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○健康増進事業実施者に対する健康診査の実施等に関する指針

(平成十六年六月十四日)

(厚生労働省告示第二百四十二号)

健康増進法(平成十四年法律第百三号)第九条第一項の規定に基づき、健康増進事業実施者に対する健康診査の実施等に関する指針を次のように定めたので、同法第九条第三項の規定に基づき公表する。

健康増進事業実施者に対する健康診査の実施等に関する指針

第一 基本的な考え方

健康診査は、疾病を早期に発見し、早期治療につなげること、健康診査の結果を踏まえた栄養指導その他の保健指導(運動指導等生活習慣の改善のための指導を含む。以下同じ。)等を行うことにより、疾病の発症及び重症化の予防並びに生涯にわたる健康の増進に向けた自主的な努力を促進する観点から実施するものである。

なお、健康診査は、大きく「健診」と「検診」に分けられる。健診は、必ずしも特定の疾患自体を確認するものではないが、健康づくりの観点から経時的に値を把握することが望ましい検査群であり、健診の結果、異常がないとしても行動変容につなげる狙いがある。検診は、主に特定の疾患自体を確認するための検査群であり、検診の結果、異常がなければ次の検診まで経過観察を行うことが多いものである。

現在、健康診査、その結果を踏まえた栄養指導その他の保健指導等は、健康増進法第六条に掲げる各法律に基づいた制度において各健康増進事業実施者により行われているが、次のような現状にある。

1 制度間で健康診査における検査項目、検査方法等が異なる場合がある。

2 精度管理が適切に行われていないため、検査結果の比較が困難である。

3 健康診査の結果が、受診者に対する栄養指導その他の保健指導、必要な者に対する再検査、精密検査及び治療のための受診並びに健康の自己管理に必ずしもつながっていない。

4 健康診査の結果を踏まえた集団に対する健康課題の明確化及びそれに基づく栄養指導その他の保健指導が十分でない。

5 健康診査の結果等(栄養指導その他の保健指導の内容を含む。以下同じ。)が各健康増進事業実施者間で継続されず、有効に活用されていない。

6 健康診査の結果等に関する個人情報の保護について必ずしも十分でない。

また、このような状況の中、平成十七年四月に、メタボリックシンドロームの我が国における定義及び診断基準が日本動脈硬化学会、日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本肥満学会、日本循環器学会、日本腎臓病学会、日本血栓止血学会及び日本内科学会から構成されるメタボリックシンドローム診断基準検討委員会において策定された。この定義及び診断基準においては、内臓脂肪の蓄積に着目し、健康診査の結果を踏まえた効果的な栄養指導その他の保健指導を行うことにより、過栄養により生じる複数の病態を効率良く予防し、心血管疾患等の発症予防につなげることが大きな目標とされた。平成二十年四月からは、高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)により、保険者に対して内臓脂肪の蓄積に起因した生活習慣病に関する特定健康診査及び特定健康診査の結果による健康の保持に努める必要がある者に対する保健指導の実施が義務付けられたところである。

また、健康診査の項目や保健指導対象者の基準等については、科学的根拠を踏まえて、定期的な見直しが必要である。

その他、健康診査の結果等を含む医療情報に関しては、医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律(平成二十九年法律第二十八号。以下「次世代医療基盤法」という。)が平成三十年五月から施行されている。

以上を踏まえ、この指針においては、各健康増進事業実施者により適切な健康増進事業が実施されるよう、健康診査の実施、健康診査の結果の通知、その結果を踏まえた栄養指導その他の保健指導の実施等、健康手帳等による健康診査の結果等に関する情報の継続の在り方及び個人情報の取扱いについて、各制度に共通する基本的な事項を定めることとする。

各健康増進事業実施者は、健康診査の実施等に当たり、個人情報の保護等について最大限に配慮するとともに、以下に定める事項を基本的な方向として、国民の健康増進に向けた自主的な取組を進めるよう努めるものとする。

なお、この指針は、必要に応じ、適宜見直すものとする。

第二 健康診査の実施に関する事項

一 健康診査の在り方

1 健康増進事業実施者は、健康診査の対象者に対して、その目的、意義及び実施内容について十分な周知を図り、加齢による心身の特性の変化などライフステージや性差に応じた健康診査の実施等により対象者が自らの健康状態を把握し、もって生涯にわたる健康の増進に資するように努め、未受診者に対して受診を促すよう特に配慮すること。なお、健康診査については、次に掲げる要件を満たすべきものであることから、新たな健康診査の項目等の導入又は見直しに当たっては、これを考慮すること。

