添付一覧
被検元素 |
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分析線波長(nm) |
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支燃性ガス |
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可燃性ガス |
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光源ランプ |
Zn |
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213.9 |
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air |
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C2H2 |
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亜鉛中空陰極ランプ |
Cr |
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357.9 |
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air |
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C2H2 |
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クロム中空陰極ランプ |
Fe |
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248.3 |
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air |
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C2H2 |
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鉄中空陰極ランプ |
Pb |
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283.3 |
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air |
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C2H2 |
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鉛中空陰極ランプ |
Mn |
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279.5 |
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air |
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C2H2 |
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マンガン中空陰極ランプ |
8 質量法
質量法は、第1法、第2法又は第3法によって色素含量を定量する方法である。
イ 操作法
(1) 第1法
試料約0.5gを精密に量り、水50mLを加えて溶かし、これを500mLのビーカーに移し、沸騰するまで加熱した後、薄めた塩酸(1→50)25mLを加えて再び煮沸する。次いでビーカーの内壁を少量の水で洗った後ビーカーの口を時計皿で覆い、水浴上で約5時間加熱する。室温になるまで冷却した後、沈殿物を質量既知のるつぼ形ガラスろ過器(1G4)でろ過し、薄めた塩酸(1→200)10mLずつで3回、水約10mLずつで2回洗う。沈殿物をるつぼ形ガラスろ過器とともに105℃で3時間乾燥し、デシケーター(シリカゲル)中で放冷した後、精密に量り、次式により色素含量を求める。
色素含量(%)=((沈殿物の量(g)×k)/試料採取量(g))×100
k:規格において規定する係数
(2) 第2法
試料約0.5gを精密に量り、水酸化ナトリウム試液(希)50mLを加えて溶かし、これを500mLのビーカーに移し、沸騰するまで加熱した後、薄めた塩酸(1→50)25mLを加えて再び煮沸する。ビーカー内壁を少量の水で洗った後ビーカーの口を時計皿で覆い、水浴上で約5時間加熱する。室温になるまで冷却した後、沈殿物を質量既知のるつぼ形ガラスろ過器(1G4)でろ過し、薄めた塩酸(1→200)10mLずつで3回、水約10mLずつで2回洗う。沈殿物をるつぼ形ガラスろ過器とともに105℃で3時間乾燥し、デシケーター(シリカゲル)中で放冷した後、精密に量り、第1法と同じ式により色素含量を求める。
(3) 第3法
試料約0.1gを50mLのビーカーに精密に量り、硫酸5mLを加えて水浴上で加温して溶かす。室温になるまで冷却した後、水約100mLを入れた300mLの広口三角フラスコに移す。ビーカー中の残留物は、水約20mLを加えて広口三角フラスコに洗い込む。ここに生じた沈殿物を質量既知のるつぼ形ガラスろ過器(1G4)でろ過し、水15mLずつで6回洗う。沈殿物をるつぼ形ガラスろ過器とともに85℃で恒量になるまで乾燥し、デシケーター(シリカゲル)中で放冷した後、精密に量り、第1法と同じ式により色素含量を求める。
9 重金属試験法
重金属試験法は、試料中に混在する重金属(酸性で硫化ナトリウム試液によって呈色又は混濁若しくは沈殿を生ずる金属性混在物をいう。)の量の限度を試験する方法であり、その量は鉛(Pb)の量として質量百万分率(ppm)で表す。
イ 試料溶液及び比較液の調製法
試料1.0gを、石英製又は磁製のるつぼに量り、緩くふたをし、弱く加熱して炭化する。室温になるまで冷却した後、硝酸2mL及び硫酸5滴を加え、白煙が生じなくなるまで加熱した後、強熱して灰化する。室温になるまで冷却した後、塩酸2mLを加え、水浴上で加熱して乾固し、残留物を塩酸3滴で潤し、熱湯10mLを加えて2分間加熱する。これにフェノールフタレイン試液1滴を加え、アンモニア試液を液が微赤色になるまで滴加し、酢酸(希)2mLを加え、必要に応じてろ紙を用いてろ過し、残留物を水10mLで洗い、ろ液及び洗液を比色管に入れ、水を加えて50mLとし、試料溶液とする。
