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○人工血管基準

(昭和四十五年八月十日)

(厚生省告示第二百九十八号)

薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)第四十二条第二項の規定に基づき、人工血管基準を次のように定め、昭和四十五年八月十日から適用する。

人工血管基準

Ⅰ 定義

人工血管とは、血管の代用として使用されるものであつて、「ポリ四フツ化エチレン」若しくは「飽和ポリエステル」の高分子繊維を「メリヤス編」若しくは「平織」したもの又は「ポリ四フツ化エチレン」を「延伸加工」したものをいう。

(昭54厚告151・一部改正)

Ⅱ 人工血管の品質及び試験法

(1) 物理試験

ア 外観

本品は、清浄で継ぎ目がなく、かつ、10倍率のルーペを用いて観察するとき、使用上支障を生じるような穴又は織りむらがない。

イ 耐熱性

本品17cmをとり、水約100mLとともに10分間煮沸したのち、あらかじめ水30mLを入れた容器中に入れ、121℃で20分間高圧蒸気滅菌処理を行ない、冷却する。この操作をさらに2回繰り返して寸法及び弾力を調べるとき、ほとんど変化がない。

(2) 化学試験

ア 溶解量

本品約1gを3個採り、その1個ずつを精密に量り、水、3%酢酸溶液及び2%炭酸水素ナトリウム溶液の各100mL中に入れ、37℃で24時間加温した後、本品を取り出して水で洗い、乾燥して重量を量るとき、溶解量試験前後における重量の差は、それぞれ0.1%以下である。

イ pH、重金属及び過マンガン酸カリウム還元性物質

本品1.0gを採り、水100mLを入れた容器中に入れ、37℃で24時間加温した後、本品を取り出し、この液を試験液とし、次の試験を行うとき、これに適合する。

(ア) pH

試験液及び水を各20mL採り、日本薬局方(昭和61年3月厚生省告示第58号)一般試験法(以下「日局」という。)のpH測定法により試験を行うとき、両液のpHの差は、1.0以下である。

(イ) 重金属

試験液10mLを採り、日局の重金属試験法第1法により試験を行う。比較液には鉛標準液1.0mLを加える。

(ウ) 過マンガン酸カリウム還元性物質

試験液10mLを共せん三角フラスコに採り、0.002mol/L過マンガン酸カリウム液20mL及び希硫酸1.0mLを加え、3分間煮沸し、冷後、これにヨウ化カリウム0.1g及びデンプン試液5滴を加え、0.01mol/Lチオ硫酸ナトリウム液で滴定する。試験液の代わりに水10mLを用い、同様に操作するとき、過マンガン酸カリウム液の消費量の差は、2.0mL以下である。

(3) 生物学的試験

本品約20gをとり、約1cm2の細片とし、中性洗剤液、水及び注射用蒸留水を用いて順次洗つたのち、日局の注射剤用ガラス容器試験法のアルカリ溶出試験に適合する容積約500mLのガラス容器に入れ、生理食塩液125mLを加え、融封又は適当なせんで密封したのち、121℃で1時間抽出し、室温になるまで放置し、これを試験液とする。

別に同様の方法で空試験液を調製する。

ア 発熱性物質試験

日局の発熱性物質試験法により試験を行なうとき、これに適合する。

イ 急性毒性試験

体重17~23gの均一系又は純系の雄マウス10匹ずつを用い、試験液及び空試験液をそれぞれ50mL/kgの割合で静脈内に注射するとき、注射後5日以内に死亡例を認めない。

(昭46厚告74・昭53厚告42・平9厚告211・一部改正)

改正文(昭和五三年三月六日厚生省告示第四二号) 抄

昭和五十三年三月五日までに製造され、又は輸入されたものについては、なお従前の例による。

改正文(平成九年九月三〇日厚生省告示第二一一号) 抄

平成九年十月一日から適用する。