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経過営業日数

リスク・ウェイト(パーセント)

五日以上十五日以内

十六日以上三十日以内

六百二十五

三十一日以上四十五日以内

九百三十七・五

四十六日以上

千二百五十

2 標準的手法採用金庫は、非同時決済取引について、当該取引の相手方に対して有価証券等の引渡し又は資金の支払を行った場合であって、反対取引の決済が行われていないときは、次に定めるところに従うものとする。

一 有価証券等の引渡し又は資金の支払を行った日から、反対取引の約定決済日の四営業日後までの期間は、当該非同時決済取引の約定額に、取引の相手方の種類に応じ、第二十七条から第三十八条までに規定するリスク・ウェイトを乗じて得た額を信用リスク・アセットの額とする。

二 反対取引の約定決済日の五営業日以後は、当該非同時決済取引の約定額(当該非同時決済取引の再構築コストが零を上回る場合には当該約定額及び再構築コストの合計額)に千二百五十パーセントのリスク・ウェイトを乗じて得た額を信用リスク・アセットの額とする。

3 標準的手法採用金庫は、前項第一号の場合において、非同時決済取引に係るエクスポージャーの合計額が重要でないと認められるときは、第二十七条から第三十八条までに規定するリスク・ウェイトに代えて、当該非同時決済取引の全てに百パーセントのリスク・ウェイトを用いることができる。

4 第一項の経過営業日数又は第二項の約定決済日以後の営業日数のうち、外部の決済システムの全体的な障害に起因するものがある場合、標準的手法採用金庫は、その日数を第一項の経過営業日数又は第二項の約定決済日以後の営業日数から除くことができる。

5 前各項の場合において、信用リスク・アセットの額を算出するときは、当該各項に規定する同時決済取引又は非同時決済取引に係るエクスポージャーに対して、百パーセントの掛目を適用するものとする。

(平二五金庁厚労告一・令六金庁厚労告一・一部改正)

第六節 信用リスク削減手法

第一款 総則

(信用リスク削減手法の適用)

第五十五条 この節において、信用リスク削減手法とは、第六十四条又は第六十五条に規定する適格金融資産担保、第九十二条の条件を満たす貸出金と自金庫預金の相殺、第九十三条、第九十四条及び第九十七条の条件を満たす保証並びに第九十三条及び第九十五条から第九十七条までの条件を満たすクレジット・デリバティブを総称していう。

2 標準的手法採用金庫は、信用リスク・アセットの額の算出において、信用リスク削減手法を適用することができる。

3 信用リスク削減手法を適用した場合の信用リスク・アセットの額が、信用リスク削減手法を適用しない場合の信用リスク・アセットの額を上回る場合には、標準的手法採用金庫は、信用リスク削減手法を適用することを要しない。

(格付の使用)

第五十六条 適格格付機関がエクスポージャーに付与する格付に信用リスク削減手法の利用による効果が既に反映されている場合には、標準的手法採用金庫は、当該エクスポージャーに係る信用リスク・アセットの額の算出において信用リスク削減手法を適用しないものとする。

2 標準的手法採用金庫は、信用リスク削減手法の適用において、元本のみの償還可能性を評価した格付を用いないものとする。

(令六金庁厚労告一・一部改正)

(開示)

第五十七条 標準的手法採用金庫は、信用リスク削減手法を適用するためには、金融庁長官及び厚生労働大臣が別に定める事項を開示するものとする。

(令六金庁厚労告一・一部改正)

(法的有効性の確保)

第五十八条 リスク・アセットの額の算出において信用リスク削減手法を適用する場合には、当該信用リスク削減手法の契約に係る文書は、取引に関係する全ての当事者を拘束するとともに、当該取引に関連する全ての法律に照らして有効なものとするものとする。

2 標準的手法採用金庫は、前項に規定する法的有効性を継続的に検証するものとする。

(令六金庁厚労告一・一部改正)

(信用リスク削減手法から生ずるリスクへの措置)

第五十八条の二 標準的手法採用金庫は、信用リスク削減手法を用いる場合と信用リスク削減手法を用いない場合とを比較し、信用リスク削減手法を用いる場合に発生し得るリスクについて、適切に対応するための措置を講ずるものとする。

(令六金庁厚労告一・追加)

第二款 適格金融資産担保付取引に共通する事項

(定義)

第五十九条 適格金融資産担保付取引とは、エクスポージャーの信用リスクの全部又は一部が、取引相手又は取引相手のために第三者が提供する適格金融資産担保によって削減されている取引をいう。

(手法の選択)

第六十条 標準的手法採用金庫は、次の各号に掲げる場合において、適格金融資産担保付取引について信用リスク削減手法を適用するために、当該各号に定める手法を用いるものとする。

一 マーケット・リスク相当額の算出を行っている標準的手法採用金庫が、マーケット・リスク相当額の算出の対象となっている資産に関するオフ・バランス取引又は派生商品取引の与信相当額について信用リスク削減手法を適用する場合 包括的手法

二 前号以外の場合 簡便手法又は包括的手法のうち、当該標準的手法採用金庫が前号以外の全ての適格金融資産担保付取引に用いるものとして選択した手法

(令六金庁厚労告一・全改)

(有価証券担保等のリスク・アセットの算出範囲)

第六十条の二 標準的手法採用金庫は、有価証券の貸付又は有価証券による担保を提供する場合には、当該有価証券に係るエクスポージャーの信用リスク・アセットの額又はマーケット・リスク相当額(マーケット・リスク相当額の算出を行っている場合に限る。)及び取引の相手方に対する信用リスク・アセットの額を算出するものとする。

(令六金庁厚労告一・追加)

(担保の管理)

第六十一条 標準的手法採用金庫は、適格金融資産担保を信用リスク削減手法として用いる場合には、次の各号の条件を満たすものとする。

一 当該標準的手法採用金庫は、適格金融資産担保に係る担保権を維持し、実行するために必要な全ての措置を講じていること。

二 当該標準的手法採用金庫は、担保権の実行を可能とする事由が発生した場合に、取引相手又は適格金融資産担保の管理の受託者に対して、適格金融資産担保を適時に処分又は取得する権利を有していること。

三 当該標準的手法採用金庫は、適格金融資産担保の適時の処分又は取得が可能となるよう、適切な内部手続を設けていること。

四 適格金融資産担保に係るマージン・アグリーメントが締結されている場合には、当該標準的手法採用金庫は、追加担保の管理を適切に実行するために必要となる体制を整備し、かつ、当該適格金融資産担保に係るリスク管理方針を策定するとともに、次に掲げる項目の全ての管理方針(定期的な管理、監視及び報告に係る方針を含む。)を整備していること。

イ 当該契約において担保として授受した有価証券の価格変動リスク及び流動性リスク

ロ 特定の種類の担保への集中リスク

ハ 受け入れた担保資産の再利用から生ずるリスク

ニ 取引相手方へ差し入れた担保の権利放棄

五 適格金融資産担保の管理が第三者に委託されている場合、当該標準的手法採用金庫は、受託者が当該適格金融資産担保と受託者自身の資産を分別管理していることを確認していること。

(令六金庁厚労告一・一部改正)

(担保の相関)

第六十二条 適格金融資産担保付取引の取引相手の信用リスクと当該適格金融資産担保の信用リスクが顕著な正の相関を有する場合には、標準的手法採用金庫は、これを信用リスク削減手法として用いないものとする。

(令六金庁厚労告一・一部改正)

(オフ・バランス取引の担保)

第六十三条 標準的手法採用金庫は、第四十九条第一項の表の第七号に規定する取引において、有価証券の貸付に際して受入れた担保資産、現金若しくは有価証券による担保の提供において担保提供の原因となっている借入資産(取引の相手方に信用事由が発生したときに、担保と同等の効果を提供する資産(以下この条において「担保としての機能を持つ資産」という。)である場合に限る。)、買戻条件付資産売却における売却代金又は売戻条件付資産購入における購入資産(担保としての機能を持つ資産である場合に限る。)が次条各号又は第六十五条各号に掲げるものである場合には、これを適格金融資産担保として扱うことができる。

(平一九金庁厚労告二・令六金庁厚労告一・一部改正)

(簡便手法を用いる場合の適格金融資産担保)

第六十四条 簡便手法を用いる場合の適格金融資産担保は、次に掲げるものとする。

一 現金及び自金庫預金(金庫がエクスポージャーについてクレジット・リンク債を発行している場合を含む。ただし、マーケット・リスク相当額の算出を行っている金庫において、マーケット・リスク相当額の算出の対象となっている資産についてクレジット・リンク債を発行している場合については、この限りでない。以下同じ。)

二 金

三 日本国政府若しくは我が国の地方公共団体が発行する円建ての債券又は国際決済銀行、国際通貨基金、欧州中央銀行、欧州連合、欧州安定メカニズム、欧州金融安定ファシリティ若しくは標準的手法で零パーセントのリスク・ウェイトが適用される国際開発銀行の発行する債券

四 適格格付機関が格付を付与している債券であって、次のイからハまでのいずれかに該当するもの。ただし、前号に該当するものを除く。

イ 中央政府、中央銀行、我が国の地方公共団体、地方公共団体金融機構及び我が国の政府関係機関が発行した債券であって、適格格付機関により付与された格付に対応する信用リスク区分が1―4以上であるもの

