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○「睡眠ヘルスケアサービスの適正広告自主基準」について

(令和7年7月17日)

(事務連絡)

(各都道府県・各保健所設置市・各特別区衛生主管部(局)あて厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課通知)

今般、一般社団法人睡眠ヘルスケア協議会より、別添を作成したとの報告がありましたので、参考までに情報提供いたします。

[別添]

睡眠ヘルスケアサービスの適正広告自主基準

第1版:2025年7月17日

一般社団法人睡眠ヘルスケア協議会

<目次>

1.趣旨

2.対象とする商品・サービスについて

3.対象とする広告について

4.本自主基準が主に参考とした関連法令

5.広告表現にあたって留意すべきこと

5―1.前提となる考え方

5―2.適正な広告表示の考え方

・薬機法の観点からの適正広告の考え方

・景表法の観点からの適正広告の考え方

6.スリープサポート認証を受けた製品に関する広告表現

7.留意事項

8.免責事項

1.趣旨

一般社団法人睡眠ヘルスケア協議会は、一般消費者が安心して質の高い睡眠サービスを利用できる健全な市場形成の実現に向けた基盤づくりを目指し、睡眠関連商品・サービスの品質向上と市場の透明性の確保に取り組んでいる。この目的のもと、当協議会では、睡眠サービスを提供する事業者が共通の基準を持てるようにするため、「睡眠サービス提供事業者が遵守すべきガイドライン」の指針を策定し、事業者が提供するサービスの適正なあり方を明確にしている。また、当協議会では、消費者が科学的根拠を有する睡眠関連商品・サービスを選べるよう、提供される商品・サービスが信頼性のある手法で得られた合理的な根拠を備えているかを評価する「スリープサポート認証制度」を運用している。この認証制度は、消費者が適切な情報に基づき判断できるよう支援するものであり、事業者にとっても自社の商品・サービスの信頼性を証明する重要な仕組みとなる。

一方で、睡眠関連商品・サービスの広告が消費者の誤解を招く内容にならないよう適正な広告表示を徹底することも、重要な課題の一つである。多くの消費者は、広告を通じて商品やサービスの情報を得るため、広告の信頼性が損なわれると市場全体の信用にも影響を与える。根拠のない情報や誇大広告に惑わされず、消費者が自身の目的に合った選択を行える環境を整備するには、広告表示のルールを明確にする必要がある。この課題に対応するため、当協議会では、睡眠サービスを提供する事業者が法律に基づいた適正な広告表示を理解し、運用できるよう、行政機関との議論を踏まえ「睡眠ヘルスケアサービスの適正広告自主基準」を策定した。本自主基準は、広告の信頼性を確保し、消費者が誤解なく情報を得られるようにすることを目的としている。当協議会の加盟事業者は、本自主基準に従って、適正な広告を作成する責任を負う。

睡眠ヘルスケアサービスは多岐にわたり、カテゴリごとに特徴が異なるため、統一的な基準の策定は難しいのが現状である。そのため、本自主基準では業界全体の基本的な指針を示しながらも、個々の事業者が提供する商品・サービスごとの特性に応じた適切な対応を検討する余地を残している。基準の内容と事業者の見解が異なる場合、その遵守を強制するものではないが、事業者は十分な説明責任を果たす必要がある。

当協議会は、消費者の安全と信頼を最優先に考え、適正な広告表示の徹底を通じて、睡眠ヘルスケア産業の健全な発展を促すことを目指している。健全な市場の形成は、消費者にとって適切な選択肢を提供するだけでなく、事業者にとっても市場全体の信頼向上につながる。適正な広告表示を確立し、業界の発展と日本の経済・技術向上に貢献するため、今後も関係機関との連携を強化しながら取り組みを進めていく。

2.対象とする商品・サービスについて

本自主基準では、薬機法の規制対象でない範囲の睡眠関連商品・サービスを対象とする。したがって、本自主基準では、医薬品、医療機器、医薬部外品、化粧品は対象としない。また、医療行為が含まれる商品・サービス等は対象としない。医薬品、医療機器、医薬部外品、化粧品の定義は薬機法第2条に定められているため、事業者は提供する商品・サービスが、これらの定義に該当しないことを確認すること。

