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(2) アイスクリーム類

1 検体の採取及び試料の調製法

検体は、製品が成分規格に適合するかしないかを判断することのできる数量を滅菌採取器具を用いて無菌的に滅菌採取びんに採り、なるべくその温度を保つて保持し、又は運搬し、採取後四時間以内に試験に供しなくてはならない。

試料は、検体を四〇度以下でなるべく短時間で全部融解させ、その一〇gを共せんびんに採つたものに、細菌数(生菌数)の測定に関しては滅菌生理食塩水九〇mlを加えて一〇倍希釈したものを一平板に三〇個から三〇〇個までの集落が得られるように滅菌生理食塩水で段階希釈したもの、大腸菌群の測定に関しては滅菌生理食塩水九〇mlを加えて一〇倍希釈したものとする。

2 細菌数(生菌数)の測定法

各試料について滅菌ペトリー皿二枚以上を用意し、滅菌ピペツトを用いて対応する滅菌ペトリー皿に当該試料一mlずつを正確に採り、これらにあらかじめ加温して溶かし四三度から四五度までの温度に保持した標準寒天培養基約一五mlを加え、静かに回転し、前後左右に傾斜して混合し、冷却凝固させる。この操作は試料をペトリー皿に採つてから二〇分間以内に完了させなければならない。培養基が凝固したならば、倒置して三二度から三五度までの温度で四八時間(前後三時間の余裕を認める。)培養する。この場合、検体の希釈に用いた滅菌生理食塩水一mlに試料を加えた培養基と同一同量の培養基を混合し、静かに回転し、以下試料の場合と同様に操作して培養したものを対照とし、ペトリー皿、生理食塩水及び培養基が無菌であつたこと並びに操作が完全であつたことを確めなければならない。

ペトリー皿は直径九cmから一〇cmまで、深さは一・五cmとする。

細菌数の算定は、次の要領による。

一平板の集落数三〇個から三〇〇個までのもの(一平板の集落数が三〇個から三〇〇個までのものがないときは拡散集落の部分が平板の二分の一以下で他の集落がよく分散していて算定に支障のないもの)の集落数を集落計算器を用いて常に一定した光線の下で計測し、希釈倍率が同一な試料ごとに各平板の集落数を平均した値に当該試料に係る希釈倍率を乗じて得た数値を加算し、有効であつた平板の希釈倍率別による種類の数で除して得た値を細菌数とする。

ただし、次の場合はこれを試験室内事故とする。

a 集落の発生のなかつた場合

b 拡散集落の部分が平板の二分の一をこえた場合

c 汚染されたことが明らかなもの

d その他不適当と思われるもの

〇培地

標準寒天培養基

ペプトン五g、酵母エキス二・五g、ブドウ糖一g及び寒天一五gを精製水一、〇〇〇mlに合して加熱して溶かし、高圧滅菌する(滅菌後のpHは七・〇から七・二までとする。)。

3 大腸菌群の測定法

滅菌ペトリー皿二枚を用意し、それぞれに滅菌ピペツトを用いて試料一mlを正確に採る。これにあらかじめ加温して溶かし四三度から四五度までの温度を保持させたデソキシコーレイト寒天培養基を一〇mlから一五mlまでの量加え、静かに回転し、前後左右に傾斜して混合し、冷却凝固させる。培養基が凝固した後に、その表面に更に同培養基を三mlから四mlまでの量加えて冷却凝固させる。この操作は試料をペトリー皿に採つてから二〇分間以内に完了させなければならない。

培養基が凝固したならば、倒置して三二度から三五度までの温度で二〇時間(前後二時間の余裕を認める。)培養して集落の有無を観察する。暗赤色の集落を認めたものは推定試験陽性とし、該当しないものは推定試験陰性とする。

推定試験が陽性の場合は、当該集落の代表的なものをE・M・B・培養基に塗抹とまつし、三二度から三五度までの温度で二四時間(前後二時間の余裕を認める。)培養した後、大腸菌群の定型的集落(定型的集落がない場合は、定型的集落に類似した集落二個以上)をちよう菌して、乳糖ブイヨン発酵管及び寒天斜面にそれぞれ(定型的集落に類似した集落をちよう菌した場合は各集落からちよう菌したもの別にそれぞれ)移植する。

