添付一覧
○電気機械器具防爆構造規格
(昭和四十四年四月一日)
(労働省告示第十六号)
労働安全衛生規則(昭和二十二年労働省令第九号)第百四十条の七第二項の規定に基づき、電気機械器具防爆構造規格(昭和三十六年労働省告示第四十二号)の全部を次のように改正する。
電気機械器具防爆構造規格
第一章 総則
第一条 この告示において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 容器 電気機械器具の外箱、外被、保護カバー等当該電気機械器具の防爆性能を保持するための包被部分をいう。
二 接合面 電気機械器具の部材の接合部分であつて、容器の内部から外部に通ずる隙間を有しているものにおける当該部材相互の相対する面をいう。
三 耐圧防爆構造 全閉構造であつて、可燃性のガス(以下「ガス」という。)又は引火性の物の蒸気(以下「蒸気」という。)が容器の内部に侵入して爆発を生じた場合に、当該容器が爆発圧力に耐え、かつ、爆発による火炎が当該容器の外部のガス又は蒸気に点火しないようにしたものをいう。
四 内圧防爆構造 容器の内部に空気、窒素、炭酸ガス等の保護ガスを送入し、又は封入することにより、当該容器の内部にガス又は蒸気が侵入しないようにした構造をいう。
五 安全増防爆構造 電気機械器具を構成する部分(電気を通じない部分を除く。)であつて、当該電気機械器具が正常に運転され、又は通電されている場合に、火花若しくはアークを発せず、又は高温となつて点火源となるおそれがないものについて、絶縁性能並びに温度の上昇による危険及び外部からの損傷等に対する安全性を高めた構造をいう。
六 油入防爆構造 電気機械器具を構成する部分であつて、火花若しくはアークを発し、又は高温となつて点火源となるおそれがあるものを絶縁油の中に収めることにより、ガス又は蒸気に点火しないようにした構造をいう。
七 本質安全防爆構造 電気機械器具を構成する部分の発生する火花、アーク又は熱が、ガス又は蒸気に点火するおそれがないことが点火試験等により確認された構造をいう。
八 樹脂充てん防爆構造 電気機械器具を構成する部分であつて、火花若しくはアークを発し、又は高温となつて点火源となるおそれがあるものを樹脂の中に囲むことにより、ガス又は蒸気に点火しないようにした構造をいう。
九 非点火防爆構造 電気機械器具を構成する部分が、火花若しくはアークを発せず、若しくは高温となつて点火源となるおそれがないようにした構造又は火花若しくはアークを発し、若しくは高温となつて点火源となるおそれがある部分を保護することにより、ガス若しくは蒸気に点火しないようにした構造(第三号から前号までに規定する防爆構造を除く。)をいう。
十 特殊防爆構造 第三号から前号までに規定する防爆構造以外の防爆構造であつて、ガス又は蒸気に対して防爆性能を有することが試験等により確認されたものをいう。
十一 粉じん防爆普通防じん構造 接合面にパッキンを取り付けること、接合面の奥行きを長くすること等の方法により容器の内部に粉じんが侵入し難いようにし、かつ、当該容器の温度の上昇を当該容器の外部の可燃性の粉じん(爆燃性の粉じんを除く。)に着火しないように制限した構造をいう。
十二 粉じん防爆特殊防じん構造 接合面にパッキンを取り付けること等により容器の内部に粉じんが侵入しないようにし、かつ、当該容器の温度の上昇を当該容器の外部の爆燃性の粉じんに着火しないように制限した構造をいう。
十三 スキ 耐圧防爆構造の電気機械器具の内部に圧力が加わつていない状態における容器の相対するはめあい部若しくは接合面の最大の隙間又は穴と軸若しくは棒との最大直径差をいう。
十四 スキの奥行き スキが第七条第一項及び第八条に規定する許容値以下に保たれている場合における当該スキに対応する隙間の最小の長さをいう。
十五 特別危険箇所 労働安全衛生規則(昭和四十七年労働省令第三十二号。以下「規則」という。)第二百八十条第一項に規定する箇所のうち、連続し、長時間にわたり、又は頻繁に、ガス又は蒸気が爆発の危険のある濃度に達するものをいう。
十六 第一類危険箇所 規則第二百八十条第一項に規定する箇所のうち、通常の状態において、前号及び次号に該当しないものをいう。
十七 第二類危険箇所 規則第二百八十条第一項に規定する箇所のうち、通常の状態において、ガス又は蒸気が爆発の危険のある濃度に達するおそれが少なく、又は達している時間が短いものをいう。
十八 爆発等級 試験器を用いてガス又は蒸気の爆発試験を行なつた場合に、火炎が外部に逸走するときの当該試験器の接合する面の隙間の最小の間隔(以下「火炎逸走限界」という。)により区分したガス又は蒸気の点火の危険性の程度をいう。
十九 発火度 発火点の値により区分したガス又は蒸気の発火の危険性の程度をいう。
二十 錠締め構造 電気機械器具に用いるネジ類を特殊な工具を用いなければゆるめることができないようにした構造をいう。
