添付一覧
○医療法等の一部を改正する法律の一部の施行等について(オンライン診療関係)
(令和8年3月27日)
(医政発0327第5号)
(各都道府県知事・各保健所設置市長・各特別区長あて厚生労働省医政局長通知)
(公印省略)
医療法等の一部を改正する法律(令和7年法律第87号。以下「改正法」という。)が令和7年12月12日に公布され、改正法のうち医療法(昭和23年法律第205号。以下「法」という。)の一部改正(オンライン診療関係)については、令和8年4月1日付けで施行することとされている。
これに伴い、今般、医療法施行令等の一部を改正する政令(令和8年政令第66号。以下「改正政令」という。)、医療法施行規則等の一部を改正する省令(令和8年厚生労働省令第46号。以下「改正省令」という。)、医療法第六条の五第三項及び第六条の七第三項の規定に基づく医業、歯科医業若しくは助産師の業務又は病院、診療所若しくは助産所に関して広告することができる事項の一部を改正する告示(令和8年厚生労働省告示第115号。以下「改正告示」という。)がそれぞれ令和8年3月27日に公布され、いずれも令和8年4月1日付けで施行・適用することとされている。
これらの改正の趣旨及び運用の詳細等は下記のとおりであるので、十分御了知の上、管内の関係機関等に対し、その周知を図るとともに、その運用に遺憾なきを期されたい。
記
第1 改正の趣旨
2040年以降を見据えたこれからの医療提供体制については、高齢化に伴う医療ニーズの変化や人口減少を見据えたものとする必要があり、特に、オンライン診療は、医療資源が少ない地域をはじめ、医療アクセスの確保に有用であるため、適切な実施と推進を図ることが重要である。
これまでオンライン診療については、「オンライン診療の適切な実施に関する指針」(平成30年3月30日付け医政発0330第46号厚生労働省医政局長通知別紙。以下「オンライン診療指針」という。)等の法令の解釈運用により、その実施を図ってきたが、改正法では、
① 医療法上の医療提供施設の一つとして、患者がオンライン診療を受ける施設である「オンライン診療受診施設」を位置づけ、診療所と比較して簡素な要件・手続等のもとでの整備を可能とすること
② オンライン診療指針の内容を省令に引き上げることで、違反に対しては都道府県知事等(保健所設置市長・区長を含む。)の是正命令等を可能とすること
等を内容とする改正を行い、オンライン診療の適切な実施と推進を図ることとしている。
第2 改正の主な内容
1 オンライン診療について
「オンライン診療」とは、医師又は歯科医師の使用に係る電子計算機と患者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で電子情報処理組織を使用し、映像及び音声の送受信により、医師又は歯科医師及び遠隔の地にある患者が相手の状態を相互に認識しながら通話することが可能な方法による診療をいう(改正法第1条による改正後の医療法(以下「新法」という。)第2条の2第1項)。
2 オンライン診療受診施設について
「オンライン診療受診施設」とは、当該施設の設置者が、業として、オンライン診療を行う医師又は歯科医師の勤務する病院、診療所、介護老人保健施設又は介護医療院に対して、その行うオンライン診療を患者が受ける場所として提供する施設をいう(新法第2条の2第2項)。
オンライン診療受診施設は、特に医療資源が少ない地域において、医療アクセスの向上に資するものであり、例えば、へき地等において、住民にとって身近な郵便局や公民館などを活用して設置されることが期待される。
なお、これまで、公衆又は特定多数人の患者に対するオンライン診療について、患者がオンライン診療を受ける場所において、診療所又は病院の開設が行われ、当該診療所等が確保した管理者(医師又は歯科医師)による監督及び管理・運営のもとで、医師又は歯科医師がオンライン診療を行う必要があったが、改正法の施行後は、当該場所がオンライン診療受診施設である場合であって、医師又は歯科医師が当該場所でオンライン診療のみを行う場合は、診療所等の開設がなくとも、当該医師又は歯科医師及びその勤務する診療所等の責任のもとで、オンライン診療を行うことが可能になる。
また、オンライン診療は、患者の居宅や特別養護老人ホーム等において受けることが可能であるが、このほかに、個々の患者の日常生活等の事情を踏まえ、居宅と同様、療養生活を営む場所として、患者が長時間にわたり滞在する場合にも、当該場所での受診が認められる。一方で、当該場所で、業としてオンライン診療が行われる場合には、少なくともオンライン診療受診施設としての設置の届出を行うものとする。
