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○承認不要医薬部外品基準

(平成九年三月二十四日)

(厚生省告示第五十四号)

平成九年三月厚生省告示第五十三号(薬事法第十四条第一項の規定に基づき、製造又は輸入の承認を要しない医薬部外品を指定する件)に基づき、承認不要医薬部外品基準を次のように定め、平成九年三月三十一日から適用する。

承認不要医薬部外品基準

第1 通則

1 この基準で「日本薬局方」とは、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第41条第1項の規定により定める日本薬局方をいう。

2 この基準における主な単位については、次の記号を用いる。

ミリメートル mm ナノメートル nm グラム g

ミリグラム mg セルシウス度 ℃ リットル L

ミリリットル mL モル毎リットル mol/L 質量百分率 %

体積百分率 vol% 質量対容量百分率 W/V% ピーエッチ pH

3 標準温度は20℃、常温は15~25℃、室温は1~30℃、微温は30~40℃とする。冷所は、別に規定するもののほか、15℃以下の場所とする。

4 医薬部外品の試験に用いる水は、日本薬局方に規定する「精製水」とする。

5 溶液名の記載については、溶質名の次に溶媒名及び「溶液」を記載し、特に溶媒名を示さないものは水溶液を示す。

6 溶液の濃度を(1→3)、(1→10)、(1→100)等で示したものは、固形の薬品は1g、液状の薬品は1mLを溶媒に溶かして全量をそれぞれ3mL、10mL、100mL等とする割合を示す。また、混液を(10:1)又は(5:3:1)等で示したものは、液状薬品の10容量と1容量の混液又は5容量と3容量と1容量の混液等を示す。

7 重量を「精密に量る」とは、量るべき最小位を考慮し、0.1mg、0.01mg又は0.001mgまで量ることを示し、また、重量を「正確に量る」とは、指示された数値の重量をそのけた数まで量ることを示す。

8 医薬部外品の試験において、nけたの数値を得るには、通例、(n+1)けたまで数値を求めた後、(n+1)けた目の数値を四捨五入する。

9 医薬部外品の試験は、別に規定するもののほか、常温で行い、操作直後に観察するものとする。

10 性状の項において、無色と記載したものは無色又はほとんど無色を示すものである。色調を試験する場合には、固形の医薬部外品はその1gを白紙上又は白紙上に置いた時計皿に採り観察し、液状の医薬部外品は内径15mmの無色の試験管に入れ、白色の背景を用い、液層を30mmとして観察する。また、液状の医薬部外品の澄明性を試験する場合には、内径15mmの無色の試験管に入れ、黒色又は白色の背景を用い、液層を30mmとして観察する。

11 性状の項において、無臭又はにおいが無いと記載したものは、においが無いか、又はほとんどにおいが無いことを示すものである。においを試験する場合には、別に規定するもののほか、固形の医薬部外品1g又は液状の医薬部外品1mLをビーカーに採り、行う。

12 確認試験とは、医薬部外品又は医薬部外品に含有されている主成分などを、その特性に基づいて確認するための試験である。

13 純度試験とは、医薬部外品中の混在物を試験するために行うもので、医薬部外品の純度に係る試験であり、純度試験では、原則として、混在物の種類及びその量の限度を規定する。この試験の対象となる混在物は、その医薬部外品を製造する過程又は保存の間に混在を予想される物又は有害なものである。

14 恒量とは、乾燥し、又は強熱した場合において、引き続き更に1時間乾燥し、又は強熱するとき、その前後のひよう量差が前回に量った乾燥物又は強熱した残留物の重量の0.10%以下であることをいう。

15 定量法とは、医薬部外品の組成、成分の含量、含有単位などを物理的、化学的又は生物学的方法によって測定する試験法である。

16 定量に供する試料の採取量に「約」を付けたものは、記載された量の±10%の範囲を示す。

17 この基準に規定する試験法に代わる方法が、この基準に規定する方法以上の真度及び精度がある場合には、その方法により試験することができる。ただし、その結果について疑いのある場合には、この基準に規定する試験法によりその判定を行う。

18 容器とは、医薬部外品を入れる物であり、栓、ふた等も容器の一部である。容器は内容物である医薬部外品について第3 医薬部外品各条に規定する性状及び品質に対して影響を与える物理的、化学的作用を及ぼさない。

19 密封容器とは、通常の取扱い、運搬又は保存状態において、気体又は微生物の浸入するおそれのない容器をいう。

20 遮光とは、通常の取扱い、運搬又は保存状態において、内容物である医薬部外品について第3 医薬部外品各条に規定する性状及び品質に対して影響を与える光の透過を防ぎ、当該医薬部外品を光の影響から保護することができることをいう。

