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二 ファンドへの出資(次に掲げる要件のいずれかに該当するものに限る。)

イ 当該ファンドの構成銘柄について、金庫が、ルックスルー(個々のエクスポージャーに関する情報について直接保有するものと同様に把握することをいう。以下この章、次章及び第六章の四において同じ。)ができ、かつ、独立した第三者により検証された十分な情報を取得していること。

ロ 金庫が、当該ファンドの市場価額を日次で入手しており、かつ、当該ファンドの運用基準及びマーケット・リスク相当額に関する情報を取得していること。

三 上場株式

四 トレーディング業務に係るレポ形式の取引

五 オプション

4 商品有価証券勘定及び売付商品債券勘定の資産又は負債として保有している商品でない商品(前項各号に掲げるものを除く。)のうち、次に掲げるものは、トレーディング勘定に分類するものとする。

一 コリレーション・トレーディングのポートフォリオに含まれる商品

二 信用リスク又は株式リスクを有する商品のうち、次に掲げるポジションのいずれかを構成するもの

イ ヘッジ対象となるロング・ポジションが存在せず、個別の商品又は複数の商品の組合せにより、ネット・ショート・ポジションとなっているポジション

ロ ヘッジ対象となるロング・ポジションに対して、ヘッジ手段として利用される商品のショート・ポジションがオーバーヘッジとなっているポジション

三 引受け業務から生ずる商品

5 金庫は、商品を売却すること及び商品のリスクをヘッジすることに関して法令に別段の定めがない限り、当該商品をトレーディング勘定に分類することができる。

6 金庫は、トレーディング勘定に分類する商品のうち、会計上で公正価値評価が求められているものについては、公正価値を日次で計測し、評価損益を認識するものとする。

(令六金庁厚労告一・追加)

(バンキング勘定への分類基準)

第八条の五 前条の規定によりトレーディング勘定に分類する商品以外の商品は、バンキング勘定に分類するものとする。

2 商品有価証券勘定及び売付商品債券勘定の資産又は負債として保有している商品並びに前条第三項の規定によりトレーディング勘定に分類することとされる商品のうち、トレーディング目的以外の目的で保有するものについては、あらかじめ金融庁長官及び厚生労働大臣に届け出た場合に限り、バンキング勘定に分類することができる。

3 前条の規定にかかわらず、次に掲げる場合のいずれかに該当する金庫は、全ての商品をバンキング勘定に分類するものとする。

一 第三条の二の規定によりマーケット・リスク相当額に係る額を算入しない場合

二 簡易的方式採用金庫であって、第三条の二第一号及び第三号に掲げる条件を満たす場合

(令六金庁厚労告一・追加)

(商品分類に係る方針等)

第八条の六 金庫は、トレーディング勘定に分類する商品の範囲を定めるための方針及び手続に係る文書を作成するとともにその遵守態勢を確立するものとする。

2 金庫のフロント・オフィス部門から独立したマーケット・リスクの管理に責任を負う部署(以下「マーケット・リスク管理部署」という。)は、前項の商品の分類が適切に実施されたかどうかの検証をする体制を整備するものとする。

3 金庫の内部監査部署は、第一項の商品の分類に係る内部監査を一年に一回以上実施し、その結果を金融庁長官及び厚生労働大臣の求めに応じて提出することができるように整備するものとする。

(令六金庁厚労告一・追加)

(勘定間の振替の制限)

第八条の七 金庫は、次に掲げる行為(以下この条から第八条の九までにおいて「勘定間の振替」という。)を行ってはならない。

一 トレーディング勘定に分類した商品をバンキング勘定に移し替えること。

二 バンキング勘定に分類した商品をトレーディング勘定に移し替えること。

2 前項の規定にかかわらず、金庫は、次に掲げる要件の全てを満たす場合には、勘定間の振替を行うことができる。

一 当該勘定間の振替について理事等の承認を受けていること。

二 当該勘定間の振替について内部監査が行われていること。

三 当該勘定間の振替について開示すること。

3 金庫は、前項の規定により勘定間の振替を行う場合には、あらかじめ、その旨及び次に掲げる事項を記載した届出書を金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

一 勘定間の振替を行う商品の種類(当該商品が第八条の四第三項第一号から第三号までに掲げる商品のいずれかに該当するときは、その旨を含む。)

二 前項各号に掲げる要件の全てを満たしている旨の説明

三 勘定間の振替を行う商品の保有の目的の変更に係る説明

四 その他参考となるべき事項

(令六金庁厚労告一・追加)

(勘定間の振替に係る所要自己資本の額の計上)

第八条の八 金庫は、勘定間の振替を行った場合において、所要自己資本の額が減少したときは、その減少分と同額を当該勘定間の振替を行った日以後の算出基準日における所要自己資本の額に加算するものとする。

2 金庫は、勘定間の振替を行った商品が満期を迎えた場合には、金融庁長官及び厚生労働大臣が承認した場合に限り、前項の規定を適用しないことができる。

(令六金庁厚労告一・追加)

(勘定間の振替に係る方針等)

第八条の九 金庫は、勘定間の振替について、次に掲げる事項その他必要な事項を定めた方針を策定するものとする。

一 勘定間の振替に係る制限の内容及び当該制限に係る変更の要件

二 当該方針に係る理事会の承認手続

三 例外的事象を特定する方法

四 勘定間の振替に係る開示方法

2 金庫は、前項の方針を一年に一回以上見直すものとする。

(令六金庁厚労告一・追加)

(内部取引の取扱い)

第八条の十 内部取引(金庫内部の組織間又は勘定間におけるデリバティブ取引をいう。以下同じ。)によるトレーディング勘定からバンキング勘定へのリスク移転については、マーケット・リスク相当額の計測対象に含まないものとする。

2 内部取引によるバンキング勘定からトレーディング勘定へのリスク移転については、次条から第八条の十三までに定めるところによる。

(令六金庁厚労告一・追加)

(信用リスク及び株式リスクの内部取引)

第八条の十一 内部取引によるバンキング勘定からトレーディング勘定への信用リスク及び株式リスクのリスク移転については、次の各号に掲げるリスクの区分に応じ、当該各号に定める要件を満たす場合に限り、ヘッジ効果を反映することができる。

一 信用リスク トレーディング勘定において、金庫が第三者である適格プロテクション提供者との間で外部ヘッジ取引(第九十三条各号及び第九十五条各号に掲げる条件の全てを満たすヘッジ取引をいう。以下同じ。)を行い、内部取引のポジションを完全に相殺していること。

二 株式リスク 次に掲げる要件の全てを満たすものであること。

イ トレーディング勘定において、金庫が第三者である適格プロテクション提供者との間で外部ヘッジ取引を行い、内部取引のポジションを完全に相殺していること。

ロ その外部ヘッジ取引が、バンキング勘定の株式リスクのヘッジとして認識されていること。

2 前項第一号の外部ヘッジ取引において、内部取引のポジションを完全に相殺する場合には、当該外部ヘッジ取引を複数の取引相手方との複数の取引により構成することができる。

3 第一項のリスク移転におけるマーケット・リスク相当額の計測対象は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるところによる。

一 第一項各号に定める要件を満たす場合 トレーディング勘定における内部取引及び外部ヘッジ取引を含むものとする。

二 第一項各号に定める要件を満たさない場合 トレーディング勘定における外部ヘッジ取引を含み、トレーディング勘定における内部取引を含まないものとする。

三 バンキング勘定においてオーバーヘッジとなったポジションが生じた場合 当該ポジションを含むものとする。

(令六金庁厚労告一・追加)

(一般金利リスクの内部取引)

第八条の十二 内部取引によるバンキング勘定からトレーディング勘定への一般金利リスクのリスク移転については、次に掲げる要件の全てを満たす場合に限り、ヘッジ効果を反映することができる。

一 内部取引によりバンキング勘定の一般金利リスクがヘッジされている旨及び当該一般金利リスクの発生源に係る文書が作成されていること。

二 内部取引は、内部取引担当デスク(トレーディング・デスクのうち、他のトレーディング・デスクから独立してマーケット・リスク相当額を計測するデスクをいう。以下同じ。)との間で行われること。

2 内部取引担当デスクは、バンキング勘定との内部取引のポジションに対する外部ヘッジ取引を第三者との間で直接に行うことができる。

3 第一項のリスク移転において、内部取引担当デスク以外のトレーディング・デスクを通じた第三者との間の外部ヘッジ取引は、内部取引担当デスクが内部取引担当デスク以外のトレーディング・デスクと行う一般金利リスクに係る内部取引のポジションにより第三者との外部ヘッジのポジションと完全に相殺されるときに限り、行うことができる。この場合において、内部取引担当デスク及び内部取引担当デスク以外のトレーディング・デスクが保有する内部取引のポジションは、マーケット・リスク相当額の計測対象に含むものとする。

