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○医薬品、医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品の品質管理の基準に関する省令
(平成十六年九月二十二日)
(厚生労働省令第百三十六号)
薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)第十二条の二第一号の規定に基づき、医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の品質管理の基準に関する省令を次のように定める。
医薬品、医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品の品質管理の基準に関する省令
(平二六厚労令八七・改称)
目次
第一章 総則(第一条・第二条)
第二章 医薬品の品質管理の基準(第三条―第十六条)
第三章 医薬部外品及び化粧品の品質管理の基準(第十七条―第二十条)
第四章 再生医療等製品の品質管理の基準(第二十一条)
附則
第一章 総則
(趣旨)
第一条 この省令は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号。以下「法」という。)第十二条の二第一項第一号及び第二十三条の二十一第一項第一号に規定する厚生労働省令で定める基準を定めるものとする。
(平二六厚労令八七・令三厚労令一五・一部改正)
(定義)
第二条 この省令で「品質管理業務」とは、医薬品(体外診断用医薬品及び原薬たる医薬品を除く。以下同じ。)、医薬部外品、化粧品又は再生医療等製品(以下「医薬品等」という。)の製造販売をするに当たり必要な製品(製造の中間工程で造られたものであって、以後の製造工程を経ることによって製品となるものを含む。以下同じ。)の品質を確保するために行う、医薬品等の市場への出荷の管理、製造業者、法第十三条の三第一項に規定する医薬品等外国製造業者、法第二十三条の二十四第一項に規定する再生医療等製品外国製造業者その他製造に関係する業務(試験検査等の業務を含む。)を行う者(以下「製造業者等」という。)に対する管理監督、品質等に関する情報及び品質不良等の処理、回収処理その他製品の品質の管理に必要な業務をいう。
2 この省令で「市場への出荷」とは、製造販売業者がその製造等(他に委託して製造をする場合を含み、他から委託を受けて製造をする場合を含まない。以下同じ。)をし、又は輸入した医薬品等を製造販売のために出荷することをいう。
3 この省令で「ロット」とは、一の製造期間内に一連の製造工程により均質性を有するように製造された製品の一群をいう。
4 この省令で「細胞組織医薬品」とは、人又は動物の細胞又は組織から構成された医薬品(人の血液及び人の血液から製造される成分から構成される医薬品を除く。)をいう。
(平二六厚労令八七・一部改正)
第二章 医薬品の品質管理の基準
(医薬品等総括製造販売責任者の業務)
第三条 医薬品の製造販売業者は、次の各号に掲げる業務を法第十七条第二項に規定する医薬品等総括製造販売責任者(以下「医薬品等総括製造販売責任者」という。)に行わせなければならない。
一 次条第三項に規定する品質保証責任者を監督すること。
二 第十一条第二項第二号に規定するほか、前号の品質保証責任者からの報告等に基づき、所要の措置を決定し、その実施を次条第二項に規定する品質保証部門その他品質管理業務に関係する部門又は責任者に指示すること。
三 第一号の品質保証責任者の意見を尊重すること。
四 第二号の品質保証部門と医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の製造販売後安全管理の基準に関する省令(平成十六年厚生労働省令第百三十五号。以下「製造販売後安全管理基準」という。)第四条第一項に規定する安全管理統括部門(法第四十九条第一項に規定する医薬品以外の医薬品にあっては、製造販売後安全管理基準第十三条第二項に規定する安全管理責任者。以下この章において「安全管理統括部門」という。)その他の品質管理業務に関係する部門との密接な連携を図らせること。