乳糖ブイヨン発酵管は三二度から三五度までの温度で四八時間(前後三時間の余裕を認める。)、寒天斜面は三二度から三五度までの温度で二四時間培養し、乳糖ブイヨン発酵管においてガス発生を確認した場合に、これと相対する寒天斜面培養について鏡検し、グラム陰性無芽胞かん菌を認めた場合を大腸菌群陽性とする。

ペトリー皿は直径九cmから一〇cmまで、深さ一・五cmとする。

〇培地

A デソキシコーレイト寒天培養基

ペプトン一〇g、寒天一五gから二五gまでの量、乳糖一〇g、食塩五g、クエン酸鉄アンモン二g及びリン酸一カリウム二gを水一、〇〇〇mlに合して加熱して溶かし、これをろ過したろ液をPH七・三から七・五までに修正し、これにデソキシコール酸ソーダ一g及びニユートラル・レツド〇・〇三三gを加えて更にPH七・三から七・五までに修正する。

B E・M・B・培養基

(1) 乳及び乳製品の9 乳及び乳製品の大腸菌群の測定法のb 測定法の培地のC E・M・B・培養基に掲げるものとする。

C 乳糖ブイヨン発酵管

(1) 乳及び乳製品の9 乳及び乳製品の大腸菌群の測定法のb 測定法の培地のD 乳糖ブイヨン発酵管に掲げるものとする。

4 乳脂肪分の定量法

試料四gを小型ビーカーに採り、水三mlを加えてよく混ぜ合わせレーリツヒ管に移す。

ビーカーは、水三mlでよく洗い、その洗液はレーリツヒ管に加え、振り混ぜる。次にアンモニア水(二五%から三〇%で無色透明なもの)二mlを加え、静かに混合し、次にレーリツヒ管を六〇度の水浴中につけ、時々振り混ぜながら二〇分間加温する。以下(1) 乳及び乳製品の3 乳及び乳製品の乳脂肪分の定量法のb 濃縮乳、無糖練乳、加糖練乳、全粉乳、クリームパウダー、加糖粉乳及びクリームの乳脂肪分の定量法の項に定める全粉乳、クリームパウダー、加糖粉乳及びクリームの方法と同様の方法により行うものとする。

5 乳固形分の定量法

4に定める方法により求めた乳脂肪量と(3) 発酵乳及び乳酸菌飲料の1 無脂乳固形分の定量法に定める方法と同様の方法により求めた無脂乳固形分との和を乳固形分とする。

(3) 発酵乳及び乳酸菌飲料

1 無脂乳固形分の定量法

検体(凍結状のものにあつては、四〇度以下の温度でなるべく短時間に全部融解させたもの)約五〇gを精密に量り、フエノールフタレイン溶液数滴を加え、これをかき混ぜながら一〇%水酸化ナトリウム溶液を徐々に加えて微アルカリ性とし、メスフラスコに採り、水を加えて一〇〇mlとし、その五mlを正確に一五〇mlのケルダール分解フラスコに採る。これに硫酸カリ九g及び硫酸銅一gの混合粉末〇・二gを加え、更にフラスコの内壁を伝わらせて硫酸一〇mlを加える。次に、このフラスコを徐々に加熱し、亜硫酸ガスの白煙が生じたとき少し加熱を強め、泡末の大部分が消失した後強熱し、中の液が透明な淡青色を呈し、かつ、フラスコの内壁に炭化物を認めなくなつたとき加熱を止め、放冷後注意しながら水三〇mlを加え、再び冷却した後フラスコを蒸留装置に連結する。この場合、二〇〇mlの吸収フラスコ中には〇・〇五mol/l硫酸三〇ml及びメチルレツド溶液数滴を入れ、冷却器の下端が液中につかるようにする。次に、ケルダール蒸留装置の漏斗から三〇%水酸化ナトリウム溶液四〇mlを入れ、水一〇mlで洗い込み、ピンチコツクを閉じ、直ちに蒸留をはじめる。留出液が八〇mlから一〇〇mlまでの量に達したとき冷却器の下端を液面から離し、更に留出液数mlを採る。蒸留終了後、冷却器の液に浸つた部分を少量の水で洗い、その洗液を吸収フラスコ中の液に合し、これを〇・一mol/l水酸化ナトリウム溶液で滴定する。

