アクセシビリティ閲覧支援ツール

添付一覧

添付画像はありません

含量 本品1gは、ビタミンAとして450mg以上を含有し、表示量の90~120%のビタミンAを含む。ただし、ビタミンA300mgは、100万国際単位に相当する。

性状 本品は、淡黄~帯赤淡黄色の結晶又は油脂状の物質で、わずかに特異なにおいがある。

確認試験

(1) 本品のビタミンAとして1500単位に相当する量を量り、石油エーテル5mLに溶かし、検液とする。検液5μLを量り、シクロヘキサン/ジエチルエーテル混液(4:1)を展開溶媒として薄層クロマトグラフィーを行い、展開溶媒の先端が原線から約10cmの高さに上昇したとき展開を止め、風乾した後、紫外線照射(主波長:254nm)により検出するとき、Rf値が0.09付近、0.45付近及び0.62付近に、それぞれビタミンA、ビタミンA酢酸エステル及びビタミンAパルミチン酸エステルに対応するスポットを認める。ただし、薄層板には、薄層クロマトグラフィー用シリカゲル(蛍光剤入り)を担体とし、105℃で2時間乾燥したものを使用する。

(2) 本品50mgにビタミンA測定用2―プロパノールを加えて溶かし、その1mL当たりビタミンAを約3μg含むように調製した液は、波長324~328nmに吸収極大がある。

純度試験

(1) 酸価 2.8以下

本品約2gを精密に量り、油脂類試験法中の酸価の試験を行う。

(2) 吸光度比 本品のビタミンAとして約60mgに相当する量を精密に量り、ビタミンA測定用2―プロパノールに溶かして正確に100mLとする。この液1mLを正確に量り、ビタミンA測定用2―プロパノールを加えて正確に200mLとし、検液とする。この液につき、波長300nm、310nm、320nm、326nm、330nm、340nm及び350nmにおける吸光度を測定し、波長326nmの吸光度Aを1000としたときの各波長における吸光度の比を求めるとき、それぞれの吸光度比は、表に示す値の±0.030の範囲にある。

波長(nm)

吸光度の比


ビタミンA酢酸エステル

ビタミンAパルミチン酸エステル

300

0.578

0.590

310

0.815

0.825

320

0.948

0.950

326

1.000

1.000

330

0.972

0.981

340

0.786

0.795

350

0.523

0.527

定量法 純度試験(2)の検液の波長326nmにおける吸光度Aより、次式により含量を求める。

ただし、

V:測定に用いた検液の総mL数

M:検液VmL中の試料のg数

FA047000

ビタミンA油

Vitamin A in Oil

油性ビタミンA脂肪酸エステル

定義 本品は、水産動物の新鮮な肝臓や幽門垂等から得られた脂肪油、そのビタミンA(レチノール)濃縮分、それらを食用油脂に溶かしたもの若しくはビタミンA脂肪酸エステル(レチノール脂肪酸エステル)又はこれらを食用油脂に溶かしたものである。

含量 本品1gは、ビタミンAとして30mg以上を含有し、表示量の90~120%のビタミンAを含む。ただし、ビタミンA300mgは、100万国際単位に相当する。

性状 本品は、淡黄~帯赤淡黄色の油脂状の物質で、わずかに特異なにおいがある。

確認試験 「ビタミンA脂肪酸エステル」の確認試験(1)及び(2)を準用する。

純度試験

(1) 酸価 2.8以下

本品約2gを精密に量り、油脂類試験法中の酸価の試験を行う。

(2) 吸光度比 ビタミンA脂肪酸エステルを含む場合は、「ビタミンA脂肪酸エステル」の純度試験(2)を準用する。

定量法 本品のビタミンAとして0.15mg以上に相当し、油脂1g以下を含む量を精密に量り、フラスコに入れ、エタノール(無アルデヒド)30mL及びピロガロール・エタノール(95)溶液(1→10)1mLを加える。次に水酸化カリウム溶液(9→10)3mLを加え、還流冷却器を付け、水浴上で30分間加熱し、けん化する。速やかに常温まで冷却し、水30mLを加え、分液漏斗Aに移し、フラスコは水10mL、次にビタミンA測定用ジエチルエーテル40mLで洗い、洗液を分液漏斗Aに入れ、よく振り混ぜて放置する。水層を分液漏斗Bに分取し、ビタミンA測定用ジエチルエーテル30mLでフラスコを洗った後、洗液を分液漏斗Bに入れ、振り混ぜて抽出する。水層はフラスコに分取し、ジエチルエーテル層は分液漏斗Aに合わせ、分取した水層は分液漏斗Bに入れ、ビタミンA測定用ジエチルエーテル30mLを加え、振り混ぜて抽出する。ジエチルエーテル層は、分液漏斗Aに合わせる。これに水10mLを加え、静かに2~3回倒立した後、放置し、分離した水層を除く。さらに、水50mLずつで3回洗い、回が進むにつれて次第に強く振る。さらに、洗液がフェノールフタレイン試液で呈色しなくなるまで水50mLずつで洗った後、10分間放置する。水をできるだけ除き、ジエチルエーテル層を三角フラスコに移し、分液漏斗は、ビタミンA測定用ジエチルエーテル10mLずつで2回洗い、洗液は、先の三角フラスコに合わせ、硫酸ナトリウム5gを加えて振り混ぜた後、傾斜してジエチルエーテル抽出液をナス型フラスコに移す。残った硫酸ナトリウムは、ビタミンA測定用ジエチルエーテル10mLずつで2回以上洗い、洗液をフラスコに合わせる。ジエチルエーテル抽出液を45℃の水浴中で振り動かしながら、アスピレーターを用いて濃縮して約1mLとし、直ちにビタミンA測定用2―プロパノールを加えて溶かし、1mL中にビタミンA約3μgを含むように正確に薄め、検液とする。検液につき波長310nm、325nm及び334nmにおける吸光度A1、A2及びA3を測定し、次式により含量を求める。

f=6.815-2.555×A1/A2-4.260×A3/A2

ただし、

M:検液VmL中の試料のg数

V:検液の総mL数

f:補正係数

なお、ビタミンA脂肪酸エステルを含む場合には、「ビタミンA脂肪酸エステル」の定量法を準用する。

保存基準 遮光した密封容器に入れ、空気を不活性ガスで置換して保存する。

FA047100

E00267

ビートレッド

Beet Red

アカビート色素

定義 本品は、ビート(Beta vulgaris L.)の根から得られた、イソベタニン及びベタニンを主成分とするものである。デキストリン又は乳糖を含むことがある。