(令六金庁厚労告一・追加)

(マーケット・リスク相当額の計測対象となる内部取引)

第八条の十三 マーケット・リスク相当額の計測対象であるトレーディング・デスク間の内部取引は、マーケット・リスク相当額の計測範囲に含むものとする。

2 内部取引担当デスクと内部取引担当デスク以外のトレーディング・デスクとの間の内部取引は、前条第一項各号に掲げる要件を満たし、かつ、同条第三項の規定に該当する場合に限り、マーケット・リスク相当額の計測対象に含むものとする。

3 トレーディング・デスクが保有する内部取引のポジションは、第三者と取引するトレーディング勘定の商品と同様にマーケット・リスク相当額の計測対象に含むものとする。

(令六金庁厚労告一・追加、令七金庁厚労告二・一部改正)

(CVAリスクにおける内部取引等)

第八条の十四 第八条の十から前条までの規定にかかわらず、金庫のCVAリスクに係る第三者とのヘッジ取引(以下「外部CVAヘッジ取引」という。)及びCVAリスクに係る内部取引によるトレーディング・デスクとCVAデスクとのヘッジ取引(以下「内部CVAヘッジ取引」という。)におけるマーケット・リスク相当額の計測対象は、次項及び第三項に定めるところによる。

2 外部CVAヘッジ取引のうち、適格CVAヘッジ取引(第二百四十六条の三の二に規定する適格BA―CVAヘッジ取引又は第二百四十六条の四の十三第一項に規定する適格SA―CVAヘッジ取引をいう。以下この章及び次章において同じ。)に該当するものについてはマーケット・リスク相当額の計測対象に含まないものとし、適格CVAヘッジ取引に該当しないものについては第六章の四に定めるところによりマーケット・リスク相当額の計測対象に含むものとする。

3 内部CVAヘッジ取引は、互いに完全に相殺するCVAデスクのポジション及びトレーディング・デスクのポジションから構成されなければならず、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるところによりマーケット・リスク相当額を計測するものとする。

一 内部CVAヘッジ取引が適格CVAヘッジ取引に該当しない場合 CVAデスクのポジション及びトレーディング・デスクのポジションは、いずれもマーケット・リスク相当額の計測対象となるポジションとし、双方のポジションを相殺することにより、マーケット・リスク相当額の計測対象に含まないものとする。

二 内部CVAヘッジ取引が適格CVAヘッジ取引に該当する場合 トレーディング・デスクのポジションは、第六章の四に定めるところによりマーケット・リスク相当額の計測対象に含むものとする。

4 標準的方式に係る要件に定めるカーベチャー・リスク、デフォルト・リスク又は残余リスクに対する資本賦課の対象となるポジションに係るCVAリスクの内部取引は、トレーディング勘定において、金庫が第三者であるプロテクション提供者との間で行う外部ヘッジ取引が当該内部取引のポジションを完全に相殺する場合に限り、マーケット・リスク相当額の計測において勘案することができる。

5 CVAデスクとトレーディング・デスクとの間の内部取引は、第八条の十一第一項各号に定める要件を満たす場合には、第五十条第一項に規定する派生商品取引の与信相当額のヘッジ手段として利用することができる。

(令六金庁厚労告一・追加)

(バンキング勘定とトレーディング勘定の境界に係る届出)

第八条の十五 トレーディング勘定を設ける金庫は、あらかじめ、その旨を記載した届出書を金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

2 前項の届出書には、次に掲げる事項を記載した書類を添付するものとする。

一 第八条の五第二項の規定によりバンキング勘定に分類する商品

二 第八条の九第一項の方針

3 金庫は、第一項の届出書に記載すべき事項又は前項各号に掲げる事項に変更があったときは、遅滞なく、その旨及びその内容を記載した変更届出書を金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

(令六金庁厚労告一・追加)

(オペレーショナル・リスク相当額の合計額)

第九条 第二条の算式においてオペレーショナル・リスク相当額の合計額は、第七章に定めるところにより算出するものとする。

(資本フロアの算出方法)

第十条 金庫は、次の各号のいずれかに該当する場合であって、標準的な手法により算出した所要自己資本の額に七十二・五パーセントを乗じて得た額が承認を受けた計算方法により算出した所要自己資本の額を上回るときは、当該乗じて得た額から当該承認を受けた計算方法により算出した所要自己資本の額を控除した額に十二・五を乗じて得た額を第二条の算式の分母に加えるものとする。

一 内部格付手法採用金庫

二 内部モデル方式採用金庫

三 第五十二条第一項の承認を受けた標準的手法採用金庫(次章において「期待エクスポージャー方式採用金庫」という。)

2 前項の規定にかかわらず、内部格付手法採用金庫は、内部格付手法の使用を開始した日(先進的内部格付手法採用金庫が基礎的内部格付手法採用金庫としての承認を受けた日後に先進的内部格付手法採用金庫としての承認を受けた場合にあっては、基礎的内部格付手法採用金庫としての承認を受けて基礎的内部格付手法の使用を開始した日。以下この章及び次章において同じ。)から二年を経過する日までの間は、次の各号に掲げる期間において、標準的な手法により算出した所要自己資本の額に当該各号に定める率を乗じて得た額が承認を受けた計算方法により算出した所要自己資本の額を上回る場合には、当該乗じて得た額から当該承認を受けた計算方法により算出した所要自己資本の額を控除した額に十二・五を乗じて得た額を第二条の算式の分母に加えるものとする。

一 内部格付手法の使用を開始した日以後一年間 九十パーセント

二 前号に掲げる期間を経過した日以後一年間 八十パーセント

3 前二項の「標準的な手法により算出した所要自己資本の額」とは、第二条の算式の分母の額に八パーセントを乗じて得た額を計算する場合において、次の各号に掲げるリスクの区分に応じ、当該各号に定める手法により算出した額の合計額から第四条第一項第四号イに掲げる額につき当該手法により算出した額を控除した額をいう。

一 信用リスクに係る部分のうち証券化エクスポージャー、CVAリスク及び第二百四十六条の五各号に掲げるエクスポージャー(以下「中央清算機関関連エクスポージャー」という。)に係る部分以外の部分 標準的手法(第四章第四節に定める派生商品取引及び長期決済期間取引の与信相当額の算出にあってはSA―CCR(第五十一条に定めるところにより与信相当額を算出することをいう。以下同じ。)、レポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引の与信相当額の算出にあっては包括的手法)

二 信用リスクに係る部分のうち証券化エクスポージャーに係る部分 全ての裏付資産のプールをSAプールとみなして第六章に定めるところにより判定された手法(内部評価方式(同章第二節第二款第四目に定めるところにより第二百三十七条に規定する証券化エクスポージャーのリスク・ウェイトを算出することをいう。以下同じ。)を除く。)

三 信用リスクに係る部分のうちCVAリスクに係る部分 第六章の二に定めるところによりCVAリスク相当額の算出に適用した手法

四 信用リスクに係る部分のうち中央清算機関関連エクスポージャーに係る部分 第六章の三に定める手法(第二百四十六条の六第一項において準用する第四章第四節に定める派生商品取引及び長期決済期間取引の与信相当額の算出にあってはSA―CCR、レポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引の与信相当額の算出にあっては包括的手法)

五 マーケット・リスクに係る部分 標準的方式又は簡易的方式(内部モデル方式採用金庫がマーケット・リスク相当額の算出において内部モデル方式を適用する部分にあっては、標準的方式)

六 オペレーショナル・リスクに係る部分 第二百四十八条に規定する標準的計測手法

4 第一項及び第二項の「承認を受けた計算方法により算出した所要自己資本の額」とは、第二条の算式の分母の額に八パーセントを乗じて得た額及び第四条第二項第一号ハに掲げる額の合計額から同条第一項第四号イ及びロに掲げる額の合計額を控除した額をいう。

(令六金庁厚労告一・全改)

第三章 単体自己資本比率

(単体自己資本比率の計算方法)

第十一条 金庫の自己資本比率基準のうち法第九十四条第一項において準用する銀行法第十四条の二第一号に定める基準(以下この章において「単体自己資本比率」という。)は、次の算式により得られる比率について、四パーセント以上とする。