別に硝酸2mL、硫酸5滴及び塩酸2mLを水浴上で蒸発し、砂浴上で加熱して乾固し、残留物を塩酸3滴で潤し、熱湯10mLを加えて2分間加熱する。これにフェノールフタレイン試液1滴を加え、アンモニア試液を液が微赤色となるまで滴加し、酢酸(希)2mLを加え、必要に応じてろ紙を用いてろ過し、残留物を水10mLで洗い、ろ液及び洗液を比色管に入れ、鉛標準液2.0mL及び水を加えて50mLとし、比較液とする。
ロ 操作法
試料溶液及び比較液に硫化ナトリウム試液1滴ずつを加えて振り混ぜ、直射日光を避けて5分間放置した後、白色の背景を用い、比色管の上方又は側方から観察する。試料溶液の呈する色は、比較液の呈する色より濃くないことを確認する。この場合において、試料溶液中に混在する重金属の量は、鉛の量として20ppm以下である。
10 赤外吸収スペクトル測定法
赤外吸収スペクトル測定法は、物質の赤外吸収スペクトルがその物質の化学構造によって定まるという性質を利用し、種々の波数における赤外吸収スペクトルを測定することにより、物質を確認する方法である。
イ 装置及び調整法
分散型赤外分光光度計又はフーリエ変換型赤外分光光度計を用いる。
(1) 透過率(%)の差
あらかじめ調整した分散型赤外分光光度計又はフーリエ変換型赤外分光光度計により、厚さ約0.04mmのポリスチレン膜の吸収スペクトルを測定するとき、吸収スペクトルの2870cm-1付近の極小と2851cm-1付近の極大における透過率(%)の差が18%以上であること及び吸収スペクトルの1589cm-1付近の極小と1583cm-1付近の極大の透過率(%)の差は12%以上であることを確認する。
(2) 波数目盛り
波数目盛りは、ポリスチレン膜の次の吸収帯のうち、いくつかを用いて補正する。なお、括弧内の数値はこれらの値が定められたときの測定精度を表す。
3027.1(±0.3) 2924(±2) 2850.7(±0.3) 1944(±1) 1871.0(±0.3) 1801.6(±0.3) 1601.4(±0.3) 1583.1(±0.3) 1181.4(±0.3) 1154.3(±0.3) 1069.1(±0.3) 1028.0(±0.3) 906.7(±0.3) 698.9(±0.5)
(3) 透過率及び波数の再現性
透過率の再現性はポリスチレン膜の1000cm-1以上3000cm-1以下における数点の吸収を2回繰り返し測定するとき、±0.5%以内とし、及び波数の再現性はポリスチレン膜の吸収波数3000cm-1付近で±5cm-1以内とし、1000cm-1付近で±1cm-1以内とする。
ロ 試料の調製法及び測定
試料1mg以上2mg以下をめのう製乳鉢で粉末とし、これに臭化カリウム(赤外吸収スペクトル測定用)100mg以上200mg以下を加え、湿気を吸わないよう注意しつつ、速やかによくすり混ぜ、これを錠剤成形器に入れ、0.67kPa以下の減圧下において錠剤の単位面積(cm2)当たり5t以上10t以下の圧力を5分間から8分間加えて製錠した後、測定する。この場合において、試料は、主な吸収帯の透過率(%)が5%以上80%以下の範囲になるように調製しておくものとする。
ハ 確認方法
試料及び確認しようとする物質の同一性は、試料の吸収スペクトルと確認しようとする物質の参照スペクトルを比較して、これらのスペクトルが同一の波数に同一の強度の吸収を与えるかを測定することにより確認する。
ニ 参照スペクトル
試料の規格において赤外吸収スペクトル測定法による確認試験が規定されている各品目については、波数600cm-1以上4000cm-1以下における参照スペクトルが掲載されている。参照スペクトルにおいては、縦軸は透過率(%)、横軸は波数(cm-1)を表す。
11 薄層クロマトグラフ法
薄層クロマトグラフ法は、シリカゲルで作られた薄層を用い、混合物のそれぞれの成分の物理的又は化学的性質の差を利用して、展開溶媒で展開させ、それぞれの成分に分離して確認する方法である。
イ 装置
シリカゲル薄層板(平滑な耐熱性ガラス板(縦200mm、横50mm又は200mm、厚さ3mm)の上に、適当な装置を用いてシリカゲル(薄層クロマトグラフ用)を厚さ250μm以上300μm以下の薄層状に均一に塗布し、薄層を上にして水平に置き、室温で2時間から3時間放置し乾燥させ、105℃で1時間加熱した後、乾燥剤を入れた気密容器内で冷却し作製したものに限る。)及び展開用容器(シリカゲル薄層板を内部に直立させ、密閉することができるガラス製のものに限る。)を用いる。
ロ 操作法
(1) 第1法
薄層板の下端から約20mmの高さの位置を原線とし、左右両側から少なくとも10mm離した原線上に、約10mmの間隔でそれぞれの試料の規格において定める濃度の試料溶液及び標準溶液の規定量をマイクロピペット等を用いてスポットし、風乾する。あらかじめそれぞれの試料の規格において定める展開溶媒を約10mmの深さになるように入れて、その蒸気で飽和させておいた展開用容器に、この薄層板を器壁に触れないように入れ、容器を密閉し、常温で展開を行う。次いで展開溶媒の先端が原線から約100mmの距離まで上昇したとき、薄層板を取り出し、直ちに溶媒の先端の位置に印を付け、風乾し、試料溶液及び標準溶液から得た主たるスポットの位置、色等を比較観察する。この場合において、Rf値は、次式により求める。
Rf値=原線からスポットの中心までの距離(mm)/原線から溶媒先端までの距離(mm)
(2) 第2法
第1法に準じて試験を行う。この場合において、Rs値は、次式により求める。
Rs値=原線から試料溶液のスポットの中心までの距離(mm)/原線から標準溶液のスポットの中心までの距離(mm)
12 pH測定法
イ 装置
pH計は、ガラス電極によるpH計であってガラス電極及び参照電極からなる検出部と、検出された起電力に対応するpHを指示する指示部からなり、指示部には非対称電位調整用つまみがある。また、温度補償機能及び感度調整用機能を備えることができる。
pH計は、次の操作法に従い、任意の一種類のpH標準液のpHを5回繰り返し測定するとき、その再現性が±0.05以内のものを用いる。このとき、毎回測定後には検出部を水でよく洗うものとする。
