添付一覧
C10H12N5Na2O8P 分子量 407.18
Disodium guanosine 5'―monophosphate [5550―12―9]
含量 本品を乾燥したものは、5′―グアニル酸二ナトリウム(C10H12N5Na2O8P)97.0~102.0%を含む。
性状 本品は、無~白色の結晶又は白色の粉末で、特異な味がある。
確認試験
(1) 本品の水溶液(3→10000)3mLにオルシノール・エタノール試液0.2mLを加え、更に硫酸アンモニウム鉄(Ⅲ)・塩酸試液3mLを加え、水浴中で10分間加熱するとき、液は、緑色を呈する。
(2) 本品の水溶液(1→100)5mLにマグネシア試液2mLを加えるとき、沈殿を生じない。次に、硝酸7mLを加え、10分間煮沸した後、水酸化ナトリウム溶液(1→25)を加えて中和した液は、リン酸塩(2)の反応を呈する。
(3) 本品20mgに塩酸(1→1000)1000mLを加えて溶かした液は、波長254~258nmに吸収極大がある。
(4) 本品は、ナトリウム塩の反応を呈する。
pH 7.0~8.5(1.0g、水20mL)
純度試験
(1) 溶状 無色、ほとんど澄明(0.10g、水10mL)
(2) 鉛 Pbとして1μg/g以下(4.0g、第3法、比較液 鉛標準液4.0mL、フレーム方式)
(3) ヒ素 Asとして3μg/g以下(0.50g、第1法、標準色 ヒ素標準液3.0mL、装置B)
(4) 吸光度比 本品20mgを量り、塩酸(1→1000)を加えて溶かし、1000mLとする。この液の波長250nm、260nm及び280nmにおける吸光度A1、A2及びA3を測定するとき、A1/A2は0.95~1.03、A3/A2は0.63~0.71である。
(5) 他の核酸分解物「5′―イノシン酸二ナトリウム」の純度試験(5)を準用する。
乾燥減量 25.0%以下(120℃、4時間)
定量法 本品約0.5gを精密に量り、塩酸(1→1000)を加えて溶かして正確に1000mLとする。この液10mLを正確に量り、塩酸(1→1000)を加えて正確に250mLとし、検液とする。波長260nmにおける検液の吸光度Aを測定し、次式により含量を求める。
5′―グアニル酸二ナトリウム(C10H12N5Na2O8P)の含量(%)=250/M×A/289.8×100
ただし、M:乾燥物換算した試料の採取量(g)
FA017150
E00099
クエルセチン
Quercetin
ケルセチン
C15H10O7 分子量 302.24
2―(3,4―dihydroxyphenyl)―3,5,7―trihydroxychromen―4―one [117―39―5]
定義 本品は、ルチン(抽出物)(アズキ(Vigna angularis (Willd.) Ohwi et H. Ohashi)の全草、エンジュ(Styphnolobium japonicum (L.) Schott (Sophora japonica L.))のつぼみ若しくは花又はソバ(Fagopyrum esculentum Moench)の全草から得られた、ルチンを主成分とするものをいう。)を加水分解して得られた、クエルセチンを成分とするものである。
含量 本品を乾燥物換算したものは、クエルセチン(C15H10O7)94.0%以上を含む。
性状 本品は、黄色の粉末で、わずかに特異なにおいがある。
確認試験 定量法の試料液及び標準液2につき、定量法の操作条件で液体クロマトグラフィーを行うとき、試料液の主ピークの保持時間は、標準液2のクエルセチンのピークの保持時間と一致する。
純度試験
(1) 鉛 Pbとして2μg/g以下(2.0g、第1法、比較液 鉛標準液4.0mL、フレーム方式)
(2) ヒ素 Asとして3μg/g以下(0.50g、第3法、標準色 ヒ素標準液3.0mL、装置B)
乾燥減量 13.0%以下(135℃、2時間)
定量法 本品約13mgを精密に量り、メタノールで正確に100mLとし、試料液とする。この試料液5mL及び定量用内標準液5mLを正確に量り、混合し、検液とする。ただし、定量用内標準液は、定量用p―ヒドロキシ安息香酸メチル5mgを精密に量り、メタノールで正確に100mLとしたものとする。別に定量用内標準液5mLを量り、メタノールを加えて10mLとし、標準液1とする。また、クエルセチン二水和物10mgを量り、メタノールで100mLとし、標準液2とする。検液、標準液1及び標準液2をそれぞれ10μLずつ量り、次の操作条件で液体クロマトグラフィーを行う。検液につき、p―ヒドロキシ安息香酸メチル及びクエルセチンのピーク面積AH及びAQを測定し、次式によりクエルセチンの含量を求める。ただし、検液中のp―ヒドロキシ安息香酸メチル及びクエルセチンは、標準液1及び標準液2との保持時間の比較により同定する。
クエルセチンの含量(%)=MH/MT×AQ/AH×MWQ/MWH×1/RMS×P
ただし、
MH:定量用p―ヒドロキシ安息香酸メチルの採取量(mg)
MT:乾燥物換算した試料の採取量(mg)
MWQ:クエルセチンの分子量(302.24)
MWH:p―ヒドロキシ安息香酸メチルの分子量(152.15)
RMS:クエルセチンのp―ヒドロキシ安息香酸メチルに対する相対モル感度(1.41)
P:定量用p―ヒドロキシ安息香酸メチルの純度(%)
操作条件
検出器 紫外吸光光度計(測定波長 255nm)
カラム充填剤 5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲル
カラム管 内径4.6mm、長さ25cmのステンレス管
カラム温度 40℃
移動相 水/アセトニトリル/リン酸混液(700:300:1)
流量 p―ヒドロキシ安息香酸メチルの保持時間が約10分になるように調整する。
FA017200
T01020
クエン酸
Citric Acid
C6H8O7・nH2O(n=1又は0) 分子量 1水和物 210.14 無水物 192.12
2―Hydroxypropane―1,2,3―tricarboxylic acid monohydrate [5949―29―1]
2―Hydroxypropane―1,2,3―tricarboxylic acid [77―92―9]
定義 本品には結晶物(1水和物)及び無水物があり、それぞれをクエン酸(結晶)及びクエン酸(無水)と称する。
含量 本品を無水物換算したものは、クエン酸(C6H8O7)99.5%以上を含む。
性状 本品は、無色透明の結晶、粒若しくは塊又は白色の粉末であり、においがなく、強い酸味がある。
確認試験
(1) 本品の水溶液(1→10)は、酸性である。
(2) 本品は、クエン酸塩の反応を呈する。
純度試験
(1) 硫酸塩 SO4として0.048%以下(0.50g、比較液 0.005mol/L硫酸0.50mL)
(2) 鉛 Pbとして0.5μg/g以下(8.0g、第1法、比較液 鉛標準液4.0mL、フレーム方式)
(3) カルシウム 本品1.0gを量り、水10mLを加えて溶かし、アンモニア試液を加えて中和した後、シュウ酸アンモニウム一水和物溶液(1→30)1mLを加えるとき、濁らない。
(4) ヒ素 Asとして3μg/g以下(0.50g、第1法、標準色 ヒ素標準液3.0mL、装置B)
(5) シュウ酸塩 本品1.0gを量り、水10mLを加えて溶かし、塩化カルシウム二水和物溶液(2→25)2mLを加えるとき、濁らない。
(6) イソクエン酸 本品0.5gを量り、105℃で3時間加熱する。冷後、アセトン10mLを加えて溶かし、検液とする。検液5μLを量り、対照液を用いず、ろ紙クロマトグラフィーを行うとき、一つのスポット以外にスポットを認めない。ただし、ろ紙は、クロマトグラフィー用ろ紙を用い、展開溶媒が約25cm上昇したとき展開を止め、十分に風乾した後、クエン酸用ブロモフェノールブルー試液を噴霧する。なお、展開溶媒は、1―ブタノール/ギ酸/水混液(8:3:2)を一夜静置した後、その上層を用いる。
(7) 硫酸呈色物 本品0.5gを量り、硫酸呈色物用硫酸5mLを加え、90±1℃で1時間加熱して溶かした液の色は、比色標準液Kより濃くない。
水分 結晶物 8.8%以下(0.2g、容量滴定法、直接滴定)
無水物 0.5%以下(2g、容量滴定法、直接滴定)
強熱残分 0.1%以下
定量法 本品約1.5gを精密に量り、水を加えて溶かして正確に250mLとし、この液25mLを正確に量り、0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液で滴定する(指示薬 フェノールフタレイン試液2~3滴)。さらに、無水物換算を行う。
0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液1mL=6.404mg C6H8O7
FA017300
T01030
クエン酸イソプロピル
Isopropyl Citrate
Mixture of 1―methylethyl esters of 2―hydroxypropane―1,2,3―tricarboxylic acid and glycerol esters of fatty acids
定義 本品は、クエン酸イソプロピル及びグリセリン脂肪酸エステルの混合物である。
性状 本品は、無~白色の油状又はろう状の物質であり、においがなく、静置するとき、結晶が析出することがある。