ロ イに掲げる債券以外の債券であって、適格格付機関により付与された格付に対応する信用リスク区分(第三十条に掲げる主体の発行する債券に付与された格付については、第三十六条第一項の表を準用するものとする。次号ニ(1)及びホ(1)において同じ。)が2―3、3―3、3の2―3、4―3又は6―10(再証券化エクスポージャーに該当するものを除く。)以上であるもの

ハ 適格格付機関により付与された格付に対応する信用リスク区分(第三十条に掲げる主体の発行する債券に付与された格付については、第三十七条第一項の表を準用するものとする。次号ニ(2)及びホ(2)において同じ。)が5―3又は7―3(再証券化エクスポージャーに該当するものを除く。)以上である短期の債券

五 適格格付機関が格付を付与していない債券であって、次に掲げる条件の全てを満たすもの

イ 発行者が第三十四条から第三十五条の二までに掲げる主体であること。

ロ 取引所金融商品市場、店頭売買有価証券市場又は外国金融商品市場において売買されていること。

ハ 劣後債権でないこと。

ニ 次の(1)又は(2)に掲げる発行者が負っている同順位の債務の区分に応じ、適格格付機関が当該同順位の債務に当該(1)又は(2)に定める格付を下回る格付を付与していないこと。

(1) 短期の債券以外の債券 3―3の信用リスク区分に対応する格付

(2) 短期の債券 5―3の信用リスク区分に対応する格付

ホ 標準的手法採用金庫が、当該債券の信用度が次の(1)又は(2)に掲げる債券の区分に応じ、当該(1)又は(2)に定める信用度を下回ると信ずるに足る情報を有しないこと。

(1) 短期の債券以外の債券 3―3の信用リスク区分に対応する格付

(2) 短期の債券 5―3の信用リスク区分に対応する格付

ヘ 当該債券に十分な流動性があること。

六 指定国(金融商品取引業者の市場リスク相当額、取引先リスク相当額及び基礎的リスク相当額の算出の基準等を定める件(平成十九年金融庁告示第五十九号)第一条第四十号に規定する指定国をいう。以下同じ。)の代表的な株価指数を構成する株式を発行する会社の株式等(株式及び株式に転換する権利を付された社債をいう。以下この節において同じ。)

七 投資信託その他これに類する商品(以下「投資信託等」という。)であって、次に掲げる条件の全てを満たすもの

イ 投資対象が簡便手法において担保適格となる資産に限定されていること。ただし、当該投資信託等が投資している資産のリスクをヘッジするために派生商品取引を用いることを妨げない。

ロ 当該投資信託等の市場における取引価格が毎取引日において公表されていること。

(平一九金庁厚労告二・平一九金庁厚労告一二・平二〇金庁厚労告四・平二一金庁厚労告四・平二五金庁厚労告一・平二七金庁厚労告四・平三一金庁厚労告二・令六金庁厚労告一・一部改正)

(包括的手法を用いる場合の適格金融資産担保)

第六十五条 包括的手法を用いる場合の適格金融資産担保は、前条各号に掲げるもの及び次に掲げるものとする。ただし、レポ形式の取引であって、取引対象の資産がマーケット・リスク相当額の算出の対象になっているもの(再証券化エクスポージャーに該当するものを除く。)については、適格金融資産担保の範囲を限定しない。

一 上場株式であって、指定国の代表的な株価指数を構成しない株式を発行している会社の株式等

二 次に掲げる条件の全てを満たす投資信託等

イ 投資対象が前条に掲げる資産及び前号の株式等に限定されていること。ただし、当該投資信託等が投資している資産のリスクをヘッジするために派生商品取引を用いることを妨げない。

ロ 当該投資信託等の市場における取引価格が毎取引日において公表されていること。

(令六金庁厚労告一・一部改正)

(適格金融資産担保の計算方法の例外)

第六十五条の二 標準的手法採用金庫は、適格金融資産担保が次に掲げる要件の全てに該当する場合には、包括的手法又は簡便手法を用いないものとする。この場合において、エクスポージャーの額のうち当該適格金融資産担保に相当する部分について、当該エクスポージャーの取引相手方のリスク・ウェイトに代えて、第二号に規定する第三者の金融機関に対する直接のエクスポージャーに適用されるリスク・ウェイトを適用することができる。

一 第六十四条第一号に該当するものであること。

二 第三者の金融機関(外国銀行を含み、第一条第七号ロに掲げる者を除く。)において管理されていること(ただし、分別管理されている場合を除く。)。

2 前項の場合において、エクスポージャーと担保の通貨が異なるときは、適格金融資産担保に相当する部分の額は、次の算式により算出するものとする。

C*=C×(1-Hfx)

C*は、エクスポージャーと担保の通貨が異なる場合における適格金融資産担保に相当する部分の額

Cは、適格金融資産担保の額

Hfxは、エクスポージャーと適格金融資産担保の通貨が異なる場合に適用するボラティリティ調整率(次款に定める方法により算出するものとする。)

(令六金庁厚労告一・追加)

第三款 包括的手法

第一目 総則

(所要自己資本の額の計算)

第六十六条 標準的手法採用金庫は、包括的手法を使用する場合には、信用リスク削減手法を適用した後のエクスポージャーの額(以下「信用リスク削減手法適用後エクスポージャー額」という。)を、ボラティリティ調整率(エクスポージャー又は適格金融資産担保の価格変動リスクを勘案してエクスポージャー又は適格金融資産担保の額を調整するための値をいう。以下同じ。)を用いて次の算式により算出するものとする。

E*=E×(1+He)-C×(1-Hc-Hfx)

E*は、信用リスク削減手法適用後エクスポージャー額(ただし、零を下回らない値とする。)

Eは、エクスポージャーの額

Heは、エクスポージャーが第四十九条第一項の表の第七号に規定する与信相当額である場合において、取引相手方に引き渡した資産の種類に応じて適用するボラティリティ調整率

Cは、適格金融資産担保の額

Hcは、適格金融資産担保に適用するボラティリティ調整率

Hfxは、エクスポージャーと適格金融資産担保の通貨が異なる場合に適用するボラティリティ調整率

(平一九金庁厚労告二・令六金庁厚労告一・一部改正)

(複数の適格金融資産担保に対するボラティリティ調整率)

第六十七条 前条において、エクスポージャーに対し複数の適格金融資産担保が差し入れられている場合には、標準的手法採用金庫は、次の算式により算出したボラティリティ調整率を当該複数の適格金融資産担保の総額に対して適用することができる。

Hは、複数の適格金融資産担保の総額に対して適用するボラティリティ調整率

aiは、各適格金融資産担保の額が複数の適格金融資産担保の総額に占める割合

Hiは、各適格金融資産担保に対応するボラティリティ調整率

2 前項の規定は、標準的手法採用金庫が取引相手に対して複数の資産を担保として差し入れている場合に準用する。この場合において、前項中「適格金融資産担保」とあるのは「資産」と読み替えるものとする。

(ボラティリティ調整率の種類)

第六十八条 標準的手法採用金庫は、ボラティリティ調整率について、次目に定める標準的ボラティリティ調整率を用いるものとする。

(令六金庁厚労告一・一部改正)

第二目 標準的ボラティリティ調整率

(標準的ボラティリティ調整率)

第六十九条 標準的手法採用金庫が標準的ボラティリティ調整率を用いる場合において、包括的手法の計算の対象とする取引について毎営業日の時価評価又は担保額調整を行っており、かつ、保有期間(ボラティリティ調整率を計算する際に、当該資産を保有すると仮定する期間をいう。以下この目から第四目までにおいて同じ。)が十営業日のときに用いるボラティリティ調整率は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるものとする。

一 適格金融資産担保が債券である場合 適格格付機関が債券に付与した格付その他の条件、債券の残存期間及び発行体に応じ、次の表に定めるボラティリティ調整率

適格格付機関の格付に対応する信用リスク区分等

残存期間

ボラティリティ調整率

特定の発行体の場合(パーセント)

特定の発行体以外の発行体であって証券化エクスポージャー以外の場合(パーセント)

証券化エクスポージャーの場合(パーセント)

信用リスク区分(第五十三条に掲げる主体の発行する債券に付与された格付については、第五十九条第一項の表又は第六十条第一項の表を準用するものとする。以下この号において同じ。)が1―1、2―1、3―1、3の2―1、4―1、5―1、6―1、6―2、6―3、6―4若しくは7―1の場合又は第八十七条第三号に該当する場合

一年以下

〇・五

一年超三年以下

三年超五年以下



五年超十年以下

十六

十年超


十二


信用リスク区分が1―2、1―3、2―2、2―3、3―2、3―3、3の2―2、3の2―3、4―2、4―3、5―2、5―3、6―5、6―6、6―7、6―8、6―9、6―10、7―2若しくは7―3の場合又は第八十七条第五号の条件を満たす場合

一年以下

一年超三年以下

十二

三年超五年以下



五年超十年以下

十二

二十四

十年超


二十


信用リスク区分が1―4又は2―4の場合

全ての期間

十五

(注) 特定の発行体とは、中央政府等(中央政府、中央銀行、国際決済銀行、国際通貨基金、欧州中央銀行、欧州連合、欧州安定メカニズム、欧州金融安定ファシリティ及び零パーセントのリスク・ウェイトが適用される国際開発銀行をいう。以下この節において同じ。)、我が国の地方公共団体、地方公共団体金融機構及び我が国の政府関係機関をいう。

