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○医薬品横断的なコンパニオン診断薬等の該当性評価に基づく承認事項の一部変更承認申請について(非小細胞肺癌患者におけるEGFR遺伝子変異)

(令和7年9月5日)

(/医薬薬審発0905第1号/医薬機審発0905第1号/医薬安発0905第1号/)

(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬局医薬品審査管理課長・厚生労働省医薬局医療機器審査管理課長・厚生労働省医薬局医薬安全対策課長通知)

(公印省略)

「医薬品横断的なコンパニオン診断を目的とする体外診断用医薬品等の取扱いについて」(令和4年3月31日付け薬生薬審発0331第1号、薬生機審発0331第1号、薬生安発0331第1号、厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長、医療機器審査管理課長、医薬安全対策課長連名通知)に基づき、医薬品横断的なコンパニオン診断薬等(以下「医薬品横断的CDx」という。)の要件に該当すると判断されたコンパニオン診断薬等(以下「CDx」という。)については、当該CDxの製造販売業者において、医薬品横断的CDxとして取り扱うための承認事項の一部変更承認申請の手続きを行うこととしているところです。

今般、医薬品医療機器総合機構(PMDA)において、非小細胞肺癌患者におけるEGFR遺伝子変異(ただし、エクソン20挿入変異を除く。)を対象とするCDxについて医薬品横断的CDxへの該当性の評価が行われ、別添のとおりその報告書がとりまとめられましたので、ご承知おきください。

なお、該当するCDxを取り扱う製造販売業者に対して、医薬品横断的CDxとして取り扱うための承認事項の一部変更承認申請を行うよう連絡している旨申し添えます。

[別添]

医薬品横断的なコンパニオン診断薬等への該当性に係る評価報告書

令和7年8月29日

独立行政法人医薬品医療機器総合機構

1.提案者

特定非営利活動法人日本肺癌学会

2.候補製品(提案書の順番のとおり)

製品1

販売名

コバスEGFR変異検出キットv2.0

承認番号

22800EZX00011000

製造販売業者

ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社

製品2

販売名

オンコマインDx Target TestマルチCDxシステム

承認番号

23000BZX00089000

製造販売業者

ライフテクノロジーズジャパン株式会社

製品3

販売名

therascreen EGFR変異検出キットRGQ「キアゲン」

承認番号

22300AMX01256000

製造販売業者

株式会社キアゲン

製品4

販売名

FoundationOne CDxがんゲノムプロファイル

承認番号

23000BZX00403000

製造販売業者

中外製薬株式会社

製品5

販売名

EGFRリキッド遺伝子解析ソフトウェア

承認番号

30200BZX00249000

製造販売業者

株式会社DNAチップ研究所

製品6

販売名

AmoyDx肺癌マルチ遺伝子PCRパネル

承認番号

30300EZX00076000

製造販売業者

株式会社理研ジェネシス

製品7

販売名

肺がんコンパクトパネルDxマルチコンパニオン診断システム

承認番号

30400BZX00263000

製造販売業者

株式会社DNAチップ研究所

3.提出された提案書の概略及び医薬品医療機器総合機構における評価の概要

(1) 提案書が提出された経緯

「医薬品横断的なコンパニオン診断を目的とする体外診断用医薬品等の取扱いについて」(令和4年3月31日付け薬生薬審発0331第1号、薬生機審発0331第1号、薬生安発0331第1号)(以下「横断化通知」という。)に基づき、2.に記載した製品は要件(1)から(3)に該当することから、当該製品を医薬品横断的CDxとして扱うことが提案された。

要件(1) 適応対象(対象とする疾患(悪性腫瘍の場合にはがん種)、バイオマーカー及び検査対象とする検体種)が同一となるCDxが複数承認されていること。

要件(2) いずれのCDxも互いに異なる医薬品の適応判定の補助を目的として承認されていること。

要件(3) いずれのCDxの検査結果も互いに異なる医薬品の適応判定の補助に際して、科学的に妥当と判断される範囲にて互換使用できること。

提案書では、特定非営利活動法人日本肺癌学会(以下「肺癌学会」という。)から、EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌に対して承認されている医薬品(以下「EGFR分子標的薬」という。)の適応判定の補助に使用されるコンパニオン診断薬等(以下「CDx」という。)の実臨床における使用状況及び問題点が以下のように説明された。