確認試験
(1) 本品2gに水酸化ナトリウム溶液(1→25)50mLを加えて加熱した後、蒸留して留液20mLをとり、A液とする。冷後、残留液に硫酸(1→20)を加えて中和した液は、クエン酸塩(2)の反応を呈する。
(2) (1)のA液を検液とする。別に2―プロパノールの希釈液(1→5)を調製し、標準液とする。検液及び標準液をそれぞれ1.0μLずつ量り、次の操作条件でガスクロマトグラフィーを行うとき、検液の主ピークの保持時間は、標準液の2―プロパノールのピークの保持時間と一致する。
操作条件
検出器 水素炎イオン化検出器
カラム 内径0.25mm、長さ60mのフューズドシリカ管の内面に、ガスクロマトグラフィー用25%ジフェニル75%ジメチルポリシロキサンを1.40μmの厚さで被覆したもの
カラム温度 40℃で6分間保持した後、毎分5℃で110℃まで昇温し、110℃を10分間保持する。
注入口温度 200℃
検出器温度 250℃
キャリヤーガス 窒素又はヘリウム
流量 2―プロパノールの保持時間が約10分になるように調整する。
注入方式 スプリット
スプリット比 1:100
純度試験
(1) 鉛 Pbとして2μg/g以下(2.0g、第1法、比較液 鉛標準液4.0mL、フレーム方式)
(2) ヒ素 Asとして1μg/g以下(1.5g、第3法、標準色 ヒ素標準液3.0mL、装置B)
強熱残分 0.3%以下
FA017350
T01035
クエン酸三エチル
Triethyl Citrate
C12H20O7 分子量 276.28
1,2,3―Triethyl 2―hydroxypropane―1,2,3―tricarboxylate [77―93―0]
含量 本品は、クエン酸三エチル(C12H20O7)99.0%以上を含む。
性状 本品は、無色の油状の液体で、においがないか又はわずかに特有のにおいがある。
確認試験 本品を赤外吸収スペクトル測定法中の液膜法により測定し、本品のスペクトルを参照スペクトルと比較するとき、同一波数のところに同様の強度の吸収を認める。
屈折率 画像515 (4KB)
比重 画像516 (4KB)
純度試験
(1) 遊離酸 クエン酸として0.02%以下
本品32.0gを正確に量り、エタノール(95)30mLを加え、0.1mol/L水酸化カリウム溶液で滴定するとき、その消費量は、1.0mL以下である。ただし、エタノール(95)は、ブロモチモールブルー試液数滴を指示薬として黄緑色を呈するまで0.1mol/L水酸化カリウム溶液を加える。
(2) 鉛 Pbとして2μg/g以下(5.0g、第1法、比較液 鉛標準液10mL、フレーム方式)
(3) ヒ素 Asとして3μg/g以下(0.5g、第1法、標準色 ヒ素標準液3.0mL、装置B)
水分 0.25%以下(5g、容量滴定法、直接滴定)
定量法 香料試験法中の香料のガスクロマトグラフィーの面積百分率法の操作条件(1)により定量する。ただし、カラム温度は、150℃から毎分5℃で230℃まで昇温し、230℃を24分間保持する。
参照スペクトル
クエン酸三エチル
FA017400
T01040
クエン酸一カリウム
Monopotassium Citrate
C6H7KO7 分子量 230.21
Monopotassium dihydrogen 2―hydroxypropane―1,2,3―tricarboxylate [866―83―1]
含量 本品を乾燥物換算したものは、クエン酸一カリウム(C6H7KO7)99.0%以上を含む。
性状 本品は、無色の結晶又は白色の結晶性の粉末であり、においがない。
確認試験 本品は、カリウム塩の反応及びクエン酸塩(2)の反応を呈する。
pH 3.0~4.2(1.0g、水20mL)
純度試験
(1) 溶状 無色、ほとんど澄明(1.0g、水20mL)
(2) 硫酸塩 SO4として0.024%以下(1.0g、比較液 0.005mol/L硫酸0.50mL)
(3) 鉛 Pbとして2μg/g以下(2.0g、第3法、比較液 鉛標準液4.0mL、フレーム方式)
(4) ヒ素 Asとして3μg/g以下(0.50g、第1法、標準色 ヒ素標準液3.0mL、装置B)
乾燥減量 0.5%以下(105℃、3時間)
定量法 本品約0.4gを精密に量り、非水滴定用酢酸30mLを加え、加温して溶かす。冷後、0.1mol/L過塩素酸で滴定する。終点の確認には、通例、電位差計を用いる。指示薬(クリスタルバイオレット・酢酸試液1mL)を用いる場合の終点は、液の紫色が青色を経て緑色に変わるときとする。別に空試験を行い補正し、更に乾燥物換算を行う。
0.1mol/L過塩素酸1mL=23.02mg C6H7KO7
FA017500
―
クエン酸三カリウム
Tripotassium Citrate
C6H5K3O7・H2O 分子量 324.41
Tripotassium 2―hydroxypropane―1,2,3―tricarboxylate monohydrate [6100―05―6]
含量 本品を乾燥物換算したものは、クエン酸三カリウム(C6H5K3O7=306.39)99.0%以上を含む。
性状 本品は、無色の結晶又は白色の結晶性の粉末であり、においがない。
確認試験 本品は、カリウム塩の反応及びクエン酸塩(2)の反応を呈する。
pH 7.6~9.0(1.0g、水20mL)
純度試験
(1) 溶状 無色、ほとんど澄明(1.0g、水20mL)
(2) 硫酸塩 SO4として0.024%以下(1.0g、比較液 0.005mol/L硫酸0.50mL)
(3) 鉛 Pbとして2μg/g以下(2.0g、第3法、比較液 鉛標準液4.0mL、フレーム方式)
(4) ヒ素 Asとして3μg/g以下(0.50g、第1法、標準色 ヒ素標準液3.0mL、装置B)
乾燥減量 6.5%以下(200℃、2時間)
定量法 本品約0.2gを精密に量り、非水滴定用酢酸30mLを加え、加温して溶かす。冷後、0.1mol/L過塩素酸で滴定する。終点の確認には、通例、電位差計を用いる。指示薬(クリスタルバイオレット・酢酸試液1mL)を用いる場合の終点は、液の紫色が青色を経て緑色に変わるときとする。別に空試験を行い補正し、更に乾燥物換算を行う。
0.1mol/L過塩素酸1mL=10.21mg C6H5K3O7
FA017600
T01050
クエン酸カルシウム
Calcium Citrate
C12H10Ca3O14・4H2O 分子量 570.49
Tricalcium bis(2―hydroxypropane―1,2,3―tricarboxylate)tetrahydrate [5785―44―4]
含量 本品を乾燥したものは、クエン酸カルシウム(C12H10Ca3O14=498.43)97.0%以上を含む。
性状 本品は、白色の粉末であり、においがない。
確認試験
(1) 本品を300~400℃で1時間強熱して得た残留物は、カルシウム塩の反応を呈する。
(2) 本品0.5gに水10mL及び硝酸(1→10)2.5mLを加えて溶かした液は、クエン酸塩(2)の反応を呈する。
pH 5.5~8.0(5%懸濁液)
純度試験
(1) 塩酸不溶物 0.060%以下
本品5.0gを量り、塩酸10mL及び水50mLを加え、30分間水浴上で加熱した後、水を加えて200mLとし、定量分析用ろ紙(5種C)でろ過する。ろ紙上の残留物を洗液が塩化物の反応を呈さなくなるまで熱湯で洗い、ろ紙と共に徐々に加熱して炭化した後、450~550℃で3時間強熱し、残留物の質量を量る。
(2) 塩化物 Clとして0.007%以下
本品1.0gを量り、硝酸(1→10)10mLを加え、加熱して溶かす。冷後、水を加えて50mLとし、検液とする。比較液は、0.01mol/L塩酸0.20mLに硝酸(1→10)6mL及び水を加えて50mLとする。
(3) 硫酸塩 SO4として0.024%以下
本品1.0gを量り、塩酸(1→4)10mLを加え、加熱して溶かす。冷後、水を加えて50mLとし、検液とする。比較液は、0.005mol/L硫酸0.50mLに塩酸(1→4)1mL及び水を加えて50mLとする。
(4) 鉛 Pbとして2μg/g以下(2.0g、第5法、比較液 鉛標準液4.0mL、フレーム方式)
本品に塩酸(1→4)20mLを加え、時計皿等で覆い、穏やかに15分間沸騰させる。冷後、水30mLを加え、試料液とする。なお、試料が溶けない場合には、蒸発乾固し、残留物に塩酸(1→4)20mLを加え、時計皿等で覆い、穏やかに5分間沸騰させる。冷後、水30mLを加え、試料液とする。ただし、第5法に示すクエン酸水素二アンモニウム溶液(1→2)の量を50mLに変更し、指示薬はブロモチモールブルー試液1mLを用い、アンモニア水を液の黄色が黄緑色に変わるまで加える。
(5) ヒ素 Asとして3μg/g以下(0.50g、標準色 ヒ素標準液3.0mL、装置B)
本品に塩酸(1→4)5mLを加え、加熱して溶かし、検液とする。
乾燥減量 10.0~14.0%(150℃、4時間)
定量法 本品を乾燥し、その約1gを精密に量り、塩酸(1→4)10mLを加えて溶かし、更に水を加えて正確に50mLとし、検液とする。カルシウム塩定量法の第1法により定量する。
0.05mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム溶液1mL=8.307mg C12H10Ca3O14