(平二六厚労令八七・一部改正)
(品質管理業務に係る組織及び職員)
第四条 医薬品の製造販売業者は、品質管理業務を適正かつ円滑に遂行しうる能力を有する人員を十分に有しなければならない。
2 医薬品の製造販売業者は、品質管理業務の統括に係る部門として、次に掲げる要件を満たす品質保証部門(以下この章において「品質保証部門」という。)を置かなければならない。
一 医薬品等総括製造販売責任者の監督の下にあること。
二 品質保証部門における業務を適正かつ円滑に遂行しうる能力を有する人員を十分に有すること。
三 医薬品等又は医療機器の販売に係る部門その他品質管理業務の適正かつ円滑な遂行に影響を及ぼす部門から独立していること。
3 医薬品の製造販売業者は、次に掲げる要件を満たす品質管理業務の責任者(以下この章において「品質保証責任者」という。)を置かなければならない。
一 品質保証部門の責任者であること。
二 品質管理業務その他これに類する業務に三年以上従事した者であること。
三 品質管理業務を適正かつ円滑に遂行しうる能力を有する者であること。
四 医薬品等又は医療機器の販売に係る部門に属する者でないことその他品質管理業務の適正かつ円滑な遂行に支障を及ぼすおそれがない者であること。
4 医薬品の製造販売業者は、品質管理業務に従事する者(医薬品等総括製造販売責任者及び品質保証責任者を含む。以下同じ。)の責務及び管理体制を文書により適正に定めなければならない。
(平二六厚労令八七・一部改正)
(品質標準書)
第五条 医薬品の製造販売業者は、医薬品の品目ごとに、製造販売承認事項その他品質に係る必要な事項を記載した文書(以下「品質標準書」という。)を作成しなければならない。
(品質管理業務の手順に関する文書)
第六条 医薬品の製造販売業者は、品質管理業務を適正かつ円滑に実施するため、次に掲げる手順に関する文書(以下この章において「品質管理業務手順書」という。)を作成しなければならない。
一 市場への出荷の管理に関する手順
二 適正な製造管理及び品質管理の確保に関する手順
三 品質等に関する情報及び品質不良等の処理に関する手順
四 回収処理に関する手順
五 自己点検に関する手順
六 教育訓練に関する手順
七 医薬品の貯蔵等の管理に関する手順
八 文書及び記録の管理に関する手順
九 安全管理統括部門その他の品質管理業務に関係する部門又は責任者との相互の連携に関する手順
十 その他品質管理業務を適正かつ円滑に実施するために必要な手順
2 医薬品の製造販売業者は、医薬品等総括製造販売責任者がその業務を行う事務所に前条に規定する品質標準書及び前項に規定する品質管理業務手順書(以下この章において「品質管理業務手順書等」という。)を備え付けるとともに、品質管理業務を行うその他の事務所にその写しを備え付けなければならない。
(平二六厚労令八七・一部改正)
(製造業者等との取決め)
第七条 医薬品の製造販売業者は、製造業者等における製造管理及び品質管理の適正かつ円滑な実施を確保するため、製品の製造業者等と次に掲げる事項を取り決め、これを品質管理業務手順書等に記載しなければならない。
一 当該製造業者等における製造及びその他の製造に関係する業務(以下この条において「製造業務」という。)の範囲並びに当該製造業務に係る製造管理及び品質管理並びに出荷に関する手順
二 製造方法、試験検査方法等に関する技術的条件
三 当該製造業務が適正かつ円滑な製造管理及び品質管理の下で行われていることについての製造販売業者による定期的な確認
四 当該製品の運搬及び受渡し時における品質管理の方法
五 製造方法、試験検査方法等についての変更が当該製品の品質に影響を及ぼすと思われる場合の製造販売業者に対しての事前連絡の方法及び責任者
六 当該製品について得た情報のうち次に掲げるものについての製造販売業者に対する速やかな連絡の方法及び責任者
イ 当該製品に係る製造、輸入又は販売の中止、回収、廃棄その他保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するために講ぜられた措置に関する情報
