アクセシビリティ閲覧支援ツール

添付一覧

添付画像はありません

一 圧送に用いる設備の運転を行う者(以下この条において「運転者」という。)が見やすい位置に圧力計を、運転者が容易に操作することができる位置に動力を遮断するための装置を、それぞれ備え付けること。

二 ホース及びその接続用具は、圧送する腐食性液体に対し、耐食性、耐熱性及び耐寒性を有するものを用いること。

三 ホースについては、水圧試験等により、安全に使用することができる圧力を定め、これを当該ホースに表示し、かつ、当該圧力を超えて圧送を行わないこと。

四 ホースの内部に異常な圧力が加わるおそれのあるときは、圧送に用いる設備にアンローダ、リターンバルブ等の過圧防止装置を備え付けること。

五 ホースとホース以外の管及びホース相互の接続箇所については、接続用具を用いて確実に接続すること。

六 ゲージ圧力二百キロパスカルを超える圧力で圧送を行うときは、前号の接続用具については、ねじ込結合方式、三こう式結合方式等の方式による接続用具で、ホースを装着する部分に三箇以上の谷を有するもの等当該圧力により離脱するおそれのない構造のものを用いること。

七 運転者を指名し、その者に圧送に用いる設備の運転及び圧力計の監視を行わせること。

八 ホース及びその接続用具は、その日の使用を開始する前に点検し、損傷、腐食等の欠陥により、圧送する腐食性液体が飛散し、又は漏えいするおそれのあるときは、取り換えること。

(平一一労令三七・一部改正)

(保護具)

第三百二十七条 事業者は、腐食性液体を圧送する作業に従事する労働者に、腐食性液体の飛散、漏えい又はいつ流による身体の腐食の危険を防止するため必要な保護具を着用させなければならない。

2 事業者は、前項の作業の一部を請負人に請け負わせるときは、当該請負人に対し、腐食性液体の飛散、漏えい又はいつ流による身体の腐食の危険を防止するため必要な保護具を着用する必要がある旨を周知させなければならない。

3 第一項の作業に従事する労働者は、同項の保護具の着用を命じられたときは、これを着用しなければならない。

(令四厚労令八二・一部改正)

(空気以外のガスの使用制限)

第三百二十八条 事業者は、圧縮したガスの圧力を動力として用いて腐食性液体を圧送する作業を行なうときは、空気以外のガスを当該圧縮したガスとして使用してはならない。ただし、当該作業を終了した場合において、直ちに当該ガスを排除するとき、又は当該ガスが存在することを表示する等労働者が圧送に用いた設備の内部に立ち入ることによる窒息の危険が生ずるおそれのない措置を講ずるときは、窒素又は炭酸ガスを使用することができる。

(タイヤの空気充てん作業の基準)

第三百二十八条の二 事業者は、自動車(二輪自動車を除く。)用タイヤ(以下この条において「タイヤ」という。)の組立てを行う場合において、空気圧縮機を用いてタイヤに空気を充てんする作業を行うときは、タイヤの破裂等による危険を防止するため、当該作業に従事する労働者に、タイヤの種類に応じて空気の圧力を適正に調節させ、及び安全囲い等破裂したタイヤ等の飛来を防止するための器具を使用させなければならない。

2 前項の作業に従事する労働者は、タイヤの種類に応じて空気の圧力を適正に調節し、及び同項の器具を使用しなければならない。

(平二労令一九・追加)

(船舶の改造等)

第三百二十八条の三 事業者は、船舶の改造、修理、清掃等を行う場合に、船倉等当該船舶の内部又はこれに接する場所において、火花若しくはアークを発し、若しくは高温となつて点火源となるおそれのある機械等又は火気を使用する作業を行うときは、当該作業を開始するとき及び当該作業中随時、作業箇所及びその周辺における引火性の物の蒸気又は可燃性ガスの濃度を測定しなければならない。

(平七労令三・追加)

(液化酸素の製造設備の改造等)

第三百二十八条の四 事業者は、液化酸素を製造する設備の改造、修理、清掃等を行う場合において、当該設備の内部で作業を行うときは、次に定めるところによらなければならない。

一 当該作業の方法及び順序を決定し、あらかじめ、これを関係労働者に周知させること。

二 当該作業の指揮者を定め、その者に当該作業を指揮させること。

三 作業箇所に酸素が漏えいしないように、バルブ若しくはコックを二重に閉止し、又はバルブ若しくはコックを閉止するとともに閉止板等を施すこと。

四 前号のバルブ、コック又は閉止板等に施錠し、これらを開放してはならない旨を表示し、又は監視人を置くこと。

(平七労令三・追加)

(ヒドロキシルアミン等の製造等)

第三百二十八条の五 事業者は、ヒドロキシルアミン及びその塩(以下この条において「ヒドロキシルアミン等」という。)を製造し、又は取り扱うときは、爆発を防止するため、次に定めるところによらなければならない。

一 ヒドロキシルアミン等への鉄イオン等の混入を防止すること等のヒドロキシルアミン等と鉄イオン等との異常反応を防止するための措置を講ずること。

二 ヒドロキシルアミン等の加熱の作業を行うときは、その温度を調整すること。

(平一三厚労令二一二・追加)

第五章 電気による危険の防止

第一節 電気機械器具

(電気機械器具の囲い等)

第三百二十九条 事業者は、電気機械器具の充電部分(電熱器の発熱体の部分、抵抗溶接機の電極の部分等電気機械器具の使用の目的により露出することがやむを得ない充電部分を除く。)で、労働者が作業中又は通行の際に、接触(導電体を介する接触を含む。以下この章において同じ。)し、又は接近することにより感電の危険を生ずるおそれのあるものについては、感電を防止するための囲い又は絶縁覆いを設けなければならない。ただし、配電盤室、変電室等区画された場所で、事業者が第三十六条第四号の業務に就いている者(以下「電気取扱者」という。)以外の者の立入りを禁止したところに設置し、又は電柱上、塔上等隔離された場所で、電気取扱者以外の者が接近するおそれのないところに設置する電気機械器具については、この限りでない。

(昭四九労令一九・一部改正)

(手持型電灯等のガード)

第三百三十条 事業者は、移動電線に接続する手持型の電灯、仮設の配線又は移動電線に接続する架空つり下げ電灯等には、口金に接触することによる感電の危険及び電球の破損による危険を防止するため、ガードを取り付けなければならない。

2 事業者は、前項のガードについては、次に定めるところに適合するものとしなければならない。

一 電球の口金の露出部分に容易に手が触れない構造のものとすること。

二 材料は、容易に破損又は変形をしないものとすること。

(溶接棒等のホルダー)

第三百三十一条 事業者は、アーク溶接等(自動溶接を除く。)の作業に使用する溶接棒等のホルダーについては、感電の危険を防止するため必要な絶縁効力及び耐熱性を有するものでなければ、使用してはならない。

(昭四九労令一九・平二〇厚労令一四六・一部改正)

(交流アーク溶接機用自動電撃防止装置)

第三百三十二条 事業者は、船舶の二重底若しくはピークタンクの内部、ボイラーの胴若しくはドームの内部等導電体に囲まれた場所で著しく狭あいなところ又は墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのある高さが二メートル以上の場所で鉄骨等導電性の高い接地物に労働者が接触するおそれがあるところにおいて、交流アーク溶接等(自動溶接を除く。)の作業を行うときは、交流アーク溶接機用自動電撃防止装置を使用しなければならない。

(昭四九労令一九・昭五〇労令五・平三労令二四・一部改正)

(漏電による感電の防止)