EGFR分子標的薬ではそれぞれ効能、副作用等に特徴があり、検出された遺伝子変異に応じて使用するEGFR分子標的薬が選択されることから、EGFR分子標的薬を選定する前にCDxが使用される状況である。しかしながら、使用したCDxが、検出された遺伝子変異に基づき使用することが適切と考えられるEGFR分子標的薬に対応していない場合は、保険診療上は当該分子標的薬が使えず、患者が適切な治療を受けられないことが懸念される。

上述の問題を解決するにあたり、非小細胞肺癌組織におけるEGFR遺伝子変異を検出するCDxについて、どのEGFR分子標的薬の適応判定の補助の目的で承認されているかに関わらず、横断的に使用することが肺癌学会から提案された。ただし、EGFR遺伝子変異を検出するCDxには血漿検体を使用するものも存在するが、血漿検体を使用する検査と組織検体を使用する検査では相関性試験成績の解釈が容易ではなく、検出限界も異なることから、血漿検体を使用するCDxを横断的使用の範囲から除外することが説明された。したがって、製品1及び製品5については、組織検体及び血漿検体のいずれも使用可能であるが、組織検体を使用する場合のみ横断的使用の範囲とすることが提案された。また、エクソン20挿入変異については、現時点で同変異に基づいて適応判定を行うEGFR分子標的薬が承認されていないこと、及び各製品間における分析学的同等性が十分に評価されていないことから、本件において対象とするバイオマーカーから除外することが説明された。

(2) 医薬品横断的CDxの要件への該当性に関する提案内容

肺癌学会は、横断化通知に記載された各要件への該当性について、以下のように説明した。

要件(1)及び要件(2)については、表1のとおり各製品が承認されており、要件に該当する。

表1 各候補製品と対応するEGFR分子標的薬の組合せ


ゲフィチニブ

エルロチニブ塩酸塩

アファチニブマレイン酸塩

オシメルチニブメシル酸塩

ダコミチニブ水和物

製品1

製品2

製品3

×

製品4

製品5

×

×

製品6

×

製品7

×

要件(3)については、以下の評価に基づき該当性を説明した。

各製品間の同等性については、添付文書において公表されている試験成績(表2参照)に基づき評価が可能である。なお、製品5を除きFFPE検体が使用され、製品5においては未固定組織検体が使用された。表2の数値については、有効数字の記載方法が各社各試験で異なることから、添付文書のまま転記した。また、具体的な対照法が明確になっていないものについても添付文書のまま転記した。

表2 各製品の添付文書に記載された相関性試験成績


対照法

検体数

陽性一致率

陰性一致率

製品1

A社 リアルタイムPCR法*1

118

100%

98%

B社 リアルタイムPCR法*1

118

100%

100%

コバスEGFR遺伝子変異キット*2

369

96.6%

96.3%

NGS法

368

88.3%

97.3%

製品2

リアルタイムPCR法―1*3

119

100%

95.2%

リアルタイムPCR法―2*4

193

98.6%

99.2%

製品3

サンガー法

360

99.4%

86.6%

前世代品

192

97.09%

97.75%

製品4

既承認品A(PCR法)*5

262

98.1%

99.4%

既承認品A(PCR法)及び既承認品B(PCR法)*6

129

97.2%

100%

既承認品A(PCR法)及び既承認品C(PCR法)*7

196

98.9%

86.1%

製品5

PNA―LNA PCRクランプ法*8

156

88.2%

100%

製品6

A社PCR検査キット*9

226

99.4%

96.6%

B社NGS検査

334

100%

98.5%

製品7

既承認体外診断用医薬品(PCR法)*10

150

100%

90.9%

*1 初回承認後、対象となる医薬品にダコミチニブ水和物が追加されていることから、A社又はB社のリアルタイムPCR法は製品3であると考えられる。

*2 製品1の前世代品。T790M変異のみを対象とした相関性試験。

*3 エクソン19欠失変異及びL858R変異を対象とした相関性試験。オシメルチニブメシル酸塩を含むCDxとして承認された根拠となっていることから、対照法は製品1であると考えられる。