ロ その他当該製品の品質等に関する情報
七 その他必要な事項
(品質保証責任者の業務)
第八条 医薬品の製造販売業者は、品質管理業務手順書等に基づき、次に掲げる業務を品質保証責任者に行わせなければならない。
一 品質管理業務を統括すること。
二 品質管理業務が適正かつ円滑に行われていることを確認すること。
三 第九条第五項第三号ハ、第十条第二項第三号、第十一条第一項第四号並びに第二項第一号及び第五号、第十二条第二号並びに第十三条第二項の規定により医薬品等総括製造販売責任者へ報告するもののほか、品質管理業務の遂行のために必要があると認めるときは、医薬品等総括製造販売責任者に文書により報告すること。
四 品質管理業務の実施に当たり、必要に応じ、製造業者等、販売業者、薬局開設者、病院及び診療所の開設者その他関係する者に対し、文書による連絡又は指示を行うこと。
(平二六厚労令八七・一部改正)
(市場への出荷の管理)
第九条 医薬品の製造販売業者は、品質管理業務手順書等に基づき、製造管理及び品質管理の結果が適正に評価され、市場への出荷の可否の決定が適正かつ円滑に行われていることを確保するとともに、適正に当該決定が行われるまで医薬品を市場へ出荷してはならない。
2 医薬品の製造販売業者は、品質管理業務手順書等に基づき、品質保証部門のあらかじめ指定した者又は当該製品の製造業者に、製造管理及び品質管理の結果を適正に評価させ、市場への出荷の可否の決定をロットごと(ロットを構成しない医薬品については製造番号ごと。以下同じ。)に行わせるとともに、その結果及び出荷先等市場への出荷に関する記録を作成させなければならない。
3 前項に定める市場への出荷の可否の決定等の業務を行う者は、当該業務を適正かつ円滑に遂行しうる能力を有する者でなければならない。
4 医薬品の製造販売業者は、品質保証責任者以外の者が市場への出荷の可否の決定を行う場合においては、その者に市場への出荷の可否の決定の結果等を品質保証責任者に対して文書により適正に報告させなければならない。
5 医薬品の製造販売業者が第二項に定める業務を製造業者に行わせる場合には、次の各号に掲げる事項によらなければならない。
一 あらかじめ、製造業者と次に掲げる事項を取り決めること。
イ 製造業者が行う市場への出荷の管理に関する手順
ロ 第二項の業務を行う者を当該製品の製造所の中からあらかじめ指定すること。
ハ イに規定する手順からの逸脱等があった場合には、製造業者は速やかに品質保証責任者に対して文書により報告し、品質保証責任者の指示に基づき、市場への出荷の可否の決定及び市場への出荷を行うこと。
ニ 製造業者は、市場への出荷に係る業務が適正かつ円滑に実施されていることについて、製造販売業者による定期的な確認を受けること。
二 品質保証部門のあらかじめ指定した者に、前号ニに規定する確認及びその結果に関する記録の作成を適正に行わせること。
三 製造業者が行う市場への出荷に係る業務に関し、改善が必要な場合には、品質保証責任者に、次に掲げる業務を行わせること。
イ 当該製造業者に対して所要の措置を講じるよう文書により指示すること。
ロ 当該製造業者に対して当該措置の実施結果の報告を求め、その報告を適正に評価し、必要に応じてその製造所を実地に確認し、その結果に関する記録を作成すること。
ハ ロの評価及び確認の結果を医薬品等総括製造販売責任者に対して文書により報告すること。
四 品質保証責任者以外の者に、第二号に規定する確認及び記録の作成を行わせる場合には、その者に、その結果を品質保証責任者に対して文書により報告させること。
6 医薬品の製造販売業者は、品質管理業務手順書等に基づき、市場への出荷の可否の決定を行う者に対し、適正かつ円滑に市場への出荷の可否の決定を行うために必要な当該医薬品に係る品質、有効性及び安全性に関する情報を適正に提供しなければならない。
(平二六厚労令八七・一部改正)
(適正な製造管理及び品質管理の確保)
第十条 医薬品の製造販売業者は、品質管理業務手順書等に基づき、品質保証部門のあらかじめ指定した者に、次に掲げる業務を行わせなければならない。
