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○医療法

(昭和二十三年七月三十日)

(法律第二百五号)

第二回通常国会

芦田内閣

医療法をここに公布する。

医療法

目次

第一章 総則(第一条―第六条)

第二章 医療に関する選択の支援等

第一節 医療に関する情報の提供等(第六条の二―第六条の四の三)

第二節 医業、歯科医業又は助産師の業務等の広告(第六条の五―第六条の八)

第三章 医療の安全の確保

第一節 医療の安全の確保のための措置(第六条の九―第六条の十四)

第二節 医療事故調査・支援センター(第六条の十五―第六条の二十七)

第四章 病院、診療所及び助産所

第一節 開設等(第七条―第九条)

第二節 管理(第十条―第二十三条)

第三節 監督(第二十三条の二―第三十条)

第四節 雑則(第三十条の二)

第五章 医療提供体制の確保

第一節 基本方針(第三十条の三・第三十条の三の二)

第二節 医療計画(第三十条の四―第三十条の十二)

第二節の二 災害・感染症医療確保事業に係る人材の確保等(第三十条の十二の二―第三十条の十二の九)

第三節 地域における病床の機能の分化及び連携の推進(第三十条の十三―第三十条の十八)

第四節 地域における外来医療に係る医療提供体制の確保(第三十条の十八の二―第三十条の十八の四)

第五節 医療従事者の確保等に関する施策等(第三十条の十九―第三十条の二十七)

第六節 公的医療機関(第三十一条―第三十八条)

第六章 医療法人

第一節 通則(第三十九条―第四十三条)

第二節 設立(第四十四条―第四十六条)

第三節 機関

第一款 機関の設置(第四十六条の二)

第二款 社員総会(第四十六条の三―第四十六条の三の六)

第三款 評議員及び評議員会(第四十六条の四―第四十六条の四の七)

第四款 役員の選任及び解任(第四十六条の五―第四十六条の五の四)

第五款 理事(第四十六条の六―第四十六条の六の四)

第六款 理事会(第四十六条の七・第四十六条の七の二)

第七款 監事(第四十六条の八―第四十六条の八の三)

第八款 役員等の損害賠償責任(第四十七条―第四十九条の三)

第九款 補償契約及び役員のために締結される保険契約(第四十九条の四)

第四節 計算(第五十条―第五十四条)

第五節 社会医療法人債(第五十四条の二―第五十四条の八)

第六節 定款及び寄附行為の変更(第五十四条の九)

第七節 解散及び清算(第五十五条―第五十六条の十六)

第八節 合併及び分割

第一款 合併

第一目 通則(第五十七条)

第二目 吸収合併(第五十八条―第五十八条の六)

第三目 新設合併(第五十九条―第五十九条の五)

第二款 分割

第一目 吸収分割(第六十条―第六十条の七)

第二目 新設分割(第六十一条―第六十一条の六)

第三目 雑則(第六十二条・第六十二条の二)

第三款 雑則(第六十二条の三)

第九節 監督(第六十三条―第六十九条)

第十節 医療法人に関する情報の調査及び分析等(第六十九条の二・第六十九条の三)

第七章 地域医療連携推進法人

第一節 認定(第七十条―第七十条の六)

第二節 業務等(第七十条の七―第七十条の十六)

第三節 監督(第七十条の十七―第七十条の二十三)

第四節 雑則(第七十一条)

第八章 雑則(第七十二条―第七十六条)

第九章 罰則(第七十七条―第九十四条)

附則

第一章 総則

第一条 この法律は、医療を受ける者による医療に関する適切な選択を支援するために必要な事項、医療の安全を確保するために必要な事項、病院、診療所及び助産所の開設及び管理に関し必要な事項並びにこれらの施設の整備並びに医療提供施設相互間の機能の分担及び業務の連携を推進するために必要な事項を定めること等により、医療を受ける者の利益の保護及び良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を図り、もつて国民の健康の保持に寄与することを目的とする。

(昭六〇法一〇九・追加、平一八法八四・一部改正)

第一条の二 医療は、生命の尊重と個人の尊厳の保持を旨とし、医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係に基づき、及び医療を受ける者の心身の状況に応じて行われるとともに、その内容は、単に治療のみならず、疾病の予防のための措置及びリハビリテーションを含む良質かつ適切なものでなければならない。

2 医療は、国民自らの健康の保持増進のための努力を基礎として、医療を受ける者の意向を十分に尊重し、病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院、調剤を実施する薬局その他の医療を提供する施設(以下「医療提供施設」という。)、医療を受ける者の居宅等(居宅その他厚生労働省令で定める場所をいう。以下同じ。)において、医療提供施設の機能に応じ効率的に、かつ、福祉サービスその他の関連するサービスとの有機的な連携を図りつつ提供されなければならない。

(平四法八九・追加、平九法一二四・平一三法一五三・平一八法八四・平二六法八三・平二九法五二・一部改正)

第一条の三 国及び地方公共団体は、前条に規定する理念に基づき、国民に対し良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制が確保されるよう努めなければならない。

(平四法八九・追加)

第一条の四 医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手は、第一条の二に規定する理念に基づき、医療を受ける者に対し、良質かつ適切な医療を行うよう努めなければならない。

2 医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手は、医療を提供するに当たり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めなければならない。

3 医療提供施設において診療に従事する医師及び歯科医師は、医療提供施設相互間の機能の分担及び業務の連携に資するため、必要に応じ、医療を受ける者を他の医療提供施設に紹介し、その診療に必要な限度において医療を受ける者の診療又は調剤に関する情報を他の医療提供施設において診療又は調剤に従事する医師若しくは歯科医師又は薬剤師に提供し、及びその他必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

4 病院又は診療所の管理者は、当該病院又は診療所を退院する患者が引き続き療養を必要とする場合には、保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との連携を図り、当該患者が適切な環境の下で療養を継続することができるよう配慮しなければならない。

5 医療提供施設の開設者及び管理者は、医療技術の普及及び医療の効率的な提供に資するため、当該医療提供施設の建物又は設備を、当該医療提供施設に勤務しない医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手の診療、研究又は研修のために利用させるよう配慮しなければならない。

(平四法八九・追加、平九法一二五・平一三法一五三・平一八法八四・一部改正)

第一条の五 この法律において、「病院」とは、医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であつて、二十人以上の患者を入院させるための施設を有するものをいう。病院は、傷病者が、科学的でかつ適正な診療を受けることができる便宜を与えることを主たる目的として組織され、かつ、運営されるものでなければならない。

2 この法律において、「診療所」とは、医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であつて、患者を入院させるための施設を有しないもの又は十九人以下の患者を入院させるための施設を有するものをいう。

(昭六〇法一〇九・旧第一条繰下、平四法八九・旧第一条の二繰下・一部改正、平九法一二五・平一二法一四一・一部改正)

第一条の六 この法律において、「介護老人保健施設」とは、介護保険法(平成九年法律第百二十三号)の規定による介護老人保健施設をいう。

2 この法律において、「介護医療院」とは、介護保険法の規定による介護医療院をいう。

(平四法八九・追加、平九法一二四・平二九法五二・一部改正)

第二条 この法律において、「助産所」とは、助産師が公衆又は特定多数人のためその業務(病院又は診療所において行うものを除く。)を行う場所をいう。

2 助産所は、妊婦、産婦又はじよく婦十人以上の入所施設を有してはならない。

(平一二法一四一・平一三法一五三・一部改正)

第三条 疾病の治療(助産を含む。)をなす場所であつて、病院又は診療所でないものは、これに病院、病院分院、産院、療養所、診療所、診察所、医院その他病院又は診療所に紛らわしい名称を附けてはならない。

2 診療所は、これに病院、病院分院、産院その他病院に紛らわしい名称を附けてはならない。

3 助産所でないものは、これに助産所その他助産師がその業務を行う場所に紛らわしい名称を付けてはならない。

(平一三法一五三・一部改正)

第四条 国、都道府県、市町村、第四十二条の二第一項に規定する社会医療法人その他厚生労働大臣の定める者の開設する病院であつて、地域における医療の確保のために必要な支援に関する次に掲げる要件に該当するものは、その所在地の都道府県知事の承認を得て地域医療支援病院と称することができる。

一 他の病院又は診療所から紹介された患者に対し医療を提供し、かつ、当該病院の建物の全部若しくは一部、設備、器械又は器具を、当該病院に勤務しない医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療従事者(以下単に「医療従事者」という。)の診療、研究又は研修のために利用させるための体制が整備されていること。

二 救急医療を提供する能力を有すること。

三 地域の医療従事者の資質の向上を図るための研修を行わせる能力を有すること。

四 厚生労働省令で定める数以上の患者を入院させるための施設を有すること。

五 第二十一条第一項第二号から第八号まで及び第十号から第十二号まで並びに第二十二条第一号及び第四号から第九号までに規定する施設を有すること。

六 その施設の構造設備が第二十一条第一項及び第二十二条の規定に基づく厚生労働省令並びに同項の規定に基づく都道府県の条例で定める要件に適合するものであること。

2 都道府県知事は、前項の承認をするに当たつては、あらかじめ、都道府県医療審議会の意見を聴かなければならない。

3 地域医療支援病院でないものは、これに地域医療支援病院又はこれに紛らわしい名称を付けてはならない。

(平九法一二五・全改、平一一法一六〇・平一二法一四一・平一三法一五三・平一八法八四・平二三法一〇五・平二六法八三・一部改正)