二 ボラティリティ調整率を適用する対象である資産が次の表に掲げる資産種別に該当する場合 その該当する資産種別に応じ、同表の下欄に定めるボラティリティ調整率

資産種別

ボラティリティ調整率

指定国の代表的な株価指数を構成する株式を発行する会社の株式等及び金

二十パーセント

上場株式(指定国の代表的な株価指数を構成する株式を発行する会社の株式等を除く。)

三十パーセント

投資信託等

投資信託等の投資対象に適用されるボラティリティ調整率のうち最も高いもの。この場合において、当該投資信託等の個々の資産及び取引を直接保有する者とみなすことができるときは、当該資産及び取引に適用されるボラティリティ調整率の加重平均値を用いることができる。

現金及び自金庫預金

零パーセント

適格金融資産担保以外の資産(当該資産について第四十九条第一項の表の第七号に定める与信相当額を算出する場合、SA―CCRを用いて派生商品取引若しくは長期決済期間取引に係る与信相当額を算出する場合においてこれらの取引に係る与信相当額が算出される担保の提供に用いるとき又は第六十五条ただし書の定めるところによりレポ形式の取引について第六十四条各号及び第六十五条各号に掲げるもの以外の資産を用いる場合に限る。以下同じ。)

三十パーセント

2 標準的ボラティリティ調整率を用いる標準的手法採用金庫が、エクスポージャーと担保の通貨が異なる場合に適用するボラティリティ調整率は、毎営業日の時価評価を行っており、かつ、保有期間が十営業日のとき、八パーセントとする。

(平一九金庁厚労告二・平二〇金庁厚労告四・平二一金庁厚労告四・平二五金庁厚労告一・平二七金庁厚労告四・平三〇金庁厚労告一・平三一金庁厚労告二・令六金庁厚労告一・一部改正)

第三目 削除

(令六金庁厚労告一)

第七十条から第七十四条まで 削除

(令六金庁厚労告一)

第四目 ボラティリティ調整率の調整

(ボラティリティ調整率の調整)

第七十五条 適格金融資産担保付取引に包括的手法を用いる場合には、標準的手法採用金庫は、最低保有期間によるボラティリティ調整率の調整及び担保額調整又は時価評価の頻度によるボラティリティ調整率の調整を行うものとする。

2 前項に定める「最低保有期間によるボラティリティ調整率の調整」は、当該適格金融資産担保付取引に用いようとするボラティリティ調整率が前提としている保有期間及び第一号イからホまでに掲げる適格金融資産担保付取引の種類に応じてそれぞれにおいて定める期間(以下「最低保有期間」という。)に基づき、第二号の算式を用いて行うものとする。ただし、当該ボラティリティ調整率が前提としている保有期間が最低保有期間を上回る場合には、最低保有期間によるボラティリティ調整率の調整を省略することができる。

一 最低保有期間は、次のイからホまでに掲げる取引及びネッティング・セットの区分に応じ、当該イからホまでに定める期間とする。

イ レポ形式の取引のうち担保額調整に服しているもの及び当該取引のみを含むネッティング・セット(ホに該当するものを除く。) 五営業日

ロ その他資本市場取引(適格金融資産担保付派生商品取引及び信用取引その他これに類する海外の取引をいう。以下同じ。)のうち担保額調整に服しているもの及び当該その他資本市場取引のみを含むネッティング・セット(ホに該当するものを除く。) 十営業日

ハ イ及びロに該当しない適格金融資産担保付取引 二十営業日

ニ レポ形式の取引のうち担保額調整に服しているもの及びその他資本市場取引に該当する取引を含むネッティング・セット(いずれか一方の取引のみを含むネッティング・セットを除く。) 十営業日

ホ 流動性の低い担保又は再構築の困難な派生商品取引を含むネッティング・セット及び算出基準日を含む四半期の一期前の四半期内のいずれかの時点で取引件数が五千件を超えたネッティング・セット 二十営業日

一の二 前号の規定にかかわらず、算出基準日を含む四半期の前の直近の連続する二の四半期の間に、ネッティング・セットについて、担保額調整に係る係争により、同号の最低保有期間を超える清算期間を要する場合が三回以上生じたときは、次の連続する二の四半期の間は、当該ネッティング・セットについては、同号に定める最低保有期間の少なくとも二倍以上の期間を最低保有期間とみなす。

二 「最低保有期間によるボラティリティ調整率の調整」を行うための式は、次に定めるものとする。

HM=H10√(TM/10)

HMは、当該取引に適用される最低保有期間の下で、毎営業日の時価評価又は担保額調整を行っている場合に適用されるボラティリティ調整率(以下同じ。)

TMは、前号に定める最低保有期間(以下同じ。)

H10は、調整対象となる第六十九条に規定するボラティリティ調整率

3 第一項に定める「担保額調整又は時価評価の頻度によるボラティリティ調整率の調整」は、次の式を用いて行うものとする。

H=HM√((NR+(TM-1))/TM)

Hは、当該取引に適用すべきボラティリティ調整率

NRは、前項第一号イ若しくはロの取引の担保額調整又は同号ハの取引の時価評価の間隔(営業日数)

(平二五金庁厚労告一・令六金庁厚労告一・一部改正)

第五目 ボラティリティ調整率の適用除外

(ボラティリティ調整率の適用除外)

第七十六条 標準的手法採用金庫は、次に掲げる要件の全てを満たすレポ形式の取引については、第六十六条又は第七十九条の算式においてボラティリティ調整率を適用することを要しない。

一 当該レポ形式の取引が、中核的市場参加者を取引の相手方とする取引であること。

二 エクスポージャー及び適格金融資産担保の双方が、現金、自金庫預金又は中央政府等及び我が国の地方公共団体の発行する債券のうち標準的手法で零パーセントのリスク・ウェイトが適用されるものであること。

三 エクスポージャー及び適格金融資産担保が、同一の通貨建てであること。

四 当該レポ形式の取引が取引の実行日の翌営業日に終了すること、又は標準的手法採用金庫がエクスポージャーと適格金融資産担保の双方につき毎営業日に時価評価を行うとともに担保額調整に服していること。

五 取引相手が担保額調整に係る義務を履行せず、担保の処分を行う場合、当該担保額調整のために行った時価評価の日から担保の処分が可能となるまでの日数が四営業日以内であること。

六 当該取引の決済を処理するために用いている外部のシステムの信頼性が確保されていること。

七 当該取引が、中核的市場参加者間で同種の取引のために一般に用いられている約定形態を満たした取引となっていること。

八 取引相手が現金又は証券を引き渡す義務、追加担保を提供する義務その他の義務を履行しない場合に当該標準的手法採用金庫が当該取引を直ちに終了可能であることが、文書で明示されていること。

九 当該標準的手法採用金庫が取引を終了させることができる事由(取引相手が現金若しくは証券を引き渡す義務又は追加担保を提供する義務その他の義務を履行しないこと及び債務超過、破産手続開始の決定、再生手続開始の決定、更生手続開始の決定、特別清算開始の命令その他これらに類する事由の発生を含む。)が取引相手について発生した場合に、当該標準的手法採用金庫が、直ちに担保を処分する権利を有していること。

2 前項の「中核的市場参加者」とは、次に掲げるものをいう。

一 中央政府等、我が国の地方公共団体、地方公共団体金融機構、我が国の政府関係機関及び外国の中央政府以外の公共部門

二 金融機関(第一条第七号ロに掲げる者を除く。)、外国銀行、銀行持株会社、銀行持株会社に準ずる外国の会社、第三十五条においてリスク・ウェイトが規定されている第一種金融商品取引業者及び経営管理会社、金融商品取引法第二条第三十項に規定する証券金融会社、貸金業法施行令(昭和五十八年政令第百八十一号)第一条の二第三号に基づき金融庁長官が指定する短資会社並びに前号に該当しない国際開発銀行

三 銀行法第十六条の二第一項第五号、第五号の二及び第九号に規定するもののうち、標準的手法で二十パーセントのリスク・ウェイトが適用される会社

四 自己資本規制又は借入れ若しくは派生商品取引の利用による投資効果の拡大を制限する規制が適用されている投資信託等

五 存続厚生年金基金(公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成二十五年法律第六十三号)附則第三条第十一号に規定する存続厚生年金基金をいう。)及び企業年金連合会

六 金融商品取引法第二条第二十九項に規定する金融商品取引清算機関

(平一九金庁厚労告二・平一九金庁厚労告一二・平一九金庁厚労告一五・平二〇金庁厚労告四・平二一金庁厚労告四・平二六金庁厚労告五・令六金庁厚労告一・一部改正)

(外国におけるレポ形式の取引)

第七十七条 標準的手法採用金庫が外国通貨建ての債券を用いてレポ形式の取引を行う場合、ボラティリティ調整率を適用不要とする範囲は、当該通貨の発行国における基準に従う。

第六目 法的に有効な相対ネッティング契約下にあるレポ形式の取引に対するボラティリティ調整率の使用

(レポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引に対する法的に有効な相対ネッティング契約の適用)