一 当該製造業者等における製造管理及び品質管理が、法第十四条第二項第四号及び第十八条第三項の規定に基づき厚生労働省令で定める基準及び事項並びに第七条に規定する取決めに基づき適正かつ円滑に実施されていることを定期的に確認し、その結果に関する記録を作成すること。
二 品質保証責任者以外の者が前号に規定する確認及び記録の作成を行う場合においては、その結果を品質保証責任者に対して文書により報告すること。
2 医薬品の製造販売業者は、製造業者等の製造管理及び品質管理に関し、改善が必要な場合には、品質管理業務手順書等に基づき、品質保証責任者に、次に掲げる業務を行わせなければならない。
一 当該製造業者等に対して所要の措置を講じるよう文書により指示すること。
二 当該製造業者等に対して当該措置の実施結果の報告を求め、その報告を適正に評価し、必要に応じてその製造所等を実地に確認し、その結果に関する記録を作成すること。
三 前号の評価及び確認の結果を医薬品等総括製造販売責任者に対して文書により報告すること。
3 医薬品の製造販売業者は、品質に影響を与えるおそれのある製造方法、試験検査方法等の変更について製造業者等から連絡を受けたときは、品質管理業務手順書等に基づき、品質保証部門のあらかじめ指定した者に次に掲げる業務を行わせなければならない。
一 製造業者等からの連絡の内容を評価し、当該変更が製品の品質に重大な影響を与えないことを確認し、必要に応じてその製造所等における製造管理及び品質管理が適正かつ円滑に実施されていることを実地に確認し、その結果に関する記録を作成すること。
二 品質保証責任者以外の者が前号に規定する評価及び確認を行う場合には、その結果を品質保証責任者に対して文書により報告すること。
4 医薬品の製造販売業者は、前項第一号に規定する評価の結果、当該変更が製品の品質に重大な影響を与えるおそれがある場合には、品質管理業務手順書等に基づき、品質保証責任者に速やかに当該製造業者等に対して改善等所要の措置を講じるよう文書により指示させなければならない。
5 医薬品の製造販売業者は、適正かつ円滑な製造管理及び品質管理の実施に必要な品質に関する情報を製造業者等に提供しなければならない。
(平二六厚労令八七・令三厚労令一五・一部改正)
(品質等に関する情報及び品質不良等の処理)
第十一条 医薬品の製造販売業者は、医薬品に係る品質等に関する情報(以下この章において「品質情報」という。)を得たときは、品質管理業務手順書等に基づき、品質保証責任者に次に掲げる業務を行わせなければならない。
一 当該品質情報を検討し、医薬品の品質、有効性及び安全性に与える影響並びに人の健康に与える影響を適正に評価すること。
二 当該品質情報に係る事項の原因を究明すること。
三 前二号の評価又は究明の結果に基づき、品質管理業務又は製造業者等における製造管理及び品質管理に関し改善が必要な場合には、所要の措置を講じること。
四 前三号の情報の内容、評価の結果、原因究明の結果及び改善措置を記載した記録を作成し、医薬品等総括製造販売責任者に対して文書により速やかに報告すること。
五 第二号の究明又は第三号の改善措置のために、製造業者等に対し指示が必要な場合には、その指示を文書により行うとともに、製造業者等に対し文書による結果の報告を求め、それを適正に評価し、必要に応じてその製造所等の改善状況について実地に確認し、その結果に関する記録を作成すること。
六 当該品質情報のうち製造販売後安全管理基準第二条第二項に規定する安全確保措置(以下「安全確保措置」という。)に関する情報を安全管理統括部門に遅滞なく文書で提供すること。
2 医薬品の製造販売業者は、前項に規定する業務により、品質不良又はそのおそれが判明した場合には、品質管理業務手順書等に基づき、医薬品等総括製造販売責任者及び品質保証責任者に、次に掲げる業務を行わせなければならない。
一 品質保証責任者は、品質不良又はそのおそれに係る事項を速やかに医薬品等総括製造販売責任者に対して報告し、それを記録すること。
二 医薬品等総括製造販売責任者は、前号に規定する報告を受けたときは、速やかに、危害発生防止等のため回収等の所要の措置を決定し、品質保証責任者及びその他関係する部門に指示すること。