第四条の二 病院であつて、次に掲げる要件に該当するものは、厚生労働大臣の承認を得て特定機能病院と称することができる。

一 高度の医療を提供する能力を有すること。

二 高度の医療技術の開発及び評価を行う能力を有すること。

三 高度の医療に関する研修を行わせる能力を有すること。

四 医療の高度の安全を確保する能力を有すること。

五 その診療科名中に、厚生労働省令の定めるところにより、厚生労働省令で定める診療科名を有すること。

六 厚生労働省令で定める数以上の患者を入院させるための施設を有すること。

七 その有する人員が第二十二条の二の規定に基づく厚生労働省令で定める要件に適合するものであること。

八 第二十一条第一項第二号から第八号まで及び第十号から第十二号まで並びに第二十二条の二第二号、第五号及び第六号に規定する施設を有すること。

九 その施設の構造設備が第二十一条第一項及び第二十二条の二の規定に基づく厚生労働省令並びに同項の規定に基づく都道府県の条例で定める要件に適合するものであること。

2 厚生労働大臣は、前項の承認をするに当たつては、あらかじめ、社会保障審議会の意見を聴かなければならない。

3 特定機能病院でないものは、これに特定機能病院又はこれに紛らわしい名称を付けてはならない。

(平四法八九・追加、平一一法一六〇・平一二法一四一・平二三法一〇五・平二九法五七・一部改正)

第四条の三 病院であつて、臨床研究の実施の中核的な役割を担うことに関する次に掲げる要件に該当するものは、厚生労働大臣の承認を得て臨床研究中核病院と称することができる。

一 特定臨床研究(厚生労働省令で定める基準に従つて行う臨床研究をいう。以下同じ。)に関する計画を立案し、及び実施する能力を有すること。

二 他の病院又は診療所と共同して特定臨床研究を実施する場合にあつては、特定臨床研究の実施の主導的な役割を果たす能力を有すること。

三 他の病院又は診療所に対し、特定臨床研究の実施に関する相談に応じ、必要な情報の提供、助言その他の援助を行う能力を有すること。

四 特定臨床研究に関する研修を行う能力を有すること。

五 その診療科名中に厚生労働省令で定める診療科名を有すること。

六 厚生労働省令で定める数以上の患者を入院させるための施設を有すること。

七 その有する人員が第二十二条の三の規定に基づく厚生労働省令で定める要件に適合するものであること。

八 第二十一条第一項第二号から第八号まで及び第十号から第十二号まで並びに第二十二条の三第二号、第五号及び第六号に規定する施設を有すること。

九 その施設の構造設備が第二十一条第一項及び第二十二条の三の規定に基づく厚生労働省令並びに同項の規定に基づく都道府県の条例で定める要件に適合するものであること。

十 前各号に掲げるもののほか、特定臨床研究の実施に関する厚生労働省令で定める要件に適合するものであること。

2 厚生労働大臣は、前項の承認をするに当たつては、あらかじめ、社会保障審議会の意見を聴かなければならない。

3 臨床研究中核病院でないものは、これに臨床研究中核病院又はこれに紛らわしい名称を称してはならない。

(平二六法八三・追加)

第五条 公衆又は特定多数人のため往診のみによつて診療に従事する医師若しくは歯科医師又は出張のみによつてその業務に従事する助産師については、第六条の四の二、第六条の五又は第六条の七、第八条及び第九条の規定の適用に関し、それぞれその住所をもつて診療所又は助産所とみなす。

2 都道府県知事、地域保健法(昭和二十二年法律第百一号)第五条第一項の規定に基づく政令で定める市(以下「保健所を設置する市」という。)の市長又は特別区の区長は、必要があると認めるときは、前項に規定する医師、歯科医師又は助産師に対し、必要な報告を命じ、又は検査のため診療録、助産録、帳簿書類その他の物件の提出を命ずることができる。

(昭二四法六七・全改、昭二五法一二二・平六法八四・平一一法八七・平一二法一四一・平一三法一五三・平一八法八四・平二九法五七・一部改正)

第五条の二 厚生労働大臣は、第七条第一項に規定する臨床研修等修了医師の申請に基づき、当該者が、医師の確保を特に図るべき区域(第三十条の四第六項に規定する区域その他厚生労働省令で定める区域をいう。以下同じ。)における医療の提供に関する知見を有するために必要な経験その他の厚生労働省令で定める経験を有するものであることの認定をすることができる。

2 厚生労働大臣は、前項の認定をしたときは、認定証明書を交付するものとする。

3 厚生労働大臣は、第一項の認定を受けた者が次の各号のいずれかに該当するときは、その認定を取り消すことができる。

一 医師がその免許を取り消され、又は医業の停止を命ぜられたとき。

二 偽りその他不正の手段により第一項の認定を受けたことが判明したとき。

三 罰金以上の刑に処せられたとき。

4 第一項の認定及びその認定の取消しに関して必要な事項は、政令で定める。

(平三〇法七九・追加)

第六条 国の開設する病院、診療所及び助産所に関しては、この法律の規定の適用について、政令で特別の定をすることができる。

第二章 医療に関する選択の支援等

(平一八法八四・追加)

第一節 医療に関する情報の提供等

(平一八法八四・追加)

第六条の二 国及び地方公共団体は、医療を受ける者が病院、診療所又は助産所の選択に関して必要な情報を容易に得られるように、必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

2 医療提供施設の開設者及び管理者は、医療を受ける者が保健医療サービスの選択を適切に行うことができるように、当該医療提供施設の提供する医療について、正確かつ適切な情報を提供するとともに、患者又はその家族からの相談に適切に応ずるよう努めなければならない。

3 国民は、良質かつ適切な医療の効率的な提供に資するよう、医療提供施設相互間の機能の分担及び業務の連携の重要性についての理解を深め、医療提供施設の機能に応じ、医療に関する選択を適切に行い、医療を適切に受けるよう努めなければならない。

(平一八法八四・追加、平二六法八三・一部改正)

第六条の三 病院、診療所又は助産所(以下この条において「病院等」という。)の管理者は、厚生労働省令で定めるところにより、医療を受ける者が病院等の選択を適切に行うために必要な情報として厚生労働省令で定める事項を当該病院等の所在地の都道府県知事に報告するとともに、当該事項を記載した書面を当該病院等において閲覧に供しなければならない。

2 病院等の管理者は、前項の規定により報告した事項について変更が生じたときは、厚生労働省令で定めるところにより、速やかに、当該病院等の所在地の都道府県知事に報告するとともに、同項に規定する書面の記載を変更しなければならない。

3 病院等の管理者は、第一項の規定による書面の閲覧に代えて、厚生労働省令で定めるところにより、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法をいう。以下同じ。)であつて厚生労働省令で定めるものにより提供することができる。

4 都道府県知事は、第一項又は第二項の規定による報告の内容を確認するために必要があると認めるときは、市町村その他の官公署に対し、当該都道府県の区域内に所在する病院等に関し必要な情報の提供を求めることができる。

5 都道府県知事は、第一項又は第二項の規定による報告を受けたときは、厚生労働省令で定めるところにより、その報告の内容を厚生労働大臣に報告するとともに、公表しなければならない。

6 病院等の管理者が、第一項又は第二項の規定による報告を、電磁的方法であつてその内容を当該管理者、当該病院等の所在地の都道府県知事及び厚生労働大臣が閲覧することができるものにより行つたときは、当該報告を受けた都道府県知事は、前項の規定による報告を行つたものとみなす。

7 厚生労働大臣は、第五項の規定による報告を受けたときは、都道府県の区域を超えた広域的な見地から必要とされる情報の提供のため、都道府県知事による同項の規定による公表に関し必要な助言、勧告その他の措置を行うものとする。

8 都道府県知事は、病院等の管理者が第一項若しくは第二項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたときは、期間を定めて、当該病院等の開設者に対し、当該管理者をしてその報告を行わせ、又はその報告の内容を是正させることを命ずることができる。

(平一八法八四・追加、平二九法五七・令五法三一・一部改正)

第六条の四 病院又は診療所の管理者は、患者を入院させたときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該患者の診療を担当する医師又は歯科医師により、次に掲げる事項を記載した書面の作成並びに当該患者又はその家族への交付及びその適切な説明が行われるようにしなければならない。ただし、患者が短期間で退院することが見込まれる場合その他の厚生労働省令で定める場合は、この限りでない。

一 患者の氏名、生年月日及び性別

二 当該患者の診療を主として担当する医師又は歯科医師の氏名

三 入院の原因となつた傷病名及び主要な症状

四 入院中に行われる検査、手術、投薬その他の治療(入院中の看護及び栄養管理を含む。)に関する計画

五 その他厚生労働省令で定める事項

2 病院又は診療所の管理者は、患者又はその家族の承諾を得て、前項の書面の交付に代えて、厚生労働省令で定めるところにより、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法であつて厚生労働省令で定めるものにより提供することができる。

3 病院又は診療所の管理者は、患者を退院させるときは、退院後の療養に必要な保健医療サービス又は福祉サービスに関する事項を記載した書面の作成、交付及び適切な説明が行われるよう努めなければならない。

4 病院又は診療所の管理者は、第一項の書面の作成に当たつては、当該病院又は診療所に勤務する医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の従業者の有する知見を十分に反映させるとともに、当該書面に記載された内容に基づき、これらの者による有機的な連携の下で入院中の医療が適切に提供されるよう努めなければならない。

5 病院又は診療所の管理者は、第三項の書面の作成に当たつては、当該患者の退院後の療養に必要な保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との連携が図られるよう努めなければならない。

(平一八法八四・追加、平二九法五七・一部改正)

第六条の四の二 助産所の管理者(出張のみによつてその業務に従事する助産師にあつては当該助産師。次項において同じ。)は、妊婦又は産婦(以下この条及び第十九条第二項において「妊婦等」という。)の助産を行うことを約したときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該妊婦等の助産を担当する助産師により、次に掲げる事項を記載した書面の当該妊婦等又はその家族への交付及びその適切な説明が行われるようにしなければならない。