FA017700
T01060
クエン酸第一鉄ナトリウム
Sodium Ferrous Citrate
クエン酸鉄ナトリウム
Iron(Ⅱ) sodium salt of 2―hydroxypropane―1,2,3―tricarboxylic acid
含量 本品は、鉄(Fe=55.85)10.0~11.0%を含む。
性状 本品は、緑白~帯緑黄色の粉末で、においがない。
確認試験
(1) 本品の水溶液(1→100)5mLに塩酸(1→4)1mL及び新たに調製したヘキサシアノ鉄(Ⅲ)酸カリウム溶液(1→10)0.5mLを加えるとき、液は、青色を呈する。
(2) 本品の水溶液(1→100)5mLにアンモニア水2mLを加えるとき、液は、赤褐色を呈するが、沈殿は生じない。
(3) 本品3gを500~600℃で3時間強熱して得た残留物は、ナトリウム塩の反応を呈する。
(4) 本品0.5gに水5mL及び水酸化カリウム溶液(1→25)10mLを加え、よくかき混ぜながら10分間水浴中で加熱する。冷後、ろ過する。ろ液の一部をとり、酢酸(1→2)で中和し、過量の塩化カルシウム二水和物溶液(3→40)を加えて煮沸するとき、白色の結晶性の沈殿を生じる。沈殿を分離し、この一部に水酸化ナトリウム溶液(1→25)を加えるとき、沈殿は溶けないが、他の一部に塩酸(1→4)を加えるとき、溶ける。
純度試験
(1) 硫酸塩 SO4として0.48%以下
本品0.40gを量り、水50mLを加えて溶かし、更に水を加えて100mLとする。この液10mLを量り、塩酸(1→4)1mL及び塩化ヒドロキシルアンモニウム0.1gを加え、1分間煮沸する。冷後、水を加えて50mLとし、検液とする。比較液は、0.005mol/L硫酸0.40mLに塩酸(1→4)1mL及び水を加えて50mLとする。
(2) 鉄(Ⅲ)塩 本品2.0gを量り、共栓フラスコに入れ、塩酸5mL及び水30mLを加えて溶かし、ヨウ化カリウム4gを加え、栓をして暗所に15分間放置する。次にデンプン試液2mLを加えてよく振り混ぜるとき、着色しても、これに0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液1.0mLを加えるとき、色は消える。
(3) 鉛 Pbとして2μg/g以下(2.0g、第3法、比較液 鉛標準液4.0mL、フレーム方式)
(4) ヒ素 Asとして3μg/g以下(1.0g、標準色 ヒ素標準液6.0mL、装置B)
本品に水10mL、硫酸1mL及び亜硫酸水10mLを加え、約2mLになるまで蒸発濃縮した後、水を加えて10mLとし、この液5mLを量り、検液とする。別に、ヒ素標準液に水10mL、硫酸1mL及び亜硫酸水10mLを加え、約2mLになるまで蒸発濃縮した後、水を加えて10mLとする。この液5mLを量り、以下検液と同様に操作し、標準色とする。
(5) 酒石酸塩 本品1.0gを量り、水5mL及び水酸化カリウム溶液(1→15)10mLを加え、よくかき混ぜながら10分間水浴中で加熱する。冷後、ろ過する。ろ液5mLを量り、酢酸(1→4)で弱酸性とし、酢酸2mLを加えて24時間放置するとき、白色の結晶性の沈殿を生じない。
定量法 本品約1gを精密に量り、共栓フラスコに入れ、硫酸(1→20)25mL及び硝酸2mLを加え、10分間煮沸する。冷後、水20mL及びヨウ化カリウム4gを加え、直ちに密栓して暗所に15分間放置した後、水100mLを加え、遊離したヨウ素を0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する(指示薬デンプン試液1~3mL)。ただし、デンプン試液は、終点近くで液が薄い黄色になったときに加え、終点は、液の色が消えるときとする。別に空試験を行い、補正する。
0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液1mL=5.585mg Fe
FA017800
T01070
クエン酸鉄
Ferric Citrate
Iron(Ⅲ) salt of 2―hydroxypropane―1,2,3―tricarboxylic acid
含量 本品は、鉄(Fe=55.85)16.5~18.5%を含む。
性状 本品は、褐色の粉末又は赤褐色の透明な小葉片である。
確認試験 本品は、鉄(Ⅲ)塩の反応及びクエン酸塩(2)の反応を呈する。
純度試験
(1) 溶状 ほとんど澄明
本品1.0gを量り、水20mLを加え、水浴中で加熱して溶かし、検液とする。
(2) 硫酸塩 SO4として0.48%以下
「クエン酸第一鉄ナトリウム」の純度試験(1)を準用する。
(3) アンモニウム塩 本品1.0gを量り、水10mL及び水酸化カリウム溶液(1→15)5mLを加えて煮沸するとき、アンモニアのにおいがしない。
(4) 鉛 Pbとして2μg/g以下(2.0g、第5法、比較液 鉛標準液4.0mL、フレーム方式)
本品に塩酸(1→4)20mLを加え、時計皿等で覆い、穏やかに5分間沸騰させる。冷後、試料液とする。なお、試料が溶けない場合には、蒸発乾固した後、残留物に塩酸(1→4)20mLを加え、穏やかに5分間沸騰させる。冷後、試料液とする。
(5) ヒ素 Asとして3μg/g以下(1.0g、標準色 ヒ素標準液3.0mL、装置B)
本品に水5mL、硫酸1mL及び亜硫酸水10mLを加え、約2mLになるまで蒸発濃縮した後、水を加えて10mLとし、この液5mLを量り、検液とする。
定量法 本品約1gを精密に量り、共栓フラスコに入れ、塩酸5mL及び水30mLを加え、加熱して溶かす。冷後、ヨウ化カリウム4gを加え、直ちに密栓して暗所に15分間放置した後、水100mLを加え、遊離したヨウ素を0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する(指示薬 デンプン試液1~3mL)。ただし、デンプン試液は、終点近くで液が薄い黄色になったときに加え、終点は、液の色が消えるときとする。別に空試験を行い、補正する。
0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液1mL=5.585mg Fe
FA017900
T01080
クエン酸鉄アンモニウム
Ferric Ammonium Citrate
Ammonium iron(Ⅲ) salt of 2―hydroxypropane―1,2,3―tricarboxylic acid [1185―57―5]
含量 本品は、鉄(Fe=55.85)14.5~21.0%を含む。
性状 本品は、緑色、赤褐色、深赤色、褐色又は帯褐黄色で、透明なりん片状結晶、粉末、粒又は塊であり、においがないか、又はわずかにアンモニア臭があり、弱い鉄味がある。
確認試験
(1) 本品の水溶液(1→10)5mLに水酸化ナトリウム溶液(1→25)5mLを加えて加熱するとき、アンモニアのにおいを発し、赤褐色の沈殿を生じる。
(2) 本品の水溶液(1→100)にアンモニア試液を加えるとき、黒色を呈し、沈殿を生じない。
(3) 本品の水溶液(1→10)10mLに水酸化カリウム溶液(1→15)4mLを加えて加熱し、ろ過する。ろ液4mLをとり、酢酸(1→4)を加えて微酸性とする。冷後、塩化カルシウム二水和物溶液(3→40)2mLを加えて煮沸するとき、白色の結晶性の沈殿を生じる。
純度試験
(1) 硫酸塩 SO4として0.48%以下
「クエン酸第一鉄ナトリウム」の純度試験(1)を準用する。
(2) 鉛 Pbとして2μg/g以下(2.0g、第5法、比較液 鉛標準液4.0mL、フレーム方式)
本品に塩酸(1→4)20mLを加え、時計皿等で覆い、穏やかに5分間沸騰させる。冷後、試料液とする。なお、試料が溶けない場合には、蒸発乾固した後、残留物に塩酸(1→4)20mLを加え、穏やかに5分間沸騰させる。冷後、試料液とする。
(3) ヒ素 Asとして3μg/g以下(1.0g、標準色 ヒ素標準液3.0mL、装置B)
本品に水5mL、硫酸1mL及び亜硫酸水10mLを加え、約2mLになるまで蒸発濃縮した後、水を加えて10mLとし、この液5mLを量り、検液とする。
(4) クエン酸鉄(Ⅲ) 本品0.10gを量り、水10mLを加えて溶かし、新たに調製したヘキサシアノ鉄(Ⅱ)酸カリウム三水和物溶液(1→10)1滴を加えるとき、青色の沈殿を生じない。
定量法 本品約1gを精密に量り、共栓フラスコに入れ、水25mLを加えて溶かす。塩酸5mL及びヨウ化カリウム4gを加え、直ちに密栓して暗所に15分間放置した後、水100mLを加え、遊離したヨウ素を0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する(指示薬 デンプン試液1~3mL)。ただし、デンプン試液は、終点近くで液が薄い黄色になったときに加え、終点は、液の色が消えるときとする。別に空試験を行い、補正する。
0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液1mL=5.585mg Fe
FA018000
T01090
クエン酸三ナトリウム
Trisodium Citrate
クエン酸ナトリウム
C6H5Na3O7・nH2O(n=2又は0) 分子量 2水和物 294.10 無水物 258.07