(自己資本の額(コア資本に係る基礎項目の額-コア資本に係る調整項目の額))/(信用リスク・アセットの額の合計額+マーケット・リスク相当額の合計額を八パーセントで除して得た額+オペレーショナル・リスク相当額の合計額を八パーセントで除して得た額)

(平二五金庁厚労告一・令六金庁厚労告一・一部改正)

(算出の方法等)

第十二条 単体自己資本比率は、金庫の財務諸表に基づき算出するものとする。この場合において、財務諸表については、財務諸表等規則に準じて作成することとする。

(平一九金庁厚労告一二・一部改正)

(マーケット・リスク相当額不算入の特例)

第十二条の二 金庫は、次に掲げる条件の全てを満たす場合には、第十一条の算式にマーケット・リスク相当額に係る額を算入しないことができる。

一 直近の期末から算出基準日までの間における商品有価証券勘定及び売付商品債券勘定の合計額のうち最も大きい額が、千億円未満であり、かつ、直近の期末の総資産の十パーセントに相当する額未満であること。

二 直近の期末から算出基準日までの間における外国為替リスク・カテゴリーの全体のネット・ポジションの額のうち最も大きい額(ハにおいて「最大額」という。)が、千億円未満であり、かつ、次に掲げる額の合計額の十パーセントに相当する額未満であること。

イ 直近の期末の信用リスク・アセットの額

ロ 直近の期末のオペレーショナル・リスク相当額の合計額を八パーセントで除して得た額

ハ 最大額

三 算出基準日が期末である場合には、当該算出基準日における商品有価証券勘定及び売付商品債券勘定の合計額が、千億円未満であり、かつ、当該算出基準日における総資産の十パーセントに相当する額未満であること。

四 算出基準日が期末である場合には、当該算出基準日における外国為替リスク・カテゴリーの全体のネット・ポジションの額が、千億円未満であり、かつ、当該算出基準日における次に掲げる額の合計額の十パーセントに相当する額未満であること。

イ 信用リスク・アセットの額

ロ オペレーショナル・リスク相当額の合計額を八パーセントで除して得た額

ハ 外国為替リスク・カテゴリーの全体のネット・ポジションの額

五 直近の算出基準日において第十一条の算式にマーケット・リスク相当額に係る額を算入していないこと。

(令六金庁厚労告一・追加)

(自己資本の額)

第十三条 第十一条の算式において、コア資本に係る基礎項目の額は、次に掲げる額の合計額とする。

一 普通出資又は非累積的永久優先出資に係る会員勘定の額(外部流出予定額を除く。)

二 次に掲げる額の合計額

イ 一般貸倒引当金の額(当該額が第十一条の算式における信用リスク・アセットの額の合計額(内部格付手法採用金庫にあっては、第百二十六条第二号に掲げる額及び証券化エクスポージャーに係る信用リスク・アセットの額の合計額とする。)に一・二五パーセントを乗じて得た額を上回る場合にあっては、当該乗じて得た額とする。)

ロ 内部格付手法採用金庫において、適格引当金の合計額が事業法人等向けエクスポージャー及びリテール向けエクスポージャーの期待損失額の合計額を上回る場合における当該適格引当金の合計額から当該期待損失額の合計額を控除した額(当該額が第百二十六条第一号に掲げる額に〇・六パーセントを乗じて得た額を上回る場合にあっては、当該乗じて得た額とする。)

2 第十一条の算式において、コア資本に係る調整項目の額は、次に掲げる額の合計額とする。

一 次に掲げる額の合計額

イ 次に掲げる無形固定資産の額の合計額

(1) 無形固定資産(のれんに係るものに限る。)の額

(2) 無形固定資産(のれん及びモーゲージ・サービシング・ライツに係るものを除く。)の額

ロ 繰延税金資産(一時差異に係るものを除く。)の額

ハ 内部格付手法採用金庫において、事業法人等向けエクスポージャー及びリテール向けエクスポージャーの期待損失額の合計額が適格引当金の合計額を上回る場合における当該期待損失額の合計額から当該適格引当金の合計額を控除した額

ニ 証券化取引に伴い増加した自己資本に相当する額

ホ 負債の時価評価(金庫の信用リスクの変動に基づくものに限る。)により生じた時価評価差額であって自己資本に算入される額

ヘ 前払年金費用の額

二 自己保有普通出資等の額

三 意図的に保有している他の金融機関等の対象資本調達手段の額

四 少数出資金融機関等の対象普通出資等の額

五 労働金庫連合会の対象普通出資等の額

六 特定項目に係る十パーセント基準超過額

七 特定項目に係る十五パーセント基準超過額

3 第一項第一号の「普通出資」とは、次に掲げる要件の全てを満たす出資をいう。

一 残余財産の分配について、金庫の会員が法に基づいて払込みを行った出資と同等の劣後的内容を有するものであること。

二 残余財産の分配について、他の優先的内容を有する資本調達手段に対する分配が行われた後に、出資者の保有する出資の口数その他の事情に応じて公平に割当てを受けるものであること。

三 払戻し又は償還の期限が定められておらず、かつ、法令に基づく場合を除き、払戻し又は償還されるものでないこと。

四 発行者(出資を受けた者を含む。以下この項及び次項において同じ。)が発行時又は払込みを受けた時に将来にわたり買戻しを行う期待を生じさせておらず、かつ、当該期待を生じさせる内容が定められていないこと。

五 剰余金の配当が法令の規定に基づき算定された限度額を超えない範囲内で行われ、法に基づく場合を除きその額が出資の払込金額を基礎として算定されるものでなく、かつ、剰余金の配当の限度額に関する法令の規定により制限される場合を除き、剰余金の配当について上限額が定められていないこと。

六 剰余金の配当について、発行者の完全な裁量により決定することができ、これを行わないことが発行者の債務不履行となるものでないこと。

七 剰余金の配当について、他の資本調達手段に対して優先的内容を有するものでないこと。

八 他の資本調達手段に先立ち、発行者が業務を継続しながら、当該発行者に生じる損失を公平に負担するものであること。

九 発行者の倒産手続に関し当該発行者が債務超過にあるかどうかを判断するに当たり、当該発行者の債務として認識されるものでないこと。

十 払込金額が適用される企業会計の基準において会員勘定として計上されるものであること。

十一 現に払込済みであり、かつ、取得又は払込みに必要な資金が発行者により直接又は間接に融通されたものでないこと。

十二 担保権により担保されておらず、かつ、発行者又は当該発行者と密接な関係を有する者による保証に係る特約その他の法的又は経済的に他の資本調達手段に対して優先的内容を有するものとするための特約が定められていないこと。

十三 総会、理事会その他の法令に基づく権限を有する機関の決議又は決定に基づくものであること。

十四 発行者の事業年度に係る説明書類において他の資本調達手段と明確に区別して記載されるものであること。

4 第一項第一号の「非累積的永久優先出資」とは、次に掲げる要件の全てを満たす出資をいう。

一 発行者により現に発行され、かつ、払込済みのものであること。

二 残余財産の分配について、発行者の他の債務に対して劣後的内容を有するものであること。

三 担保権により担保されておらず、かつ、発行者又は当該発行者と密接な関係を有する者による保証に係る特約その他の法的又は経済的に他の同順位の資本調達手段に対して優先的内容を有するものとするための特約が定められていないこと。

四 償還期限が定められておらず、ステップ・アップ金利等に係る特約その他の償還を行う蓋然性を高める特約が定められていないこと。

五 償還を行う場合には、発行後五年を経過した日以後(発行の目的に照らして償還を行うことについてやむを得ない事由があると認められる場合にあっては、発行後)に発行者の任意によるときに限り償還を行うことが可能であり、かつ、償還又は買戻しに関する次に掲げる要件の全てを満たすものであること。

イ 償還又は買戻しに際し、自己資本の充実について、あらかじめ金融庁長官及び厚生労働大臣の確認を受けるものとなっていること。

ロ 償還又は買戻しについて期待を生じさせる行為を発行者が行っていないこと。

ハ その他次に掲げる要件のいずれかを満たすこと。

(1) 償還又は買戻しが行われる場合には、発行者の収益性に照らして適切と認められる条件により、当該償還又は買戻しのための資本調達(当該償還又は買戻しが行われるものと同等以上の質が確保されるものに限る。)が当該償還又は買戻しの時以前に行われること。