第三百三十三条 事業者は、電動機を有する機械又は器具(以下「電動機械器具」という。)で、対地電圧が百五十ボルトをこえる移動式若しくは可搬式のもの又は水等導電性の高い液体によつて湿潤している場所その他鉄板上、鉄骨上、定盤上等導電性の高い場所において使用する移動式若しくは可搬式のものについては、漏電による感電の危険を防止するため、当該電動機械器具が接続される電路に、当該電路の定格に適合し、感度が良好であり、かつ、確実に作動する感電防止用漏電しや断装置を接続しなければならない。

2 事業者は、前項に規定する措置を講ずることが困難なときは、電動機械器具の金属製外わく、電動機の金属製外被等の金属部分を、次に定めるところにより接地して使用しなければならない。

一 接地極への接続は、次のいずれかの方法によること。

イ 一心を専用の接地線とする移動電線及び一端子を専用の接地端子とする接続器具を用いて接地極に接続する方法

ロ 移動電線に添えた接地線及び当該電動機械器具の電源コンセントに近接する箇所に設けられた接地端子を用いて接地極に接続する方法

二 前号イの方法によるときは、接地線と電路に接続する電線との混用及び接地端子と電路に接続する端子との混用を防止するための措置を講ずること。

三 接地極は、十分に地中に埋設する等の方法により、確実に大地と接続すること。

(適用除外)

第三百三十四条 前条の規定は、次の各号のいずれかに該当する電動機械器具については、適用しない。

一 非接地方式の電路(当該電動機械器具の電源側の電路に設けた絶縁変圧器の二次電圧が三百ボルト以下であり、かつ、当該絶縁変圧器の負荷側の電路が接地されていないものに限る。)に接続して使用する電動機械器具

二 絶縁台の上で使用する電動機械器具

三 電気用品安全法(昭和三十六年法律第二百三十四号)第二条第二項の特定電気用品であつて、同法第十条第一項の表示が付された二重絶縁構造の電動機械器具

(平一三厚労令一二二・一部改正)

(電気機械器具の操作部分の照度)

第三百三十五条 事業者は、電気機械器具の操作の際に、感電の危険又は誤操作による危険を防止するため、当該電気機械器具の操作部分について必要な照度を保持しなければならない。

第二節 配線及び移動電線

(配線等の絶縁被覆)

第三百三十六条 事業者は、労働者が作業中又は通行の際に接触し、又は接触するおそれのある配線で、絶縁被覆を有するもの(第三十六条第四号の業務において電気取扱者のみが接触し、又は接触するおそれがあるものを除く。)又は移動電線については、絶縁被覆が損傷し、又は老化していることにより、感電の危険が生ずることを防止する措置を講じなければならない。

(移動電線等の被覆又は外装)

第三百三十七条 事業者は、水その他導電性の高い液体によつて湿潤している場所において使用する移動電線又はこれに附属する接続器具で、労働者が作業中又は通行の際に接触するおそれのあるものについては、当該移動電線又は接続器具の被覆又は外装が当該導電性の高い液体に対して絶縁効力を有するものでなければ、使用してはならない。

(仮設の配線等)

第三百三十八条 事業者は、仮設の配線又は移動電線を通路面において使用してはならない。ただし、当該配線又は移動電線の上を車両その他の物が通過すること等による絶縁被覆の損傷のおそれのない状態で使用するときは、この限りでない。

第三節 停電作業

(停電作業を行なう場合の措置)

第三百三十九条 事業者は、電路を開路して、当該電路又はその支持物の敷設、点検、修理、塗装等の電気工事の作業を行なうときは、当該電路を開路した後に、当該電路について、次に定める措置を講じなければならない。当該電路に近接する電路若しくはその支持物の敷設、点検、修理、塗装等の電気工事の作業又は当該電路に近接する工作物(電路の支持物を除く。以下この章において同じ。)の建設、解体、点検、修理、塗装等の作業を行なう場合も同様とする。

一 開路に用いた開閉器に、作業中、施錠し、若しくは通電禁止に関する所要事項を表示し、又は監視人を置くこと。

二 開路した電路が電力ケーブル、電力コンデンサー等を有する電路で、残留電荷による危険を生ずるおそれのあるものについては、安全な方法により当該残留電荷を確実に放電させること。

三 開路した電路が高圧又は特別高圧であつたものについては、検電器具により停電を確認し、かつ、誤通電、他の電路との混触又は他の電路からの誘導による感電の危険を防止するため、短絡接地器具を用いて確実に短絡接地すること。

2 事業者は、前項の作業中又は作業を終了した場合において、開路した電路に通電しようとするときは、あらかじめ、当該作業に従事する労働者について感電の危険が生ずるおそれのないこと及び短絡接地器具を取りはずしたことを確認した後でなければ、行なつてはならない。

(断路器等の開路)

第三百四十条 事業者は、高圧又は特別高圧の電路の断路器、線路開閉器等の開閉器で、負荷電流をしや断するためのものでないものを開路するときは、当該開閉器の誤操作を防止するため、当該電路が無負荷であることを示すためのパイロツトランプ、当該電路の系統を判別するためのタブレツト等により、当該操作を行なう労働者に当該電路が無負荷であることを確認させなければならない。ただし、当該開閉器に、当該電路が無負荷でなければ開路することができない緊錠装置を設けるときは、この限りでない。

第四節 活線作業及び活線近接作業

(高圧活線作業)

第三百四十一条 事業者は、高圧の充電電路の点検、修理等当該充電電路を取り扱う作業を行なう場合において、当該作業に従事する労働者について感電の危険が生ずるおそれのあるときは、次の各号のいずれかに該当する措置を講じなければならない。

一 労働者に絶縁用保護具を着用させ、かつ、当該充電電路のうち労働者が現に取り扱つている部分以外の部分が、接触し、又は接近することにより感電の危険が生ずるおそれのあるものに絶縁用防具を装着すること。

二 労働者に活線作業用器具を使用させること。

三 労働者に活線作業用装置を使用させること。この場合には、労働者が現に取り扱つている充電電路と電位を異にする物に、労働者の身体又は労働者が現に取り扱つている金属製の工具、材料等の導電体(以下「身体等」という。)が接触し、又は接近することによる感電の危険を生じさせてはならない。

2 労働者は、前項の作業において、絶縁用保護具の着用、絶縁用防具の装着又は活線作業用器具若しくは活線作業用装置の使用を事業者から命じられたときは、これを着用し、装着し、又は使用しなければならない。

(高圧活線近接作業)

第三百四十二条 事業者は、電路又はその支持物の敷設、点検、修理、塗装等の電気工事の作業を行なう場合において、当該作業に従事する労働者が高圧の充電電路に接触し、又は当該充電電路に対して頭上距離が三十センチメートル以内又は側距離若しくは足下距離が六十センチメートル以内に接近することにより感電の危険が生ずるおそれのあるときは、当該充電電路に絶縁用防具を装着しなければならない。ただし、当該作業に従事する労働者に絶縁用保護具を着用させて作業を行なう場合において、当該絶縁用保護具を着用する身体の部分以外の部分が当該充電電路に接触し、又は接近することにより感電の危険が生ずるおそれのないときは、この限りでない。

2 労働者は、前項の作業において、絶縁用防具の装着又は絶縁用保護具の着用を事業者から命じられたときは、これを装着し、又は着用しなければならない。

(絶縁用防具の装着等)

第三百四十三条 事業者は、前二条の場合において、絶縁用防具の装着又は取りはずしの作業を労働者に行なわせるときは、当該作業に従事する労働者に、絶縁用保護具を着用させ、又は活線作業用器具若しくは活線作業用装置を使用させなければならない。