(一) 対象とする健康に関連する事象(以下「健康事象」という。)が公衆衛生上重要な課題であること。

(二) 対象とする健康事象の機序及び経過が理解されており、当該健康事象が発生する危険性が高い期間が存在し、検出可能な危険因子及びその指標が存在すること。

(三) 対象とする健康事象又は検出可能な危険因子に対して適切な検査及び診断法が存在し、かつ、科学的知見に基づいた効果的な治療及び介入を早期に実施することにより、より良好な予後をもたらすことを示す科学的根拠があること。

(四) 対象となる健康事象について原則として無症状であること。

(五) 検査の目的と対象集団が明確であり、社会的に妥当な検査であること。

(六) 検査が簡便かつ安全であり、精度及び有効性が明らかで、適切な基準値が設定されていること。

(七) 検査を実施可能な体制が整備されていること。

(八) 事後措置(健康診査の結果等を踏まえた精密検査、保健指導等をいう。以下同じ。)の対象者の選定及び当該措置の実施方法の設定が科学的根拠に基づきなされていること。

(九) 事後措置を実施可能な保健医療体制が整備されていること。

(十) 健診及び検診に関するプログラム(以下「健診・検診プログラム」という。)は、教育、検査診断及び事後措置を包括し、臨床的、社会的及び倫理的に許容されるものであること。

(十一) 健診・検診プログラムは、危険性を最小限にするための質の保証がなされており、起こり得る身体的及び精神的不利益を上回る利益があること。

(十二) 健診・検診プログラムの適切な運用(モニタリング、精度管理等を含む。)を実施する体制が整備されていること。

(十三) 健診・検診プログラムの公平性及びアクセスが対象集団全員に対して保証されていること。

(十四) 健診・検診プログラムを継続して実施可能な人材及び組織体制が確保されていること。

(十五) 健診・検診プログラムの対象者に対し、検査結果及び事後措置に関する科学的根拠に基づく情報が提供され、当該情報を得た上での自己選択及び自律性への配慮がなされていること。

(十六) 健診・検診プログラムを実施することによる死亡率又は有病率の減少効果に関して質の高い科学的根拠があること。

(十七) 健診・検診プログラムに要する費用が社会的に妥当であること。

(十八) 健診・検診プログラムに関し、実施頻度、検査感度等に影響を与える検査手法の変更をする場合には、科学的根拠に基づく決定を行うこと。

2 健康増進事業実施者は、生涯にわたる健康の増進の観点等から、健康診査の実施について、加齢による心身の特性の変化などライフステージや性差に応じた健康課題に対して配慮しつつ、他の制度で健康診査が実施された場合の対応等、各制度間及び制度内の整合性を取るために必要な相互の連携を図ること。

3 健康増進事業実施者は、関係法令を踏まえ、健康診査における検査項目及び検査方法に関し、科学的知見の蓄積等を踏まえて、必要な見直しを行うこと。

4 健康増進事業実施者は、各制度の目的を踏まえつつ、健康診査における検査項目及び検査方法を設定又は見直す場合、加齢による心身の特性の変化などライフステージや性差に応じた健康課題に対して配慮するとともに、科学的知見の蓄積等を踏まえて、疾病の予防及び発見に係る有効性等について検討すること。

5 健康増進事業実施者は、健康診査の検査項目について受診者にあらかじめ周知するとともに、法令上の実施義務が課されている検査項目を除き、受診者が希望しない検査項目がある場合、その意思を尊重すること。また、法令上の実施義務が課されている検査項目を除き、特に個人情報の保護等について最大限に配慮することが望ましい検査項目があるときには、あらかじめ当該検査項目の実施等につき受診者の同意を得ること。

二 健康診査の精度管理

1 健康増進事業実施者は、健康診査の精度管理(健康診査の精度を適正に保つことをいう。以下同じ。)が生涯にわたる個人の健康管理の基盤として重要であることにかんがみ、健康診査における検査結果の正確性を確保するとともに、検査を実施する者や精度管理を実施する者が異なる場合においても、受診者が検査結果を正確に比較できるようにすること。また、必要のない再検査及び精密検査を減らす等必要な措置を講じることにより健康診査の質の向上を図ること。

2 健康増進事業実施者は、健康診査を実施する際には、この指針に定める内部精度管理(健康診査を行う者が自身で行う精度管理をいう。以下同じ。)及び外部精度管理(健康診査を行う者以外の者が行う精度管理をいう。以下同じ。)を適切に実施するよう努めること。また、当該精度管理の実施状況を当該健康増進事業の対象者に周知するよう努めること。