(2) 償還又は買戻しの後においても発行者が十分な水準の単体自己資本比率を維持することが見込まれること。

六 発行者が前号イの確認が得られることを前提としておらず、当該発行者により当該確認について期待を生じさせる行為が行われていないこと。

七 剰余金の配当の停止について、次に掲げる要件の全てを満たすものであること。

イ 剰余金の配当の停止を発行者の完全な裁量により常に決定することができること。

ロ 剰余金の配当の停止を決定することが発行者の債務不履行とならないこと。

ハ 剰余金の配当の停止により流出しなかった資金を発行者が完全に利用可能であること。

ニ 剰余金の配当の停止を行った場合における発行者に対する一切の制約(同等以上の質の資本調達手段に係る剰余金の配当に関するものを除く。)がないこと。

八 剰余金の配当が、法令の規定に基づき算定された剰余金の配当の限度額を超えない範囲内で行われるものであること。

九 剰余金の配当額が、発行後の発行者の信用状態を基礎として算定されるものでないこと。

十 発行者の倒産手続に関し当該発行者が債務超過にあるかどうかを判断するに当たり、当該発行者の債務として認識されるものでないこと。

十一 発行者又は当該発行者の子法人等若しくは関連法人等により取得されておらず、かつ、取得に必要な資金が発行者により直接又は間接に融通されたものでないこと。

十二 ある特定の期間において他の資本調達手段が発行価格に関して有利な条件で発行された場合には補償が行われる特約その他の発行者の資本の増強を妨げる特約が定められていないこと。

5 第二項第一号イ又はヘに掲げる額を算出する場合において、これらの規定に掲げる額に関連する繰延税金負債の額があるときは、これらの規定に掲げる額と当該関連する繰延税金負債の額を相殺することができる。

(平二五金庁厚労告一・全改、平三一金庁厚労告二・令六金庁厚労告一・一部改正)

(調整項目の額の算出方法)

第十四条 前条第二項第二号に掲げる自己保有普通出資等の額は、金庫が当該金庫の普通出資等(普通出資(同条第三項に規定する普通出資をいう。第三項及び第四項において同じ。)又は非累積的永久優先出資(同条第四項に規定する非累積的永久優先出資をいう。第三項及び第四項において同じ。)をいい、処分未済持分又は自己優先出資に該当するものを除く。)を保有している場合(他の法人等に対する投資その他これに類する行為を通じて実質的に保有している場合に相当すると認められる場合その他これに準ずる場合を含む。)における当該普通出資等(次項及び第十六条第二項第五号において「自己保有普通出資等」という。)の額とする。

2 前項に定める額を算出する場合において、金庫が自己保有普通出資等に係る一定のショート・ポジションを保有するときは、当該自己保有普通出資等と対応するショート・ポジションを相殺することができる。

3 前条第二項第三号に掲げる意図的に保有している他の金融機関等の対象資本調達手段の額は、金庫が金融機関若しくはこれに準ずる外国の者又は金融業、保険業その他の業種に属する事業を主たる事業として営む者(これに準ずる外国の者を含み、金融システムに影響を及ぼすおそれがないと認められる者その他の者を除く。)(以下この章において「他の金融機関等」といい、連結自己資本比率(第二条に規定する連結自己資本比率をいう。)を算出する金庫にあっては、連結の範囲に含まれる者を除く。以下この章において同じ。)との間で相互に自己資本比率を向上させるため、意図的に当該他の金融機関等の対象資本調達手段(資本調達手段のうち、普通出資に相当するもの(みなし普通出資(普通出資、非累積的永久優先出資又はこれら以外の資本調達手段のうち単体自己資本比率(国際統一基準の単体自己資本比率を含む。)の算式の分子の額を構成するもの(以下この項において「その他資本調達手段」という。)のいずれにも相当しない資本調達手段をいう。次項において同じ。)を含む。)、非累積的永久優先出資に相当するもの又はその他資本調達手段に相当するものをいい、規制金融機関の資本調達手段にあっては、当該規制金融機関に適用される経営の健全性を判断するための基準又はこれと類似の基準において単体自己資本比率(国際統一基準の単体自己資本比率を含む。)の算式の分子の額を構成するものに相当するものに限る。以下この条及び第十六条第二項第五号において同じ。)を保有していると認められ、かつ、当該他の金融機関等が意図的に当該金庫の普通出資又は非累積的永久優先出資を保有していると認められる場合(金庫又は他の金融機関等が他の法人等に対する投資その他これに類する行為を通じて実質的に保有している場合に相当すると認められる場合その他これに準ずる場合を含む。)における当該他の金融機関等の対象資本調達手段(労働金庫が保有している労働金庫連合会の対象資本調達手段を除く。)の額とする。

4 前条第二項第四号に掲げる少数出資金融機関等の対象普通出資等の額は、少数出資金融機関等(金庫がその総株主等の議決権の百分の十を超える議決権を保有していない他の金融機関等をいう。第八項において同じ。)の対象普通出資等(対象資本調達手段のうち、普通出資又は非累積的永久優先出資に相当するもの(みなし普通出資を含む。)をいう。以下この条及び第十六条第二項第五号において同じ。)を金庫が保有している場合(他の法人等に対する投資その他これに類する行為を通じて当該金庫が実質的に保有している場合に相当すると認められる場合その他これに準ずる場合を含み、前項の場合を除く。)における当該対象普通出資等(労働金庫が保有している労働金庫連合会の対象普通出資等を除く。)の額の合計額から少数出資に係る十パーセント基準額(前条第一項各号に掲げる額の合計額から同条第二項第一号から第三号までに掲げる額の合計額を控除した額に十パーセントを乗じて得た額をいう。)を控除した額(当該額が零を下回る場合には、零とする。)とする。

5 前条第二項第五号に掲げる労働金庫連合会の対象普通出資等の額は、労働金庫連合会の対象普通出資等を労働金庫が保有している場合(他の法人等に対する投資その他これに類する行為を通じて当該労働金庫が実質的に保有している場合に相当すると認められる場合その他これに準ずる場合を含む。)における当該対象普通出資等の額の合計額から連合会向け出資に係る二十パーセント基準額(前条第一項各号に掲げる額の合計額から同条第二項第一号から第三号までに掲げる額の合計額を控除した額に二十パーセントを乗じて得た額をいう。)を控除した額(当該額が零を下回る場合には、零とする。)とする。

6 前条第二項第六号に掲げる特定項目に係る十パーセント基準超過額は、次に掲げる額の合計額とする。

一 その他金融機関等(金庫がその総株主等の議決権の百分の十を超える議決権を保有している他の金融機関等をいう。以下この条において同じ。)の対象普通出資等(労働金庫が保有している労働金庫連合会の対象普通出資等を除く。以下この項及び次項第一号において同じ。)を金庫が保有している場合(他の法人等に対する投資その他これに類する行為を通じて当該金庫が実質的に保有している場合に相当すると認められる場合その他これに準ずる場合を含み、第三項の場合を除く。)における当該対象普通出資等の額から特定項目に係る十パーセント基準額(前条第一項各号に掲げる額の合計額から同条第二項第一号から第五号までに掲げる額の合計額を控除した額に十パーセントを乗じて得た額をいう。次号及び第三号において同じ。)を控除した額(当該額が零を下回る場合には、零とする。)

二 モーゲージ・サービシング・ライツに係る無形固定資産の額から特定項目に係る十パーセント基準額を控除した額(当該額が零を下回る場合には、零とする。)

三 繰延税金資産(一時差異に係るものに限る。)の額から特定項目に係る十パーセント基準額を控除した額(当該額が零を下回る場合には、零とする。)

7 前条第二項第七号に掲げる特定項目に係る十五パーセント基準超過額は、次に掲げる額の合計額とする。

一 特定項目に係る調整対象額(特定項目に係る十パーセント基準対象額(特定項目(その他金融機関等の対象普通出資等、モーゲージ・サービシング・ライツに係る無形固定資産及び繰延税金資産(一時差異に係るものに限る。第三号において同じ。)をいう。以下この号において同じ。)の額から前条第二項第六号に掲げる額を控除した額をいう。以下この項において同じ。)から特定項目に係る十五パーセント基準額(同条第一項各号に掲げる額の合計額から同条第二項第一号から第五号までに掲げる額及び特定項目の額の合計額を控除した額に十五パーセントを乗じ、これを八十五パーセントで除して得た額をいう。)を控除した額(当該額が零を下回る場合には、零とする。)をいう。次号及び第三号において同じ。)に、その他金融機関等の対象普通出資等の額から前項第一号に掲げる額を控除した額を特定項目に係る十パーセント基準対象額で除して得た割合を乗じて得た額