*4 ダコミチニブ水和物のCDxとして承認された根拠となっていることから、対照法は製品3であると考えられる。

*5 エクソン19欠失変異及びL858R変異を対象とした相関性試験。オシメルチニブメシル酸塩を含むCDxとして承認された根拠となっていることから、対照法は製品1であると考えられる。

*6 エクソン19欠失変異及びL858R変異を対象とした相関性試験。ダコミチニブ水和物のCDxとして承認された根拠となっていることから、既承認品A又はBは製品3であると考えられる。

*7 T790M変異を対象とした相関性試験。オシメルチニブメシル酸塩を含むCDxとして承認された根拠となっていることから、既承認品A又はCは製品1又はコバスEGFR遺伝子変異キットのいずれかであると考えられる。

*8 エクソン19欠失変異及びL858R変異を対象とした相関性試験。

*9 オシメルチニブメシル酸塩を含むCDxとして承認された根拠となっていることから、対照法は製品1であると考えられる。

*10 添付文書に記載された文献1では製品1であることが記載されている。

医薬品の臨床試験に紐づき開発されたCDx(以下「オリジナルCDx」という。)の後発的位置づけのCDx(以下「後発CDx」という。)については、オリジナルCDxとの同等性に基づき臨床性能を評価する必要がある。したがって、「コンパニオン診断薬等及び関連する医薬品の承認申請に係る留意事項について」(平成25年7月1日付け薬食審査発0701第10号)の発出以降に承認されたオシメルチニブメシル酸塩及び/又はダコミチニブ水和物の適応判定の補助として承認されているCDxはそれぞれ製品1及び/又は製品3との同等性が評価され、その試験成績が添付文書で公表されていると考えられる。その前提に立てば、表2に示された試験成績に基づき、製品5以外の製品では製品間の同等性が示されている。

製品5では、PNA―LNA PCRクランプ法を用いてEGFR遺伝子変異の検出に係る相関性試験が実施された。PNA―LNA PCRクランプ法はゲフィチニブの第Ⅲ相臨床試験において患者の組入れに用いられた方法であり2、保険診療下で使用可能な自家調整検査である。また、PNA―LNA PCRクランプ法と製品1、製品2、製品3等との同等性に関する文献が多数報告されていることから、PNA―LNA PCRクランプ法との同等性に基づき承認された製品5も他の製品との分析学的に同等であると考えられる。

また、T790M変異に関しては、製品1との同等性が十分に示されていない製品があるが、L858R変異等の他の一塩基置換における検出性能の同等性が示されていることから、後述する最小検出感度について注意喚起を行うことで、横断的使用において実質的に問題はない。

その他、査読付き文献に基づき各製品間の同等性、各製品と標準的検査法との同等性等を説明した。

肺癌学会は、CDxの間の差異を踏まえた臨床現場におけるリスク最小化の方策について、以下の4点を検討した。

1) 横断的CDx使用にあたってのエクソン20挿入変異の除外について

エクソン20挿入変異は100種類以上の変異が報告されており、医薬品の効果の観点からも当該変異に多様性があることが知られている3。しかしながら、製品1及び製品3を含むPCRをベースとした6つの検査では、そもそも設計上エクソン20挿入変異を十分にカバーしておらず、検出率は11.8%から58.9%であった4。以上を踏まえ、今回の横断的CDxの範囲に関しては、エクソン20挿入変異を含めるべきではなく、別途考慮されるべきである。