ロ 操作法
ガラス電極は、あらかじめ水に数時間以上浸しておく。pH計は電源を入れ、5分間以上たってから使用する。検出部をよく水で洗い、付着した水はろ紙等で軽くふき取る。1点で調整する場合は、温度補償用つまみをpH標準液の温度と一致させ、検出部を試料溶液のpH値に近いpH標準液中に浸し、2分間以上たってからpH計の指示が、その温度におけるpH標準液のpHになるように非対称電位調整用つまみを調整する。2点で調整する場合は、まず温度補償用つまみを液温に合わせ、リン酸塩pH標準液等に浸し、非対称用電位調整用つまみを用いてpHを一致させ、次に試料溶液のpH値に近いpH標準液に浸し、感度調整用つまみ又は標準液の温度にかかわらず温度補償用つまみを用いて同様に操作する。
以上の調整が終われば検出部をよく水で洗い、付着した水はろ紙等で軽くふき取った後、試料溶液に浸し、測定値を読みとる。
ハ pH標準液
pH標準液の調製に用いる水は、精製水を蒸留し、留液を15分間以上煮沸した後、二酸化炭素吸収管(ソーダ石灰)を付けて冷却する。pH標準液は、硬質ガラス瓶又はポリエチレン瓶に密閉して保存する。
(1) シュウ酸塩pH標準液 pH測定用二シュウ酸三水素カリウム二水和物を粉末とし、デシケーター(シリカゲル)で乾燥させ、その12.71g(0.05mol)を精密に量り、水に溶かして正確に1000mLとする。
(2) フタル酸塩pH標準液 pH測定用フタル酸水素カリウムを粉末とし、110℃で恒量になるまで乾燥させ、その10.21g(0.05mol)を精密に量り、水に溶かして正確に1000mLとする。
(3) リン酸塩pH標準液 pH測定用リン酸二水素カリウム及びpH測定用リン酸水素二ナトリウムを粉末とし、110℃で恒量になるまで乾燥させ、リン酸二水素カリウム3.40g(0.025mol)及びリン酸水素二ナトリウム3.55g(0.025mol)を精密に量り、水に溶かして正確に1000mLとする。
(4) ホウ酸塩pH標準液 pH測定用四ホウ酸ナトリウム十水和物をデシケーター(臭化ナトリウム飽和溶液)中に放置し、恒量とした後、その3.81g(0.01mol)を精密に量り、水に溶かして正確に1000mLとする。
(5) 炭酸塩pH標準液 pH測定用炭酸水素ナトリウムをデシケーター(シリカゲル)で恒量になるまで乾燥させ、その2.10g(0.025mol)を精密に量ったもの及びpH測定用炭酸ナトリウムを300℃以上500℃以下で恒量になるまで乾燥させ、その2.65g(0.025mol)を精密に量ったものを、水に溶かして正確に1000mLとする。
(6) 水酸化カルシウムpH標準液 pH測定用水酸化カルシウムを粉末とし、その5gをフラスコに量り、水1000mLを加え、よく振り混ぜ、23℃以上27℃以下とし、十分に飽和した後、その温度で上澄み液をろ過し、澄明なろ液(約0.02mol/L)を用いる。
これらのpH標準液の各温度におけるpH値を次の表に示す。この表にない温度のpH値は表の値から内挿法により求める。
6種のpH標準液によるpHの温度依存性
温度 |
シュウ酸塩pH標準液 |
フタル酸塩pH標準液 |
リン酸塩pH標準液 |
ホウ酸塩pH標準液 |
炭酸塩pH標準液 |
水酸化カルシウムpH標準液 |
0℃ |
1.67 |
4.01 |
6.98 |
9.46 |
10.32 |
13.43 |
5℃ |
1.67 |
4.01 |
6.95 |
9.39 |
10.25 |
13.21 |
10℃ |
1.67 |
4.00 |
6.92 |
9.33 |
10.18 |
13.00 |
15℃ |
1.67 |
4.00 |
6.90 |
9.27 |
10.12 |
12.81 |
20℃ |
1.68 |
4.00 |
6.88 |
9.22 |
10.07 |
12.63 |
25℃ |
1.68 |
4.01 |
6.86 |
9.18 |
10.02 |
12.45 |
30℃ |
1.69 |
4.01 |
6.85 |
9.14 |
9.97 |
12.30 |
35℃ |
1.69 |
4.02 |
6.84 |
9.10 |
9.93 |
12.14 |
40℃ |
1.70 |
4.03 |
6.84 |
9.07 |
|
11.99 |
50℃ |
1.71 |
4.06 |
6.83 |
9.01 |
|
11.70 |
60℃ |
1.73 |
4.10 |
6.84 |
8.96 |
|
11.45 |
13 ヒ素試験法
ヒ素試験法は、試料中に混在するヒ素の量の限度を試験する方法であり、その量の限度は三酸化二ヒ素(As2O3)の量として質量百万分率(ppm)で表す。
イ 装置
次の図のものを用いる。
A:発生瓶(容量約70mLであって、40mLに標線を付されたものに限る。)
B:排気管
C:内径5.6mmのガラス管(吸収管に入れる部分は、先端を内径1mmに引き伸ばす。)
D:吸収管(内径10mm)
E:小孔
F:ガラスウール(約0.2g)
G:Dの5mLに付された標線
H及びJ:ゴム栓
L:Aの40mLに付された標線
排気管Bにガラスウールを約30mmの高さに詰め、酢酸鉛試液/水混液(1:1)で均等に潤し、管の下部から静かに吸引してガラスウール及び器壁から過量の液を除く。これをゴム栓Hの中心に垂直に差し込み、Bの下部の小孔Eが下にわずかに突き出るようにして発生瓶Aに付ける。Bの上端にはガラス管Cを垂直に固定したゴム栓Jを付ける。Cの排気管側の下端はゴム栓Jの下端と同一平面とする。
ロ 試料溶液調製法
試料1.0gを、白金製、石英製又は磁製のるつぼに量り、これに硝酸マグネシウム六水和物のエタノール(95)溶液(1→50)10mLを加え、エタノール(95)に点火して燃焼させた後、徐々に加熱して強熱し、灰化する。なお炭化物が残るときは、少量の硝酸で潤し、再び強熱して灰化する。常温になるまで冷却後、残留物に塩酸3mLを加え、必要に応じて水約10mLを加え、水浴上で加温して溶かし、これを試料溶液とする。
ハ 操作法
以下の操作と標準色の調製は同時に行う。