3 オンライン診療を行う医療機関の届出について
病院又は診療所の開設の許可を受けた者が、病院又は診療所を開設したときは10日以内に所在地の都道府県知事等に届け出なければならない事項に、「その勤務する医師又は歯科医師がオンライン診療を行うときはその旨」を追加する(改正省令による改正後の医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号。以下「新規則」という。)第3条第1項第5号)。また、届け出た事項に変更を生じたときも、10日以内に届け出なければならないものとする(同条第2項)。
同様に、診療所を開設した臨床研修等修了医師又は臨床研修等修了歯科医師が、法第8条第1項の規定により都道府県知事等に届け出なければならない事項及び変更時に届け出なければならない事項にも、「その勤務する医師又は歯科医師がオンライン診療を行うときはその旨」を追加する(新規則第4条第3号及び医療法施行令(昭和23年政令第326号)第4条第3項)。
ただし、いずれの場合にあっても、令和8年4月1日時点で現にその勤務する医師又は歯科医師がオンライン診療を行っている病院又は診療所の開設者については、令和9年3月31日までの間は、変更の届出を要しない事項とする(改正省令附則第3条)。そのため、当該変更の届出は、原則毎年1月1日から3月31日までの間で都道府県が設定する期間にG―MISを使用して行うこととされている医療機能情報提供制度における定期報告(※)と同時期に行うことが考えられる。
※ オンライン診療に関しては、「オンライン診療の実施の有無及びその内容」が報告事項
4 オンライン診療受診施設の設置に係る届出等について
(1) 設置に係る届出等
オンライン診療受診施設の設置者は、設置後10日以内に、オンライン診療受診施設の所在地の都道府県知事等に届け出なければならないものとする(新法第8条第2項)。また、届け出た事項に変更を生じたときは、10日以内に、所在地の都道府県知事等に届け出なければならないものとする(改正政令による改正後の医療法施行令第4条第4項)。
これらの規定に基づき届け出なければならない事項は、以下のとおりである(新規則第5条の2)。
【届出事項】
・ 設置者の住所及び氏名(法人であるときは、その名称及び主たる事務所の所在地)(*)
・ 名称(*)
・ 設置の場所(*)
・ 敷地の面積及び平面図
・ 建物の構造概要及び平面図
・ 設置者が法人であるときは、定款、寄附行為又は条例
・ 設置の年月日
また、オンライン診療受診施設の設置者は、正当の理由がないのに、そのオンライン診療受診施設を1年を超えて休止してはならず、休止又は再開したときは、10日以内に、都道府県知事等に届け出なければならないものとする(新法第8条の2第1項・第2項)。
加えて、オンライン診療受診施設の設置者が、そのオンライン診療受診施設を廃止したときは、10日以内に、都道府県知事等に届け出なければならないものとする(同法第9条第1項)。
更に、オンライン診療受診施設の設置者が死亡し、又は失踪の宣告を受けたときは、戸籍法(昭和22年法律第224号)の規定による死亡又は失踪の届出義務者は、10日以内に、その旨をその所在地の都道府県知事等に届け出なければならないものとする。(同条第2項)
なお、これらに違反した者は、20万円以下の罰金の対象となる(法第89条第1号)。
これらの届出の標準様式は別添2の様式例1から4までのとおりであるため、都道府県等においては、これを活用されたい。
また、保健所設置市長・区長は、毎年10月31日までに、その年の10月1日現在における所定の事項(上記届出事項のうち(*)が付された事項)を記載した書面を都道府県知事に通知しなければならないものとする(新法第25条の2、新省令第22条の5第3項)。
(2) 設置者等
オンライン診療受診施設は、個人又は法人が設置することが可能であり、設置者について、医療従事者であること等の要件は設定していない。
また、設置者や法人が定めた管理・運営責任者は、オンライン診療受診施設に常駐・専任であることを要しないが、遠隔で当該施設を管理等する場合も含め、通信機器の不具合や患者急変時等に、患者やオンライン診療を行う医師又は歯科医師、病院又は診療所、都道府県等が連絡できる連絡先を提示し、速やかに対応できる体制を確保することが求められる。
(3) その他