第七十八条 標準的手法採用金庫は、次の各号に定める全ての条件を満たす場合に限り、レポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引について法的に有効な相対ネッティング契約の効果を勘案することができる。

一 当事者の一方に取引を終了させることができる事由が生じた場合に、他方の当事者は、当該相対ネッティング契約下にある全てのレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引を適時に終了させ、一の債権又は債務とすることができること。

二 前号に規定する場合において、当該他方の当事者による担保の速やかな処分が認められること。

2 前項に規定する場合において、法的に有効な相対ネッティング契約の対象となる取引のうち一以上の取引がマーケット・リスク相当額の算出の対象に含まれるときは、当該標準的手法採用金庫は、次の各号に定める条件を満たすときに限り、当該相対ネッティング契約の効果を勘案することができる。

一 毎営業日において、当該相対ネッティング契約下にある全ての取引を時価評価していること。

二 当該相対ネッティング契約の対象となる取引のうちマーケット・リスク相当額の算出の対象である取引において用いられている担保が、包括的手法における適格金融資産担保であること。

(平一九金庁厚労告二・平二五金庁厚労告一・令六金庁厚労告一・一部改正)

(計算方法)

第七十九条 標準的手法採用金庫は、前条の条件を満たし、法的に有効な相対ネッティング契約下にある複数のレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引について相対ネッティング契約の効果を勘案する場合には、信用リスク削減手法適用後エクスポージャー額を次の算式により算出するものとする。

E*=(ΣE-ΣC)+0.4×ネット・エクスポージャー+0.6×(グロス・エクスポージャー/√N)+Σ(Efx×Hfx)

E*は、当該複数のレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引の信用リスクの削減手法適用後エクスポージャー額(ただし、零を下回らない値とする。)

ΣEは、当該複数のレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引において相手方に提供している資産の時価の合計額

ΣCは、当該複数のレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引において相手方から受領している資産の時価の合計額

ネット・エクスポージャーは、Σ(Es×Hs)により算出される額の絶対値

グロス・エクスポージャーは、Σ(Es×|Hs|)により算出される額

√Nは、ネッティング・セットに含まれる証券の数を指すNの平方根(ただし、Esがネッティング・セット内の最大のEsの値の十パーセント未満の証券は、Nの数に含めない。)

Esは、証券ごとのネット・ポジションの時価の絶対値

Hsは、証券ごとのネット・ポジションの時価の符号が正の場合にあっては当該証券に適用すべきボラティリティ調整率、証券ごとのネット・ポジションの時価の符号が負の場合にあっては当該証券に適用すべきボラティリティ調整率にマイナス一を乗じた値

|Hs|は、Hsの絶対値

Efxは、通貨ごとのネット・ポジションのうち、決済通貨と異なる通貨によるポジションの額の絶対値

Hfxは、エクスポージャーと適格金融資産担保の通貨が異なる場合に適用するボラティリティ調整率

(平一九金庁厚労告二・令六金庁厚労告一・一部改正)

第七目 レポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引におけるボラティリティ調整率の下限

(令六金庁厚労告一・全改)

(ボラティリティ調整率の下限の対象範囲)

第八十条 包括的手法を用いる標準的手法採用金庫が、特定の取引相手と行う次に掲げる取引(第八十二条第一項及び第八十三条第一項において「対象証券金融取引」という。)については、ボラティリティ調整率の下限(適格金融資産担保による信用リスク削減効果を勘案できない取引を判定するための基準をいう。以下同じ。)を適用するものとする。

一 次に掲げる要件の全てを満たすレポ形式の取引

イ 適格金融資産担保が中央政府等の債券以外であること。

ロ 証券の借入先となる取引の相手方に対して現金による担保の提供を行っていること、又は証券の売戻条件付購入を行っていること。

二 証券の貸借取引(取引の相手方に対して現金による担保の提供を行っているものを除く。)のうち、第八十二条第一項第二号ロに掲げる算式により算出される値が正の値である取引

三 適格金融資産担保付取引(取引の相手方が当該標準的手法採用金庫より借り入れた金銭を用いて購入する有価証券を当該標準的手法採用金庫に担保として供するものであり、取引の相手方が個人でないものに限る。)のうち、適格金融資産担保が中央政府等の債券以外である取引

四 前条の規定により信用リスク削減手法適用後のエクスポージャー額を算出する法的に有効な相対ネッティング契約下におけるレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引のネッティング・セットのうち、次に掲げるネッティング・セット(ただし、ネッティング・セットに含まれる全ての取引が現金又は中央政府等の債券に係るもの及び個人に対する法的に有効な相対ネッティング契約下にある前号に掲げる取引に係るものを除く。)

イ 現金のネット・ポジションが正のネッティング・セット

ロ 第八十三条第一項第二号に掲げる算式により算出される値が正の値であるネッティング・セット(イに該当するものを除く。)

2 前項の「特定の取引相手」とは、次に掲げる者以外の者をいう。

一 中央政府等、我が国の地方公共団体、地方公共団体金融機構、我が国の政府関係機関及び外国の中央政府以外の公共部門

二 金融機関(第一条第七号ロに掲げる者を除く。)、銀行持株会社、バーゼル銀行監督委員会の定める自己資本比率の基準及び流動性比率の基準又はこれらと類似の基準の適用を受ける外国銀行及び銀行持株会社に準ずる外国の会社、第三十五条第一項においてリスク・ウェイトが規定されている第一種金融商品取引業者(外国の者を除く。)及び経営管理会社(外国の者を除く。)、バーゼル銀行監督委員会の定める自己資本比率の基準及び流動性比率の基準又はこれらと類似の基準の適用を受ける第一種金融商品取引業者(外国の者に限る。)及び経営管理会社(外国の者に限る。)、第三十五条の二第一項においてリスク・ウェイトが規定されている保険会社及び保険持株会社、バーゼル銀行監督委員会の定める自己資本比率の基準及び流動性比率の基準又はこれらと類似の基準の適用を受ける保険会社に準ずる外国の者及び保険持株会社に準ずる外国の者、金融商品取引法第二条第三十項に規定する証券金融会社、貸金業法施行令第一条の二第三号に基づき金融庁長官が指定する短資会社並びに前号に該当しない国際開発銀行

三 中央清算機関

(令六金庁厚労告一・全改)

(ボラティリティ調整率の下限の適用除外)

第八十一条 前条の規定にかかわらず、次に掲げる取引については、ボラティリティ調整率の下限を適用することを要しない。

一 次のイ又はロに掲げる場合に該当する現金担保付証券貸借取引(証券を借り入れて、かつ、現金を担保として差し入れる取引をいう。)

イ 証券が長期のマチュリティで貸し付けられる場合であって、取引の相手方が担保として差し入れられた現金を同一又はより短いマチュリティにおいて再投資する場合

ロ 証券が短期のマチュリティで貸し付けられる場合であって、取引の相手方が金融安定理事会による提言を勘案した現金担保再投資の管理を行っていることについて疎明できる場合

二 前条第一項第二号に掲げる取引であって、取引の相手方に担保として差し入れた証券が次に掲げる要件のいずれかを満たすもの

イ 再利用することが法令等により禁止されていること。

ロ 再利用されないことを疎明できること。

(令六金庁厚労告一・全改)

(適格金融資産担保による信用リスク削減効果を勘案できない対象証券金融取引)

第八十二条 包括的手法を用いる標準的手法採用金庫は、ネッティング・セットに含まれない単一の証券(ポートフォリオ単位の取引を含む。)が取引される対象証券金融取引において、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める要件を満たす場合には、当該対象証券金融取引に適格金融資産担保を信用リスク削減手法として用いないものとする。

一 第八十条第一項第一号又は第三号に掲げる対象証券金融取引の場合 イに掲げる算式により算出される値がロに掲げる値を下回ること。

イ (C/E)-1

Eは、エクスポージャーの額をいう。

Cは、適格金融資産担保の額をいう。

ロ 次項に規定する借入証券、担保として差し入れられた証券又は売戻条件付購入した証券の種類に応じて適用されるボラティリティ調整率の標準的下限(複数の証券である場合には、証券の額で加重平均したボラティリティ調整率の標準的下限とする。)

二 第八十条第一項第二号に掲げる対象証券金融取引の場合 イに掲げる算式により算出される値がロに掲げる算式により算出される値を下回ること。

イ (CB/CA)-1

CAは、貸出証券又は担保として差し入れた証券の額をいう。

CBは、借入証券又は担保として差し入れられた証券の額をいう。

fAは、貸出証券又は担保として差し入れた証券に適用されるボラティリティ調整率の標準的下限(ただし、中央政府等の債券の場合は零とし、複数の証券である場合は証券の額で加重平均したボラティリティ調整率の標準的下限とする。)をいう。

fBは、借入証券又は担保として差し入れられた証券に適用されるボラティリティ調整率の標準的下限(ただし、中央政府等の債券の場合は零とし、複数の証券である場合は証券の額で加重平均したボラティリティ調整率の標準的下限とする。)をいう。

2 前項の「ボラティリティ調整率の標準的下限」とは、証券の種類に応じ、次の表に定めるものをいう。

証券の種類

ボラティリティ調整率の標準的下限


当該証券の発行体が中央政府等以外であって、当該証券が証券化エクスポージャー以外である場合(パーセント)