発生瓶Aに試料溶液を量り、メチルオレンジ試液1滴を加え、アンモニア水(28)又はアンモニア試液を用いて中和した後、薄めた塩酸(1→2)5mL及びヨウ化カリウム試液5mLを加え、2分間から3分間放置した後、塩化スズ(Ⅱ)試液(酸性)5mLを加えて室温で10分間放置する。水を加えて40mLとし、亜鉛(ヒ素分析用)2gを加え、直ちに排気管B及びガラス管Cを連結したゴム栓Hを発生瓶Aに付ける。ガラス管Cの細管部の端は、あらかじめヒ化水素吸収液5mLを入れた吸収管Dの底に達するように入れておく。発生瓶Aを25℃の水中に肩まで浸し、1時間放置する。吸収管Dをはずし、必要に応じてピリジンを加えて5mLとし、吸収液の色を観察する。標準色より濃くないことが確認できた場合、混在するヒ素の量は、三酸化二ヒ素(As2O3)の量として2ppm以下である。
ニ 標準色の調製法
発生瓶Aにヒ素標準液2mLを正確に量り、薄めた塩酸(1→2)5mL及びヨウ化カリウム試液5mLを加えて2分間から3分間放置した後、塩化スズ(Ⅱ)試液(酸性)5mLを加え、室温で10分間放置する。水を加えて40mLとし、亜鉛(ヒ素分析用)2gを加え、直ちに排気管B及びガラス管Cを連結したゴム栓Hを発生瓶Aに付ける。ガラス管Cの細管部の端は、あらかじめヒ化水素吸収液5mLを入れた吸収管Dの底に達するように入れておく。発生瓶Aを25℃の水中に肩まで浸し、1時間放置する。吸収管Dをはずし、必要に応じてピリジンを加えて5mLとして得られた吸収液の呈す色を標準色とする。標準色は、三酸化二ヒ素(As2O3)2μgに対応する。
ホ 操作上の注意
操作に用いる器具、試薬及び試液は、ヒ素を含まない又はほとんど含まないものを用い、必要に応じて空試験を行う。
14 不溶物試験法
不溶物試験法は、試料中に含まれる水又は有機溶媒に溶けない物質の量を試験する方法であり、その量の濃度は質量百分率(%)で表す。
イ 操作法
(1) 第1法
別に規定するもののほか、試料約2gを精密に量り、熱湯200mLを加えて、よく振り混ぜた後、室温に冷却する。質量既知のるつぼ型ガラスろ過器(1G4)でろ過し、残留物を水で、洗液が無色になるまで洗浄する。るつぼ型ガラスろ過器とともに105℃で3時間乾燥し、デシケーター(シリカゲル)中で放冷した後、質量を精密に量る。
(2) 第2法
試料約0.2g以上0.5g以下を精密に量り、規格において規定された有機溶媒100mLを加えてよくかき混ぜ、冷却器を付けて20分間静かに煮沸する。
質量既知のるつぼ型ガラスろ過器(1G4)で熱時ろ過し、不溶物を温溶媒10mLずつで洗液が無色になるまで洗浄する。次いでるつぼ型ガラスろ過器とともに105℃で3時間乾燥し、デシケーター(シリカゲル)中で放冷した後、質量を精密に量る。
15 融点測定法
融点測定法は、約100kPaの下で次の方法によって、固体が融解する温度を測定するものである。
イ 装置
次の図のものを用いる。
A:加熱容器(硬質ガラス製)
B:浴液
C:ふた(テフロン製)
D:浸線付温度計
E:温度計固定ばね
F:浴液量加減用小孔
G:コイルスプリング
H:毛細管
J:ふた固定ばね
浴液:常温における動粘度50mm2/s以上100mm2/s以下の澄明なシリコーン油を用いる。
浸線付温度計:融点が50℃未満のときは1号、50℃以上100℃未満のときは2号、100℃以上150℃未満のときは3号、150℃以上200℃未満のときは4号、200℃以上250℃未満のときは5号、250℃以上320℃未満のときは6号を用いる。
毛細管:内径0.8mm以上1.2mm以下、長さ120mm及び壁の厚さ0.2mm以上0.3mm以下かつ一端を閉じた硬質ガラス製のものを用いる。
ロ 操作法
試料を微細な粉末とし、デシケーター(シリカゲル)中で24時間乾燥する。また、乾燥後とあるときは、乾燥減量の項の条件に従い乾燥したものを用いる。
この試料を乾燥した毛細管Hに入れ、閉じた一端を下にしてガラス板又は陶板上に立てた長さ約70cmのガラス管の内部に落とし、弾ませて固く詰め、層が3mm又はこれに近い厚さとなるようにする。
浴液Bを加熱して予想した融点の約10℃下の温度まで徐々に上げ、浸線付温度計Dの浸線を浴液のメニスカスに合わせ、試料を入れた毛細管HをコイルスプリングGに挿入し、試料を詰めた部分がDの水銀球の中央にくるようにする。1分間に約3℃上昇するように加熱して温度を上げ、予想した融点より約5℃低い温度から1分間に1℃上昇するように加熱を続ける。
試料がH内で液化して、固体を全く認めなくなったときのDの示度を読み取り、融点とする。
16 硫酸塩試験法
硫酸塩試験法は試料中に混在する硫酸塩の量の限度を試験する方法であり、その量の限度は硫酸ナトリウム(Na2SO4)として質量百分率(%)で表す。
イ 操作法
試料約2gを、500mL三角フラスコに精密に量り、水約200mLを加えて溶かし、活性炭10gを加えて振り混ぜた後、3分間穏やかに煮沸し、放冷する。次いで薄めた硝酸(1→2)1mLを加えてよく振り混ぜた後、吸引ろ過し、少量の水で洗浄し、ろ液に水を加えて正確に250mLとする。この液をあらかじめ陽イオン交換樹脂(H型)5mL以上20mL以下を充填した内径8mm以上15mm以下のカラム管に1分間2mL以上5mL以下の流速で通し、初めの流出液30mLを捨て、次の流出液を試料溶液とする。試料溶液50mLを正確に量り、塩酸(希)1滴又は2滴を加えて煮沸させながら0.01mol/L塩化バリウム液10mLを正確に加えて数分間煮沸した後冷却し、これにアンモニア・塩化アンモニウム緩衝液(pH10.7)5mL、エチレンジアミン四酢酸マグネシウム二ナトリウム四水和物溶液(4.3→100)5mL及びエリオクロムブラックT試液4滴又は5滴を加えて直ちに0.01mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム液で、溶液の色が青紫色になるまで滴定する。別に同様の方法で空試験を行い、次式により硫酸塩の量を求める。
硫酸塩の量(%)=(((b-c)×1.420)/(試料採取量(g)×1000))×(250/50)×100
b:空試験における0.01mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム液の消費量(mL)
c:0.01mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム液の消費量(mL)
17 レーキ試験法
レーキ試験法は、確認試験(色素原体の確認及び色素原体に結合又は吸着している金属塩又は金属の確認)、レーキの純度試験及び色素原体の定量法からなる。