2 労働者は、前項の作業において、絶縁用保護具の着用又は活線作業用器具若しくは活線作業用装置の使用を事業者から命じられたときには、これを着用し、又は使用しなければならない。

(特別高圧活線作業)

第三百四十四条 事業者は、特別高圧の充電電路又はその支持がいしの点検、修理、清掃等の電気工事の作業を行なう場合において、当該作業に従事する労働者について感電の危険が生ずるおそれのあるときは、次の各号のいずれかに該当する措置を講じなければならない。

一 労働者に活線作業用器具を使用させること。この場合には、身体等について、次の表の上欄に掲げる充電電路の使用電圧に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる充電電路に対する接近限界距離を保たせなければならない。

充電電路の使用電圧(単位 キロボルト)

充電電路に対する接近限界距離(単位 センチメートル)

二二以下

二〇

二二をこえ三三以下

三〇

三三をこえ六六以下

五〇

六六をこえ七七以下

六〇

七七をこえ一一〇以下

九〇

一一〇をこえ一五四以下

一二〇

一五四をこえ一八七以下

一四〇

一八七をこえ二二〇以下

一六〇

二二〇をこえる場合

二〇〇

二 労働者に活線作業用装置を使用させること。この場合には、労働者が現に取り扱つている充電電路若しくはその支持がいしと電位を異にする物に身体等が接触し、又は接近することによる感電の危険を生じさせてはならない。

2 労働者は、前項の作業において、活線作業用器具又は活線作業用装置の使用を事業者から命じられたときは、これを使用しなければならない。

(特別高圧活線近接作業)

第三百四十五条 事業者は、電路又はその支持物(特別高圧の充電電路の支持がいしを除く。)の点検、修理、塗装、清掃等の電気工事の作業を行なう場合において、当該作業に従事する労働者が特別高圧の充電電路に接近することにより感電の危険が生ずるおそれのあるときは、次の各号のいずれかに該当する措置を講じなければならない。

一 労働者に活線作業用装置を使用させること。

二 身体等について、前条第一項第一号に定める充電電路に対する接近限界距離を保たせなければならないこと。この場合には、当該充電電路に対する接近限界距離を保つ見やすい箇所に標識等を設け、又は監視人を置き作業を監視させること。

2 労働者は、前項の作業において、活線作業用装置の使用を事業者から命じられたときは、これを使用しなければならない。

(低圧活線作業)

第三百四十六条 事業者は、低圧の充電電路の点検、修理等当該充電電路を取り扱う作業を行なう場合において、当該作業に従事する労働者について感電の危険が生ずるおそれのあるときは、当該労働者に絶縁用保護具を着用させ、又は活線作業用器具を使用させなければならない。

2 労働者は、前項の作業において、絶縁用保護具の着用又は活線作業用器具の使用を事業者から命じられたときは、これを着用し、又は使用しなければならない。

(低圧活線近接作業)

第三百四十七条 事業者は、低圧の充電電路に近接する場所で電路又はその支持物の敷設、点検、修理、塗装等の電気工事の作業を行なう場合において、当該作業に従事する労働者が当該充電電路に接触することにより感電の危険が生ずるおそれのあるときは、当該充電電路に絶縁用防具を装着しなければならない。ただし、当該作業に従事する労働者に絶縁用保護具を着用させて作業を行なう場合において、当該絶縁用保護具を着用する身体の部分以外の部分が当該充電電路に接触するおそれのないときは、この限りでない。

2 事業者は、前項の場合において、絶縁用防具の装着又は取りはずしの作業を労働者に行なわせるときは、当該作業に従事する労働者に、絶縁用保護具を着用させ、又は活線作業用器具を使用させなければならない。

3 労働者は、前二項の作業において、絶縁用防具の装着、絶縁用保護具の着用又は活線作業用器具の使用を事業者から命じられたときは、これを装着し、着用し、又は使用しなければならない。

(絶縁用保護具等)

第三百四十八条 事業者は、次の各号に掲げる絶縁用保護具等については、それぞれの使用の目的に適応する種別、材質及び寸法のものを使用しなければならない。

一 第三百四十一条から第三百四十三条までの絶縁用保護具

二 第三百四十一条及び第三百四十二条の絶縁用防具

三 第三百四十一条及び第三百四十三条から第三百四十五条までの活線作業用装置

四 第三百四十一条、第三百四十三条及び第三百四十四条の活線作業用器具

五 第三百四十六条及び第三百四十七条の絶縁用保護具及び活線作業用器具並びに第三百四十七条の絶縁用防具

2 事業者は、前項第五号に掲げる絶縁用保護具、活線作業用器具及び絶縁用防具で、直流で七百五十ボルト以下又は交流で三百ボルト以下の充電電路に対して用いられるものにあつては、当該充電電路の電圧に応じた絶縁効力を有するものを使用しなければならない。

(昭五〇労令五・一部改正)

(工作物の建設等の作業を行なう場合の感電の防止)

第三百四十九条 事業者は、架空電線又は電気機械器具の充電電路に近接する場所で、工作物の建設、解体、点検、修理、塗装等の作業若しくはこれらに附帯する作業又はくい打機、くい抜機、移動式クレーン等を使用する作業を行なう場合において、当該作業に従事する労働者が作業中又は通行の際に、当該充電電路に身体等が接触し、又は接近することにより感電の危険が生ずるおそれのあるときは、次の各号のいずれかに該当する措置を講じなければならない。

一 当該充電電路を移設すること。

二 感電の危険を防止するための囲いを設けること。

三 当該充電電路に絶縁用防護具を装着すること。

四 前三号に該当する措置を講ずることが著しく困難なときは、監視人を置き、作業を監視させること。

第五節 管理

(電気工事の作業を行なう場合の作業指揮等)

第三百五十条 事業者は、第三百三十九条、第三百四十一条第一項、第三百四十二条第一項、第三百四十四条第一項又は第三百四十五条第一項の作業を行なうときは、当該作業に従事する労働者に対し、作業を行なう期間、作業の内容並びに取り扱う電路及びこれに近接する電路の系統について周知させ、かつ、作業の指揮者を定めて、その者に次の事項を行なわせなければならない。

一 労働者にあらかじめ作業の方法及び順序を周知させ、かつ、作業を直接指揮すること。

二 第三百四十五条第一項の作業を同項第二号の措置を講じて行なうときは、標識等の設置又は監視人の配置の状態を確認した後に作業の着手を指示すること。

三 電路を開路して作業を行なうときは、当該電路の停電の状態及び開路に用いた開閉器の施錠、通電禁止に関する所要事項の表示又は監視人の配置の状態並びに電路を開路した後における短絡接地器具の取付けの状態を確認した後に作業の着手を指示すること。

(絶縁用保護具等の定期自主検査)

第三百五十一条 事業者は、第三百四十八条第一項各号に掲げる絶縁用保護具等(同項第五号に掲げるものにあつては、交流で三百ボルトを超える低圧の充電電路に対して用いられるものに限る。以下この条において同じ。)については、六月以内ごとに一回、定期に、その絶縁性能について自主検査を行わなければならない。ただし、六月を超える期間使用しない絶縁用保護具等の当該使用しない期間においては、この限りでない。

2 事業者は、前項ただし書の絶縁用保護具等については、その使用を再び開始する際に、その絶縁性能について自主検査を行なわなければならない。

3 事業者は、第一項又は第二項の自主検査の結果、当該絶縁用保護具等に異常を認めたときは、補修その他必要な措置を講じた後でなければ、これらを使用してはならない。

4 事業者は、第一項又は第二項の自主検査を行つたときは、次の事項を記録し、これを三年間保存しなければならない。

一 検査年月日

二 検査方法

三 検査箇所

四 検査の結果

五 検査を実施した者の氏名

六 検査の結果に基づいて補修等の措置を講じたときは、その内容

(昭五〇労令五・昭五二労令三二・一部改正)