当該証券が証券化エクスポージャーである場合(パーセント)

残存期間が一年以下の債券及び変動金利債

〇・五

残存期間が一年超五年以下の債券

一・五

残存期間が五年超十年以下の債券

残存期間が十年超の債券

指定国の代表的な株価指数を構成する株式を発行する会社の株式等

その他の資産

3 取引の当事者(標準的手法採用金庫及び取引の相手方をいう。次条第二項において同じ。)によって担保の徴求が行われた場合は、決済までの期間によらず、当該担保を第一項第一号イ並びに第二号イ及びロに掲げる算式において勘案することができる。

(令六金庁厚労告一・全改)

(適格金融資産担保による信用リスク削減効果を勘案できない法的に有効な相対ネッティング契約下にある対象証券金融取引)

第八十三条 包括的手法を用いる標準的手法採用金庫は、相対ネッティング契約下にある対象証券金融取引において、ネッティング・セットごとに計算する第一号に掲げる算式により算出される値が第二号に掲げる算式により算出される値を下回る場合には、当該ネッティング・セットに対して適格金融資産担保(前条第二項の表に掲げるものに限る。)を信用リスク削減手法として用いないものとする。この場合において、当該対象証券金融取引に対して期待エクスポージャー方式を用いるときは、ネッティング・セットの与信相当額の算出に適格金融資産担保(同項の表に掲げるものに限る。)を勘案しないものとする。

ΣtCtは、ネッティング・セットに含まれるレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引において、ネット・ポジションでは借入れとなる証券又は現金の取引額の合計額(次号において同じ。)

ΣsEsは、ネッティング・セットに含まれるレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引において、ネット・ポジションでは貸付けとなる証券又は現金の取引額の合計額(次号において同じ。)

ESは、ネッティング・セットに含まれるレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引において、ネット・ポジションでは貸付けとなる特定の証券又は現金の取引額

fSは、ネッティング・セットに含まれるレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引において、ネット・ポジションでは貸付けとなる証券又は現金の前条第二項に規定するボラティリティ調整率の標準的下限(ただし、現金又は中央政府等の債券の場合は零とする。)をいう。

Ctは、ネッティング・セットに含まれるレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引において、ネット・ポジションでは借入れとなる特定の証券又は現金の取引額

ftは、ネッティング・セットに含まれるレポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引において、ネット・ポジションでは借入れとなる証券又は現金の前条第二項に規定するボラティリティ調整率の標準的下限(ただし、現金の場合は零とする。)をいう。

2 取引の当事者によって担保の徴求が行われた場合には、決済までの期間によらず、当該担保を前項各号に掲げる算式において勘案することができる。

(令六金庁厚労告一・全改)

第八十四条から第八十七条まで 削除

(令六金庁厚労告一)

第八目 包括的手法における担保付派生商品取引

(カレント・エクスポージャー方式による計算方法)

第八十八条 標準的手法採用金庫が包括的手法を適用する場合であって、第五十条第二項の規定により先渡、スワップ及びオプション等の派生商品取引についてカレント・エクスポージャー方式を使用し、かつ、適格金融資産担保を用いるときのエクスポージャーの額は、次の式により算出する。

E*=(RC+アドオン)-CA

E*は、信用リスク削減手法適用後エクスポージャー額(ただし、零を下回らない値とする。)

RCは、第五十三条第二項第一号に定める再構築コスト

アドオンは、同条第三項第一号に定めるグロスのアドオン

CAは、Hc(適格金融資産担保に適用するボラティリティ調整率)及びHfx(エクスポージャーと適格金融資産担保の通貨が異なる場合に適用するボラティリティ調整率)を適用した後の担保額

2 法的に有効な相対ネッティング契約が存在する場合には、前項のRCは第五十三条第二項第二号に定めるネット再構築コストとし、アドオンは同条第三項第二号に定めるネットのアドオンとする。

3 前項に規定する場合において、第一項のHfxは、当該相対ネッティングが行われる場合の決済通貨と金融資産担保の通貨が異なるときに適用するものとする。

(平三〇金庁厚労告一・令六金庁厚労告一・一部改正)

(SA―CCR等による計算方法)

第八十八条の二 標準的手法採用金庫が包括的手法を用いる場合であって、第五十条第一項の規定により先渡、スワップ、オプションその他の派生商品取引についてSA―CCRを使用し、かつ、適格金融資産担保を用いるときのエクスポージャーの額は、次の算式により算出するものとする。

E*=α×(RC+PFE)

E*は、信用リスク削減手法適用後のエクスポージャー額(ただし、零を下回る場合にあっては零とする。)

αは、1.4

RCは、第五十一条第一項に定める再構築コスト

PFEは、第五十一条第一項に定める将来の潜在的なエクスポージャー額

2 前条及び前項の規定にかかわらず、標準的手法採用金庫が第五十二条第一項の承認を受けた場合には、信用リスク削減手法適用後のエクスポージャー額を期待エクスポージャー方式により算出することができる。

(令六金庁厚労告一・追加)

第四款 簡便手法

(前提条件)

第八十九条 標準的手法採用金庫は、適格金融資産担保について簡便手法を用いる場合には、次の条件を満たすものとする。

一 エクスポージャーの残存期間が、当該適格金融資産担保の残存期間を超えていないこと。

二 当該適格金融資産担保が、時価評価され、かつ、少なくとも六月に一回以上再評価されること。

(令六金庁厚労告一・一部改正)

(計算方法)

第九十条 簡便手法においては、標準的手法採用金庫は、エクスポージャーの額のうち信用リスク削減手法の適用されている部分について、取引相手に対するリスク・ウェイトに代えて、担保となる資産のリスク・ウェイトを適用する。ただし、次条に掲げる場合を除き、リスク・ウェイトは二十パーセントを下回らないものとする。

(二十パーセント・フロアの適用除外)

第九十一条 適格金融資産担保付取引が次の各号に掲げるものである場合には、前条の規定にかかわらず、当該各号に定めるリスク・ウェイトを適用することができる。

一 レポ形式の取引であって、第七十六条第一項各号に掲げる要件の全てを満たすとき。 零パーセント

二 レポ形式の取引であって、第七十六条第一項各号(第一号を除く。)に掲げる要件の全てを満たすとき。 十パーセント

三 派生商品取引に係るエクスポージャー(カレント・エクスポージャー方式を使用する場合に限る。)と担保が同一の通貨建てであり、かつ、標準的手法採用金庫が毎営業日に時価評価を行っている場合において、現金又は自金庫預金が担保であるとき。 零パーセント

四 前号に規定する場合において、中央政府等又は我が国の地方公共団体の発行する債券が担保であり、かつ、当該債券の標準的手法におけるリスク・ウェイトが零パーセントのとき。 十パーセント

五 エクスポージャーと担保が同一の通貨建てであり、かつ、次に掲げる要件のいずれかに該当するとき(前各号に該当する場合を除く。)。 零パーセント

イ 担保が現金又は自金庫預金であること。

ロ 担保が中央政府等又は我が国の地方公共団体の発行する債券であって、当該債券の標準的手法におけるリスク・ウェイトが零パーセントであり、かつ、担保価額を時価の八十パーセント以下としていること。

(令六金庁厚労告一・一部改正)

(担保付派生商品取引の計算方法等)

第九十一条の二 前款第七目(第八十三条を除く。)及び第八目の規定は、標準的手法採用金庫が、適格金融資産担保について簡便手法を用いる場合について準用する。この場合において、第八十条第一項、第八十二条第一項、第八十八条第一項及び第八十八条の二第一項中「包括的手法」とあるのは、「簡便手法」と読み替えるものとする。

(令六金庁厚労告一・追加)

(担保付派生商品取引の計算方法の例外)

第九十一条の三 前条において準用する第八十八条の規定にかかわらず、標準的手法採用金庫が、カレント・エクスポージャー方式を用いる場合には、第五十三条に規定する方法で適格金融資産担保を用いないときの与信相当額を計算し、第九十条及び第九十一条に規定する方法により当該適格金融資産担保による信用リスク削減効果を勘案することができる。

(令六金庁厚労告一・追加)

第五款 貸出金と自金庫預金の相殺

(貸出金と自金庫預金の相殺)

第九十二条 標準的手法採用金庫は、次に掲げる条件を全て満たす場合には、相殺契約下にある貸出金と自金庫預金の相殺後の額を信用リスク削減手法適用後エクスポージャー額とすることができる。ただし、貸出金と自金庫預金の通貨が同一でない場合には、第六十九条第二項に定めるところに従って、担保とエクスポージャーの通貨が異なる場合のボラティリティ調整率を預金の額に適用することを要する。

一 当該標準的手法採用金庫は、取引相手(相殺の対象となる自金庫預金の預金者をいう。以下この款において同じ。)の債務超過、破産手続開始の決定、再生手続開始の決定、更生手続開始の決定又は特別清算開始の命令その他これらに類する事由にかかわらず、当該取引に関連する国において貸出金と自金庫預金の相殺が法的に有効であることを示す十分な根拠を有していること。