第2 一般試験法

乾燥減量、吸光度、pH、無菌試験法は、それぞれの次の試験法により行う。

1 乾燥減量試験法

日本薬局方の一般試験法の乾燥減量試験法を準用する。

2 吸光度試験法

日本薬局方の一般試験法の吸光度試験法を準用する。

3 pH試験法

日本薬局方の一般試験法のpH試験法を準用する。

4 無菌試験法

日本薬局方の一般試験法の無菌試験法を準用する。

5 標準品、試薬及び試液

この基準において用いる標準品、試薬及び試液は、日本薬局方の一般試験法の標準品、試薬及び試液のほか、次に規定するものを用いる。

エタノール試液、抽出用 0.5mol/L塩酸試液500mLにエタノール(95)を加えて1,000mLとする。

塩化ベンザルコニウム標準品 日本薬局方塩化ベンザルコニウム。ただし、定量するとき、換算した脱水物に対し、塩化ベンザルコニウム(C22H44ClN:354.02として)99.0%以上を含むもの。

クロロヘキシジン標準品 日本薬局方グルコン酸クロルヘキシジン液10mLに水5mLを加え、氷冷し、かき混ぜながら水酸化ナトリウム試液5mLを徐々に加え、白色の沈殿物を得る。この液をろ過し、残留物を水で洗い、薄めたエタノール(95.5)(7→10)から再結晶し、105℃で30分間乾燥する。融点130~134℃

水酸化ナトリウム試液、0.1mol/L 水酸化ナトリウム4.3gを水に溶かし、1,000mLとする。ポリエチレン瓶に保存する。

ブロモフェノールブルー試液 ブロモフェノールブルー0.1gに水を加えて200mLとする。用時製する。

ブロモフェノールブルー・水酸化ナトリウム試液 ブロモフェノールブルー0.04gを0.1mol/L水酸化ナトリウム試液1mLに溶かし、水を加えて100mLとする。用時製する。

メタノール試液、抽出用 0.1mol/L塩酸試液200mLにメタノールを加えて1,000mLとする。

ラウリル硫酸ナトリウム試液 ラウリル硫酸ナトリウム0.1gに水を加えて100mLとする。

6 滅菌法

日本薬局方の一般試験法の滅菌法及び無菌操作法並びに超ろ過法の滅菌法を準用する。

第3 医薬部外品各条

1 清浄綿

本品は、塩化ベンザルコニウム水溶液又はグルコン酸クロロヘキシジン水溶液を脱脂綿に湿潤させたものであって、次に掲げる事項に適合する。

(1) 効能又は効果は、次のとおりとする。

ア 乳児の皮膚又は口くうの清浄又は清しき

イ 授乳時の乳首又は乳房の清浄又は清しき

ウ 目、性器又はこう門の清浄又は清しき

(2) 用法及び用量は、通常1回1包を用い、適用部位を清浄又は清しきすることとし、分割して使用しない。

(3) 塩化ベンザルコニウムを含む製剤は、塩化ベンザルコニウム水溶液を脱脂綿に湿潤させた無菌の製剤である。本品に湿潤している液を定量するとき、当該液は塩化ベンザルコニウム(C22H40ClN:354.02として)0.009~0.011%を含む。また、本品は、塩化ベンザルコニウム、精製水及び脱脂綿以外の成分を含まない。

製法

本品は、日本薬局方塩化ベンザルコニウム及び日本薬局方精製水を日本薬局方脱脂綿に湿潤させ、内側がポリエチレン又はポリプロピレン製の容器に密封し、高圧蒸気法により滅菌して製する。この場合においては、汚染を防止するために十分な注意を要し、調製、充てん、密封及び滅菌に至る操作はできるたけ速やかに行う。

性状

本品に湿潤している液は、無色透明で、においは無い。

確認試験

本品に湿潤している液約20mLを採り、水浴上で約4分の1に濃縮し、試験液とする。

(ア) 試験液2mLにブロモフェノールブルー試液0.2mL及び水酸化ナトリウム試液0.5mLを加えるとき、液は青色を呈し、これにクロロホルム4mLを加えて激しく振り混ぜるとき、その青色はクロロホルム層に移る。このクロロホルム層を分取し、振り混ぜながらラウリル硫酸ナトリウム試液を滴下するとき、クロロホルム層は無色となる。

(イ) 試験液1mLにエタノール(95)2mL、希硝酸0.5mL及び硝酸銀試液1mLを加えるとき、液中に白色の沈殿物が生じる。この沈殿物は希硝酸を追加しても溶けないが、アンモニア試液を加えるとき、溶ける。

pH

本品に湿潤している液のpHは5.5~7.5である。

内容物の重量偏差試験

本品20個についてそれぞれの重量を精密に量る。容器から内容物を取り出し、容器の内側を水で十分に洗った後、105℃で2時間乾燥する。乾燥した容器の重量を精密に量り、対応する内容物を取り出す前の重量を差し引いて内容物の重量とする。20個について個々の内容物の重量を求め、平均重量を計算するとき、平均重量と個々の重量との偏差が平均重量の10%を超えるものは2個以下で、20%を超えるものはあってはならない。