3 健康増進事業実施者は、健康診査の実施に関する内部精度管理として、標準物質が存在する健診項目については当該健診項目に係る標準物質を用いるとともに、次に掲げる事項を考慮した規程を作成する等適切な措置を講じるよう努めること。

(一) 健康診査の実施の管理者の配置等管理体制に関する事項

(二) 健康診査の実施の手順に関する事項

(三) 健康診査の安全性の確保に関する事項

(四) 検査方法、検査結果の基準値、判定基準等検査結果の取扱いに関する事項

(五) 検体の採取条件、検体の保存条件、検体の提出条件等検査の実施に関する事項

(六) 検査用機械器具、試薬、標準物質等の管理について記録すること及びその記録を保存することに関する事項

(七) 検査結果の保存及び管理に関する事項

4 健康増進事業実施者は、検査値の精度等が保証されたものとなるよう健康診査に関する外部精度管理として、全国規模で実施される外部精度管理調査を定期的に受けること、複数の異なる外部精度管理調査を受けること等により、自ら実施する健康診査について必要な外部精度管理の実施に努めること。

5 健康増進事業実施者は、健康診査の実施の全部又は一部を委託する場合は、委託先に対して前二号に規定する内部精度管理及び外部精度管理を適切に実施するよう要請するとともに、当該内部精度管理及び外部精度管理を適切に実施しているか並びに医療法施行規則(昭和二十三年厚生省令第五十号)第九条の七に定める検査業務の精度の確保に係る基準に適合しているかについての報告を求める等健康診査の実施につき委託先に対して適切な管理を行うこと。また、委託先が検体検査の業務を衛生検査所等に再委託する場合には、同令第九条の八に定める受託業務及び臨床検査技師等に関する法律施行規則(昭和三十三年厚生省令第二十四号)第十一条に定める衛生検査所の検査業務の精度の確保に係る基準に適合する者に再委託しなければならないことを踏まえ、健康増進事業実施者が委託先に適切な措置を講じさせること。なお、この場合に委託先は、再委託先の行為について責任を負うこと。

6 健康増進事業実施者は、研修の実施等により健康診査を実施する者の知識及び技能の向上を図るよう努めること。

第三 健康診査の結果の通知及び結果を踏まえた栄養指導その他の保健指導に関する事項

1 健康増進事業実施者は、健康診査の実施後できる限り速やかに受診者に健康診査の結果を通知すること。

2 健康増進事業実施者は、健康診査の結果を本人に通知することにとどまらず、その結果に基づき、必要な者には、再検査、精密検査及び治療のための受診の勧奨を行うとともに、疾病の発症及び重症化の予防又は生活習慣の改善のために栄養指導その他の保健指導を実施すること。栄養指導その他の保健指導の内容には、食生活、運動、休養、飲酒、喫煙、歯の健康の保持その他の生活習慣の改善を含む健康増進に関する事項、疾病を理解するための情報の提供を含むこと。

3 健康増進事業実施者は、栄養指導その他の保健指導の実施に当たっては、健康診査の結果(過去のものを含む)、健康診査の受診者の発育・発達の状況、生活状況、就労状況、生活習慣等を十分に把握し、生活習慣の改善に向けての行動変容の方法を本人が選択できるよう配慮するとともに、加齢による心身の特性の変化などライフステージや性差に応じた内容とすること。例えば、壮年期においては、内臓脂肪の蓄積を共通の要因として、糖代謝異常、脂質代謝異常、高血圧の状態が重複した場合に、心血管疾患等の発症可能性が高まることから、これらの発症及び重症化の予防の効果を高めるため、栄養指導その他の保健指導は、健康診査の結果から対象者本人が身体状況を理解し、生活習慣の改善の必要性を認識し、行動目標を自らが設定し実行できるよう、個人の行動変容を促すものとすること。また、栄養指導その他の保健指導は、個人又は集団を対象として行う方法があり、それぞれの特性を踏まえ、適切に組み合わせて実施すること。個人に対して、栄養指導その他の保健指導を行う際は、その内容の記録を本人へ提供するよう努めること。また、健康診査の受診者の勤務形態に配慮した上で栄養指導その他の保健指導の時間を確保する等栄養指導その他の保健指導を受けやすい環境づくりに配慮すること。