一 妊婦等の氏名及び生年月日

二 当該妊婦等の助産を担当する助産師の氏名

三 当該妊婦等の助産及び保健指導に関する方針

四 当該助産所の名称、住所及び連絡先

五 当該妊婦等の異常に対応する病院又は診療所の名称、住所及び連絡先

六 その他厚生労働省令で定める事項

2 助産所の管理者は、妊婦等又はその家族の承諾を得て、前項の書面の交付に代えて、厚生労働省令で定めるところにより、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法であつて厚生労働省令で定めるものにより提供することができる。

(平二九法五七・追加)

第六条の四の三 厚生労働大臣は、医薬品、医療機器又は再生医療等製品(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第二条第一項、第四項及び第九項にそれぞれ規定する医薬品、医療機器及び再生医療等製品をいい、専ら動物のために使用されることが目的とされているものを除く。以下この項及び第三項において同じ。)について、生産の減少その他の事情によりその供給が不足し、又は不足するおそれがあるため、医療を受ける者の利益が大きく損なわれるおそれがある場合には、当該医薬品、医療機器又は再生医療等製品について、同法第十四条第一項に規定する製造販売の承認を受けた者、同法第二十三条の二の五第一項に規定する製造販売の承認を受けた者又は同法第二十三条の二十五第一項に規定する製造販売の承認を受けた者(以下この条において「製造販売業者」という。)に対して、当該医薬品、医療機器又は再生医療等製品の生産、輸入、販売又は貸付けの状況について報告を求めることができる。

2 製造販売業者は、厚生労働大臣から前項の規定による求めがあつたときは、その求めに応じなければならない。

3 厚生労働大臣は、第一項の規定に基づき製造販売業者から医薬品、医療機器又は再生医療等製品の生産、輸入、販売又は貸付けの状況について報告を受けた場合には、当該状況に関する情報を公表するものとする。

(令四法九六・追加)

第二節 医業、歯科医業又は助産師の業務等の広告

(平一八法八四・追加)

第六条の五 何人も、医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関して、文書その他いかなる方法によるを問わず、広告その他の医療を受ける者を誘引するための手段としての表示(以下この節において単に「広告」という。)をする場合には、虚偽の広告をしてはならない。

2 前項に規定する場合には、医療を受ける者による医療に関する適切な選択を阻害することがないよう、広告の内容及び方法が、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。

一 他の病院又は診療所と比較して優良である旨の広告をしないこと。

二 誇大な広告をしないこと。

三 公の秩序又は善良の風俗に反する内容の広告をしないこと。

四 その他医療に関する適切な選択に関し必要な基準として厚生労働省令で定める基準

3 第一項に規定する場合において、次に掲げる事項以外の広告がされても医療を受ける者による医療に関する適切な選択が阻害されるおそれが少ない場合として厚生労働省令で定める場合を除いては、次に掲げる事項以外の広告をしてはならない。

一 医師又は歯科医師である旨

二 診療科名

三 当該病院又は診療所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項並びに当該病院又は診療所の管理者の氏名

四 診療日若しくは診療時間又は予約による診療の実施の有無

五 法令の規定に基づき一定の医療を担うものとして指定を受けた病院若しくは診療所又は医師若しくは歯科医師である場合には、その旨

六 第五条の二第一項の認定を受けた医師である場合には、その旨

七 地域医療連携推進法人(第七十条の五第一項に規定する地域医療連携推進法人をいう。第三十条の四第十二項において同じ。)の参加病院等(第七十条の二第二項第二号に規定する参加病院等をいう。)である場合には、その旨

八 入院設備の有無、第七条第二項に規定する病床の種別ごとの数、医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の従業者の員数その他の当該病院又は診療所における施設、設備又は従業者に関する事項

九 当該病院又は診療所において診療に従事する医療従事者の氏名、年齢、性別、役職、略歴その他の当該医療従事者に関する事項であつて医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして厚生労働大臣が定めるもの

十 患者又はその家族からの医療に関する相談に応ずるための措置、医療の安全を確保するための措置、個人情報の適正な取扱いを確保するための措置その他の当該病院又は診療所の管理又は運営に関する事項

十一 紹介をすることができる他の病院若しくは診療所又はその他の保健医療サービス若しくは福祉サービスを提供する者の名称、これらの者と当該病院又は診療所との間における施設、設備又は器具の共同利用の状況その他の当該病院又は診療所と保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との連携に関する事項

十二 診療録その他の診療に関する諸記録に係る情報の提供、第六条の四第三項に規定する書面の交付その他の当該病院又は診療所における医療に関する情報の提供に関する事項

十三 当該病院又は診療所において提供される医療の内容に関する事項(検査、手術その他の治療の方法については、医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして厚生労働大臣が定めるものに限る。)

十四 当該病院又は診療所における患者の平均的な入院日数、平均的な外来患者又は入院患者の数その他の医療の提供の結果に関する事項であつて医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして厚生労働大臣が定めるもの

十五 その他前各号に掲げる事項に準ずるものとして厚生労働大臣が定める事項

4 厚生労働大臣は、第二項第四号若しくは前項の厚生労働省令の制定若しくは改廃の立案又は同項第九号若しくは第十三号から第十五号までに掲げる事項の案の作成をしようとするときは、医療に関する専門的科学的知見に基づいて立案又は作成をするため、診療に関する学識経験者の団体の意見を聴かなければならない。

(平二九法五七・全改、平三〇法七九・令四法九六・一部改正)

第六条の六 前条第三項第二号の規定による診療科名は、医業及び歯科医業につき政令で定める診療科名並びに当該診療科名以外の診療科名であつて当該診療に従事する医師又は歯科医師が厚生労働大臣の許可を受けたものとする。

2 厚生労働大臣は、前項の政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、医学医術に関する学術団体及び医道審議会の意見を聴かなければならない。

3 厚生労働大臣は、第一項の許可をするに当たつては、あらかじめ、医道審議会の意見を聴かなければならない。

4 第一項の規定による許可に係る診療科名について広告をするときは、当該診療科名につき許可を受けた医師又は歯科医師の氏名について、併せて広告をしなければならない。

(平一八法八四・追加、平二九法五七・一部改正)

第六条の七 何人も、助産師の業務又は助産所に関して、文書その他いかなる方法によるを問わず、広告をする場合には、虚偽の広告をしてはならない。

2 前項に規定する場合には、医療を受ける者による医療に関する適切な選択を阻害することがないよう、広告の内容及び方法が、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。

一 他の助産所と比較して優良である旨の広告をしないこと。

二 誇大な広告をしないこと。

三 公の秩序又は善良の風俗に反する内容の広告をしないこと。

四 その他医療に関する適切な選択に関し必要な基準として厚生労働省令で定める基準

3 第一項に規定する場合において、次に掲げる事項以外の広告がされても医療を受ける者による医療に関する適切な選択が阻害されるおそれが少ない場合として厚生労働省令で定める場合を除いては、次に掲げる事項以外の広告をしてはならない。

一 助産師である旨

二 当該助産所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項並びに当該助産所の管理者の氏名

三 就業の日時又は予約による業務の実施の有無

四 入所施設の有無若しくはその定員、助産師その他の従業者の員数その他の当該助産所における施設、設備又は従業者に関する事項

五 当該助産所において業務に従事する助産師の氏名、年齢、役職、略歴その他の助産師に関する事項であつて医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして厚生労働大臣が定めるもの

六 患者又はその家族からの医療に関する相談に応ずるための措置、医療の安全を確保するための措置、個人情報の適正な取扱いを確保するための措置その他の当該助産所の管理又は運営に関する事項

七 第十九条第一項に規定する嘱託する医師の氏名又は病院若しくは診療所の名称その他の当該助産所の業務に係る連携に関する事項

八 助産録に係る情報の提供その他の当該助産所における医療に関する情報の提供に関する事項

九 その他前各号に掲げる事項に準ずるものとして厚生労働大臣が定める事項

(平二九法五七・全改)

第六条の八 都道府県知事、保健所を設置する市の市長又は特別区の区長は、医業、歯科医業若しくは助産師の業務又は病院、診療所若しくは助産所に関する広告が第六条の五第一項から第三項まで又は前条の規定に違反しているおそれがあると認めるときは、当該広告をした者に対し、必要な報告を命じ、又は当該職員に、当該広告をした者の事務所に立ち入り、当該広告に関する文書その他の物件を検査させることができる。

2 都道府県知事、保健所を設置する市の市長又は特別区の区長は、医業、歯科医業若しくは助産師の業務又は病院、診療所若しくは助産所に関する広告が第六条の五第二項若しくは第三項又は前条第二項若しくは第三項の規定に違反していると認める場合には、当該広告をした者に対し、期限を定めて、当該広告を中止し、又はその内容を是正すべき旨を命ずることができる。

3 第一項の規定によつて立入検査をする当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係人の請求があるときは、これを提示しなければならない。

4 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(平一八法八四・追加、平二九法五七・一部改正)

第三章 医療の安全の確保

(平一八法八四・追加)

第一節 医療の安全の確保のための措置

(平二六法八三・節名追加)

第六条の九 国並びに都道府県、保健所を設置する市及び特別区は、医療の安全に関する情報の提供、研修の実施、意識の啓発その他の医療の安全の確保に関し必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

(平一八法八四・追加)

第六条の十 病院、診療所又は助産所(以下この章において「病院等」という。)の管理者は、医療事故(当該病院等に勤務する医療従事者が提供した医療に起因し、又は起因すると疑われる死亡又は死産であつて、当該管理者が当該死亡又は死産を予期しなかつたものとして厚生労働省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)が発生した場合には、厚生労働省令で定めるところにより、遅滞なく、当該医療事故の日時、場所及び状況その他厚生労働省令で定める事項を第六条の十五第一項の医療事故調査・支援センターに報告しなければならない。