Trisodium 2―hydroxypropane―1,2,3―tricarboxylate dihydrate [6132―04―3]
Trisodium 2―hydroxypropane―1,2,3―tricarboxylate [68―04―2]
定義 本品には結晶物(2水和物)及び無水物があり、それぞれをクエン酸三ナトリウム(結晶)及びクエン酸三ナトリウム(無水)と称する。
含量 本品を乾燥したものは、クエン酸三ナトリウム(C6H5Na3O7)99.0%以上を含む。
性状 本品は、無色の結晶又は白色の粉末であり、においがなく、清涼な塩味がある。
確認試験 本品は、ナトリウム塩の反応及びクエン酸塩(2)の反応を呈する。
pH 7.6~9.0(1.0g、水20mL)
純度試験
(1) 溶状 無色、ほとんど澄明(1.0g、水20mL)
(2) 硫酸塩 SO4として0.024%以下(1.0g、比較液 0.005mol/L硫酸0.50mL)
(3) 鉛 Pbとして2μg/g以下(2.0g、第3法、比較液 鉛標準液4.0mL、フレーム方式)
(4) ヒ素 Asとして3μg/g以下(0.50g、第1法、標準色 ヒ素標準液3.0mL、装置B)
乾燥減量 結晶物 10.0~13.0%(180℃、2時間)
無水物 1.0%以下(180℃、2時間)
定量法 本品を乾燥し、その約0.2gを精密に量り、非水滴定用酢酸30mLを加え、加温して溶かす。冷後、0.1mol/L過塩素酸で滴定する。終点の確認には、通例、電位差計を用いる。指示薬(クリスタルバイオレット・酢酸試液1mL)を用いる場合の終点は、液の紫色が青色を経て緑色に変わるときとする。別に空試験を行い、補正する。
0.1mol/L過塩素酸1mL=8.602mg C6H5Na3O7
FA018100
E00100
クチナシ青色素
Gardenia Blue
定義 本品は、クチナシ(Gardenia jasminoides J. Ellis (Gardenia augusta Merr.))の果実から得られたイリドイド配糖体とタンパク質分解物の混合物にβ―グルコシダーゼを添加して得られたものである。デキストリン又は乳糖を含むことがある。
色価 本品の色価(画像522 (2KB)
)は50以上で、その表示量の90~110%を含む。
性状 本品は、暗紫~青色の粉末、塊、ペースト又は液体で、わずかに特異なにおいがある。
確認試験
(1) 本品の表示量から、色価50に換算して0.2gに相当する量を量り、クエン酸緩衝液(pH7.0)100mLに溶かした液は、青~青紫色を呈する。
(2) 本品をクエン酸緩衝液(pH7.0)に溶かした液は、波長570~610nmに吸収極大がある。
(3) 本品の表示量から、色価50に換算して0.2gに相当する量を量り、水を加えて100mLとし、この液5mLに塩酸1~2滴を加えた後、次亜塩素酸ナトリウム試液1~3滴を加えるとき、速やかに色が消える。
(4) 本品の表示量から色価50に換算して0.2gに相当する量を量り、水を加えて100mLとし、この液5mLに水酸化ナトリウム溶液(1→25)5mLを加え、40~43℃で20分間加熱するとき、明らかな色の変化は認められない。
純度試験
(1) 鉛 Pbとして2μg/g以下(2.0g、第1法、比較液 鉛標準液4.0mL、フレーム方式)
(2) ヒ素 Asとして3μg/g以下(0.50g、第3法、標準色 ヒ素標準液3.0mL、装置B)
(3) メタノール 0.10%以下(色価50に換算)
本品の表示量から、色価50に換算して1.00gに相当する量を10mLのメスフラスコに正確に量り、水を加えて溶かし、内標準液2mLを正確に加えた後、更に水を加えて10mLとし、試料液とする。グラファイトカーボンミニカラム(500mg)にエタノール(95)4mL、続いて水10mLを注入し、流出液は捨てる。このカラムに正確に1mLの試料液を注入し、流出液を5mLのメスフラスコにとる。次に、水を注ぎ、流出液の総量が5mLになるまで青色素が溶出しないような速さで流し、得られた流出液を検液とする。別にメタノール0.50gを量り、水を加えて正確に100mLとする。この液10mLを正確に量り、水を加えて正確に100mLとする。さらに、この液2mLを正確に量り、内標準液2mLを正確に加えた後、水を加えて正確に50mLとし、比較液とする。ただし、2―プロパノール0.50gを量り、水を加えて100mLとし、更にこの液10mLを量り、水を加えて100mLとし、内標準液とする。検液及び比較液をそれぞれ2.0μLずつ量り、次の操作条件でガスクロマトグラフィーを行うとき、検液の2―プロパノールのピーク面積に対するメタノールのピーク面積の比は、比較液の2―プロパノールのピーク面積に対するメタノールのピーク面積の比を超えない。
操作条件
検出器 水素炎イオン化検出器
カラム充填剤 180~250μmのガスクロマトグラフィー用スチレン―ジビニルベンゼン系多孔性樹脂
カラム管 内径3~4mm、長さ1~2mのガラス管又はステンレス管
カラム温度 120℃付近の一定温度
注入口温度 160~200℃
キャリヤーガス 窒素又はヘリウム
流量 メタノールの保持時間が2~4分になるように調整する。
色価測定 色価測定法により次の操作条件で試験を行う。
操作条件
測定溶媒 クエン酸緩衝液(pH7.0)
測定波長 波長570~610nmの吸収極大の波長
FA018200
E00101
クチナシ赤色素
Gardenia Red
定義 本品は、クチナシ(Gardenia jasminoides J. Ellis (Gardenia augusta Merr.))の果実から得られたイリドイド配糖体のエステル加水分解物とタンパク質分解物の混合物にβ―グルコシダーゼを添加して得られたものである。デキストリン又は乳糖を含むことがある。
色価 本品の色価(画像523 (2KB)
)は50以上で、その表示量の90~110%を含む。
性状 本品は、暗赤紫~赤色の粉末、塊、ペースト又は液体で、わずかに特異なにおいがある。
確認試験
(1) 本品の表示量から、色価50に換算して0.2gに相当する量を量り、酢酸緩衝液(pH4.0)100mLに溶かした液は、赤~赤紫色を呈する。
(2) 本品を酢酸緩衝液(pH4.0)に溶かした液は、波長520~545nmに吸収極大がある。
(3) 本品の表示量から、色価50に換算して0.2gに相当する量を量り、水を加えて100mLとし、この液5mLに塩酸1~2滴を加えた後、次亜塩素酸ナトリウム試液1~3滴を加えるとき、速やかに色は消える。
(4) 本品の表示量から色価50に換算して0.2gに相当する量を量り、水を加えて100mLとし、検液とする。検液5mLに水酸化ナトリウム溶液(1→25)5mLを加えてアルカリ性にするとき、濁りを生じる場合があるが、明らかな色の変化は認められない。また、検液5mLに塩酸1~3滴を加えるとき、濁りを生じる場合があるが、明らかな色の変化は認められない。
純度試験
(1) 鉛 Pbとして2μg/g以下(2.0g、第1法、比較液 鉛標準液4.0mL、フレーム方式)
(2) ヒ素 Asとして3μg/g以下(0.50g、第3法、標準色 ヒ素標準液3.0mL、装置B)
色価測定 色価測定法により次の操作条件で試験を行う。
操作条件
測定溶媒 酢酸緩衝液(pH4.0)
測定波長 波長520~545nmの吸収極大の波長
FA018300
E00102
クチナシ黄色素
Gardenia Yellow
定義 本品は、クチナシ(Gardenia jasminoides J. Ellis(Gardenia augusta Merr.))の果実から得られた、クロシン及びクロセチンを主成分とするものである。デキストリン又は乳糖を含むことがある。
色価 本品の色価(画像524 (2KB)
)は100以上で、その表示量の90~120%を含む。
性状 本品は、黄~暗赤色の粉末、塊、ペースト又は液体で、わずかに特異なにおいがある。
確認試験
(1) 本品の表示量から色価100に換算して0.1gに相当する量を量り、水酸化ナトリウム試液(0.02mol/L)100mLを加えるとき、黄色を呈する。
(2) 本品の表示量から色価100に換算して0.1gに相当する量を量り、水酸化ナトリウム試液(0.02mol/L)100mLを加えて50℃の水浴中で20分間加温し、振り混ぜながら溶かした液は、波長410~425nmに吸収極大がある。
(3) 本品の表示量から色価100に換算して0.1gに相当する量を量り、必要な場合には水浴上で蒸発乾固し、冷却した後、硫酸5mLを加えるとき、青色を呈し、次いで紫色を経て褐色に変わる。
(4) 本品の表示量から色価100に換算して1gに相当する量を量り、水酸化ナトリウム試液(0.02mol/L)100mLを加えて50℃の水浴中で20分間加温し、必要な場合には振り混ぜて溶かし、検液とする。検液5μLを量り、対照液を用いず、テトラヒドロフラン/アセトニトリル/シュウ酸二水和物溶液(1→80)混液(8:7:7)を展開溶媒として薄層クロマトグラフィーを行い、展開溶媒の先端が原線から約10cmの高さに上昇したとき展開を止め、風乾するとき、Rf値が0.4~0.6付近に黄色のスポットを認める。ただし、薄層板には、薄層クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを担体とし、110℃で1時間乾燥したものを使用する。