届出等を受け付けた都道府県知事等は、当該オンライン診療受診施設に関して、実地検査を行うことを要しない。一方で、当該施設の設置者については、オンライン診療基準において遵守すべき基準が定められているほか、公表を行う必要があり(いずれも後述)、これらを遵守して当該施設を管理等している旨を、設置後1か月以内を目途に、都道府県知事等に対し、記入した別添3のオンライン診療受診施設向けの「チェックリスト」により提出すること。
また、オンライン診療受診施設の設置者は、当該施設においてオンライン診療を提供する医療機関と協定・契約を結ぶことが考えられる。その場合、当該設置者は、患者の選択に資するため、当該医療機関(連携医療機関。複数ある場合は複数。)の名称等を、ウェブサイトへの掲載その他適切な方法により、公表するものとする。
また、オンライン診療受診施設の設置者は、医療計画の達成の推進に資するため、医療連携体制の構築のために必要な協力をするよう努めるものとされ(新法第30条の7第1項)、また、都道府県は、医療計画を作成し、又は医療計画に基づく事業を実施するために必要があると認めるときは、オンライン診療受診施設の設置者に対し、必要な情報の提供を求めることができる(同法第30条の5)などとされていることに留意されたい。
5 広告規制等について
(1) 医療広告
改正法においては、医療広告(医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告)における広告可能事項に、「その勤務する医師又は歯科医師がオンライン診療受診施設を利用してオンライン診療を行う病院又は診療所にあっては、当該オンライン診療を行う旨及び当該オンライン診療の内容に関する事項」を追加している(新法第6条の5第3項第15号)。また、オンライン診療基準(後述)の遵守に必要な事項を広告可能事項に追加したほか、オンライン診療受診施設等も、オンライン診療を行う医療機関について広告可能事項を広告できることを明確化した(同項第16号、改正告示による改正後の医療法第6条の5第3項及び第6条の7第3項の規定に基づく医業、歯科医業若しくは助産師の業務又は病院、診療所若しくは助産所に関して広告することができる事項(平成19年厚生労働省告示第108号)第4条第1項第20号及び第2項)。
(2) オンライン診療受診施設に関する広告等
オンライン診療受診施設は、患者がオンライン診療を受ける「場所」を提供するものであり、サービスに関する不当な表示は、一般に、不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)により禁止される。
もっとも、医療を受ける者による医療に関する適切な選択を支援するために必要な事項を定めること等により、医療を受ける者の利益の保護等を図ることを目的(法第1条)としている法においては、オンライン診療受診施設が医療を提供するものではない点について、患者が誤認しないようにする必要がある。そのため、オンライン診療受診施設に関しては、当該施設が医療を提供するものではない旨を、医療を受ける者が理解できる方法により明示した上で、医療を受ける者による医療に関する適切な選択が阻害されるおそれが少ない事項を広告できるものとした(新法第6条の7の2、新省令第1条の10の2)。
なお、都道府県知事等は、オンライン診療受診施設に関するものも含め広告が、これらの広告規制に違反しているおそれがあると認めるときは、当該広告をした者に対し必要な報告を命じること等ができる(新法第6条の8第1項)ほか、これらの広告規制に違反していると認める場合には、当該広告をした者に対し、期限を定めて、当該広告の中止又は内容の是正を命ずることができ(同条第2項)、当該命令に違反した者は、6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金の対象となる(法第87条第1号)。
また、オンライン診療受診施設でないものは、これにオンライン診療受診施設その他オンライン診療受診施設に紛らわしい名称を付けてはならないものとする(新法第3条第4項)。
なお、これに違反した者は、20万円以下の罰金の対象となる(法第89条第1号)。
これらの広告規制及びオンライン診療受診施設に関する類似名称使用に関する詳細については、「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)」(平成30年5月8日付け医政発0508第1号厚生労働省政局長通知別紙3)及び「医療広告ガイドラインに関するQ&A」(平成30年8月10日付け厚生労働省医政局総務課事務連絡別添)を参照されたい。