2 病院等の管理者は、前項の規定による報告をするに当たつては、あらかじめ、医療事故に係る死亡した者の遺族又は医療事故に係る死産した胎児の父母その他厚生労働省令で定める者(以下この章において単に「遺族」という。)に対し、厚生労働省令で定める事項を説明しなければならない。ただし、遺族がないとき、又は遺族の所在が不明であるときは、この限りでない。

(平二六法八三・追加)

第六条の十一 病院等の管理者は、医療事故が発生した場合には、厚生労働省令で定めるところにより、速やかにその原因を明らかにするために必要な調査(以下この章において「医療事故調査」という。)を行わなければならない。

2 病院等の管理者は、医学医術に関する学術団体その他の厚生労働大臣が定める団体(法人でない団体にあつては、代表者又は管理人の定めのあるものに限る。次項及び第六条の二十二において「医療事故調査等支援団体」という。)に対し、医療事故調査を行うために必要な支援を求めるものとする。

3 医療事故調査等支援団体は、前項の規定により支援を求められたときは、医療事故調査に必要な支援を行うものとする。

4 病院等の管理者は、医療事故調査を終了したときは、厚生労働省令で定めるところにより、遅滞なく、その結果を第六条の十五第一項の医療事故調査・支援センターに報告しなければならない。

5 病院等の管理者は、前項の規定による報告をするに当たつては、あらかじめ、遺族に対し、厚生労働省令で定める事項を説明しなければならない。ただし、遺族がないとき、又は遺族の所在が不明であるときは、この限りでない。

(平二六法八三・追加)

第六条の十二 病院等の管理者は、前二条に規定するもののほか、厚生労働省令で定めるところにより、医療の安全を確保するための指針の策定、従業者に対する研修の実施その他の当該病院等における医療の安全を確保するための措置を講じなければならない。

(平一八法八四・追加、平二六法八三・旧第六条の十繰下・一部改正)

第六条の十三 都道府県、保健所を設置する市及び特別区(以下この条及び次条において「都道府県等」という。)は、第六条の九に規定する措置を講ずるため、次に掲げる事務を実施する施設(以下「医療安全支援センター」という。)を設けるよう努めなければならない。

一 患者又はその家族からの当該都道府県等の区域内に所在する病院等における医療に関する苦情に対応し、又は相談に応ずるとともに、当該患者若しくはその家族又は当該病院等の管理者に対し、必要に応じ、助言を行うこと。

二 当該都道府県等の区域内に所在する病院等の開設者若しくは管理者若しくは従業者又は患者若しくはその家族若しくは住民に対し、医療の安全の確保に関し必要な情報の提供を行うこと。

三 当該都道府県等の区域内に所在する病院等の管理者又は従業者に対し、医療の安全に関する研修を実施すること。

四 前三号に掲げるもののほか、当該都道府県等の区域内における医療の安全の確保のために必要な支援を行うこと。

2 都道府県等は、前項の規定により医療安全支援センターを設けたときは、その名称及び所在地を公示しなければならない。

3 都道府県等は、一般社団法人、一般財団法人その他の厚生労働省令で定める者に対し、医療安全支援センターにおける業務を委託することができる。

4 医療安全支援センターの業務に従事する職員(前項の規定により委託を受けた者(その者が法人である場合にあつては、その役員)及びその職員を含む。)又はその職にあつた者は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

(平一八法八四・追加、平一八法五〇・一部改正、平二六法八三・旧第六条の十一繰下・一部改正)

第六条の十四 国は、医療安全支援センターにおける事務の適切な実施に資するため、都道府県等に対し、医療の安全に関する情報の提供を行うほか、医療安全支援センターの運営に関し必要な助言その他の援助を行うものとする。

(平一八法八四・追加、平二六法八三・旧第六条の十二繰下)

第二節 医療事故調査・支援センター

(平二六法八三・追加)

第六条の十五 厚生労働大臣は、医療事故調査を行うこと及び医療事故が発生した病院等の管理者が行う医療事故調査への支援を行うことにより医療の安全の確保に資することを目的とする一般社団法人又は一般財団法人であつて、次条に規定する業務を適切かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、医療事故調査・支援センターとして指定することができる。

2 厚生労働大臣は、前項の規定による指定をしたときは、当該医療事故調査・支援センターの名称、住所及び事務所の所在地を公示しなければならない。

3 医療事故調査・支援センターは、その名称、住所又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。

4 厚生労働大臣は、前項の規定による届出があつたときは、当該届出に係る事項を公示しなければならない。

(平二六法八三・追加)

第六条の十六 医療事故調査・支援センターは、次に掲げる業務を行うものとする。

一 第六条の十一第四項の規定による報告により収集した情報の整理及び分析を行うこと。

二 第六条の十一第四項の規定による報告をした病院等の管理者に対し、前号の情報の整理及び分析の結果の報告を行うこと。

三 次条第一項の調査を行うとともに、その結果を同項の管理者及び遺族に報告すること。

四 医療事故調査に従事する者に対し医療事故調査に係る知識及び技能に関する研修を行うこと。

五 医療事故調査の実施に関する相談に応じ、必要な情報の提供及び支援を行うこと。

六 医療事故の再発の防止に関する普及啓発を行うこと。

七 前各号に掲げるもののほか、医療の安全の確保を図るために必要な業務を行うこと。

(平二六法八三・追加)

第六条の十七 医療事故調査・支援センターは、医療事故が発生した病院等の管理者又は遺族から、当該医療事故について調査の依頼があつたときは、必要な調査を行うことができる。

2 医療事故調査・支援センターは、前項の調査について必要があると認めるときは、同項の管理者に対し、文書若しくは口頭による説明を求め、又は資料の提出その他必要な協力を求めることができる。

3 第一項の管理者は、医療事故調査・支援センターから前項の規定による求めがあつたときは、これを拒んではならない。

4 医療事故調査・支援センターは、第一項の管理者が第二項の規定による求めを拒んだときは、その旨を公表することができる。

5 医療事故調査・支援センターは、第一項の調査を終了したときは、その調査の結果を同項の管理者及び遺族に報告しなければならない。

(平二六法八三・追加)

第六条の十八 医療事故調査・支援センターは、第六条の十六各号に掲げる業務(以下「調査等業務」という。)を行うときは、その開始前に、調査等業務の実施方法に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項について調査等業務に関する規程(次項及び第六条の二十六第一項第三号において「業務規程」という。)を定め、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 厚生労働大臣は、前項の認可をした業務規程が調査等業務の適正かつ確実な実施上不適当となつたと認めるときは、当該業務規程を変更すべきことを命ずることができる。

(平二六法八三・追加)

第六条の十九 医療事故調査・支援センターは、毎事業年度、厚生労働省令で定めるところにより、調査等業務に関し事業計画書及び収支予算書を作成し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 医療事故調査・支援センターは、厚生労働省令で定めるところにより、毎事業年度終了後、調査等業務に関し事業報告書及び収支決算書を作成し、厚生労働大臣に提出しなければならない。

(平二六法八三・追加)

第六条の二十 医療事故調査・支援センターは、厚生労働大臣の許可を受けなければ、調査等業務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。

(平二六法八三・追加)

第六条の二十一 医療事故調査・支援センターの役員若しくは職員又はこれらの者であつた者は、正当な理由がなく、調査等業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

(平二六法八三・追加)

第六条の二十二 医療事故調査・支援センターは、調査等業務の一部を医療事故調査等支援団体に委託することができる。

2 前項の規定による委託を受けた医療事故調査等支援団体の役員若しくは職員又はこれらの者であつた者は、正当な理由がなく、当該委託に係る業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

(平二六法八三・追加)

第六条の二十三 医療事故調査・支援センターは、厚生労働省令で定めるところにより、帳簿を備え、調査等業務に関し厚生労働省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。

(平二六法八三・追加)

第六条の二十四 厚生労働大臣は、調査等業務の適正な運営を確保するために必要があると認めるときは、医療事故調査・支援センターに対し、調査等業務若しくは資産の状況に関し必要な報告を命じ、又は当該職員に、医療事故調査・支援センターの事務所に立ち入り、調査等業務の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。

2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係人にこれを提示しなければならない。

3 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(平二六法八三・追加)

第六条の二十五 厚生労働大臣は、この節の規定を施行するために必要な限度において、医療事故調査・支援センターに対し、調査等業務に関し監督上必要な命令をすることができる。

(平二六法八三・追加)

第六条の二十六 厚生労働大臣は、医療事故調査・支援センターが次の各号のいずれかに該当するときは、第六条の十五第一項の規定による指定(以下この条において「指定」という。)を取り消すことができる。

一 調査等業務を適正かつ確実に実施することができないと認められるとき。

二 指定に関し不正の行為があつたとき。

三 この節の規定若しくは当該規定に基づく命令若しくは処分に違反したとき、又は第六条の十八第一項の認可を受けた業務規程によらないで調査等業務を行つたとき。

2 厚生労働大臣は、前項の規定により指定を取り消したときは、その旨を公示しなければならない。

(平二六法八三・追加)

第六条の二十七 この節に規定するもののほか、医療事故調査・支援センターに関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。

(平二六法八三・追加)

第四章 病院、診療所及び助産所

(平一八法八四・旧第二章繰下)

第一節 開設等

(平一八法八四・節名追加)