色価 本品の色価(画像956 (2KB)別ウィンドウが開きます
)は15以上で、その表示量の90~110%を含む。

性状 本品は、赤紫~暗紫色の粉末、塊、ペースト又は液体で、わずかに特異なにおいがある。

確認試験

(1) 本品の表示量から、色価15に換算して1gに相当する量を量り、酢酸緩衝液(pH5.4)50mLを加えて溶かした液は、赤紫色を呈する。

(2) (1)の溶液5mLに水酸化ナトリウム溶液(1→10)1mLを加えるとき、黄色に変わる。

(3) 本品に酢酸緩衝液(pH5.4)を加えて溶かした液は、波長525~540nmに吸収極大がある。

(4) 本品の表示量から、色価15に換算して1gに相当する量を量り、水5mLを加えて溶かし、更にメタノール20mLを加えてかき混ぜた後、毎分約3000回転で10分間遠心分離し、上澄液を検液とする。検液8μLを量り、対照液を用いず、1―ブタノール/水/酢酸混液(4:3:2)を展開溶媒として薄層クロマトグラフィーを行い、展開溶媒の先端が原線から約10cmの高さに上昇したとき展開を止め、風乾した後、観察するとき、Rf値が0.3~0.5付近に紫色のスポットを認める。この薄層板をアンモニア蒸気を充満させた容器に入れ、30分間以上放置するとき、スポットの赤紫色が淡灰~暗茶色に変わる。ただし、薄層板には、薄層クロマトグラフィー用微結晶セルロースを担体とし、60~80℃で20分間乾燥したものを使用する。

純度試験

(1) 鉛 Pbとして2μg/g以下(2.0g、第2法、比較液 鉛標準液4.0mL、フレーム方式)

(2) ヒ素 Asとして3μg/g以下(0.50g、第3法、標準色 ヒ素標準液3.0mL、装置B)

(3) 硝酸塩 色価15当たり、NO3として0.27%以下

本品約0.1gを精密に量り、水を加えて溶かして正確に100mLとし、検液とする。別に硝酸イオン標準原液0.2mL、1mL、10mL及び50mLを正確に量り、それぞれに水を加えて正確に100mLとし、標準液とする。検液、標準液及び標準原液をそれぞれ20μLずつ量り、次の操作条件でイオンクロマトグラフィーを行う。次にそれぞれの標準液及び標準原液の硝酸イオンのピーク高さ又はピーク面積を測定し、検量線を作成する。さらに、検液の硝酸イオンのピーク高さ又はピーク面積を測定し、検量線からその量を求める。

操作条件

検出器 電気伝導度計

カラム充填剤 全多孔性陰イオン交換体

カラム管 内径4.6~6.0mm、長さ5~10cmのステンレス管

ガードカラム カラム管と同一の内径で同一の充填剤を充填したもの

カラム温度 40℃

溶離液 フタル酸0.42g及び2―アミノ―2―ヒドロキシメチル―1,3―プロパンジオール0.29gを水1000mLに溶かす(pH4.0)。

流量 1.5mL/分

色価測定 色価測定法により、次の操作条件で試験を行う。

操作条件

測定溶媒 酢酸緩衝液(pH5.4)

測定波長 波長525~540nmの吸収極大の波長

FA047150

T03015

1―ヒドロキシエチリデン―1,1―ジホスホン酸

1―Hydroxyethylidene―1,1―diphosphonic Acid

HEDP

エチドロン酸

C2H8O7P2 分子量 206.03

(1―Hydroxyethane―1,1―diyl)diphosphonic acid [2809―21―4]

含量 本品は、1―ヒドロキシエチリデン―1,1―ジホスホン酸(C2H8O7P2)58.0~62.0%を含む。

性状 本品は、無~淡黄色の澄明な液体である。

pH 2.0以下(1.0g、水100mL)

純度試験

(1) 塩化物 Clとして0.004%以下

本品約25gを精密に量り、水50mL及び硝酸3mLを加え、0.005mol/L硝酸銀溶液で滴定を行う。終点の確認には、電位差計を用い、指示電極には銀電極を、参照電極には銀―塩化銀電極を用いる。終点における0.005mol/L硝酸銀溶液の消費量amLを求め、次式により塩化物の量を求める。ただし、変曲点が2つ以上ある場合には、終点は、最終の変曲点とする。

ただし、M:試料の採取量(g)

(2) 亜リン酸 H3PO3として4.0%以下

本品約1.5gを精密に量り、ヨウ素フラスコに入れ、水20mL及びリン酸緩衝液(pH7.3)50mLを加え、水酸化ナトリウム溶液(1→2)でpH7.3に調整する。次に0.05mol/Lヨウ素溶液25mLを正確に量って加え、直ちに密栓して暗所に15分間放置した後、酢酸5mLを加え、過量のヨウ素を0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する(指示薬 デンプン試液1~3mL)。ただし、デンプン試液は、終点近くで液が薄い黄色になったときに加え、終点は、液の色が消えるときとする。別に空試験を行い、補正する。

0.05mol/Lヨウ素溶液1mL=4.10mg H3PO3

(3) 鉛 Pbとして5μg/g以下(0.80g、第3法、比較液 鉛標準液4.0mL、フレーム方式)

(4) 鉄 Feとして10μg/g以下

本品約0.2gを精密に量り、容器に入れ、硝酸5mLを加え、マイクロ波を照射して試料を分解する装置で230℃に昇温して灰化する。冷後、メスフラスコに移し、水を加えて正確に50mLとし、試料液とする。別に鉄標準液適量を正確に量り、硝酸(1→10)を加えて1mL中に鉄(Fe=55.85)10ng、25ng、50ng、100ng及び200ngを含む5濃度の液を調製し、標準原液とする。試料液及び5濃度の標準原液をそれぞれ10mLずつ正確に量り、内標準溶液40μLずつを正確に加え、検液及び標準液とする。ただし、内標準溶液は、イットリウム標準原液1.0mLを量り、硝酸(1→10)を加えて100mLとする。検液及び標準液につき、誘導結合プラズマ発光分光分析法の内標準法により検量線を作成する。検量線から検液中の鉄の濃度(ng/mL)を求め、次式により鉄の量を求める。

ただし、

C:検液中の鉄の濃度(ng/mL)

M:試料の採取量(g)

(5) ヒ素 Asとして5μg/g以下(0.30g、第1法、標準色 ヒ素標準液3.0mL、装置B)

定量法 本品約3gを精密に量り、水150mLを加えて溶かし、かくはんしながら1mol/L水酸化ナトリウム溶液で電位差計を用いて滴定する。終点は、第2変曲点とする。終点における1mol/L水酸化ナトリウム溶液の消費量をamLとする。

