添付一覧
対象物質 |
フラグメントイオン(m/z) |
クロロ酢酸 |
77、108 |
ジクロロ酢酸 |
83、85 |
トリクロロ酢酸 |
117、119 |
1,2,3―トリクロロプロパン ※ |
75、110 |
※印は内部標準物質である。
5 検量線の作成
ハロ酢酸混合標準液を段階的にメスフラスコ4個以上に採り、それぞれに精製水を加えて50mlとする。この場合、調製した溶液のそれぞれの対象物質の濃度は、上記4(1)に示す検水の濃度範囲を超えてはならない。以下上記4(1)及び(2)と同様に操作して、対象物質と内部標準物質とのフラグメントイオンのピーク高さ又はピーク面積の比を求め、対象物質の濃度との関係を求める。
6 空試験
精製水50mlを採り、以下上記4(1)及び(2)と同様に操作して試験溶液中のそれぞれの対象物質の濃度を求め、検量線の濃度範囲の下限値を下回ることを確認する。
求められた濃度が当該濃度範囲の下限値以上の場合は、是正処置を講じた上で上記4(1)及び(2)と同様の操作を再び行い、求められた濃度が当該濃度範囲の下限値を下回るまで操作を繰り返す。
7 連続試験を実施する場合の措置
オートサンプラーを用いて10以上の試料の試験を連続的に実施する場合には、以下に掲げる措置を講ずる。
(1) おおむね10の試料ごとの試験終了後及び全ての試料の試験終了後に、上記5で調製した溶液の濃度のうち最も高いものから最も低いものまでの間の一定の濃度(以下この7において「調製濃度」という。)に調製した溶液について、上記4(1)及び(2)に示す操作により試験を行い、算定された濃度と調製濃度との差を求める。
(2) 上記(1)により求められた差が調製濃度の±20%の範囲を超えた場合には、是正処置を講じた上で上記(1)で行った試験の前に試験を行ったおおむね10の試料及びそれらの後に試験を行った全ての試料について再び分析を行う。その結果、上記(1)により求められた差が再び調製濃度の±20%の範囲を超えた場合には、上記4及び5の操作により試験し直す。
別表第17の2
(平24厚労告66・追加、平26厚労告147・平29厚労告87・令4厚労告134・令6厚労告99・一部改正)
液体クロマトグラフ―質量分析計による一斉分析法
ここで対象とする項目は、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸及びトリクロロ酢酸である。
1 試薬
(1) 精製水
測定対象成分を含まないもの
(2) アスコルビン酸ナトリウム
(3) チオ硫酸ナトリウム溶液(0.3w/v%)
(4) tert―ブチル―メチルエーテル
別表第17の1(7)の例による。
(5) メチルアルコール
別表第17の1(9)の例による。
(6) ぎ酸(0.2v/v%)
(7) クロロ酢酸標準原液、ジクロロ酢酸標準原液及びトリクロロ酢酸標準原液
別表第17の1(13)の例による。
(8) ハロ酢酸混合標準液
別表第17の1(14)の例による。
2 器具及び装置
(1) ねじ口瓶
別表第17の2(1)の例による。
(2) ねじ口バイアル
別表第17の2(2)の例による。
(3) クリーンアップ用固相カラム
通水方向から順にバリウム型陽イオン交換基を結合した充填剤を詰めたもの、銀型陽イオン交換基を結合した充填剤を詰めたもの及び水素型陽イオン交換基を結合した充填剤を詰めたものを連結したもの又はこれと同等以上の妨害物質除去性能を有するもの
(4) 液体クロマトグラフ―質量分析計
ア 分離カラム
内径4.6mm、長さ15cmのステンレス管に、オクタデシルシリル基を化学結合した粒径が3μmのシリカゲルを充填したもの又はこれと同等以上の分離性能を有するもの
イ 移動相
最適条件に調製したもの
例えば、A液はメチルアルコール、B液はぎ酸(0.2v/v%)のもの
ウ 移動相流量
対象物質の最適分離条件に設定できるもの
例えば、毎分0.2mlの流量で、A液とB液の混合比が5:95のものを、A液の割合を毎分2.5ポイントずつ上昇させて100%にできるもの
エ 検出器
次のいずれかに該当するもの
① 選択イオン測定(SIM)又はこれと同等以上の性能を有するもの
② 選択反応測定(SRM)又はこれと同等以上の性能を有するもの
オ モニターイオンを得るための電圧