(電気機械器具等の使用前点検等)

第三百五十二条 事業者は、次の表の上欄に掲げる電気機械器具等を使用するときは、その日の使用を開始する前に当該電気機械器具等の種別に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる点検事項について点検し、異常を認めたときは、直ちに、補修し、又は取り換えなければならない。

電気機械器具等の種別

点検事項

第三百三十一条の溶接棒等のホルダー

絶縁防護部分及びホルダー用ケーブルの接続部の損傷の有無

第三百三十二条の交流アーク溶接機用自動電撃防止装置

作動状態

第三百三十三条第一項の感電防止用漏電しや断装置

第三百三十三条の電動機械器具で、同条第二項に定める方法により接地をしたもの

接地線の切断、接地極の浮上がり等の異常の有無

第三百三十七条の移動電線及びこれに附属する接続器具

被覆又は外装の損傷の有無

第三百三十九条第一項第三号の検電器具

検電性能

第三百三十九条第一項第三号の短絡接地器具

取付金具及び接地導線の損傷の有無

第三百四十一条から第三百四十三条までの絶縁用保護具

ひび、割れ、破れその他の損傷の有無及び乾燥状態

第三百四十一条及び第三百四十二条の絶縁用防具

第三百四十一条及び第三百四十三条から第三百四十五条までの活線作業用装置

第三百四十一条、第三百四十三条及び第三百四十四条の活線作業用器具

第三百四十六条及び第三百四十七条の絶縁用保護具及び活線作業用器具並びに第三百四十七条の絶縁用防具

第三百四十九条第三号及び第五百七十条第一項第六号の絶縁用防護具

(昭四九労令一九・昭五〇労令五・一部改正)

(電気機械器具の囲い等の点検等)

第三百五十三条 事業者は、第三百二十九条の囲い及び絶縁おおいについて、毎月一回以上、その損傷の有無を点検し、異常を認めたときは、直ちに補修しなければならない。

第六節 雑則

(適用除外)

第三百五十四条 この章の規定は、電気機械器具、配線又は移動電線で、対地電圧が五十ボルト以下であるものについては、適用しない。

第六章 掘削作業等における危険の防止

第一節 明り掘削の作業

第一款 掘削の時期及び順序等

(作業箇所等の調査)

第三百五十五条 事業者は、地山の掘削の作業を行う場合において、地山の崩壊、埋設物等の損壊等により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、あらかじめ、作業箇所及びその周辺の地山について次の事項をボーリングその他適当な方法により調査し、これらの事項について知り得たところに適応する掘削の時期及び順序を定めて、当該定めにより作業を行わなければならない。

一 形状、地質及び地層の状態

二 き裂、含水、ゆう水及び凍結の有無及び状態

三 埋設物等の有無及び状態

四 高温のガス及び蒸気の有無及び状態

(平四労令二四・一部改正)

(掘削面のこう配の基準)

第三百五十六条 事業者は、手掘り(パワー・シヨベル、トラクター・シヨベル等の掘削機械を用いないで行なう掘削の方法をいう。以下次条において同じ。)により地山(崩壊又は岩石の落下の原因となるき裂がない岩盤からなる地山、砂からなる地山及び発破等により崩壊しやすい状態になつている地山を除く。以下この条において同じ。)の掘削の作業を行なうときは、掘削面(掘削面に奥行きが二メートル以上の水平な段があるときは、当該段により区切られるそれぞれの掘削面をいう。以下同じ。)のこう配を、次の表の上欄に掲げる地山の種類及び同表の中欄に掲げる掘削面の高さに応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる値以下としなければならない。

地山の種類

掘削面の高さ(単位 メートル)

掘削面のこう配(単位 度)

岩盤又は堅い粘土からなる地山

五未満

九十

五以上

七十五

その他の地山

二未満

九十

二以上五未満

七十五

五以上

六十

2 前項の場合において、掘削面に傾斜の異なる部分があるため、そのこう配が算定できないときは、当該掘削面について、同項の基準に従い、それよりも崩壊の危険が大きくないように当該各部分の傾斜を保持しなければならない。

第三百五十七条 事業者は、手掘りにより砂からなる地山又は発破等により崩壊しやすい状態になつている地山の掘削の作業を行なうときは、次に定めるところによらなければならない。

一 砂からなる地山にあつては、掘削面のこう配を三十五度以下とし、又は掘削面の高さを五メートル未満とすること。

二 発破等により崩壊しやすい状態になつている地山にあつては、掘削面のこう配を四十五度以下とし、又は掘削面の高さを二メートル未満とすること。

2 前条第二項の規定は、前項の地山の掘削面に傾斜の異なる部分があるため、そのこう配が算定できない場合について、準用する。

(点検)

第三百五十八条 事業者は、明り掘削の作業を行なうときは、地山の崩壊又は土石の落下による労働者の危険を防止するため、次の措置を講じなければならない。

一 点検者を指名して、作業箇所及びその周辺の地山について、その日の作業を開始する前、大雨の後及び中震以上の地震の後、浮石及びき裂の有無及び状態並びに含水、ゆう水及び凍結の状態の変化を点検させること。

二 点検者を指名して、発破を行なつた後、当該発破を行なつた箇所及びその周辺の浮石及びき裂の有無及び状態を点検させること。

(地山の掘削作業主任者の選任)

第三百五十九条 事業者は、令第六条第九号の作業については、地山の掘削及び土止め支保工作業主任者技能講習を修了した者のうちから、地山の掘削作業主任者を選任しなければならない。

(平一八厚労令一・一部改正)

(地山の掘削作業主任者の職務)

第三百六十条 事業者は、地山の掘削作業主任者に、次の事項を行わせなければならない。

一 作業の方法を決定し、作業を直接指揮すること。

二 器具及び工具を点検し、不良品を取り除くこと。

三 要求性能墜落制止用器具等及び保護帽の使用状況を監視すること。

(昭五〇労令五・平三〇厚労令七五・一部改正)

(地山の崩壊等による危険の防止)

第三百六十一条 事業者は、明り掘削の作業を行う場合において、地山の崩壊又は土石の落下により危険を及ぼすおそれのあるときは、あらかじめ、土止め支保工を設け、防護網を張り、当該作業場において作業に従事する者の立入りを禁止する等当該危険を防止するための措置を講じなければならない。

(令六厚労令八〇・一部改正)

(埋設物等による危険の防止)

第三百六十二条 事業者は、埋設物等又はれんが壁、コンクリートブロツクへい、擁壁等の建設物に近接する箇所で明り掘削の作業を行なう場合において、これらの損壊等により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、これらを補強し、移設する等当該危険を防止するための措置が講じられた後でなければ、作業を行なつてはならない。

2 明り掘削の作業により露出したガス導管の損壊により労働者に危険を及ぼすおそれのある場合の前項の措置は、つり防護、受け防護等による当該ガス導管についての防護を行ない、又は当該ガス導管を移設する等の措置でなければならない。

3 事業者は、前項のガス導管の防護の作業については、当該作業を指揮する者を指名して、その者の直接の指揮のもとに当該作業を行なわせなければならない。

(掘削機械等の使用禁止)

第三百六十三条 事業者は、明り掘削の作業を行なう場合において、掘削機械、積込機械及び運搬機械の使用によるガス導管、地中電線路その他地下に存する工作物の損壊により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、これらの機械を使用してはならない。