2) 検出対象となる遺伝子変異の違いについて

各製品では検出可能な遺伝子変異の範囲が異なるため、当該範囲を理解して使用することが適切である。そのため、検出可能な遺伝子変異の範囲、compound mutationsの有無による影響等について、肺癌学会の「肺癌患者におけるバイオマーカー検査の手引き」(以下「検査の手引き」という。)等により注意喚起を行う予定である。

3) 最小検出感度について

各製品では最小検出感度が異なるため、特性を十分に理解して使用することが適切である。代表的なEGFR遺伝子変異における、各製品の添付文書において公表されている最小検出感度は以下のとおりである。試験検体については、各社記載方法が統一されていないが、添付文書のまま転記した。また数値については、有効数字の記載方法が各社各試験で異なることから、添付文書のまま転記した。なお、製品3のみヒットレート法ではなく、回帰分析で最小検出感度が算出された。

表3 各製品の添付文書に記載された最小検出感度


試験検体

L858R変異

エクソン19欠失変異

T790M変異

製品1

FFPE組織検体

3.96~5.32%

1.39~2.53%

2.04~3.03%

製品2

非小細胞肺癌検体

5.3%

4.4%

5.7%

製品3

細胞株、プラスミド及び臨床検体

5.94%(細胞株)

0.14~16.87%(変異ごとに検体種が異なる)

9.72%(細胞株)

製品4

記載なし

2.4%

5.1%

2.5%

製品5

記載なし*1

検出対象外

製品6

感度試験用管理物質

1%

1%

2%

製品7

記載なし

記載なし

記載なし

記載なし

*1 添付文書の使用上の注意において、組織検体で5%未満のアレル頻度のエクソン19欠失変異及びL858R変異を検出するため、対象となる医薬品の臨床試験において有効性及び安全性が評価されていない集団も陽性となる可能性がある旨の注意喚起が記載されている。

また製品7について、添付文書に記載された文献1では、Horizon Discovery社の標準品及び野生型の肺組織を用いてエクソン19欠失変異、L858R変異又はT790M変異のアレル頻度を1%に調整した24検体をそれぞれ作成し、感度の評価を実施した結果、偽陰性が生じた割合は0%(0/24)であったことが報告されており、最小検出感度は1%以下であることが示唆される。実際に、最小検出感度はL858R変異0.20%、エクソン19欠失変異0.14%、T790M変異0.48%であるとする報告5もある。

表3の結果を踏まえると、特に欠失変異については製品間で最小検出感度が異なる。また、第一世代又は第二世代のEGFR分子標的薬を投与した後の二次治療においてT790M変異の有無を検討する場合、臨床試験に紐づく製品1の最小検出感度を参考に製品を選択する必要がある。これらの使用上の注意点については、肺癌学会の検査の手引き等により注意喚起を行う予定である。また、添付文書等において最小検出感度が公表されていないものや最小検出感度の評価方法が公表されてないものについては、肺癌学会として製造販売業者及びその関連企業に公表を求めていく予定である。

4) 不一致例について

検出対象となる変異の違い、検体の腫瘍細胞含有割合と最小検出感度の関係等により製品間で結果が不一致となる可能性がある。それぞれの検査法での検出原理や特徴が異なることから不可避の現象であるが、患者にとって検査結果の確かさは治療戦略を決定する上で極めて重要である。肺癌学会として、検査方法の違いによる不一致の可能性について十分に注意喚起するとともに、現在の保険診療でも適用可能な他の検査方法(例えば、がん遺伝子パネル検査の積極的な活用など)について周知を行う予定である。また、不一致例の原因探求を行い、それぞれの検査方法による特徴を理解する必要がある。

(3) 医薬品医療機器総合機構における評価の概要

医薬品医療機器総合機構(以下「総合機構」という。)の医薬品横断的CDxへの該当性に関する考え方については、横断化通知に基づき「医薬品横断的コンパニオン診断薬等に関するガイダンス等について」(令和4年6月28日付け薬機発第0628013号通知。以下「ガイダンス通知」という。)にて公表しているところである。専門協議の議論を踏まえた総合機構の判断は、以下のとおりである。