無脂乳固形分は、次式によつて計算する。

((0.0014×(A-B))/試料の採取量(g))×6.38×2.82×100(%)

A 〇・〇五mol/l硫酸三〇mlを中和するのに要する〇・一mol/l水酸化ナトリウム溶液の所要量(ml)

B 滴定に要した〇・一mol/l水酸化ナトリウム溶液の所要量(ml)

〇標示薬

メチルレツド溶液 メチルレツド一gをエタノール五〇mlに溶かし、これに水を加えて一〇〇mlとし、必要があればろ過する。

2 検体の採取及び試料の調製法

検体は、製品が成分規格に適合するかしないかを判断することのできる数量を滅菌採取器を用いて無菌的に滅菌採取びんに採り、四度以下の温度で保持し、又は運搬し採取後四時間以内に試験に供する。試料は、糊状の検体にあつては、滅菌ピペツト様ガラス管でよくかき混ぜた後に一〇gを、液状の検体にあつては、よく振つた後一〇mlを、凍結状の検体にあつては、四〇度以下の温度でなるべく短時間に全部融解させた後に一〇gを共せんびんに採り、滅菌生理食塩水を加えて一〇〇mlとし、一〇倍希釈液を作る。これを更に一平板に三〇個から三〇〇個までの集落が得られるように滅菌生理食塩水で段階希釈する。

3 乳酸菌数の測定法

試料については滅菌ペトリー皿二枚以上を用意し、滅菌ピペツトを用いて対応する滅菌ペトリー皿に当該試料一mlずつを正確に採り、これにあらかじめ加温して溶かし四三度から四五度までの温度に保持したB・C・P・加プレートカウント寒天培地約一五mlを加え、静かに回転し、前後左右に傾斜して混合し、冷却凝固させる。この操作は試料をペトリー皿に採つてから二〇分間以内に完了させなければならない。培養基が凝固したならば、倒置して三五度から三七度まで(製造時の発酵温度が二五度前後の製品にあつては二四度から二六度まで)の温度で七二時間(前後三時間の余裕を認める。)培養する。この場合、検体の希釈に用いた滅菌生理食塩水一mlに試料を加えた培養基と同一同量の培養基を混合し、静かに回転し、以下試料の場合と同様に操作して培養したものを対照とし、ペトリー皿、生理食塩水及び培養基が無菌であつたこと並びに操作が完全であつたことを確かめなければならない。

ペトリー皿は、直径九cmから一〇cmまで、深さは一・五cmとする。

培養した後、発生した集落のうち、黄変しているものが乳酸菌の集落である。

乳酸菌数の算定は、次の要領による。

一平板の乳酸菌の集落数三〇個から三〇〇個までのもの(一平板の乳酸菌の集落数が三〇個から三〇〇個までのものがないときは、拡散集落の部分が平板の二分の一以下で他の集落がよく分散していて算定に支障のないもの)の乳酸菌の集落数を集落計算器を用いて常に一定した光線の下で計測し、希釈倍率が同一の試料ごとに各平板の乳酸菌の集落数を平均した値に当該試料に係る希釈倍率を乗じて得た数値を加算し、有効であつた平板の希釈倍率別による種類の数で除して得た値を乳酸菌数とする。

ただし、次の場合は、これを試験室内事故とする。

a 拡散集落の部分が平板の二分の一をこえた場合

b 汚染されたことが明らかなもの

c その他不適当と思われるもの

〇培地

B・C・P・加プレートカウント寒天培養基

酵母エキス二・五g、ペプトン五g、ブドウ糖一g、ツイーン80一g、L―システイン〇・一g及び粉末寒天一五gを水一、〇〇〇mlに合して加熱して溶かし、PHを六・八から七・〇までに修正し、これにB・C・P・を〇・〇〇四から〇・〇〇六%の割合に加えて高圧滅菌する。