二十一 沿面距離 裸充電部分とこれと絶縁しなければならない他の部分との間の絶縁物の表面に沿つた最短距離をいう。
二十二 絶縁空間距離 裸充電部分とこれと絶縁しなければならない他の部分との間の空間の最短距離をいう。
二十三 耐トラッキング性 固体絶縁材料の表面に発生する導電路の形成が起こりにくいことの程度をいう。
(平二〇厚労告八八・一部改正)
第二条 規則第二百八十条第一項に規定する電気機械器具の構造は、次の各号の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める防爆構造でなければならない。
一 特別危険箇所 本質安全防爆構造(第四十三条第二項第一号に定める状態においてガス又は蒸気に点火するおそれがないものに限る。)、樹脂充てん防爆構造(第五十三条第一号に定める状態においてガス又は蒸気に点火するおそれがないものに限る。)又はこれらと同等以上の防爆性能を有する特殊防爆構造
二 第一類危険箇所 耐圧防爆構造、内圧防爆構造、安全増防爆構造、油入防爆構造、本質安全防爆構造、樹脂充てん防爆構造又はこれらと同等以上の防爆性能を有する特殊防爆構造
三 第二類危険箇所 耐圧防爆構造、内圧防爆構造、安全増防爆構造、油入防爆構造、本質安全防爆構造、樹脂充てん防爆構造、非点火防爆構造又は特殊防爆構造
2 規則第二百八十一条第一項に規定する電気機械器具の構造は、粉じん防爆普通防じん構造又は粉じん防爆特殊防じん構造でなければならない。
3 規則第二百八十二条第一項に規定する電気機械器具の構造は、粉じん防爆特殊防じん構造でなければならない。
(昭四七労告八〇・平二〇厚労告八八・一部改正)
第三条 電気機械器具は、容易に点検し、かつ、補修することができる構造とし、その材料は、電気的、機械的、熱的及び化学的に十分な耐久性を有するものでなければならない。
第四条 電気機械器具は、その見やすい箇所に、次の各号に掲げる事項を標示した銘板が取り付けられているものでなければならない。
一 防爆構造の種類。二種類以上の防爆構造の電気機械器具が組み合わされているものについては、取扱い上必要な場合又は安全性を保証するために必要な場合を除き、主体部分の電気機械器具の防爆構造の種類のみを標示することができる。
二 対象とするガス又は蒸気の爆発等級(耐圧防爆構造の電気機械器具に限る。)及び発火度。対象とするガス又は蒸気が特定されているときは、当該ガス又は蒸気の名称を標示することにより、爆発等級及び発火度の標示を省略することができる。
三 本質安全防爆構造又は特殊防爆構造の電気機械器具の回路の定格値及び使用条件の要点
2 前項に規定する防爆構造の種類、爆発等級及び発火度は、それぞれ次の各表に掲げる記号で表わすものとする。
一 防爆構造の種類
防爆構造の種類 |
記号 |
耐圧防爆構造 |
d |
内圧防爆構造 |
f |
安全増防爆構造 |
e |
油入防爆構造 |
o |
本質安全防爆構造(第四十三条第二項第一号に定める状態においてガス又は蒸気に点火するおそれがないものに限る。) |
ia |
本質安全防爆構造(第四十三条第二項第二号に定める状態においてガス又は蒸気に点火するおそれがないものに限る。) |
ib |
樹脂充てん防爆構造(第五十三条第一号に定める状態においてガス又は蒸気に点火するおそれがないものに限る。) |
ma |
樹脂充てん防爆構造(第五十三条第二号に定める状態においてガス又は蒸気に点火するおそれがないものに限る。) |
mb |
非点火防爆構造 |
n |
特殊防爆構造 |
s |
粉じん防爆普通防じん構造 |
DP |
粉じん防爆特殊防じん構造 |
SDP |
二 爆発等級
火炎逸走限界(単位 ミリメートル) |
記号 |
||
〇・六をこえるもの |
1 |
||
〇・四をこえ〇・六以下 |
2 |
||
〇・四以下 |
|
|
|
3 |
|
3a 3b 3c 3n |
|
|
|
|
|
3aは水性ガス及び水素を、3bは二硫化炭素を、3cはアセチレンを、3nはすべてのガス又は蒸気を対象とするものを示す。 |
三 発火度
発火点の値(単位 度) |
記号 |
四五〇をこえるもの |
G1 |
三〇〇をこえ四五〇以下 |
G2 |
二〇〇をこえ三〇〇以下 |
G3 |
一三五をこえ二〇〇以下 |
G4 |
一〇〇をこえ一三五以下 |
G5 |
3 前二項の規定にかかわらず、樹脂充てん防爆構造若しくは非点火防爆構造の電気機械器具又は次条の規定に基づき第二章(第八節を除く。)から第四章までに規定する規格に適合しているものとみなされる電気機械器具については、前二項の規定による表示方法に代えて厚生労働省労働基準局長が認める方法によることができる。
(昭六三労告一八・平一二労告一二〇・平二〇厚労告八八・一部改正)