二 特定項目に係る調整対象額に、モーゲージ・サービシング・ライツに係る無形固定資産の額から前項第二号に掲げる額を控除した額を特定項目に係る十パーセント基準対象額で除して得た割合を乗じて得た額

三 特定項目に係る調整対象額に、繰延税金資産の額から前項第三号に掲げる額を控除した額を特定項目に係る十パーセント基準対象額で除して得た割合を乗じて得た額

8 第四項及び第五項に定める額並びに第六項第一号及び前項第一号に掲げる額を算出する場合において、金庫が少数出資金融機関等又はその他金融機関等の対象普通出資等に係る一定のショート・ポジションを保有するときは、これらの対象普通出資等と対応するショート・ポジションを相殺することができる。

9 第四項及び第五項に定める額並びに第六項第一号及び第七項第一号に掲げる額を算出する場合において、次に掲げる資本調達手段に該当する対象普通出資等があるときは、当該対象普通出資等を算出の対象から除外することができる。ただし、第一号及び第二号に掲げる資本調達手段については、当該資本調達手段の保有に係る特殊事情その他の事情を勘案して金融庁長官及び厚生労働大臣が承認した場合に限り、当該承認において認められた期間に限るものとする。

一 その存続が極めて困難であると認められる者の救済又は処理のための資金の援助を行うことを目的として保有することとなった資本調達手段

二 その存続が極めて困難となるおそれがあると認められる者に対する資金の援助その他の経営改善のための支援を行うことを目的として保有することとなった資本調達手段

三 引受けにより取得し、かつ、保有期間が五営業日以内の資本調達手段

10 第六項第三号及び第七項各号並びに前条第二項第一号ロに掲げる額を算出する場合において、繰延税金資産の額及びこれに関連する繰延税金負債の額(同条第五項の規定により相殺された額を除く。以下この項において同じ。)があるときは、次の各号に掲げる繰延税金資産の額の区分に応じ、当該額と当該各号に定める額を相殺することができる。

一 繰延税金資産(一時差異に係るものに限る。)の額 繰延税金負債の額のうち当該額に繰延税金資産(一時差異に係るものに限る。)の額を繰延税金資産の額で除して得た割合を乗じて得た額

二 繰延税金資産(一時差異に係るものを除く。)の額 繰延税金負債の額のうち前号に定める額を控除した額

11 第六項第三号及び第七項各号に掲げる額を算出する場合並びに前項の規定により繰延税金資産の額と繰延税金負債の額を相殺する場合には、繰延税金資産の額及び同項の規定により繰延税金資産の額と相殺される繰延税金負債の額は、評価・換算差額等に計上される項目に係るものが含まれないものとした場合の額とする。

12 第三項から第五項までに定める額並びに第六項第一号及び第七項第一号に掲げる額を算出する場合において、その時価評価差額が評価・換算差額等の項目として計上される他の金融機関等の対象普通出資等又は対象資本調達手段については、時価による評価替えを行わない場合の額をもって当該他の金融機関等の対象普通出資等又は対象資本調達手段の額とする。

(平二五金庁厚労告一・全改、令二金庁厚労告一・一部改正)

第十五条 削除

(平二五金庁厚労告一)

(信用リスク・アセットの額の合計額)

第十六条 第十一条の算式において信用リスク・アセットの額の合計額は、標準的手法採用金庫にあっては第十九条第一項に定めるものを、内部格付手法採用金庫にあっては第百二十六条に定めるものをいう。

2 前項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるものについては、信用リスク・アセットの額を算出することを要しない。

一 第十一条の算式にマーケット・リスク相当額に係る額を算入しない場合 次に定めるもの

イ 個別貸倒引当金(内部格付手法採用金庫が第百二十六条第一号に規定する信用リスク・アセットの額の合計額を算出する場合にあっては、次に掲げるエクスポージャーに対して計上されているものに限る。)

(1) 株式等エクスポージャー

(2) 第五章第三節第九款において信用リスク・アセットの額の算出方法が規定されているその他資産等

ロ 債務保証見返勘定

ハ 派生商品取引に係る資産

ニ 有価証券等及びその対価の受渡し又は決済を行う取引に係る未収金

ホ 自己保有普通出資等、対象資本調達手段、対象普通出資等、無形固定資産、繰延税金資産及び前払年金費用のうち、第十三条第二項の規定によりコア資本に係る調整項目の額とされたものの額に相当する部分

ヘ 第十三条第五項の規定により繰延税金負債の額と相殺された額に相当する部分

ト 繰延税金資産(一時差異に係るものに限る。)のうち第十四条第十一項の規定により同条第六項第三号又は第七項第三号に掲げる額の算出の対象に含まれなかった部分

二 第十一条の算式にマーケット・リスク相当額に係る額を算入する場合 前号に定めるもの及び第十六条の三から第十六条の五までの規定によりトレーディング勘定に分類された商品(証券化取引を目的として保有している資産、第十六条の四第三項第四号に掲げるもの及び第二百四十六条の三の三第一項、第二百四十六条の三の四又は第二百四十六条の四の七第一項に規定するCVAリスク相当額の算出に反映された取引を除く。)

3 第一項の規定にかかわらず、次の各号に掲げるものについては、信用リスク・アセットの額を算出することを要しない。

一 中央清算機関に対するエクスポージャー又は間接清算参加者の直接清算参加者に対するエクスポージャーのうち、信用取引その他これに類する海外の取引及び現物・直物取引により生ずるもの

二 直接清算参加者の適格中央清算機関への担保の差入れ又は間接清算参加者の直接清算参加者を通じた適格中央清算機関への担保の差入れにより生ずるエクスポージャーのうち、適格中央清算機関以外の第三者において分別管理されており、かつ、適格中央清算機関に係る倒産手続又は外国における倒産手続と同種類の手続に伴う当該担保に対する損失の発生を防ぐために必要な方策が講ぜられているもの

三 資金清算機関等に対するエクスポージャーのうち、資金清算機関等への預託金又は担保の差入れにより生ずるもの

(平一九金庁厚労告二・平二五金庁厚労告一・令六金庁厚労告一・一部改正)

(マーケット・リスク相当額の合計額)

第十六条の二 第十一条の算式においてマーケット・リスク相当額の合計額は、第六章の四に定めるところにより算出するものの合計額とする。ただし、現金預け金、預金及びコール資金(主たる事務所とそれ以外の事務所との間の取引を含む。)のうち、トレーディングを行う部署においてリスク管理上トレーディングとして管理及び評価をしているものについては対象に含めることができる。

(令六金庁厚労告一・追加)

(トレーディング勘定及びバンキング勘定の設置)

第十六条の三 金庫は、その保有する商品を分類するためにトレーディング勘定及びバンキング勘定を設け、次条及び第十六条の五に定めるところにより、その保有する商品をいずれかの勘定に分類するものとする。

(令六金庁厚労告一・追加)

(トレーディング勘定への分類基準等)

第十六条の四 商品の保有の目的が次に掲げるトレーディング目的のいずれかに該当する商品は、トレーディング勘定に分類するものとする。

一 短期間の再売却目的

二 相場その他の指標に係る短期の価格変動からの利益の獲得目的

三 市場間の裁定取引による利益の獲得目的

四 前三号に掲げる目的のいずれかで保有している商品から生ずるリスクのヘッジ目的

2 商品有価証券勘定及び売付商品債券勘定の資産又は負債として保有している商品のうち、次に掲げるもの以外のものは、トレーディング勘定に分類するものとする。

一 非上場株式

二 証券化のための裏付資産にする予定の商品

三 直接に保有する不動産

四 個人又は中堅中小企業に対する信用供与

五 ファンドへの出資(次項第二号に掲げるものを除く。)

六 前各号に掲げる商品のいずれかを原資産とする派生商品取引又はファンド

七 前各号に掲げる商品のリスクをヘッジする目的で保有する商品

3 商品有価証券勘定及び売付商品債券勘定の資産又は負債として保有している商品でない商品のうち、次に掲げるものは、トレーディング勘定に分類するものとする。

一 マーケット・メイクに係る業務のために保有する商品

二 ファンドへの出資(次に掲げる要件のいずれかに該当するものに限る。)

イ 当該ファンドの構成銘柄について、金庫が、ルックスルーができ、かつ、独立した第三者により検証された十分な情報を取得していること。

ロ 金庫が、当該ファンドの市場価額を日次で入手しており、かつ、当該ファンドの運用基準及びマーケット・リスク相当額に関する情報を取得していること。

三 上場株式

四 トレーディング業務に係るレポ形式の取引

五 オプション

4 商品有価証券勘定及び売付商品債券勘定の資産又は負債として保有している商品でない商品(前項各号に掲げるものを除く。)のうち、次に掲げるものは、トレーディング勘定に分類するものとする。