第七条 病院を開設しようとするとき、医師法(昭和二十三年法律第二百一号)第十六条の六第一項の規定による登録を受けた者(同法第七条の二第一項の規定による厚生労働大臣の命令を受けた者にあつては、同条第二項の規定による登録を受けた者に限る。以下「臨床研修等修了医師」という。)及び歯科医師法(昭和二十三年法律第二百二号)第十六条の四第一項の規定による登録を受けた者(同法第七条の二第一項の規定による厚生労働大臣の命令を受けた者にあつては、同条第二項の規定による登録を受けた者に限る。以下「臨床研修等修了歯科医師」という。)でない者が診療所を開設しようとするとき、又は助産師(保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二百三号)第十五条の二第一項の規定による厚生労働大臣の命令を受けた者にあつては、同条第三項の規定による登録を受けた者に限る。以下この条、第八条及び第十一条において同じ。)でない者が助産所を開設しようとするときは、開設地の都道府県知事(診療所又は助産所にあつては、その開設地が保健所を設置する市又は特別区の区域にある場合においては、当該保健所を設置する市の市長又は特別区の区長。第八条から第九条まで、第十二条、第十五条、第十八条、第二十四条、第二十四条の二、第二十七条及び第二十八条から第三十条までの規定において同じ。)の許可を受けなければならない。

2 病院を開設した者が、病床数、次の各号に掲げる病床の種別(以下「病床の種別」という。)その他厚生労働省令で定める事項を変更しようとするとき、又は臨床研修等修了医師及び臨床研修等修了歯科医師でない者で診療所を開設したもの若しくは助産師でない者で助産所を開設したものが、病床数その他厚生労働省令で定める事項を変更しようとするときも、厚生労働省令で定める場合を除き、前項と同様とする。

一 精神病床(病院の病床のうち、精神疾患を有する者を入院させるためのものをいう。以下同じ。)

二 感染症病床(病院の病床のうち、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第六条第二項に規定する一類感染症、同条第三項に規定する二類感染症(結核を除く。)、同条第七項に規定する新型インフルエンザ等感染症及び同条第八項に規定する指定感染症(同法第四十四条の九の規定により同法第十九条又は第二十条の規定を準用するものに限る。)の患者(同法第八条(同法第四十四条の九において準用する場合を含む。)の規定により一類感染症、二類感染症、新型インフルエンザ等感染症又は指定感染症の患者とみなされる者を含む。)並びに同法第六条第九項に規定する新感染症の所見がある者を入院させるためのものをいう。以下同じ。)

三 結核病床(病院の病床のうち、結核の患者を入院させるためのものをいう。以下同じ。)

四 療養病床(病院又は診療所の病床のうち、前三号に掲げる病床以外の病床であつて、主として長期にわたり療養を必要とする患者を入院させるためのものをいう。以下同じ。)

五 一般病床(病院又は診療所の病床のうち、前各号に掲げる病床以外のものをいう。以下同じ。)

3 診療所に病床を設けようとするとき、又は診療所の病床数、病床の種別その他厚生労働省令で定める事項を変更しようとするときは、厚生労働省令で定める場合を除き、当該診療所の所在地の都道府県知事の許可を受けなければならない。

4 都道府県知事又は保健所を設置する市の市長若しくは特別区の区長は、前三項の許可の申請があつた場合において、その申請に係る施設の構造設備及びその有する人員が第二十一条及び第二十三条の規定に基づく厚生労働省令並びに第二十一条の規定に基づく都道府県の条例の定める要件に適合するときは、前三項の許可を与えなければならない。

5 都道府県知事は、病院の開設の許可若しくは病院の病床数の増加若しくは病床の種別の変更の許可又は診療所の病床の設置の許可若しくは診療所の病床数の増加若しくは病床の種別の変更の許可の申請に対する許可には、当該申請に係る病床において、第三十条の十三第一項に規定する病床の機能区分(以下この項において「病床の機能区分」という。)のうち、当該申請に係る病院又は診療所の所在地を含む構想区域(第三十条の四第一項に規定する医療計画(以下この条、次条及び第七条の三第一項において「医療計画」という。)において定める第三十条の四第二項第七号に規定する構想区域をいう。第七条の三第一項において同じ。)における病床の機能区分に応じた既存の病床数が、医療計画において定める当該構想区域における同号イに規定する将来の病床数の必要量に達していないものに係る医療を提供することその他の医療計画において定める同号に規定する地域医療構想の達成の推進のために必要なものとして厚生労働省令で定める条件を付することができる。

6 都道府県が第三十条の四第十項の規定により第一項から第三項までの許可に係る事務を行う場合又は同条第十一項の規定によりこれらの許可に係る事務を行う場合におけるこれらの許可には、同条第十項の政令で定める事情がなくなつたと認められる場合又は同条第十一項の厚生労働省令で定める病床において当該病床に係る業務が行われなくなつた場合には、当該許可に係る病院又は診療所の所在地を含む地域(当該許可に係る病床(以下この項において「特例許可病床」という。)が療養病床又は一般病床(以下この項、次条及び第七条の三第一項において「療養病床等」という。)のみである場合は医療計画において定める第三十条の四第二項第十四号に規定する区域とし、特例許可病床が精神病床、感染症病床又は結核病床(以下この項及び次条第一項において「精神病床等」という。)のみである場合は当該都道府県の区域とし、特例許可病床が療養病床等及び精神病床等である場合は同号に規定する区域及び当該都道府県の区域とする。)における病院又は診療所の病床の当該許可に係る病床の種別に応じた数(特例許可病床が療養病床等のみである場合は、その地域における療養病床及び一般病床の数)のうち、第三十条の四第八項の厚生労働省令で定める基準に従い医療計画において定めるその地域の当該許可に係る病床の種別に応じた基準病床数(特例許可病床が療養病床等のみである場合は、その地域における療養病床及び一般病床に係る基準病床数)を超えている病床数の範囲内で特例許可病床の数を削減することを内容とする許可の変更のための措置をとることその他の第三十条の三第一項に規定する医療提供体制の確保のために必要なものとして厚生労働省令で定める条件を付することができる。

7 営利を目的として、病院、診療所又は助産所を開設しようとする者に対しては、第四項の規定にかかわらず、第一項の許可を与えないことができる。

(昭三七法一五九・昭六〇法一〇二・平四法八九・平六法八四・平八法二八・平九法一二五・平一〇法一一四・平一一法八七・平一一法一六〇・平一二法一四一・平一三法一五三・平一五法一四五・平一八法八四・平一八法一〇六・平二〇法三〇・平二三法一〇五・平二六法八三・平二九法五七・平三〇法七九・令四法九六・一部改正)

第七条の二 都道府県知事は、次に掲げる者が病院の開設の許可又は病院の病床数の増加若しくは病床の種別の変更の許可の申請をした場合において、当該申請に係る病院の所在地を含む地域(当該申請に係る病床が療養病床等のみである場合は医療計画において定める第三十条の四第二項第十四号に規定する区域とし、当該申請に係る病床が精神病床等のみである場合は当該都道府県の区域とし、当該申請に係る病床が療養病床等及び精神病床等である場合は同号に規定する区域及び当該都道府県の区域とする。)における病院又は診療所の病床の当該申請に係る病床の種別に応じた数(当該申請に係る病床が療養病床等のみである場合は、その地域における療養病床及び一般病床の数)が、同条第八項の厚生労働省令で定める基準に従い医療計画において定めるその地域の当該申請に係る病床の種別に応じた基準病床数(当該申請に係る病床が療養病床等のみである場合は、その地域における療養病床及び一般病床に係る基準病床数)に既に達しているか、又は当該申請に係る病院の開設若しくは病床数の増加若しくは病床の種別の変更によつてこれを超えることになると認めるときは、前条第四項の規定にかかわらず、同条第一項又は第二項の許可を与えないことができる。

一 第三十一条に規定する者

二 国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)の規定に基づき設立された共済組合及びその連合会

三 地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)の規定に基づき設立された共済組合

四 前二号に掲げるもののほか、政令で定める法律に基づき設立された共済組合及びその連合会

五 私立学校教職員共済法(昭和二十八年法律第二百四十五号)の規定により私立学校教職員共済制度を管掌することとされた日本私立学校振興・共済事業団

六 健康保険法(大正十一年法律第七十号)の規定に基づき設立された健康保険組合及びその連合会

七 国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)の規定に基づき設立された国民健康保険組合及び国民健康保険団体連合会

八 独立行政法人地域医療機能推進機構

2 都道府県知事は、前項各号に掲げる者が診療所の病床の設置の許可又は診療所の病床数の増加の許可の申請をした場合において、当該申請に係る診療所の所在地を含む地域(医療計画において定める第三十条の四第二項第十四号に規定する区域をいう。)における療養病床及び一般病床の数が、同条第八項の厚生労働省令で定める基準に従い医療計画において定める当該区域の療養病床及び一般病床に係る基準病床数に既に達しているか、又は当該申請に係る病床の設置若しくは病床数の増加によつてこれを超えることになると認めるときは、前条第四項の規定にかかわらず、同条第三項の許可を与えないことができる。

3 都道府県知事は、第一項各号に掲げる者が開設する病院(療養病床等を有するものに限る。)又は診療所(前条第三項の許可を得て病床を設置するものに限る。)の所在地を含む地域(医療計画において定める第三十条の四第二項第十四号に規定する区域をいう。)における療養病床及び一般病床の数が、同条第八項の厚生労働省令で定める基準に従い医療計画において定める当該区域の療養病床及び一般病床に係る基準病床数を既に超えている場合において、当該病院又は診療所が、正当な理由がなく、前条第一項若しくは第二項の許可に係る療養病床等又は同条第三項の許可を受けた病床に係る業務の全部又は一部を行つていないときは、当該業務を行つていない病床数の範囲内で、当該病院又は診療所の開設者又は管理者に対し、病床数を削減することを内容とする許可の変更のための措置をとるべきことを命ずることができる。

4 前三項の場合において、都道府県知事は、当該地域における既存の病床数及び当該申請に係る病床数を算定するに当たつては、第三十条の四第八項の厚生労働省令で定める基準に従い都道府県の条例の定めるところにより、病院又は診療所の機能及び性格を考慮して、必要な補正を行わなければならない。