なお、本提案に対して行われた専門協議の専門委員からは、「医薬品医療機器総合機構における専門協議等の実施に関する達」(平成20年12月25日付け20達第8号)第4節に該当しない旨の申し出がなされている。

1) 解析対象遺伝子変異の差異について

ガイダンス通知では、「特定の遺伝子の複数種類の変異を検出するCDxについて、製品間で解析対象とする遺伝子変異が完全に一致していない場合もあると考えられる。このような場合においても、医薬品の対象疾患を代表する患者集団の検体を用いた同等性試験でCDx間の高い判定一致割合が認められており、製品間の解析対象の差異が、対象疾患において検出頻度が低いまれな遺伝子変異においてのみ認められる場合には、これらのCDxは要件3を満たすと考えられる。」とされている。肺癌学会の検査の手引きでcommon mutationとされるエクソン19欠失変異及びL858R変異は全ての製品で検出可能である。ただし、製品5ではuncommon mutationとされるG719X変異、S768I変異、L861Q変異等が検出できず、その他の製品においてもE709X変異等の一部のuncommon mutationが検出できない。uncommon mutationやcompound mutationsについては、肺癌学会が提案するように、検出可能な遺伝子変異の範囲等について検査の手引きで注意喚起がなされれば、実臨床上大きな問題はないと考えられる。

T790M変異については、製品5以外で検出可能である。一方で、表2の同等性試験成績及びその他の文献においても、T790M変異に絞った検出性能の同等性が評価されているケースは少なく、全ての製品間での同等性は評価されていない。しかしながら、他の変異とバイオマーカーとしての位置づけの差異がなくなりつつあること、及びT790M変異は一塩基置換であり、L858R変異等の他の一塩基置換における検出性能の同等性が示されていることから、最小検出感度等の注意喚起を行うことで肺癌学会の提案のとおり横断化の範囲に含めることに問題はない。ただし、T790M変異検出に係る最小検出感度がオリジナルCDxである製品1より低い製品2及び製品3については、添付文書に注意喚起を行うことが適切である。

エクソン20挿入変異については、変異に多様性があり、同等性が評価されていないことから、肺癌学会の提案のとおり横断化の範囲に含めないことが適切である。また今般、エクソン20挿入変異の有無に基づいて適応判定を行うEGFR分子標的薬が承認されたことから、横断的CDxを使用する前には、機構のホームページ及び肺癌学会の検査の手引きを参照し、横断的CDxの適用となるバリアントの範囲やエクソン20挿入変異を検出対象に含む製品等を確認した上で、使用者の目的に応じてCDxを選択することが適切である。肺癌診療におけるバイオマーカー検査は実臨床において広く普及していることから、肺癌学会の検査の手引きを参照して必要なCDxを選択する運用に特段の問題はないと考える。

2) 各製品間の同等性評価について

ガイダンス通知では、既承認CDx製品間の同等性試験における判定一致割合等に基づき該当性が評価されるとしている。総合機構は、表2の成績に基づき横断化は可能とする肺癌学会の提案に異論はない。製品5については、検出対象となる変異が限られており、使用する検体も他の製品と異なる。また、他の製品と直接的に同等性が評価されていない。しかしながら、肺癌学会の提案及び上述の総合機構の検討を踏まえ、現時点で得られた公表情報に基づき製品5を横断化の対象とすることに大きな問題はないと判断した。なお、当該方針について専門委員からも支持された。ただし、肺癌学会が提案するように、最小検出感度等の情報提供は必要と考えるため、各製品の製造販売業者は肺癌学会と適切に連携して製造販売することが適切である。

4.医薬品横断的CDxとするための薬事上の手続きについて

以上の検討を踏まえ、総合機構は肺癌学会から提案のあった7製品については、医薬品横断的CDxに該当すると判断した。体外診断用医薬品である製品1、製品3及び製品6については、以下の「重要な基本的注意」の項を記載することを前提に、以下の使用目的に変更することは可能である。