一 コリレーション・トレーディングのポートフォリオに含まれる商品

二 信用リスク又は株式リスクを有する商品のうち、次に掲げるポジションのいずれかを構成するもの

イ ヘッジ対象となるロング・ポジションが存在せず、個別の商品又は複数の商品の組合せにより、ネット・ショート・ポジションとなっているポジション

ロ ヘッジ対象となるロング・ポジションに対して、ヘッジ手段として利用される商品のショート・ポジションがオーバーヘッジとなっているポジション

三 引受け業務から生ずる商品

5 金庫は、商品を売却すること及び商品のリスクをヘッジすることに関して法令に別段の定めがない限り、当該商品をトレーディング勘定に分類することができる。

6 金庫は、トレーディング勘定に分類する商品のうち、会計上で公正価値評価が求められているものについては、公正価値を日次で計測し、評価損益を認識するものとする。

(令六金庁厚労告一・追加)

(バンキング勘定への分類基準)

第十六条の五 前条の規定によりトレーディング勘定に分類する商品以外の商品は、バンキング勘定に分類するものとする。

2 商品有価証券勘定及び売付商品債券勘定の資産又は負債として保有している商品並びに前条第三項の規定によりトレーディング勘定に分類することとされる商品のうち、トレーディング目的以外の目的で保有するものについては、あらかじめ金融庁長官及び厚生労働大臣に届け出た場合に限り、バンキング勘定に分類することができる。

3 前条の規定にかかわらず、次に掲げる場合のいずれかに該当する金庫は、全ての商品をバンキング勘定に分類するものとする。

一 第十二条の二の規定によりマーケット・リスク相当額に係る額を算入しない場合

二 簡易的方式採用金庫であって、第十二条の二第一号及び第三号に掲げる条件を満たす場合

(令六金庁厚労告一・追加)

(商品分類に係る方針等)

第十六条の六 金庫は、トレーディング勘定に分類する商品の範囲を定めるための方針及び手続に係る文書を作成するとともにその遵守態勢を確立するものとする。

2 金庫のマーケット・リスク管理部署は、前項の商品の分類が適切に実施されたかどうかの検証をする体制を整備するものとする。

3 金庫の内部監査部署は、第一項の商品の分類に係る内部監査を一年に一回以上実施し、その結果を金融庁長官及び厚生労働大臣の求めに応じて提出することができるように整備するものとする。

(令六金庁厚労告一・追加)

(勘定間の振替の制限)

第十六条の七 金庫は、次に掲げる行為(以下この条から第十六条の九までにおいて「勘定間の振替」という。)を行ってはならない。

一 トレーディング勘定に分類した商品をバンキング勘定に移し替えること。

二 バンキング勘定に分類した商品をトレーディング勘定に移し替えること。

2 前項の規定にかかわらず、金庫は、次に掲げる要件の全てを満たす場合には、勘定間の振替を行うことができる。

一 当該勘定間の振替について理事等の承認を受けていること。

二 当該勘定間の振替について内部監査が行われていること。

三 当該勘定間の振替について開示すること。

3 金庫は、前項の規定により勘定間の振替を行う場合には、あらかじめ、その旨及び次に掲げる事項を記載した届出書を金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

一 勘定間の振替を行う商品の種類(当該商品が第十六条の四第三項第一号から第三号までに掲げる商品のいずれかに該当するときは、その旨を含む。)

二 前項各号に掲げる要件の全てを満たしている旨の説明

三 勘定間の振替を行う商品の保有の目的の変更に係る説明

四 その他参考となるべき事項

(令六金庁厚労告一・追加)

(勘定間の振替に係る所要自己資本の額の計上)

第十六条の八 金庫は、勘定間の振替を行った場合において、所要自己資本の額が減少したときは、その減少分と同額を当該勘定間の振替を行った日以後の算出基準日における所要自己資本の額に加算するものとする。

2 金庫は、勘定間の振替を行った商品が満期を迎えた場合には、金融庁長官及び厚生労働大臣が承認した場合に限り、前項の規定を適用しないことができる。

(令六金庁厚労告一・追加)

(勘定間の振替に係る方針等)

第十六条の九 金庫は、勘定間の振替について、次に掲げる事項その他必要な事項を定めた方針を策定するものとする。

一 勘定間の振替に係る制限の内容及び当該制限に係る変更の要件

二 当該方針に係る理事会の承認手続

三 例外的事象を特定する方法

四 勘定間の振替に係る開示方法

2 金庫は、前項の方針を一年に一回以上見直すものとする。

(令六金庁厚労告一・追加)

(内部取引の取扱い)

第十六条の十 内部取引によるトレーディング勘定からバンキング勘定へのリスク移転については、マーケット・リスク相当額の計測対象に含まないものとする。

2 内部取引によるバンキング勘定からトレーディング勘定へのリスク移転については、次条から第十六条の十三までに定めるところによる。

(令六金庁厚労告一・追加)

(信用リスク及び株式リスクの内部取引)

第十六条の十一 内部取引によるバンキング勘定からトレーディング勘定への信用リスク及び株式リスクのリスク移転については、次の各号に掲げるリスクの区分に応じ、当該各号に定める要件を満たす場合に限り、ヘッジ効果を反映することができる。

一 信用リスク トレーディング勘定において、金庫が第三者である適格プロテクション提供者との間で外部ヘッジ取引を行い、内部取引のポジションを完全に相殺していること。

二 株式リスク 次に掲げる要件の全てを満たすものであること。

イ トレーディング勘定において、金庫が第三者である適格プロテクション提供者との間で外部ヘッジ取引を行い、内部取引のポジションを完全に相殺していること。

ロ その外部ヘッジ取引が、バンキング勘定の株式リスクのヘッジとして認識されていること。

2 前項第一号の外部ヘッジ取引において、内部取引のポジションを完全に相殺する場合には、当該外部ヘッジ取引を複数の取引相手方との複数の取引により構成することができる。

3 第一項のリスク移転におけるマーケット・リスク相当額の計測対象は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるところによる。

一 第一項各号に定める要件を満たす場合 トレーディング勘定における内部取引及び外部ヘッジ取引を含むものとする。

二 第一項各号に定める要件を満たさない場合 トレーディング勘定における外部ヘッジ取引を含み、トレーディング勘定における内部取引を含まないものとする。

三 バンキング勘定においてオーバーヘッジとなったポジションが生じた場合 当該ポジションを含むものとする。

(令六金庁厚労告一・追加)

(一般金利リスクの内部取引)

第十六条の十二 内部取引によるバンキング勘定からトレーディング勘定への一般金利リスクのリスク移転については、次に掲げる要件の全てを満たす場合に限り、ヘッジ効果を反映することができる。

一 内部取引によりバンキング勘定の一般金利リスクがヘッジされている旨及び当該一般金利リスクの発生源に係る文書が作成されていること。

二 内部取引は、内部取引担当デスクとの間で行われること。

2 内部取引担当デスクは、バンキング勘定との内部取引のポジションに対する外部ヘッジ取引を第三者との間で直接に行うことができる。

3 第一項のリスク移転において、内部取引担当デスク以外のトレーディング・デスクを通じた第三者との間の外部ヘッジ取引は、内部取引担当デスクが内部取引担当デスク以外のトレーディング・デスクと行う一般金利リスクに係る内部取引のポジションにより第三者との外部ヘッジのポジションと完全に相殺されるときに限り、行うことができる。この場合において、内部取引担当デスク及び内部取引担当デスク以外のトレーディング・デスクが保有する内部取引のポジションは、マーケット・リスク相当額の計測対象に含むものとする。

(令六金庁厚労告一・追加)

(マーケット・リスク相当額の計測対象となる内部取引)

第十六条の十三 マーケット・リスク相当額の計測対象であるトレーディング・デスク間の内部取引は、マーケット・リスク相当額の計測範囲に含むものとする。

2 内部取引担当デスクと内部取引担当デスク以外のトレーディング・デスクとの間の内部取引は、前条第一項各号に掲げる要件を満たし、かつ、同条第三項の規定に該当する場合に限り、マーケット・リスク相当額の計測対象に含むものとする。

3 トレーディング・デスクが保有する内部取引のポジションは、第三者と取引するトレーディング勘定の商品と同様にマーケット・リスク相当額の計測対象に含むものとする。

(令六金庁厚労告一・追加、令七金庁厚労告二・一部改正)