上記エ①に該当する検出器を用いる場合にあっては、エレクトロスプレーイオン化法(ESI法)(負イオン測定モード)で、最適条件に設定できる電圧
上記エ②に該当する検出器を用いる場合にあっては、ESI法(負イオン測定モード)により得られたプリカーサイオンを開裂させてプロダクトイオンを得る方法で、最適条件に設定できる電圧
3 試料の採取及び保存
別表第17の3の例による。
4 試験操作
(1) 前処理
検水(検水に含まれるそれぞれの対象物質の濃度が0.2mg/Lを超える場合には、0.002~0.2mg/Lとなるように精製水を加えて調製したもの)を試験溶液とする。ただし、検水中に高濃度の陰イオン類が含まれる場合には、必要に応じて検水をクリーンアップ用固相カラムに通し、これを試験溶液とする。
(2) 分析
上記(1)で得られた試験溶液の一定量を液体クロマトグラフ―質量分析計に注入し、表1に示すそれぞれの対象物質のモニターイオンのピーク高さ又はピーク面積を求め、下記5により作成した検量線から試験溶液中のそれぞれの対象物質の濃度を求め、検水中のそれぞれの対象物質の濃度を算定する。
表1 モニターイオンの例
検出器 対象物質 |
2(4)エ①に該当する検出器 |
2(4)エ②に該当する検出器 |
|
モニターイオン (m/z) |
プリカーサイオン (m/z) |
プロダクトイオン※ (m/z) |
|
クロロ酢酸 |
93、139 |
93、139 |
35 |
ジクロロ酢酸 |
127、173 |
127、173 |
83 |
トリクロロ酢酸 |
161、207 |
161、207 |
117 |
※プロダクトイオンをモニターイオンとする。
5 検量線の作成
ハロ酢酸混合標準液をメスフラスコ4個以上に採り、それぞれに精製水を加えて、濃度を段階的にした溶液を調製する。この場合、調製した溶液のそれぞれの対象物質の濃度は、上記4(1)に示す検水の濃度範囲を超えてはならない。以下上記4(2)と同様に操作して、それぞれの対象物質のモニターイオンのピーク高さ又はピーク面積を求め、それぞれの対象物質の濃度との関係を求める。
6 空試験
精製水を一定量採り、以下上記4(1)及び(2)と同様に操作して試験溶液中のそれぞれの対象物質の濃度を求め、検量線の濃度範囲の下限値を下回ることを確認する。
求められた濃度が当該濃度範囲の下限値以上の場合は、是正処置を講じた上で上記4(1)及び(2)と同様の操作を再び行い、求められた濃度が当該濃度範囲の下限値を下回るまで操作を繰り返す。
7 連続試験を実施する場合の措置
オートサンプラーを用いて10以上の試料の試験を連続的に実施する場合には、以下に掲げる措置を講ずる。
(1) おおむね10の試料ごとの試験終了後及び全ての試料の試験終了後に、上記5で調製した溶液の濃度のうち最も高いものから最も低いものまでの間の一定の濃度(以下この7において「調製濃度」という。)に調製した溶液について、上記4(2)に示す操作により試験を行い、算定された濃度と調製濃度との差を求める。
(2) 上記(1)により求められた差が調製濃度の±20%の範囲を超えた場合には、是正処置を講じた上で上記(1)で行った試験の前に試験を行ったおおむね10の試料及びそれらの後に試験を行った全ての試料について再び分析を行う。その結果、上記(1)により求められた差が再び調製濃度の±20%の範囲を超えた場合には、上記4及び5の操作により試験し直す。
別表第18
(平17厚労告125・平18厚労告191・平24厚労告66・平29厚労告87・平30厚労告138・令2厚労告95・令6厚労告99・一部改正)
イオンクロマトグラフ―ポストカラム吸光光度法
ここで対象とする項目は、臭素酸である。
1 試薬
(1) 精製水
測定対象成分を含まないもの
(2) 溶離液
測定対象成分が分離できるもの
(3) 硫酸(1mol/L)
精密分析用のもの又はこれと同等以上のもの
(4) 臭化カリウム―硫酸溶液
臭化カリウム89.25gを硫酸(1mol/L)に溶かして500mlとしたもの
(5) 亜硝酸ナトリウム溶液
亜硝酸ナトリウム0.828gを精製水10mlに溶かした溶液を一定量採り、精製水を加えて1000倍に薄めたもの
(6) 臭素酸標準原液