(運搬機械等の運行の経路等)

第三百六十四条 事業者は、明り掘削の作業を行うときは、あらかじめ、運搬機械、掘削機械及び積込機械(車両系建設機械及び車両系荷役運搬機械等を除く。以下この章において「運搬機械等」という。)の運行の経路並びにこれらの機械の土石の積卸し場所への出入の方法を定めて、これを関係労働者に周知させなければならない。

(昭五二労令三二・一部改正)

(誘導者の配置)

第三百六十五条 事業者は、明り掘削の作業を行う場合において、運搬機械等が、当該作業箇所に後進して接近するとき、又は転落するおそれのあるときは、誘導者を配置し、その者にこれらの機械を誘導させなければならない。

2 前項の運搬機械等の運転者は、同項の誘導者が行う誘導に従わなければならない。

(令六厚労令八〇・一部改正)

(保護帽の着用)

第三百六十六条 事業者は、明り掘削の作業を行なうときは、物体の飛来又は落下による労働者の危険を防止するため、当該作業に従事する労働者に保護帽を着用させなければならない。

2 前項の作業に従事する労働者は、同項の保護帽を着用しなければならない。

(照度の保持)

第三百六十七条 事業者は、明り掘削の作業を行なう場所については、当該作業を安全に行なうため必要な照度を保持しなければならない。

第二款 土止め支保工

(材料)

第三百六十八条 事業者は、土止め支保工の材料については、著しい損傷、変形又は腐食があるものを使用してはならない。

(構造)

第三百六十九条 事業者は、土止め支保工の構造については、当該土止め支保工を設ける箇所の地山に係る形状、地質、地層、き裂、含水、ゆう水、凍結及び埋設物等の状態に応じた堅固なものとしなければならない。

(組立図)

第三百七十条 事業者は、土止め支保工を組み立てるときは、あらかじめ、組立図を作成し、かつ、当該組立図により組み立てなければならない。

2 前項の組立図は、矢板、くい、背板、腹おこし、切りばり等の部材の配置、寸法及び材質並びに取付けの時期及び順序が示されているものでなければならない。

(部材の取付け等)

第三百七十一条 事業者は、土止め支保工の部材の取付け等については、次に定めるところによらなければならない。

一 切りばり及び腹おこしは、脱落を防止するため、矢板、くい等に確実に取り付けること。

二 圧縮材(火打ちを除く。)の継手は、突合せ継手とすること。

三 切りばり又は火打ちの接続部及び切りばりと切りばりとの交さ部は、当て板をあててボルトにより緊結し、溶接により接合する等の方法により堅固なものとすること。

四 中間支持柱を備えた土止め支保工にあつては、切りばりを当該中間支持柱に確実に取り付けること。

五 切りばりを建築物の柱等部材以外の物により支持する場合にあつては、当該支持物は、これにかかる荷重に耐えうるものとすること。

(昭五五労令三〇・一部改正)

(切りばり等の作業)

第三百七十二条 事業者は、令第六条第十号の作業を行うときは、次の措置を講じなければならない。

一 当該作業を行う箇所に当該作業に関係する者以外の者が立ち入ることについて、禁止する旨を見やすい箇所に表示することその他の方法により禁止すること。

二 材料、器具又は工具を上げ、又は下ろすときは、つり綱、つり袋等を労働者に使用させること。

(令六厚労令八〇・一部改正)

(点検)

第三百七十三条 事業者は、土止め支保工を設けたときは、その後七日をこえない期間ごと、中震以上の地震の後及び大雨等により地山が急激に軟弱化するおそれのある事態が生じた後に、次の事項について点検し、異常を認めたときは、直ちに、補強し、又は補修しなければならない。

一 部材の損傷、変形、腐食、変位及び脱落の有無及び状態

二 切りばりの緊圧の度合

三 部材の接続部、取付け部及び交さ部の状態

(土止め支保工作業主任者の選任)

第三百七十四条 事業者は、令第六条第十号の作業については、地山の掘削及び土止め支保工作業主任者技能講習を修了した者のうちから、土止め支保工作業主任者を選任しなければならない。

(平一八厚労令一・一部改正)

(土止め支保工作業主任者の職務)

第三百七十五条 事業者は、土止め支保工作業主任者に、次の事項を行わせなければならない。

一 作業の方法を決定し、作業を直接指揮すること。

二 材料の欠点の有無並びに器具及び工具を点検し、不良品を取り除くこと。

三 要求性能墜落制止用器具等及び保護帽の使用状況を監視すること。

(昭五〇労令五・平三〇厚労令七五・一部改正)

第三款 潜かん内作業等

(沈下関係図等)

第三百七十六条 事業者は、潜かん又は井筒の内部で明り掘削の作業を行うときは、潜かん又は井筒の急激な沈下による労働者の危険を防止するため、次の措置を講じなければならない。

一 沈下関係図に基づき、掘削の方法、載荷の量等を定めること。

二 刃口から天井又ははりまでの高さは、一・八メートル以上とすること。

(昭五二労令二・一部改正)

(潜かん等の内部における作業)

第三百七十七条 事業者は、潜かん、井筒、たて坑、井戸その他これらに準ずる建設物又は設備(以下「潜かん等」という。)の内部で明り掘削の作業を行うときは、次の措置を講じなければならない。

一 酸素が過剰になるおそれのあるときは、酸素の濃度を測定する者を指名して測定を行わせること。

二 労働者が安全に昇降するための設備を設けること。

三 掘下げの深さが二十メートルを超えるときは、当該作業を行う箇所と外部との連絡のための電話、電鈴等の設備を設けること。

2 事業者は、前項の場合において、同項第一号の測定の結果等により酸素の過剰を認めたとき、又は掘下げの深さが二十メートルをこえるときは、送気のための設備を設け、これにより必要な量の空気を送給しなければならない。

(昭五二労令二・一部改正)

(作業の禁止)

第三百七十八条 事業者は、次の各号のいずれかに該当するときは、潜かん等の内部で明り掘削の作業を行なつてはならない。

一 前条第一項第二号若しくは第三号又は同条第二項の設備が故障しているとき。

二 潜かん等の内部へ多量の水が浸入するおそれのあるとき。

第二節 ずい道等の建設の作業等

(昭五五労令二三・改称)

第一款 調査等

(調査及び記録)

第三百七十九条 事業者は、ずい道等の掘削の作業を行うときは、落盤、出水、ガス爆発等による労働者の危険を防止するため、あらかじめ、当該掘削に係る地山の形状、地質及び地層の状態をボーリングその他適当な方法により調査し、その結果を記録しておかなければならない。

(昭五五労令二三・一部改正)

(施工計画)

第三百八十条 事業者は、ずい道等の掘削の作業を行なうときは、あらかじめ、前条の調査により知り得たところに適応する施工計画を定め、かつ、当該施工計画により作業を行なわなければならない。

2 前項の施工計画は、次の事項が示されているものでなければならない。

一 掘削の方法

二 ずい道支保工の施工、覆工の施工、ゆう水若しくは可燃性ガスの処理、換気又は照明を行う場合にあつては、これらの方法

(昭五五労令二三・一部改正)

(観察及び記録)

第三百八十一条 事業者は、ずい道等の掘削の作業を行うときは、落盤、出水、ガス爆発等による労働者の危険を防止するため、毎日、掘削箇所及びその周辺の地山について、次の事項を観察し、その結果を記録しておかなければならない。