4 大腸菌群の測定法

2検体の採取及び試料の調製法に規定する一〇倍希釈液について、(2)アイスクリーム類の3大腸菌群の測定法に規定する方法により行うものとする。

(4) バター及びバターオイル

1 水分の定量法

試料約二gをひよう量管に正確に採り、(1) 乳及び乳製品の1 乳及び乳製品の無脂乳固形分の定量法の項に定める方法と同様の方法により乾燥物質量を求め、乾燥減量を試料の採取量で除した数に一〇〇を乗じ、水分のパーセント量とする。

2 乳脂肪分の定量法

水分を定量したひよう量管に石油エーテル一五mlを加え、ガラス棒ですりつぶしながらよく混ぜて十分溶かし、これをるつぼ型すり合わせガラスろ過器に移し、更に少量の石油エーテルを用いてひよう量管の内壁をよく洗い、これをろ過器に流し込む。ろ過器は一〇〇mlの石油エーテルを用いて数回に分けて洗浄して脂肪を溶かし出す。次にろ過器を沸騰している蒸気乾燥器の中で恒量となるまで乾燥し、残留物質量を求める。

1により求めた乾燥物質量と残留物質量との差を試料の採取量で除した数に一〇〇を乗じ、乳脂肪分のパーセント量とする。

3 大腸菌群の測定法

a 検体の採取及び試料の調製法

検体は、容器包装のまま採取するか、又はその成分規格に適合するかしないかを判断することのできる数量を無菌的に滅菌採取びんに採取し、四度以下の温度で保持し、又は運搬し、採取後四時間以内に試験に供しなくてはならない。

検体は、四五度をこえない温度の恒温そうで温め、一五分間以内に滅菌器具を用いてよくこね、滅菌スプーン又は滅菌駒込ピペツトで無菌的にその一〇gを共せん三角フラスコ(せんを除いて重量八五g以下で一〇〇mlの所にかく線を有するもの)に採り、四〇度の滅菌生理食塩水を加えて一〇〇mlとし、一〇倍希釈したものを試料液とする。

b 大腸菌群の測定法

(2) アイスクリーム類の3 大腸菌群の測定法に規定する方法とする。

(5) プロセスチーズ及び濃縮ホエイ

1 乳固形分の定量法

次の方法により求めた乳脂肪量と乳蛋白量との和を乳固形分とする。

なお、濃縮ホエイにあつては、更に(1) 乳及び乳製品の7 乳製品の糖分の定量法のa 乳糖の定量法により求めた乳糖量を加え乳固形分とする。

a 乳脂肪分の定量法

試料一gを小型の背の高いビーカーに採り、蒸留水九ml及び希アンモニア水一mlを加え、ガラス棒で練つて均一の乳濁液とし、少し温めてやわらかくする。塩酸で中和し、更に塩酸一〇mlを加える。精製白砂を少量加え、時計皿でおおい、静かに約五分間煮沸する。冷却して内容物をリヨーリツヒ管に移し、ビーカーはエタノール一〇ml及びエチルエーテル二五mlで洗い、その洗液をリヨーリツヒ管に加えて、よく振り混ぜ、以下(1) 乳及び乳製品の3 乳及び乳製品の乳脂肪分の定量法のb 濃縮乳、無糖練乳、加糖練乳、全粉乳、クリームパウダー、加糖粉乳及びクリームの乳脂肪分の定量法の項に定める濃縮乳、無糖練乳及び加糖練乳の方法と同様の方法により行うものとする。

b 乳蛋白量の定量法

試料〇・二~一・〇gを正確に量り、ケルダール分解フラスコ(一〇〇~一五〇mlのもの)に採る。これに分解促進剤(硫酸カリウム九分と硫酸銅一分とを別々に磨砕した後混和したもの)を〇・五g加え、次いで分解フラスコの内壁を伝わらせて硫酸一〇mlを静かに加えて混和する。分解台上で徐々に加熱し、時々注意して緩やかに混和する。亜硫酸ガスの白煙が生じはじめたら火力を強め、泡末の大部分が消失したら強熱して内容液が淡青緑色で透明になるまで分解を続ける。透明になつたら冷却して分解びんのくびの部分を少量の蒸留水で洗い、更に三〇分間加熱を続ける。分解が終つたら冷却し、蒸留水約二〇mlを加えて放冷した後、漏斗を用いて分解液を一〇〇mlメスフラスコに洗い込み、蒸留水で標線まで満たして、これを試料液とする。