ただし、

M:試料の採取量(g)

C:亜リン酸の量(%)

FA047200

T03020

ヒドロキシシトロネラール

Hydroxycitronellal

C10H20O2 分子量 172.26

7―Hydroxy―3,7―dimethyloctanal [107―75―5]

含量 本品は、ヒドロキシシトロネラール(C10H20O2)95.0%以上を含む。

性状 本品は、無~淡黄色の澄明な液体で、スズランようのにおいがある。

確認試験 本品を赤外吸収スペクトル測定法中の液膜法により測定し、本品のスペクトルを参照スペクトルと比較するとき、同一波数のところに同様の強度の吸収を認める。

屈折率 画像963 (4KB)別ウィンドウが開きます

純度試験 酸価 5.0以下(香料試験法)

定量法 香料試験法中の香料のガスクロマトグラフィーの面積百分率法の操作条件(4)により定量する。

参照スペクトル

ヒドロキシシトロネラール

FA047300

T03030

ヒドロキシシトロネラールジメチルアセタール

Hydroxycitronellal Dimethylacetal

C12H26O3 分子量 218.33

8,8―Dimethoxy―2,6―dimethyloctan―2―ol [141―92―4]

含量 本品は、ヒドロキシシトロネラールジメチルアセタール(C12H26O3)95.0%以上を含む。

性状 本品は、無~淡黄色の澄明な液体で、弱いスズランようのにおいがある。

確認試験 本品を赤外吸収スペクトル測定法中の液膜法により測定し、本品のスペクトルを参照スペクトルと比較するとき、同一波数のところに同様の強度の吸収を認める。

屈折率 画像967 (4KB)別ウィンドウが開きます

純度試験

(1) 酸価 1.0以下(香料試験法)

(2) 溶状 澄明(2.0mL、50vol%エタノール4.0mL)

(3) ヒドロキシシトロネラール 本品約5gを精密に量り、香料試験法中のアルデヒド類又はケトン類含量の第2法により定量するとき、試料1gに対応する0.5mol/L塩酸の消費量は、0.60mL以下である。ただし、放置時間は1時間とする。

定量法 本品約1.5gを精密に量り、香料試験法中のアルデヒド類又はケトン類含量の第1法により定量し、次式により含量を求める。ただし、加熱時間は5分間とする。

ただし、

a:試料1gに対応する0.5mol/L水酸化カリウム・エタノール溶液の消費量(mL)

b:純度試験(3)で得た試料1gに対応する0.5mol/L塩酸の消費量(mL)

参照スペクトル

ヒドロキシシトロネラールジメチルアセタール

FA047400

T03040

ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン

Hydroxypropyl Distarch Phosphate

[53124―00―8]

定義 本品は、デンプンをトリメタリン酸ナトリウム又はオキシ塩化リンでエステル化し、酸化プロピレンでエーテル化して得られたものである。

性状 本品は、白~類白色の粉末、薄片又は粒であり、においがない。

確認試験

(1) 「アセチル化アジピン酸架橋デンプン」の確認試験(1)を準用する。

(2) 「アセチル化アジピン酸架橋デンプン」の確認試験(2)を準用する。

純度試験

(1) ヒドロキシプロピル基 7.0%以下

本品約0.1gを精密に量り、硫酸(1→36)25mLを加えて水浴中で加熱して溶かす。冷後、水で正確に100mLとする。必要に応じてヒドロキシプロピル基が4mg/100mL以上とならないように希釈し、試料液とする。試料液1mLを正確に量り、25mLの目盛り付試験管に入れ、冷水で冷却しながら硫酸8mLを滴加する。よくかくはんした後、水浴中で正確に3分間加熱し、直ちに氷水中で冷却する。冷後、加工デンプン用ニンヒドリン試液0.6mLを注意しながら管壁に沿って加え、直ちに振り混ぜ、25℃の水浴中に100分間放置する。硫酸を加えて25mLとし、栓をして静かに数回上下を反転させ、検液とし、直ちに吸光度測定用のセルに移し、正確に5分後に、波長590nmにおける吸光度を測定する。ただし、同じ植物を基原とする未加工デンプンを用いて検液の調製と同様に操作して得た液を対照とする。別にプロピレングリコール約25mgを精密に量り、水を加えて正確に100mLとし、この液2mL、4mL、6mL、8mL及び10mLを正確に量り、それぞれに水を加えて正確に50mLとする。これらの液1mLずつを正確に量り、25mLの目盛り付試験管に入れ、冷水中で硫酸8mLを滴加し、以下検液の調製と同様に操作して標準液とし、検量線を作成する。検量線から、検液中のプロピレングリコール濃度(μg/mL)を求め、次式によりヒドロキシプロピル基の含量を求める。

ただし、

C:検液中のプロピレングリコール濃度(μg/mL)

D:希釈率

M:乾燥物換算した試料の採取量(g)

(2) プロピレンクロロヒドリン類 1.0μg/g以下

本品50.0gを量り、三角フラスコに入れ、硫酸(1→18)125mLを加え、内容物をよく分散させる。緩く栓をして水浴中で10分間加熱し、内容物をよく混合し、更に30分間加熱する。ただし、コムギ由来のデンプン等、加水分解を受けにくいデンプンでは、加熱時間を長くする。冷後、水酸化ナトリウム溶液(1→4)を加えてpH7とする。ガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過し、別のフラスコに入れる。元のフラスコ及びろ紙上の残留物を水25mLで洗い、洗液をろ液に合わせる。この液に硫酸ナトリウム30gを加え、5~10分間かくはんした後、分液漏斗に移し、フラスコを水25mLで洗い、洗液を分液漏斗に合わせる。沈殿が残る場合には、少量の水を加えて溶かし、ジエチルエーテル50mLで5回抽出する。ジエチルエーテル抽出液を合わせ、硫酸ナトリウム3gを加え、ろ紙を用いてろ過し、フラスコ及びろ紙をジエチルエーテル25mLで洗い、洗液をろ液に合わせる。約40℃の水浴中で大気圧下にて、4mLに濃縮する。冷後、ジエチルエーテルを加えて正確に5mLとし、検液とする。別にプロピレンクロロヒドリン約50mgを精密に量り、水を加えて正確に100mLとする。この液10mLを正確に量り、水を加えて正確に100mLとし、標準原液とする。未加工ワキシーコーンスターチ50.0gずつを5個の三角フラスコに量り、硫酸(1→18)125mLを加える。各フラスコに、標準原液0mL、0.5mL、1mL、2mL又は5mLを正確に加え、以下検液の調製と同様に操作して標準液とする。検液及び標準液をそれぞれ1μLずつ量り、次の操作条件でガスクロマトグラフィーを行う。標準液のプロピレンクロロヒドリンの1―クロロ―2―プロパノール及び2―クロロ―1―プロパノールのピーク面積を測定し、ピークの合計面積及び標準液に含まれるプロピレンクロロヒドリン濃度から、検量線を作成する。検液の1―クロロ―2―プロパノール及び2―クロロ―1―プロパノールのピークの合計面積を求め、検量線を用いて検液中のプロピレンクロロヒドリン類の濃度(μg/mL)を求め、次式により試料中のプロピレンクロロヒドリン類の含量を求める。