(CVAリスクにおける内部取引等)

第十六条の十四 第十六条の十から前条までの規定にかかわらず、外部CVAヘッジ取引及び内部CVAヘッジ取引におけるマーケット・リスク相当額の計測対象は、次項及び第三項に定めるところによる。

2 外部CVAヘッジ取引のうち、適格CVAヘッジ取引に該当するものについてはマーケット・リスク相当額の計測対象に含まないものとし、適格CVAヘッジ取引に該当しないものについては第六章の四に定めるところによりマーケット・リスク相当額の計測対象に含むものとする。

3 内部CVAヘッジ取引は、互いに完全に相殺するCVAデスクのポジション及びトレーディング・デスクのポジションから構成されなければならず、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるところによりマーケット・リスク相当額を計測するものとする。

一 内部CVAヘッジ取引が適格CVAヘッジ取引に該当しない場合 CVAデスクのポジション及びトレーディング・デスクのポジションは、いずれもマーケット・リスク相当額の計測対象となるポジションとし、双方のポジションを相殺することにより、マーケット・リスク相当額の計測対象に含まないものとする。

二 内部CVAヘッジ取引が適格CVAヘッジ取引に該当する場合 トレーディング・デスクのポジションは、第六章の四に定めるところによりマーケット・リスク相当額の計測対象に含むものとする。

4 標準的方式に係る要件に定めるカーベチャー・リスク、デフォルト・リスク又は残余リスクに対する資本賦課の対象となるポジションに係るCVAリスクの内部取引は、トレーディング勘定において、金庫が第三者であるプロテクション提供者との間で行う外部ヘッジ取引が当該内部取引のポジションを完全に相殺する場合に限り、マーケット・リスク相当額の計測において勘案することができる。

5 CVAデスクとトレーディング・デスクとの間の内部取引は、第十六条の十一第一項各号に定める要件を満たす場合には、第五十条第一項に規定する派生商品取引の与信相当額のヘッジ手段として利用することができる。

(令六金庁厚労告一・追加)

(バンキング勘定とトレーディング勘定の境界に係る届出)

第十六条の十五 トレーディング勘定を設ける金庫は、あらかじめ、その旨を記載した届出書を金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

2 前項の届出書には、次に掲げる事項を記載した書類を添付するものとする。

一 第十六条の五第二項の規定によりバンキング勘定に分類する商品

二 第十六条の九第一項の方針

3 金庫は、第一項の届出書に記載すべき事項又は前項各号に掲げる事項に変更があったときは、遅滞なく、その旨及びその内容を記載した変更届出書を金融庁長官及び厚生労働大臣に提出するものとする。

(令六金庁厚労告一・追加)

(オペレーショナル・リスク相当額の合計額)

第十七条 第十一条の算式においてオペレーショナル・リスク相当額の合計額は、第七章に定めるところにより算出するものとする。

(資本フロアの算出方法)

第十八条 金庫は、次の各号のいずれかに該当する場合であって、標準的な手法により算出した所要自己資本の額に七十二・五パーセントを乗じて得た額が承認を受けた計算方法により算出した所要自己資本の額を上回るときは、当該乗じて得た額から当該承認を受けた計算方法により算出した所要自己資本の額を控除した額に十二・五を乗じて得た額を第十一条の算式の分母に加えるものとする。

一 内部格付手法採用金庫

二 内部モデル方式採用金庫

三 期待エクスポージャー方式採用金庫

2 前項の規定にかかわらず、内部格付手法採用金庫は、内部格付手法の使用を開始した日から二年を経過する日までの間は、次の各号に掲げる期間において、標準的な手法により算出した所要自己資本の額に当該各号に定める率を乗じて得た額が承認を受けた計算方法により算出した所要自己資本の額を上回る場合には、当該乗じて得た額から当該承認を受けた計算方法により算出した所要自己資本の額を控除した額に十二・五を乗じて得た額を第十一条の算式の分母に加えるものとする。

一 内部格付手法の使用を開始した日以後一年間 九十パーセント

二 前号に掲げる期間を経過した日以後一年間 八十パーセント

3 前二項の「標準的な手法により算出した所要自己資本の額」とは、第十一条の算式の分母の額に八パーセントを乗じて得た額を計算する場合において、次の各号に掲げるリスクの区分に応じ、当該各号に定める手法により算出した額の合計額から第十三条第一項第二号イに掲げる額につき当該手法により算出した額を控除した額をいう。

一 信用リスクに係る部分のうち証券化エクスポージャー、CVAリスク及び中央清算機関関連エクスポージャーに係る部分以外の部分 標準的手法(第四章第四節に定める派生商品取引及び長期決済期間取引の与信相当額の算出にあってはSA―CCR、レポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引の与信相当額の算出にあっては包括的手法)

二 信用リスクに係る部分のうち証券化エクスポージャーに係る部分 全ての裏付資産のプールをSAプールとみなして第六章に定めるところにより判定された手法(内部評価方式を除く。)

三 信用リスクに係る部分のうちCVAリスクに係る部分 第六章の二に定めるところによりCVAリスク相当額の算出に適用した手法

四 信用リスクに係る部分のうち中央清算機関関連エクスポージャーに係る部分 第六章の三に定める手法(第二百四十六条の六第一項において準用する第四章第四節に定める派生商品取引及び長期決済期間取引の与信相当額の算出にあってはSA―CCR、レポ形式の取引及び信用取引その他これに類する海外の取引の与信相当額の算出にあっては包括的手法)

五 マーケット・リスクに係る部分 標準的方式又は簡易的方式(内部モデル方式採用金庫がマーケット・リスク相当額の算出において内部モデル方式を適用する部分にあっては、標準的方式)

六 オペレーショナル・リスクに係る部分 第二百四十八条に規定する標準的計測手法

4 第一項及び第二項の「承認を受けた計算方法により算出した所要自己資本の額」とは、第十一条の算式の分母の額に八パーセントを乗じて得た額及び第十三条第二項第一号ハに掲げる額の合計額から同条第一項第二号イ及びロに掲げる額の合計額を控除した額をいう。

(令六金庁厚労告一・全改)

第四章 信用リスクの標準的手法

第一節 総則

(標準的手法採用金庫における信用リスク・アセットの額の合計額)

第十九条 標準的手法採用金庫の信用リスク・アセットの額の合計額とは、次に掲げる額の合計額をいう。ただし、第六節においてリスク・ウェイト又は与信相当額の算出方法が定められている場合には、同節の規定により算出した額とする。

一 次節に規定するリスク・ウェイトを資産の額(その損益又は評価差額がその他の包括利益累計額又は評価・換算差額等の項目として計上される資産については、時価による評価替え又は再評価を行わない場合の額とする。)並びに第三節のオフ・バランス取引並びに第四節の派生商品取引及び長期決済期間取引の与信相当額に乗じて得た額並びに第五十四条の規定により算出された信用リスク・アセットの額の合計額

二 第六章に定めるところにより算出した証券化エクスポージャーに係る信用リスク・アセットの額

三 第六章の二に定めるところにより算出したCVAリスク相当額を八パーセントで除して得た額

四 第六章の三に定めるところにより算出した中央清算機関関連エクスポージャーに係る信用リスク・アセットの額

2 標準的手法採用金庫が直接清算参加者として、間接清算参加者の適格中央清算機関に対するトレード・エクスポージャーに係る金融商品取引法第二条第二十七項に規定する有価証券等清算取次ぎ、間接清算参加者の適格中央清算機関に対するトレード・エクスポージャーに係る商品先物取引法第二条第二十項に規定する商品清算取引その他間接清算参加者の適格中央清算機関に対するトレード・エクスポージャーに係る取次ぎ又はこれらに類する海外の取引(以下「清算取次ぎ等」という。)を行うことにより生ずる間接清算参加者に対するトレード・エクスポージャーに係る信用リスク・アセットの額について、第百十三条の二の規定により算出する場合には、前項第一号の合計額の算出に当たって、当該トレード・エクスポージャーに係る信用リスク・アセットの額として、同条の規定により算出された信用リスク・アセットの額を用いるものとする。

(平二五金庁厚労告一・全改、平三一金庁厚労告二・令六金庁厚労告一・一部改正)

(標準的手法のデュー・ディリジェンス)

第十九条の二 標準的手法採用金庫は、債務者又はエクスポージャーに係る評価であって、次に掲げる要件の全てを満たすもの(次節において「デュー・ディリジェンス分析」という。)を行うものとする。