純度試験
(1) 鉛 Pbとして8μg/g以下(0.50g、第1法、比較液 鉛標準液4.0mL、フレーム方式)
(2) ヒ素 Asとして3μg/g以下(0.50g、第3法、標準色 ヒ素標準液3.0mL、装置B)
(3) ゲニポシド 0.5%以下(色価100に換算)
本品の表示量から色価100に換算して1.0gに相当する量を量り、水/アセトニトリル混液(17:3)を加えて正確に25mLとし、必要な場合には遠心分離し、上澄液を検液とする。別にゲニポシドをデシケーターで24時間乾燥した後、その約10mgを精密に量り、水/アセトニトリル混液(17:3)に溶かし、正確に100mLとする。さらに、この液1mL、5mL及び10mLを正確に量り、水/アセトニトリル混液(17:3)を加えてそれぞれ正確に100mLとした液を標準液とする。検液及び標準液をそれぞれ10μLずつ量り、次の操作条件で液体クロマトグラフィーを行う。それぞれの標準液のゲニポシドのピーク面積を測定し、検量線を作成する。この検量線と検液のゲニポシドのピーク面積から検液中のゲニポシドの濃度(μg/mL)を求め、次式によりゲニポシドの量を求める。
ゲニポシドの量(色価100に換算)(%)=検液中のゲニポシド濃度(μg/mL)×0.0025
操作条件
検出器 紫外吸光光度計(測定波長 238nm)
カラム充填剤 5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲル
カラム管 内径4~5mm、長さ15~30cmのステンレス管
カラム温度 40℃
移動相 水/アセトニトリル混液(17:3)
流量 ゲニポシドの保持時間が約15分になるように調整する。
色価測定 本品の表示量から、色価100に換算して約5gに相当する量を精密に量り、水酸化ナトリウム試液(0.02mol/L)50mLを加えて50℃の水浴中で20分間加温し、必要な場合には振り混ぜながら溶かし、水を加えて正確に100mLとする。その1mLを正確に量り、50vol%エタノールを加えて正確に100mLとし、必要な場合には遠心分離し、上澄液を検液とする。50vol%エタノールを対照として、波長410~425nmの吸収極大の波長における、層長1cmでの吸光度Aを測定し、次式により色価を求める。
ただし、M:試料の採取量(g)
FA018400
T01100
グリシン
Glycine
C2H5NO2 分子量 75.07
Aminoacetic acid [56―40―6]
含量 本品を乾燥物換算したものは、グリシン(C2H5NO2)98.5~101.5%を含む。
性状 本品は、白色の結晶又は結晶性の粉末で、甘味がある。
確認試験
(1) 本品の水溶液(1→1000)5mLにニンヒドリン溶液(1→1000)1mLを加え、3分間加熱するとき、液は、紫色を呈する。
(2) 本品の水溶液(1→10)5mLに塩酸(1→4)5滴及び新たに調製した亜硝酸ナトリウム溶液(1→10)1mLを加えるとき、無色のガスを発する。この液5滴を小試験管に入れ、しばらく煮沸し、次に水浴上で蒸発乾固する。冷後、残留物にクロモトロープ酸試液5~6滴を加え、水浴中で10分間加熱するとき、濃紫色を呈する。
pH 5.5~7.0(1.0g、水20mL)
純度試験
(1) 溶状 無色、澄明(1.0g、水10mL)
(2) 塩化物 Clとして0.021%以下(0.50g、比較液 0.01mol/L塩酸0.30mL)
(3) 鉛 Pbとして2μg/g以下(2.0g、第1法、比較液 鉛標準液4.0mL、フレーム方式)
(4) ヒ素 Asとして3μg/g以下(0.50g、第1法、標準色 ヒ素標準液3.0mL、装置B)
乾燥減量 0.3%以下(105℃、3時間)
強熱残分 0.1%以下
定量法 本品約0.15gを精密に量り、以下「DL―アラニン」の定量法を準用する。
0.1mol/L過塩素酸1mL=7.507mg C2H5NO2
FA018500
T01110
グリセリン
Glycerol
グリセロール
C3H8O3 分子量 92.09
Propane―1,2,3―triol [56―81―5]
含量 本品は、グリセリン(C3H8O3)95.0%以上を含む。
性状 本品は、無色の粘稠な液体であり、においがなく、甘味がある。
確認試験 本品2~3滴に硫酸水素カリウム0.5gを加えて加熱するとき、アクロレインようのにおいを発する。
比重 画像528 (4KB)
純度試験
(1) 鉛 Pbとして2μg/g以下(2.0g、第1法、比較液 鉛標準液4.0mL、フレーム方式)
(2) ヒ素 Asとして3μg/g以下(10g、標準色 ヒ素標準液3.0mL、装置B)
本品に水を加えて100mLとし、この液5mLを量り、検液とする。
(3) 塩素化合物 Clとして0.003%以下
本品5.0gを量り、還流冷却器付フラスコに入れ、モルホリン15mLを加えて3時間穏やかに加熱還流する。冷後、水10mLで還流冷却器を洗い、洗液をフラスコに入れ、次に内容液を硝酸で酸性とする。この液を比色管に入れ、硝酸銀溶液(1→50)0.5mLを加え、更に水を加えて50mLとした液の濁度は、比較液より濃くない。比較液は、0.01mol/L塩酸0.40mLを用い、加熱還流を除き、試料と同様に操作して調製する。
(4) 還元性物質 本品3.0mLを量り、水5mLを加えて溶かし、アンモニア試液0.5mLを加え、60℃の水浴中で5分間加熱するとき、液は、黄色を呈さない。次に硝酸銀溶液(1→10)0.5mLを加えて振り混ぜ、暗所に5分間放置した液の濁度は、比較液の濁度より濃くない。比較液の調製には、ピロガロール・グリセリン溶液(3→100000)を用い、検液の調製と同様に操作して行う。
強熱残分 0.01%以下(10g)
定量法 本品約0.5gを速やかに精密に量り、水を加えて正確に500mLとする。この液50mLを正確に量り、水約200mLを加え、硫酸(3→1000)又は水酸化ナトリウム溶液(1→250)を用い、pH7.9±0.1に調整する。次にグリセリン用過ヨウ素酸ナトリウム試液50mLを加え、穏やかにかき混ぜ、時計皿等で蓋をし、暗所に30分間放置した後、水/エチレングリコール混液(1:1)10mLを加えて振り混ぜ、更に20分間暗所に放置する。次にギ酸ナトリウム溶液(1→15)5mLを加え、pH7.9±0.2になるまで0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液で滴定する。別に空試験を行う。なお、試験には全て水(二酸化炭素除去)を用いる。
0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液1mL=9.209mg C3H8O3
FA018600
T01120
グリセリン脂肪酸エステル
Glycerol Esters of Fatty Acids
定義 本品は、脂肪酸とグリセリン又はポリグリセリンのエステル及びその誘導体である。本品には、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、グリセリン酢酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン縮合リシノール酸エステルがある。
性状 本品は、無~褐色の粉末、薄片、粒、ろう状の塊、半流動体又は液体であり、においがないか、又は特異なにおいがある。
確認試験
(1) 本品約5g(グリセリン酢酸エステルの場合は1.5g)に3.5w/v%水酸化カリウム・エタノール試液50mLを加え、還流冷却器を付け、水浴中で1時間加熱した後、ほぼ乾固状態になるまでエタノールを留去する。次に塩酸(1→10)50mLを加えてよく振り混ぜ、生じた脂肪酸を石油エーテル/2―ブタノン混液(7:1)40mLずつで3回抽出して分離する。この水層をよくかき混ぜ、水酸化ナトリウム溶液(1→9)を加えてほぼ中性にした後、水浴中で減圧下に濃縮して、残留物を得る。この残留物のメタノール溶液(1→10)を検液とする。検液5μLにつき、メタノール/グリセリン混液(9:1)を対照液とし、アセトン/水混液(9:1)を展開溶媒として薄層クロマトグラフィーを行い、展開溶媒の先端が原線から約15cmの高さに上昇したとき展開を止め、風乾し、110℃で10分間加熱して溶媒を除く。冷後、チモール・硫酸試液を噴霧した後、110℃で20分間加熱して呈色させるとき、グリセリンエステルの場合には対照液と同位置に褐色のスポットを認め、また、ポリグリセリンエステルの場合には対照液と同位置以下に褐色のスポット又は褐色の帯状のスポットを認める。ただし、薄層板には、薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを担体とし、110℃で1時間乾燥したものを使用する。
(2) グリセリン酢酸エステルの場合を除き、(1)で分離して得た石油エーテル・2―ブタノン層を合わせ、溶媒を留去するとき、油状物又は白~黄白色の固体が残る。この残留物0.1gにジエチルエーテル5mLを加えて振り混ぜるとき溶ける。