ただし、

C:検液中のプロピレンクロロヒドリン類の濃度(μg/mL)

M:乾燥物換算した試料の採取量(g)

操作条件

検出器 水素炎イオン化検出器

検出器温度 230℃

カラム 内径0.25mm、長さ30mのフューズドシリカ管の内面に、ガスクロマトグラフィー用ポリエチレングリコールを0.25μmの厚さで被覆したもの

カラム温度 40℃で2分間保持した後、毎分5℃で80℃まで昇温し、80℃を8分間保持する。さらに、毎分25℃で230℃まで昇温し、230℃を5分間保持する。

注入口温度 150℃

キャリヤーガス 窒素又はヘリウム

流量 1―クロロ―2―プロパノールの保持時間が約15分になるように調整する。

注入方式 スプリットレス(注入1分後にパージ開始)

(3) リン Pとして0.14%以下

「アセチル化リン酸架橋デンプン」の純度試験(3)を準用する。

(4) 鉛 Pbとして2μg/g以下(2.0g、第1法、比較液 鉛標準液4.0mL、フレーム方式)

(5) ヒ素 Asとして3μg/g以下(0.50g、第3法、標準色 ヒ素標準液3.0mL、装置B)

(6) 二酸化硫黄 50μg/g以下

「アセチル化アジピン酸架橋デンプン」の純度試験(5)を準用する。

乾燥減量 21.0%以下(13.3kPa以下、120℃、4時間)

FA047500

T03050

ヒドロキシプロピルセルロース

Hydroxypropyl Cellulose

2―Hydroxypropyl ether of cellulose [9004―64―2]

定義 本品は、セルロースのヒドロキシプロピルエーテルである。

含量 本品を乾燥させたものは、ヒドロキシプロポキシ基(―OC3H6OH=75.09)80.5%以下を含む。

性状 本品は、白~帯黄白色の粉末又は粒であり、においがない。本品に水を加えるとき、膨潤し、澄明又はわずかに混濁した粘ちゅうな液体となる。

確認試験

(1) 本品の水溶液(1→1000)を激しく振り混ぜるとき、持続する泡を生じる。

(2) 本品の水溶液(1→500)5mLに硫酸銅(Ⅱ)五水和物溶液(1→20)5mLを加えるとき、沈殿を生じない。

pH 5.0~8.0(1.0g、水100mL)

純度試験

(1) プロピレンクロロヒドリン 1.0μg/g以下

本品1.0gを量り、ジエチルエーテル5mLを正確に加えて栓をし、10分間超音波抽出する。この液を遠心分離し、上澄液を検液とする。別にプロピレンクロロヒドリン30mgを量り、ジエチルエーテルを加えて正確に100mLとする。この液1mLを正確に量り、ジエチルエーテルを加えて正確に50mLとする。さらに、この液1mLを正確に量り、ジエチルエーテルを加えて正確に20mLとし、標準液とする。

検液及び標準液をそれぞれ1μLずつ量り、次の操作条件でガスクロマトグラフィーを行い、プロピレンクロロヒドリンのピーク面積を測定する。検液のピーク面積は、標準液のピーク面積を超えない。

操作条件

検出器 水素炎イオン化検出器

検出器温度 230℃

カラム 内径0.25mm、長さ30mのフューズドシリカ管の内面に、ガスクロマトグラフィー用ポリエチレングリコールを0.25μmの厚さで被覆したもの

カラム温度 40℃で2分間保持した後、毎分5℃で80℃まで昇温し、80℃を8分間保持する。その後、毎分25℃で230℃まで昇温し、230℃を5分間保持する。

注入口温度 150℃

キャリヤーガス 窒素

流量 プロピレンクロロヒドリンのピークが約15分後に現れるように調整する。

注入方式 スプリットレス

(2) 鉛 Pbとして2μg/g以下(2.0g、第1法、比較液 鉛標準液4.0mL、フレーム方式)

乾燥減量 5.0%以下(105℃、4時間)

強熱残分 0.5%以下

定量法

(1) 装置

分解瓶:5mLのガラス製耐圧ねじ口瓶で、底部の内側が円すい状となっており、外径20mm、首部までの高さが50mm、高さ約30mmまでの容積が2mLで、栓は耐熱性樹脂製、内栓又はシールはフッ素樹脂製のものを用いる。加熱時に内容物が漏れないことをあらかじめ確認する。

加熱器:厚さ60~80mmの角型金属アルミニウム製ブロックに直径20.6mm、深さ32mmの穴をあけたもので、ブロック内部の温度を±1℃の範囲で調節できる構造を有するものを用いる。

(2) 操作法 本品を乾燥し、その約65mgを精密に量り、分解瓶に入れ、アジピン酸65mg、内標準液2.0mL及びヨウ化水素酸2.0mLを加え、密栓し、その質量を精密に量る。ただし、内標準液はオクタン・o―キシレン溶液(1→25)とする。分解瓶を30秒間振り混ぜた後、加熱器を用いて150℃で5分ごとに振り混ぜながら30分間加熱し、更に30分間加熱を続ける。冷後、その質量を精密に量り、減量が10mg以下であることを確認し、上層を検液とする。別にアジピン酸65mg、内標準液2.0mL及びヨウ化水素酸2.0mLを分解瓶にとり、密栓し、その質量を精密に量り、定量用ヨウ化イソプロピル50μLを加え、その質量を精密に量る。分解瓶を30秒間振り混ぜた後、上層を標準液とする。検液及び標準液を1μLずつ量り、次の操作条件でガスクロマトグラフィーを行う。検液のオクタンのピーク面積に対するヨウ化イソプロピルのピーク面積比QT及び標準液のオクタンのピーク面積に対するヨウ化イソプロピルのピーク面積比QSを求め、次式によりヒドロキシプロポキシ基の含量を求める。

ヒドロキシプロポキシ基(―OC3H6OH)の含量(%)=MS/MT×QT/QS×44.17

ただし、

MS:標準液中のヨウ化イソプロピルの量(g)