二 当該標準的手法採用金庫が、同一の取引相手との間で相殺契約下にある貸出金と自金庫預金をいずれの時点においても特定することができること。

三 自金庫預金が継続されないリスクが、監視及び管理されていること。

四 関連するエクスポージャーについて、貸出金と自金庫預金の相殺後の額が、監視及び管理されていること。

2 前項に定めるボラティリティ調整率の計算に係る条件については、包括的手法に関する規定を準用する。ただし、最低保有期間は十営業日とする。

(平一九金庁厚労告二・令六金庁厚労告一・一部改正)

第六款 保証及びクレジット・デリバティブ

第一目 適格要件

(保証及びクレジット・デリバティブに共通の条件)

第九十三条 標準的手法採用金庫が保証又はクレジット・デリバティブを信用リスク削減手法として用いる場合には、当該保証又はクレジット・デリバティブは、次に掲げる条件の全てを満たすものとする。

一 保証又はクレジット・デリバティブが、保証人又はプロテクション提供者に対する直接的な債権となっていること。

二 被保証債権若しくは原債権又は保証若しくはクレジット・デリバティブの対象となしうる債権の範囲が明らかになっていること。

三 当該標準的手法採用金庫が保証若しくはクレジット・デリバティブによる信用リスク削減効果の提供を受けるために必要な支払を行わない場合又は第百四条第二号イに基づく取扱いを行う場合を除いて、信用リスク削減効果の提供が中止されないこと。

三の二 保証人又はプロテクション提供者が合意された残存期間を事後において変更できないこと。

四 被保証債権又は原債権の債務者の信用度が悪化した場合に継続して信用リスク削減効果を享受するために、保証人又はプロテクション提供者に対する支払を実質的に追加することが必要とされないこと。

五 保証又はクレジット・デリバティブ契約の文書が作成されていること。

六 保証又はクレジット・デリバティブは、被保証債務について支払不履行が生じた場合又はクレジット・デリバティブについて第九十五条第一号に規定する事由(第九十六条を適用する場合においては、第九十五条第一号イ又はロに規定する事由)が生じた場合に、保証人又はプロテクション提供者が適時に支払を行うことを妨げる条項を含まないこと。

(令六金庁厚労告一・一部改正)

(保証に関する条件)

第九十四条 標準的手法採用金庫が保証を信用リスク削減手法として用いる場合には、当該保証は、前条に定めるもののほか、次に掲げる条件の全てを満たすものとする。

一 保証債務を履行すべき事由が生じた場合、標準的手法採用金庫は被保証債権の債務者に対して訴訟による請求を行うことなしに、保証人に対して速やかに保証債務の履行(被保証債権の債務者が行うこととしていた支払予定に沿った支払の形態を取るものを含む。)を請求できること。

二 被保証債権の債務者が標準的手法採用金庫に支払うべき債務のうち、手数料、利息その他の元本以外のもの(以下「元本以外の関連債務」という。)も保証の対象としていること。

2 前項第二号の規定にかかわらず、被保証債務が元本のみである場合には、標準的手法採用金庫は、元本以外の関連債務は保証されていないものとして認識し、第百条の規定により取り扱うことができる。

(令六金庁厚労告一・一部改正)

(クレジット・デリバティブに関する条件)

第九十五条 標準的手法採用金庫がクレジット・デリバティブを信用リスク削減手法として用いる場合には、当該クレジット・デリバティブは、第九十三条に定めるもののほか、次に掲げる条件の全てを満たすものとする。

一 当該クレジット・デリバティブは、次に掲げる事由の発生に基づき、支払を受けられるものであること。

イ 原債権に係る支払義務の不履行(免責額の定めを設けることを妨げない。)

ロ 原債権の債務者に係る破産手続開始の決定、再生手続開始の決定、更生手続開始の決定、特別清算開始の命令若しくは支払不能又は原債権の弁済期の到来時に債務不履行となる可能性が極めて高いことを認定した文書の存在その他これらに類する事由

ハ 原債権の元本、利息又は手数料の支払に関する減免又は猶予の発生のうち、原債権の債務者の経営再建又は支援を図ることを目的として行われたもの

二 プロテクション提供者が前号に掲げる事由の発生に基づく支払額を原債権の債務者の特定の債務についての評価額に基づいて算定し、これを現金で支払うことで決済できる場合には、当該評価を適切に行うための手続(当該評価を行うまでの期間の定めを含む。)が確立していること。

三 第一号に掲げる事由の発生に基づく決済のために、当該標準的手法採用金庫がプロテクション提供者に対して原債権を譲渡することを義務付けられている場合であって、当該譲渡に際して原債権の債務者の同意を要するときは、当該同意は理由なく留保されないことが、原債権に係る文書で定められていること。

四 当該標準的手法採用金庫は、プロテクション提供者に第一号に掲げる事由の発生を通知する権利を有しており、かつ、当該事由の発生の有無を判断する者が、明確であること。ただし、当該判断はプロテクション提供者のみが行い得るものでないものとする。

五 原債権が決済のための参照債務に含まれていない場合には、決済のための参照債務が原債権と同一又はそれに劣後する支払順位にあり、原債権と決済のための参照債務の債務者が同一であり、かつ、決済のための参照債務が法的に有効なクロス・デフォルト条項等(原債権について第一号に掲げる事由が生じた場合に、参照債務について期限の利益を喪失させることを可能とする条項をいう。次号において同じ。)が設けられていること。

六 原債権が信用事由判断のための参照債務に含まれていない場合には、信用事由判断のための参照債務が原債権と同一又はそれに劣後する支払順位にあり、信用事由判断のための参照債務と原債権の債務者が同一であり、かつ、信用事由判断のための参照債務が法的に有効なクロス・デフォルト条項等が設けられていること。

七 当該クレジット・デリバティブが、保証と同等の信用リスク削減効果を提供するクレジット・デフォルト・スワップ又はトータル・リターン・スワップであること。ただし、当該標準的手法採用金庫が当該トータル・リターン・スワップにより受領した純受取額を収益として認識する場合には、原債権の価値の減少を帳簿価額の減額又は引当てを通じて認識していることを要する。

(平一九金庁厚労告二・令六金庁厚労告一・一部改正)

(条件の一部を満たさない場合)

第九十六条 クレジット・デリバティブが、前条第一号ハに掲げる事由の発生による支払を受けられないことを除き同条各号に掲げる条件の全てを満たす場合には、標準的手法採用金庫は、同条の規定にかかわらず、原債権のうち当該クレジット・デリバティブの想定元本額の六十パーセントに相当する額について信用リスク削減効果を勘案することができる。ただし、想定元本額が原債権の額を上回る場合には、信用リスク削減効果を勘案できる額は、原債権の額の六十パーセントを限度とする。

(令六金庁厚労告一・一部改正)

(保証人及びプロテクション提供者の適格性)

第九十七条 標準的手法採用金庫が保証又はクレジット・デリバティブを信用リスク削減手法として用いる場合には、保証人又はプロテクション提供者は、次に掲げるものとするものとする。

一 被保証債権又は原債権の債務者よりも低いリスク・ウェイトが適用される中央政府等、我が国の地方公共団体、地方公共団体金融機構、我が国の政府関係機関、外国の中央政府以外の公共部門、国際開発銀行及び第三十四条から第三十五条の二までに掲げる主体

二 前号に掲げる主体以外の主体であって、適格格付機関が格付を付与しているもの(被保証債権又は原債権の債務者の親会社、子会社及び関連会社を含む。)

(平二〇金庁厚労告四・平二一金庁厚労告四・平二五金庁厚労告一・令六金庁厚労告一・一部改正)

(内部取引によるヘッジ効果の反映)

第九十七条の二 第八条の十一又は第十六条の十一の規定により標準的手法採用金庫の保有するエクスポージャー(マーケット・リスク相当額の算出対象であるものを除く。)にクレジット・デリバティブ(保証と同等の信用リスク削減効果を提供するクレジット・デフォルト・スワップ及びトータル・リターン・スワップに限る。)を用いた内部取引によるヘッジ効果を反映する場合には、当該クレジット・デリバティブによる信用リスク削減効果を当該エクスポージャーのうちヘッジ効果が反映される部分について勘案することができる。

2 第八条の十四第五項又は第十六条の十四第五項の規定により標準的手法採用金庫の第五十条第一項に規定する派生商品取引の与信相当額にクレジット・デリバティブ(保証と同等の信用リスク削減効果を提供するクレジット・デフォルト・スワップに限る。)を用いた内部取引をヘッジ手段として利用する場合には、当該クレジット・デリバティブによる信用リスク削減効果を当該与信相当額のうちヘッジ効果が反映される部分について勘案することができる。

(令六金庁厚労告一・追加)

第二目 計算方法等

(計算方法)

第九十八条 保証又はクレジット・デリバティブを用いた場合(前条に規定する場合を除く。)には、標準的手法採用金庫は、エクスポージャーの額のうち被保証部分又はプロテクションが提供されている部分(第九十六条に該当する場合は同条に定める額を限度とする。)について、被保証債権又は原債権のリスク・ウェイトに代えて、保証人又はプロテクション提供者のリスク・ウェイトを適用することができる。ただし、第二十七条第二項、第二十九条第一項、第三十一条の二第一項、第三十二条第一項及び第三十三条第一項に定めるリスク・ウェイトは、保証又はクレジット・デリバティブが円建てであり、かつ、当該標準的手法採用金庫の保有するエクスポージャーが円建てで調達されたものである場合に限り適用できるものとする。