5 都道府県知事は、第一項若しくは第二項の規定により前条第一項から第三項までの許可を与えない処分をし、又は第三項の規定により命令しようとするときは、あらかじめ、都道府県医療審議会の意見を聴かなければならない。

6 都道府県知事は、第三項の規定による命令をした場合において、当該命令を受けた病院又は診療所の開設者又は管理者がこれに従わなかつたときは、その旨を公表することができる。

7 独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)のうち政令で定めるものは、病院を開設し、若しくはその開設した病院につき病床数を増加させ、若しくは病床の種別を変更し、又は診療所に病床を設け、若しくは診療所の病床数を増加させ、若しくは病床の種別を変更しようとするときは、あらかじめ、その計画に関し、厚生労働大臣に協議(政令で特に定める場合は、通知)をしなければならない。その計画を変更しようとするときも、同様とする。

(昭三七法一五九・追加、昭三九法一五二・昭五八法八二・昭五九法七一・昭五九法八七・昭六〇法一〇九・昭六一法九三・昭六一法一〇六・平二法五〇・平四法八九・平八法八二・平九法四八・平九法一二五・平九法一二四(平九法一二五)・平一一法一六〇・平一一法二二〇・平一二法一四一・平一三法一〇一・平一四法九八・平一四法一〇二・平一四法一七一・平一八法八四・平一七法一〇二(平一八法八四)・平一九法三〇・平一九法一一〇・平二三法三七・平二三法七三・平二三法一〇五・平二六法八三・平二九法五二・平三〇法七九・令四法九六・一部改正)

第七条の三 都道府県知事は、病院の開設の許可又は病院の病床数の増加の許可の申請(療養病床等に関するものに限る。)があつた場合において、当該申請に係る病院の所在地を含む構想区域における療養病床及び一般病床の数の合計が、医療計画において定める当該構想区域における第三十条の四第二項第七号イに規定する将来の病床数の必要量の合計に既に達しているか、又は当該申請に係る病院の開設若しくは病院の病床数の増加によつてこれを超えることになると認めるときは、当該申請をした者(以下この条において「申請者」という。)に対し、当該構想区域において病院の開設又は病院の病床数の増加が必要である理由その他の厚生労働省令で定める事項(以下この条において「理由等」という。)を記載した書面の提出を求めることができる。

2 都道府県知事は、理由等が十分でないと認めるときは、申請者に対し、第三十条の十四第一項に規定する協議の場における協議に参加するよう求めることができる。

3 申請者は、前項の規定により都道府県知事から求めがあつたときは、これに応ずるよう努めなければならない。

4 都道府県知事は、第二項の協議の場における協議が調わないとき、その他の厚生労働省令で定めるときは、申請者に対し、都道府県医療審議会に出席し、理由等について説明をするよう求めることができる。

5 申請者は、前項の規定により都道府県知事から求めがあつたときは、都道府県医療審議会に出席し、理由等について説明をするよう努めなければならない。

6 都道府県知事は、第二項の協議の場における協議の内容及び第四項の説明の内容を踏まえ、理由等がやむを得ないものと認められないときは、申請者(前条第一項各号に掲げる者に限る。)に対し、第七条第四項の規定にかかわらず、同条第一項又は第二項の許可を与えないことができる。

7 都道府県知事は、前項の規定により第七条第一項又は第二項の許可を与えない処分をしようとするときは、あらかじめ、都道府県医療審議会の意見を聴かなければならない。

8 前各項の規定は、診療所の病床の設置の許可又は診療所の病床数の増加の許可の申請について準用する。この場合において、第六項中「同条第一項又は第二項」とあるのは「同条第三項」と、前項中「第七条第一項又は第二項」とあるのは「第七条第三項」と読み替えるものとする。

(平三〇法七九・追加)

第八条 臨床研修等修了医師、臨床研修等修了歯科医師又は助産師が診療所又は助産所を開設したときは、開設後十日以内に、診療所又は助産所の所在地の都道府県知事に届け出なければならない。

(平一二法一四一・平一三法一五三・平一八法八四・一部改正)

第八条の二 病院、診療所又は助産所の開設者は、正当の理由がないのに、その病院、診療所又は助産所を一年を超えて休止してはならない。ただし、前条の規定による届出をして開設した診療所又は助産所の開設者については、この限りでない。

2 病院、診療所又は助産所の開設者が、その病院、診療所又は助産所を休止したときは、十日以内に、都道府県知事に届け出なければならない。休止した病院、診療所又は助産所を再開したときも、同様とする。

(平一二法一四一・追加)

第九条 病院、診療所又は助産所の開設者が、その病院、診療所又は助産所を廃止したときは、十日以内に、都道府県知事に届け出なければならない。

2 病院、診療所又は助産所の開設者が死亡し、又は失そう❜❜の宣告を受けたときは、戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)の規定による死亡又は失そう❜❜の届出義務者は、十日以内に、その旨をその所在地の都道府県知事に届け出なければならない。

(平一二法一四一・一部改正)

第二節 管理

(平一八法八四・節名追加)

第十条 病院(第三項の厚生労働省令で定める病院を除く。次項において同じ。)又は診療所の開設者は、その病院又は診療所が医業をなすものである場合は臨床研修等修了医師に、歯科医業をなすものである場合は臨床研修等修了歯科医師に、これを管理させなければならない。

2 病院又は診療所の開設者は、その病院又は診療所が、医業及び歯科医業を併せ行うものである場合は、それが主として医業を行うものであるときは臨床研修等修了医師に、主として歯科医業を行うものであるときは臨床研修等修了歯科医師に、これを管理させなければならない。

3 医師の確保を特に図るべき区域における医療の確保のために必要な支援を行う病院その他の厚生労働省令で定める病院の開設者は、その病院が医業をなすものである場合又は医業及び歯科医業を併せ行うものであつて主として医業を行うものである場合は、臨床研修等修了医師であつて第五条の二第一項の認定を受けたものに、これを管理させなければならない。ただし、地域における医療の提供に影響を与える場合その他の厚生労働省令で定める場合は、臨床研修等修了医師であつて当該認定を受けていないものに、これを管理させることができる。

(平一二法一四一・平一八法八四・平三〇法七九・一部改正)

第十条の二 特定機能病院の開設者は、前条の規定により管理させる場合は、厚生労働省令で定めるところにより、第十六条の三第一項各号に掲げる事項の実施その他の特定機能病院の管理及び運営に関する業務の遂行に関し必要な能力及び経験を有する者を管理者として選任しなければならない。

2 前項の規定による特定機能病院の管理者の選任は、厚生労働省令で定めるところにより、特定機能病院の開設者と厚生労働省令で定める特別の関係がある者以外の者を構成員に含む管理者となる者を選考するための合議体を設置し、その審査の結果を踏まえて行わなければならない。

(平二九法五七・追加)

第十一条 助産所の開設者は、助産師に、これを管理させなければならない。

(平一三法一五三・一部改正)

第十二条 病院、診療所又は助産所の開設者が、病院、診療所又は助産所の管理者となることができる者である場合は、自らその病院、診療所又は助産所を管理しなければならない。ただし、病院、診療所又は助産所の所在地の都道府県知事の許可を受けた場合は、他の者にこれを管理させることができる。

2 病院、診療所又は助産所を管理する医師、歯科医師又は助産師は、次の各号のいずれかに該当するものとしてその病院、診療所又は助産所の所在地の都道府県知事の許可を受けた場合を除くほか、他の病院、診療所又は助産所を管理しない者でなければならない。

一 医師の確保を特に図るべき区域内に開設する診療所を管理しようとする場合

二 介護老人保健施設その他の厚生労働省令で定める施設に開設する診療所を管理しようとする場合

三 事業所等に従業員等を対象として開設される診療所を管理しようとする場合

四 地域における休日又は夜間の第三十条の三第一項に規定する医療提供体制の確保のために開設される診療所を管理しようとする場合

五 その他厚生労働省令で定める場合

(平一三法一五三・平三〇法七九・一部改正)

第十二条の二 地域医療支援病院の開設者は、厚生労働省令の定めるところにより、業務に関する報告書を都道府県知事に提出しなければならない。

2 都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の報告書の内容を公表しなければならない。

(平九法一二五・追加、平一一法一六〇・平一八法八四・一部改正)

第十二条の三 特定機能病院の開設者は、厚生労働省令の定めるところにより、業務に関する報告書を厚生労働大臣に提出しなければならない。

2 厚生労働大臣は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の報告書の内容を公表しなければならない。

(平四法八九・追加、平九法一二五・旧第十二条の二繰下、平一一法一六〇・平一八法八四・一部改正)

第十二条の四 臨床研究中核病院の開設者は、厚生労働省令の定めるところにより、業務に関する報告書を厚生労働大臣に提出しなければならない。

2 厚生労働大臣は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の報告書の内容を公表しなければならない。

(平二六法八三・追加)

第十三条 患者を入院させるための施設を有する診療所の管理者は、入院患者の病状が急変した場合においても適切な治療を提供することができるよう、当該診療所の医師が速やかに診療を行う体制を確保するよう努めるとともに、他の病院又は診療所との緊密な連携を確保しておかなければならない。

(平一八法八四・全改)

第十四条 助産所の管理者は、同時に十人以上の妊婦、産婦又はじよく婦を入所させてはならない。ただし、他に入院させ、又は入所させるべき適当な施設がない場合において、臨時応急のため入所させるときは、この限りでない。

(昭六〇法一〇二・平一二法一四一・一部改正)

第十四条の二 病院又は診療所の管理者は、厚生労働省令の定めるところにより、当該病院又は診療所に関し次に掲げる事項を当該病院又は診療所内に見やすいよう掲示しなければならない。