イ 確認試験
(1) 色素の確認 レーキに使用されている色素原体の確認
試料0.1gを量り、水酸化ナトリウム試液(希)10mLを加えてかき混ぜ、必要に応じて加温して色素原体を溶出する。不透明の場合は遠心分離し、溶液又は上澄み液5mLを量り、これに希釈液を加えて50mLとし、これを試料溶液とする。希釈液には試験を行う色素の確認試験の吸光度測定法で用いる試液又は溶媒を用いる。
(a) 試料溶液について、それぞれの色素原体に準じ、吸光度測定法により吸収極大波長を測定するとき、それぞれの色素原体の吸収極大波長と一致することを確認する。
(b) 試料溶液について、それぞれの色素原体に準じ、薄層クロマトグラフ法第1法又は第2法により試験を行うとき、試料溶液から得た主たるスポットは、それぞれの色素原体の各確認試験の項に記載された色を呈し、確認試験の項に記載された標準溶液から得た主たるスポットと等しいRf値を示すか、又は各確認試験の項に記載されたRs値を示すことを確認する。
(2) 結合又は吸着している金属及び金属塩の確認
(a) アルミニウムの確認
試料0.5gを500℃で強熱して得られる残留物に塩酸(希)20mLを加え、加温する。遠心分離して得た上澄み液に、塩化アンモニウム試液及びアンモニア試液を加えるとき、白色のゲル状の沈殿を生じ、過量のアンモニア試液を追加しても、沈殿が溶けない場合は、この試料にはアルミニウムが含まれている。
(b) バリウムの確認
試料0.5gを500℃で強熱して得られる残留物に炭酸ナトリウム(無水)2g及び炭酸カリウム2gを加えてよくかき混ぜ、加熱して融解する。常温になるまで冷却後、熱湯10mLを加え、かき混ぜてろ過する。ろ紙上の残留物を熱湯で洗い、この残留物を酢酸(100)2mLで溶かし、硫酸(希)を加えるとき、白色の沈殿を生じ、硝酸(希)を追加しても沈殿が溶けない場合は、この試料にはバリウムが含まれている。
(c) ジルコニウムの確認
① 試料0.5gを500℃で強熱して得られる残留物に硫酸2mL及び硫酸アンモニウム2gを加え、加熱して溶かす。常温になるまで冷却後、温塩酸(希)5mLを加えて試料溶液とする。
試料溶液2mLにβ―ニトロソ―α―ナフトールのエタノール(95)溶液(1→50)3滴を加えて加温するとき、液は、橙赤色から橙褐色までの色を呈する場合は、この試料にはジルコニウムが含まれる。
② ①の試料溶液2mLに水5mL及びマンデル酸溶液(4→25)2mLを加えて振り混ぜるとき、白色の沈殿を生じる場合は、この試料にはジルコニウムが含まれる。
ロ 純度試験
(1) 塩酸及びアンモニア不溶物試験法
試料約2gを精密に量り、水20mLを加えて振り混ぜた後、塩酸20mLを加えてよくかき混ぜ、沸騰水300mLを加えてよく振り混ぜる。時計皿でおおい、水浴上で30分間加熱した後、これを室温になるまで放冷した後、遠心分離する。この上澄み液を質量既知のるつぼ形ガラスろ過器(1G4)でろ過し、水約30mLで不溶物をるつぼ形ガラスろ過器に移し、水5mLずつで2回洗浄し、薄めたアンモニア水(28)(1→25)で洗液がほとんど無色となるまで洗った後、薄めた塩酸(1→30)10mLで洗い、洗液が硝酸銀試液で変化しなくなるまで十分洗い、るつぼ形ガラスろ過器とともに105℃で3時間乾燥し、デシケーター(シリカゲル)中で室温になるまで冷却後、精密に量る。
(2) 水溶性塩化物及び水溶性硫酸塩
(a) 水溶性塩化物試験法
試料約2gを精密に量り、水200mLを正確に加えて約30分間時々振り混ぜた後、乾燥ろ紙でろ過する。ろ液が着色するときは、これに活性炭2gを加えて栓をしてよく振り混ぜた後、時々振り混ぜながら1時間放置し、ろ過する。ろ液がなお無色とならないときは、無色となるまで活性炭を用いて同様の操作を行う。このろ液を試料溶液とする。試料溶液50mLを正確に量り、薄めた硝酸(38→100)2mLを加え、0.1mol/L硝酸銀液10mL(塩化物の量が多いときは、更に増量する。)を正確に加え、更にニトロベンゼン約5mLを加える。次いで、塩化銀が析出するまで振り混ぜ、硫酸アンモニウム鉄(Ⅲ)試液1mLを加え、過剰の硝酸銀を0.1mol/Lチオシアン酸アンモニウム液で滴定する。別に同様の方法で空試験を行い、次式により塩化物の量を求める。
塩化物の量(%)=(((a0-a)×0.00584)/試料採取量(g))×(200/50)×100
a:0.1mol/Lチオシアン酸アンモニウム液の消費量(mL)
a0:空試験における0.1mol/Lチオシアン酸アンモニウム液の消費量(mL)
(b) 水溶性硫酸塩試験法
試料約2gを精密に量り、水約200mLを加えて溶かし、活性炭10gを加えて振り混ぜた後、3分間穏やかに煮沸し、放冷する。次いで薄めた硝酸(1→2)1mLを加えてよく振り混ぜた後、吸引ろ過し、少量の水で洗浄し、ろ液に水を加えて正確に250mLとする。この液をあらかじめ陽イオン交換樹脂(H型)5mL以上20mL以下を充填した内径8mm以上15mm以下のカラム管に1分間2mL以上5mL以下の流速で通し、初めの流出液30mLを捨て、次の流出液を試料溶液とする。試料溶液50mLを正確に量り、塩酸(希)1滴又は2滴を加えて煮沸させながら0.01mol/L塩化バリウム液10mLを正確に加えて数分間煮沸した後冷却し、これにアンモニア・塩化アンモニウム緩衝液(pH10.7)5mL、エチレンジアミン四酢酸マグネシウム二ナトリウム四水和物溶液(4.3→100)5mL及びエリオクロムブラックT試液4滴又は5滴を加えて直ちに0.01mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム液で、溶液の色が青紫色になるまで滴定する。別に同様の方法で空試験を行い、次式により硫酸塩の量を求める。
硫酸塩の量(%)=k×(((b-c)×250)/50)×(1/(試料採取量(g)×1000))×100
b:空試験における0.01mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム液の消費量(mL)
c:0.01mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム液の消費量(mL)
k:Na2SO4=1.4204、CaSO4=1.3614、K2SO4=1.7426、(NH4)2SO4=1.3214