2 前条に規定する場合には、標準的手法採用金庫は、ヘッジ効果が反映される部分の額と当該クレジット・デリバティブの想定元本の額とを相殺することができる。

(平二〇金庁厚労告四・令六金庁厚労告一・一部改正)

(免責額の扱い)

第九十九条 標準的手法採用金庫が信用リスク削減手法として用いる保証又はクレジット・デリバティブが、被保証債権又は原債権に係る損失又は支払義務の不履行が発生したにもかかわらず、その額が一定の水準を下回る場合には保証人又はプロテクション提供者(第九十七条の二に規定する場合にあっては、第三者である適格プロテクション提供者。次条、第百一条及び第百四条第二号イにおいて同じ。)が支払を行わないことができるものであるときは、当該標準的手法採用金庫は、当該水準に相当する額に千二百五十パーセントのリスク・ウェイトを適用するものとする。

(平二五金庁厚労告一・令六金庁厚労告一・一部改正)

(比例的な保証又はクレジット・デリバティブ)

第百条 標準的手法採用金庫が信用リスク削減手法として用いる保証による被保証部分又はクレジット・デリバティブによってプロテクションが提供されている部分がエクスポージャーより小さい場合であって、当該標準的手法採用金庫と保証人又はプロテクション提供者が被保証債権又は原債権に係る損失をエクスポージャーの額に対する保証又はプロテクションの額の割合に比例する形で負担するときは、標準的手法採用金庫は、エクスポージャーのうち被保証部分又はプロテクションが提供されている部分についてのみ信用リスク削減効果を勘案することができるものとする。

(階層化された保証又はクレジット・デリバティブ)

第百一条 標準的手法採用金庫がエクスポージャーに係る信用リスクの一部を一又は複数の階層に分割して一又は複数の保証人又はプロテクション提供者に移転する場合において、当該標準的手法採用金庫が当該信用リスクの残部を留保し、かつ、移転されたリスクと留保されたリスクの優先度が異なるときは、当該標準的手法採用金庫は、当該留保した部分について第六章の規定を準用することにより定められるリスク・ウェイトを適用するものとする。

(平二五金庁厚労告一・令六金庁厚労告一・一部改正)

(エクスポージャーの通貨と保証又はクレジット・デリバティブの通貨の不一致)

第百二条 保証又はクレジット・デリバティブの通貨がエクスポージャーの通貨と一致しない場合における保証額又はクレジット・デリバティブの想定元本額は、次の式により算出された額とする。

Ga=G×(1-Hfx)

Gaは、調整後の保証額又はクレジット・デリバティブの想定元本額

Gは、保証額又はクレジット・デリバティブの想定元本額

Hfxは、保証又はクレジット・デリバティブの通貨とエクスポージャーの通貨が一致しない場合に適用するボラティリティ調整率

2 標準的手法採用金庫は、前項のボラティリティ調整率について第七十五条第二項及び第三項の規定によりボラティリティ調整率を調整するものとする。この場合において、最低保有期間は十営業日とし、同項の調整は、為替リスクに関する時価評価の間隔が一営業日よりも長い場合において行うものとする。

3 前項に定める事項を除き、ボラティリティ調整率の計算に係る条件については、包括的手法に関する規定を準用する。

(平一九金庁厚労告二・令六金庁厚労告一・一部改正)

(中央政府等又は我が国の地方公共団体による再保証等)

第百三条 エクスポージャーに対する保証について、中央政府等又は我が国の地方公共団体が再保証を行っている場合には、標準的手法採用金庫は、次の各号に掲げる条件を満たすときに限り、当該保証を中央政府等又は我が国の地方公共団体によるものとして扱うことができる。

一 中央政府等又は我が国の地方公共団体による再保証が、保証の対象である債務のうち元本以外の関連債務もその対象としていること。

二 エクスポージャーに対する保証及び中央政府等又は我が国の地方公共団体による再保証が、それぞれ保証の適格要件の全てを満たしていること。ただし、中央政府等又は我が国の地方公共団体による再保証は第九十三条第一号及び第二号の要件を満たすことを要しない。

三 中央政府等又は我が国の地方公共団体による再保証の履行の確実性に問題がなく、かつ、中央政府等又は我が国の地方公共団体が直接に保証した場合と比べて保証の提供範囲が狭いことを示すような過去の実績がないこと。

2 前項の規定は、中央政府等又は我が国の地方公共団体が再保証以外の形態で行う信用の補完を用いて信用リスク削減効果を勘案しようとする場合について準用する。この場合において、同項中「再保証」とあるのは「再保証以外の形態で行う信用の補完」と、同項第三号中「保証した」とあるのは「信用の補完を行った」と、「保証の提供範囲」とあるのは「信用の補完が行われる範囲」と読み替えるものとする。

(令六金庁厚労告一・一部改正)

第七款 信用リスク削減手法の残存期間がエクスポージャーの残存期間を下回る場合の取扱い

(残存期間の定義)

第百四条 標準的手法採用金庫は、信用リスク削減手法を使用する場合には、次の各号の規定に従い、エクスポージャーの残存期間及び信用リスク削減手法(第九十七条の二に規定する場合にあっては、内部取引のポジションを完全に相殺する外部ヘッジ取引又は外部CVAヘッジ取引。以下この款において同じ。)の残存期間をともに保守的な値とするものとする。

一 エクスポージャーの残存期間は、原則として、債務の履行がなされる期日として考え得るもののうち最も遅い期日に基づいて計算するものとし、猶予期間(支払義務の不履行が期限の利益を喪失させるまでに必要な期間をいう。以下同じ。)が設けられている場合にはこれを残存期間に含めるものとする。

二 信用リスク削減手法の残存期間(前号に規定する場合において、当該標準的手法採用金庫の利用する信用リスク削減手法が当該猶予期間の終了時点まで延長されるものであり、かつ、猶予期間を考慮しない場合のエクスポージャーの最終支払期日において当該延長を行い得るものであるときは、信用リスク削減手法の残存期間は、猶予期間を含むものとして扱うことができる。)は、原則として、イ及びロに定めるほか、信用リスク削減手法に組み込まれたオプションがその残存期間を短縮する可能性を考慮に入れたうえで最短の残存期間を用いるものとする。

イ 信用リスク削減効果(第九十七条の二に規定する場合にあっては、内部取引のポジションを完全に相殺する外部ヘッジ取引又は外部CVAヘッジ取引によるヘッジ効果。ロにおいて同じ。)を終了させる権利を保証人又はプロテクション提供者が持っている場合には、残存期間は当該終了が可能となる最初の期日までとする。

ロ 信用リスク削減効果を終了させる権利を当該標準的手法採用金庫が保有し、終了させない場合に当該標準的手法採用金庫が信用リスク削減効果を早期に終了させる相応の動機(信用リスク削減効果を維持するための費用が被保証人又は原債権の債務者の信用力の低下以外の要因により上昇するものを含む。)を持つときは、信用リスク削減手法の残存期間は当該終了が可能となる最初の期日までとする。

(令六金庁厚労告一・一部改正)

(信用リスク削減手法の残存期間の下限)

第百五条 標準的手法採用金庫は、信用リスク削減手法の残存期間がエクスポージャーの残存期間を下回り、かつ、次の各号のいずれかに該当する場合、当該信用リスク削減手法を適用することができない。

一 信用リスク削減手法を勘案する当初の時点において、信用リスク削減手法の残存期間が一年を下回るとき。

二 信用リスク削減手法の残存期間が三月以下となったとき。

(計算方法)

第百六条 標準的手法採用金庫は、信用リスク削減手法の残存期間がエクスポージャーの残存期間を下回る場合には、信用リスク削減手法の効果を、次の算式により調整するものとする。

Pa=P×{(t-0.25)/(T-0.25)}

Paは、残存期間調整後の信用リスク削減手法の額

Pは、信用リスク削減手法の額(第百二条に定めるところによりボラティリティ調整率が適用される場合には、その調整後の額とする。)

tは、信用リスク削減手法の残存期間を年数で表示した値。ただし、tがTよりも大きい場合にはTを用いる。

Tは、エクスポージャーの残存期間を年数で表示した値。ただし、エクスポージャーの残存期間が五年を超える場合には、五を用いる。

(令六金庁厚労告一・一部改正)

第八款 信用リスク削減手法に関するその他の事項

第一目 複数の信用リスク削減手法の取扱い

(複数の信用リスク削減手法)

第百七条 標準的手法採用金庫は、一のエクスポージャーに複数の信用リスク削減手法の効果を勘案する場合には、エクスポージャーをそれぞれの信用リスク削減手法を適用する部分に任意に分割し、分割後のエクスポージャーごとに一の信用リスク削減手法を用いるものとする。

(令六金庁厚労告一・一部改正)

(同一提供者による通貨又は残存期間の異なる保証又はクレジット・デリバティブ)

第百八条 一の主体が一のエクスポージャーに対して複数の保証又はクレジット・デリバティブを提供している場合であって、それらの通貨又は残存期間が異なるときは、標準的手法採用金庫は、エクスポージャーをそれぞれの保証又はクレジット・デリバティブを適用する部分に分割するものとする。