MT:試料の採取量(g)

操作条件

検出器 水素炎イオン化検出器

カラム充填剤

液相 担体に対して20%メチルシリコーンポリマー

担体 180~250μmのガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

カラム管 内径約3mm、長さ約3mのガラス管

カラム温度 100℃付近の一定温度

キャリヤーガス ヘリウム

流量 オクタンのピークが約10分後に現れるように調整する。

カラムの選定 標準液1μLにつき、上記の操作条件で操作するとき、ヨウ化イソプロピル、オクタンの順に流出し、それぞれのピークが完全に分離するものを用いる。

FA047600

T03060

ヒドロキシプロピルデンプン

Hydroxypropyl Starch

[9049―76―7]

定義 本品は、デンプンを酸化プロピレンでエーテル化して得られたものである。

性状 本品は、白~類白色の粉末、薄片又は粒であり、においがない。

確認試験

(1) 「アセチル化アジピン酸架橋デンプン」の確認試験(1)を準用する。

(2) 「アセチル化アジピン酸架橋デンプン」の確認試験(2)を準用する。

純度試験

(1) ヒドロキシプロピル基 7.0%以下

「ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン」の純度試験(1)を準用する。

(2) プロピレンクロロヒドリン類 1.0μg/g以下

「ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン」の純度試験(2)を準用する。

(3) 鉛 Pbとして2μg/g以下(2.0g、第1法、比較液 鉛標準液4.0mL、フレーム方式)

(4) ヒ素 Asとして3μg/g以下(0.50g、第3法、標準色 ヒ素標準液3.0mL、装置B)

(5) 二酸化硫黄 50μg/g以下

「アセチル化アジピン酸架橋デンプン」の純度試験(5)を準用する。

乾燥減量 21.0%以下(13.3kPa以下、120℃、4時間)

FA047700

T03070

ヒドロキシプロピルメチルセルロース

Hydroxypropyl Methylcellulose

A mixed methyl and 2―hydroxypropyl ether of cellulose [9004―65―3]

定義 本品は、セルロースのメチル及びヒドロキシプロピルの混合エーテルである。

含量 本品を乾燥物換算したものは、メトキシ基(―OCH3=31.03)19.0~30.0%及びヒドロキシプロポキシ基(―OC3H6OH=75.09)3.0~12.0%を含む。

性状 本品は、白~帯黄白色の粉末又は粒であり、においはないか、又はわずかに特異なにおいがある。本品に水を加えるとき、膨潤し、澄明又はわずかに混濁した粘ちゅうな液体となる。

確認試験

(1) 本品1gに熱湯100mLを加え、かき混ぜながら室温に冷却し、試料液とする。試料液5mLにアントロン試液を穏やかに加えるとき、境界面は、青~青緑色を呈する。

(2) (1)で得た試料液0.1mLに硫酸(9→10)9mLを加えて振り混ぜ、水浴中で正確に3分間加熱した後、直ちに氷水中で冷却し、ニンヒドリン溶液(1→50)0.6mLを注意して加え、振り混ぜて25℃で放置するとき、液は、初め赤色を呈し、更に100分間以内に紫色に変わる。

(3) 本品を赤外吸収スペクトル測定法中の錠剤法により測定するとき、波数3465cm-1、2900cm-1、1375cm-1及び1125cm-1のそれぞれの付近に吸収を認める。

pH 5.0~8.0(1.0g、熱湯100mL)

純度試験

(1) 塩化物 Clとして0.28%以下

本品1.0gに熱湯30mLを加えてよくかき混ぜ、水浴上で10分間加熱した後、熱時傾斜してろ過する。残留物を熱湯でよく洗い、洗液をろ液に合わせる。冷後、水を加えて100mLとする。この液5mLに10%硝酸試液6mL及び水を加えて50mLとし、検液とする。比較液には0.01mol/L塩酸0.40mLを用いる。

(2) 鉛 Pbとして2μg/g以下(2.0g、第1法、比較液 鉛標準液4.0mL、フレーム方式)

(3) ヒ素 Asとして1.5μg/g以下(1.0g、第3法、標準色 ヒ素標準液3.0mL、装置B)

乾燥減量 8.0%以下(105℃、1時間)

強熱残分 1.5%以下(乾燥物換算)

定量法

(1) 装置

分解瓶:5mLのガラス製耐圧ねじ口瓶で、底部の内側が円すい状となっており、外径20mm、首部までの高さが約50mmで、栓は耐熱性樹脂製又はアルミニウム製で密栓できるもの、セプタムは、表面がフッ素樹脂で加工されたブチルゴム又はシリコーンゴム製のものを用いる。

加熱器:厚さ60~80mmの角型金属アルミニウム製ブロックに直径20.6mm、深さ32mmの穴をあけたもので、ブロック内部の温度を±1℃の範囲で調節できる構造を有するものを用いる。

(2) 操作法 本品約65mgを精密に量り、分解瓶に入れ、アジピン酸約80mg、内標準液2.0mL及びヨウ化水素酸2.0mLを加え、直ちに密栓し、その質量を精密に量る。ただし、内標準液は、オクタン・o―キシレン溶液(3→100)とする。分解瓶の内容物の温度が130±2℃になるようにブロックを加熱しながら、加熱器に付属した電磁式かくはん機又は振とう機を用いて60分間かき混ぜる。電磁式かくはん機又は振とう機によるかくはんができない場合には、加熱時間の初めの30分間、5分ごとに手で振り混ぜる。冷後、その質量を精密に量り、減量が26mg未満及び内容物の漏れがないとき、内容物の上層を検液とする。別にアジピン酸約80mg、内標準液2.0mL及びヨウ化水素酸2.0mLを分解瓶にとり、直ちに密栓してその質量を精密に量り、マイクロシリンジを用いて定量用ヨードメタン45μLを加え、その質量を精密に量り、同様にして定量用ヨウ化イソプロピル15~22μLを加え、再びその質量を精密に量る。分解瓶を振り混ぜた後、内容物の上層を標準液とする。検液及び標準液をそれぞれ2μLずつ量り、次の操作条件でガスクロマトグラフィーを行う。検液のオクタンのピーク面積に対するヨウ化メチル及びヨウ化イソプロピルのピーク面積比QTa及びQTb並びに標準液のオクタンのピーク面積に対するヨウ化メチル及びヨウ化イソプロピルのピーク面積比QSa及びQSbを求め、以下の式によりメトキシ基及びヒドロキシプロポキシ基の含量を求める。