3.対象とする広告について

本自主基準で対象とする広告の具体例を下記の(ア)~(サ)に挙げる。

(ア) 製品の容器、包装、添付文書などの表示物

(イ) 製品のチラシ、パンフレット等

(ウ) テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、インターネットなどによる製品の広告

(エ) 小冊子、書籍

(オ) 会員誌、情報誌

(カ) 新聞、雑誌等の記事の切り抜き、書籍や学術論文等の抜粋

(キ) 代理店、販売店に教育用と称して配布される商品説明・(関連)資料

(ク) 使用経験者の感謝文、体験談集

(ケ) 店内及び車内等における吊り広告

(コ) 店頭、訪問先、説明会、相談会、キャッチセールス等においてスライド、ビデオ等又は口頭で行われる演述等

(サ) その他特定商品の販売に関連して利用される上記に準ずるもの

なお、上記に示したもの以外にも、次に掲げる1)~3)全てに該当するものも広告と判断する。ただし、形式ではなく、一般消費者がこれらの要件を満たすと認識できれば広告と判断する。

1) 顧客を誘引する(顧客の購入意欲を昂進させる)意図が明確であること

2) 特定の商品名等が明示されていること

3) 一般人が認知できる状態であること

4.本自主基準が主に参考とした関連法令

適正な広告表示に関する法規制は多岐にわたるが、代表的なものとしては、薬機法、景品表示法が挙げられる。本自主基準は、主に薬機法、景品表示法等を参考に作成した。下記に薬機法と景品表示法の関連する箇所を下記に列記する。

●医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)

・承認前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品の広告の禁止

―第68条:まだ承認を得ていない医薬品や医療機器、再生医療等製品についての広告は禁止されている。ある製品について、医薬品や医療機器の定義を満たすものであるような説明を行った場合、その製品は医薬品や医療機器として扱われることに留意。

●景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)

・優良誤認表示の禁止

―第5条1号:商品やサービスの内容について、実際のものや事実に相違して競争事業者のものよりも著しく優良であると消費者に誤解される表示を禁止。

・有利誤認表示の禁止

―第5条2号:商品やサービスの取引条件について、実際のものや事実に相違して競争事業者のものよりも著しく有利であると誤解される表示を禁止。

・その他誤認されるおそれのある表示

―第5条3号:消費者に誤認されるおそれのある表示を告示で指定した上で禁止。

・不当景品類及び不当表示防止法

―第7条第2項:合理的な根拠がない効能・性能の表示を不当表示とみなす条項。

・事業者が講ずべき表示の管理上の措置

―第22条:事業者は、適切な表示を管理するための措置を講じなければならない。

また、関連する通知、ガイドライン等も下記に列記する。

●薬機法における医薬品等の広告の該当性

・平成10年9月29日 医薬監第148号 厚生省医薬安全局監視指導課長通知

―医薬品等の広告の該当性についての指針を示した通知で、どのような広告が薬機法上の広告に該当するかを解説している。

●景品及び取引に関する法律(景品表示法)

・景品表示法に基づく各種ガイドライン

なお、これらはあくまでも一例であり、考慮すべき法律等をすべて網羅したものではない。事業者は、当該品の該当する関連法規等に照らし合わせて、事業者の責任において、表示・表現を行う必要がある。

5.広告表現にあたって留意すべきこと

5―1.前提となる考え方

・事業者は、提供する商品が薬機法の規制対象である(薬事該当である)のか、否かを明確にしなければならない。本自主基準においては、薬事該当である商品とは、薬機法上の承認等を受ける必要のある商品(医薬品、医療機器、医薬部外品、化粧品)を示す。

・本自主基準では、薬機法の規制対象でない商品を対象としているため、薬機法の規制対象である商品であると認識させるような広告表示を行なってはならない。

・本自主基準に記載した表現やそれに類似した表現であっても、その適否は広告を構成する広告全体から総合的に判断されるため、最終的な判断基準にはならない。

・広告中に記載する内容には、その裏付けとなる合理的な根拠(エビデンス)を有する必要がある。

5―2.適正な広告表示の考え方

適正な広告表示を行う上では、特に薬機法や景品表示法を十分理解する必要がある。ここでは、薬機法や景品表示法を基にして、適正な広告表示を行うための考え方を示す。

◆ 薬機法の観点からの適正広告の考え方

・薬機法上の承認等を受けていない製品については、疾病の診断、治療、予防に使用されるような表現や、身体の構造や機能に影響を及ぼすような表現など、薬事該当と判断されるような広告表現を用いることは、薬機法に抵触するため、注意しなければならない。なお、薬事該当と判断されるものであるかどうかは、広告中に用いられる個々の言葉だけでなく、広告全体を総合的に判断される。そのため、例え広告中の文言単体が薬機法に抵触しない場合においても、広告全体から総合的に判断されるため、場合によっては、薬機法に抵触する可能性があるので、事業者は十分に留意する必要がある。