臭素酸カリウム2.61gを精製水に溶かして1Lとしたもの
この溶液1mlは、臭素酸2mgを含む。
この溶液は、冷暗所に保存する。
(7) 臭素酸標準液
臭素酸標準原液を、精製水で1000~100000倍の範囲内における任意の濃度に薄めたもの
この溶液1mlは、臭素酸0.00002~0.002mgを含む。
この溶液は、使用の都度調製する。
2 器具及び装置
(1) メンブランフィルターろ過装置
別表第12の2(1)の例による。
(2) イオンクロマトグラフ
ア 分離カラム
内径2~8mm、長さ5~25cmのもので、陰イオン交換基を被覆したポリマー系充填剤を充填したもの又はこれと同等以上の分離性能を有するもの
イ 反応部
分離カラムで分離された液と反応試薬が別々に混合できるもので、反応温度等が対象物質の最適反応条件に設定できるもの
例えば、臭化カリウム―硫酸溶液を毎分0.4mlの流量で注入して40℃で反応させることができるもの。ただし、分析に十分な感度が得られない場合は、必要に応じて亜硝酸ナトリウム溶液を注入することができる。
ウ 検出器
紫外部吸収検出器で、波長268nm付近に設定したもの
3 試料の採取及び保存
試料は、精製水で洗浄したガラス瓶又はポリエチレン瓶に採取し、速やかに試験する。速やかに試験できない場合は、冷暗所に保存し、2週間以内に試験する。
4 試験操作
(1) 前処理
検水(検水に含まれる臭素酸の濃度が0.02mg/Lを超える場合には、0.001~0.02mg/Lとなるように精製水を加えて調製したもの)をメンブランフィルターろ過装置でろ過し、初めのろ液約10mlを捨て、次のろ液を試験溶液とする。
(2) 分析
上記(1)で得られた試験溶液の一定量をイオンクロマトグラフに注入し、臭素酸のピーク高さ又はピーク面積を求め、下記5により作成した検量線から試験溶液中の臭素酸の濃度を求め、検水中の臭素酸の濃度を算定する。
5 検量線の作成
臭素酸標準液をメスフラスコ4個以上に採り、それぞれに精製水を加えて、濃度を段階的にした溶液を調製する。この場合、調製した溶液の臭素酸の濃度は、上記4(1)に示す検水の濃度範囲を超えてはならない。以下上記4(2)と同様に操作して、臭素酸の濃度とピーク高さ又はピーク面積との関係を求める。
6 空試験
精製水を一定量採り、以下上記4(1)及び(2)と同様に操作して試験溶液中の臭素酸の濃度を求め、検量線の濃度範囲の下限値を下回ることを確認する。
求められた濃度が当該濃度範囲の下限値以上の場合は、是正処置を講じた上で上記4(1)及び(2)と同様の操作を再び行い、求められた濃度が当該濃度範囲の下限値を下回るまで操作を繰り返す。
7 連続試験を実施する場合の措置
オートサンプラーを用いて10以上の試料の試験を連続的に実施する場合には、以下に掲げる措置を講ずる。
(1) おおむね10の試料ごとの試験終了後及び全ての試料の試験終了後に、上記5で調製した溶液の濃度のうち最も高いものから最も低いものまでの間の一定の濃度(以下この7において「調製濃度」という。)に調製した溶液について、上記4(2)に示す操作により試験を行い、算定された濃度と調製濃度との差を求める。
(2) 上記(1)により求められた差が調製濃度の±10%の範囲を超えた場合には、是正処置を講じた上で上記(1)で行った試験の前に試験を行ったおおむね10の試料及びそれらの後に試験を行った全ての試料について再び分析を行う。その結果、上記(1)により求められた差が再び調製濃度の±10%の範囲を超えた場合には、上記4及び5の操作により試験し直す。
別表第18の2
(平29厚労告87・追加、令2厚労告95・令6厚労告99・一部改正)
液体クロマトグラフ―質量分析法
ここで対象とする項目は、塩素酸及び臭素酸である。
1 試薬
(1) 精製水
測定対象成分を含まないもの
(2) エチレンジアミン溶液(50mg/ml)
別表第13の1(2)の例による。
(3) チオ硫酸ナトリウム溶液(0.3w/v%)
(4) ヨウ化カリウム溶液(5w/v%)
(5) 窒素ガス
別表第13の1(5)の例による。
(6) アセトニトリル
測定対象成分を含まないもの
(7) 酢酸(0.5v/v%)
(8) 酢酸アンモニウム
(9) 塩酸
(10) ヨウ化カリウム
(11) 炭酸ナトリウム(無水)