メトキシ基(―CH3O)の含量(%)=MSa/M×QTa/QSa×21.86

ヒドロキシプロポキシ基(―C3H7O2)の含量(%)=MSb/M×QTb/QSb×44.17

ただし、

MSa:定量用ヨードメタンの採取量(mg)

MSb:定量用ヨウ化イソプロピルの採取量(mg)

M:乾燥物換算した試料の採取量(mg)

操作条件

検出器 熱伝導度型検出器又は水素炎イオン化検出器

カラム 内径0.53mm、長さ30mのフューズドシリカ管の内面に、ガスクロマトグラフィー用ジメチルポリシロキサンを3μmの厚さで被覆したもの

カラム温度 50℃を3分間保持した後、毎分10℃で100℃まで昇温し、次に毎分35℃で250℃まで昇温する。その後、250℃を8分間保持する。

注入口温度 250℃

検出器温度 280℃

キャリヤーガス ヘリウム

流量 オクタンの保持時間が約10分になるように調整する。

注入方式 スプリット

スプリット比 1:40

システム適合性

システムの性能 標準液2μLにつき、上記の条件で操作するとき、ヨウ化メチル、ヨウ化イソプロピル、オクタンの順に流出し、それらのピークの分離度は5以上である。

システム再現性 標準液2μLにつき、上記の条件で試験を6回繰り返すとき、オクタンのピーク面積に対するヨウ化メチル及びヨウ化イソプロピルのピーク面積比の相対標準偏差は、2.0%以下である。

FA047800

E00268

L―ヒドロキシプロリン

L―Hydroxyproline

L―オキシプロリン

C5H9NO3 分子量 131.13

(2S,4R)―4―Hydroxypyrrolidine―2―carboxylic acid [51―35―4]

含量 本品を乾燥物換算したものは、L―ヒドロキシプロリン(C5H9NO3)98.0~102.0%を含む。

性状 本品は、白色の結晶又は結晶性の粉末であり、においがないか、又はわずかに特異なにおいがあり、味はわずかに甘い。

確認試験 本品の水溶液(1→1000)5mLにニンヒドリン溶液(1→50)1mLを加え、水浴中で3分間加熱するとき、黄色を呈する。

比旋光度 画像974 (4KB)別ウィンドウが開きます
 (4g、水、100mL、乾燥物換算)

pH 5.0~6.5(1.0g、水10mL)

純度試験

(1) 溶状 無色、ほとんど澄明(1.0g、水10mL)

(2) 塩化物 Clとして0.1%以下(70mg、比較液 0.01mol/L塩酸0.20mL)

(3) 鉛 Pbとして2μg/g以下(2.0g、第1法、比較液 鉛標準液4.0mL、フレーム方式)

(4) ヒ素 Asとして3μg/g以下(0.50g、第1法、標準色 ヒ素標準液3.0mL、装置B)

乾燥減量 0.3%以下(105℃、3時間)

強熱残分 0.2%以下

定量法 本品約0.3gを精密に量り、以下「L―アスパラギン」の定量法を準用する。

0.1mol/L過塩素酸1mL=13.11mg C5H9NO3

FA047850

T03075

ビニルイミダゾール・ビニルピロリドン共重合体

Copolymer of Vinylimidazole/Vinylpyrrolidone

PVI/PVP

定義 本品は、9:1の比の1―ビニルイミダゾール及び1―ビニル―2―ピロリドンから、2%未満の架橋剤1,3―ジビニルイミダゾリジン―2―オン存在下、重合反応によって製造される共重合体である。

含量 本品を乾燥物換算したものは、窒素(N=14.01)26.0~29.0%を含む。

性状 本品は、白~帯黄白色の粉末である。

確認試験 本品を赤外吸収スペクトル測定法中の錠剤法により測定し、本品のスペクトルを参照スペクトルと比較するとき、同一波数のところに、同様の強度の吸収を認める。

純度試験

(1) 鉛 Pbとして2μg/g以下(2.0g、第1法、比較液 鉛標準液4.0mL、フレーム方式)

(2) ヒ素 Asとして2μg/g以下(0.50g、第3法、標準色 ヒ素標準液2.0mL、装置B)

(3) 水可溶物 0.5%以下

本品10gを量り、水100mLに加えて振り混ぜ、24時間放置した後、メンブランフィルター(孔径2.5~3.0μm)を用いて吸引ろ過する。さらに、ろ液をメンブランフィルター(孔径0.8μm)を用いて吸引ろ過し、ろ液を水浴上で蒸発乾固し、残留物の質量を量る。

(4) 酢酸/エタノール可溶物 1%以下

本品1gを量り、あらかじめ酢酸15gとエタノール(95)50mLを水500mLと混合した液500mLを加えて振り混ぜ、24時間放置した後、メンブランフィルター(孔径2.5~3.0μm)を用いて吸引ろ過する。さらに、ろ液をメンブランフィルター(孔径0.8μm)を用いて吸引ろ過し、ろ液を水浴上で蒸発乾固し、残留物の質量を量る。

(5) 有機性不純物 イミダゾール 50μg/g以下

1,3―ジビニルイミダゾリジン―2―オン 2μg/g以下

1―ビニルイミダゾール 10μg/g以下

1―ビニル―2―ピロリドン 5μg/g以下

2―ピロリドン 50μg/g以下

本品2.0gを量り、内標準液1mLを正確に加え、更にアセトン24mLを加えてかくはん機で4時間かくはんする。静置した後、ろ過し、ろ液を検液とする。ただし、内標準液は、ベンゾニトリル・アセトン溶液(1→4000)とする。別に200mLのメスフラスコに、イミダゾール80mg、1,3―ジビニルイミダゾリジン―2―オン3.2mg、1―ビニルイミダゾール16mg、1―ビニル―2―ピロリドン8.0mg及び2―ピロリドン80mgをそれぞれ量り入れ、アセトンを加えて正確に200mLとし、標準液とする。標準液1mL及び内標準液4mLを正確に量り、アセトンを加えて100mLとし、比較液とする。検液及び比較液をそれぞれ1μLずつ量り、次の操作条件でガスクロマトグラフィーを行う。検液及び比較液におけるベンゾニトリルのピーク面積に対する各有機性不純物のピーク面積比を求めるとき、検液で得られた各有機性不純物のピーク面積比は、比較液で得られた対応する各有機性不純物の面積比を超えない。