・薬事該当と判断される表現には、疾病の治療効果又は予防効果を標榜する用語が含まれる。例えば、不眠症や睡眠時無呼吸症候群などの疾病に対する効果を謳う場合は、薬事該当と判断されるため、これらの表現は、薬機法上の承認等を受けていない製品の広告では、行ってはならない。なお、これらの表現は明示しなくとも、イラストや写真などを用いて、疾病の治療効果又は予防効果を暗示する場合も同様に薬事該当と判断されることがあるので、事業者は十分に留意する必要がある。

【疾病の治療効果又は予防効果を標榜する不適切な表現例】

・「本商品には、不眠症を改善(緩和)する効果があります(期待できます)。」

・「本商品を使用することで、不眠症の予防効果が期待できます。」

・「本商品は、睡眠時無呼吸症候群でお悩みの方にお勧めです。」

・その他、不眠症、睡眠時無呼吸症候群等の疾病の名称を用いる表現や、疾病の名称を暗示させる表現

・身体の構造や機能に影響を及ぼすような表現は、薬事該当と判断される可能性があるため、使用できない。身体の構造や機能に影響を及ぼすような表現であるかは、表現単独ではなく、どのような製品であるかを含めた全体の文脈を踏まえる必要がある。例えば、質の良い睡眠製品を使用することによって得られる安眠効果等は、一般の方にとって、身体の構造や機能に影響を及ぼし、医療機器としての目的を有するものとは認識されにくいと考えられる。このような文脈であれば、下記に示したような睡眠に関連した表現例は、その文言単体が薬事該当と判断される身体の構造や機能に影響を及ぼす表現とはならないが、あくまで広告全体を見て判断される。

なお、質の良い睡眠製品とは、睡眠環境や就床内環境を整える(例:温度や湿度の調整)ような製品などを指す。これには一般的な寝具、寝間着、アイマスク、耳栓など身につけるような製品だけでなく、エアコンや照明なども含まれるが、食品(サプリメント、飲料等)は含まれない。しかし、これらの製品がどのように睡眠に関する機能を発揮するのか、身体の構造、機能に影響を与える、薬理作用を有しているといった認識を与えないかを踏まえ個別に判断がなされる。また、一般的な寝具と類似した形状の製品であっても、一般的な寝具にない特殊な機能を有している場合は、その機能によっては医療機器と判断される可能性がある。ここで言う特殊な機能とは、例えば、その機能が直接的に脳に作用するものなどが該当するが、それ以外の機能についても、その特徴に基づいて個別に判断がなされる。

他方で、これらの表現をサプリメントなどの食品の広告において、当該製品を摂取するだけで安眠効果等が得られるとした場合、当該製品の機能が薬理作用(睡眠薬のような作用)によって生じると解釈され、医薬品と誤認させる可能性が考えられる。この場合は、そのような文言を広告に使用することはできない。また、経口摂取するものの「疲労回復」の標榜については、「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」(昭和46年6月1日付け薬発第476号厚生省薬務局長通知)において、医薬品的な効能効果の例として示されていることに留意が必要である。