(3) グリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリンエステルの場合を除き、(1)の残留物0.1gを硫酸試液(0.005mol/L)2mLに溶かし、検液とする。別にグリセリン酢酸脂肪酸エステル及びグリセリン酢酸エステルの場合は酢酸10mgを、グリセリン乳酸脂肪酸エステルの場合には「乳酸ナトリウム」20mgを、グリセリンクエン酸脂肪酸エステルの場合にはクエン酸一水和物10mgを、グリセリンコハク酸脂肪酸エステルの場合には「コハク酸」10mgを、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルの場合は酢酸10mg及びL(+)―酒石酸10mgを量り、それぞれ硫酸試液(0.005mol/L)2mLに溶かし、それぞれの標準液とする。検液及び標準液をそれぞれ20μLずつ量り、次の操作条件で液体クロマトグラフィーを行うとき、検液には、標準液に認められるピークと同一の保持時間のところにピークを認める。
操作方法
検出器 示差屈折計
カラム充填剤 液体クロマトグラフィー用強酸性陽イオン交換樹脂
カラム管 内径8mm、長さ30cmのステンレス管
カラム温度 60℃
移動相 硫酸試液(0.005mol/L)
流量 0.7mL/分
(4) ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルの場合、(1)で分離して得た石油エーテル・2―ブタノン層を合わせ、この液を水50mLずつで2回洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で加温して溶媒を除去する。残留物約1gを精密に量り、油脂類試験法の水酸基価の試験を行うとき、その値は、150~170である。ただし、酸価の測定には残留物約0.5gを用いる。
純度試験
(1) 酸価 グリセリン脂肪酸エステル 6.0以下(油脂類試験法)
グリセリン酢酸脂肪酸エステル 6.0以下(油脂類試験法)
グリセリン乳酸脂肪酸エステル 6.0以下(油脂類試験法)
グリセリン酢酸エステル 6.0以下(油脂類試験法)
ポリグリセリン脂肪酸エステル 12以下(油脂類試験法)
ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル 12以下(油脂類試験法)
グリセリンクエン酸脂肪酸エステル 100以下(油脂類試験法)
グリセリンコハク酸脂肪酸エステル 60~120(油脂類試験法)
グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル 60~120(油脂類試験法)
(2) 鉛 Pbとして2μg/g以下(2.0g、第2法、比較液 鉛標準液4.0mL、フレーム方式)
(3) ヒ素 Asとして3μg/g以下(0.50g、第3法、標準色 ヒ素標準液3.0mL、装置B)
(4) ポリオキシエチレン 本品1.0gを量り、200mLのフラスコに入れ、3.5w/v%水酸化カリウム・エタノール試液25mLを加え、すり合わせの還流冷却器を付け、水浴上で時々振り混ぜながら1時間加熱する。次に、水浴上又は減圧下でほぼ乾固状態になるまでエタノールを留去し、硫酸(3→100)20mLを加えて加温しながらよく振り混ぜる。これにチオシアン酸アンモニウム・硝酸コバルト(Ⅱ)試液15mLを加え、よく振り混ぜた後、クロロホルム10mLを加え、再び振り混ぜ、放置するとき、クロロホルム層は、青色を呈さない。
強熱残分 1.5%以下
FA018700
T01130
グリセロリン酸カルシウム
Calcium Glycerophosphate
C3H7CaO6P 分子量 210.14
Mixture of monocalcium 2,3―dihydroxypropanyl phosphate and monocalcium 1,3―dihydroxypropan―2―yl phosphate [27214―00―2]
含量 本品を乾燥物換算したものは、グリセロリン酸カルシウム(C3H7CaO6P)98.0%以上を含む。
性状 本品は、白色の粉末であり、においがなく、わずかに苦味がある。
確認試験 本品1gに5℃以下の水10mLを加え、よく振り混ぜ、検液とする。
(1) 検液を煮沸するとき、白色の結晶を析出する。
(2) 検液3mLに酢酸鉛(Ⅱ)試液2~3滴を加えるとき、白色の凝乳状の沈殿を生じ、これに硝酸3mLを追加するとき、沈殿は溶ける。
(3) 検液は、カルシウム塩の反応及びグリセロリン酸塩の反応を呈する。
純度試験
(1) 溶状 わずかに微濁(1.0g、水50mL)
(2) エタノール可溶物 1.0%以下
本品1.0gを量り、エタノール(99.5)25mLを加えて振り混ぜてろ過する。ろ液を水浴上で蒸発し、残留物を60℃で1時間乾燥し、その質量を量る。
(3) 遊離アルカリ 本品1.0gを量り、水60mLを加えて溶かし、フェノールフタレイン試液5滴を加えて0.05mol/L硫酸で滴定するとき、その消費量は、1.5mL以下である。
(4) 塩化物 Clとして0.071%以下(0.25g、比較液 0.01mol/L塩酸0.50mL)
(5) 硫酸塩 SO4として0.048%以下(0.50g、比較液 0.005mol/L硫酸0.50mL)
(6) リン酸塩 PO4として0.040%以下
本品1.0gを量り、硝酸(1→10)10mLを加えて溶かし、冷モリブデン酸アンモニウム試液10mLを加えて10分間放置するとき、その液の濁度は、比較液の濁度より濃くない。比較液は、リン酸二水素カリウム0.192gを量り、水100mLを加えて溶かし、この液3.0mLを量り、硝酸(1→10)を加えて100mLとする。この液10mLを量り、冷モリブデン酸アンモニウム試液10mLを加えて10分間放置する。
(7) 鉛 Pbとして2μg/g以下(2.0g、第5法、比較液 鉛標準液4.0mL、フレーム方式)
本品に塩酸(1→4)20mLを加え、時計皿等で覆い、穏やかに15分間沸騰させる。冷後、水30mLを加え、試料液とする。なお、試料が溶けない場合には、蒸発乾固し、残留物に塩酸(1→4)20mLを加え、時計皿等で覆い、穏やかに5分間沸騰させる。冷後、水30mLを加え、試料液とする。ただし、第5法に示すクエン酸水素二アンモニウム溶液(1→2)の量を50mLに変更し、指示薬にはブロモチモールブルー試液1mLを用い、アンモニア水を液の黄色が黄緑色に変わるまで加える。
(8) ヒ素 Asとして3μg/g以下(1.0g、標準色 ヒ素標準液3.0mL、装置B)
本品に水25mLを加えて溶かし、硫酸1mL及び亜硫酸水10mLを加え、約2mLになるまで蒸発濃縮した後、更に水を加えて10mLとする。この液5mLを量り、検液とする。
乾燥減量 13%以下(0.5g、150℃、4時間)
定量法 本品約1gを精密に量り、塩酸(1→4)10mLを加えて溶かし、更に水を加えて正確に50mLとし、検液とする。カルシウム塩定量法の第1法により定量する。さらに、乾燥物換算を行う。
0.05mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム溶液1mL=10.51mg C3H7CaO6P
FA018800
T01140
グリチルリチン酸二ナトリウム
Disodium Glycyrrhizinate
C42H60Na2O16 分子量 866.90
20β―Carboxy―11―oxo―30―norolean―12―en―3β―yl(sodiumβ―D―glucopyranosyluronate)―(1→2)―(sodium β―D―glucopyranosiduronate)
含量 本品を無水物換算したものは、グリチルリチン酸二ナトリウム(C42H60Na2O16)95.0~102.0%を含む。
性状 本品は、白~淡黄色の粉末であり、味が極めて甘い。
確認試験
(1) 本品0.5gに塩酸(1→10)10mLを加え、10分間穏やかに煮沸した後、冷却し、ろ過する。ろ紙上の残留物は、よく水洗し、105℃で1時間乾燥する。乾燥物のエタノール(95)溶液(1→1000)1mLにジブチルヒドロキシトルエン・エタノール(95)溶液(1→100)0.5mL及び水酸化ナトリウム溶液(1→5)1mLを加え、水浴中でエタノールを揮散させながら30分間加熱するとき、残留液中に赤紫~紫色の浮遊物を生じる。
(2) (1)のろ液1mLに1,3―ジヒドロキシナフタレン10mg及び塩酸5滴を加え、1分間穏やかに煮沸した後、5分間放置し、直ちに冷却する。この液にトルエン3mLを加えて振り混ぜるとき、トルエン層は、赤紫色を呈する。
(3) 本品の強熱残分は、ナトリウム塩の反応を呈する。
pH 5.5~6.5(1.0g、水20mL)
純度試験
(1) 溶状 本品0.50gを量り、水5mLを加えて溶かした液は、澄明で、液の色は、比色標準液Iより濃くない。
(2) 塩化物 Clとして0.014%以下
本品0.50gを量り、硝酸(1→10)6mL及び水10mLを加えて10分間穏やかに煮沸した後、ろ過し、ろ紙上の残留物を少量の水で2回洗い、洗液をろ液に合わせ、液が着色している場合には、過酸化水素1mLを加え、水浴上で10分間加熱する。冷後、析出物をろ過し、ろ紙上の残留物を少量の水で2回洗い、洗液をろ液に合わせ、水を加えて50mLとし、検液とする。比較液は、0.01mol/L塩酸0.20mLに硝酸(1→10)6mL及び水を加えて50mLとする。