一 内部の信用分析若しくは第三者による分析又はこれらを併用した分析を用いて信用リスクを評価するための必要な体制が整備されていること。

二 評価に係る情報を適時に把握するための必要な体制が整備されていること。

三 債務者が連結財務諸表を作成している場合又は債務者を同一のグループに属するものとして管理している場合において、グループに属する会社による資金援助、これらの会社に問題が生じた場合の返済能力への影響その他のグループからの影響が当該債務者の評価において必要であるときは、当該影響が評価されていること。

四 エクスポージャーに応じた適切なリスク・ウェイトを判定できるように、内部方針、評価プロセス、システム及び内部統制が整備されていること。

五 債務者又はエクスポージャーの評価の結果について、金融庁長官及び厚生労働大臣の求めに応じて提出できるよう整備されていること。

六 債務者又はエクスポージャーの評価を信用供与の実行時点及び年一回以上の頻度で実施していること。

(令六金庁厚労告一・追加)

(非依頼格付の使用禁止)

第二十条 標準的手法採用金庫は、リスク・ウェイトの判定に当たり、非依頼格付を使用しないものとする。ただし、中央政府に付与されたものである場合は、この限りでない。

(令六金庁厚労告一・一部改正)

(格付等の使用基準の設定)

第二十一条 標準的手法採用金庫は、リスク・ウェイトの判定に当たり、あらかじめ、適格格付機関の格付又は経済協力開発機構若しくは輸出信用機関のカントリー・リスク・スコアの使用の基準を設けるものとする。

2 標準的手法採用金庫は、前項に規定する基準を設けるに当たっては、信用リスク・アセットの額を意図的に小さくすることを目的としないものとする。

3 標準的手法採用金庫は、適格格付機関の格付又は経済協力開発機構若しくは輸出信用機関のカントリー・リスク・スコアを内部管理において用いている場合には、第一項に規定する基準を当該内部管理における使用方法と整合的なものとする。

4 以下この章において格付、個別格付(特定の債務に付与された格付をいう。以下同じ。)、債務者信用力格付(債務者の一般的な債務返済能力に関する格付をいう。以下同じ。)、短期格付(以下この項において「格付」と総称する。)又はカントリー・リスク・スコアとあるのは、それぞれ標準的手法採用金庫が設ける第一項に規定する基準において当該標準的手法採用金庫が用いることが可能な格付又はカントリー・リスク・スコアをいい、当該基準において用いることができる格付又はカントリー・リスク・スコアがない場合には、無格付とする。

(平三一金庁厚労告二・令六金庁厚労告一・一部改正)

(個別格付が付与されていないエクスポージャーの取扱い)

第二十二条 標準的手法採用金庫の保有するエクスポージャーに対して個別格付が付与されていない場合であって、次の各号に掲げるときは、当該エクスポージャーは、当該各号に掲げる格付が付与されているものとみなすことができる。

一 当該エクスポージャーの債務者が負っている他の債務が無担保かつ個別格付が付与されている場合であって、当該個別格付(短期格付を除く。以下この条において同じ。)に対応するリスク・ウェイトが、当該エクスポージャーを無格付とした際のリスク・ウェイトよりも小さく、かつ、当該エクスポージャーが当該無担保の債務に劣後しないとき。 当該個別格付

二 当該エクスポージャーの債務者に債務者信用力格付がある場合であって、当該エクスポージャーが当該債務者の他の債務に劣後しないとき。 当該債務者信用力格付

2 前項に規定する場合において、債務者信用力格付又は標準的手法採用金庫の保有するエクスポージャーに劣後しない債務の個別格付が、当該エクスポージャーを無格付とした場合のリスク・ウェイトよりも大きいリスク・ウェイトに対応するものであるときは、当該債務者信用力格付又は個別格付が付与されているものとみなす。

(現地通貨建て格付及び非現地通貨建て格付)

第二十三条 前条の規定において、標準的手法採用金庫は、個別格付又は債務者信用力格付が当該標準的手法採用金庫の保有するエクスポージャーと同一通貨建てのエクスポージャーに係るものでない場合には、当該個別格付又は債務者信用力格付を用いないものとする。ただし、金庫の保有する現地通貨建てのエクスポージャーが国際開発銀行(第三十一条第三項の規定において零パーセントのリスク・ウェイトを適用することが認められているものに限る。)との協調融資に係るものである場合は、この限りでない。

(令六金庁厚労告一・一部改正)

(複数の格付がある場合のリスク・ウェイト)

第二十四条 標準的手法採用金庫は、その保有するエクスポージャーについて、適格格付機関の格付又は経済協力開発機構若しくは輸出信用機関のカントリー・リスク・スコアが二以上ある場合であって、それらに対応するリスク・ウェイトが異なるときは、最も小さいリスク・ウェイトから数えて二番目に小さいリスク・ウェイトを用いるものとする。ただし、最も小さいリスク・ウェイトが複数の格付又はカントリー・リスク・スコアに対応するものであるときは、当該最も小さいリスク・ウェイトを用いるものとする。

(令六金庁厚労告一・一部改正)

(信用リスクの評価の対象が異なる格付の取扱い)

第二十五条 標準的手法採用金庫は、次の各号に掲げる場合その他の格付における評価の対象が標準的手法採用金庫の保有するエクスポージャーと異なることにより、当該格付を用いるとリスク・アセットの額が過小に評価されるおそれがある場合には、当該格付を用いないものとする。

一 格付における評価の対象が元本又は利息のみである場合であって、当該標準的手法採用金庫のエクスポージャーが元本及び利息に及ぶとき。

二 個別格付が担保又は保証その他の信用リスクを削減する措置(第六節に規定する信用リスク削減手法として適格でないものを含む。以下この号において同じ。)を反映している場合であって、当該標準的手法採用金庫の保有するエクスポージャーに対して取られている信用リスクを削減する措置がこれと異なるとき又はそうした措置が取られていないとき。

(令六金庁厚労告一・一部改正)

第二節 リスク・ウェイト

(現金)

第二十六条 現金(外国通貨及び金を含む。)のリスク・ウェイトは、零パーセントとする。

(中央政府及び中央銀行向けエクスポージャー)

第二十七条 中央政府及び中央銀行向けエクスポージャーのリスク・ウェイトは、格付又はカントリー・リスク・スコアに対応する信用リスク区分に応じ、それぞれ次の各号の表の左欄に定めるものとする。ただし、無格付の場合には、百パーセントとする。

一 適格格付機関の付与する格付の場合

信用リスク区分

1―1

1―2

1―3

1―4

1―5

1―6

リスク・ウェイト(パーセント)

二十

五十

百五十

二 カントリー・リスク・スコアの場合

信用リスク区分(カントリー・リスク・スコア)

0

1

2

3

4

5

6

7

リスク・ウェイト(パーセント)

二十

五十

百五十

2 前項の規定にかかわらず、日本国政府及び日本銀行向けの円建てのエクスポージャーのうち円建てで調達されたもののリスク・ウェイトは、零パーセントとする。

(国際決済銀行等向けエクスポージャー)

第二十八条 国際決済銀行、国際通貨基金、欧州中央銀行、欧州連合、欧州安定メカニズム及び欧州金融安定ファシリティ向けエクスポージャーのリスク・ウェイトは、零パーセントとする。

(平二七金庁厚労告四・令六金庁厚労告一・一部改正)

(我が国の地方公共団体向けエクスポージャー)

第二十九条 我が国の地方公共団体向けの円建てのエクスポージャー(特定の事業からの収入のみをもって返済されることとなっているものを除く。)のうち円建てで調達されたもののリスク・ウェイトは、零パーセントとする。

2 前項の場合を除き、我が国の地方公共団体向けのエクスポージャー(特定の事業からの収入のみをもって返済されることとなっているものを除く。)のリスク・ウェイトは、日本国政府に付与された格付又はカントリー・リスク・スコアに対応する信用リスク区分に応じ、第二十七条第一項各号の表の左欄に定めるものとする。

(外国の中央政府等以外の公共部門向けエクスポージャー)

第三十条 外国の中央政府及び中央銀行以外の公共部門(当該国による公共部門の定義によるものとする。)向けエクスポージャー(特定の事業からの収入のみをもって返済されることとなっているものを除く。)のリスク・ウェイトは、当該公共部門の所在する国の中央政府に付与された格付又はカントリー・リスク・スコアに対応する信用リスク区分に応じ、次の各号の表の左欄に定めるものとする。ただし、無格付の場合には、百パーセントとする。

一 適格格付機関の付与する格付の場合