(12) イソアミルアルコール
測定対象成分を含まないもの
(13) ヨウ素酸カリウム溶液(0.017mol/L)
別表第13の1(12)の例による。
(14) 硫酸(1+5)
(15) でんぷん溶液
別表第13の1(14)の例による。
(16) チオ硫酸ナトリウム溶液(0.1mol/L)
別表第13の1(15)の例による。
(17) 塩素酸標準原液
別表第13の1(19)の例による。
(18) 臭素酸標準原液
別表第18の1(6)の例による。
(19) 陰イオン混合標準液
塩素酸及び臭素酸のそれぞれ一定量の標準原液を混合し、精製水で塩素酸は10~1000倍、臭素酸は1000~100000倍の範囲内における任意の濃度に薄めたもの
この溶液1mlは、塩素酸は0.001~0.1mg及び臭素酸0.00002~0.002mgを含む。
この溶液は、使用の都度調製する。
2 器具及び装置
(1) メンブランフィルターろ過装置
別表第12の2(1)の例による。
(2) 液体クロマトグラフ―質量分析計
ア 分離カラム
内径2~5mm、長さ5~15cmのステンレス管に、陰イオン交換基を被覆したシリカゲル若しくはポリマー系充填剤を充填したもの又はこれと同等以上の分離性能を有するもの
イ 移動相
最適条件に調製したもの
例えば、A液は酢酸アンモニウム(0.2mol/L)―酢酸(0.5v/v%)溶液、B液はアセトニトリルのもの
ウ 移動相流量
対象物質の最適分離条件に設定できるもの
例えば、毎分0.3mlの流量で、A液とB液の混合比が5:95で13分間保持した後、95:5にして10分間保持できるもの
エ 検出器
別表第17の2の2(4)エの例による。
オ モニターイオンを得るための電圧
別表第17の2の2(4)オの例による。
3 試料の採取及び保存
試料は、精製水で洗浄したガラス瓶又はポリエチレン瓶に採取し、速やかに試験する。速やかに試験できない場合は、冷暗所に保存し、2週間以内に試験する。
なお、残留塩素が含まれている場合には、試料1Lにつきエチレンジアミン溶液(50mg/ml)0.1~1ml又はチオ硫酸ナトリウム溶液(0.3w/v%)1~2mlを加える。ただし、塩素酸の検査を行わない場合は、エチレンジアミン溶液又はチオ硫酸ナトリウム溶液の添加を省略することができる。
また、二酸化塩素を含む試料については、散気用フィルター付きの管を用い窒素ガスで15分間曝気した後、試料1Lにつきエチレンジアミン溶液(50mg/ml)0.1~1ml又はチオ硫酸ナトリウム溶液(0.3w/v%)1~2mlを加える。ただし、塩素酸の検査を行わない場合は、窒素ガスによる曝気を省略することができる。
4 試験操作
(1) 前処理
検水(検水に含まれるそれぞれ対象物質の濃度が表1に示す濃度範囲の上限値を超える場合には、同表に示す濃度範囲になるように精製水を加えて調製したもの)をメンブランフィルターろ過装置でろ過し、初めのろ液約10mlを捨て、次のろ液を試験溶液とする。
表1 対象物質の濃度範囲
対象物質 |
濃度範囲(mg/L) |
塩素酸 |
0.03~1.2 |
臭素酸 |
0.0005~0.02 |
(2) 分析
上記(1)で得られた試験溶液の一定量を液体クロマトグラフ―質量分析計に注入し、表2に示すそれぞれの対象物質のモニターイオンのピーク高さ又はピーク面積を求め、下記5により作成した検量線から試験溶液中のそれぞれの対象物質の濃度を求め、検水中のそれぞれの対象物質の濃度を算定する。検水中に高濃度の硫酸イオンが含まれる場合は、硫酸イオンが分離カラムから溶出する分析条件を設定する。
表2 モニターイオンの例
検出器 |
別表第17の2の2(4)エ①に該当する検出器 |
別表第17の2の2(4)エ②に該当する検出器 |
||
対象物質 |
モニターイオン(m/z) |
プリカーサイオン(m/z) |
プロダクトイオン※(m/z) |
|
塩素酸 |
83 |
83 |
51、67 |
|
臭素酸 |
127、129 |
127、129 |
95、97、111、113 |
※プロダクトイオンをモニターイオンとする。
5 検量線の作成