4 健康増進事業実施者は、健康診査の結果を通知する際に適切な栄養指導その他の保健指導ができるように、その実施体制の整備を図ること。さらに受診者の求めに応じ、検査項目に関する情報、健康診査の結果、専門的知識に基づく助言その他の健康の増進に向けて必要な情報について提供又は受診者の相談に応じることができるように必要な措置を講じること。

5 健康増進事業実施者は、栄養指導その他の保健指導に従事する者に対する研修の実施、栄養指導その他の保健指導の評価に努めること等により栄養指導その他の保健指導の質の向上を図ること。

6 健康増進事業実施者は、栄養指導その他の保健指導の実施の全部又は一部を委託する場合は、委託先が栄養指導その他の保健指導を適切に行っているかについて、報告を求める等委託先に対して適切な管理を行うこと。

7 地方公共団体、健康増進事業実施者、医療機関その他の関係者は、健康診査の結果の通知等の実施に関し、健康づくり対策、介護予防及び産業保健等の各分野における対策並びに医療保険の保険者が実施する対策を講じるために、相互の連携(以下「地域・職域の連携」という。)を図ること。

地域・職域の連携の推進に当たり、健康診査の結果等に関する情報(以下「健診結果等情報」という。)の継続、栄養指導その他の保健指導の実施の委託先に関する情報の共有など健康診査の実施、栄養指導その他の保健指導の実施等に係る資源の有効活用、自助努力では充実した健康増進事業の提供が困難な健康増進事業実施者への支援等の観点から有益であるため、関係機関等から構成される協議会等を設置すること。この場合、広域的な観点で地域・職域の連携を推進するため都道府県単位で関係機関等から構成される協議会等を設置するとともに、より地域の特性を生かす観点から、地域単位(保健所の所管区域等)においても関係機関等から構成される協議会等を設置するよう努めること。なお、関係機関等から構成される協議会等が既に設置されている場合は、その活用を行うこと。

協議会等の事業については、参考として次に掲げるものが考えられる。

(一) 都道府県単位

イ 情報の交換及び分析

ロ 都道府県における健康課題の明確化

ハ 各種事業の共同実施及び連携

ニ 研修会の共同実施

ホ 各種施設等の相互活用

ヘ その他保健事業の推進に必要な事項

(二) 地域単位

イ 情報の交換及び分析

ロ 地域における健康課題の明確化

ハ 保健事業の共同実施及び相互活用

ニ 健康教育等への講師派遣

ホ 個別の事例での連携

ヘ その他保健事業の推進に必要な事項

なお、協議会等の開催に当たっては、「地域・職域連携推進ガイドライン」(令和元年九月これからの地域・職域連携推進の在り方に関する検討会取りまとめ)を活用すること。

8 健康増進事業実施者は、事前及び事後措置も含めた健診・検診プログラム全体としての評価を行うことが望ましい。また、評価を行う場合には、各々の健診及び検診事業に応じ、ストラクチャー評価(実施するための仕組みや実施体制の評価)、プロセス評価(目的の達成に向けた過程の評価)、アウトプット評価(目的達成のために行われる事業の結果の評価)及びアウトカム評価(目的の達成状況の評価)に分類の上、行うことが必要である。

第四 健康診査の結果等に関する情報の継続の在り方に関する事項

1 健康増進事業実施者においては、健診結果等情報を継続させていくことが受診者の健康の自己管理に役立ち、疾病の発症及び重症化の予防の観点から重要であり、生涯にわたる健康の増進に重要な役割を果たすことを認識し、健康増進事業の実施に当たっては、個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十八号)、独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十九号)、地方公共団体において個人情報の保護に関する法律第十一条第一項の趣旨を踏まえて制定される条例等(以下「個人情報保護法令」という。)を遵守しつつ、生涯を通じた継続的な自己の健康管理の観点から、健診結果等情報を継続させるために必要な措置を講じることが望ましいこと。健康診査等の結果の写しの提供が予定されている場合には、原則として、各健診及び検診において、その結果等を、別途定める標準的な電磁的記録の形式により提供するよう努めること、又は、健康診査の実施の全部又は一部を委託する場合には、原則として、委託先に対して、当該形式による健康診査の結果等の提出を要請するよう努めること。

2 生涯にわたり継続されていくことが望ましい健診結果等情報は、健康診査の結果、栄養指導その他の保健指導の内容、既往歴(アレルギー歴を含む。)、主要な服薬歴、予防接種の種類、接種時期等の記録、輸血歴等であること。なお、生涯を通じた継続的な自己の健康管理の観点から、できる限り長期間、本人等が健診結果等情報を参照できるようにすることが望ましいこと。