三 品質保証責任者は、前号の規定により医薬品等総括製造販売責任者の指示を受けたときは、速やかに所要の措置を講じること。
四 品質保証責任者は、前号の措置が適正かつ円滑に行われるよう、安全管理統括部門その他関係する部門との密接な連携を図ること。
五 品質保証責任者は、第三号の措置の実施の進捗状況及び結果について、医薬品等総括製造販売責任者に対して文書により報告すること。
(平二六厚労令八七・一部改正)
(回収処理)
第十二条 医薬品の製造販売業者は、医薬品の回収を行うときは、品質管理業務手順書等に基づき、品質保証責任者に次に掲げる業務を行わせなければならない。
一 回収した医薬品を区分して一定期間保管した後、適正に処理すること。
二 回収の内容を記載した記録を作成し、医薬品等総括製造販売責任者に対して文書により報告すること。
(平二六厚労令八七・一部改正)
(自己点検)
第十三条 医薬品の製造販売業者は、品質管理業務手順書等に基づき、あらかじめ指定した者に次に掲げる業務を行わせなければならない。
一 品質管理業務について定期的に自己点検を行い、その結果の記録を作成すること。
二 品質保証責任者以外の者が当該業務を行う場合には、自己点検の結果を品質保証責任者に対して文書により報告すること。
2 医薬品の製造販売業者は、自己点検の結果に基づき、改善が必要な場合には、品質保証責任者に所要の措置を講じさせ、その記録を作成させるとともに、医薬品等総括製造販売責任者に対して当該措置の結果を文書により報告させなければならない。
(平二六厚労令八七・一部改正)
(教育訓練)
第十四条 医薬品の製造販売業者は、あらかじめ指定した者に、品質管理業務に従事する者に対する教育訓練計画を作成させなければならない。
2 医薬品の製造販売業者は、品質管理業務手順書及び前項に規定する教育訓練計画に基づき、あらかじめ指定した者に次に掲げる業務を行わせなければならない。
一 品質管理業務に従事する者に対して、品質管理業務に関する教育訓練を計画的に実施し、その記録を作成すること。
二 品質保証責任者以外の者が当該業務を行う場合には、教育訓練の実施状況を品質保証責任者に対して文書により報告すること。
(医薬品の貯蔵等の管理)
第十五条 医薬品の製造販売業者が、その製造等をし、又は輸入した医薬品を製造販売の目的で貯蔵し、又は陳列する業務を行う場合には、次に掲げる事項を満たさなければならない。
一 当該業務に係る責任者を置くこと。
二 当該業務に従事する者(その責任者を含む。)は、次に掲げる事項を満たすこと。
イ 品質保証部門に属する者でないこと。
ロ 当該業務に必要な能力を有するとともに、必要な教育訓練を受けていること。
三 次に掲げる事項に適合する構造設備を医薬品等総括製造販売責任者が当該業務を行う事務所の所在地に有し、これを適正に維持管理すること。
イ 医薬品を衛生的に、かつ、安全に保管するために必要な設備を有すること。
ロ 作業を適正かつ円滑に行うために必要な面積を有すること。
ハ 放射性医薬品を取り扱う場合には、薬局等構造設備規則(昭和三十六年厚生省令第二号)第一条第二項、第三項及び第四項に規定する構造設備を有すること。この場合において、同条第三項及び第四項中「調剤室」とあるのは「作業室」と読み替えるものとする。
四 医薬品の出納等当該業務に係る記録を作成すること。
(平一七厚労令一六四・平二六厚労令八七・一部改正)
(文書及び記録の管理)
第十六条 医薬品の製造販売業者は、この章に規定する文書及び記録については、次に掲げる事項に従い管理しなければならない。
一 文書を作成し、又は改訂したときは、品質管理業務手順書に基づき、当該文書の承認、配布、保存等を行うこと。
二 品質管理業務手順書等を作成し、又は改訂したときは、当該品質管理業務手順書等にその日付を記載し、改訂に係る履歴を保存すること。
三 この章に規定する文書及び記録については、作成の日(品質管理業務手順書等については使用しなくなった日。以下同じ。)から次に掲げる期間保存すること。