ケルダール蒸留装置の受器(一〇〇~一五〇mlの三角フラスコ)に、〇・〇一mol/l硫酸一〇mlを正確に採り入れ、メチレンブルー・メチルレツド混合指示薬一~二滴を加え、冷却器先端のガラス管が、受器の底部に達し、液内に没するように固定し、廃液排出口及び試料注入口を開き、冷却水を還流させ、試料注入口の漏斗から試料液一〇mlを正確に二重蒸留管内に注入する。更に少量の蒸留水を用いて漏斗を洗い、次に、三〇%水酸化ナトリウム一〇mlを試料注入口漏斗から加え、再び少量の蒸留水で漏斗を洗い、直ちに試料注入口を閉じ、蒸気発生装置の加熱を強め、廃液排出口からはげしく蒸気が出た後、廃液排出口を閉じ、二重蒸留管内で蒸留を始める。初留の先端が受器に達してから四~五分間蒸留を続けた後、受器を下げ、冷却器先端のガラス管を液面からはずし、更に二分間蒸留を行う。そのガラス管先端を蒸留水で洗い、受器を装置からはずす。

直ちに、〇・〇二mol/l水酸化ナトリウム溶液で滴定する。なお、盲検として、試料以外の試薬を同量用いて、全く同様の操作を行い、同様に滴定する。

乳蛋白量は次式によつて計算する。

乳蛋白量(%)=0.28×F(X-Y)×(100/10)×(1/S)×6.38×100

F 〇・〇二mol/l水酸化ナトリウム溶液のフアクター

X 盲検の滴定量(ml)

Y 試料の滴定量(ml)

S 試料の採取量(mg)

2 大腸菌群の測定法

本品の大腸菌群の測定法は、(4) バター及びバターオイルの3 大腸菌群の測定法に規定する方法とする。

(6) 常温保存可能品及び充填後殺菌製品

1 発育し得る微生物の試験法

a 恒温試験

検体を容器包装のまま採取し、三五・〇度±一・〇度で一四日間保持する。この間において容器包装の膨張の有無又は内容物の漏えいの有無を観察する。この場合、容器包装の膨張の有無は約二〇度に冷却して観察するものとし、容器包装の膨張又は内容物の漏えいを認めたものは、発育し得る微生物が陽性であるとみなす。

恒温試験で陰性の結果を得た検体については、細菌試験を行う。

b 細菌試験

A 試料の調製

恒温試験の結果陰性であった検体について、その開封部の表面をアルコール綿でよく拭き、滅菌した器具を用いて開封し、その内容物(内容物の全部又は一部が固形状のものである場合は、滅菌ハサミ等を用いて細切したもの)の全部を無菌的に混合した後、その二五gを無菌的に採り、滅菌リン酸緩衝希釈水二二五mlを加えて細砕する。その一mlを滅菌ピペットを用いて滅菌試験管に採り、滅菌リン酸緩衝希釈水九mlを加えてよく混和し、これを試料とする。

B 試験法

試料を一mlずつ五本のチオグリコール酸塩培養基に接種し、三五・〇度±一・〇度で四八時間(前後三時間の余裕を認める。)培養する。この場合、培養基のいずれかに菌の増殖を認めたものは陽性とする。

チオグリコール酸塩培養基 L―シスチン〇・五g、ブドウ糖五g、酵母エキス五g、ペプトン一五g、チオグリコール酸塩〇・五g、食塩二・五g、レサズリン〇・〇〇一g及び粉末寒天〇・八gを精製水一、〇〇〇mlに加えて加温溶解し、これをpH七・〇~七・二に修正し、試験管に一〇mlずつ分注した後、一二一度で一五分間滅菌する。