(令六金庁厚労告一・一部改正)

第二目 ファースト・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブ

(プロテクションを取得した場合)

第百九条 標準的手法採用金庫は、信用リスク削減手法としてファースト・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブを用いないものとする。

(令六金庁厚労告一・一部改正)

(プロテクションを提供した場合)

第百十条 標準的手法採用金庫がファースト・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブによってプロテクションを提供する場合には、プロテクションの提供対象となり得る複数のエクスポージャーのリスク・ウェイトを千二百五十パーセントを上限として合計し、当該クレジット・デリバティブの与信相当額に当該リスク・ウェイトを乗ずることにより、信用リスク・アセットの額を算出するものとする。

(平二五金庁厚労告一・平三一金庁厚労告二・一部改正)

第三目 セカンド・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブ等

(プロテクションを取得した場合)

第百十一条 標準的手法採用金庫は、信用リスク削減手法として特定順位参照型クレジット・デリバティブ(ファースト・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブを除く。)を用いないものとする。

(令六金庁厚労告一・全改)

(プロテクションを提供した場合)

第百十二条 第百十条の規定は、標準的手法採用金庫がセカンド・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブによってプロテクションを提供する場合について準用する。この場合において、同条中「ファースト・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブ」とあるのは「セカンド・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブ」と、「信用リスク・アセットの額を算出するものとする」とあるのは「信用リスク・アセットの額を算出するものとする。ただし、プロテクションの提供対象となり得る複数のエクスポージャーのうち、当該クレジット・デリバティブの想定元本額を限度としてプロテクション提供者のリスク・ウェイトを適用したときに信用リスク・アセットの額の削減効果が最も小さい一のエクスポージャーについて削減される信用リスク・アセットの額を控除することができる」と読み替えるものとする。

(平三一金庁厚労告二・一部改正)

(特定順位参照型クレジット・デリバティブのプロテクションを提供した場合)

第百十三条 第百十条の規定は、標準的手法採用金庫が特定順位参照型クレジット・デリバティブ(ファースト・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブ及びセカンド・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブを除く。)によるプロテクションの提供における信用リスク・アセットの額を算出する場合について準用する。この場合において、同条中「ファースト・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブ」とあるのは「特定順位参照型クレジット・デリバティブ(ファースト・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブ及びセカンド・トゥ・デフォルト型クレジット・デリバティブを除く。)」と、「信用リスク・アセットの額を算出するものとする」とあるのは「信用リスク・アセットの額を算出するものとする。ただし、プロテクションの提供対象となり得る複数のエクスポージャーのうち、当該クレジット・デリバティブの想定元本額を限度としてプロテクション提供者のリスク・ウェイトを適用したときに、信用リスク・アセットの額の削減効果において、最も小さい一のエクスポージャーから数えて当該特定順位参照型クレジット・デリバティブにおけるあらかじめ特定された順位から一を減じて得られる順位までのエクスポージャーについて削減される信用リスク・アセットの額の合計額を控除することができる」と読み替えるものとする。

(令六金庁厚労告一・全改)

第七節 間接清算参加者に対するトレード・エクスポージャーの信用リスク・アセットの額の算出方法の特例

(平二五金庁厚労告一・追加)

(間接清算参加者に対するトレード・エクスポージャーの信用リスク・アセットの額の算出方法の特例)

第百十三条の二 標準的手法採用金庫が直接清算参加者として間接清算参加者の適格中央清算機関に対するトレード・エクスポージャーに係る清算取次ぎ等を行うことにより生ずる間接清算参加者に対するトレード・エクスポージャーについて、与信相当額の算出にカレント・エクスポージャー方式を用いている場合には、当該トレード・エクスポージャーに係る信用リスク・アセットの額は、次の算式により算出した額を当該信用リスク・アセットの額とみなすことができる。

RWA=RWA×√(Tm/10)

RWAは、この条の規定の適用後の信用リスク・アセットの額

RWAは、前各節の規定により算出した当該トレード・エクスポージャーに係る信用リスク・アセットの額

Tmは、第五十二条第十一項の規定により算出したリスクのマージン期間。この場合において、同項第一号の規定にかかわらず、日々の値洗いにより担保額が調整されるネッティング・セットに係るリスクのマージン期間は五営業日とすることができる。

(平二五金庁厚労告一・追加、平三〇金庁厚労告一・令六金庁厚労告一・一部改正)

第五章 信用リスクの内部格付手法

第一節 総則

第一款 承認手続等

(内部格付手法の承認)

第百十四条 金庫は、金融庁長官及び厚生労働大臣の承認を受けた場合に、内部格付手法を用いることができる。

(承認申請書の提出)

第百十五条 内部格付手法の使用について前条の承認を受けようとする金庫は、次に掲げる事項を記載した承認申請書を金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

一 名称

二 自己資本比率を把握し管理する責任者の氏名及び役職名

2 前項の承認申請書には、次に掲げる書類を添付するものとする。

一 理由書

二 前項第二号に規定する責任者の履歴書

三 信用リスク管理指針

四 内部格付手法実施計画

五 先進的内部格付手法移行計画(基礎的内部格付手法採用金庫が新たに先進的内部格付手法採用金庫としての承認を申請する場合に限る。)

六 その他承認に係る審査において参考となるべき事項を記載した書類

3 前項第四号に掲げる内部格付手法実施計画には、次に掲げる事項を記載するものとする。ただし、先進的内部格付手法採用金庫が一部の事業単位又は資産区分(同一の事業単位において保有する事業法人向けエクスポージャー、ソブリン向けエクスポージャー、金融機関等向けエクスポージャー、居住用不動産向けエクスポージャー、適格リボルビング型リテール向けエクスポージャー及びその他リテール向けエクスポージャーをいう。以下この章において同じ。)のうち第百二十一条第二項各号に掲げるエクスポージャーに該当しないものについてLGD及びEADの自金庫推計値を使用しないことを妨げない。

一 内部格付手法を適用する範囲及び同手法の適用を開始する日

二 内部格付手法の適用を除外する予定の事業単位又は資産区分

4 第二項第五号に掲げる先進的内部格付手法移行計画には、第百二十一条第二項各号に掲げるエクスポージャーに該当しない事業法人等向けエクスポージャーについて、LGD及びEADの自金庫推計値を使用する範囲及び使用を開始する時期に関する事項を記載するものとする。ただし、一部の事業単位又は資産区分についてLGD及びEADの自金庫推計値を使用しないことを妨げない。

(令六金庁厚労告一・一部改正)

(予備計算)

第百十六条 内部格付手法の使用について承認を受けようとする金庫は、内部格付手法の使用を開始しようとする日の属する事業年度の前事業年度以降において、承認を得ようとする内部格付手法に基づいて自己資本比率を予備的に計算し、当該前事業年度の中間予備計算報告書(事業年度開始の日から当該事業年度の九月三十日までの内部格付制度(第百五十五条第一項に規定する内部格付制度をいう。以下この款において同じ。)の運用状況及び当該事業年度の九月三十日の自己資本比率の状況に関する事項を記載した書類をいう。以下この条において同じ。)及び当該前事業年度の予備計算報告書(事業年度の内部格付制度の運用状況及び当該事業年度の末日の自己資本比率の状況に関する事項を記載した書類をいう。以下この条において同じ。)を作成するものとする。ただし、内部格付手法採用金庫、信用金庫法第八十九条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、信用金庫及び信用金庫連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準第一条第二号に規定する内部格付手法採用金庫又は協同組合による金融事業に関する法律第六条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、信用協同組合及び信用協同組合連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準第一条第二号に規定する内部格付手法を採用する信用協同組合等が行う合併その他の組織再編成により新たに設立される金庫又は当該組織再編成後に存続する金庫が内部格付手法の使用について承認を受けようとする場合において、当該組織再編成が内部格付手法に基づく自己資本比率の計算の継続性に重要な影響を及ぼすものでなく、かつ、当該承認を受けようとする金庫が当該組織再編成前に内部格付手法を採用していた金融機関(預金保険法第二条第一項第三号から第八号までに掲げる者に限る。)における数値等に基づく中間予備計算報告書及び予備計算報告書に準ずる書類を作成することができるときは、この限りでない。

2 前項に定める自己資本比率の予備的な計算を行おうとする金庫は、前条第一項及び第二項の書類に準ずる書類を添付して、金融庁長官及び厚生労働大臣に届出を行うものとする。

3 金庫は、承認申請書の提出に先立って、第一項に掲げる中間予備計算報告書及び予備計算報告書に前条第一項及び第二項の書類に準ずる書類を添付して、それぞれ当該報告書の対象である期間の経過後三月以内に金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

4 内部格付手法の使用を開始しようとする日が十月一日以降である場合における前三項の規定の適用については、第一項中「当該前事業年度の中間予備計算報告書」とあるのは、「当該使用を開始しようとする日の属する事業年度の中間予備計算報告書」とする。

(平一九金庁厚労告二・令六金庁厚労告一・一部改正)

(承認の基準)

第百十七条 金融庁長官及び厚生労働大臣は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める基準に適合するかどうかを審査するものとする。