無菌試験

無菌試験法に適合する。

定量法

本品3個の重量を精密に量る。本品を容器と内容物に分け、3個分の内容物をビーカーに採り、抽出用エタノール試液40mLを加え、ガラス棒で内容物を数回押し、必要なときはろ過を行い、液を得る。これを3回繰り返し、すべての液を合わせ、水を加えて正確に200mLとし、試料溶液とする。容器を水で十分に洗った後、105℃で2時間乾燥する。試料溶液を採取した後、その残りの内容物を十分に乾燥する。乾燥した容器と内容物の重量を精密に量り、最初に量った重量との差を試料の量とする。別に塩化ベンザルコニウム標準品約0.04gを精密に量り、水に溶かし、正確に100mLとする。この液10mLを正確に採り、抽出用エタノール試液150mLを正確に加え、更に水を加えて正確に200mLとし、標準溶液とする。

試料溶液及び標準溶液を4mLずつ正確に量り、分液ろう斗に入れ、1mol/L水酸化ナトリウム試液10mL及びブロモフェノールブルー・水酸化ナトリウム試液1mLを加えて振り混ぜた後、10分間放置する。これにクロロホルム10mLを正確に加え、5分間振り混ぜる。この液を褐色の共栓遠心沈殿管に入れ、遠心分離し、得られたクロロホルム層につき、クロロホルムを対照として、吸光度測定法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液から得られた液の波長600nmにおける吸光度AT及びASを測定し、次式により塩化ベンザルコニウムの量を求める。

塩化ベンザルコニウムの量(%)=W×(AT/AS)×(1/試料の量(g))×(1/10)

W:標準溶液200mL中の塩化ベンザルコニウム(C22H40ClN:354.02として)の量(mg)

貯法

密封容器

(4) グルコン酸クロロヘキシジンを含む製剤は、グルコン酸クロロヘキシジン水溶液を脱脂綿に湿潤させた無菌の製剤である。本品に湿潤している液を定量するとき、当該液はグルコン酸クロロヘキシジン(C22H30Cl2N10・2C6H12O7:897.77)0.018~0.022%を含む。また、本品は、グルコン酸クロロヘキシジン、精製水及び脱脂綿以外の成分を含まない。

製法

本品は、日本薬局方グルコン酸クロルヘキシジン液及び日本薬局方精製水を日本薬局方脱脂綿に湿潤させ、内側がポリエチレン又はポリプロピレン製の容器に密封し、高圧蒸気法により滅菌して製する。この場合においては、汚染を防止するために十分な注意を要し、調製、充てん、密封及び滅菌に至る操作はできるだけ速やかに行う。

性状

本品に湿潤している液は、無色透明で、においは無い。

確認試験

(ア) 本品3個分の内容物をビーカーに採り、抽出用メタノール試液50mLを加え、ガラス棒で内容物を数回押し、必要なときはろ過を行い、液を得る。これを3回繰り返し、すべての液を合わせ、抽出用メタノール試液を加えて正確に250mLとし、試験液とする。この液について吸光度測定法により試験をするとき、吸収の極大は波長260±2nmにある。

(イ) 本品の内容物30gを試料とし、ろう斗上でガラス棒で数回押し、ろ過した液を試験液とする。試験液に硫酸銅試液0.5mLを加えるとき、液中に白色の沈殿物が生じる。この沈殿物は沸騰するまで加熱するとき、淡紫色を呈する。

pH

本品に湿潤している液のpHは5.5~7.5である。

内容物の重量偏差試験

(3) の内容物の重量偏差試験を準用する。

無菌試験

無菌試験法に適合する。

定量法

本品3個の重量を精密に量る。本品を容器と内容物に分け、3個分の内容物をビーカーに採り、抽出用メタノール試液50mLを加え、ガラス棒で内容物を数回押し、必要なときはろ過を行い、液を得る。これを3回繰り返し、すべての液を合わせ、抽出用メタノール試液を加えて正確に250mLとし、試料溶液とする。容器を水で十分に洗った後、105℃で2時間乾燥する。試料溶液を採取した後、その残りの内容物を十分に乾燥する。乾燥した容器と内容物の重量を精密に量り、最初に量った重量との差を試料の量とする。別にクロロヘキシジン標準品を105℃で2時間乾燥し、その約0.015gを精密に量り、抽出用メタノール試液に溶かし、正確に100mLとする。この液20mLを正確に採り、抽出用メタノール試液を加えて正確に250mLとし、標準溶液とする。

試料溶液及び標準溶液につき、吸光度測定法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液の波長260nmにおける吸光度AT及びASを測定し、次式によりグルコン酸クロロヘキシジンの量を求める。

グルコン酸クロロヘキシジンの量(%)=W×(897.77/505.45)×(AT/AS)×(1/試料の量(g))×(1/10)

W:標準溶液250mL中のクロロヘキシジンの量(mg)

貯法

密封容器

改正文 (平成二六年一一月二一日厚生労働省告示第四三九号) 抄

薬事法等の一部を改正する法律の施行の日(平成二十六年十一月二十五日)から適用する。

附 則 (令和元年六月二八日厚生労働省告示第四八号) 抄

(適用期日)

1 この告示は、不正競争防止法等の一部を改正する法律の施行の日(令和元年七月一日)から適用する。