【必ずしも薬事該当とはならないが広告全体から個別に判断される文言の例】

・良質な睡眠に関連した表現

「睡眠の質を高める」、「睡眠をサポートする」、「睡眠を良くする」

「寝つきを良くする」、「寝つきの悪さを解消する」

「深い眠りにつきやすい」、「深い眠りが増える」、「熟睡できる」、「ぐっすり眠れる」

「中途覚醒が少なくなる」、「途中の目覚めが減る」

「目覚めを良くする」、「翌朝の寝起きがすっきりする」

「いびきが緩和する」

「レム睡眠/ノンレム睡眠が増える」

「リラックスできる」

「睡眠不足が解消する」

「特別な眠り」、「良質な睡眠」、「安眠」、「快眠」、「質の良い眠り」

「睡眠環境を整える」、「寝心地が良い」

・使用者(対象者)を示した表現

「眠れない方に」、「睡眠に不満を感じている健康な方に」、「いびきが気になる方に」

・良質な睡眠によって得られる表現

「良質な睡眠によりストレスを軽減する(和らげる)」、「良質な睡眠により疲労回復がもたらされる」

・その他の表現

「睡眠に悩む人の○%が満足した/おすすめしたいと回答した」など

上記一覧の表現を使用するときの注意事項として、これらの表現は薬機法に抵触しないと保証するものではない。これらの表現を使用する場合は、単独で使用するのではなく、例えば、質の良い睡眠製品によって得られる機能であることを明確に説明することが望ましい。また、これらの表現を用いた場合でも、広告全体で見た場合に特定の疾患の治療、又は予防を目的とするような広告内容や、これらの効果があるかのような広告内容は、明示的、暗示的であるかは問わず、薬事該当と判断される可能性があり、事業者はそのような広告を行うことはできない。この点について判断に苦慮する場合は、都道府県等の薬務課に相談が可能である。

なお、これらの表現を使用する場合には、合理的な根拠(エビデンス)がなければ使用することはできない。ここでいう「合理的な根拠」とは、景品表示法でも記載されているが、客観的に実証された内容であり、表示された内容と実証された内容が適切に対応している必要がある。

「合理的な根拠」を示すための実証方法は、一般社団法人睡眠ヘルスケア協議会の「睡眠サービス提供事業者が遵守すべきガイドライン(第2版)」の“機能性評価担保のための試験方法”に具体的な試験方法が示されているので、事業者は必要に応じて参考にすること。

◆ 景表法の観点からの適正広告の考え方

・広告表現に用いられる表現には、適切なエビデンスの構築・検証のもと合理的な根拠(エビデンス)を有する必要がある。そのため、エビデンスがあるかのように誤認させるような用語を使用してはならない。さらに、合理的な根拠(エビデンス)から飛躍した誇大表現になる用語や、「保証する」という表現は、一般消費者に誤解を招く可能性があるため、使用してはならない。

【誇大表現や「保証する」を用いた不適切な表現例】

・「この商品を使用すれば、誰でも絶対に安眠効果を得ることができます。」

・「この商品は、睡眠の質を高めることを保証します。」

・裏付けとなる合理的な根拠(エビデンス)を有している場合は、広告の表現として、商品やサービスとエビデンスに沿った試験結果やグラフなどを紐づけて表示することはできるが、試験条件が視認性を持って明瞭に表示されない示し方や、過大な効果が得られると誤認するような示し方をしないように留意する必要がある。特に最終製品を用いた試験結果ではない場合は、視認性を持って明瞭に表示する必要がある。また、これらの試験結果やグラフを示すことで、広告全体として、疾病の治療効果又は予防効果が暗示されないように、十分に留意する必要がある。

・「合理的な根拠(エビデンス)」に関しては、景品表示法7条2項と8条3項に示されているので、下記にその概略を示す。事業者は、広告に表示するために必要な「合理的な根拠(エビデンス)」の考え方を十分に理解する必要がある。

(1) 景品表示法7条2項及び8条3項の適用について

消費者庁長官は、事業者が行った表示が優良誤認表示に該当するか否かを判断するため必要があると認めるときは、当該表示をした事業者に対し、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。当該事業者が当該資料を提出しないときは、消費者庁が当該表示について実際のものとは異なるものであること等の具体的な立証を行うまでもなく、措置命令又は課徴金納付命令との関係では、当該表示は優良誤認表示に該当する表示であるとみなされ、又は推定されることとなる(不実証広告規制 景品表示法7条2項、8条3項)。

(2) 合理的な根拠の判断基準

表示の裏付けとなる資料が「合理的な根拠」と認められるためには、(i)提出資料が客観的に実証された内容のものであること、(ii)表示された効果、性能と提出された資料によって実証された内容が適切に対応していること、の2つの要件を満たす必要がある(「不当景品類及び不当表示防止法第7条第2項の運用指針―不実証広告規制に関する指針」[以下、単に「指針」という]5頁)。詳細については指針を参照されたい。