陰イオン混合標準液をメスフラスコ4個以上に採り、それぞれに精製水を加えて、濃度を段階的にした溶液を調製する。この場合、調製した溶液のそれぞれの対象物質の濃度は、上記4(1)に示す検水の濃度範囲を超えてはならない。以下上記4(2)と同様に操作して、それぞれの対象物質のモニターイオンのピーク高さ又はピーク面積を求め、それぞれの対象物質の濃度との関係を求める。
6 空試験
精製水を一定量採り、以下上記4(1)及び(2)と同様に操作して試験溶液中のそれぞれの対象物質の濃度を求め、検量線の濃度範囲の下限値を下回ることを確認する。
求められた濃度が当該濃度範囲の下限値以上の場合は、是正処置を講じた上で上記4(1)及び(2)と同様の操作を再び行い、求められた濃度が当該濃度範囲の下限値を下回るまで操作を繰り返す。
7 連続試験を実施する場合の措置
オートサンプラーを用いて10以上の試料の試験を連続的に実施する場合には、以下に掲げる措置を講ずる。
(1) おおむね10の試料ごとの試験終了後及び全ての試料の試験終了後に、上記5で調製した溶液の濃度のうち最も高いものから最も低いものまでの間の一定の濃度(以下この7において「調製濃度」という。)に調製した溶液について、上記4(2)に示す操作により試験を行い、算定された濃度と調製濃度との差を求める。
(2) 上記(1)により求められた差が調製濃度の±10%の範囲を超えた場合には、是正処置を講じた上で上記(1)で行った試験の前に試験を行ったおおむね10の試料及びそれらの後に試験を行った全ての試料について再び分析を行う。その結果、上記(1)により求められた差が再び調製濃度の±10%の範囲を超えた場合には、上記4及び5の操作により試験し直す。
別表第19
(平17厚労告125・平18厚労告191・平22厚労告48・平24厚労告66・平26厚労告147・平29厚労告87・令2厚労告95・令4厚労告134・令6厚労告99・一部改正)
溶媒抽出―誘導体化―ガスクロマトグラフ―質量分析法
ここで対象とする項目は、ホルムアルデヒドである。
1 試薬
(1) 精製水
測定対象成分を含まないもの
(2) チオ硫酸ナトリウム溶液(0.3w/v%)
(3) 炭酸ナトリウム(無水)
(4) イソアミルアルコール
測定対象成分を含まないもの
(5) ヨウ素酸カリウム溶液(0.017mol/L)
別表第13の1(12)の例による。
(6) ヨウ化カリウム
(7) 硫酸(1+5)
(8) でんぷん溶液
別表第13の1(14)の例による。
(9) チオ硫酸ナトリウム溶液(0.1mol/L)
別表第13の1(15)の例による。
(10) ペンタフルオロベンジルヒドロキシルアミン溶液
ペンタフルオロベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩0.1gを精製水に溶かして100mlとしたもの
この溶液は、褐色瓶に入れて冷暗所に保存する。
(11) 硫酸(1+1)
(12) 塩化ナトリウム
測定対象成分を含まないもの
(13) 無水硫酸ナトリウム
測定対象成分を含まないもの
(14) ヨウ素溶液
ヨウ素約13gを採り、ヨウ化カリウム20g及び精製水20mlを加えて溶かした後、精製水を加えて1Lとしたもの
この溶液は、褐色瓶に入れて冷暗所に保存する。
(15) 水酸化カリウム溶液(6w/v%)
(16) ヘキサン
測定対象成分を含まないもの
(17) 内部標準原液
1―クロロデカン0.100gをヘキサン60mlを入れたメスフラスコに採り、ヘキサンを加えて100mlとしたもの
この溶液1mlは、1―クロロデカン1mgを含む。
この溶液は、調製後直ちに10mlずつをねじ口バイアルに入れて冷凍保存する。
(18) 内部標準添加ヘキサン
内部標準原液をヘキサンで2000倍に薄めたもの
この溶液1mlは、1―クロロデカン0.0005mgを含む。
この溶液は、使用の都度調製する。
(19) メチルアルコール
測定対象成分を含まないもの
(20) ホルムアルデヒド標準原液
ホルマリン10/C(g)をメチルアルコールに溶かして100mlとしたもの
ただし、Cはホルマリン中のホルムアルデヒドの含量(%)であり、次に定める方法により算出する。