一 地質及び地層の状態

二 含水及びゆう水の有無及び状態

三 可燃性ガスの有無及び状態

四 高温のガス及び蒸気の有無及び状態

2 前項第三号の事項に係る観察は、掘削箇所及びその周辺の地山を機械で覆う方法による掘削の作業を行う場合においては、測定機器を使用して行わなければならない。

(昭五五労令二三・平六労令二・一部改正)

(点検)

第三百八十二条 事業者は、ずい道等の建設の作業(ずい道等の掘削の作業又はこれに伴うずり、資材等の運搬、覆工のコンクリートの打設等の作業(当該ずい道等の内部又は当該ずい道等に近接する場合において行なわれるものに限る。)をいう。以下同じ。)を行なうときは、落盤又ははだ落ちによる労働者の危険を防止するため、次の措置を講じなければならない。

一 点検者を指名して、ずい道等の内部の地山について、毎日及び中震以上の地震の後、浮石及びき裂の有無及び状態並びに含水及びゆう水の状態の変化を点検させること。

二 点検者を指名して、発破を行なつた後、当該発破を行なつた箇所及びその周辺の浮石及びき裂の有無及び状態を点検させること。

(可燃性ガスの濃度の測定等)

第三百八十二条の二 事業者は、ずい道等の建設の作業を行う場合において、可燃性ガスが発生するおそれのあるときは、爆発又は火災を防止するため、可燃性ガスの濃度を測定する者を指名し、その者に、毎日作業を開始する前、中震以上の地震の後及び当該可燃性ガスに関し異常を認めたときに、当該可燃性ガスが発生し、又は停滞するおそれがある場所について、当該可燃性ガスの濃度を測定させ、その結果を記録させておかなければならない。

(昭五五労令二三・追加)

(自動警報装置の設置等)

第三百八十二条の三 事業者は、前条の測定の結果、可燃性ガスが存在して爆発又は火災が生ずるおそれのあるときは、必要な場所に、当該可燃性ガスの濃度の異常な上昇を早期には握するために必要な自動警報装置を設けなければならない。この場合において、当該自動警報装置は、その検知部の周辺において作業を行つている労働者に当該可燃性ガスの濃度の異常な上昇を速やかに知らせることのできる構造としなければならない。

2 事業者は、前項の自動警報装置については、その日の作業を開始する前に、次の事項について点検し、異常を認めたときは、直ちに補修しなければならない。

一 計器の異常の有無

二 検知部の異常の有無

三 警報装置の作動の状態

(昭五五労令二三・追加、平六労令二・一部改正)

(施工計画の変更)

第三百八十三条 事業者は、ずい道等の掘削の作業を行う場合において、第三百八十条第一項の施工計画が第三百八十一条第一項の規定による観察、第三百八十二条の規定による点検、第三百八十二条の二の規定による測定等により知り得た地山の状態に適応しなくなつたときは、遅滞なく、当該施工計画を当該地山の状態に適応するよう変更し、かつ、変更した施工計画によつて作業を行わなければならない。

(昭五五労令二三・平六労令二・一部改正)

(ずい道等の掘削等作業主任者の選任)

第三百八十三条の二 事業者は、令第六条第十号の二の作業については、ずい道等の掘削等作業主任者技能講習を修了した者のうちから、ずい道等の掘削等作業主任者を選任しなければならない。

(昭五五労令三三・追加)

(ずい道等の掘削等作業主任者の職務)

第三百八十三条の三 事業者は、ずい道等の掘削等作業主任者に、次の事項を行わせなければならない。

一 作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業を直接指揮すること。

二 換気等の方法を決定し、労働者に使用させる呼吸用保護具を選択すること。

三 器具、工具、要求性能墜落制止用器具等、保護帽及び呼吸用保護具の機能を点検し、不良品を取り除くこと。

四 要求性能墜落制止用器具等、保護帽及び呼吸用保護具の使用状況を監視すること。

(昭五五労令三三・追加、平三〇厚労令七五・令二厚労令一二八・一部改正)

(ずい道等の覆工作業主任者の選任)

第三百八十三条の四 事業者は、令第六条第十号の三の作業については、ずい道等の覆工作業主任者技能講習を修了した者のうちから、ずい道等の覆工作業主任者を選任しなければならない。

(昭五五労令三三・追加)

(ずい道等の覆工作業主任者の職務)

第三百八十三条の五 事業者は、ずい道等の覆工作業主任者に、次の事項を行わせなければならない。

一 作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業を直接指揮すること。

二 器具、工具、要求性能墜落制止用器具等及び保護帽の機能を点検し、不良品を取り除くこと。

三 要求性能墜落制止用器具等及び保護帽の使用状況を監視すること。

(昭五五労令三三・追加、平三〇厚労令七五・一部改正)

第一款の二 落盤、地山の崩壊等による危険の防止

(昭五五労令二三・款名追加)

(落盤等による危険の防止)

第三百八十四条 事業者は、ずい道等の建設の作業を行なう場合において、落盤又ははだ落ちにより労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、ずい道支保工を設け、ロツクボルトを施し、浮石を落す等当該危険を防止するための措置を講じなければならない。

(出入口附近の地山の崩壊等による危険の防止)

第三百八十五条 事業者は、ずい道等の建設の作業を行なう場合において、ずい道等の出入口附近の地山の崩壊又は土石の落下により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、土止め支保工を設け、防護網を張り、浮石を落す等当該危険を防止するための措置を講じなければならない。

(立入禁止)

第三百八十六条 事業者は、次の箇所に関係者以外の者が立ち入ることについて、禁止する旨を見やすい箇所に表示することその他の方法により禁止しなければならない。

一 浮石落しが行われている箇所又は当該箇所の下方で、浮石が落下することにより危険を及ぼすおそれのあるところ

二 ずい道支保工の補強作業又は補修作業が行われている箇所で、落盤又ははだ落ちにより危険を及ぼすおそれのあるところ

(令六厚労令八〇・一部改正)

(視界の保持)

第三百八十七条 事業者は、ずい道等の建設の作業を行なう場合において、ずい道等の内部における視界が排気ガス、粉じん等により著しく制限される状態にあるときは、換気を行ない、水をまく等当該作業を安全に行なうため必要な視界を保持するための措置を講じなければならない。

(昭五五労令二三・旧第三百八十八条繰上)

(準用)

第三百八十八条 第三百六十四条から第三百六十七条までの規定は、ずい道等の建設の作業について準用する。

(昭五五労令二三・旧第三百八十九条繰上)

第一款の三 爆発、火災等の防止

(昭五五労令二三・追加)

(発火具の携帯禁止等)

第三百八十九条 事業者は、第三百八十二条の二の規定による測定の結果、可燃性ガスが存在するときは、作業の性質上やむを得ない場合を除き、火気又はマッチ、ライターその他発火のおそれのある物をずい道等の内部に持ち込むことを禁止し、かつ、その旨をずい道等の出入口付近の見やすい場所に掲示しなければならない。

(昭五五労令二三・追加)

(自動警報装置が作動した場合の措置)

第三百八十九条の二 事業者は、第三百八十二条の三の自動警報装置が作動した場合に関係労働者が可燃性ガスによる爆発又は火災を防止するために講ずべき措置をあらかじめ定め、これを当該労働者に周知させなければならない。

(平六労令二・追加)

(ガス抜き等の措置)

第三百八十九条の二の二 事業者は、ずい道等の掘削の作業を行う場合において、可燃性ガスが突出するおそれのあるときは、当該可燃性ガスによる爆発又は火災を防止するため、ボーリングによるガス抜きその他可燃性ガスの突出を防止するため必要な措置を講じなければならない。

(昭五五労令二三・追加、平六労令二・旧第三百八十九条の二繰下)