操作条件

検出器 窒素リン検出器

カラム 内径0.25mm、長さ30mのフューズドシリカ管の内面に、ガスクロマトグラフィー用ポリエチレングリコールを0.5μmの厚さで被覆したもの

カラム温度 160℃から毎分5℃で210℃まで昇温し、210℃を7分間保持する。

注入口温度 220℃

検出器温度 250℃

キャリヤーガス ヘリウム

流量 ベンゾニトリルのピークが4~5分後に現れ、各有機性不純物が分離するように調整する。

注入方式 スプリット

スプリット比 1:10

乾燥減量 5.0%以下(140℃、1時間)

灰分 0.3%以下(800℃、6時間)

定量法 本品約10mgを精密に量り、窒素定量法中のセミミクロケルダール法により窒素を定量し、更に乾燥物換算を行う。

参照スペクトル

ビニルイミダゾール・ビニルピロリドン共重合体

FA047900

T03080

ピペリジン

Piperidine

C5H11N 分子量 85.15

Piperidine [110―89―4]

含量 本品は、ピペリジン(C5H11N)98.0%以上を含む。

性状 本品は、無~淡黄色の澄明な液体で、特有のにおいがある。

確認試験 本品を赤外吸収スペクトル測定法中の液膜法により測定し、本品のスペクトルを参照スペクトルと比較するとき、同一波数のところに同様の強度の吸収を認める。

屈折率 画像977 (4KB)別ウィンドウが開きます

定量法 香料試験法中の香料のガスクロマトグラフィーの面積百分率法の操作条件(2)により定量する。

参照スペクトル

ピペリジン

FA048000

T03090

ピペロナール

Piperonal

ヘリオトロピン

C8H6O3 分子量 150.13

Benzo[d][1,3]dioxole―5―carbaldehyde [120―57―0]

含量 本品は、ピペロナール(C8H6O3)98.0%以上を含む。

性状 本品は、白色の結晶又は塊で、ヘリオトロープようのにおいがある。

確認試験 本品を赤外吸収スペクトル測定法中の液膜法により測定し、本品のスペクトルを参照スペクトルと比較するとき、同一波数のところに同様の強度の吸収を認める。なお、固体の場合には、加温して融解し、試料とする。

融点 36~37.5℃

純度試験 酸価 3.0以下(香料試験法)

定量法 本品のアセトン溶液(1→10)を検液とし、香料試験法中の香料のガスクロマトグラフィーの面積百分率法の操作条件(4)により定量する。

参照スペクトル

ピペロナール

FA048100

T03100

ピペロニルブトキシド

Piperonyl Butoxide

ピペロニルブトキサイド

C19H30O5 分子量 338.44

5―{[2―(2―Butoxyethoxy)ethoxy]methyl}―6―propylbenzo[d][1,3]dioxole [51―03―6]

性状 本品は、無~淡褐色の透明な油状の液体であり、においがないか、又はわずかににおいがある。

確認試験

(1) 本品のメタノール溶液(1→1000)0.5mLにタンニン酸・酢酸試液20mLを加え、水浴中で時々振り混ぜながら加熱するとき、液は、青色を呈する。

(2) 本品の90vol%メタノール溶液(1→100000)は、波長236~240nm及び288~292nmに吸収極大があり、236~240nmにおける吸光度及び288~292nmにおける吸光度との比は、1.13~1.24である。

屈折率 画像983 (4KB)別ウィンドウが開きます

純度試験

(1) 色調 本品の色調は、塩化コバルト(Ⅱ)比色標準原液1.4mL、塩化鉄(Ⅲ)比色標準原液4.3mL及び硫酸銅(Ⅱ)比色標準原液0.3mLを混和した液の色調より濃くない。

(2) 鉛 Pbとして2μg/g以下(2.0g、第2法、比較液 鉛標準液4.0mL、フレーム方式)

(3) 塩素化合物 Clとして0.035%以下

本品0.50gを量り、磁製のるつぼに入れ、炭酸ナトリウム溶液(1→8)2mLを加え、時々揺り動かしながら水浴上で1時間加熱し、ほとんど蒸発乾固する。これに炭酸カルシウム1gを加え、弱く加熱してほとんど炭化した後、約600℃に加熱してほとんど灰化する。冷後、残留物に硝酸(1→10)35mLを徐々に加えて溶かし、ろ過する。不溶物を水10mLで洗い、洗液をろ液に合わせ、水を加えて50mLとし、検液とする。別に炭酸カルシウム1gを量り、炭酸ナトリウム溶液(1→8)2mLを加え、硝酸(1→10)35mLを徐々に加えて溶かし、ろ過する。不溶物を水10mLで洗い、洗液をろ液に合わせ、0.01mol/L塩酸0.50mL及び水を加えて50mLとし、比較液とする。両液に硝酸銀溶液(1→50)0.5mLずつを加えてよく振り混ぜ、5分間放置するとき、検液の呈する濁度は、比較液の呈する濁度より濃くない。

(4) 蒸留試験 194℃までの蒸留残留物85.0%以上、203℃までの蒸留残留物5.0%以下

本品25gを量り、あらかじめ質量を精密に量った100mLのナス型フラスコに入れて質量を精密に量り、0.53kPaの減圧下で194℃まで蒸留し、フラスコ内の残留物の質量を精密に量る。さらに、0.53kPaの減圧下で203℃まで蒸留し、フラスコ内の残留物の質量を精密に量る。

FA048200

T03120

氷酢酸

Glacial Acetic Acid

C2H4O2 分子量 60.05

Acetic acid [64―19―7]

含量 本品は、酢酸(C2H4O2)99.0%以上を含む。

性状 本品は、無~白色の結晶塊又は無色澄明の液体で、特異な刺激性のにおいがある。

確認試験

(1) 本品の水溶液(1→4)は、酸性である。

(2) 本品の水溶液(1→4)は、酢酸塩の反応を呈する。

凝固点 14.5℃以上

純度試験

(1) 鉛 Pbとして0.5μg/g以下(8.0g、第1法、比較液 鉛標準液4.0mL、フレーム方式)

(2) ヒ素 Asとして3μg/g以下(0.50g、第1法、標準色 ヒ素標準液3.0mL、装置B)

(3) 易酸化物 本品2.0gを量り、水10mLを加えて溶かし、0.02mol/L過マンガン酸カリウム溶液0.10mLを加えるとき、液の赤色は、30分以内に消えない。

(4) 蒸発残留物 0.010%以下

本品20.0gを量り、蒸発した後、100℃で2時間乾燥し、残留物の質量を量る。

定量法 本品約1gを精密に量り、水40mLを加え、1mol/L水酸化ナトリウム溶液で滴定する(指示薬 フェノールフタレイン試液2滴)。

1mol/L水酸化ナトリウム溶液1mL=60.05mg C2H4O2

FA048300

T03130

ピラジン

Pyrazine

C4H4N2 分子量 80.09

Pyrazine [290―37―9]