ホルマリン約1gを精製水5mlを入れた褐色メスフラスコに採り、精製水を加えて100mlとする。その10mlを共栓付き三角フラスコに採り、これにヨウ素溶液50ml及び水酸化カリウム溶液(6w/v%)20mlを加え、栓をして静かに振り混ぜ、15分間常温で静置する。次いで、硫酸(1+5)5mlを加え、遊離したヨウ素をチオ硫酸ナトリウム溶液(0.1mol/L)を用いて滴定し、液の黄色が薄くなってから1~2mlのでんぷん溶液を指示薬として加え、液の青色が消えるまで更に滴定し、これに要したチオ硫酸ナトリウム溶液(0.1mol/L)のml数aを求める。別に、精製水10mlについて同様に操作し、これに要したチオ硫酸ナトリウム溶液(0.1mol/L)のml数bを求め、次式によりホルマリン中のホルムアルデヒドの含量(%)を算定する。
ホルムアルデヒドの含量C(%)=1.501×f×(b-a)/W
この式において、Wはホルマリンの採取量(g)、fはチオ硫酸ナトリウム溶液(0.1mol/L)のファクターを表す。
この溶液は、調製後直ちに10mlずつをねじ口バイアルに入れて冷凍保存する。
(21) ホルムアルデヒド標準液
ホルムアルデヒドとして1mgに相当するホルムアルデヒド標準原液を採り、メチルアルコールで100倍に薄めたもの
この溶液1mlは、ホルムアルデヒド0.01mgを含む。
この溶液は、使用の都度調製する。
2 器具及び装置
(1) ねじ口バイアル
別表第17の2(2)の例による。
(2) ガスクロマトグラフ―質量分析計
ア 試料導入部
別表第17の2(5)アの例による。
イ 分離カラム
別表第17の2(5)イの例による。
ウ 分離カラムの温度
最適分離条件に設定できるもの
例えば、100℃を1分間保持し、毎分15℃の速度で上昇させ、200℃を10分間保持できるもの
エ 検出器
別表第14の2(4)ウの例による。
オ イオン化電圧
別表第14の2(4)エの例による。
カ キャリアーガス
別表第14の2(4)オの例による。
3 試料の採取及び保存
試料は、精製水で洗浄したガラス瓶又はポリエチレン瓶に採取し、満水にして直ちに密栓し、速やかに試験する。速やかに試験できない場合は、冷蔵保存し、72時間以内に試験する。
なお、残留塩素が含まれている場合には、試料1Lにつきチオ硫酸ナトリウム溶液(0.3w/v%)1~2mlを加える。
4 試験操作
(1) 前処理
検水50ml(検水に含まれるホルムアルデヒドの濃度が0.1mg/Lを超える場合には、0.001~0.1mg/Lとなるように精製水を加えて50mlに調製したもの)を採り、ペンタフルオロベンジルヒドロキシルアミン溶液3mlを加えて混合する。2時間静置後、硫酸(1+1)0.8ml及び塩化ナトリウム20gを加えて混合する。次に、内部標準添加ヘキサン5mlを加えて5分間激しく振り混ぜ、数分間静置後、ヘキサン層を分取し、無水硫酸ナトリウムを少量加える。この溶液を一定量採り、試験溶液とする。
(2) 分析
上記(1)で得られた試験溶液の一定量をガスクロマトグラフ―質量分析計に注入し、フッ素誘導体化したホルムアルデヒドは181、195、161のフラグメントイオンのピーク高さ又はピーク面積と1―クロロデカンは91、105のフラグメントイオンのピーク高さ又はピーク面積との比を求め、下記5により作成した検量線から試験溶液中のホルムアルデヒドの濃度を求め、検水中のホルムアルデヒドの濃度を算定する。
5 検量線の作成
ホルムアルデヒド標準液を段階的にメスフラスコ4個以上に採り、それぞれに精製水を加えて50mlとする。この場合、調製した溶液のホルムアルデヒドの濃度は、上記4(1)に示す検水の濃度範囲を超えてはならない。以下上記4(1)及び(2)と同様に操作して、ホルムアルデヒドと1―クロロデカンとのフラグメントイオンのピーク高さ又はピーク面積の比を求め、ホルムアルデヒドの濃度との関係を求める。
6 空試験
精製水50mlを採り、以下上記4(1)及び(2)と同様に操作して試験溶液中のホルムアルデヒドの濃度を求め、検量線の濃度範囲の下限値を下回ることを確認する。
求められた濃度が当該濃度範囲の下限値以上の場合は、是正処置を講じた上で上記4(1)及び(2)と同様の操作を再び行い、求められた濃度が当該濃度範囲の下限値を下回るまで操作を繰り返す。
7 連続試験を実施する場合の措置
オートサンプラーを用いて10以上の試料の試験を連続的に実施する場合には、以下に掲げる措置を講ずる。