(ア) 提出資料が客観的に実証された内容のものであること

提出資料は、表示された具体的な効果、性能が事実であることを説明できるものでなければならず、そのためには、客観的に実証された内容のものである必要がある。客観的に実証された内容のものとは、①試験・調査によって得られた結果、②専門家、専門家団体若しくは専門機関の見解又は学術文献、のいずれかに該当するものである(指針5頁)。

・試験・調査によって得られた結果(指針6頁)

試験・調査によって得られた結果を表示の裏付けとなる根拠として提出する場合、当該試験・調査の方法は、表示された商品・役務の効果、性能に関連する学術界又は産業界において一般的に認められた方法又は関連分野の専門家多数が認める方法によって実施する必要がある。

・専門家、専門家団体若しくは専門機関の見解又は学術文献(指針7頁)

専門家等の見解又は学術文献を表示の裏付けとなる根拠として提出する場合、次のいずれかを満たす必要があるものと考えられる。

(i) 専門家等が、専門的知見に基づいて当該商品・役務の表示された効果、性能について客観的に評価した見解又は学術文献であって、当該専門分野において一般的に認められているもの

(ii) 専門家等が、当該商品・役務とは関わりなく、表示された効果、性能について客観的に評価した見解又は学術文献であって、当該専門分野において一般的に認められているもの

(イ) 表示された効果、性能と提出資料によって実証された内容が適切に対応していること

提出資料が表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであると認められるためには、前記のように、提出資料が、それ自体として客観的に実証された内容のものであることに加え、表示された効果、性能が提出資料によって実証された内容と適切に対応していなければならない(指針7頁)。

(ウ) 科学的根拠として明らかに適切ではないと考えられる具体例

科学的根拠として明らかに適切とは考えられない例としては、以下が考えられる。あくまで一例であり、不適切な例を限定する趣旨ではないことに留意する必要がある。

・表示の内容が、科学的根拠の内容に比べて過大である、又は当該根拠との関係性が認められないもの

・限定的な条件下での結果であり、条件を限定しない場合には表示で訴求する効能効果が期待し難いと考えられる結果であるにもかかわらず、表示の内容では当該条件に何ら言及していないもの

・根拠となる文献が撤回され、表示の科学的根拠となる文献が存在しないもの

・サービスや商品の利用者によるレビューや体験談を表示する場合、無作為抽出法で相当数のサンプルを選定していないもの、作為が生じないように考慮していないもの、統計的に客観性が十分に確保されていないもの

6.スリープサポート認証を受けた商品及びサービスに関する広告表現

下記は、睡眠ヘルスケア協議会が運用しているスリープサポート認証制度で認証を受けた商品やサービスの広告に関する運用を示す。事業者は、当該品の該当する関連法規等に照らし合わせて、事業者の責任において、表示・表現を行う必要がある。

(1) スリープサポート認証制度について

睡眠ヘルスケア協議会では、スリープサポート認証制度を通じて、事業者が申請する製品の合理的根拠が適切かどうかを外部有識者による認証審査委員会の審査を基に認証を行なっている。スリープサポート認証制度は、医療行為や医薬品、医療機器、医薬部外品、化粧品を除いた、ヘルスケア分野の睡眠関連の商品及びサービスを本認証制度の範囲としている。具体的には、以下のカテゴリに分類しているが、食品(サプリメント、飲料等)のカテゴリは、食品表示法などの関連法規があるほか、経口摂取による機能は、前述のとおり、他のカテゴリと比べ薬機法に抵触する表現と判断されやすいので、十分に注意する必要がある。また、技術の進歩に伴い、睡眠に関連するカテゴリが新しく創出されることも考慮し、カテゴリは適時改訂する。

大カテゴリ

小カテゴリ

具体的サービス例

睡眠状況を測定・提示するサービス

計測機器・アプリで睡眠状況を測定・提示するサービス

※製品によっては体動センサ等の医療機器に該当することに留意

生体シグナルから判断するデバイス・センサー

(接触・非接触の活動量計、睡眠計等)

日誌等の主観評価を記録するアプリ

(睡眠日誌アプリ等)