(ガス溶接等の作業を行う場合の火災防止措置)

第三百八十九条の三 事業者は、ずい道等の建設の作業を行う場合において、当該ずい道等の内部で、可燃性ガス及び酸素を用いて金属の溶接、溶断又は加熱の作業を行うときは、火災を防止するため、次の措置を講じなければならない。

一 付近にあるぼろ、木くず、紙くずその他の可燃性の物を除去し、又は当該可燃性の物に不燃性の物による覆いをし、若しくは当該作業に伴う火花等の飛散を防止するための隔壁を設けること。

二 第二百五十七条の指揮者に、同条各号の事項のほか、次の事項を行わせること。

イ 作業に従事する労働者に対し、消火設備の設置場所及びその使用方法を周知させること。

ロ 作業の状況を監視し、異常を認めたときは、直ちに必要な措置をとること。

ハ 作業終了後火花等による火災が生ずるおそれのないことを確認すること。

(昭五五労令二三・追加)

(防火担当者)

第三百八十九条の四 事業者は、ずい道等の建設の作業を行うときは、当該ずい道等の内部の火気又はアークを使用する場所(前条の作業を行う場所を除く。)について、防火担当者を指名し、その者に、火災を防止するため、次の事項を行わせなければならない。

一 火気又はアークの使用の状況を監視し、異常を認めたときは、直ちに必要な措置をとること。

二 残火の始末の状況について確認すること。

(昭五五労令二三・追加)

(消火設備)

第三百八十九条の五 事業者は、ずい道等の建設の作業を行うときは、当該ずい道等の内部の火気若しくはアークを使用する場所又は配電盤、変圧器若しくはしや断器を設置する場所には、適当な箇所に、予想される火災の性状に適応する消火設備を設け、関係労働者に対し、その設置場所及び使用方法を周知させなければならない。

(昭五五労令二三・追加)

(たて坑の建設の作業)

第三百八十九条の六 前三条の規定は、たて坑の建設の作業について準用する。

(昭五五労令二三・追加)

第一款の四 退避等

(昭五五労令二三・追加)

(退避)

第三百八十九条の七 事業者は、ずい道等の建設の作業を行う場合において、落盤、出水等による労働災害発生の急迫した危険があるときは、直ちに作業を中止し、作業に従事する者を安全な場所に退避させなければならない。

(昭五五労令二三・追加、令六厚労令八〇・一部改正)

第三百八十九条の八 事業者は、ずい道等の建設の作業を行う場合であつて、当該ずい道等の内部における可燃性ガスの濃度が爆発下限界の値の三十パーセント以上であることを認めたときは、直ちに、作業に従事する者を安全な場所に退避させ、及び火気その他点火源となるおそれのあるものの使用を停止し、かつ、通風、換気等の措置を講じなければならない。

2 事業者は、前項の場合において、当該ずい道等の内部における可燃性ガスの濃度が爆発下限界の値の三十パーセント未満であることを確認するまでの間、当該ずい道等の内部に関係者以外の者が立ち入ることについて、禁止する旨を見やすい箇所に表示することその他の方法により禁止するとともに、表示以外の方法により禁止したときは、当該ずい道等の内部が立入禁止である旨を見やすい箇所に表示しなければならない。

(昭五五労令二三・追加、令六厚労令八〇・一部改正)

(警報設備等)

第三百八十九条の九 事業者は、ずい道等の建設の作業を行うときは、落盤、出水、ガス爆発、火災その他非常の場合に関係労働者にこれを速やかに知らせるため、次の各号の区分に応じ、当該各号に掲げる設備等を設け、関係労働者に対し、その設置場所を周知させなければならない。

一 出入口から切羽までの距離(以下この款において「切羽までの距離」という。)が百メートルに達したとき(次号に掲げる場合を除く。) サイレン、非常ベル等の警報用の設備(以下この条において「警報設備」という。)

二 切羽までの距離が五百メートルに達したとき 警報設備及び電話機等の通話装置(坑外と坑内の間において通話することができるものに限る。以下この条において「通話装置」という。)

2 事業者は、前項の警報設備及び通話装置については、常時、有効に作動するように保持しておかなければならない。

3 事業者は、第一項の警報設備及び通話装置に使用する電源については、当該電源に異常が生じた場合に直ちに使用することができる予備電源を備えなければならない。

(昭五五労令二三・追加)

(避難用器具)

第三百八十九条の十 事業者は、ずい道等の建設の作業を行うときは、落盤、出水、ガス爆発、火災その他非常の場合に作業に従事する者を避難させるため、次の各号の区分に応じ、当該各号に掲げる避難用器具を適当な箇所に備え、関係者に対し、その備付け場所及び使用方法を周知させなければならない。

一 可燃性ガスが存在して爆発又は火災が生ずるおそれのあるずい道等以外のずい道等にあつては、切羽までの距離が百メートルに達したとき(第三号に掲げる場合を除く。) 懐中電灯等の携帯用照明器具(以下この条において「携帯用照明器具」という。)その他避難に必要な器具

二 可燃性ガスが存在して爆発又は火災が生ずるおそれのあるずい道等にあつては、切羽までの距離が百メートルに達したとき(次号に掲げる場合を除く。) 一酸化炭素用自己救命器等の呼吸用保護具(以下この条において「呼吸用保護具」という。)、携帯用照明器具その他避難に必要な器具

三 切羽までの距離が五百メートルに達したとき 呼吸用保護具、携帯用照明器具その他避難に必要な器具

2 事業者は、前項の呼吸用保護具については、同時に就業する者(出入口付近において作業に従事する者を除く。次項において同じ。)の人数と同数以上を備え、常時有効かつ清潔に保持しなければならない。

3 事業者は、第一項の携帯用照明器具については、同時に就業する者の人数と同数以上を備え、常時有効に保持しなければならない。ただし、同項第一号の場合において、同時に就業する者が集団で避難するために必要な照明を確保する措置を講じているときは、この限りでない。

(昭五五労令二三・追加、令六厚労令八〇・一部改正)

(避難等の訓練)

第三百八十九条の十一 事業者は、切羽までの距離が百メートル(可燃性ガスが存在して爆発又は火災が生ずるおそれのあるずい道等以外のずい道等にあつては、五百メートル)以上となるずい道等に係るずい道等の建設の作業を行うときは、落盤、出水、ガス爆発、火災等が生じたときに備えるため、関係者に対し、当該ずい道等の切羽までの距離が百メートルに達するまでの期間内に一回、及びその後六月以内ごとに一回、避難及び消火の訓練(以下「避難等の訓練」という。)を行わなければならない。

2 事業者は、避難等の訓練を行つたときは、次の事項を記録し、これを三年間保存しなければならない。

一 実施年月日

二 訓練を受けた者の氏名

三 訓練の内容

(昭五五労令二三・追加、平六労令二・令六厚労令八〇・一部改正)

第二款 ずい道支保工

(材料)

第三百九十条 事業者は、ずい道支保工の材料については、著しい損傷、変形又は腐食があるものを使用してはならない。

2 事業者は、ずい道支保工に使用する木材については、あかまつ、くろまつその他じん性に富み、かつ、強度上の著しい欠点となる割れ、虫食い、節、繊維の傾斜等がないものでなければ、使用してはならない。

(ずい道支保工の構造)

第三百九十一条 事業者は、ずい道支保工の構造については、当該ずい道支保工を設ける箇所の地山に係る地質、地層、含水、ゆう水、き裂及び浮石の状態並びに掘削の方法に応じた堅固なものとしなければならない。

(標準図)