第五条 第二章(第八節を除く。)から第四章までに規定する規格(以下この条において「規格」という。)に適合しない電気機械器具のうち、特殊な材料が用いられており、若しくは特殊な形状であり、若しくは特殊な場所で用いられるものであり、又は規格と関連する国際規格等に基づき製造されたものであつて、規格に適合する電気機械器具と同等以上の防爆性能を有することが試験等により確認されたものは、規格に適合しているものとみなす。
(昭六三労告一八・平二〇厚労告八八・一部改正)
第二章 ガス蒸気防爆構造
第一節 耐圧防爆構造
第六条 耐圧防爆構造の電気機械器具(以下この節において「電気機械器具」という。)の容器(以下この節において「容器」という。)であつて、次の表に掲げる内容積(鉄心、巻線、接点その他運転上欠くことができない部分が占める容積を除く。以下同じ。)を有するものは、同表に掲げる対象とするガス又は蒸気の爆発等級に応じて、それぞれ同表に掲げる内部の圧力に耐える強度を有するものでなければならない。
内容積(単位 立方センチメートル) |
対象とするガス又は蒸気の爆発等級 |
内部の圧力 |
二を超え一〇〇以下 |
1又は2 |
〇・八メガパスカル |
3 |
爆発試験により測定した爆発圧力の一・五倍の圧力(圧力が〇・八メガパスカル以下である場合には、〇・八メガパスカル) |
|
一〇〇を超えるもの |
1又は2 |
一メガパスカル |
3 |
爆発試験により測定した爆発圧力の一・五倍の圧力(圧力が一メガパスカル以下である場合には、一メガパスカル) |
|
爆発試験とは、内容積及び内部の形が当該容器と同一である物の内部において、対象とするガス又は蒸気を爆発させて行う試験をいう。 |
(平一一労告九九・一部改正)
第七条 スキ(回転軸と容器とのスキを除く。以下この条において同じ。)及びスキの奥行きは、次の表に掲げる容器の内容積に応じて、それぞれ同表に掲げるスキの許容最大値以下及びスキの奥行きの許容最小値以上でなければならない。
内容積(単位 立方センチメートル) |
スキ及びスキの奥行き(単位 ミリメートル) |
接合面にボルト穴がある部分におけるスキの奥行きの許容最小値 (L1) |
|||
スキの許容最大値(W) |
スキの奥行きの許容最小値 (L) |
||||
爆発等級1 |
爆発等級2 |
爆発等級3 |
|||
二以下 |
0.3 |
0.2 |
0.1 |
5 |
5 |
二をこえ一〇〇以下 |
0.2 |
0.1 |
爆発試験において点火波及しない最大スキの五〇パーセント |
10 |
6 |
一〇〇をこえ二、〇〇〇以下 |
0.25 |
0.15 |
15 |
8 |
|
二、〇〇〇をこえるもの |
0.3 |
0.2 |
25 |
10 |
|
0.4 |
0.25 |
40 |
15 |
||
内容積が二、〇〇〇立方センチメートルをこえる場合において、Wが爆発等級1において〇、三と〇、四との間にあるとき又は爆発等級2において〇、二と〇、二五との間にあるときは、L及びL1の値は表の数値から比例算出するものとする。 |
2 前項の規定は、操作又は点検のために開く必要がない接合面に次の各号に定めるところによりパッキンを取り付ける場合には、適用しない。
一 材料が金属又は不燃性の物であること。
二 パッキンと容器との接触面の奥行きは、前項Lの値によること。ただし、パッキンが常に十分の圧力をもつて押しつけられている場合には、同項L1の値によることができる。
三 容器の内部において爆発を生じた場合に、その爆発圧力によつてパッキンが押し出されるおそれがないこと。
第八条 回転軸と容器とのスキ及びスキの奥行きは、次の表に掲げる容器の内容積及び軸受けの種別に応じて、それぞれ同表に掲げるスキの許容最大値以下及びスキの奥行きの許容最小値以上でなければならない。
内容積(単位 立方センチメートル) |
スキ及びスキの奥行き(単位 ミリメートル) |
|||||||||||
軸受けの種別 |
||||||||||||
コロガリ軸受け |
滑り軸受け |
|||||||||||
スキの許容最大値(直径差)(W) |
スキの奥行きの許容最小値(L) |
スキの許容最大値(直径差)(W) |
スキの奥行きの許容最小値(L) |
|||||||||
爆発等級 |
爆発等級 |
爆発等級 |
爆発等級 |
|||||||||
1 |
2 |
3 |
1 |
2 |
3 |
1 |
2 |
3 |
1 |
2 |
3 |
|
二以下 |
0.45 |
0.3 |
0.15 |
5 |
0.3 |
0.2 |
0.1 |
5 |
||||
二をこえ一〇〇以下 |
0.3 |
0.2 |
爆発試験において点火波及しない最大スキの五〇パーセント |
10 |
0.2 |
0.1 |
爆発試験において点火波及しない最大スキの五〇パーセント |
15 |
||||
一〇〇をこえ五〇〇以下 |
0.45 |
0.3 |
15 |
0.3 |
|
25 |
|
|||||
五〇〇をこえるもの |
0.45 |
0.3 |
25 |
0.5 |
40 |
|||||||
0.6 |
0.4 |
40 |