【使用目的】

がん組織から抽出したDNA中のEGFR遺伝子変異の検出(EGFRに対する分子標的薬の非小細胞肺癌患者への適応を判定するための補助に用いる)

【重要な基本的注意】

・本品によるEGFR検査の実施に際しては関連学会のガイドライン等を参照すること。

・本品によるEGFRに対する分子標的薬の適応判定の補助においては、横断化に係る報告書の内容を熟知、理解した上で使用すること。また横断化に係る報告書及び横断的CDxにより適応判定が可能な医薬品の情報については、以下のウェブサイトから入手可能である。

(コンパニオン診断薬WGのホームページのアドレスを記載)

・ (製品3のみ)EGFR遺伝子T790M変異の検出感度がオシメルチニブメシル酸塩の臨床試験における組入れ検査より低いことから、偽陰性となる可能性があることに留意すること。

また、医療機器である製品2、製品4、製品5及び製品7については、以下の「使用目的又は効果に関連する使用上の注意」の項を記載することを前提に、使用目的又は効果を以下のごとく変更することは可能である。

【使用目的又は効果】

・検出するバイオマーカーを「EGFR遺伝子変異」とする。

・対応する医薬品を「EGFRに対する分子標的薬」とする。

【使用目的又は効果に関連する使用上の注意】

・本品によるEGFR検査の実施に際しては関連学会のガイドライン等を参照すること。

・本品によるEGFRに対する分子標的薬の適応判定の補助においては、横断化に係る報告書の内容を熟知、理解した上で使用すること。また横断化に係る報告書及び横断的CDxにより適応判定が可能な医薬品の情報については、以下のウェブサイトから入手可能である。

(コンパニオン診断薬WGのホームページのアドレスを記載)

・ (製品2のみ)EGFR遺伝子T790M変異の検出感度がオシメルチニブメシル酸塩の臨床試験における組入れ検査より低いことから、偽陰性となる可能性があることに留意すること。

以上

【参考文献】

1.Kato K, et al.,“Analytical performance of a highly sensitive system to detect gene variants using next‐generation sequencing for lung cancer companion diagnostics.”Diagnosis, 2023, 13, 1476.(doi:10.3390/diagnostics13081476.)

2.Maemondo M, et al.,“Gefitinib or chemotherapy for non‐small‐cell lung cancer with mutated EGFR.”New Eng.J.Med., 2010, 362, 2380.(doi:10.1056/NEJMoa0909530.)

3.Viteri S, et al.,“Frequency, underdiagnosis, and heterogeneity of epidermal growth factor receptor exon 20 insertion mutations using real‐world genomic datasets.”Mol. Oncol., 2022, 17, 230.(doi:10.1002/1878‐0261.13327.)

4.Ou SI, et al.,“Distribution and detectability of EGFR xxon 20 insertion variants in NSCLC.”J. Thorac. Oncol., 2023, 18, 744.(doi:10.1016/j.jtho.2023.01.086.)

5.Kato K, et al.,“Analytical Performance of a Highly Sensitive System to Detect Gene Variants Using Next‐Generation Sequencing for Lung Cancer Companion Diagnostics.”Diagnostics(Basel), 2023, 13, 1476.(doi:10.3390/diagnostics13081476.)

【略語等一覧表】

略語

英語

日本語

CDx

Companion Diagnostics

コンパニオン診断薬等

EGFR

Epidermal Growth Factor Receptor

上皮成長因子受容体

FFPE

Formalin Fixed Paraffin Embedded

ホルマリン固定パラフィン包埋

LNA

Locked Nucleic Acid

ロック核酸

NGS

Next‐generation sequencer

次世代シークエンサー

PCR

Polymerase Chain Reaction

ポリメラーゼ連鎖反応

PNA

Peptide Nucleic Acid

ペプチド核酸