3 健診結果等情報の継続は、電磁的な健康手帳等を活用することにより、健康の自己管理の観点から本人が主体となって行うことを原則とすること。この場合、統一された生涯にわたる健康手帳の交付等により、健診結果等情報を継続することが望まれる。一方、各制度の下で交付されている既存の健康手帳等はその目的、記載項目等が異なり、また、健康手帳等に本人以外の個人情報が含まれる場合等があるなど、既存の健康手帳等を統一し生涯にわたる健康手帳等とする場合に留意しなければならない事項があることから、まずは健康増進事業実施者が各制度の下において既に交付し又は今後交付する健康手帳等を活用することにより、健診結果等情報の継続を図っていくこととすること。

4 生涯にわたり健診結果等情報を継続させるための健康手帳等は、ライフステージ及び性差に応じた健康課題に対して配慮しつつ、その内容として、健康診査の結果の記録に係る項目、生活習慣に関する記録に係る項目、健康の増進に向けた自主的な取組に係る項目、受診した医療機関等の記録に係る項目、健康の増進に向けて必要な情報及び知識に係る項目等が含まれることが望ましいこと。また、その様式等としては、記載が容易であること、保管性及び携帯性に優れていること等について工夫されたものであり、将来的には電磁的な様式に統一されることが強く望まれること。

5 健康増進事業実施者は、健診結果等情報の継続のため、次に掲げる事項を実施するよう努めること。

(一) 健診結果等情報を継続して健康管理に役立たせていくように本人に働きかけること。

(二) 職場、住所等を異動する際において、本人が希望する場合には、異動元の健康増進事業実施者が一定期間保存及び管理している健康診査の結果を本人に提供するとともに異動先の健康増進事業実施者に同情報を提供するように本人に対し勧奨し、又は、個人情報保護法令により必要な場合には本人の同意を得た上で、異動先の健康増進事業実施者に健診結果等情報を直接提供する等健診結果等情報を継続するために必要な工夫を図ること。

(三) 健康診査の実施の全部又は一部を委託する場合においては、当該委託契約の中で、委託先である健康診査の実施機関が健康診査の結果を有している場合には、健康診査の受診者本人の請求に基づき、健康診査の実施機関から直接開示を行うことが可能となることを明記する等必要な工夫を図ること。

6 健康増進事業実施者は、次世代医療基盤法に基づく次世代医療基盤法第九条第一項に定める認定匿名加工医療情報作成事業者に対する健診結果等情報の提供について、任意ではあるが、自らの医療情報の提供が、匿名加工医療情報の利活用による医療分野の研究開発の促進を通じ、国民に提供される医療の進歩に資することを踏まえ、協力を検討すること。

第五 健康診査の結果等に関する個人情報の取扱いに関する事項

1 健康増進事業実施者は、健康診査の結果等に関する個人情報について適正な取扱いの厳格な実施を確保することが必要であることを認識し、個人情報保護法令を遵守すること。

2 健康増進事業実施者は、その取り扱う個人情報の漏えい、滅失又はき損の防止その他の個人情報の安全管理のために必要かつ適切な措置として、守秘義務規程の整備、個人情報の保護及び管理を行う責任者の設置、従業者への教育研修の実施、苦情受付窓口の設置、不正な情報入手の防止等の措置を講じるよう努めること。

3 健康増進事業実施者は、個人情報の取扱いの全部又は一部を委託する場合は、その取扱いを委託された個人情報の安全管理が図られるよう、委託を受けた者に対する必要かつ適切な監督として、委託契約の内容に記載する等により、委託を受けた者に前号に規定する措置を講じさせること。

4 健康増進事業実施者は、前号までに掲げた内容を含む個人情報の取扱いに係る方針を策定、公表及び実施し、必要に応じ見直し及び改善を行っていくよう努めること。

5 健康増進事業実施者が、個人情報保護法令に従いその取扱う個人情報を公衆衛生の向上を目的として行う疫学研究のために研究者等に提供する場合、あらかじめ当該研究者等に対して、関係する指針を遵守する等適切な対応をすることを確認すること。

第六 施行期日

この指針は、健康増進法第九条の施行の日から施行するものとする。

(施行の日=平成一六年八月一日)

改正文 (平成一九年一〇月二九日厚生労働省告示第三四九号) 抄

平成二十年四月一日から適用する。