||||||||||
内容積が五〇〇立方センチメートルをこえる場合において、コロガリ軸受けのWが、爆発等級1において〇・四五と〇・六との間にあるとき又は爆発等級2において〇・三と〇・四との間にあるときには、コロガリ軸受けのLの値は表の数値から比例算出するものとする。 |
第九条 前二条のスキ及びスキの奥行きに係る接合面は、次の各号に定めるところによらなければならない。
一 片面の材料が金属であること。
二 仕上げの程度は、容器の内部における爆発による火炎が当該容器の外部に逸走するおそれがないものであること。
三 塗料又は油を塗らないものであること。ただし、防錆又は防水のため油を薄く塗る場合には、この限りでない。
(平二〇厚労告八八・一部改正)
第十条 開閉接点及び巻線は、油に浸されたものであつてはならない。
第十一条 ネジ類を用いる場合には、次の各号に定めるところによらなければならない。
一 防爆性能の保持に必要な箇所に用いられるネジ類であつて、外部からゆるめることのできるものについては、錠締め構造によるものとし、かつ、ゆるみ止めが施されたものであること。
二 容器の締付けに用いるネジ類については、当該容器に係る爆発圧力に十分耐える強度のものであること。
三 ネジ類が容器の壁を貫通しないものであること。ただし、容器の壁を貫通しないことが容器の構造上著しく困難な場合には、この限りでない。
2 ネジ類が容器の壁を貫通する場合において、貫通穴がバカ穴のときは、当該貫通穴とネジ類との直径差及び当該貫通穴の長さは、それぞれ第七条に定めるスキの許容最大値以下及びスキの奥行きの許容最小値以上でなければならない。
第十二条 のぞき窓は、その面積が一〇〇平方センチメートル以下であり、かつ、透明板を取り換えることができるものでなければならない。
2 のぞき窓の透明板は、次の各号に定めるところによらなければならない。
一 日本産業規格R三二〇六(強化ガラス)に定める強化ガラス、日本工業規格R三二〇五(合セガラス)に定める合せガラス又はこれらと同等以上の強度を有する難燃性物質を用いること。
二 のぞき窓に取り付けた状態において、重量二〇〇グラムの鋼球を二〇〇センチメートルの高さから落下させた場合に、破損しないものであること。
(令元厚労告四八・一部改正)
第十三条 容器の内部の接点、巻線等の充電部分の発熱による容器の外面の温度の上昇は、次の表に掲げる対象とするガス又は蒸気の発火度に応じて、それぞれ同表に掲げる温度上昇限度の値以下でなければならない。
対象とするガス又は蒸気の発火度 |
温度上昇限度の値(単位 度) |
G1 |
三二〇 |
G2 |
二〇〇 |
G3 |
一二〇 |
G4 |
七〇 |
G5 |
四〇 |
第十四条 電気機械器具と外部導線とを接続する場合には、耐圧防爆構造又は安全増防爆構造の端子箱を用いなければならない。
2 二個以上の電気機械器具が組み合わされて一組の電気機械器具を構成する場合において、それぞれの電気機械器具を相互に接続する外部導線が安全に保護されているときは、前項の規定にかかわらず、電気機械器具を相互に接続する端子箱を用いないことができる。
第十五条 耐圧防爆構造の端子箱の内部は、次の各号に定めるところによらなければならない。
一 導線を接続するのに十分な広さを有すること。
二 端子は、締付けが確実にできる箇所に配置されていること。
2 第二十七条の規定は前項の端子箱の内部の裸充電部分に係る沿面距離及び絶縁空間距離について、第二十八条の規定は前項の端子箱の内部の充電部分相互の接続について、準用する。
第十六条 耐圧防爆構造の端子箱は、内部及び外部に接地端子を設けたものでなければならない。ただし、ネジ込み接続した金属電線管を接地線として用いる場合又は移動用の電気機械器具の端子箱の内部に接地端子を設けた場合には、この限りでない。
第十七条 耐圧防爆構造の端子箱から電気機械器具の本体へ引き込む導線の引込み方式は、耐圧スタッド式又は耐圧パッキン式でなければならない。
2 前項の規定は、安全増防爆構造の端子箱から電気機械器具の本体へ引き込む導線の引込み方式について準用する。
第二節 内圧防爆構造
第十八条 内圧防爆構造の電気機械器具(以下この節において「電気機械器具」という。)の容器(以下この節において「容器」という。)の内部に保護ガスを送入する構造の電気機械器具の通風装置は、当該電気機械器具の起動時及び通電中に当該電気機械器具及びこれに接続する通風管の内部の圧力を周囲の圧力より水柱で五ミリメートル以上高く保持することができるものでなければならない。
第十九条 前条の電気機械器具は、次の各号に掲げる保護装置を有するものでなければならない。
一 容器の内容積の五倍以上の容積の保護ガスが当該容器の内部を通過した後でなければ通電することができない装置
二 通電中に保護ガスの圧力が周囲の圧力より水柱で五ミリメートル以上高く保持することができないおそれが生じた場合に、自動的に、警報を発し、又は通電を停止することができる装置