一 管理者の氏名

二 診療に従事する医師又は歯科医師の氏名

三 医師又は歯科医師の診療日及び診療時間

四 前三号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項

2 助産所の管理者は、厚生労働省令の定めるところにより、当該助産所に関し次に掲げる事項を当該助産所内に見やすいように掲示しなければならない。

一 管理者の氏名

二 業務に従事する助産師の氏名

三 助産師の就業の日時

四 前三号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項

(平四法八九・追加、平一一法一六〇・平一三法一五三・一部改正)

第十五条 病院又は診療所の管理者は、この法律に定める管理者の責務を果たせるよう、当該病院又は診療所に勤務する医師、歯科医師、薬剤師その他の従業者を監督し、その他当該病院又は診療所の管理及び運営につき、必要な注意をしなければならない。

2 助産所の管理者は、この法律に定める管理者の責務を果たせるよう、当該助産所に勤務する助産師その他の従業者を監督し、その他当該助産所の管理及び運営につき、必要な注意をしなければならない。

3 病院又は診療所の管理者は、病院又は診療所に診療の用に供するエックス線装置を備えたときその他厚生労働省令で定める場合においては、厚生労働省令の定めるところにより、病院又は診療所所在地の都道府県知事に届け出なければならない。

(平一一法八七・平一一法一六〇・平一三法一五三・平二九法五七・一部改正)

第十五条の二 病院、診療所又は助産所の管理者は、当該病院、診療所又は助産所において、臨床検査技師等に関する法律(昭和三十三年法律第七十六号)第二条に規定する検体検査(以下この条及び次条第一項において「検体検査」という。)の業務を行う場合は、検体検査の業務を行う施設の構造設備、管理組織、検体検査の精度の確保の方法その他の事項を検体検査の業務の適正な実施に必要なものとして厚生労働省令で定める基準に適合させなければならない。

(平二九法五七・追加)

第十五条の三 病院、診療所又は助産所の管理者は、検体検査の業務を委託しようとするときは、次に掲げる者に委託しなければならない。

一 臨床検査技師等に関する法律第二十条の三第一項の登録を受けた衛生検査所の開設者

二 病院又は診療所その他厚生労働省令で定める場所において検体検査の業務を行う者であつて、その者が検体検査の業務を行う施設の構造設備、管理組織、検体検査の精度の確保の方法その他の事項が検体検査の業務の適正な実施に必要なものとして厚生労働省令で定める基準に適合するもの

2 病院、診療所又は助産所の管理者は、前項に定めるもののほか、病院、診療所又は助産所の業務のうち、医師若しくは歯科医師の診療若しくは助産師の業務又は患者、妊婦、産婦若しくはじよく婦の入院若しくは入所に著しい影響を与えるものとして政令で定めるものを委託しようとするときは、当該病院、診療所又は助産所の業務の種類に応じ、当該業務を適正に行う能力のある者として厚生労働省令で定める基準に適合するものに委託しなければならない。

(平四法八九・追加、平一一法一六〇・平一二法一四一・平一三法一五三・一部改正、平二九法五七・旧第十五条の二繰下・一部改正)

第十六条 医業を行う病院の管理者は、病院に医師を宿直させなければならない。ただし、当該病院の医師が当該病院に隣接した場所に待機する場合その他当該病院の入院患者の病状が急変した場合においても当該病院の医師が速やかに診療を行う体制が確保されている場合として厚生労働省令で定める場合は、この限りでない。

(平二九法五二・一部改正)

第十六条の二 地域医療支援病院の管理者は、厚生労働省令の定めるところにより、次に掲げる事項を行わなければならない。

一 当該病院の建物の全部若しくは一部、設備、器械又は器具を、当該病院に勤務しない医療従事者の診療、研究又は研修のために利用させること。

二 救急医療を提供すること。

三 地域の医療従事者の資質の向上を図るための研修を行わせること。

四 第二十二条第二号及び第三号に掲げる諸記録を体系的に管理すること。

五 当該地域医療支援病院に患者を紹介しようとする医師その他厚生労働省令で定める者から第二十二条第二号又は第三号に掲げる諸記録の閲覧を求められたときは、正当の理由がある場合を除き、当該諸記録のうち患者の秘密を害するおそれのないものとして厚生労働省令で定めるものを閲覧させること。

六 他の病院又は診療所から紹介された患者に対し、医療を提供すること。

七 その他厚生労働省令で定める事項

2 地域医療支援病院の管理者は、居宅等における医療を提供する医療提供施設、介護保険法第八条第四項に規定する訪問看護を行う同法第四十一条第一項に規定する指定居宅サービス事業者その他の居宅等における医療を提供する者(以下この項において「居宅等医療提供施設等」という。)における連携の緊密化のための支援、医療を受ける者又は地域の医療提供施設に対する居宅等医療提供施設等に関する情報の提供その他の居宅等医療提供施設等による居宅等における医療の提供の推進に関し必要な支援を行わなければならない。

(平九法一二五・追加、平一一法一六〇・平一三法一五三・平一八法八四・平二六法八三・一部改正)

第十六条の三 特定機能病院の管理者は、厚生労働省令の定めるところにより、次に掲げる事項を行わなければならない。

一 高度の医療を提供すること。

二 高度の医療技術の開発及び評価を行うこと。

三 高度の医療に関する研修を行わせること。

四 医療の高度の安全を確保すること。

五 第二十二条の二第三号及び第四号に掲げる諸記録を体系的に管理すること。

六 当該特定機能病院に患者を紹介しようとする医師その他厚生労働省令で定める者から第二十二条の二第三号又は第四号に掲げる諸記録の閲覧を求められたときは、正当の理由がある場合を除き、当該諸記録のうち患者の秘密を害するおそれのないものとして厚生労働省令で定めるものを閲覧させること。

七 他の病院又は診療所から紹介された患者に対し、医療を提供すること。

八 その他厚生労働省令で定める事項

2 特定機能病院の管理者は、特定機能病院の管理及び運営に関する事項のうち重要なものとして厚生労働省令で定めるものを行う場合には、厚生労働省令で定めるところにより、当該管理者並びに当該特定機能病院に勤務する医師、歯科医師、薬剤師及び看護師その他の者をもつて構成する合議体の決議に基づいて行わなければならない。

3 特定機能病院の管理者は、第三十条の四第二項第二号に規定する医療連携体制が適切に構築されるように配慮しなければならない。

(平四法八九・追加、平九法一二五・旧第十六条の二繰下、平一一法一六〇・平一八法八四・平二九法五七・一部改正)

第十六条の四 臨床研究中核病院の管理者は、厚生労働省令の定めるところにより、次に掲げる事項を行わなければならない。

一 特定臨床研究に関する計画を立案し、及び実施すること。

二 他の病院又は診療所と共同して特定臨床研究を実施する場合にあつては、特定臨床研究の実施の主導的な役割を果たすこと。

三 他の病院又は診療所に対し、特定臨床研究の実施に関する相談に応じ、必要な情報の提供、助言その他の援助を行うこと。

四 特定臨床研究に関する研修を行うこと。

五 第二十二条の三第三号及び第四号に掲げる諸記録を体系的に管理すること。

六 その他厚生労働省令で定める事項

(平二六法八三・追加)

第十七条 第六条の十から第六条の十二まで及び第十三条から前条までに定めるもののほか、病院、診療所又は助産所の管理者が、その構造設備、医薬品その他の物品の管理並びに患者、妊婦、産婦及びじよく婦の入院又は入所につき遵守すべき事項については、厚生労働省令で定める。

(平四法八九・平一一法一六〇・平一二法一四一・平一八法八四・平二六法八三・一部改正)

第十八条 病院又は診療所にあつては、その開設者は、厚生労働省令で定める基準に従い都道府県(診療所にあつては、その所在地が保健所を設置する市又は特別区の区域にある場合においては、当該保健所を設置する市又は特別区)の条例の定めるところにより、専属の薬剤師を置かなければならない。ただし、病院又は診療所所在地の都道府県知事の許可を受けた場合は、この限りでない。

(平二三法一〇五・平二九法五七・一部改正)

第十九条 助産所の開設者は、厚生労働省令で定めるところにより、嘱託する医師及び病院又は診療所を定めておかなければならない。

2 出張のみによつてその業務に従事する助産師は、妊婦等の助産を行うことを約するときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該妊婦等の異常に対応する病院又は診療所を定めなければならない。

(平一八法八四・平二九法五七・一部改正)

第十九条の二 特定機能病院の開設者は、当該特定機能病院の管理者による当該特定機能病院の管理及び運営に関する業務が適切に遂行されるよう、厚生労働省令で定めるところにより、次に掲げる措置を講じなければならない。

一 当該特定機能病院の管理及び運営について当該管理者が有する権限を明らかにすること。

二 医療の安全の確保に関する監査委員会を設置すること。

三 当該管理者の業務の執行が法令に適合することを確保するための体制、当該開設者による当該特定機能病院の業務の監督に係る体制その他の当該特定機能病院の業務の適正を確保するために必要なものとして厚生労働省令で定める体制を整備すること。

四 その他当該管理者による当該特定機能病院の管理及び運営に関する業務の適切な遂行に必要なものとして厚生労働省令で定める措置

(平二九法五七・追加)

第二十条 病院、診療所又は助産所は、清潔を保持するものとし、その構造設備は、衛生上、防火上及び保安上安全と認められるようなものでなければならない。

第二十一条 病院は、厚生労働省令(第一号に掲げる従業者(医師及び歯科医師を除く。)及び第十二号に掲げる施設にあつては、都道府県の条例)の定めるところにより、次に掲げる人員及び施設を有し、かつ、記録を備えて置かなければならない。