(参考) 厚生労働省HP:医療法における病院等の広告規制について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kokokukisei/index.html
6 オンライン診療基準、オンライン診療指針等について
(1) 総論
これまでオンライン診療については、オンライン診療指針等の法令の解釈運用により、その実施を図ってきた。オンライン診療指針における対応については、これまで研究班(※)において議論を行ってきたところであり、改正法の施行、適切なオンライン診療の普及に向けた対応、規制改革の観点における指摘、情報セキュリティ等の取り巻く環境の変化への対応を踏まえ、今般、見直しを行う。
(※) オンライン診療の適切な実施に関する研究(令和6年度~令和8年度:厚生労働行政推進調査事業費補助金健康安全確保総合研究分野地域医療基盤開発推進研究)
一方で、改正法においては、厚生労働大臣は、厚生労働省令で、①オンライン診療を行う病院又は診療所の施設・設備及び人員、②患者がオンライン診療を受ける場所、③患者に対する説明、④患者急変時の体制確保、⑤その他に関する事項について、オンライン診療の適切な実施に関する基準(以下「オンライン診療基準」という。)を定めなければならないものとされ、また、オンライン診療は、当該基準に従って行われなければならないものとされた(新法第14条の3)。
これを踏まえ、今般、オンライン診療基準は、オンライン診療指針の「最低限遵守する事項」を基本として規定するものとする(新省令第9条の6の3から第9条の6の19まで)。
オンライン診療基準の施行に当たっては、オンライン診療指針や「「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に関するQ&Aについて」(平成30年12月26日付け医政医発1226第3号厚生労働省医政局医事課長通知別添)を参照されたい。
また、これまでオンライン診療を適切に推進するため、「オンライン診療の利用手順を示した手引書等について」(令和6年3月29日付け厚生労働省医政局総務課事務連絡)において、チェックリストを示してきたが、オンライン診療基準を定めたこと、オンライン診療受診施設が創設されたこと等を踏まえ、別添3のとおり見直しを行ったため、活用されたい。
(2) 補足1:D to P with N
これまでのオンライン診療指針に基づく取扱いを踏まえ、オンライン診療基準では、オンライン診療を行う医師は、医師と同一の医療機関又は訪問看護指示書等の交付を受けた訪問看護ステーション等に勤務する看護師等に対して、診療計画や訪問看護指示書等に基づき予測された範囲内において、一般に診療の補助を行わせることが可能であるとする(新省令第9条の6の12第1項)。また、看護師等は、療養上の世話を行うことができる。
なお、オンライン診療受診施設における診療の補助の実施については、整理すべき事項があるため、国において今後検討して、下記も含めた必要な留意事項を周知していく。
【必要な留意事項の例】
・ 診療の補助に伴い生じる医療廃棄物の処理や、看護師等に持込み・使用等させる場合の医療機器の安全管理等は、医療機関又は訪問看護ステーション等が行う必要がある。
(※) オンライン診療受診施設から排出される感染性廃棄物は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)に基づく特別管理一般廃棄物又は特別管理産業廃棄物である。
・ また、オンライン診療受診施設に医療機器を設置して利用する場合も、医療機関又は訪問看護ステーション等は、当該機器が適切に管理されていることを、オンライン診療受診施設の設置者を通じるなどして定期的に確認し、その旨を文書で記録することが求められる。
・ その上で、オンライン診療受診施設で実施する採血、注射、エコー検査などの診療の補助には、衛生保持、検査精度等の観点で検討すべき課題があるため、今後国としてガイドライン等を整備することを検討することとしている。
(3) 補足2:オンライン診療受診施設に関する基準
オンライン診療受診施設の設置者は、当該施設が①清潔・安全であり、かつ、②外部から隔離された空間であること(プライバシー)を確保するための措置に加え、③当該施設においてオンライン診療に用いられるシステムの情報セキュリティの確保等に係る措置を講じなければならない(新省令第9条の6の17第1項)。
また、オンライン診療受診施設の設置者が法人である場合は、当該設置者は、当該施設の管理・運営責任者を置くものとする(同条第2項)。
(4) 補足3:オンライン診療受診施設でオンライン診療を行った旨の記録