第二十条 容器の内部に保護ガスを封入した構造の電気機械器具は、通電中に当該保護ガスの圧力が対象とするガス又は蒸気が容器の内部に侵入することを防止するため必要な圧力以下に低下した場合に、自動的に、警報を発し、又は通電を停止することができる装置を有するものでなければならない。ただし、保護ガスが漏れるおそれがない電気機械器具であつて、当該保護ガスの圧力を標示する装置を有するものについては、この限りでない。
第二十一条 第十三条の規定は、容器の外面及び容器から排出される保護ガスの温度の上昇について準用する。
第二十二条 防爆性能の保持に必要な箇所に用いられるネジ類であつて、外部からゆるめることのできるものについては、錠締め構造によらなければならない。
第二十三条 電気機械器具と外部導線とを接続する場合には、内圧防爆構造、耐圧防爆構造又は安全増防爆構造の端子箱を用いなければならない。
2 第十四条第二項の規定は、二個以上の電気機械器具が組み合わされて一組の電気機械器具を構成する場合について準用する。
第二十四条 内圧防爆構造の端子箱は、次の各号に定めるところによらなければならない。
一 電気機械器具の本体と通気する部分以外は、全閉構造とし、排気口を設けないこと。
二 接合面及びふたは、密閉することができる構造とすること。
2 第十五条第一項及び第十六条の規定は前項の端子箱について、第二十七条の規定は前項の端子箱の内部の裸充電部分に係る沿面距離及び絶縁空間距離について、第二十八条の規定は前項の端子箱の内部の充電部分相互の接続について、準用する。
第二十五条 内圧防爆構造の端子箱から電気機械器具の本体へ引き込む導線の引込み方式は、スタッド式、パッキン式、固着式、ブツシング式又はクランプ式でなければならない。
2 第十七条第一項の規定は耐圧防爆構造の端子箱から電気機械器具の本体へ引き込む導線の引込み方式について、前項の規定は安全増防爆構造の端子箱から電気機械器具の本体へ引き込む導線の引込み方式について、準用する。
第三節 安全増防爆構造
第二十六条 安全増防爆構造の電気機械器具(以下この節において「電気機械器具」という。)の充電部分(以下この節において「充電部分」という。)は、全閉構造でなければならない。ただし、充電部分が十分に保護されている高圧回転機、金属抵抗器、蓄電池等については、この限りでない。
2 前項本文の場合において、裸充電部分を内部に有する容器のふたの締付けに用いるネジ類については、その一以上を錠締め構造によらなければならない。
第二十七条 沿面距離は、使用電圧、固体絶縁材料の耐トラッキング性及び絶縁物の表面形状に応じて、放電するおそれがない大きさでなければならない。
2 絶縁空間距離は、使用電圧に応じて、放電するおそれがない大きさでなければならない。
(平二〇厚労告八八・全改)
第二十八条 充電部分相互の接続は、次の各号のいずれかの方法によらなければならない。
一 ゆるみ止めを施したネジ締め
二 びよう締め又は圧着
三 スリーブ、バインド線等で補強したハンダづけ
四 硬ろうづけ
五 溶接
第二十九条 のぞき窓は、その面積が必要最小限度であり、かつ、透明板を取り換えることができるものでなければならない。
2 のぞき窓の透明板は、のぞき窓に取り付けた状態において、重量五〇グラムの鋼球を一〇〇センチメートルの高さから落下させた場合に、破損しないものでなければならない。
第三十条 電気機械器具における絶縁巻線の温度の上昇は、当該電気機械器具と同種のものであつて防爆構造でない電気機械器具の一般規格により定められた値よりも一〇度低い値を限度とするものでなければならない。
第三十一条 第十三条の規定は、ガス又は蒸気に触れるおそれがある部分の温度の上昇について準用する。
第三十二条 電気機械器具と外部導線とを接続する場合には、安全増防爆構造又は耐圧防爆構造の端子箱を用いなければならない。
2 第十四条第二項の規定は、二個以上の電気機械器具が組み合わされて一組の電気機械器具を構成する場合について準用する。
第三十三条 安全増防爆構造の端子箱の接合面は、次の各号のいずれかに定めるところによらなければならない。
一 奥行き及び仕上げの程度は、端子箱の内部にじんあい、水等が容易に侵入しないものであること。
二 パッキンは、金属、ガラス繊維、合成ゴムその他耐熱性及び耐久性を有するものを用い、かつ、常に十分な圧力で押しつけられている構造であること。
2 第十五条第一項及び第十六条の規定は前項の端子箱について、第二十七条の規定は前項の端子箱の内部の裸充電部分に係る沿面距離及び絶縁空間距離について、第二十八条の規定は前項の端子箱の内部の充電部分相互の接続について、準用する。
(平一八厚労告四六三・平二〇厚労告八八・一部改正)
第三十四条 第十七条第一項の規定は耐圧防爆構造の端子箱から電気機械器具の本体へ引き込む導線の引込み方式について、第二十五条第一項の規定は安全増防爆構造の端子箱から電気機械器具の本体へ引き込む導線の引込み方式について、準用する。