(3) 水溶性バリウム試験法
試料1.0gを量り、水20mLを加えて振り混ぜ、30分間放置した後、ろ過する。ろ液10mLに酢酸・酢酸ナトリウム試液0.5mL及びクロム酸カリウム試液1mLを加えて混和し、10分間放置するとき、混濁又は沈殿を生じない場合は、この試料には水溶性バリウムは含まれない。
(4) 水溶性ジルコニウム試験法
試料1.0gを量り、水20mLを加えて振り混ぜ、30分間放置した後、ろ過する。ろ液10mLに塩酸(希)1mLとマンデル酸溶液(3→20)5mLを加えて水浴上で加温するとき、混濁又は沈殿を生じない場合は、この試料には水溶性バリウムは含まれない。
(5) ヒ素試験法
それぞれの色素原体に準じ、ヒ素試験法により試験を行う。
(6) 重金属試験法
(a) 試料溶液調製法
試料2.5gを量り、硫酸少量を加えて潤し、徐々に加熱してほとんど灰化した後、室温になるまで放冷する。更に硫酸1mLを加えて徐々に加熱し、白煙が生じなくなった後、残留物がほとんど白色になるまで450℃以上500℃以下で強熱する。
これに塩酸5mL及び硝酸1mLを加えて残留物を十分に砕き、水浴上で加熱して乾固する。更に塩酸5mLを加えて再び残留物を十分に砕き、水浴上で加熱して乾固する。残留物に薄めた塩酸(1→3)10mLを加え、加熱して溶かす。これを室温に冷却し、ろ紙(5種C)を用いてろ過する。ろ紙上の残留物を薄めた塩酸(1→3)30mLで洗い、洗液をろ液に合わせ、水浴上で加熱して乾固する。これに薄めた塩酸(希)(1→3)10mLを加え、加熱して溶かし、室温まで冷却した後、ろ過する。次いで容器及びろ紙を少量の水で洗った後、洗液をろ液に合わせる。この液に酢酸アンモニウム溶液(1→10)でpHを約4に調整した後、水を加えて50mLとし、これを試料原液とする。別に同様に操作して、空試験溶液を調製する。
(b) 操作法
① 亜鉛
試料原液20mLを比色管に量り、水を加えて50mLとし、試料溶液とする。空試験溶液20mL及び亜鉛標準液10mLを量り、水を加えて50mLとし、これを比較液とする。試料溶液及び比較液にヘキサシアノ鉄(Ⅱ)酸カリウム試液0.5mLずつを加えてよく振り混ぜ、直射日光を避けて5分間放置した後、黒色の背景を用い、比色管の上方及び側方から観察する。試料溶液が青色を呈する時は、比較液に試料溶液と同様に呈色するまで、鉄標準液を加えて観察する。試料溶液の混濁は、比較液の混濁より濃くない場合は、試料溶液中に混在する亜鉛の量は、500ppm以下である。
② 鉄
試料原液1mLを比色管に量り、薄めた塩酸(1→3)5mL及び水を加えて25mLとし、ペルオキソ二硫酸アンモニウム約0.03gを加えて溶かし、試料溶液とする。空試験溶液1mL及び鉄標準液2.5mLを量り、薄めた塩酸(1→3)5mL及び水を加えて25mLとし、ペルオキソ二硫酸アンモニウム約0.03gを加えて溶かし、これを比較液とする。試料溶液と比較液にチオシアン酸アンモニウム試液2mLずつを加えてよく振り混ぜた後、白色の背景を用い、比色管の上方及び側方から観察する。試料溶液の色が、比較液の色より濃くない場合は、試料溶液中に混在する鉄の量は、500ppm以下である。
③ その他の重金属
試料原液20mLを比色管に量り、水を加えて50mLとし、試料溶液とする。空試験溶液20mL及び鉛標準液2mLを量り、水を加えて50mLとし、これを比較液とする。試料溶液と比較液に硫化ナトリウム試液2滴ずつを加えてよく振り混ぜ、直射日光を避けて5分間放置した後、白色の背景を用い、比色管の上方及び側方から観察する。試料溶液の色は、比較液の色より濃くない場合は、試料溶液中に混在するその他重金属の量は、20ppm以下である。
ハ 定量法
定量法は、レーキ試料中の色素含量を定量する方法である。その試験法は、確認試験(1)色素の確認に準じて操作した後、規格における定量法を準用する。
試薬・試液、標準液及び容量分析用標準液
試薬・試液、標準液及び容量分析用標準液は次に掲げるものを用いる。日本産業規格に該当するものにあってはその規格番号、規格名称、用途等を、日本薬局方収載品にあっては日局医薬品各条と示した後、その日本薬局方名を記載する。また必要に応じて調製法、参考情報等を記載する。
1 亜鉛(標準試薬)
Zn[K8005、容量分析用標準物質]
2 亜鉛(ヒ素分析用)
Zn[K8012、ひ素分析用]粒径約800μmのもの
3 亜鉛標準液
亜鉛標準原液50mLを正確に量り、水を加えて正確に1000mLとしたもの。用時調製する。この液1mLは亜鉛(Zn)0.05mgを含む。
4 亜鉛標準原液
亜鉛(標準試薬)1.000gを精密に量り、水100mL及び塩酸5mLを加えて徐々に加熱して溶かし、常温になるまで冷却後、水を加えて正確に1000mLとしたもの
5 亜鉛標準原液(原子吸光光度法用)
亜鉛(標準試薬)1.000gを精密に量り、水100mL及び塩酸5mLを加えて徐々に加熱して溶かし、常温になるまで冷却後、水を加えて正確に1000mLとしたもの
6 亜鉛粉末
Zn[K8013、ひ素分析用]
7 L―アスコルビン酸
C6H8O6[K9502、L(+)―アスコルビン酸、特級]
8 アセトン
CH3COCH3[K8034、特級]
9 アンモニア・塩化アンモニウム緩衝液(pH10.7)
塩化アンモニウム67.5gを水に溶かし、アンモニア水(28)570mLを加え、水を加えて1000mLとしたもの
10 アンモニア試液
アンモニア水(28)400mLに水を加えて1000mLとしたもの(含有率がおおむね10%となるもの)
11 アンモニア試液(希)
アンモニア水(28)3mLに水を加えて100mLとしたもの
12 アンモニア水(28)
NH3[K8085、アンモニア水、特級、比重約0.90、密度0.908g/mL、含量28%から30%まで]
13 イソプロピルエーテル
(CH3)2CHOCH(CH3)2無色澄明の液で、特異なにおいがある。水と混和しない。屈折率画像23 (1KB)
:1.368以上1.369以下、比重画像24 (1KB)
:0.723以上0.725以下
14 イソプロピルエーテル(抽出用)
イソプロピルエーテル1000mLを水酸化ナトリウム溶液(2.15→100)100mLで2回、水100mLで3回洗浄したもの
15 エタノール(希)