患者がオンライン診療を受ける場所は、①清潔・安全であり、かつ、②外部から隔離された空間であること(プライバシー)が必要である(新省令第9条の6の16)。医師又は歯科医師は、オンライン診療の実施に当たり、患者の所在場所がこれらを満たした環境であることを確認する必要があるが、病院又は診療所と協定・契約を結んだオンライン診療受診施設であれば、当該病院又は診療所の管理者がこれらを満たした環境であることを確認している(後述)。
そのため、オンライン診療を行う医師又は歯科医師としては、患者の所在場所が、病院又は診療所と協定・契約を結んだオンライン診療受診施設であることを確認すれば足りるものであり、具体的には、当該施設を診療録に記録するなど適切な方法で記録することが望ましい。
7 オンライン診療受診施設の公表/医療機関の管理者の措置について
(1) オンライン診療受診施設の公表
オンライン診療受診施設の設置者は、当該施設がオンライン診療基準に適合していること等の公表を行うこととされており(新法第14条の5)、これを通じて、医療機関が適切な施設を選択して、適切にオンライン診療を実施できるようにしている。公表すべき事項及び方法は以下のとおりとする(新省令第9条の6の21)。
【公表事項】
① オンライン診療受診施設に関する基準(6(3))に基づき実施する措置の内容
② 当該施設が、患者の所在場所に関する基準(①清潔・安全、②外部から隔離された空間であること(プライバシー))に適合していること
③ 当該施設においてオンライン診療に用いられるシステムの情報セキュリティの確保等に係る措置を講じられていること
【公表方法】
・ ウェブサイトへの掲載その他適切な方法
なお、具体的な方法としては、記入した別添3のオンライン診療受診施設向けの「チェックリスト」を、当該施設のウェブサイト等に掲載することによって公表することが考えられる。
(2) 医療機関の管理者の措置
オンライン診療により医師又は歯科医師が行う(歯科)診療行為については、原則、当該医師又は歯科医師が責任を負うものであるが、当該医師又は歯科医師が勤務する病院又は診療所の管理者は、オンライン診療基準に適合したオンライン診療が行われるよう、必要な措置を講じることとされている(新法第14条の4)。当該必要な措置は以下のとおりとする(新省令第9条の6の20)。
① オンライン診療を行う医師又は歯科医師に対して、オンライン診療を行うために必要な知識及び技能を習得させるための指導等を講じること。
具体的には、オンライン診療を行う医師又は歯科医師に対して、以下の厚生労働省が定める研修を受講させることが想定される。
【医師】「オンライン診療を行う医師向けの研修」等
【歯科医師】「歯科におけるオンライン診療を行う歯科医師向けの研修」
(参考) https://www.mhlw.go.jp/stf/index_0024_00004.html
② 医師又は歯科医師がオンライン診療受診施設にいる患者に対してオンライン診療を行う場合には、当該施設が、オンライン診療基準に適合していること(7(1)②・③)を確認(※)し、これらに適合する事実が確認できない場合には、オンライン診療を中止し、その他適切な措置を講じること。
(※) 具体的には、オンライン診療受診施設において記入された別添3のオンライン診療受診施設向けの「チェックリスト」により、適合状況を確認することができる。
8 法令違反等への対応について
都道府県知事等は、オンライン診療に関して、自由診療の場合も含め、病院又は診療所に加え、オンライン診療受診施設についても、報告徴収・立入検査を行い、また、是正命令等を行うことができる(新法第24条の2、第25条第1項・第2項等)。
特に、オンライン診療受診施設に対する法第25条第1項に基づく立入検査については、随時実施することが想定される。
立入検査については、医療法令に照らすとともに、「医療法第25条第1項の規定に基づく立入検査要綱」(平成13年6月14日医薬発第637号・医政発第638号医薬局長・医政局長連名通知)を参考に実施されたい。
法に基づく命令・立入検査等については、対象となる病院、診療所又はオンライン診療受診施設が所在する都道府県知事等が実施することが想定されるが、オンライン診療は、遠隔で行われるものであるため、オンライン診療実施病院等と患者所在地・オンライン診療受診施設の所在都道府県が異なる場合には、都道府県等間で連携する必要が生じ得るため、その点について留意いただきたい。
