五日厚生労働省告示第四〇三号) 抄

平成二十六年十一月二十五日から適用する。ただし、この告示の適用前に、薬事法第十四条若しくは第十九条の二の承認を受けた医療機器(改正法附則第三十条の規定により医薬品医療機器等法第二十三条の二十五の承認又は改正法附則第三十七条の規定により医薬品医療機器等法第二十三条の三十七の承認を受けたものとみなされるものを除く。)、薬事法第十四条の九第一項の届出を行った医療機器又は同法第二十三条の二第一項の認証を受けた医療機器については、この告示の規定にかかわらず、平成二十九年十一月二十四日までの間、なお従前の例によることができることとし、この告示の適用の際、薬事法第十四条若しくは第十九条の二の承認又は同法第二十三条の二第一項の認証の申請をしている医療機器であって、承認又は認証の処分がされていないものについては、この告示の規定にかかわらず、平成二十九年十一月二十四日までの間、なお従前の例によることができることとし、この告示の適用後に、医薬品医療機器等法第二十三条の二の五若しくは第二十三条の二の十七の承認若しくは同法第二十三条の二の二十三第一項の認証を受けようとし、又は同法第二十三条の二の十二第一項の届出を行おうとする医療機器(改正法施行令による改正後の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令(昭和三十六年政令第十一号)別表第一に掲げるプログラム及びプログラムを記録した記録媒体を除く。)については、この告示の規定にかかわらず、平成二十七年十一月二十四日までの間、なお従前の例によることができることとし、第十二条第二項の規定は、平成二十九年十一月二十五日から適用する。

改正文 (平成二六年一一月二一日厚生労働省告示第四三九号) 抄

第三十七条及び第三十八条の規定は、公布の日から適用する。

改正文 (令和三年七月二日厚生労働省告示第二六七号) 抄

令和三年八月一日から適用する。

改正文 (令和五年三月九日厚生労働省告示第六七号) 抄

令和五年四月一日から適用する。ただし、この告示の適用後に第十二条第三項に規定する医療機器については、この告示の規定にかかわらず、令和六年四月一日までの間、なお従前の例によることができることとする。