含量 本品は、ピラジン(C4H4N2)98.0%以上を含む。

性状 本品は、白~淡黄色の固体で、特有のにおいがある。

確認試験 本品を粉末にして窓板に挟み、加温して溶かす。冷後、赤外吸収スペクトル測定法中の薄膜法により測定し、本品のスペクトルを参照スペクトルと比較するとき、同一波数のところに同様の強度の吸収を認める。

融点 51~55℃

定量法 本品のエタノール(95)溶液(1→10)を検液とし、香料試験法中の香料のガスクロマトグラフィーの面積百分率法の操作条件(2)により定量する。

参照スペクトル

ピラジン

FA048400

T03140

ピリドキシン塩酸塩

Pyridoxine Hydrochloride

ビタミンB6

C8H11NO3・HCl 分子量 205.64

(5―Hydroxy―6―methylpyridine―3,4―diyl)dimethanol monohydrochloride [58―56―0]

含量 本品を乾燥物換算したものは、ピリドキシン塩酸塩(C8H11NO3・HCl)98.0%以上を含む。

性状 本品は、白~淡黄色の結晶又は結晶性の粉末であり、においがない。

確認試験

(1) 本品の水溶液(1→10000)1mLに2,6―ジブロモ―N―クロロ―p―ベンゾキノンモノイミン・エタノール(95)溶液(1→4000)2mL及びアンモニア試液1滴を加えるとき、液は、青色を呈する。また、あらかじめホウ酸飽和溶液1mLを加えた後、この試験を行うとき、液は、青色を呈さない。

(2) 本品は、塩化物の反応を呈する。

融点 203~209℃(分解)

pH 2.5~3.5(0.50g、水25mL)

純度試験 鉛 Pbとして2μg/g以下(2.0g、第1法、比較液 鉛標準液4.0mL、フレーム方式)

乾燥減量 0.5%以下(4時間)

強熱残分 0.1%以下

定量法 本品約0.4gを精密に量り、酢酸5mL及び無水酢酸5mLを加え、穏やかに煮沸して溶かす。冷後、無水酢酸30mLを加え、0.1mol/L過塩素酸で滴定する(指示薬 クリスタルバイオレット・酢酸試液1mL)。終点は、液の紫色が青色を経て緑色に変わるときとする。別に空試験を行い補正し、更に乾燥物換算を行う。

0.1mol/L過塩素酸1mL=20.56mg C8H11NO3・HCl

FA048500

T03150

ピリメタニル

Pyrimethanil

C12H13N3 分子量 199.25

N―(4,6―dimethylpyrimidin―2―yl)aniline [53112―28―0]

含量 本品は、ピリメタニル(C12H13N3)96.0%以上を含む。

性状 本品は、白~帯黄白色の粉末で、においがない。

確認試験 本品を赤外吸収スペクトル測定法中の錠剤法により測定し、本品のスペクトルを参照スペクトルと比較するとき、同一波数のところに同様の強度の吸収を認める。

融点 96~98℃

純度試験 鉛 Pbとして2μg/g以下(2.0g、第1法、比較液 鉛標準液4.0mL、フレーム方式)

水分 1.0%以下(2g、容量滴定法、直接滴定)

定量法 本品及び定量用ピリメタニル約50mgずつを精密に量り、それぞれをメタノールに溶かして正確に50mLとする。これらの液1mLずつを正確に量り、それぞれアセトニトリル/水混液(3:1)を加えて正確に20mLとし、検液及び標準液とする。検液及び標準液をそれぞれ10μLずつ量り、次の操作条件で液体クロマトグラフィーを行う。検液及び標準液のピリメタニルのピーク面積AT及びASを測定し、次式により含量を求める。

ピリメタニル(C12H13N3)の含量(%)=MS/MT×AT/AS×100

ただし、

MS:定量用ピリメタニルの採取量(g)

MT:試料の採取量(g)

操作条件

検出器 紫外吸光光度計(測定波長 268nm)

カラム充填剤 5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲル

カラム管 内径4.6mm、長さ25cmのステンレス管

カラム温度 24~40℃付近の一定温度

移動相 アセトニトリル750mLに水250mLを加え、更に酢酸アンモニウム2gを加えて溶かす。

流量 ピリメタニルの保持時間が5~6分になるように調整する。

参照スペクトル

ピリメタニル

FA048600

微粒二酸化ケイ素

Silicon Dioxide(fine)

微粒シリカゲル

SiO2 分子量 60.08

Silicon dioxide

定義 本品は、二酸化ケイ素のうち、微粒のものである。

含量 本品を強熱したものは、二酸化ケイ素(SiO2)99.0%以上を含む。

性状 本品は、平均粒子径15μm以下の滑らかな触感をもつ白色の微細な粉末であり、においがなく、味がない。

確認試験 本品0.2gを白金製のるつぼにとり、フッ化水素酸5mLを加えて溶かし、次に加熱するとき、ほとんどが蒸発する。

純度試験

(1) 水可溶物 乾燥物に対し5.0%以下

本品を105℃で2時間乾燥し、その2.0gを量り、水60mLを加え、電磁式かくはん機で15分間よくかき混ぜた後、メンブランフィルター(孔径0.45μm)を装着したフィルターホルダーを用いて吸引ろ過する。ろ液が濁っている場合には、同一フィルターで吸引ろ過を繰り返す。容器及びフィルター上の残留物は、水で洗い、洗液をろ液に加え、更に水を加えて100mLとする。この液50mLを量り、蒸発乾固し、残留物を105℃で2時間乾燥し、質量を量る。

(2) 鉛 Pbとして5μg/g以下(0.80g、第5法、比較液 鉛標準液4.0mL、フレーム方式)

本品に塩酸(1→4)20mLを加え、時計皿等で覆い、時々かくはんしながら穏やかに15分間沸騰させる。この液を遠心分離して不溶物を沈降させ、上澄液をろ過し、不溶物を除き、ろ紙上の残留物と容器を熱湯5mLで洗い、洗液をろ液に合わせる。冷後、試料液とする。

(3) ヒ素 Asとして1.5μg/g以下(5.0g(105℃、2時間乾燥)、標準色 ヒ素標準液3.0mL、装置B)

乾燥した本品に塩酸(1→4)50mLを加え、蒸発する水を補いながら、水浴上で時々振り混ぜて1時間加熱する。冷後、ろ過する。容器及びろ紙上の残留物は、水で洗い、洗液をろ液に加え、更に水を加えて100mLとし、これをA液とする。A液20mLを量り、検液とする。

(4) ナトリウム Na2Oとして0.20%以下