エタノール(95)1容量に水1容量を加えたもの。C2H5OHを47.45vol%から50.00vol%を含む。
16 エタノール(95)
C2H5OH[K8102、特級]
17 エタノール(99.5)
C2H5OH[K8101、特級]
18 エタノール(酸性希)
薄めた塩酸(23.6→250)250mLにエタノール(99.5)250mLを加えたもの
19 エチレングリコール
HOCH2CH2OH[K8105、特級]
20 エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物
C10H14N2Na2O8・2H2O[K8107、特級]
21 エチレンジアミン四酢酸マグネシウム二ナトリウム四水和物
C10H12N2O8MgNa2・4H2O白色粉末であって、本品1gに水を加えて超音波浴を用いて溶かしたものであって、全量を100mLとした溶液は無色澄明であり、かつ、pHは、8.0から9.5までであるもの。この溶液5mLに水100mL、アンモニア・塩化アンモニウム緩衝液(pH10.7)2mL及びエリオクロムブラックT試液を1滴又は2滴加えると青紫色に変色し、また、これに0.01mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム液0.05mLを加えると青色に変色するもの。
22 0.02mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム液
1000mL中エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(C10H14N2Na2O8・2H2O:372.24)7.445gを含むものであって、次の規定によるもの。
イ 調製
エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物7.5gを水に溶かし、1000mLとし、標定を行なう。
ロ 標定
亜鉛(標準試薬)を塩酸(希)で洗い、水洗し、アセトンで洗浄した後、110℃で5分間乾燥した後、デシケーター(シリカゲル)中で放冷し、その約0.3gを精密に量り、塩酸(希)5mL及び臭素試液5滴を加え、穏やかに加温して溶かし、煮沸して過量の臭素を追い出した後、水を加えて正確に200mLとする。この液20mLを正確に量り、水酸化ナトリウム溶液(1→50)を加えて中性とし、アンモニア・塩化アンモニウム緩衝液(pH10.7)5mL及びエリオクロムブラックT・塩化ナトリウム指示薬0.04gを加え、調製した0.02mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム液で、液の赤紫色が青紫色に変わるまで滴定し、係数を計算する。
0.02mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム液1mL=1.3078mgZn
ハ 貯法
ポリエチレン瓶に保存する。
23 0.01mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム液
1000mL中エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(C10H14N2Na2O8・2H2O:372.24)3.7224gを含むものであって、用時、0.02mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム液に水を加えて正確に2倍容量となるように調製したもの
24 エリオクロムブラックT
C20H12N3O7SNa[K8736、特級]
25 エリオクロムブラックT試液
エリオクロムブラックT0.3g及び塩酸ヒドロキシルアンモニウム2gにメタノールを加えて溶かし、50mLとしたもの。遮光し保存し、調製後1週間以内に用いる。
26 エリオクロムブラックT・塩化ナトリウム指示薬
エリオクロムブラックT0.1g及び塩化ナトリウムNaCl[K8150、特級]10gを混ぜ、均質になるまですりつぶしたもの
27 塩化アンモニウム
NH4Cl[K8116、特級]
28 塩化アンモニウム試液
塩化アンモニウム10.5gを水に溶かして100mLとしたもの(2mol/L)
29 塩化スズ(Ⅱ)試液(酸性)
塩化スズ(Ⅱ)二水和物8gを塩酸500mLに溶かしたもの。共栓瓶に保存し、調製後3ヶ月以内に用いる。
30 塩化スズ(Ⅱ)二水和物
SnCl2・2H2O[K8136、特級]
31 塩化ナトリウム(標準試薬)
NaCl[K8005、容量分析用標準物質]
32 塩化バリウム二水和物
BaCl2・2H2O[K8155、特級]
33 0.02mol/L塩化バリウム液
1000mL中塩化バリウム二水和物(BaCl2・2H2O:244.26)4.885gを含むものであって、次の規定によるもの。
イ 調製
塩化バリウム二水和物4.9gを水に溶かし、1000mLとし、次の標定を行う。
ロ 標定
調製した塩化バリウム液100mLを正確に量り、塩酸3mLを加えて加温する。あらかじめ加温した薄めた硫酸(1→130)40mLを加え、水浴上で30分間加熱した後、一夜放置する。この液をろ過し、ろ紙上の残留物を、ろ液に硝酸銀試液を加えても混濁を認めなくなるまで水洗した後、ろ紙とともにるつぼに移し、強熱灰化する。常温になるまで冷却後、硫酸2滴を加え、再び約700℃で2時間強熱する。常温になるまで冷却後、残留物の質量を精密に量り、硫酸バリウム(BaSO4)の量とし、モル濃度係数を計算すると、次のようになるもの。
0.02mol/L塩化バリウム液1mL=4.668mgBaSO4
34 0.01mol/L塩化バリウム液
1000mL中塩化バリウム二水和物(BaCl2・2H2O:244.26)2.4426gを含むものであって、用時、0.02mol/L塩化バリウム液に水を加えて正確に2倍容量となるよう調製したもの
35 塩酸
HCl[K8180、特級]
36 塩酸(希)
塩酸23.6mLに水を加えて100mLとしたもの(10%)
37 塩酸ヒドロキシルアンモニウム
NH2OH・HCl[K8201、塩化ヒドロキシルアンモニウム、特級]
38 過塩素酸
HClO4[K8223、特級、比重約1.67、密度1.67g/mL、濃度70.0%以上72.0%以下]
39 活性炭