(3) 硫酸塩 SO4として0.029%以下
本品0.50gを量り、塩酸(1→4)5mL及び水10mLを加え、10分間穏やかに煮沸した後、ろ過し、ろ紙上の残留物を少量の水で2回洗い、洗液をろ液に合わせ、アンモニア試液で中和する。液が着色している場合には、過酸化水素1mLを加え、水浴上で10分間加熱する。冷後、必要な場合にはろ過し、ろ紙上の残留物を少量の水で2回洗い、洗液をろ液に合わせ、水を加えて50mLとし、検液とする。比較液は、0.005mol/L硫酸0.30mLに塩酸(1→4)1mL及び水を加えて50mLとする。
(4) 鉛 Pbとして2μg/g以下(2.0g、第3法、比較液 鉛標準液4.0mL、フレーム方式)
(5) ヒ素 Asとして3μg/g以下(1.5g、標準色 ヒ素標準液9.0mL、装置B)
本品を量り、ケルダールフラスコに入れ、硫酸10mL及び硝酸10mLを加え、白煙が発生するまで加熱する。液がなお褐色を呈する場合には、冷後、硝酸2mLを追加して加熱する。この操作を液が無~淡黄色となるまで繰り返す。冷後、シュウ酸アンモニウム一水和物溶液(1→25)15mLを加え、再び白煙が発生するまで加熱する。冷後、水を加えて25mLとし、この液10mLを量り、検液とする。別に、ヒ素標準液を量り、ケルダールフラスコに入れ、硫酸10mL及び硝酸10mLを加え、白煙が発生するまで加熱する。冷後、シュウ酸アンモニウム一水和物溶液(1→25)15mLを加え、再び白煙が発生するまで加熱する。冷後、水を加えて25mLとし、この液10mLを量り、以下検液の場合と同様に操作し、標準色とする。
水分 13.0%以下(0.2g、容量滴定法、逆滴定)
強熱残分 15.0~18.0%(無水物換算)
定量法 本品約0.1gを精密に量り、水を加えて溶かして正確に1000mLとする。この液10mLを正確に量り、水を加えて正確に25mLとし、検液とする。別にニコチン酸アミド標準品を減圧デシケーター中で4時間乾燥した後、その約50mgを精密に量り、水を加えて溶かして正確に1000mLとする。この液10mLを正確に量り、水を加えて正確に25mLとし、標準液とする。検液につき、水を対照として波長259nmにおける吸光度ATを測定する。次に標準液につき、水を対照として波長261nmにおける吸光度ASを測定し、次式により含量を求める。
ただし、
MS:ニコチン酸アミド標準品の採取量(g)
MT:無水物換算した試料の採取量(g)
F:1.093
FA018900
E00106
グルカナーゼ
Glucanase
定義 本品は、担子菌(Pycnoporus coccineusに限る。)、糸状菌(Aspergillus aculeatus、Aspergillus niger、Geosmithia emersonii、Humicola insolens、Penicillium emersonii、Penicillium funiculosum、Rasamsonia emersonii、Rhizopus delemar、Trichoderma harzianum、Trichoderma longibrachiatum、Trichoderma reesei及びTrichoderma virideに限る。)、酵母(Saccharomyces属に限る。)、放線菌(Streptomyces avermitilis、Streptomyces griseus、Streptomyces thermoviolaceus及びStreptomyces violaceoruberに限る。)又は細菌(Arthrobacter属、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus subtilis、Cellulosimicrobium cellulans、Lysobacter enzymogenes、Paenibacillus curdlanolyticus及びPseudomonas paucimobilisに限る。)の培養物から得られた、β―D―グルカンを加水分解する酵素である。食品(賦形、粉末化、希釈、安定化、保存又は力価調整の目的に限る。)又は添加物(賦形、粉末化、希釈、安定化、保存、pH調整又は力価調整の目的に限る。)を含むことがある。
性状 本品は、白~濃褐色の粉末、粒若しくはペースト又は無~濃褐色の液体であり、においがないか、又は特異なにおいがある。
確認試験 本品は、グルカナーゼ活性試験法のいずれかに適合する。
純度試験
(1) 鉛 Pbとして5μg/g以下(0.80g、第1法、比較液 鉛標準液4.0mL、フレーム方式)
ただし、検液の調製において、残留物が硝酸(1→100)5mLに溶けない場合には、第3法により操作する。
(2) ヒ素 Asとして3μg/g以下(0.50g、第5法、標準色 ヒ素標準液3.0mL、装置B)
微生物限度 微生物限度試験法により試験を行うとき、本品1gにつき、生菌数は50000以下である。また、大腸菌及びサルモネラは認めない。ただし、生菌数試験の試料液は第3法、大腸菌試験及びサルモネラ試験の前培養液はそれぞれ第3法及び第2法により調製する。
グルカナーゼ活性試験法 次の方法により試験を行う。なお、記載された方法で確認試験を行うことができない場合、基質、試料希釈倍率、緩衝液及び反応温度については、科学的に正当な理由であると認められる場合に限り変更することができる。
第1法 本品0.50gを量り、水を加えて溶解若しくは均一に分散して50mLとしたもの又はこれを更に水を用いて10倍、100倍、1000倍若しくは10000倍に希釈したものを試料液とする。
カードラン2.0gを量り、水を加えて100mLとし、よく振り混ぜ均一に懸濁させたものを基質懸濁液とする。用時調製する。
L字型試験管に基質懸濁液1mLを量り、pH7.0のリン酸ナトリウム緩衝液(0.1mol/L)又はpH4.0の酢酸緩衝液(0.1mol/L)5mLを加え、37℃で5分間加温した後、振とうしながら試料液1mLを加える。この液を振とうしながら37℃で30分間加温した後、塩酸試液(0.5mol/L)1mLを加えて混和した後、毎分3500回転で15分間遠心分離し、上澄液1mLにフェノール溶液(1→20)1mLをそれぞれ加え、更に硫酸5mLを速やかに加えて激しくかき混ぜ検液とする。別に基質懸濁液1mLを量り、pH7.0のリン酸ナトリウム緩衝液(0.1mol/L)又はpH4.0の酢酸緩衝液(0.1mol/L)5mLを加え、塩酸試液(0.5mol/L)1mLを加えて混和した後、試料液1mLを加えて毎分3500回転で15分間遠心分離し、以下検液の調製と同様に操作し、比較液とする。検液及び比較液につき、波長490nmにおける吸光度を測定するとき、検液の吸光度は、比較液の吸光度よりも大きい。
第2法 本品0.50gを量り、水若しくはpH5.0の酢酸緩衝液(0.1mol/L)を加えて溶解若しくは均一に分散して50mLとしたもの又はこれを更に水若しくは同緩衝液を用いて10倍、100倍若しくは1000倍に希釈したものを試料液とする。
β―グルカン(大麦由来)3.75gを量り、水150mLに懸濁し、水浴中で振り混ぜながら10分間加熱して溶かす。冷後、この液にpH5.0の酢酸緩衝液(1mol/L)25mLを加え、更に水を加えて250mLとしたものを基質溶液とする。冷蔵保存で2週間以内に使用する。
試験管に基質溶液1.75mLを量り、50℃で5分間加温した後、試料液0.25mLを加えて直ちに混和して50℃で10分間加温する。この液に3,5―ジニトロサリチル酸試液2mLを加えてよく混和し、試験管にガラス玉を乗せて蓋をして水浴中で15分間加熱した後、水中で冷却し、水10mLを加え、検液とする。別に試験管に基質溶液1.75mLを量り、3,5―ジニトロサリチル酸試液2mLを加えてよく混和した後、試料液0.25mLを加えて、試験管にガラス玉を乗せて蓋をして水浴中で15分間加熱した後、水中で冷却し、水10mLを加え、比較液とする。検液及び比較液につき、波長540nmにおける吸光度を測定するとき、検液の吸光度は、比較液の吸光度よりも大きい。
なお、吸光度を測定する検液及び比較液に濁りがある場合には、遠心分離を行い、上澄液について測定する。
第3法 本品0.50gを量り、水を加えて溶解若しくは均一に分散して50mLとしたもの又はこれを更に水を用いて10倍、100倍若しくは1000倍に希釈したものを試料液とする。
乾燥酵母(グルカナーゼ活性試験用)をpH7.0のリン酸緩衝液(0.005mol/L)に懸濁させたものを基質懸濁液とする。ただし、基質懸濁液の波長660nmにおける吸光度が0.45~0.55の範囲になるように、乾燥酵母(グルカナーゼ活性試験用)又はpH7.0のリン酸緩衝液(0.005mol/L)の量を調整する。氷水中に保存し、調製した後、15分以内に使用する。
試験管に基質懸濁液10mLを量り、40℃で5分間加温し、試料液1mLを加えてかくはんした後、40℃で15分間加温し、検液とする。別に試料液の代わりに水を用いて検液の調製と同様に操作し、比較液とする。40℃で15分加温後の検液及び比較液につき、直ちにそれぞれよくかくはんして波長660nmにおける吸光度を測定するとき、検液の吸光度は、比較液の吸光度よりも小さい。