第三百九十二条 事業者は、ずい道支保工を組み立てるときは、あらかじめ、標準図を作成し、かつ、当該標準図により組み立てなければならない。

2 前項の標準図は、ずい道支保工の部材の配置、寸法及び材質が示されているものでなければならない。

(組立て又は変更)

第三百九十三条 事業者は、ずい道支保工を組み立て、又は変更するときは、次に定めるところによらなければならない。

一 主材を構成する一組の部材は、同一平面内に配置すること。

二 木製のずい道支保工にあつては、当該ずい道支保工の各部材の緊圧の度合が均等になるようにすること。

(ずい道支保工の危険の防止)

第三百九十四条 事業者は、ずい道支保工については、次に定めるところによらなければならない。

一 脚部には、その沈下を防止するため、皿板を用いる等の措置を講ずること。

二 鋼アーチ支保工にあつては、次に定めるところによること。

イ 建込み間隔は、一・五メートル以下とすること。

ロ 主材がアーチ作用を十分に行なうようにするため、くさびを打ち込む等の措置を講ずること。

ハ つなぎボルト及びつなぎばり、筋かい等を用いて主材相互を強固に連結すること。

ニ ずい道等の出入口の部分には、やらずを設けること。

ホ 鋼アーチ支保工のずい道等の縦方向の長さが短い場合その他当該鋼アーチ支保工にずい道等の縦方向の荷重がかかることによりその転倒又はねじれを生ずるおそれのあるときは、ずい道等の出入口の部分以外の部分にもやらずを設ける等その転倒又はねじれを防止するための措置を講ずること。

ヘ はだ落ちにより労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、矢板、矢木、ライナープレート等を設けること。

三 木製支柱式支保工にあつては、次に定めるところによること。

イ 大引きは、変位を防止するため、鼻ばり等により地山に固定すること。

ロ 両端にはやらずを設けること。

ハ 木製支柱式支保工にずい道等の縦方向の荷重がかかることによりその転倒又はねじれを生ずるおそれのあるときは、両端以外の部分にもやらずを設ける等その転倒又はねじれを防止するための措置を講ずること。

ニ 部材の接続部はなじみよいものとし、かつ、かすがい等により固定すること。

ホ ころがしは、にない内ばり又はけたつなぎばりを含む鉛直面内に配置しないこと。

ヘ にない内ばり及びけたつなぎばりが、アーチ作用を十分に行なう状態にすること。

四 鋼アーチ支保工及び木製支柱式支保工以外のずい道支保工にあつては、ずい道等の出入口の部分には、やらずを設けること。

(部材の取りはずし)

第三百九十五条 事業者は、荷重がかかつているずい道支保工の部材を取りはずすときは、当該部材にかかつている荷重をずい道型わく支保工等に移す措置を講じた後でなければ、当該部材を取りはずしてはならない。

(点検)

第三百九十六条 事業者は、ずい道支保工を設けたときは、毎日及び中震以上の地震の後、次の事項について点検し、異常を認めたときは、直ちに補強し、又は補修しなければならない。

一 部材の損傷、変形、腐食、変位及び脱落の有無及び状態

二 部材の緊圧の度合

三 部材の接続部及び交さ部の状態

四 脚部の沈下の有無及び状態

第三款 ずい道型わく支保工

(材料)

第三百九十七条 事業者は、ずい道型わく支保工の材料については、著しい損傷、変形又は腐食があるものを使用してはならない。

(構造)

第三百九十八条 事業者は、ずい道型わく支保工の構造については、当該ずい道型わく支保工にかかる荷重、型わくの形状等に応じた堅固なものとしなければならない。

第三節 採石作業

第一款 調査、採石作業計画等

(調査及び記録)

第三百九十九条 事業者は、採石作業(岩石の採取のための掘削の作業、採石場において行なう岩石の小割、加工及び運搬の作業その他これらの作業に伴う作業をいう。以下同じ。)を行なうときは、地山の崩壊、掘削機械の転落等による労働者の危険を防止するため、あらかじめ、当該採石作業に係る地山の形状、地質及び地層の状態を調査し、その結果を記録しておかなければならない。

(採石作業計画)

第四百条 事業者は、採石作業を行なうときは、あらかじめ、前条の規定による調査により知り得たところに適応する採石作業計画を定め、かつ、当該採石作業計画により作業を行なわなければならない。

2 前項の採石作業計画は、次の事項が示されているものでなければならない。

一 露天掘り又は坑内掘りの別及び露天掘りにあつては、階段採掘法、傾斜面掘削法又はグローリホール法の別

二 掘削面の高さ及びこう配

三 掘削面の段の位置及び奥行き

四 坑内における落盤、はだ落ち及び側壁の崩壊防止の方法

五 発破の方法

六 岩石の小割の方法

七 岩石の加工の場所

八 土砂又は岩石の積込み及び運搬の方法並びに運搬の経路

九 使用する掘削機械、小割機械、積込機械又は運搬機械の種類及び能力

十 表土又はゆう水の処理の方法

(点検)

第四百一条 事業者は、採石作業を行なうときは、地山の崩壊又は土石の落下による労働者の危険を防止するため、次の措置を講じなければならない。

一 点検者を指名して、作業箇所及びその周辺の地山について、その日の作業を開始する前、大雨の後及び中震以上の地震の後、浮石及びき裂の有無及び状態並びに含水、ゆう水及び凍結の状態の変化を点検させること。

二 点検者を指名して、発破を行なつた後、当該発破を行なつた箇所及びその周辺の浮石及びき裂の有無及び状態を点検させること。

(採石作業計画の変更)

第四百二条 事業者は、採石作業を行なう場合において、第四百条第一項の採石作業計画が前条の規定による点検等により知り得た地山の状態に適応しなくなつたときは、遅滞なく、当該採石作業計画を当該地山の状態に適応するよう変更し、かつ、変更した採石作業計画によつて作業を行なわなければならない。

(採石のための掘削作業主任者の選任)

第四百三条 事業者は、令第六条第十一号の作業については、採石のための掘削作業主任者技能講習を修了した者のうちから、採石のための掘削作業主任者を選任しなければならない。

(採石のための掘削作業主任者の職務)

第四百四条 事業者は、採石のための掘削作業主任者に、次の事項を行わせなければならない。

一 作業の方法を決定し、作業を直接指揮すること。

二 材料の欠点の有無並びに器具及び工具を点検し、不良品を取り除くこと。

三 要求性能墜落制止用器具等及び保護帽の使用状況を監視すること。

四 退避の方法を、あらかじめ、指示すること。

(昭五〇労令五・平三〇厚労令七五・一部改正)

(隣接採石場との連絡の保持)

第四百五条 事業者は、地山の崩壊、土石の飛来等による労働者の危険を防止するため、隣接する採石場で行なわれる発破の時期、浮石落しの方法等必要な事項について当該採石場との間の連絡を保たなければならない。

(照度の保持)

第四百六条 事業者は、採石作業を行なう場所については、当該作業を安全に行なうため必要な照度を保持しなければならない。

第二款 地山の崩壊等による危険の防止

(掘削面のこう配の基準)

第四百七条 事業者は、岩石の採取のための掘削の作業(坑内におけるものを除く。以下この条において同じ。)を行なうときは、掘削面のこう配を、次の表の上欄に掲げる地山の種類及び同表の中欄に掲げる掘削面の高さに応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる値以下としなければならない。ただし、パワー・シヨベル、トラクター・シヨベル等の掘削機械を用いて掘削の作業を行なう場合において、地山の崩壊又は土石の落下により当該機械の運転者に危険を及ぼすおそれのないときは、この限りでない。