第四節 油入防爆構造
第三十五条 油入防爆構造の電気機械器具の容器は、全閉構造でなければならない。
第三十六条 前条の電気機械器具の絶縁油に収められていない部分は、安全増防爆構造でなければならない。
第三十七条 油タンクは、油面計その他油面の高さを容易に点検することができる装置を有するものでなければならない。
第三十八条 油面計は、次の各号に定めるところによらなければならない。
一 丈夫であり、かつ、透明板又は透明管を取り換えることができる構造のものであること。
二 透明板、透明管及びパッキンが熱油による損傷を受けないものであること。
三 温度の変化による油面位の変化が外部から認められるものであること。
第三十九条 第三十七条の装置は、その損傷等により油タンクの絶縁油が漏れた場合において、当該油タンクの油面を高温となつて点火源となるおそれがある箇所又は火花若しくはアークが油面上に出るおそれがない高さに保つ構造のものでなければならない。
第四十条 防爆性能の保持に必要な箇所に用いられるネジ類であつて、外部からゆるめることのできるものについては、錠締め構造によらなければならない。
2 油タンクの排油装置のネジ類は、前項に定めるもののほか、ゆるみ止めが施されたものでなければならない。
第四十一条 定格開閉容量が一キロボルトアンペアをこえ、又はしや断容量が二五キロボルトアンペアをこえる油入開閉器(アークによる分解ガスの蓄積が少ない構造のものを除く。)は、ガス抜きの穴を設けたものでなければならない。
第四十二条 油面における油の温度の上昇は、次の表に掲げる対象とするガス又は蒸気の発火度に応じて、それぞれ同表に掲げる温度上昇限度の値以下でなければならない。
対象とするガス又は蒸気の発火度 |
温度上昇限度の値(単位 度) |
G1 G2 G3 G4 |
六〇 |
G5 |
四〇 |
第五節 本質安全防爆構造
第四十三条 本質安全防爆構造の電気機械器具(以下この節において「電気機械器具」という。)は、正常に運転され、若しくは通電されている場合又は短絡、地絡、切断等の事故の場合において生ずる火花、アーク又は熱がガス又は蒸気を発火させるおそれがない回路(以下「本質安全回路」という。)を有する構造のものでなければならない。
2 電気機械器具は、次の各号のいずれかの状態においてガス又は蒸気に点火するおそれがないものでなければならない。
一 正常に運転され、若しくは通電されている状態又は電気機械器具の部品若しくは部分に故障が二つ生じた状態
二 正常に運転され、若しくは通電されている状態又は電気機械器具の部品若しくは部分に故障が一つのみ生じた状態
(平二〇厚労告八八・一部改正)
第四十四条 本質安全回路で構成される部分は、全閉構造でなければならない。ただし、電気機械器具の機能に支障が生ずる場合であつて、当該本質安全回路に係る充電部分が十分に保護されているときは、この限りでない。
第四十五条 本質安全回路の導線は、直径が〇・三ミリメートル以上の単線又はこれと同じ断面積を有する導体を用いたものでなければならない。
2 前項の導線がより線である場合には、その素線の直径は〇・三ミリメートル以上でなければならない。
第四十六条 本質安全回路と非本質安全回路(本質安全回路以外の回路をいう。以下同じ。)とが組み合わされた電気機械器具(以下この節において「組合せ電気機械器具」という。)については、これらの回路の導線を相互に束ね、又は一本の多心ケーブルに納めてはならない。ただし、これらの回路が相互に確実にしやへいされている場合には、この限りでない。
第四十七条 組合せ電気機械器具の絶縁電線は、次の各号に定めるところによらなければならない。
一 本質安全回路の絶縁電線は交流八〇〇ボルトの絶縁耐力を、非本質安全回路の絶縁電線は交流二、〇〇〇ボルトの絶縁耐力を有するものであること。
二 本質安全回路の絶縁電線と非本質安全回路の絶縁電線とが同じ色でないこと。
第四十八条 本質安全回路の対地絶縁耐力は、交流五〇〇ボルト以上でなければならない。
第四十九条 第二十七条の規定は、本質安全回路が他の本質安全回路又は非本質安全回路と接触することにより生ずる火花、アーク又は熱がガス又は蒸気を発火させるおそれがある場合における沿面距離及び絶縁空間距離について準用する。
(平二〇厚労告八八・一部改正)
第五十条 組合せ電気機械器具の本質安全回路の接続端子と非本質安全回路の接続端子とを同一の接続部に設ける場合には、当該両端子を五〇ミリメートル以上分離させ、又は当該両端子の間に十分な強度及び絶縁性能を有する隔壁を設ける等混触のおそれのないようにしなければならない。
第五十一条 本質安全回路の部品のうちその回路の運転上必要な部品は、次の各号に定めるところによらなければならない。
一 半導体は、十分な容量のものであること。