[日局医薬品各条、「薬用炭」]
40 過マンガン酸カリウム
KMnO4[K8247、特級]
41 過マンガン酸カリウム試液
過マンガン酸カリウム3.3gを水に溶かし、1000mLとしたもの(0.02mol/L)
42 ガラスウール
[K8251、特級]
43 クエン酸水素二アンモニウム
C6H14N2O7[K8284、特級]
44 グリセリン
C3H8O3[日局医薬品各条、「濃グリセリン」]
45 クロム酸カリウム
K2CrO4[K8312、特級]
46 クロム酸カリウム試液
クロム酸カリウム10gに水を加えて溶かし、100mLとしたもの
47 クロム標準原液(原子吸光光度法用)
二クロム酸カリウム(標準試薬)2.828gを精密に量り、水に溶かし、正確に1000mLとしたもの
48 クロロホルム
CHCl3[K8322、特級]
49 酢酸(100)
CH3COOH[K8355、酢酸、特級]
50 酢酸(希)
酢酸(100)6gに水を加えて100mLとしたもの(1mol/L)
51 酢酸アンモニウム
CH3COONH4[K8359、特級]
52 酢酸アンモニウム試液
酢酸アンモニウム1.54gを水に溶かし、1000mLとしたもの(0.02mol/L相当)
53 酢酸エチル
CH3COOC2H5[K8361、特級]
54 酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液
酢酸ナトリウム試液に酢酸(希)を加えてpH6.0に調整したもの(1mol/L相当)
55 酢酸・酢酸ナトリウム試液
水酸化ナトリウム試液17mLに酢酸(希)40mL及び水を加えて100mLとしたもの
56 酢酸ナトリウム三水和物
CH3COONa・3H2O[K8371、特級]
57 酢酸ナトリウム試液
酢酸ナトリウム三水和物13.6gを水に溶かし、100mLとしたもの(1mol/L)
58 酢酸鉛(Ⅱ)三水和物
Pb(CH3COO)2・3H2O[K8374、特級]
59 酢酸鉛試液
酢酸鉛(Ⅱ)三水和物9.5gに新たに煮沸して冷却した水を加えて溶かし、100mLとしたもの(0.25mol/L)。密栓して保存する。
60 三酸化二ヒ素(標準試薬)
As2O3[K8005、三酸化二ひ素、容量分析用標準物質]
61 シアン化カリウム
KCN[K8443、特級]
62 N,N―ジエチルジチオカルバミド酸銀
C5H10AgNS2[K9512、特級]
63 N,N―ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物
(C2H5)2NCS2Na・3H2O[K8454、特級]
64 1,2―ジクロロエタン
ClCH2CH2Cl[K8465、特級]
65 ジメチルスルホキシド
(CH3)2SO[K9702、特級]
66 臭化カリウム(赤外吸収スペクトル測定用)
臭化カリウム単結晶又は臭化カリウムを砕き200号(75μm)ふるいを通過したものを集め、120℃で10時間又は500℃で5時間乾燥したものであって、これを用いて錠剤を作り、赤外吸収スペクトル測定法により測定するとき、特異な吸収を認めないもの。
67 臭化ナトリウム
NaBr[K8514、特級]
68 シュウ酸アンモニウム一水和物
(NH4)2C2O4・H2O[K8521、しゅう酸アンモニウム一水和物、特級]
69 臭素試液
臭素Br[K8529、特級]を水に飽和させて調製したもの。栓にワセリンを塗った共栓瓶に臭素2mLから3mLを量り、冷水100mLを加えて密栓して振り混ぜて製する。遮光して冷所で保存する。
70 酒石酸ナトリウムカリウム四水和物
KNaC4H4O6・4H2O[K8536、(+)―酒石酸ナトリウムカリウム四水和物、特級]
71 硝酸
HNO3[K8541、硝酸(比重約1.42)、特級]69%以上70%以下を含むもの
72 硝酸鉛(Ⅱ)
Pb(NO3)2[K8563、特級]
73 硝酸(希)
硝酸10.5mLに水を加えて100mLとしたもの(10%)
74 硝酸銀
AgNO3[K8550、特級]
75 硝酸銀試液
硝酸銀17.5gを水に溶かし、1000mLとしたもの(0.1mol/L)。遮光して保存する。
76 0.1mol/L硝酸銀液
1000mL中硝酸銀(AgNO3:169.87)16.987gを含むものであって次の規定によるもの。
イ 調製
硝酸銀17.0gを水に溶かし、1000mLとし、次の標定を行う。
ロ 標定
塩化ナトリウム(標準試薬)を500℃以上650℃以下で40分から50分間乾燥した後、デシケーター(シリカゲル)中で放冷し、その約0.15gを精密に量り、水50mLに溶かし、フルオレセインナトリウム試液3滴を加え、強く振り混ぜながら、調製した硝酸銀液で液の黄緑色が黄色を経て黄橙色を呈するまで滴定し、係数を計算する。
0.1mol/L硝酸銀液1mL=5.844mgNaCl
ハ 貯法
遮光して保存する。
77 硝酸マグネシウム六水和物
Mg(NO3)2・6H2O[K8567、特級]
78 シリカゲル
無定形の一部水加性のケイ酸で、不定形ガラス状顆粒であって、次のイ及びロを満たすもの。水分吸着によって変色する指示薬を含ませ、高温で乾燥して水分吸着能が再生するものもある。
イ 強熱減量
6%以下(2g、950℃±50℃)
ロ 水分吸着能
本品約10gを精密に量り、比重1.19の硫酸で湿度を80%とした容器内に24時間放置した後、質量を量り、試料に対し増量を求めるとき、31%以上増える。
79 シリカゲル(薄層クロマトグラフ用)
シリカゲルで薄層クロマトグラフ用に製造されたもの
80 シリコーン油
無色澄明な液でにおいはなく、動粘度50mm2/s以上100mm2/s以下であるもの
81 水酸化ナトリウム
NaOH[K8576、特級]
82 水酸化ナトリウム試液
水酸化ナトリウム4.3gを水に溶かし、100mLとしたもの(1mol/L)。ポリエチレン瓶に保存する。
83 水酸化ナトリウム試液(希)
水酸化ナトリウム4.3gに新たに煮沸して冷却した水を加えて溶かし、1000mLとしたもの(0.1mol/L)。用時調製する。
84 石油エーテル
[K8593、特級]
85 ソーダ石灰
[K8603、二酸化炭素吸収用]
86 だいだい色403号標準溶液
薄層クロマトグラフ用標準品一覧表中のだいだい色403号0.05gをクロロホルムに溶かし、100mLとしたもの
87 炭酸カリウム