(1) おおむね10の試料ごとの試験終了後及び全ての試料の試験終了後に、上記5で調製した溶液の濃度のうち最も高いものから最も低いものまでの間の一定の濃度(以下この7において「調製濃度」という。)に調製した溶液について、上記4(1)及び(2)に示す操作により試験を行い、算定された濃度と調製濃度との差を求める。
(2) 上記(1)により求められた差が調製濃度の±20%の範囲を超えた場合には、是正処置を講じた上で上記(1)で行った試験の前に試験を行ったおおむね10の試料及びそれらの後に試験を行った全ての試料について再び分析を行う。その結果、上記(1)により求められた差が再び調製濃度の±20%の範囲を超えた場合には、上記4及び5の操作により試験し直す。
別表第19の2
(平28厚労告115・追加、平29厚労告87・令2厚労告95・令6厚労告99・一部改正)
誘導体化―高速液体クロマトグラフ法
ここで対象とする項目は、ホルムアルデヒドである。
1 試薬
(1) 精製水
別表第19の1(1)の例による。
(2) 塩化アンモニウム溶液(1w/v%)
(3) アセトニトリル
測定対象成分を含まないもの
(4) リン酸(1+4)
(5) DNPH溶液
2,4―ジニトロフェニルヒドラジン0.1gをアセトニトリルに溶かして100mlとしたもの
この溶液は、褐色瓶に入れて冷暗所に保存する。
(6) 炭酸ナトリウム(無水)
(7) イソアミルアルコール
別表第19の1(4)の例による。
(8) ヨウ素酸カリウム溶液(0.017mol/L)
別表第13の1(12)の例による。
(9) ヨウ化カリウム
(10) 硫酸(1+5)
(11) でんぷん溶液
別表第13の1(14)の例による。
(12) チオ硫酸ナトリウム溶液(0.1mol/L)
別表第13の1(15)の例による。
(13) ヨウ素溶液
別表第19の1(14)の例による。
(14) 水酸化カリウム溶液(6w/v%)
(15) メチルアルコール
別表第19の1(19)の例による。
(16) ホルムアルデヒド標準原液
別表第19の1(20)の例による。
(17) ホルムアルデヒド標準液
ホルムアルデヒドとして1mgに相当するホルムアルデヒド標準原液を採り、アセトニトリルで100倍に薄めたもの
この溶液1mlは、ホルムアルデヒド0.01mgを含む。
この溶液は、使用の都度調製する。
2 器具及び装置
(1) 高速液体クロマトグラフ
ア 分離カラム
内径2~5mm、長さ15~25cmのステンレス管に、オクタデシルシリル基を化学結合した粒径が2~5μmのシリカゲルを充填したもの又はこれと同等以上の分離性能を有するもの
イ 移動相
最適条件に調製したもの
例えば、A液は精製水、B液はアセトニトリルのもの
ウ 移動相流量
対象物質の最適分離条件に設定できるもの
例えば、毎分1mlの流量で、A液とB液の混合比が1:1のもの
エ 検出器
紫外部吸収検出器又はフォトダイオードアレイ検出器で、波長360nm付近に設定したもの
3 試料の採取及び保存
試料は、精製水で洗浄したガラス瓶又はポリエチレン瓶に採取し、満水にして直ちに密栓し、速やかに試験する。速やかに試験できない場合は、冷蔵保存し、72時間以内に試験する。
なお、残留塩素が含まれている場合には、試料100mlに対して塩化アンモニウム溶液(1w/v%)0.1~0.5mlを加える。
4 試験操作
(1) 前処理
検水10ml(検水に含まれるホルムアルデヒドの濃度が0.1mg/Lを超える場合には、0.005~0.1mg/Lとなるように精製水を加えて10mlに調製したもの)を採り、リン酸(1+4)0.2ml及びDNPH溶液0.5mlを加えて混合する。20分間静置後、この溶液を一定量採り、試験溶液とする。
(2) 分析
上記(1)で得られた試験溶液の一定量を高速液体クロマトグラフに注入し、DNPH誘導体化したホルムアルデヒドのピーク高さ又はピーク面積を求め、下記5により作成した検量線から試験溶液中のホルムアルデヒドの濃度を求め、検水中のホルムアルデヒドの濃度を算定する。
5 検量線の作成
ホルムアルデヒド標準液をメスフラスコ4個以上に採り、それぞれに精製水を加えて、濃度を段階的にした溶液を調製する。この場合、調製した溶液のホルムアルデヒドの濃度は、上記4(1)に示す検水の濃度範囲を超えてはならない。以下上記4(1)及び(2)と同様に操作して、ホルムアルデヒドのピーク高さ又はピーク面積を求め、ホルムアルデヒドの濃度との関係を求める。