二 コンデンサは密封形のもので、かつ、その定格電圧が当該コンデンサに加わる電圧の三倍以上のものであること。
三 電気的に等価な二個以上のものを併置したものであること。ただし、次のいずれかに該当するものは、この限りでない。
イ 本質安全回路と非本質安全回路とを結合する混触防止板付変圧器で、次に定める構造及び性能を有するもの
(イ) 巻線の外部端子が露出している場合には、異なる巻線の端子間の距離が五〇ミリメートル以上であるもの、又は絶縁物により混触するおそれがないもの
(ロ) 混触防止板は、厚さが〇・一ミリメートル以上の銅板であつて、巻線を確実に隔離しているもの
(ハ) 一次巻線は、当該巻線と混触防止板との間に加えた交流二、五〇〇ボルトの電圧に対して一分間耐える絶縁性能を有するもの
(ニ) 二次巻線は、当該巻線と混触防止板との間に加えた交流一、五〇〇ボルトの電圧に対して一分間耐える絶縁性能を有するもの
ロ 電流制限のために用いられる巻線抵抗器で、断線した場合に線がはじけないように保護されているもの
ハ 合成樹脂等により表面を保護されている巻線抵抗器又は埋め込まれている巻線抵抗器であつて巻線の直径が〇・二ミリメートル以上のものを、定格電力の二分の一以下で用いるもの
ニ 制動巻線又はこれと同等の機能を有するもので、対象とする巻線と一体に組み込まれ、外部から取りはずすことのできないもの
第五十二条 組合せ電気機械器具の非本質安全回路の部分が防爆構造でないものについては、第四条第一項の規定による標示のほか、次の各号に掲げる事項を明示しなければならない。
一 危険な場所に設置してはならないこと。
二 電気機械器具の部品、配線等の変更等を行なつてはならないこと。
三 組合せ電気機械器具の本質安全回路の接続端子については、本質安全回路の接続端子である旨
第六節 樹脂充てん防爆構造
(平二〇厚労告八八・追加)
第五十三条 樹脂充てん防爆構造の電気機械器具(以下この節において「電気機械器具」という。)は、次の各号のいずれかの状態においてガス又は蒸気に点火するおそれがないものでなければならない。
一 正常に運転され、若しくは通電されている状態又は電気機械器具の部品若しくは部分に故障が二つ生じた状態
二 正常に運転され、若しくは通電されている状態又は電気機械器具の部品若しくは部分に故障が一つのみ生じた状態
(平二〇厚労告八八・追加)
第五十四条 電気機械器具は、定格電圧が十キロボルトを超えないものでなければならない。
2 電気機械器具(前条第一号に定める状態においてガス又は蒸気に点火するおそれがないものに限る。)は、回路のいずれの点においても動作電圧が一キロボルトを超えないものでなければならない。
(平二〇厚労告八八・追加)
第五十五条 充てん樹脂は、次の各号に掲げる要件を満たすものでなければならない。
一 充てん樹脂を囲む容器の有無及び容器の材質に応じ、適切な厚さを有すること。
二 ガス、蒸気又は水分の侵入を確実に防止できるものであること。
三 吸水性がなく、かつ、熱安定性を有すること。
(平二〇厚労告八八・追加)
第五十六条 容器の内部の接点、巻線等の充電部分の発熱による容器の外面の温度は、対象とするガス又は蒸気の種類に応じて、発火するおそれがないものでなければならない。
(平二〇厚労告八八・追加)
第五十七条 ガス又は蒸気に触れるおそれがある部分の温度上昇を防ぐために保護装置を必要とする場合には、電気機械器具の内部又は外部に取り付け、手動で復帰させる方式のものとしなければならない。
2 前項の保護装置は、第五十三条第一号に定める状態においてガス又は蒸気に点火するおそれがない電気機械器具にあつては二つ以上、同条第二号に定める状態においてガス又は蒸気に点火するおそれがない電気機械器具にあつては一つ以上設けなければならない。
(平二〇厚労告八八・追加)
第五十八条 外部から電気機械器具へ引き込む導線の引込み部は、ガス又は蒸気が電気機械器具に侵入しない構造のものでなければならない。
(平二〇厚労告八八・追加)
第七節 非点火防爆構造
(平二〇厚労告八八・追加)
第五十九条 非点火防爆構造の電気機械器具(以下この節において「電気機械器具」という。)は、次のいずれかに該当するものでなければならない。
一 電気機械器具が正常に運転され、又は通電されている場合に、当該電気機械器具を構成する部分が、火花若しくはアークを発せず、又は高温となつて点火源となるおそれがないこと。
二 電気機械器具が正常に運転され、又は通電されている場合に、当該電気機械器具を構成する部分が、火花若しくはアークを発し、又は高温となつて点火源となるおそれがある場合にあつては、ガス又は蒸気に点火しないよう、当該部分が保護されていること。
(平二〇厚労告八八・追加)
第六十条 容器の内部の接点、巻線等の充電部分の温度及び当該充電部分の発熱による容器の外面の温度は、対象とするガス又は蒸気の種類に応じて、発火するおそれがないものでなければならない。
(平二〇厚労告八八・追加)