一 当該病院の有する病床の種別に応じ、厚生労働省令で定める員数の医師及び歯科医師のほか、都道府県の条例で定める員数の看護師その他の従業者

二 各科専門の診察室

三 手術室

四 処置室

五 臨床検査施設

六 エックス線装置

七 調剤所

八 給食施設

九 診療に関する諸記録

十 診療科名中に産婦人科又は産科を有する病院にあつては、分べん室及び新生児の入浴施設

十一 療養病床を有する病院にあつては、機能訓練室

十二 その他都道府県の条例で定める施設

2 療養病床を有する診療所は、厚生労働省令(第一号に掲げる従業者(医師及び歯科医師を除く。)及び第三号に掲げる施設にあつては、都道府県の条例)の定めるところにより、次に掲げる人員及び施設を有しなければならない。

一 厚生労働省令で定める員数の医師及び歯科医師のほか、都道府県の条例で定める員数の看護師及び看護の補助その他の業務の従業者

二 機能訓練室

三 その他都道府県の条例で定める施設

3 都道府県が前二項の条例を定めるに当たつては、病院及び療養病床を有する診療所の従業者及びその員数(厚生労働省令で定めるものに限る。)については厚生労働省令で定める基準に従い定めるものとし、その他の事項については厚生労働省令で定める基準を参酌するものとする。

(昭二八法二一三・昭六〇法一〇九・平四法八九・平九法一二五・平一一法一六〇・平一二法一四一・平一三法一五三・平二三法一〇五・一部改正)

第二十二条 地域医療支援病院は、前条第一項(第九号を除く。)に定めるもののほか、厚生労働省令の定めるところにより、次に掲げる施設を有し、かつ、記録を備えて置かなければならない。

一 集中治療室

二 診療に関する諸記録

三 病院の管理及び運営に関する諸記録

四 化学、細菌及び病理の検査施設

五 病理解剖室

六 研究室

七 講義室

八 図書室

九 その他厚生労働省令で定める施設

(平九法一二五・全改、平一一法一六〇・平一二法一四一・一部改正)

第二十二条の二 特定機能病院は、第二十一条第一項(第一号及び第九号を除く。)に定めるもののほか、厚生労働省令の定めるところにより、次に掲げる人員及び施設を有し、かつ、記録を備えて置かなければならない。

一 厚生労働省令で定める員数の医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の従業者

二 集中治療室

三 診療に関する諸記録

四 病院の管理及び運営に関する諸記録

五 前条第四号から第八号までに掲げる施設

六 その他厚生労働省令で定める施設

(平四法八九・追加、平九法一二五・平一一法一六〇・平一二法一四一・平一三法一五三・一部改正)

第二十二条の三 臨床研究中核病院は、第二十一条第一項(第一号及び第九号を除く。)に定めるもののほか、厚生労働省令の定めるところにより、次に掲げる人員及び施設を有し、かつ、記録を備えて置かなければならない。

一 厚生労働省令で定める員数の臨床研究に携わる医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の従業者

二 集中治療室

三 診療及び臨床研究に関する諸記録

四 病院の管理及び運営に関する諸記録

五 第二十二条第四号から第八号までに掲げる施設

六 その他厚生労働省令で定める施設

(平二六法八三・追加)

第二十三条 第二十一条から前条までに定めるもののほか、病院、診療所又は助産所の構造設備について、換気、採光、照明、防湿、保安、避難及び清潔その他衛生上遺憾のないように必要な基準は、厚生労働省令で定める。

2 前項の規定に基づく厚生労働省令の規定に違反した者については、政令で二十万円以下の罰金の刑を科する旨の規定を設けることができる。

(昭六〇法一〇九・平四法八九・平九法一二五・平一一法一六〇・平二六法八三・一部改正)

第三節 監督

(平一八法八四・節名追加)

第二十三条の二 都道府県知事は、病院又は療養病床を有する診療所について、その人員の配置が、第二十一条第一項(第一号に係る部分に限る。)又は第二項(第一号に係る部分に限る。)の規定に基づく厚生労働省令又は都道府県の条例で定める基準に照らして著しく不十分であり、かつ、適正な医療の提供に著しい支障が生ずる場合として厚生労働省令で定める場合に該当するときは、その開設者に対し、期限を定めて、その人員の増員を命じ、又は期間を定めて、その業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

(平一二法一四一・追加、平二三法一〇五・一部改正)

第二十四条 都道府県知事は、病院、診療所又は助産所が清潔を欠くとき、又はその構造設備が第二十一条第一項若しくは第二項若しくは第二十二条の規定若しくは第二十三条第一項の規定に基づく厚生労働省令の規定に違反し、若しくは衛生上有害若しくは保安上危険と認めるときは、その開設者に対し、期間を定めて、その全部若しくは一部の使用を制限し、若しくは禁止し、又は期限を定めて、修繕若しくは改築を命ずることができる。

2 厚生労働大臣は、特定機能病院又は臨床研究中核病院(以下この節において「特定機能病院等」という。)の構造設備が第二十二条の二又は第二十二条の三の規定に違反するときは、その開設者に対し、期限を定めて、その修繕又は改築を命ずることができる。

(昭六〇法一〇九・平四法八九・平九法一二五・平一一法一六〇・平一二法一四一・平二六法八三・一部改正)

第二十四条の二 都道府県知事は、病院、診療所若しくは助産所の業務が法令若しくは法令に基づく処分に違反し、又はその運営が著しく適正を欠くと認めるとき(第二十三条の二又は前条第一項に規定する場合を除く。)は、この法律の施行に必要な限度において、当該病院、診療所又は助産所の開設者に対し、期限を定めて、必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

2 前項の開設者が同項の規定による命令に従わないときは、都道府県知事は、当該開設者に対し、期間を定めて、その開設する病院、診療所又は助産所の業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。

(平二九法五七・追加)

第二十五条 都道府県知事、保健所を設置する市の市長又は特別区の区長は、必要があると認めるときは、病院、診療所若しくは助産所の開設者若しくは管理者に対し、必要な報告を命じ、又は当該職員に、病院、診療所若しくは助産所に立ち入り、その有する人員若しくは清潔保持の状況、構造設備若しくは診療録、助産録、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。

2 都道府県知事、保健所を設置する市の市長又は特別区の区長は、病院、診療所若しくは助産所の業務が法令若しくは法令に基づく処分に違反している疑いがあり、又はその運営が著しく適正を欠く疑いがあると認めるときは、この法律の施行に必要な限度において、当該病院、診療所若しくは助産所の開設者若しくは管理者に対し、診療録、助産録、帳簿書類その他の物件の提出を命じ、又は当該職員に、当該病院、診療所若しくは助産所の開設者の事務所その他当該病院、診療所若しくは助産所の運営に関係のある場所に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。

3 厚生労働大臣は、必要があると認めるときは、特定機能病院等の開設者若しくは管理者に対し、必要な報告を命じ、又は当該職員に、特定機能病院等に立ち入り、その有する人員若しくは清潔保持の状況、構造設備若しくは診療録、助産録、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。

4 厚生労働大臣は、特定機能病院等の業務が法令若しくは法令に基づく処分に違反している疑いがあり、又はその運営が著しく適正を欠く疑いがあると認めるときは、当該特定機能病院等の開設者又は管理者に対し、診療録、助産録、帳簿書類その他の物件の提出を命ずることができる。

5 第六条の八第三項の規定は第一項から第三項までの立入検査について、同条第四項の規定は前各項の権限について、準用する。

(昭二五法二六・昭六〇法一〇九・平六法八四・平一一法八七・平一一法一六〇・平一二法一四一・平一八法八四・平二六法八三・平二九法五七・一部改正)

第二十五条の二 保健所を設置する市の市長及び特別区の区長は、厚生労働省令の定めるところにより、診療所及び助産所に関し、厚生労働省令で定める事項を都道府県知事に通知しなければならない。

(平六法八四・全改、平一一法一六〇・一部改正)

第二十六条 第二十五条第一項及び第三項に規定する当該職員の職権を行わせるため、厚生労働大臣、都道府県知事、保健所を設置する市の市長又は特別区の区長は、厚生労働省、都道府県、保健所を設置する市又は特別区の職員のうちから、医療監視員を命ずるものとする。

2 前項に定めるもののほか、医療監視員に関し必要な事項は、厚生労働省令でこれを定める。

(昭二五法二六・昭三七法一六一・平六法八四・平一一法八七・平一一法一六〇・平一二法一四一・一部改正)

第二十七条 病院、患者を入院させるための施設を有する診療所又は入所施設を有する助産所は、その構造設備について、その所在地を管轄する都道府県知事の検査を受け、許可証の交付を受けた後でなければ、これを使用してはならない。

(平一二法一四一・一部改正)

第二十七条の二 都道府県知事は、病院又は診療所の開設者又は管理者が、正当な理由がなく、第七条第五項又は第六項の規定により当該許可に付された条件に従わないときは、当該病院又は診療所の開設者又は管理者に対し、都道府県医療審議会の意見を聴いて、期限を定めて、当該条件に従うべきことを勧告することができる。

2 都道府県知事は、前項の規定による勧告を受けた病院又は診療所の開設者又は管理者が、正当な理由がなく、当該勧告に係る措置をとらなかつたときは、当該病院又は診療所の開設者又は管理者に対し、都道府県医療審議会の意見を聴いて、期限を定めて、当該勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。

3 都道府県知事は、前項の規定による命令をした場合において、当該命令を受けた病院又は診療所の開設者又は管理者がこれに従わなかつたときは、その旨を公表することができる。

(平二六法八三・追加、令四法九六・一部改正)

第二十八条 都道府県知事は、病院、診療所又は助産所の管理者に、犯罪若しくは医事に関する不正行為があり、又はその者が管理をなすのに適しないと認めるときは、その開設者に対し、期限を定めて、その変更を命ずることができる。

(昭六〇法一〇九・平二九法五七・一部改正)

第二十九条 都道府県知事は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、病院、診療所若しくは助産所の開設の許可を取り消し、又はその開設者に対し、期間を定めて、その閉鎖を命ずることができる。