添付一覧
○タグラキソフスプ(遺伝子組換え)製剤の使用にあたっての留意事項について
(令和7年12月22日)
(/医薬薬審発1222第3号/医薬安発1222第1号/)
(各都道府県・各保健所設置市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬局医薬品審査管理課長・厚生労働省医薬局医薬安全対策課長通知)
(公印省略)
タグラキソフスプ(遺伝子組換え)製剤(販売名:エルゾンリス点滴静注1000μg、以下「本剤」という。)については、本日、「芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍」を「効能又は効果」として、承認されたところです。
本剤は小児患者を対象に有効性及び安全性を検討することを目的とした臨床試験成績が得られておらず、かつ海外の製造販売後における小児患者への使用経験が極めて限られていることから、その使用にあたっては、特に下記の点について留意されるよう、貴管下の医療機関に対する周知をお願いします。
なお、本通知の写しについて、別記の関係団体宛てに連絡するので、念のため申し添えます。
記
1.本剤の適正使用について
(1) 本剤については、承認に際し、以下の条件が付されている。
【承認条件】(電子化された添付文書抜粋)
1.医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
2.製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、小児患者については全症例を対象に使用成績調査を実施すること。
3.小児患者に対しては、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、臨床試験と同程度の安全性確保の方策が実施可能な施設において、小児の造血器悪性腫瘍に関する十分な知識・経験を持つ医師のもとで、適切な対応がなされる体制下で本剤が投与されるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること。
(2) 「警告」、「効能又は効果」、「用法及び用量」及び「用法及び用量に関連する注意」は以下のとおりであるので、特段の留意をお願いしたい。なお、その他の使用上の注意については、電子化された添付文書を参照されたい。
【警告】(電子化された添付文書抜粋)
・本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、本剤による治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
・毛細血管漏出症候群があらわれ、死亡に至った症例が報告されている。特に治療初期は入院管理下で本剤の投与を行うこと。また、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に血清アルブミン値、血圧、脈拍数、体重の測定、心機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。低血圧、浮腫、低アルブミン血症、体重増加、肺水腫、胸水、腹水、血液濃縮等が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと
【効能又は効果】(電子化された添付文書抜粋)
・芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍
【用法及び用量】(電子化された添付文書抜粋)
・通常、成人及び2歳以上の小児には、タグラキソフスプ(遺伝子組換え)として12μg/kgを1日1回5日間15分かけて点滴静注し、16日間休薬する。この21日間を1サイクルとし、投与を繰り返す。
【用法及び用量に関連する注意】(電子化された添付文書抜粋)
・1サイクル目の投与開始前に血清アルブミン値が3.2g/dL未満の場合には、本剤の投与を開始しないこと。
・本剤の投与にあたっては、以下の基準を参考に、本剤の休薬等を考慮すること。また、各サイクルの投与は10日目までに終了し、5日間の投与ができない場合であっても、11日目以降は投与しないこと。
基準注1) |
処置 |
投与開始後に血清アルブミン値が3.5g/dL未満又は血清アルブミン値が当該サイクルの投与開始前の値から0.5g/dL以上減少 |
回復するまで休薬する注2)。 |
体重が前回投与した日の投与開始前から1.5kg以上増加 |
|
浮腫、水分過負荷、低血圧 |
|
ALT又はASTが基準値上限の5倍超 |
基準値上限の2.5倍以下に回復するまで休薬する。 |
過敏症 |
グレード1又は2の場合、回復するまで休薬する。 グレード3以上の場合は、中止する。 |
血清クレアチニン値が1.8mg/dL超又はクレアチニンクリアランスが60mL/分未満 |
回復するまで休薬する。 |
収縮期血圧が160mmHg以上 |
|
心拍数が130bpm以上又は40bpm以下 |
|
体温が38℃以上 |
注1) 小児については、本基準を参考に、患者の年齢や状態に応じて、休薬等の必要性を検討すること。
注2) 当該サイクルにおいて治療を要する血行動態の不安定化が認められた場合は、基準に定める症状が回復しても、当該サイクルでの投与を再開しないこと。
・本剤投与による過敏症又はInfusion reactionを軽減させるために、本剤投与1時間前に抗ヒスタミン剤、H2受容体拮抗剤、解熱鎮痛剤及び副腎皮質ホルモン剤の前投与を行うこと。
・他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
(3) 小児患者に対しては、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、臨床試験と同程度の安全性確保の方策が実施可能※1であり、小児の造血器悪性腫瘍に関する十分な知識・経験を持つ医師※2のいる施設に対して、製造販売業者から製品及び安全対策の事前説明※3を行った上で納入すること。
※1:施設要件
小児がん拠点病院、臨床研究中核病院及び小児がん連携病院1―Aのいずれかに該当する施設
※2:医師要件
・小児がん患者の薬物療法に関する十分な知識と経験があり、かつ使用予定の造血器悪性腫瘍の診断及び治療に十分な知識を有する医師
・製造販売業者の担当者が定期的に連絡を取ることが可能な医師
・製造販売業者が依頼する本剤の安全対策に協力が可能な医師
※3:医療従事者への事前説明
製造販売業者の担当者は、初回の納品前に、医師、薬剤師等の医療従事者を対象とした製品説明及び安全対策の説明を実施し、必要な資料を提供する。
また、製造販売業者の担当者は、医療従事者に、本剤の治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明することを依頼する。
別記
公益社団法人 日本医師会
一般社団法人 日本癌治療学会
公益社団法人 日本臨床腫瘍学会
一般社団法人 日本血液学会
公益社団法人 日本小児科学会
一般社団法人 日本小児血液・がん学会
一般社団法人 日本皮膚悪性腫瘍学会
公益社団法人 日本皮膚科学会
公益社団法人 日本薬剤師会
一般社団法人 日本病院薬剤師会
日本新薬株式会社
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
各地方厚生局