イ 法第二条第十一項に規定する特定生物由来製品(以下「特定生物由来製品」という。)又は人の血液を原材料(製造に使用する原料又は材料(製造工程において使用されるものを含む。以下同じ。)の由来となるものをいう。以下同じ。)として製造される法第二条第十項に規定する生物由来製品(以下「人血液由来原料製品」という。)にあっては、その有効期間又は使用の期限(以下「有効期間」という。)に三十年を加算した期間
ロ 法第二条第十項に規定する生物由来製品(以下「生物由来製品」という。)又は細胞組織医薬品(イに掲げるものを除く。)にあっては、その有効期間に十年を加算した期間
ハ 生物由来製品又は細胞組織医薬品以外の医薬品にあっては、五年間(ただし、当該文書及び記録に係る医薬品の有効期間に一年を加算した期間が五年を超える場合には、有効期間に一年を加算した期間)
ニ 教育訓練に係る文書及び記録については、イ、ロ、ハの規定に掲げる期間に関わらず五年間
(平二六厚労令八七・一部改正)
第三章 医薬部外品及び化粧品の品質管理の基準
(品質保証責任者の設置)
第十七条 医薬部外品及び化粧品(以下この章において「医薬部外品等」という。)の製造販売業者は、次に掲げる要件を満たす品質管理業務に係る責任者(以下この章において「品質保証責任者」という。)を置かなければならない。
一 品質管理業務を適正かつ円滑に遂行しうる能力を有する者であること。
二 医薬品等又は医療機器の販売に係る部門に属する者でないことその他品質管理業務の適正かつ円滑な遂行に支障を及ぼすおそれがない者であること。
(平二六厚労令八七・一部改正)
(品質管理業務の手順に関する文書及び業務等)
第十八条 医薬部外品等の製造販売業者は、品質管理業務を適正かつ円滑に実施するため、次に掲げる手順に関する文書(以下この章において「品質管理業務手順書」という。)を作成しなければならない。
一 市場への出荷に係る記録の作成に関する手順
二 適正な製造管理及び品質管理の確保に関する手順
三 品質等に関する情報及び品質不良等の処理に関する手順
四 回収処理に関する手順
五 文書及び記録の管理に関する手順
六 その他必要な品質管理業務に関する手順
2 医薬部外品等の製造販売業者は、品質管理業務手順書に基づき、次に掲げる業務を行わなければならない。
一 市場への出荷に関する記録を作成すること。
二 製造販売しようとする医薬部外品等が製造業者等において適正かつ円滑に製造されたものであることを確認し、その記録を作成すること。
三 製品に係る品質等に関する情報を得たときは、当該情報に係る事項による人の健康に与える影響に関する評価、原因の究明を行い、改善が必要な場合は所要の措置を講じ、その記録を作成すること。
四 第三号の情報のうち安全確保措置に関する情報を製造販売後安全管理基準第十四条において準用する第十三条第二項に規定する安全管理責任者(以下この章において「安全管理責任者」という。)に遅滞なく文書で提供すること。
五 製造販売する医薬部外品等の品質不良又はそのおそれが判明した場合には、回収等所要の措置を速やかに実施し、その記録を作成すること。
六 その他必要な品質管理業務に関する業務
3 医薬部外品等の製造販売業者は、医薬品等総括製造販売責任者がその業務を行う事務所に品質管理業務手順書を備え付けるとともに、品質管理業務を行うその他の事務所にその写しを備え付けなければならない。
(平二六厚労令八七・一部改正)
(準用)
第十九条 医薬部外品等の品質管理の基準については、第三条、第四条第一項、第八条並びに第十六条の規定を準用する。この場合において、第三条第一号中「次条第三項に規定する品質保証責任者」とあるのは「品質保証責任者」と、同条第二号中「第十一条第二項第二号に規定するほか、前号の品質保証責任者」とあるのは「品質保証責任者」と、「次条第二項に規定する品質保証部門」とあるのは「品質保証責任者」と、「部門又は責任者」とあるのは「業務の責任者」と、同条第三号中「第一号の品質保証責任者」とあるのは「品質保証責任者」と、同条第四号中「第二号の品質保証部門」とあるのは「品質保証責任者」と、「医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の製造販売後安全管理の基準に関する省令(平成十六年厚生労働省令第百三十五号。以下「製造販売後安全管理基準」という。)