第六十一条 電気機械器具の充電部分は、全閉構造でなければならない。ただし、充電部分が十分に保護されている高圧回転機、蓄電池等については、この限りでない。
(平二〇厚労告八八・追加)
第六十二条 接続端子部は、接触圧力が十分に維持されるものでなければならない。
(平二〇厚労告八八・追加)
第六十三条 沿面距離及び絶縁空間距離は、使用電圧に応じて、それぞれ放電するおそれがない大きさでなければならない。
(平二〇厚労告八八・追加)
第六十四条 第五十八条の規定は、外部から電気機械器具へ引き込む導線の引込み部について準用する。
(平二〇厚労告八八・追加)
第八節 特殊防爆構造
(平二〇厚労告八八・旧第六節繰下)
第六十五条 特殊防爆構造の電気機械器具は、ガス又は蒸気に対して防爆性能を有することが試験等により確認された構造のものでなければならない。
(平二〇厚労告八八・旧第五十三条繰下)
第三章 粉じん防爆構造
第一節 粉じん防爆普通防じん構造
第六十六条 粉じん防爆普通防じん構造の電気機械器具(以下この節において「電気機械器具」という。)の容器(以下この節において「容器」という。)の接合面(操作軸又は回転軸と容器との接合面を除く。以下この条において同じ。)は、パッキンを取り付けたものでなければならない。ただし、当該容器が内部に粉じんが容易に侵入しない構造のものである場合には、この限りでない。
2 前項に規定するパッキンは、次の各号に定めるところによらなければならない。
一 材料が接合面の温度の上昇による熱に耐え、かつ、容易に摩耗、腐食等の損傷を生じないものであること。
二 接合面の形状に適合した形状のものであること。
(平二〇厚労告八八・旧第五十四条繰下・一部改正)
第六十七条 操作軸と容器との接合面は、パッキングランド又はパッキン押えを用いて接合面にパッキンを取り付けること、操作軸の外側にゴムカバーを取り付けること等により、外部から粉じんが侵入し難いようにした構造のものでなければならない。
(平二〇厚労告八八・旧第五十五条繰下)
第六十八条 回転軸と容器との接合面は、パッキンを取り付けること、間隔が〇・五ミリメートル以下で奥行きが三〇ミリメートル以上のラビリンス構造とすること等により、外部から粉じんが侵入し難いようにした構造のものでなければならない。
(平二〇厚労告八八・旧第五十六条繰下)
第六十九条 第六十六条第二項の規定は、前二条のパッキンの材料及び形状について準用する。
(平二〇厚労告八八・旧第五十七条繰下・一部改正)
第七十条 防じん性の保持に必要な箇所に用いられるネジ類は、ゆるみ止めが施されたものでなければならない。
2 前項の箇所において、ネジ込み結合方式を用いる場合には、ネジの有効部分は五山以上でなければならない。
(平二〇厚労告八八・旧第五十八条繰下)
第七十一条 電気機械器具の各部の温度の上昇は、当該電気機械器具と同種の電気機械器具であつて防爆構造でないものの一般規格により定められた値よりも一〇パーセント低い値を限度としなければならない。ただし、粉じんのたい積による温度の上昇が少ない構造のものは、五パーセント低い値を限度とすることができる。
2 粉じんに接触するおそれのある容器の外面の温度の上昇は、電動機、電力用変圧器等過負荷のおそれのある電気機械器具にあつては八〇度、その他の電気機械器具にあつては一一〇度を限度としなければならない。
(平二〇厚労告八八・旧第五十九条繰下)
第七十二条 電気機械器具と外部導線とを接続する場合には、粉じん防爆普通防じん構造の端子箱を用いなければならない。ただし、電気機械器具の内部に火花を生ずる部分がない場合には、この限りでない。
2 第十四条第二項の規定は二個以上の電気機械器具が組み合わされて一組の電気機械器具を構成する場合について、第十五条第一項及び第十六条の規定は前項の端子箱について、第二十五条の規定は前項の端子箱から電気機械器具の本体へ引き込む導線の引込み方式について、準用する。
(平二〇厚労告八八・旧第六十条繰下)
第七十三条 第二十七条の規定は、電気機械器具の裸充電部分に係る沿面距離及び絶縁空間距離について準用する。
(平二〇厚労告八八・旧第六十一条繰下)
第二節 粉じん防爆特殊防じん構造
第七十四条 粉じん防爆特殊防じん構造の電気機械器具(以下この節において「電気機械器具」という。)の容器(以下この節において「容器」という。)の接合面(操作軸又は回転軸と容器との接合面を除く。以下この条において同じ。)はパッキンを取り付け、かつ、当該パッキンが離脱し、又はゆるむおそれがないものでなければならない。ただし、容器を開くことがない箇所で構造上パッキンを用いることが困難なところについて、容器の内部に粉じんが容易に侵入しない構造のものである場合には、この限りでない。
2 前項本文の場合において、板状パッキンを用いたときは、当該パッキンと容器との接触面の奥行きは、次の表に掲げる接合面の亘長に応じて、それぞれ同表に掲げる接触面の最小奥行きの値以上でなければならない。