6 空試験
精製水10mlを採り、以下上記4(1)及び(2)と同様に操作して試験溶液中のホルムアルデヒドの濃度を求め、検量線の濃度範囲の下限値を下回ることを確認する。
求められた濃度が当該濃度範囲の下限値以上の場合は、是正処置を講じた上で上記4(1)及び(2)と同様の操作を再び行い、求められた濃度が当該濃度範囲の下限値を下回るまで操作を繰り返す。
7 連続試験を実施する場合の措置
オートサンプラーを用いて10以上の試料の試験を連続的に実施する場合には、以下に掲げる措置を講ずる。
(1) おおむね10の試料ごとの試験終了後及び全ての試料の試験終了後に、上記5で調製した溶液の濃度のうち最も高いものから最も低いものまでの間の一定の濃度(以下この7において「調製濃度」という。)に調製した溶液について、上記4(1)及び(2)に示す操作により試験を行い、算定された濃度と調製濃度との差を求める。
(2) 上記(1)により求められた差が調製濃度の±20%の範囲を超えた場合には、是正処置を講じた上で上記(1)で行った試験の前に試験を行ったおおむね10の試料及びそれらの後に試験を行った全ての試料について再び分析を行う。その結果、上記(1)により求められた差が再び調製濃度の±20%の範囲を超えた場合には、上記4及び5の操作により試験し直す。
別表第19の3
(平28厚労告115・追加、平29厚労告87・令2厚労告95・令6厚労告99・一部改正)
誘導体化―液体クロマトグラフ―質量分析法
ここで対象とする項目は、ホルムアルデヒドである。
1 試薬
(1) 精製水
別表第19の1(1)の例による。
(2) 塩化アンモニウム溶液(1w/v%)
(3) アセトニトリル
別表第19の2の1(3)の例による。
(4) リン酸(1+4)
(5) DNPH溶液
別表第19の2の1(5)の例による。
(6) 炭酸ナトリウム(無水)
(7) イソアミルアルコール
別表第19の1(4)の例による。
(8) ヨウ素酸カリウム溶液(0.017mol/L)
別表第13の1(12)の例による。
(9) ヨウ化カリウム
(10) 硫酸(1+5)
(11) でんぷん溶液
別表第13の1(14)の例による。
(12) チオ硫酸ナトリウム溶液(0.1mol/L)
別表第13の1(15)の例による。
(13) ヨウ素溶液
別表第19の1(14)の例による。
(14) 水酸化カリウム溶液(6w/v%)
(15) メチルアルコール
別表第19の1(19)の例による。
(16) ホルムアルデヒド標準原液
別表第19の1(20)の例による。
(17) ホルムアルデヒド標準液
別表第19の2の1(17)の例による。
2 器具及び装置
(1) 液体クロマトグラフ―質量分析計
ア 分離カラム
内径2~5mm、長さ5~15cmのステンレス管に、オクタデシルシリル基を化学結合した粒径が2~5μmのシリカゲルを充填したもの又はこれと同等以上の分離性能を有するもの
イ 移動相
別表第19の2の2(1)イの例による。
ウ 移動相流量
対象物質の最適条件に設定できるもの
例えば、毎分0.2mlの流量で、A液とB液の混合比が1:1のもの
エ 検出器
別表第17の2の2(4)エの例による。
オ モニターイオンを得るための電圧
別表第17の2の2(4)オの例による。
3 試料の採取及び保存
別表第19の2の3の例による。
4 試験操作
(1) 前処理
検水10ml(検水に含まれるホルムアルデヒドの濃度が0.1mg/Lを超える場合には、0.005~0.1mg/Lとなるように精製水を加えて10mlに調製したもの)を採り、リン酸(1+4)0.2ml及びDNPH溶液0.5mlを加えて混合する。20分間静置後、この溶液を一定量採り、試験溶液とする。
(2) 分析
上記(1)で得られた試験溶液の一定量を液体クロマトグラフ―質量分析計に注入し、表1に示すDNPH誘導体化したホルムアルデヒドのモニターイオンのピーク高さ又はピーク面積を求め、下記5により作成した検量線から試験溶液中のホルムアルデヒドの濃度を求め、検水中のホルムアルデヒドの濃度を算定する。
表1 モニターイオンの例