特に、オンライン診療に関して問題がある(と疑われる)場合は、必要に応じて、当該オンライン診療を行う病院又は診療所の所在する都道府県等が立入検査等を行うことが想定されるが、オンライン診療受診施設に関して問題がある(と疑われる)場合には、必要に応じて、当該施設の所在都道府県等が当該施設に対して立入検査等を行うだけでなく、当該施設を利用してオンライン診療を行っている病院又は診療所の所在する都道府県等も、当該病院又は診療所に情報提供や立入検査等を行うことが想定される。その際、立入検査等を行う都道府県等の職員においては、病院、診療所又はオンライン診療受診施設が記載した別添3の「チェックリスト」を活用して、オンライン診療基準等の遵守状況を確認されたい。
また、オンライン診療受診施設に関しては、法令違反だけでなく、「運営が著しく適正を欠く(疑いがある)と認める」場合(例えば、不衛生・危険な環境が放置され、次々とオンライン診療実施病院等との連携が進んでいる場合)には、必要に応じて、当該施設が所在する都道府県知事等が、当該施設に対して立入検査・是正命令等を講じること(例えば、清潔保持を命令し、従わないときは当該施設の全部又は一部の業務停止を命令し、更に当該命令に違反したときは期間を定めて当該施設の閉鎖を命じること等)が考えられる。
なお、国が設置するオンライン診療受診施設に関しては、法第6条の規定に基づき、都道府県知事等は、
・ 法令違反等を認めるときに、主務大臣に対し、必要な措置をとるべきこと及び全部又は一部の業務を停止すべきことを申し出ることができる(新政令第1条の5による読替後の新法第24条の2第1項・第2項)。
・ また、必要があると認めるとき等は、主務大臣に対し、必要な報告をすべきこと、診療録等の物件を提出すべきことの申出等を行うことができる(新政令第1条の5による読替後の新法第25条第1項・第2項)。
(※) 国立大学法人、国立病院機構(NHO)、労働者健康安全機構(JOHAS)、地域医療機能推進機構(JCHO)、国立高度専門医療研究センター(NC)、国立健康危機管理研究機構(JIHS)等が設置するオンライン診療受診施設についても同様の適用がある。
9 その他
(1) 他法令の関係
・ オンライン診療受診施設は、受動喫煙により健康を損なうおそれが高い患者が主として利用する施設であるため、健康増進法(平成14年法律第103号)第28条第5号に規定する第一種施設とし、敷地内禁煙の対象とすることとする(改正政令による改正後の健康増進法施行令(平成14年政令第361号)第3条第10号)。
・ 居宅におけるオンライン診療の場合と同様に、オンライン診療受診施設において行われるオンライン診療に係る医療関連業務についても、労働者派遣事業を行ってはならない(改正政令による改正後の労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行令(昭和61年政令第95号)第2条第1項及び第4条第1項)。
・ オンライン診療受診施設は、消防法施行令(昭和36年政令第37号)別表第一に掲げる防火対象物の用途の判定に当たっては、当該場所そのものとしては、同政令別表第一(15)項(「前各項に該当しない事業場」)として取り扱うことが想定されるとされている。
(参考) 医療法等の一部を改正する法律の施行に伴うオンライン診療受診施設に係る消防法令上の取扱いについて(通知)(令和8年2月24日付け消防予第67号消防予防課長通知)
(2) その他
以下の厚生労働省のウェブサイトにおいて、オンライン診療に関する関係通知や資料を掲載しているほか、「オンライン診療に関するQ&A」も随時更新し、当該ウェブサイトにおいて掲載しているため、適宜参照されたい。
(参考1) 厚生労働省HP:オンライン診療について
https://www.mhlw.go.jp/stf/index_0024_00004.html
(参考2)
別添1 官報(改正法(抄)、改正政令、改正省令、改正告示)※オンライン診療関係部分
別添2 オンライン診療受診施設に係る届出の標準様式
・様式例1 オンライン診療受診施設設置届出書
・様式例2 オンライン診療受診施設休止・再開届出書
・様式例3 オンライン診療受診施設廃止届出書
・様式例4 オンライン診療受診施設設置者死亡・失踪届出書
別添3 チェックリスト
・(医療機関向け)基準等遵守の確認をするためのチェックリスト
・(医療機関向け)患者に対して説明すべき内容のチェックリスト
・(オンライン診療受診施設向け)基準等遵守の確認をするためのチェックリスト
・(国民患者向け)基準等遵守の確認をするためのチェックリスト
[別添1]
[様式ダウンロード]
[別添2]
[別添3]