より良い睡眠により健康増進をサポートするサービス

行動変容を促すサービス

行動変容のために必要となる情報を提供するアプリ・情報サービス

摂取物を提供するサービス

食品(サプリメント、飲料等)

※経口摂取による機能については、表現が薬機法に抵触しないか特に留意が必要

※機能性表示食品に限る

睡眠環境を提供するサービス

身につける商品及びサービス

(寝具、ウェア、雑貨等)

空間に作用する商品及びサービス

(照明、空調、音楽、匂い)

その他

(2) 認証マークの表示について

スリープサポート認証を受けた製品には、睡眠ヘルスケア協議会が発行している認証マークが発行される。事業者は、睡眠ヘルスケア協議会の認証マーク利用規定に準じて、製品や広告媒体に以下の認証マークを貼付することができる。なお、事業者は認証マークを貼付する前の広告全体が、薬機法や景品表示法などに抵触せず、適正な広告表示ができていることを確認しなければならない。広告全体として薬機法に抵触しない場合であれば、この認証マークを貼り付けることによって、薬機法に抵触する広告とは判断されないが、このマークが貼りつけられていることが薬機法に抵触しない広告であることを担保するものではない。なお、食品カテゴリに関しては、(5)も参照すること。

(3) 認証製品の標榜方法 (食品のカテゴリ除く)

スリープサポート認証制度は、医薬品や医療機器、医薬部外品、化粧品などを除いたヘルスケア分野の製品を対象にしているため、薬事該当と判断される広告表現はできない。しかし、スリープサポート認証制度が対象とする商品やサービスは、通常人が普段の生活の中で使用する商品やサービスであるため、これらを一般的な方法で使用することによって得られる「質の良い睡眠」のような表現は、一般消費者が、薬事該当の目的や効果効能を有する製品であると認識するとは考えにくく、これらの商品やサービスが医薬品や医療機器と誤認するとは考えにくい。

また、スリープサポート認証制度は、事業者が提供する商品及びサービスが持つ「質の良い睡眠」に関連する機能が、合理的根拠によって検証されているかどうかを外部有識者による認証審査委員会での審査結果をもとに、睡眠ヘルスケア協議会で認証している。このことから、合理的な根拠(エビデンス)を有していると考えることができる。従って、スリープサポート認証制度で認証された製品は、広告中で下記の表現が可能となる。なお、この表現を標榜するためには、事業者は、認証マークと同様に、下記表現を標榜する前の広告全体が、薬機法や景品表示法などに抵触せず、適正な広告表示ができていることを確認しなければならない。広告全体として薬機法に抵触しない場合であれば、下記表現を追加することによって、薬機法に抵触する広告とは判断されないが、この表現が記載されていることが薬機法に抵触しない広告であることを担保するものではない。なお、事業者は一般消費者に対して、本製品が疾病の治療効果又は予防効果を有するなどと誤認されないように、その旨を記載したり、本製品が医療機器等、薬機法上の承認を受けている商品と誤解されないように、その旨を記載したりすることがより好ましい。

【スリープサポート認証制度で認証された製品が表示できる表現例】

「本製品は、睡眠ヘルスケア協議会におけるスリープサポート認証制度によって、○○○認証を得たことから、眠りをサポートする機能が期待できます」

○○○認証には、スリープサポート認証制度で定めた「ゴールド」「シルバー」「ブロンズ」が入ります。

(4) 認証製品の禁止表現

スリープサポート認証制度は、一般社団法人睡眠ヘルスケア協議会の認証制度であり、個々の商品及びサービスごとに認証をしている制度であるため、認証を受けた事業者は、広告を行う際に、下記の誤認される表現を用いてはならない。

・国や公的機関の評価、許可等を受けたものと誤認させるような用語

スリープサポート認証制度は、一般社団法人睡眠ヘルスケア協議会の認証制度であり、国や公的機関の認証制度ではない。そのため、本認証制度を国や公的機関から評価、許可等を受けたと誤認を与える表現をしてはならない。