第4法 本品0.50gを量り、水若しくは酢酸緩衝液(0.1mol/L、pH6.0、アルブミン含有)を加えて溶解若しくは均一に分散して50mLとしたもの又はこれを更に水若しくは同試料希釈液を用いて10倍、100倍若しくは1000倍に希釈したものを試料液とする。
β―グルカン(大麦由来)1.0gを量り、水60mLに懸濁し、水浴中で振り混ぜながら5分間加熱して溶かす。冷後、この液にpH6.0の酢酸緩衝液(1mol/L)10mLを加え、水酸化ナトリウム試液(1mol/L)を用いてpH6.0に調整し、水を加えて100mLとしたものを基質溶液とする。用時調製する。
試験管に試料液0.5mLを量り、40℃で10分間加温した後、あらかじめ40℃に加温した基質溶液0.5mLを加えて直ちに振り混ぜ、40℃で30分間加温する。この液にソモギー試液(Ⅲ)1mLを加えてよく振り混ぜ、試験管にガラス玉を乗せて蓋をして水浴中で30分間加熱する。冷後、ネルソン試液1mLを加え、ゆるやかに振り混ぜて赤色の沈殿物を完全に溶かし、30分間放置した後、水2mLを加え混合する。この液を毎分3000回転で10分間遠心分離し、上澄液を検液とする。別に試験管に試料液0.5mLを量り、ソモギー試液(Ⅲ)1mLを加えてよく振り混ぜた後、基質溶液0.5mLを加えて振り混ぜ、試験管にガラス玉を乗せて蓋をして水浴中で30分間加熱し、以下検液の調製と同様に操作し、比較液とする。検液及び比較液につき、波長520nmにおける吸光度を測定するとき、検液の吸光度は、比較液の吸光度よりも大きい。
第5法 本品0.50gを量り、水を加えて溶解若しくは均一に分散して100mLとしたもの又はこれを更に水を用いて10倍、100倍若しくは1000倍に希釈したものを試料液とする。
β―グルカン(大麦由来)1.0gを量り、水30mLを加えて1時間かくはんした後、水浴中で5分間加熱して溶かす。冷後、pH5.0のリン酸カリウム・リン酸緩衝液(1mol/L)10mLを加え、更に水を加えて100mLとしたものを基質溶液とする。用時調製する。
基質溶液15mLを量り、45℃にて20分間加温した後、試料液2mLを加えて振り混ぜ、45℃で15分間加温し、検液とする。別に試料液の代わりに水を用いて検液の調製と同様に操作して調製したものを比較液とする。検液及び比較液を45℃で15分間加温し、加温後の検液及び比較液につき、それぞれ直ちに粘度測定法第1法の毛細管粘度計法により操作し、流下時間を測定するとき、検液の流下時間は、比較液の流下時間よりも小さい。ただし、45℃で試験する。
FA019000
E00107
グルコアミラーゼ
Glucoamylase
糖化アミラーゼ
定義 本品は、担子菌(Corticium rolfsiiに限る。)、糸状菌(Acremonium属、Aspergillus属、Humicola grisea、Rhizopus delemar、Rhizopus niveus及びRhizopus oryzaeに限る。)、酵母(Saccharomyces属に限る。)又は細菌(Bacillus属及びPseudomonas属に限る。)の培養物から得られた、デンプン等のグルコシド結合を加水分解して、グルコースを生成する酵素である。食品(賦形、粉末化、希釈、安定化、保存又は力価調整の目的に限る。)又は添加物(賦形、粉末化、希釈、安定化、保存、pH調整又は力価調整の目的に限る。)を含むことがある。
性状 本品は、白~濃褐色の粉末、粒若しくはペースト又は無~濃褐色の液体であり、においがないか、又は特異なにおいがある。
確認試験 本品は、グルコアミラーゼ活性試験法のいずれかに適合する。
純度試験
(1) 鉛 Pbとして5μg/g以下(0.80g、第1法、比較液 鉛標準液4.0mL、フレーム方式)
ただし、検液の調製において、残留物が硝酸(1→100)5mLに溶けない場合には、第3法により操作する。
(2) ヒ素 Asとして3μg/g以下(0.50g、第5法、標準色 ヒ素標準液3.0mL、装置B)
微生物限度 微生物限度試験法により試験を行うとき、本品1gにつき、生菌数は50000以下である。また、大腸菌及びサルモネラは認めない。ただし、生菌数試験の試料液は第3法、大腸菌試験及びサルモネラ試験の前培養液はそれぞれ第3法及び第2法により調製する。
グルコアミラーゼ活性試験法 次の方法により試験を行う。なお、記載された方法で確認試験を行うことができない場合、基質、試料希釈倍率、緩衝液及び反応温度については、科学的に正当な理由であると認められる場合に限り変更することができる。
第1法 本品0.50gを量り、水、塩類試液若しくは冷却した塩類試液を加えて溶解若しくは均一に分散して50mLとしたもの又はこれを更に水、塩類試液若しくは冷却した塩類試液を用いて10倍、100倍、1000倍若しくは10000倍に希釈したものを試料液とする。
可溶性デンプン2.0gを量り、水20mLを加え、よくかき混ぜながら約40mLの沸騰水中に徐々に加え、沸騰し始めてから約2分間煮沸する。冷後、水を加えて100mLとしたものを基質溶液とする。用時調製する。
基質溶液1mLにpH5.0の酢酸緩衝液(0.2mol/L)0.2mLを加え、40℃で5分間加温した後、試料液0.1mLを加えて直ちに振り混ぜる。この液を40℃で20分間加温した後、水酸化ナトリウム試液(1mol/L)0.1mLを加えて直ちに振り混ぜ、室温で30分間放置した後、塩酸試液(1mol/L)0.1mLを加えて中和し、この液0.2mLにD―グルコース測定用試液(ムタロターゼ含有)6mLを加えて混和し、40℃で40分間加温する。室温まで冷却して検液とする。
別に基質溶液1mLにpH5.0の酢酸緩衝液(0.2mol/L)0.2mLを加え、40℃で5分間加温した後、水酸化ナトリウム試液(1mol/L)0.1mLを加え、次に試料液0.1mLを加えて直ちに振り混ぜ、室温で30分間放置した後、以下検液の調製と同様に操作し、比較液とする。検液及び比較液につき、波長505nmにおける吸光度を測定するとき、検液の吸光度は、比較液の吸光度よりも大きい。
なお、吸光度を測定する検液及び比較液に濁りがある場合には、遠心分離を行い、上澄液について測定する。
第2法 本品0.50gを量り、水若しくはポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル溶液(1→1000)を加えて溶解若しくは均一に分散して50mLとしたもの又はこれを更に水若しくはポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル溶液(1→1000)を用いて10倍、100倍、1000倍若しくは10000倍に希釈したものを試料液とする。
D(+)―マルトース一水和物2.16gを量り、酢酸緩衝液(0.1mol/L、pH4.3、ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル含有)を加えて溶かし、100mLとしたものを基質溶液とする。用時調製する。
基質溶液0.1mLを量り、37℃で8分間加温した後、試料液0.02mLを加えて37℃で6分間加温し、水酸化ナトリウム試液(0.5mol/L)0.02mLを加え、更に1分後にD―グルコース測定用試液(ヘキソキナーゼ含有)0.11mLを加えて直ちに振り混ぜ、検液とする。別に試料液の代わりに試料液の調製に用いた水又はポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル溶液(1→1000)を用いて検液の調製と同様に操作し、比較液とする。検液及び比較液を調製した後、それぞれ37℃で7分間加温し、波長340nmにおける吸光度を測定するとき、検液の吸光度は、比較液の吸光度よりも大きい。
なお、吸光度を測定する検液及び比較液に濁りがある場合には、遠心分離を行い、上澄液について測定する。
第3法 本品0.50gを量り、水若しくは酢酸・水酸化ナトリウム緩衝液(0.1mol/L、pH4.3、塩化ナトリウム含有)を加えて溶解若しくは均一に分散して50mLとしたもの又はこれを更に水若しくは同緩衝液を用いて10倍、100倍若しくは1000倍に希釈したものを試料液とする。
p―ニトロフェニルα―D―グルコピラノシド55mgを量り、酢酸・水酸化ナトリウム緩衝液(0.1mol/L、pH4.3、塩化ナトリウム含有)を加えて溶かし、500mLとしたものを基質溶液とする。用時調製する。
試料液0.2mLに酢酸・水酸化ナトリウム緩衝液(0.1mol/L、pH4.3、塩化ナトリウム含有)0.25mLを加えて混合し、30℃で5分間加温した後、基質溶液0.5mLを加えて直ちに振り混ぜ、30℃で10分間加温した後、四ホウ酸ナトリウム十水和物溶液(1→50)1mLを加え、検液とする。
別に試料液の代わりに試料の希釈に用いた希釈液を用いて検液の調製と同様に操作し、比較液とする。検液及び比較液につき、波長400nmにおける吸光度を測定するとき、検液の吸光度は、比較液の吸光度よりも大きい。
なお、吸光度を測定する検液及び比較液に濁りがある場合には、遠心分離を行い、上澄液について測定する。
第4法 「β―アミラーゼ」のβ―アミラーゼ活性試験法第1法を準用する。
第5法 「β―アミラーゼ」のβ―アミラーゼ活性試験法第2法を準用する。
FA019050