第四条第一項に規定する安全管理統括部門(法第四十九条第一項に規定する医薬品以外の医薬品にあっては、製造販売後安全管理基準第十三条第二項に規定する安全管理責任者。以下この章において「安全管理統括部門」という。)」とあるのは「安全管理責任者」と、「関係する部門」とあるのは「関係する業務の責任者」と、第八条中「品質管理業務手順書等」とあるのは「品質管理業務手順書」と、「第九条第五項第三号ハ、第十条第二項第三号、第十一条第一項第四号並びに第二項第一号及び第五号、第十二条第二号並びに第十三条第二項の規定により医薬品等総括製造販売責任者へ報告するもののほか、品質管理業務」とあるのは「品質管理業務」と、「、販売業者、薬局開設者、病院及び診療所の開設者その他」とあるのは「その他」と、第十六条中「品質管理業務手順書等」とあるのは「品質管理業務手順書」と、同条第三号中「次に掲げる期間」とあるのは「五年間」と読み替えるものとする。
(平二六厚労令八七・一部改正)
(厚生労働大臣が指定する医薬部外品の品質管理の基準の特例)
第二十条 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令(昭和三十六年政令第十一号)第二十条第二項の規定により製造管理又は品質管理に注意を要するものとして厚生労働大臣が指定する医薬部外品を製造販売しようとする場合には、前三条の規定にかかわらず、前章の規定を準用する。
(平二六厚労令八七・一部改正)
第四章 再生医療等製品の品質管理の基準
(平二六厚労令八七・全改)
第二十一条 再生医療等製品の品質管理の基準については、第二章(第十五条第三号ハ及び第十六条第三号ハを除く。)の規定を準用する。この場合において、第三条、第四条第二項及び第四項、第六条第二項、第八条第三号、第九条第五項第三号ハ、第十条第二項第三号、第十一条第一項第四号及び第二項、第十二条第二号、第十三条第二項並びに第十五条第三号中「医薬品等総括製造販売責任者」とあるのは「再生医療等製品総括製造販売責任者」と、第三条中「法第十七条第二項に規定する」とあるのは「法第二十三条の三十四第二項に規定する」と、同条第四号中「法第四十九条第一項に規定する医薬品以外の医薬品にあっては、製造販売後安全管理基準第十三条第二項に規定する安全管理責任者。以下この章において「安全管理統括部門」という。」とあるのは「以下この章において「安全管理統括部門」という。」と、第八条第四号中「販売業者、薬局開設者」とあるのは「販売業者」と、第十条第一項第一号中「法第十四条第二項第四号及び第十八条第二項」とあるのは「法第二十三条の二十五第二項第四号及び第二十三条の三十五第二項」と、第十六条第一項第三号イ中「法第二条第十一項に規定する特定生物由来製品(以下「特定生物由来製品」という。)又は人の血液を原材料(製造に使用する原料又は材料(製造工程において使用されるものを含む。以下同じ。)の由来となるものをいう。以下同じ。)として製造される法第二条第十項に規定する生物由来製品(以下「人血液由来原料製品」という。)」とあるのは「法第六十八条の七第三項に規定する指定再生医療等製品」と、同号ロ中「法第二条第十項に規定する生物由来製品(以下「生物由来製品」という。)又は細胞組織医薬品」とあるのは「再生医療等製品」と読み替えるものとする。
(平二六厚労令八七・全改)
附 則
この省令は、平成十七年四月一日から施行する。
附 則 (平成一七年一一月二四日厚生労働省令第一六四号) 抄
(施行期日)
第一条 この省令は、平成十七年十二月一日から施行する。
附 則 (平成二六年七月三〇日厚生労働省令第八七号) 抄
(施行期日)
第一条 この省令は、薬事法等の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)の施行の日(平成二十六年十一月二十五日)から施行する。
附 則 (令和三年一月二九日厚生労働省令第一五号) 抄
(施行期日)
第一条 この省令は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)附則第一条第二号に規定する規定の施行の日(令和三年八月一日)から施行する。