【禁止される不適切な表現例】

「厚生労働大臣許可」、「厚生労働省承認」、「経済産業省承認」、「○○省推薦」

* 国や公的機関に許可・承認を受けた、届け出たと誤認させる表現

・第3者の認定委員から許可や承認を受けたものと誤認させるような用語

スリープサポート認証制度は、各事業者が該当製品の申請を睡眠ヘルスケア協議会に行い、睡眠ヘルスケア協議会が、外部有識者による認証審査委員会の審査を基に、睡眠ヘルスケア協議会が認証を付与するものであり、認証委員会が許可や承認したものではない。そのため、この認証がこれら委員会や委員から許可や承認を受けたと誤認させるような表現はしてはいけない。

【禁止される不適切な表現例】

「認証評価委員会承認」、「○○教授承認」等

・認証された製品以外も認証されたと誤認させるような用語

スリープサポート認証制度は、製品ごとに認証を付与するものであり、事業者の企業自身に付与したり、製品ブランド全体に付与したりしたものではない。事業者は、一般消費者が誤解しないように留意しなければならない。また、類似の商品などに事業者が勝手に認証を拡大させてはいけない。認証を新規に得たい場合は、その都度、睡眠ヘルスケア協議会へ相談する必要がある。

【禁止される不適切な表現例】

「○○会社は、スリープサポート認証制度の○○認証を受けています。」

「○○ブランドは、スリープサポート認証制度の○○認証を受けています。」等

(5) 食品のカテゴリについて

スリープサポート認証制度では、食品(サプリメント、飲料等)など、摂取物を提供するサービスも対象範囲に含まれている。しかし、食品の機能を表示する場合には、国が定めた安全性や有効性に関する基準などに従った機能性表示食品である必要があり、本制度の対象は機能性表示食品に限られる。スリープサポート認証制度による認証マークの貼付は、機能性表示食品との併用表示は可能である。認証マークを貼付する際には、食品関連の法規にも十分に注意する必要がある。関連法規の例として、下記の文章も確認すること。

「機能性表示食品の届出等に関する手引き」(令和7年3月25日消食表第273号)

「機能性表示食品に関する質疑応答集」(令和7年3月25日消食表第274号)

「機能性表示食品の広告等に関する主な留意点」(平成27年6月19日公表)

「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」(令和4年12月5日公表)

「機能性表示食品に対する食品表示等関係法令に基づく事後的規制(事後チェック)の透明性の確保等に関する指針」(令和2年3月24日付け消食対第518号・消食表第81号)

7.留意事項

・本資料に記載した表現やそれに類似した表現であっても、ある広告が不適切な広告となるか否かについては、字句や文面のみから一律に判断されるべきものではない。広告表現全体の構成や説明の文脈又は世相によって、消費者に与える広告の効果は変化するものであり、また広告媒体の特性によっては、広告スペースや活字の大きさ、音声の画面の組合せの効果なども影響してくる。広告の評価にあたっては、このような各種の要件を総合的に判断する必要があることに留意しなければならない。

・広告に関しては適正かつ誠実な内容での運営が求められる。広告違反が発覚した場合、速やかに改善対応、再発防止に努めなければならない。改善対応が適切に行われない場合、認証制度の権利をはく奪する場合がある。さらに、違反の内容や重大性に応じて、関連する省庁にも報告を行うことがあるので、事業者は留意しなければならない。

・睡眠ヘルスケアサービスの適正広告自主基準は第1版であるため、その後の潮流などで一部変更される可能性もある。事業者は睡眠ヘルスケアサービスの適正広告自主基準の最新版を本協議会のHPなどで確認すること。

・事業者におけるその他、遵守事項や機能性評価担保のための試験方法などは、睡眠ヘルスケア協議会の策定している「睡眠サービス提供事業者が遵守すべきガイドライン」第2版を参照すること。

8.免責事項

・本資料は関連の行政機関には相談・確認を経ているが、当協議会としての是非判断であり、全般的な広告としての妥当性を普遍的に保証するものではなく、個別の広告の適切性については関係行政機関で判断される。

・本資料については広告掲載者の遵守を求めるものであり、協議会は個々の広告内容に関する責任を負わない。また、当サイトに含まれる情報もしくは内容を利用することに伴い直接・間接的に生じたトラブルや損害については、広告掲載者自身が責任を負うものとし、広告掲載に関して生じた問題やトラブルについて一切の責任を負わない。

・本資料は、一般論としての表現例を記載しているので、個々具体的に疑義が残る場合、および新たな表現等については、関係都道府県等の薬務課や消費者庁表示対策課などに事前確認すること。

以上